JP2014149798A - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】精度よく合成用画像を合成する。
【解決手段】デジタルカメラ100の再構成部150は、ライトフィールド画像から、所定の再構成距離において合成用画像である再構成画像を生成する。設定部160は、2つの再構成画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを複数設定する。重み決定部170は、比較部位に含まれる画素の重み付け値を、その画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の再構成距離との差に基づいて決定する。類似度決定部180は、組合せの比較部位同士の類似度を重み付け値を用いて決定する。合成部190は、2つの再構成画像を類似度が高い組合せの比較部位で合成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
近年、様々なデジタルカメラが知られている。
例えば、撮影後にユーザがピント調節できるライトフィールドカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。撮影後にピント調節が出来る利点を生かすためには、望遠レンズを用いてカメラからの距離(被写体距離)が異なる複数の被写体を含むように撮影することが望ましい。
一方で、撮影した画像を合成して画角を広くすることができるデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献2を参照)。このデジタルカメラでは、いわゆるパノラマ撮影のようにカメラを移動させながら連続撮影を行い、得られた複数の合成用画像をパノラマ合成して画角の広い画像を生成している。具体的には、特許文献2におけるパノラマ合成は、2つの合成用画像に複数の対応するラインを引き、その対応するライン同士の類似度を全て算出して類似度が最も高いラインで2つの合成用画像を合成するようしている。この特許文献2では、比較対象となる2本のライン上に含まれる画素の輝度値のSSD(Sum of Squared Differences)を用いて、SSDが最も低いラインを類似度が最も高い2本のラインと判別する。
特表2008−515110号公報 特開2012−080204号公報
上述したように、特許文献1のライトフィールドカメラでは、望遠レンズを用いて被写体距離が異なる複数の被写体を含むように撮影することが望ましい。この場合、望遠レンズで撮影するため、撮影により得られた画像の画角が狭くなってしまう。このような事情から、特許文献2の技術を用いて、被写体距離が異なる複数の被写体を撮影位置や撮影角度を変えて撮影した複数の画像を合成用画像として合成して画角を広げることが考えられる。この場合撮影時の視差により、被写体同士の相対位置が合成用画像間で変化する。
ところで、特許文献2の技術では、合成用画像の比較部位(比較対象となる2本のライン)に含まれる画素同士を一律に比較して類似している位置(輝度のSSDが最も小さいライン)を合成位置とする。このため、被写体同士の相対位置が合成用画像間で変化する場合には合成の継ぎ目で主要な被写体がずれてしまうことがあった。よって、合成用画像を合成する精度の更なる向上が望まれる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、精度よく合成用画像を合成する装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係る画像処理装置は、
2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段と、
前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段と、
前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段と、
前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、精度よく合成用画像を合成することができる。
この発明の実施形態に係るデジタルカメラのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示したデジタルカメラの光学系の構成例を示す模式図である。 ライトフィールド画像の概念図である。 ライトフィールド画像と再構成画像の一例を示す写真である。 デジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。 実施形態に係る再構成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 距離推定テーブルの一例を示す図である。 部分画像定義テーブルの一例を示す図である。 配置間隔テーブルの一例を示す図である。 ライトフィールド画像から再構成画像を生成する処理の概要を示す図である。 被写体距離テーブルの一例を示す図である。 実施形態に係るパノラマ合成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 パノラマ撮影モードの撮影動作の一例を示す図である。 再構成画像の合成の流れを説明するための図である。 実施形態に係る類似度算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 重み付け値テーブルの一例を示す図である。 パノラマ画像の一例を示す図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照しながらデジタルカメラ100のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、デジタルカメラ100は、撮影部110と画像処理装置120と操作部130と表示部140とを備える撮像装置である。
撮影部110は、メインレンズ111とマイクロレンズアレイ112と撮像素子113とを備える。この撮影部110の詳細については後述する。
次に、画像処理装置120は、CPU(Central Processing Unit)121とROM(Read Only Memory)122とRAM(Random Access Memory)123とHDD(Hard Disk Drive)124と角速度センサ125とメディアドライブ126とリムーバルメディア127とを備える。
このうち、CPU121は、画像処理装置120及びデジタルカメラ100を制御する中央演算装置である。
ROM122は、CPU121が実行するプログラムを格納している不揮発性メモリである。
RAM123は、CPU121が実行するプログラムを一時的に記憶し、CPU121が各種処理を行う際の作業領域として使用する揮発性メモリである。
HDD124は、各種画像のデータ、各種テーブル及び各種設定情報を記憶する記憶手段である。各種画像のデータとしては、例えば後述するライトフィールド画像のデータ、再構成画像のデータ及びパノラマ画像のデータなどである。なお、このライトフィールド画像は、多視点画像の一種である。また、各種テーブルとしては、例えば後述する部分画像定義テーブル、配置間隔テーブル及び被写体距離テーブルなどである。また、各種設定情報としては、例えばメインレンズ111の焦点距離、マイクロレンズアレイ112の各マイクロレンズの焦点距離及び撮像素子113の置かれた位置などである。
角速度センサ125は、ジャイロなどを備え、デジタルカメラ100の角度変位量を検出する検出手段である。
メディアドライブ126は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア127を装着するためのものである。メディアドライブ126に装着されたリムーバブルメディア127から読み出されたプログラムは、必要に応じてHDD124にインストールされる。また、リムーバブルメディア127は、HDD124に記憶されている画像データなどの各種データを、HDD124と同様に記憶することができる。
次に、操作部130は、シャッターキー、電源スイッチ及びモード切替スイッチなどの複数のスイッチを備える。シャッターキーは、撮影部110による撮影処理のトリガとなるスイッチである。電源スイッチは、デジタルカメラ100の電源を入れるためのスイッチである。モード切替スイッチは、パノラマ合成を行わない通常撮影モードと、パノラマ合成を行うパノラマ撮影モードと、を切り替えるためのスイッチである。
表示部140は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示手段である。この表示部140は、HDD124又はリムーバルメディア127に記憶された各種画像のデータに基づいて、その各種画像を表示する。
ここで、図2を参照しながら、デジタルカメラ100の撮影部110の詳細について説明する。図2に示すように、デジタルカメラの光学系においては、被写体OBから見て、メインレンズ111と、マイクロレンズアレイ112と、撮像素子113と、がその順番で配置されている。
メインレンズ111は、一又は複数の凸レンズ、凹レンズ又は非球面レンズなどから構成される。このメインレンズ111は、被写体OB上の点から射出された光束を集光して結像面MAに結像させる。
マイクロレンズアレイ112は、平面状に格子状に配置されたN×M個(N及びMは2以上の任意の整数値)のマイクロレンズ112−1乃至112−N×Mから構成される。図2には、縦一列(M個)のマイクロレンズが図示されている。なお、各マイクロレンズ112−i(iは、1乃至N×Mの範囲内の整数値)は、同じ大きさの径をもち、マイクロレンズアレイ112に同じ間隔で格子状に配列されている。
このマイクロレンズ112−iは、被写体OBからメインレンズ111を介して入射されてくる光束を入射方向毎に集光して、撮像素子113上にサブ画像として結像させる。
撮像素子113は、各マイクロレンズ112−iにより結像された複数のサブ画像を含むライトフィールド画像(Light Field Image :LFI)を生成するイメージセンサである。
このライトフィールド画像は、被写体OBを同時に複数の視点から見た複数のサブ画像を含む。このライトフィールド画像の概念図を図3に示す。この図3は、ブロック状の被写体OBを撮影したライトフィールド画像の一例である。
このライトフィールド画像は、格子状に配置されたN×M個のマイクロレンズ112−iのそれぞれに対応するサブ画像(S11〜SMN)から構成される。例えば、左上のサブ画像S11は、被写体OBを左上から撮影した画像に相当し、右下のサブ画像SMNは、被写体OBを右下から撮影した画像に相当する。
このライトフィールド画像の写真の一例を図4(a)に示す。ライトフィールド画像は、被写体OBを同時に複数の視点から見た複数のサブ画像を含むので、デジタルカメラ100の画像処理装置120が各サブ画像を適切に合成することで、ユーザが再フォーカスしたい距離にピントを合わせた画像を再構成することができる(図4(b))。ライトフィールド画像から図4(b)に示すような再構成画像(Reconstructed Image :RI)を生成する処理である再構成処理については後述する。
なお、被写体の像を再構成する仮想的な面のことを再構成面と称して以下説明する。また、再構成面からメインレンズ111までの仮想的な距離のことを再構成距離と言う。再構成距離は、被写体の像を再フォーカスした距離でもある。本実施形態では、再構成距離に近い被写体が合成画像上でずれないように位置合わせをしてパノラマ合成する。そのため、再構成距離を位置合わせの基準となる距離(基準距離)とする。また、この実施形態では各サブ画像はグレースケール画像であり、サブ画像を構成する各画素は画素値を持つ。
ここで、CPU121は、ROM122内の各種プログラムを読み出し、RAM123に展開した後、その各種プログラムに従って画像処理装置120を制御することで、図5に示すような各部の機能を発揮することができる。機能としては、図5に示すように、再構成部150、設定部160、重み決定部170、類似度決定部180、合成部190及び保存部200を備える。なお、各部の機能の実行主体はCPU121であるが、説明の便宜上、各部の機能を実行主体として説明する。
まず、再構成部150は、それぞれ異なる視点から被写体OBを撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像から所定の再構成距離において再構成画像を生成する再構成手段である。
具体的には、再構成部150は、ライトフィールド画像に含まれる複数のサブ画像を構成する各画像の画素ズレ係数に基づいて、画素毎に被写体OBまでの距離を推定する。そして、推定した被写体までの距離と所定の再構成距離との差に応じて画素毎にボケを付加する。この再構成部150は、ボケ付加手段としても機能する。
次に、ライトフィールド画像に含まれる各サブ画像の画像ズレ係数に基づいて、各サブ画像から部分画像を切り取る際の大きさと、再構成面に部分画像を配置する際の配置間隔と、を特定する。ここで、サブ画像から部分画像を切り取るとは、部分領域の境界を決定した上でサブ画像から部分画像を抽出することをいう。ここでは切り取られた部分領域の画像データはライトフィールド画像上に残るが、その後不要である場合には削除されても良い。
次に、その特定した大きさの部分画像を配置間隔に従って再構成面に順次配置して所定の再構成距離における再構成画像を生成する。なお、再フォーカス可能な距離の範囲を再構成距離範囲という。この再構成距離範囲は、メインレンズ111などの光学系の性能等により定まるものである。この再構成距離範囲は、具体的には、サブ画像間の被写体の画素ずれ(視差)が最も大きくなるメインレンズ111から最も近い距離と、視差が最も小さくなるメインレンズ111から最も遠い距離と、の間の範囲となる。この実施形態においては、一例として、再構成距離範囲はメインレンズ111の手前20cmから10mの範囲内であり、所定の再構成距離は中央付近の5mであるものとする。この所定の再構成距離の値は、HDD124に予め記憶されているものとする。以下、再構成処理について図6のフローチャートを参照しながら詳述する。
再構成部150は、撮像素子113により生成されたライトフィールド画像を取得すると図6の再構成処理を開始する。
まず、再構成部150は、k1をカウンタ変数として、ライトフィールド画像のk1番目のサブ画像に注目する(ステップS11)。次に、再構成部150は、ステップS11で注目したサブ画像である注目サブ画像の各画素の画素ズレ係数から被写体までの距離を推定する(ステップS12)。具体的には、再構成部150は、まず注目サブ画像の各画素を順次注目画素として、その注目画素に対応する画素が、周辺サブ画像でどの程度ずれているかを示す係数(注目画素の画素ズレ係数)を算出する。画素ズレ係数は、例えば以下の方法で算出する。
注目サブ画像の右側(無い場合は左側)のサブ画像を、位置順にSR1、SR2、…SRkとする。kは設定上定められた自然数である。また、注目サブ画像内の注目画素の画素値を画素値a、その注目画素の座標を(x、y)とする。現在の画素ズレをdとして、注目画素の座標(x、y)の画素値aと、右側のサブ画像SR1の座標(x+d、y)の画素値(右にd個ずれた画素の画素値)と、の差を算出する。同様に、画素値aと、SR2の(x+2d、y)との差、…、SRkの(x+kd、y)との差、をそれぞれ算出して、差分絶対値和を求める。これを起こりうる画素ズレ(視差)の範囲について繰り返す。得られた絶対差分値和が最小である画素ズレの数を画素ズレ係数とする。
ここで、画素ズレ係数は、メインレンズ111から遠くにある被写体を撮影した場合には小さく、近くにある被写体を撮影した場合には大きい。この画素ズレ係数の大きさは、被写体までの距離と相関関係があるので、予め画素ズレ係数の大きさと被写体までの距離である被写体距離とを対応付けた図7の距離推定テーブルを用意しておくことにより、算出した画素ズレ係数から被写体距離を推定することができる。再構成部150は、距離推定テーブルを用いて、注目画素について算出した画素ズレ係数から被写体距離を推定する。再構成部150は、注目サブ画像に含まれる全ての画素について、画素ズレ係数を算出して、被写体までの距離推定を行う。
なお、画素ズレ係数を求める際に上述した絶対差分値和の最小値が複数ある場合は、画素ズレ係数を求めることができないので被写体までの距離推定を行うことができない。この場合、被写体距離不明フラグをたてる。また、絶対差分値和の最小値が最小値を規定する所定値を越えない場合や、絶対差分値和の最小値の他に極小値が存在しかつ最小値と他の極小値との差が所定の値(又は比率)よりも小さい場合に、有効な画素ズレ係数を求められなかったとして、同様に被写体距離不明フラグをたてても良い。
図6のフローチャートに戻って、次に、再構成部150は、各画素について推定した被写体距離と再構成距離との差を取得する(ステップS13)。具体的には、再構成部150は、ステップS12において各画素について推定した被写体距離と所定の再構成距離(この実施形態では5m)との差を取得する。
次に、再構成部150は、ステップS13で算出した差が所定の閾値よりも大きい画素にボケ付加を行う(ステップS14)。具体的には、再構成部150は、所定の閾値を越える画素であって、その差が大きい画素程、強いボケを付加するようにする。言い換えると、ある画素について推定した被写体までの距離と、再構成距離とがずれる程、その画素について強いボケを付加するようにする。一方、再構成部150は、ある画素について差がない場合(推定した被写体までの距離と再構成距離とが一致する場合)、再構成距離にある被写体の像を鮮明にするため、ボケ付加を行わない。なお、ボケ付加には、例えば、ガウシアンフィルタを用いる。ボケを強く付加するには、例えば、よりδが大きい(大きいカーネルの)ガウシアンフィルタによりボケ付加を行えばよい。
図6のフローチャートに戻って、次に、再構成部150は、ステップS11で注目した注目サブ画像の画像ズレ係数を取得する(ステップS15)。具体的には、再構成部150は、注目サブ画像に写る被写体が、その注目サブ画像を中心とした所定範囲の周囲のサブ画像においてどの程度ずれて写っているかを示す係数である画像ズレ係数を算出する。画像ズレ係数は、例えば以下の方法で算出する。
注目サブ画像の中心の所定領域(例えば、中心の10×10の画素の領域)を中心領域とし、その中心領域に対応する部分が右隣(無い場合は、左隣)のサブ画像のどこにあるのかを求める。具体的には、右隣の中心の10×10の画素の領域を算出対象領域とする。そして、中心領域と算出対象領域の各画素値の差分絶対値和をとる。次に、右に1画素ずらした算出対象領域について同様に差分絶対値和をとる。これを起こりうる画素ズレ(視差)の範囲について繰り返す。得られた差分絶対値和が最小である算出対象領域が中心領域と対応する領域である。また、その最小の差分絶対値和が得られた画素ズレの数を画像ズレ係数とする。なお、画像ズレ係数は、ステップS12で求めた各画素の画素ズレ係数を平均して求めてもよい。
次に、再構成部150は、部分画像の大きさを特定する(ステップS16)。具体的には、再構成部150は、HDD124に記憶された図8に示す部分画像定義テーブルを参照して、算出した画像ズレ係数と対応する部分画像の大きさを特定する。例えば、画像ズレ係数が8画素である場合、部分画像の大きさは注目サブ画像の中心6×6画素の領域である。なお、この部分画像定義テーブルは、予めHDD124に記憶されているものとする。また、この部分画像定義テーブルの部分画像の大きさは、画像ズレ係数が大きい程大きくなる。これは画像ズレ係数が大きいと被写体OBの位置がサブ画像間で大きくずれていることを意味し、隣接するサブ画像の部分画像を繋げて再構成画像を生成するにあたって情報の抜けを作らないためには部分画像の大きさが大きい方が好ましいからである。一方で、画像ズレ係数が小さい画像については部分画像を小さくして、再構成画像上で隣同士のサブ画像間に現れる情報が過度に重複しないようにしている。
次に、再構成部150は、配置間隔を特定する(ステップS17)。具体的には、再構成部150は、再構成距離と画像ズレ係数とメインレンズ111の焦点距離と配置間隔とを対応付けた図9に示す配置間隔テーブルを参照して、部分画像の配置間隔を特定する。この配置間隔テーブルでは、予め実験により求められた好適な配置間隔が設定されている。また、この配置間隔テーブルは、予めHDD124に記憶されているものとする。図9の例では、再構成部150は、所定の再構成距離が5m、算出した画像ズレ係数が8画素、設定情報であるメインレンズ111の焦点距離が10mである場合、配置間隔として3画素を特定する。
次に、再構成部150は、部分画像を再構成面に重ね合わせ配置する(ステップS18)。具体的には、再構成部150は、特定した大きさの部分画像を注目サブ画像から切り出して、その切り出した部分画像を配置間隔に従って再構成面に配置する。この際、部分画像の一辺の大きさは配置間隔よりも大きいので、再構成面に配置した部分画像同士が重なる。重なった部分については、画素の画素値を加算平均して再構成画像の画素値とする。
次に、再構成部150は、全サブ画像処理済か否か判断し(ステップS19)、処理済でない場合(ステップS19:No)、カウンタをインクリメントして(ステップS20)、全サブ画像を処理するまでステップS11乃至18の処理を繰り返す。再構成部150は、全サブ画像処理済みであると判断すると(ステップS19:Yes)、HDD124に予め記憶されている所定の再構成距離において再構成した再構成画像をHDD124に記憶して処理を終了する。
ここで、図10を参照しながらライトフィールド画像から再構成画像を生成する処理の概要について説明する。なお、説明の便宜上、特定した部分画像の大きさの一辺が配置間隔の2倍である場合を例にとって説明する。なお、この例では再構成面の端の部分を除いて、部分画像が4枚ずつ重なる。
まず、再構成部150は、ライトフィールド画像の左上のサブ画像S11をサブ画像として注目する(ステップS11)。そして、再構成部150は、ステップS12乃至14の処理により、サブ画像S11内の各画素について被写体までの距離推定を行って、所定の再構成距離との差が所定距離以上(例えば2m)である画素についてはボケ付加を行う。そして、再構成部150は、ステップS15乃至17の処理により、部分画像PI11の大きさと配置間隔とを特定した後、注目サブ画像S11から部分画像PI11を切り出し、その切り出した部分画像PI11を再構成面の左上に配置する(ステップS18)。
ステップS11に戻って、再構成部150は、次に右隣のサブ画像S12に注目する(ステップS11)。再構成部150は、注目サブ画像S12から部分画像PI12を切り出して、その切り出した部分画像PI12を先ほど再構成面に配置した部分画像PI11の右隣に配置する(ステップS18)。切り出した部分画像PI12の一辺が配置間隔の2倍であるので、部分画像PI11と部分画像PI12は水平方向に互いに重なりをもって配置される。再構成部150は、同様に、サブ画像S12の右隣のサブ画像S13から部分画像PI13を切り出し、水平方向に重なりをもって配置する(図10の(a))。
再構成部150は、この処理をライトフィールド画像の右端まで繰り返す。再構成部150は、右端のサブ画像S1Nの処理が済んだら、ライトフィールド画像の左端に戻る。そして、再構成部150は、上から2段目のサブ画像S21に注目し(ステップS11)、注目したサブ画像S21から切り出した部分画像PI21を最初に再構成面に配置した部分画像PI11の下側に配置する(ステップS18)。切り出した部分画像PI21の一辺が配置間隔の2倍であるので、再構成部150は部分画像PI21を部分画像PI11等の一段上に配置された部分画像に対して、垂直方向に重なりをもって配置する(図10の(b))。
再構成部150は、2段目の全てのサブ画像S21〜S2Nの処理が済んだら、ライトフィールド画像の次の段のサブ画像を処理する。再構成部150は、ライトフィールド画像の右下のサブ画像SMNまで処理すると(ステップS19:Yes)、生成した再構成画像をHDD124に記憶して処理を終了する。
なお、再構成部150は、図6乃至10を参照して説明した再構成処理の後、後述するパノラマ合成処理用に、生成した再構成画像の画素毎に被写体までの距離をそれぞれ設定してHDD124に記憶する。具体的には、再構成部150は、生成した再構成画像を構成する各画素を示す座標と、再構成画像を構成する各画素の被写体距離と、を対応付けた図11に示す被写体距離テーブルを作成してHDD124に記憶する。
被写体距離テーブルの再構成画像の各画素の座標は、再構成画像の左上を座標原点(0,0)とし、水平方向をx座標、垂直方向をy座標で表したものである。また、この被写体距離テーブルの被写体距離は、再構成画像の被写体距離を画素単位で推定した数値である。部分画像を重ね合わせた部位の画素に対しては、重なり合なった画素それぞれについて推定した被写体距離の最頻値をその再構成画像の画素の被写体距離として設定する。あるいは、重なり合なった画素それぞれについて推定した被写体距離の平均値を再構成画像の画素の被写体距離としてもよい。また、重ね合わせがない部分(例えば、図10の(b)の再構成画像の左上部分)の場合、その部分を構成する部分画像の画素について推定した被写体距離が図10の被写体距離となる。また、再構成画像の画素が部分画像の重ね合わせからなる場合に、複数の部分画像の画素のうちいずれかに被写体距離不明フラグがたっている場合には、図11の被写体距離は、被写体距離が不明であることを示すN/A(Not Available)となる。また、再構成画像の画素のうち重ね合わせがない部分の画素についても、その画素と対応する部分画像の画素に距離不明フラグがたっている場合は、図11の被写体距離はN/Aとなる。このように距離不明フラグがたっている場合に再構成画像の画素に被写体距離を設定しない(N/Aにする)ことで、被写体距離の推定誤差による影響を低減することができる。
図5に戻って、設定部160は、2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段である。具体的には、設定部160は、合成用画像である一方の再構成画像と他方の再構成画像とに比較部位であるラインの組合せを複数設定する。ここで、ラインとは、再構成画像を構成する各画素のうち、比較部位となる線又は長方形を構成する画素の集合体である。また、線が伸びる方向又は長方形の長手方向を「長さ方向」と呼び、その長さ方向の長さを「ライン長」と呼ぶ。また、長さ方向と直交する方向を「幅方向」と呼び、その幅方向の長さを「ライン幅」と呼ぶ。この実施形態では、比較部位であるラインのライン長はL(Lは2以上の整数値)、ライン幅は1である。ラインの組合せの設定については後に具体例を交えて説明する。
次に、重み決定部170は、比較部位(各ライン)に含まれる画素の重み付け値を、画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段である。具体的には、重み決定部170は、ラインに含まれる画素の重み付け値を、図11の各画素の座標に設定された被写体距離と、所定の再構成距離と、の差に基づいて決定する。この重み付け値は、ラインを構成する各画素の位置あわせにおける重要度を数値で示したものである。ここでは、より精度よく合成を行う必要がある、被写体距離が基準距離(ここでは、所定の再構成距離)に近い被写体に対応する画素ほど、重み付け値を大きくする。
次に、類似度決定部180は、組合せの比較部位同士の類似度を重み付け値を用いて決定する類似度決定手段である。具体的には、類似度決定部180は、組合せを構成するラインのうち一方のラインの複数の画素それぞれの画素値と、他方のラインの複数の画素それぞれの画素値と、の差分二乗値に重み付け値をそれぞれ乗じた値の和に基づいてライン同士の類似度を決定する。その結果、複数設定されたラインの組合せのうち、被写体距離が所定の再構成距離に近い被写体がより類似するラインの組合せについて、より高い類似度が算出される。
次に、合成部190は、2つの合成用画像を類似度が高い組合せの比較部位で合成する合成手段である。具体的には、合成部190は、類似度決定部180により決定した複数の組合せのラインの類似度のうち上述した重み付け値を用いて算出された類似度が最も高いラインで、2つの再構成画像を合成する。その結果、被写体距離が所定の再構成距離に近い被写体がより類似する位置でパノラマ合成をすることが出来る。
次に、保存部200は、ライトフィールド画像を取得して、その取得したライトフィールド画像に含まれる複数のサブ画像のうち、合成部190が合成した結果得られた合成画像に含まれる画素の元となった画素を含むサブ画像を特定する。そして、保存部200は、その特定したサブ画像以外のサブ画像をライトフィールド画像から削除してHDD124に保存する保存手段である。なお、ライトフィールド画像の取得先は、RAM123の所定領域にあるバッファメモリである。撮影により得られたライトフィールド画像は、HDD124に保存されるまでバッファメモリに一時的に保存される。
以上、図1乃至図11を参照しながら説明したデジタルカメラ100の一つの特徴的な点は、被写体距離の異なる複数の被写体を含む合成用画像同士を合成する場合に、基準距離(所定の再構成距離)に近い被写体が合成の継ぎ目でずれる事が無く、合成の精度が高いことである。そこで、以下この点に関連するパノラマ合成処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
なお、この図12のフローチャートは、CPU121が、ROM122に記憶された各種プログラムを実行して図5に示した各部の機能を発揮することにより実施する。
CPU121は、パノラマ撮影モードに設定されているときに、操作部130がシャッターキーを全押しする操作を検出すると、パノラマ合成処理を開始する。なお、ユーザは、パノラマ撮影モードにおいて、図13に示すように操作部130のシャッターキーを全押しした状態で矢印方法にデジタルカメラ100を移動する。
まず、CPU121は、角度変位量が一定値になる毎にライトフィールド(LF)画像を取得する(ステップS21)。具体的には、CPU121は、角速度センサ125によりデジタルカメラ100の角度変位量が一定値になる毎に(デジタルカメラ100が所定量だけ移動する毎に)、撮影部110を用いて図13のa、b及びcに示す位置で撮影を行い、撮影位置が異なる複数のライトフィールド画像を得る。そして、CPU121は、得られたライトフィールド画像をRAM123のバッファメモリに一時保存する。なお、バッファメモリの容量が少ない場合は、HDD124に保存してもよい。
次に、CPU121は、各ライトフィールド画像を再構成する(ステップS22)。具体的には、CPU121は、図6の再構成処理を各ライトフィールド画像に行って、所定の再構成距離において再構成した複数の再構成画像をHDD124に記憶する。同時に、CPU121は、図11に示した被写体距離テーブルを複数の再構成画像分作成してHDD124に記憶する。なお、再構成画像を構成する画素のうち、推定した被写体距離と所定の再構成距離との差が所定の閾値よりも大きい画素については、上述したようにガウシアンフィルタ処理によりボケが付加される。
次に、CPU121は、2つの合成用画像を選択する(ステップS23)。具体的には、CPU121は、K回目(Kは自然数)の撮影で得たライトフィールド画像から再構成した再構成画像と、K+1回目の撮影で得たライトフィールド画像から再構成した再構成画像と、を合成用画像としてHDD124から選択する。ここでは、説明の便宜上、K=1として、最初の撮影で得られたライトフィールド画像から再構成した再構成画像RI1と、その次の撮影で得られたライトフィールド画像から再構成した再構成画像RI2と、を用いて説明する(図14(A)参照)。
次に、CPU121は、検索範囲を特定する(ステップS24)。具体的には、CPU121は、再構成画像RI1と再構成画像RI2との重なり部分(同一の被写体が含まれている部分)を検出し、その重なり部分を検索範囲として特定する。ここでは以下の手法により重なり部分を検出する。
この実施形態では、上述したようにデジタルカメラ100の角度変位量が一定値になる毎に撮像が行われる。従って、この角度変位量の一定値に基づいてある程度の重なり部分は推定することができる。そこで、この実施形態では、角度変位量の一定値に基づいて推定された部分を重なり部分として検出して、その検出した重なり部分を検索範囲内とする。この処理により、比較部位を角度変位量により絞り込んで比較のための必要処理量を減らすことが出来る。なお、角度変位量が得られない場合には、画像の所定部分を重なり部分として推定して、検索範囲として特定しても良い。例えば左から右へと撮影する場合には先に撮影した画像の左半分と、後に撮影した画像の右半分を検索範囲とすれば良い。あるいは、撮影順序等の情報が得られない場合には、画像全体を検索範囲としても良い。
次に、CPU121は、検索範囲内でラインの組合せを複数設定する(ステップS25)。具体的には、CPU121は、再構成画像RI1と再構成画像RI2との重なり部分として検出した検索範囲の左端を基準として、その基準から右方に同距離の位置でラインa1乃至a4とラインb1乃至b4とをそれぞれ設定する(図14(A)参照)。これらライン同士(a1とb1、a2とb2、a3とb3及びa4とb4)はそれぞれ組合せを構成する。
この例では、RI1及びRI2それぞれに4本ずつラインを設定したが、このラインは少なくとも一つの合成用画像に複数設定されればよい。例えばユーザが一方の合成用画像上の合成位置を決め打ちしたい場合では、一方の合成用画像に1つのラインaを設定し、他方の合成用画像に4つのラインb1乃至b4を設定してもよい。この場合、ラインaとラインb1、ラインaとラインb2、…、ラインaとラインb4、の4つの組み合わせが設定される。
なお、ラインの組合せの決定ルールとして、精度の高い合成位置の組合せが少なくとも一つ含まれるような決定ルールを予め実験により求めておく。そして、ROM122やHDD124にその決定ルールを実現するための例えばライン決定テーブルを記憶しておき、CPU121がステップS25でこれを用いて適当なラインの組合せを決定すれば良い。
次に、CPU121は、類似度算出処理を行う(ステップS26)。この類似度算出処理について、図15を参照しながら説明する。この類似度算出処理は、複数設定した組合せのライン同士の類似度を算出するための処理である。
まず、CPU121は、複数の組合せの中から一つの組合せを選択する(ステップS31)。具体的には、CPU121は、a1とb1、a2とb2、a3とb3及びa4とb4の組合せの中から1つの組合せを任意に選択する。ここでは、CPU121は、a1とb1の組合せを選択したとする。
次にCPU121は、画素毎に重み付け値を決定する(ステップS32)。具体的には、CPU121は、まずラインa1を構成する画素のうち1つの画素に注目する。次に、CPU121は、再構成画像RI1と再構成画像RI2の被写体距離テーブルを参照し、ラインa1の注目画素の座標に設定された被写体距離と、ラインb1の注目画素と対応する画素の座標に設定された被写体距離とをそれぞれ取得して平均する。そして、CPU121は、その平均した被写体距離と所定の再構成距離とに基づいて重み付け値を決定する。CPU121は、被写体距離と所定の再構成距離(基準距離)との差に応じて好適な重み付け値を対応付けた重み付け値テーブル(図16参照)を用いて重み付け値を決定する。図16の例では、被写体距離と所定の再構成距離が一致する場合、重み付け値を最大値とする。被写体距離と所定の再構成距離とが一致する場合、ピントを合わせる再構成距離に被写体があることが推測される。このような被写体に対応する画素の輝度が異なる位置でライン同士を合成すると、ピントがあった被写体が継ぎ目でズレてしまい、写真を見るものに違和感を与えるからである。
一方、CPU121は、平均した被写体距離と所定の再構成距離とに差がある場合、その差の絶対値が大きい程重み付け値を最小値に近づける。被写体距離と所定の再構成距離とが一致しない場合、ピントを合わせる再構成距離に対して被写体が離れていると推定される。このような被写体が継ぎ目でずれていても、その被写体にはボケが付加されているためそのボケの影響でピントが合った被写体よりも違和感が少ない。また、一般にピントから外れた被写体は撮影の主要対象とは異なるため、ずれていても影響が少ない。このためで重み付け値が小さい。なお、テーブルではなく同様の結果を得られる式を用いて重み付け値を算出してもよい。
CPU121は、ラインa1の注目画素について重み付け値を決定すると、次の画素に注目して重み付け値を決定し、ラインa1を構成する全ての画素について重み付け値を決定する。ただし、CPU121は、ラインa1の注目画素の座標に設定されている被写体距離とラインb1を構成する画素のうち注目画素と対応する画素の座標に設定されている被写体距離のうち何れかがN/Aである場合、N/Aでない被写体距離を用いて重み付け値を算出する。また、いずれもN/Aである場合は、重み付け値が算出できないので、その注目画素について重み付け値を決定する処理はスキップする。
図15に戻って、CPU121は、画素毎に重み付け値を決定した後(ステップS32)、画素毎に差分二乗値を算出する(ステップS33)。具体的には、CPU121は、まずラインa1を構成する画素のうち1つの画素に注目する。そして、CPU121は、その注目画素の画素値とラインb1を構成する画素のうち注目画素と対応する画素の画素値との差分二乗値を求める。なお、ラインa1の上からn番目の画素に対して、ラインb1の上からn番目の画素といったように、比較部位における相対座標が一致する画素が、互いに対応する画素である。CPU121は、ラインa1を構成する画素を順に注目画素にしていき、全ての画素について差分二乗値を求める。
次に、CPU121は、重み付け値と差分二乗値に基づいて類似度を算出する(ステップS34)。具体的には、CPU121は、ステップS33で算出した画素毎の差分二乗値に、ステップS32で決定した画素毎の重み付け値をそれぞれ乗じる。そして、CPU121は、画素毎にそれぞれ算出した重み付け値を乗じた差分二乗値の和を算出する。そして、CPU121は、その和を組合せのラインであるラインa1とラインb1の類似度とする。すなわち、CPU121は、ステップS32乃至34の処理により、再構成画像RI1のラインa1を構成する複数の画素のそれぞれの画素値と、再構成画像RI2のラインa1と対応するラインb1を構成する複数の画素のそれぞれの画素値と、の差分二乗値に重み付け値をそれぞれ乗じた値の和をラインa1とラインb1の類似度とする。なお、ステップS32において重み付け値を算出できずにスキップした画素については、差分二乗値に乗ずることができないので、重み付け値を乗じた差分二乗値の和から除外して類似度を求める。
次に、CPU121は、全ての組合せが選択済か否かについて判断する(ステップS35)。CPU121は、全ての組合せが選択済みでないと判断すると(ステップS35:No)、残る組合せの中から組合せを新たに選択して、その選択した組合せのライン同士の類似度を算出する(ステップS31乃至34)。この場合、CPU121は、残る組合せのラインa2とラインb2、ラインa3とラインb3、及びラインa4とラインb4の中から任意に組合せを選択し、その選択した組合せのライン同士の類似度を算出する(ステップS31乃至34)。
CPU121は、全ての組合せが選択済みと判断すると(ステップS35:Yes)、類似度が全て算出されたものとして類似度算出処理を終了する。次に、CPU121は、図12に戻って、類似度が最も高いラインで2つの再構成画像を合成する(ステップS27)。ここで類似度が最も高いラインとは、重み付け値を乗じた差分二乗値の和(重み付けSSD)が最小であるラインをいう。ここで、例えば、図14(B)に示すように、ラインa2とラインb2との類似度が一番高かった(重み付けSSDが最小であった)とする。
この場合、図14(C)に示すように、再構成画像RI1のラインa2と再構成画像RI2のラインb2とが張り合わされるように、再構成画像RI1の一部分RI1pと再構成画像RI2の一部分RI2pとが合成される。すなわち、再構成画像RI1にとってはラインa1が合成位置となる合成ラインとなり、再構成画像RI2にとってはラインb2が合成位置となる合成ラインとなる。このステップS23乃至27の処理により、再構成画像RI1とRI2との合成画像が生成される。この結果、2つの合成用画像が類似度の高い組合せの比較部位(ライン)で合成される。
次に、CPU121は、全再構成画像を合成済みか否かについて判定する(ステップS28)。ここで、CPU121は、全再構成画像を合成済みでないと判定すると(ステップS28:No)、再構成画像RI1とRI2の合成画像と3回目の撮影で得られたライトフィールド画像から再構成された再構成画像とを合成対象として選択し(ステップS23)、ステップS24乃至27の処理により両者を合成する。このようにCPU121は、複数の再構成画像を撮影順に合成していく。
一方で、CPU121は、全再構成画像を合成済みであると判定すると(ステップS28:Yes)、合成により得られたパノラマ画像を表示して保存する(ステップS29)。具体的には、CPU121は、合成により得られた図17に示すようなパノラマ画像を表示部140に表示するとともに、HDD124に保存する。
次に、CPU121は、各ライトフィールド画像の不用サブ画像を削除してHDD124に保存する(ステップS30)。具体的には、CPU121は、ライトフィールド画像をRAM123のバッファメモリから取得して、その取得したライトフィールド画像に含まれる複数のサブ画像のうち、合成した結果得られた合成画像に含まれる画素の元となった画素を含むサブ画像を特定する。そして、CPU121は、その特定したサブ画像以外のサブ画像をライトフィールド画像から削除してHDD124に保存する。この処理を全てのライトフィールド画像について繰り返すとともに、バッファメモリ上のライトフィールド画像を削除する。なお、CPU121は、ライトフォールド画像が記憶容量の関係上HDD124に記憶されている場合は、HDD124から複数のライトフィールド画像を取得してステップS30の処理を行った後、元の複数のライトフィールド画像は全て削除する。
CPU121は、全てのライトフィールド画像について不用サブ画像を削除してHDD124に保存した後、処理を終了する。
なお、図12及び図15においてCPU121が実施した各処理のうち、ステップS22は再構成部150の機能に、ステップS23乃至25は設定部160の機能に、ステップS31及び32は重み決定部170の機能に、ステップS33及び34は類似度決定部180の機能に、ステップS27の機能は合成部190の機能に、ステップS30は保存部200の機能に、それぞれ対応する。
以上、図12及び図15の処理では、デジタルカメラ100は、設定部160と重み決定部170と類似度決定部180と合成部190とを備えることにより、合成用画像である再構成画像を2つ選択し、その選択した2つの再構成画像に比較部位であるラインの組合せを複数設定する。そして、ラインに含まれる画素の重み付け値を、その画素に設定された被写体距離と所定の基準距離である所定の再構成距離との差に基づいて決定する。そして、複数の組合せのライン同士の類似度を重み付け値を用いてそれぞれ決定し、類似度が最も高いラインで2つの再構成画像を合成する。
具体的には、ピントを合わせた被写体が合成画像上でズレないように、設定された被写体距離と所定の再構成距離とが一致する画素(例えば、ピントが合った被写体に対応)に対して重み付け値を最大値にする。一方で、ラインの画素に設定された被写体距離と所定の再構成距離とに差がある場合は(例えば、ピントが合った5mの距離から離れている被写体については)、位置あわせの優先度が下がるため、離れるにつれて重み付け値を最小値に近づける。このため、被写体距離が異なる複数の被写体を含む合成用画像を合成した場合でも、合成の継ぎ目で主要な被写体(基準距離にある被写体)がずれてしまうことを防ぐことが出来る。即ち、精度良く合成用画像を合成することが出来る。
より具体的に説明する。被写体距離が異なる複数の被写体を、撮影位置又は撮影角度を変えて撮影すると、撮影時の視差により、各合成用画像で被写体同士の相対位置が変化する。そのため、ある被写体が一致する位置でつなぎ合わせて合成すると、他の被写体がつなぎ目でずれてしまう場合がある。そのため、比較部位に含まれる画素を一律に比較して、画素同士の差が最も小さい位置(例えば、輝度のSSDが最も小さい位置)で合成すると、他の被写体の影響を受けて、基準距離に位置する主要な被写体(ピントを合わせた撮影のテーマとなる被写体)がズレてしまう場合がある。そこで、被写体距離と所定の再構成距離とが一致する画素同士の画素値が異なる場合には、類似度が大きく下がるように、重み付け値を大きく設定することで、少なくともピントを合わせた主要な被写体がずれない、精度が高い合成が可能となる。
このことは、ライトフィールドカメラで連続撮影して得られたライトフィールド画像から生成した再構成画像同士を合成する際に特に有効である。このライトフィールドカメラは、マイクロレンズアレイ112により被写体を複数の視点から撮影したライトフィールド画像を撮影できる。ライトフィールド画像では、被写体が現れる位置がサブ画像間でずれる量から、被写体距離を推定できるため、アクティブセンサなどで被写体距離を測定しなくても、上述の合成方法を利用できるからである。また、撮影後にピント調整ができる利点を生かすためには、ボケ味のある写真を撮影することが望ましい。ボケ味のある写真にするためには、一般に被写体距離が異なる複数の被写体を望遠レンズで撮影する。そのため、ライトフィールドカメラで撮影した画像は撮影画角が狭いという欠点がある。そのため、本実施形態の合成方法により、精度良く再構成画像同士を合成して画角を広くすることにより、この欠点を解消できる。
なお、図12及び図15の処理により、ピントが合った位置にある被写体に比重をおいてライン同士の類似度を算出して2つの再構成画像を合成すると、ライン上にあるピントが合っていない被写体(例えば、近い被写体にピントが合っている場合は遠い被写体)については上記合成をしてもずれが生じてしまう。すなわち、ライン上の鮮明に写る被写体の画素に比重をおいて合成したとしても、今度は同じライン上の鮮明に写っていない被写体の画素がずれて合成されてしまう。
しかしながら、この実施形態では図6の再構成処理において、推定された被写体距離と所定の再構成距離との差が所定の閾値よりも大きい画素については、画素単位でボケを付加して再構成画像を生成するようにしている。さらに図6のステップS16及び17にて、被写体距離と所定の再構成距離が大きいほど部分画像が多く重なるように部分画像の大きさと配置間隔を設定する。この結果、推定された被写体距離と所定の再構成距離との差が大きい被写体は、これにより、再構成画像中の鮮明に写っていない被写体(再構成距離から遠い、ピントがぼけた被写体)については、元々ボケが付加されている。このため、上記合成を行ってライン上の鮮明に写っていない被写体の画素がずれたとしても、付加したボケによりそのずれを目立たなくすることができるので、違和感が生じるのを抑えることができる。
なお、ラインの構成画素毎に設定された被写体距離に遠い被写体と近い被写体が混在するような場合にも、このパノラマ合成処理及び類似度算出処理は好適である。具体的には、上述したように、再構成画像においては、既に所定の再構成距離とずれた位置にある被写体については画素毎にボケが付加されている。このため、再構成画像において、例えば再構成距離が5mだとするとその距離にある被写体は鮮明に写り、5mから離れるにつれて他の被写体には強いボケが付加されている。しかしながら、たとえこのように予めボケを付加して近い被写体と遠い被写体とで鮮明さに差をだしている場合であっても、遠い被写体の平坦度が低く近い被写体の平坦度が高いとその鮮明さの差がなくなる。この状態で、重みを考慮しない例えば特許文献2に係る合成処理を行ったとすると、対応するラインの近い被写体距離の画素同士の画素値に差があっても、同じラインの遠い被写体距離の画素同士の画素値に差がないとそれに引っ張られて類似度が高くなってしまう。その結果遠い被写体(例えばボケがかかった背景)が合うように位置あわせをして、ピントがあった被写体がずれる位置で合成してしまう。
この実施形態のパノラマ合成処理においては、被写体距離と再構成距離とに基づいた重み付け値を用いることで、類似度を算出する場合にピントを合わせる距離にある例えば近い被写体については重要度を高めることができる。このため、上述したような背景の画素部分に差がなくて近い被写体の画素部分に差がある場合に、フォーカスしていない背景をフォーカスがあった被写体よりも優先して位置あわせして合成することがない。このため、近い被写体と遠い被写体が混在するような場合であっても精度よく位置合わせをすることができる。
また、デジタルカメラ100は、保存部200を備えることにより、図12のステップS30において各ライトフィールド画像の不用サブ画像を削除してHDD124に保存することができる。複数のライトフィールド画像を保存することから記憶のためのデータ量が大きい。このパノラマ合成処理では上記ステップS30により、保存するライトフィールド画像のデータ量を抑えることができる。このことは、パノラマ合成の際デジタルカメラ100の移動量に対して撮影する回数を多くする場合などに好適である。具体的には、撮影回数を多くしてライトフィールド画像の中央上下付近の歪曲収差が少ない画像のみを用いる場合がある。このような場合に、上記ステップS30の処理はライトフィールド画像の保存するデータ量を抑えることができるので好適である。このとき、後に任意の設定で再構成処理をやり直す場合に備えて、マージンを残すようにサブ画像を削除してもよい。具体的には、不要サブ画像のうち、削除しないサブ画像に隣接する画素(あるいは、その画素にさらに隣接する画素も)については削除せず保存しておけばよい。このような構成によれば、たとえ再度の再構成処理を実行した際に合成位置が変わって、不要サブ画素が必要になった場合でも、マージンとして保存したサブ画像のデータを用いて問題なく合成が可能となる。
また、ステップS29で表示したパノラマ画像において、ユーザが再フォーカスにより再構成距離を変化させる場合は、ステップS30で保存した各ライトフィールド画像からユーザが設定した再構成距離において再構成画像を複数生成する。ここで、再構成画像の合成は、ステップS27で決定した類似度が最も高いライン同士で合成するようにする。ステップS30において、合成に用いなかった不用サブ画像を削除しているため、図14(c)の点線で示した再構成画像の部分がなく、新たに検索範囲を決定して複数の対応するラインを設定することができないからである。ただし、ユーザが再構成距離を変えた場合であっても再構成画像同士の重なり合う部分である検索範囲は変わらないので、ピントの位置が変わったとしても元々決定した類似度が高いライン同士で精度の高い合成を行うことができる。
しかし、元々決定したライン同士で合成するのは必須ではなく、例えば、図14(c)のラインa2とb2から隣に数ライン新たに引いて、ユーザが設定した再構成距離にて再度ステップS23乃至29の処理を行って類似度の高いラインを選び直してパノラマ合成を行ってもよい。このとき上述したように、ステップS30で不用サブ画像を削除する場合に全ての不用サブ画像を削除せず、図14(c)のラインa2とb2の点線部分にある程度マージンを残すようにサブ画像を削除する。その後、ユーザが再構成距離を変化させた場合は、ラインa2とb2を中心として左右に短い間隔(又は間隔をあけずに)数ライン引いて、ユーザが設定した再構成距離にて再度ステップS23乃至29の処理を行って類似度の高いラインを選び直してパノラマ合成をすればよい。このような構成によれば、新たに再構成した画像を合成用画像として用いるにあたって、新たな再構成距離を反映したより精度が高い位置でパノラマ合成を実現することが出来る。
以上で実施形態の説明を終了するが、デジタルカメラ100の具体的な構成や図12及び図15に示した処理の内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、上述した実施形態では、図1のCPU121が画像処理装置120及びデジタルカメラ100を制御したが、デジタルカメラ100に別途CPUを設けてもよい。この場合、画像処理装置120のCPU121は、画像処理装置120の制御に特化し、表示部140への表示制御や操作部130の操作検知等は行わない。
また、この実施形態において行う再構成処理は、図6に示した再構成処理に限られない。すなわち、図11の被写体距離テーブルのように合成対象となる再構成画像の画素毎に被写体距離を設定することができる再構成処理であれば、図6の部分画像を重ね合わせて再構成画像を生成する手法でなくてもよい。例えば別の手法として、特許文献1の光線追跡の手法を用いて再構成画像を生成してもよい。
また、図12のパノラマ合成処理では、ユーザが、パノラマ撮影モードにおいて、図13に示すように操作部130のシャッターキーを全押しした状態で矢印方法にデジタルカメラ100を移動させた。そして、CPU121は、角速度センサ125によりデジタルカメラ100の角度変位量が一定値になる毎に撮影を行い、異なる撮影位置の複数のライトフィールド画像を取得するようにした。しかしながら、これは必須ではなく、例えばユーザがデジタルカメラ100を移動させることなく自身を軸に回転してデジタルカメラ100の撮影角度を変えて連写してもよい。そして、CPU121は、異なる撮影角度で撮影して得られた複数のライトフィールド画像を取得する。なお、ユーザに代えて、デジタルカメラ100の撮影角度を変更するのをパノラマ撮影用の三脚を用いてもよいことはもちろんである。
また、図12のパノラマ合成処理では、CPU121が複数の再構成画像を撮影順に合成するようにしたが、これは必須ではない。要は合成して得られるパノラマ画像が撮影順に連続していればどのような順序で合成してもよい。また、合成は撮影しながら得られた再構成画像をリアルタイムで合成する場合に限らず、撮影後に得られた複数の再構成画像を用いて合成を行ってもよい。
また、図12のパノラマ合成処理では、ステップS30で各LF画像の不用サブ画像を削除して保存するようにしたが、この処理は行わなくてもよい。この場合、ユーザが再構成距離を変化させると、その再構成距離でステップS22乃至29の処理を行う。すなわち、ユーザが設定した再構成距離において、各ライトフィールド画像から再構成画像を複数生成し(ステップS22)、ラインの組合せを複数設定した後ユーザの設定した再構成距離と、図11の被写体距離と、に基づく重み付け値を用いて類似度の高いラインを選びなおして合成を行う(ステップS23乃至28)。これにより、ユーザの設定した再構成距離に応じて合成するラインを選びなおすことができる。
また、図15の類似度算出処理では、ステップS32において、再構成画像RI1とRI2の被写体距離テーブルを参照し、ラインa1の注目画素の座標に設定された被写体距離、ラインb1の注目画素と対応する画素の座標に設定された被写体距離、をそれぞれ取得して平均し、その平均した被写体距離と所定の再構成距離とを比較するようにした。しかし、平均した被写体距離を用いるのは必須ではなく、例えば一方の被写体距離(ラインa1の注目画素の被写体距離又はラインb1の注目画素と対応する画素の被写体距離)と所定の再構成距離とを比較してもよい。
また、図14のパノラマ合成処理で用いるラインのライン長はL(Lは2以上の整数値)、ライン幅は1であったが、ライン長及びライン幅の両方又はいずれか一方を変化させた比較部位を用いてもよい。また、図15の類似度算出処理においてライン同士の比較をする際に、ラインを構成する全ての構成画素を順に注目画素とするのは必須ではなく、例えば所定間隔で何画素かスキップして注目画素とする画素の数を減らしてもよい。これにより、パノラマ合成処理において類似度を算出する際の処理量を減らすことができる。
また、図15の類似度算出処理では、ラインの組合せを複数設定して、その組合せ毎に類似度を算出した。すなわち、a1とb1、a2とb2、a3とb3及びa4とb4の類似度をそれぞれ算出した。しかしながら、例えばa1を総当りでb1乃至b4それぞれと比較して類似度を算出してもよい。すなわち、組合せをa1とb1、a1とb2、a1とb3及びa1とb4として類似度を算出してもよい。このように、a1乃至a4をb1乃至b4それぞれと総当りで類似度を算出することで、精度よく類似度を算出することができる。
また、上述の実施形態においては、パノラマ画像は、横長の構成だったが、特にこれに限定されず、デジタルカメラ100の移動方向に則した方向に長くなる構成、例えば縦長の構成としてもよい。また、合成して得られる画像はパノラマ画像に限らず、複数の画像を合成することにより、1つの画像の画角よりも画角が広い広角画像を生成するものであればよい。
また、上述した実施形態では、各ライトフィールド画像から再構成した各再構成画像を合成用画像としてそれぞれ合成する例を説明した。しかし、図12のパノラマ合成処理と図15の類似度算出処理は、再構成画像を合成する場合に限らず、別の画像を合成用画像として用いて合成する場合であってもよい。すなわち、パノラマ合成処理と類似度算出処理は、ピントを合わせる位置である所定の基準距離(上述の例だと所定の再構成距離)に被写体があるか否か判断できれば実行できるので、合成用画像の画素毎に被写体距離が設定されていればどのような画像を用いて合成してもよい。例えば、ステレオカメラで撮った2枚のステレオ画像を合成用画像として合成する場合にも適用することができる。2枚のステレオ画像に写った同一の被写体のずれと、ステレオカメラに内蔵する2つのメインレンズ間の距離と、を用いて例えば三角測量により被写体までの距離を推定できるからである。
また、上述した実施形態では、再構成距離と被写体距離が一致するピントを合わせた被写体を、主要な、即ち画像のテーマとなる被写体であるという前提で、再構成距離が基準距離と一致する構成を例にとって説明した。ただし、これに限らず、あえて主要な被写体にボケ味を付けた場合には、再構成距離とは異なる基準距離を設定しても良い。
また、この実施形態では、各種画像がグレースケール画像であることを前提に説明したが、各種画像はカラー画像でもよい。この場合、例えばRGB又はYUV等の任意の色空間を用いることができる。
また、この発明の画像処理装置120の各処理(再構成処理、パノラマ合成処理及び類似度算出処理)は、通常のPC等のコンピュータによっても実施することができる。
具体的には、上記実施形態では、各処理に係る機能を発揮するためのプログラムが、ROM122に予め記憶されているものとして説明した。しかし、図5の各部の機能を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD及びMO等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各部の機能を発揮することができるコンピュータを構成してもよい。また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、コンピュータがダウンロード等することができるようにしてもよい。
なお、プログラムをインストールしたコンピュータは、合成用画像である再構成画像をその再構成画像が記憶される記憶手段から取得してパノラマ合成処理及び類似度算出処理を行う。再構成画像の取得先は、例えばデジタルカメラ100のHDD124、リムーバルメディア127、又はコンピュータのHDDなどである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態をとることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段と、
前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段と、
前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段と、
前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記2つの合成用画像と、該2つの合成用画像を構成する画素毎の被写体距離と、前記所定の基準距離と、を記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
(付記3)
前記合成用画像は、前記被写体を異なる複数の視点から撮影した複数のサブ画像を含む多視点画像から再構成された再構成画像であり、
前記被写体距離は、前記被写体が写る位置が前記サブ画像間でずれる程度に基づいて推定され、
前記所定の基準距離は、前記再構成画像を再構成した際の再フォーカスの距離である所定の再構成距離であることを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
(付記4)
前記2つの合成用画像に含まれる画素のうち、前記被写体距離と前記所定の基準距離との差が所定の閾値よりも大きい画素にボケを付加するボケ付加手段をさらに備え、
前記合成手段は、前記画素にボケが付加された2つの合成用画像を合成することを特徴とする付記1乃至3の何れか1つに記載の画像処理装置。
(付記5)
前記重み決定手段は、前記重み付け値を前記被写体距離と前記所定の基準距離とが一致する場合に最大値にすることを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の画像処理装置。
(付記6)
前記重み決定手段は、前記重み付け値を前記被写体距離と前記所定の基準距離との差が大きい程小さくすることを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の画像処理装置。
(付記7)
前記多視点画像に含まれる複数のサブ画像のうち、前記合成手段が合成した結果得られた合成画像に含まれる画素の元となった画素を含むサブ画像を特定し、該特定したサブ画像以外のサブ画像を前記多視点画像から削除して該多視点画像を保存する保存手段を備えることを特徴とする付記3に記載の画像処理装置。
(付記8)
前記類似度決定手段は、前記組合せの比較部位のうち一方の比較部位の複数の画素それぞれの画素値と、他方の比較部位の複数の画素それぞれの画素値と、の差分二乗値に前記重み付け値をそれぞれ乗じた値の和に基づいて前記組合せの比較部位同士の類似度を決定することを特徴とする付記1乃至7の何れか1つに記載の画像処理装置。
(付記9)
撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段と、
前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段と、
前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段と、
前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
(付記10)
2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定ステップと、
前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定ステップと、
前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定ステップと、
前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
(付記11)
コンピュータを、
2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段、
前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段、
前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段、
前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段、として機能させるためのプログラム。
100…デジタルカメラ、110…撮影部、111…メインレンズ、112…マイクロレンズアレイ、113…撮像素子、120…画像処理装置、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…HDD、125…角速度センサ、126…メディアドライブ、127…リムーバルメディア、130…操作部、140…表示部、150…再構成部、160…設定部、170…重み決定部、180…類似度決定部、190…合成部、200…保存部

Claims (11)

  1. 2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段と、
    前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段と、
    前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段と、
    前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記2つの合成用画像と、該2つの合成用画像を構成する画素毎の被写体距離と、前記所定の基準距離と、を記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記合成用画像は、前記被写体を異なる複数の視点から撮影した複数のサブ画像を含む多視点画像から再構成された再構成画像であり、
    前記被写体距離は、前記被写体が写る位置が前記サブ画像間でずれる程度に基づいて推定され、
    前記所定の基準距離は、前記再構成画像を再構成した際の再フォーカスの距離である所定の再構成距離であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記2つの合成用画像に含まれる画素のうち、前記被写体距離と前記所定の基準距離との差が所定の閾値よりも大きい画素にボケを付加するボケ付加手段をさらに備え、
    前記合成手段は、前記画素にボケが付加された2つの合成用画像を合成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記重み決定手段は、前記重み付け値を前記被写体距離と前記所定の基準距離とが一致する場合に最大値にすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記重み決定手段は、前記重み付け値を前記被写体距離と前記所定の基準距離との差が大きい程小さくすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記多視点画像に含まれる複数のサブ画像のうち、前記合成手段が合成した結果得られた合成画像に含まれる画素の元となった画素を含むサブ画像を特定し、該特定したサブ画像以外のサブ画像を前記多視点画像から削除して該多視点画像を保存する保存手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記類似度決定手段は、前記組合せの比較部位のうち一方の比較部位の複数の画素それぞれの画素値と、他方の比較部位の複数の画素それぞれの画素値と、の差分二乗値に前記重み付け値をそれぞれ乗じた値の和に基づいて前記組合せの比較部位同士の類似度を決定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 撮影手段と、
    前記撮影手段によって撮影された2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段と、
    前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段と、
    前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段と、
    前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  10. 2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定ステップと、
    前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定ステップと、
    前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定ステップと、
    前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
  11. コンピュータを、
    2つの合成用画像の一方における比較部位と他方における比較部位との組合せを、複数設定する設定手段、
    前記比較部位に含まれる画素の重み付け値を、該画素に対応する被写体までの被写体距離と所定の基準距離との差に基づいて決定する重み決定手段、
    前記組合せの比較部位同士の類似度を前記重み付け値を用いて決定する類似度決定手段、
    前記2つの合成用画像を前記類似度が高い前記組合せの比較部位で合成する合成手段、として機能させるためのプログラム。
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