JP5510238B2 - 画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、カメラを移動させながら撮影した複数の画像を利用して3次元画像(3D画像)表示用の画像の生成処理を行う画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。
3次元画像(3D画像またはステレオ画像とも呼ばれる)を生成するためには、異なる視点からの画像、すなわち左目用画像と右目用画像を撮影することが必要となる。これらの異なる視点からの画像を撮影する方法は大別すると2通りに区分できる。
第1の手法は、複数のカメラユニットを用いて同時に異なる視点から被写体を撮像する、いわゆる多眼式カメラを用いた手法である。
第2の手法は、単一のカメラユニットを用いて撮像装置を移動させて、異なる視点からの画像を連続的に撮像する、いわゆる単眼式カメラを用いた手法である。
例えば、上記第1の手法に利用される多眼式カメラシステムは離間した位置にレンズを備え、異なる視点からの被写体を同時に撮影可能とした構成を持つ。しかし、このような多眼式カメラシステムは、複数のカメラユニットが必要なためカメラシステムが高価となるという問題がある。
これに対して、上記第2の手法に利用される単眼式カメラシステムは、従来型のカメラと同様の1つのカメラユニットを備えた構成でよい。1つのカメラユニットを備えたカメラを移動させて異なる視点からの画像を連続的に撮影し、複数の撮影画像を利用して3次元画像を生成するものである。
このように、単眼式カメラシステムを利用する場合、従来型のカメラと同様の1つのカメラユニットのみでよく比較的安価なシステムとして実現できる。
なお、単眼式カメラを移動しながら撮影した画像から被写体の距離情報を得る手法を開示した従来技術として、非特許文献1[「全方位視野の距離情報獲得」(電子情報通信学会論文誌,D−II,Vol.J74−D−II,No.4,1991)]がある。なお、非特許文献2[「Omni−Directional Stereo」IEEE Transaction On Pattern Analysis And Machine Intelligence,VOL.14,No.2,February 1992]にも非特許文献1と同一の内容の報告が記載されている。
これらの非特許文献1,2は、カメラを回転台上の回転中心から一定距離、離間した円周上に固定して設置し、回転台を回転させながら連続的に画像を撮影して2本の垂直スリットを通して得られる2つの画像を用いて被写体の距離情報を得る手法を開示している。
また特許文献1(特開平11−164326号公報)は、非特許文献1,2の構成と同様、カメラを回転台上の回転中心から一定距離おいて設置して回転させながら画像を撮影し、2本のスリットを通して得られる2つの画像を用いることで、3次元画像表示に適用する左目用のパノラマ画像と右目用のパノラマ画像を取得する構成を開示している。
このように、複数の従来技術において、カメラを回転させてスリットを通して得られる画像を用いることで、3次元画像表示に適用する左目用の画像と右目用の画像を取得することが可能であることが開示されている。
一方、カメラを移動させながら画像を撮影して、複数の撮影画像を連結することでパノラマ画像、すなわち2次元の横長画像を生成する手法が知られている。例えば特許文献2(特許第3928222号公報)や、特許文献3(特許第4293053号公報)などにパノラマ画像の生成手法が開示されている。
このように2次元のパノラマ画像の生成に際してもカメラの移動による複数の撮影画像が利用される。
上記非特許文献1,2や上記特許文献1は、パノラマ画像の生成処理と同様の撮影処理によって撮影された複数の画像を適用して、所定領域の画像を切り出して連結することで3次元画像としての左目用画像と右目用画像が得られる原理について説明している。
しかし、例えばユーザが手に持ったカメラを振り回す動作によってカメラを移動させて撮影した複数の撮影画像を適用して所定領域画像の切り出し連結により3次元画像としての左目用画像と右目用画像を生成する場合、回転半径Rや、焦点距離fの変動により、最終的に生成される左目用画像と右目用画像を適用した3次元画像表示を行った場合に奥行き感が不安定になるという問題が発生する。
特開平11−164326号公報 特許第3928222号公報 特許第4293053号公報
「全方位視野の距離情報獲得」(電子情報通信学会論文誌,D−II,Vol.J74−D−II,No.4,1991) 「Omni−Directional Stereo」IEEE Transaction On Pattern Analysis And Machine Intelligence,VOL.14,No.2,February 1992
本発明は、例えば、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、様々な設定の撮影装置や撮影条件において、カメラを移動させて撮影した複数の画像から3次元画像表示に適用する左目用画像と右目用画像を生成する構成において、カメラ撮影条件が変動した場合でも安定した奥行き感を持つ3次元画像データを生成することを可能とした画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成する画像合成部を有し、
前記画像合成部は、
各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、
各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する構成であり、
前記画像合成部は、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なう画像処理装置にある。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記画像合成部は、画像の撮影条件としての画像撮影時の画像処理装置の回転半径および焦点距離に応じて前記短冊間オフセット量を調整する処理を行う。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記画像処理装置は、画像撮影時の画像処理装置の回転運動量を取得または算出する回転運動量検出部と、画像撮影時の画像処理装置の並進運動量を取得または算出する並進運動量検出部を有し、前記画像合成部は、前記回転運動量検出部から受領する回転運動量と、前記並進運動量検出部から取得する並進運動量を適用して画像撮影時の画像処理装置の回転半径を算出する処理を実行する。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記回転運動量検出部は、画像処理装置の回転運動量を検出するセンサである。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記並進運動量検出部は、画像処理装置の並進運動量を検出するセンサである。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記回転運動量検出部は、撮影画像の解析により画像撮影時の回転運動量を検出する画像解析部である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記並進運動量検出部は、撮影画像の解析により画像撮影時の並進運動量を検出する画像解析部である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記画像合成部は、前記回転運動量検出部から受領する回転運動量θと、前記並進運動量検出部から取得する並進運動量tを適用して画像撮影時の画像処理装置の回転半径Rを、
R=t(2sin(θ/2))
上記式に従って算出する処理を実行する。
さらに、本発明の第2の側面は、
撮像部と、請求項1〜8いずれかに記載の画像処理を実行する画像処理部を備えた撮像装置にある。
さらに、本発明の第3の側面は、
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像合成部が、異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成する画像合成ステップを実行し、
前記画像合成ステップは、
各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、
各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する処理を含み、
さらに、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なうステップである画像処理方法にある。
さらに、本発明の第4の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像合成部に、異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成させる画像合成ステップを実行させ、
前記画像合成ステップにおいては、
各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像の生成処理と、
各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像の生成処理を実行させ、
さらに、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なわせるプログラムにある。
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の一実施例の構成によれば、複数の画像から切り出した短冊領域を連結して基線長をほぼ一定にした3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成する装置および方法が提供される。複数画像から切り出した短冊領域を連結して3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成する。画像合成部は、各撮影画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、各撮影画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する。画像合成部は、左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なう。この処理により、基線長をほぼ一定にした3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成することが可能となり、違和感のない3次元画像表示が実現される。
パノラマ画像の生成処理について説明する図である。 3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)の生成処理について説明する図である。 3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)の生成原理について説明する図である。 仮想撮像面を用いた逆モデルについて説明する図である。 パノラマ画像(3Dパノラマ画像)の撮影処理のモデルについて説明する図である。 パノラマ画像(3Dパノラマ画像)の撮影処理において撮影される画像と左目用画像および右目用画像の短冊の設定例について説明する図である。 短冊領域の連結処理と、3D左目用合成画像(3DパノラマL画像)および3D右目用合成画像(3DパノラマR画像)の生成処理例について説明する図である。 画像撮影時のカメラの回転半径Rと、焦点距離fと、基線長Bについて説明する図である。 様々な撮影条件に応じて変化するカメラの回転半径Rと、焦点距離fと、基線長Bについて説明する図である。 本発明の画像処理装置の一実施例である撮像装置の構成例について説明する図である。 本発明の画像処理装置の実行する画像撮影および合成処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 カメラの回転運動量θと並進運動量tと、回転半径Rとの対応関係について説明する図である。 基線長Bと回転半径Rの相関を説明するグラフを示す図である。 基線長Bと焦点距離fとの相関を説明するグラフを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラムについて説明する。説明は以下の項目順に行う。
1.パノラマ画像の生成と3次元(3D)画像生成処理の基本構成について
2.カメラ移動により撮影した複数画像の短冊領域を利用した3D画像生成における問題点
3.本発明の画像処理装置の構成例について
4.画像撮影および画像処理シーケンスについて
5.回転運動量検出部と、並進運動量検出部の具体的構成例について
6.短冊間オフセットDの算出処理の具体例について
[1.パノラマ画像の生成と3次元(3D)画像生成処理の基本構成について]
本発明は、撮像装置(カメラ)を移動させながら連続的に撮影した複数の画像を用い、各画像から短冊状に切り出した領域(短冊領域)を連結して3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)を生成する処理に関する。
なお、カメラを移動させながら連続的に撮影した複数の画像を用いて2次元のパノラマ画像(2Dパノラマ画像)を生成することを可能としたカメラは、すでに実現され利用されている。まず、2次元合成画像として生成されるパノラマ画像(2Dパノラマ画像)の生成処理について図1を参照して説明する。図1には、
(1)撮影処理
(2)撮影画像
(3)2次元合成画像(2Dパノラマ画像)
これらを説明する図を示している。
ユーザは、カメラ10をパノラマ撮影モードにして、カメラ10を手に持ち、シャッターを押して図1(1)に示すように左(A点)から右(B点)にカメラを移動させる。カメラ10はパノラマ撮影モード設定下でユーザによるシャッター押下を検出すると、連続的な画像撮影を実行する。例えば、数10〜100枚程度の画像を連続的に撮影する。
これらの画像が図1(2)に示す画像20である。これら複数の画像20は、カメラ10を移動させながら連続撮影した画像であり、異なる視点からの画像となる。例えば100枚の異なる視点から撮影された画像20がメモリ上に順次記録される。カメラ10のデータ処理部は、図1(2)に示す複数画像20をメモリから読み出して、各画像からパノラマ画像を生成するための短冊領域を切り出して、切り出した短冊領域を連結する処理を実行して図1(3)に示す2Dパノラマ画像30を生成する。
図1(3)に示す2Dパノラマ画像30は、2次元(2D)の画像であり、単に、撮影画像の一部を切り出して連結することで横長にした画像である。図1(3)に示す点線が画像の連結部を示している。各画像20の切り出し領域を短冊領域と呼ぶ。
本発明の画像処理装置あるいは撮像装置は、この図1に示すと同様の画像撮影処理、すなわち、図1(1)に示すようにカメラを移動させながら連続撮影した複数の画像を利用して3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)を生成する。
この左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)を生成する処理の基本構成について図2を参照して説明する。
図2(a)には、図1(2)に示すパノラマ撮影において撮影された1枚の画像20を示している。
3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)は、図1を参照して説明した2Dパノラマ画像の生成処理と同様、この画像20から所定の短冊領域を切り出して連結することで生成する。
ただし、切り出し領域とする短冊領域は、左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)とでは異なる位置とする。
図2(a)に示すように、左目用画像短冊(L画像短冊)51と、右目用画像短冊(R画像短冊)52は、切り出し位置が異なっている。図2には1つの画像20についてのみ示しているが、図1(2)に示すカメラを移動させて撮影した複数の画像各々について、異なる切り出し位置の左目用画像短冊(L画像短冊)と、右目用画像短冊(R画像短冊)を各々設定する。
その後、左目用画像短冊(L画像短冊)のみを集めて連結することで、図2(b1)3D左目用パノラマ画像(3DパノラマL画像)を生成することができる。
また、右目用画像短冊(R画像短冊)のみを集めて連結することで、図2(b2)3D右目用パノラマ画像(3DパノラマR画像)を生成することができる。
このように、カメラを移動させながら撮影した複数画像各々からの切り出し位置を異ならせて設定した短冊を連結することで、3次元(3D)画像表示に適用する左目用画像(L画像)と右目用画像(R画像)を生成することが可能となる。図3を参照してこの原理について説明する。
図3には、カメラ10を移動させて2つの撮影地点(a),(b)において被写体80を撮影した状況を示している。(a)地点では被写体80の画像は、カメラ10の撮像素子70の左目用画像短冊(L画像短冊)51に左側から見た画像が記録される。次に、カメラ10が移動した(b)地点では被写体80の画像は、カメラ10の撮像素子70の右目用画像短冊(R画像短冊)52に右側から見た画像が記録される。
このように、同一被写体に対する異なる視点からの画像が撮像素子70の所定領域(短冊領域)に記録される。
これらを個別に抽出、すなわち、左目用画像短冊(L画像短冊)のみを集めて連結することで、図2(b1)3D左目用パノラマ画像(3DパノラマL画像)が生成され、右目用画像短冊(R画像短冊)のみを集めて連結することで、図2(b2)3D右目用パノラマ画像(3DパノラマR画像)が生成される。
なお、図3では、理解を容易にするためカメラ10が被写体80の左側から右側に被写体をクロスする移動の設定として示しているが、このようにカメラ10が被写体80をクロスする移動を行うことは必須ではない。カメラ10の撮像素子70の所定領域に異なる視点からの画像が記録できれば、3D画像表示に適用する左目用画像と右目用画像を生成することができる。
次に、図4を参照して、以下の説明において適用する仮想撮像面を用いた逆モデルについて説明する。図4には、
(a)画像撮影構成
(b)順モデル
(c)逆モデル
これらの各図を示している。
図4(a)に示す画像撮影構成は、図3を参照して説明したと同様のパノラマ画像の撮影時の処理構成を示す図である。
図4(b)は、図4(a)に示す撮影処理において実際にカメラ10内の撮像素子70に撮り込まれる画像の例を示している。
撮像素子70には、図4(b)に示すように左目用画像72、右目用画像73が上下反転して記録される。このような反転した画像を利用して説明すると混乱しやすいため、以下の説明では、図4(c)に示す逆モデルを利用して説明する。
なお、この逆モデルは撮像装置の画像の解説等においては頻繁に利用されるモデルである。
図4(c)に示す逆モデルは、カメラの焦点に対応する光学中心102の前方に仮想撮像素子101を設定し、この仮想撮像素子101に被写体像が撮り込まれるものと想定している。図4(c)に示すように仮想撮像素子101には、カメラ前方左側の被写体A91が左側、カメラ前方右側の被写体B92が右側に撮り込まれ、上下も反転しない設定となり、実際の被写体の位置関係をそのまま反映している。すなわち、仮想撮像素子101上の画像は、実際の撮影画像と同じ画像データである。
以下の説明では、この仮想撮像素子101を用いた逆モデルを適用して説明を行う。
ただし、図4(c)に示すように、仮想撮像素子101上では、左目用画像(L画像)111は、仮想撮像素子101上の右側に撮り込まれ、右目用画像(R画像)112は仮想撮像素子101上の左側に撮り込まる。
[2.カメラ移動により撮影した複数画像の短冊領域を利用した3D画像生成における問題点]
次に、カメラ移動により撮影した複数画像の短冊領域を利用した3D画像生成における問題点について説明する。
パノラマ画像(3Dパノラマ画像)の撮影処理のモデルとして、図5に示す撮影モデルを想定する。図5に示すように、カメラ100の光学中心102が回転中心である回転軸Pから距離R(回転半径)だけ離れた位置に設定されるようにカメラ100を置く。
仮想撮像面101は光学中心102から、焦点距離fだけ回転軸Pから外側に設定される。
このような設定で、カメラ100を回転軸P回りに右回り(AからB方向)に回転させて、連続的に複数枚の画像を撮影する。
各撮影ポイントにおいて、左目用画像短冊111、右目用画像短冊112の各画像が仮想撮像素子101上に記録される。
記録画像は例えば図6に示すような構成となる。
図6は、カメラ100によって撮影された画像110を示している。なお、この画像110は仮想撮像面101上の画像と同じである。
画像110に対して、図6に示すように画像中心部から左にオフセットさせて短冊状に切り抜いた領域(短冊領域)を右目用画像短冊112とし、右にオフセットさせて短冊状に切り抜いた領域(短冊領域)を左目用画像短冊111とする。
なお、図6には、参考として2次元(2D)パノラマ画像生成時に利用する2Dパノラマ画像用短冊115を示している。
図6に示すように、2次元合成画像用の短冊である2Dパノラマ画像短冊115と左目用画像短冊111との距離、および2Dパノラマ画像短冊115と右目用画像短冊112との距離を、
「オフセット」、または「短冊オフセット」=d1,d2
と定義する。
さらに、左目用画像短冊111と右目用画像短冊112との距離を、
「短冊間オフセット」=D
と定義する。
なお、
短冊間オフセット=(短冊オフセット)×2
D=d1+d2
となる。
短冊幅wは、2Dパノラマ画像短冊115と、左目用画像短冊111と、右目用画像短冊112ともすべて共通の幅wとなる。この短冊幅は、カメラの移動速度等によって変化する。カメラの移動速度が早い場合は短冊幅wが広くなり、遅い場合は狭くなる。この点については後段でさらに説明する。
短冊オフセットや短冊間オセットは様々な値に設定可能である。例えば短冊オフセットを大きくすれば、左目用画像と右目用画像の視差がより大きくなり、短冊オフセットを小さくすれば、左目用画像と右目用画像の視差が小さくなる。
短冊オフセット=0とした場合は、
左目用画像短冊111=右目用画像短冊112=2Dパノラマ画像短冊115
となる。
この場合は、左目用画像短冊111を合成して得られる左目用合成画像(左目用パノラマ画像)と、右目用画像短冊112を合成して得られる右目用合成画像(右目用パノラマ画像)は全く同じ画像、すなわち、2Dパノラマ画像短冊115を合成して得られる2次元パノラマ画像と同じ画像となり、3次元画像表示には利用できなくなる。
なお、以下の説明では、短冊幅wや、短冊オフセット、短冊間オフセットの長さは画素数(pixel)によって規定される値として説明する。
カメラ100内のデータ処理部は、カメラ100を移動させながら連続撮像された画像間の動きベクトルを求め、前述した短冊領域の絵柄が繋がるように位置あわせをしながら、各画像から切り出す短冊領域を順次決定し、各画像から切り出した短冊領域を連結する。
すなわち各画像から左目用画像短冊111のみを選択して連結合成して左目用合成画像(左目用パノラマ画像)を生成し、右目用画像短冊112のみを選択して連結合成して右目用合成画像(右目用パノラマ画像)を生成する。
図7(1)は短冊領域の連結処理例を示す図である。各画像の撮影時間間隔をΔtとして、撮影時間:T=0〜nΔtの間にn+1枚の画像を撮影したことを想定している。これらn+1枚の各画像から取り出した短冊領域を連結する。
ただし、3D左目用合成画像(3DパノラマL画像)を生成する場合は、左目用画像短冊(L画像短冊)111のみを抽出して連結する。また、3D右目用合成画像(3DパノラマR画像)を生成する場合は、右目用画像短冊(R画像短冊)112のみを抽出して連結する。
このように左目用画像短冊(L画像短冊)111のみを集めて連結することで、図7(2a)3D左目用合成画像(3DパノラマL画像)が生成される。
また、右目用画像短冊(R画像短冊)112のみを集めて連結することで、図7(2b)3D右目用合成画像(3DパノラマR画像)が生成される。
図6、図7を参照して説明したように、
画像100の中心から右側にオフセットした短冊領域をつなぎ合わせて、図7(2a)3D左目用合成画像(3DパノラマL画像)が生成される。
画像100の中心から左側にオフセットした短冊領域をつなぎ合わせて、図7(2b)3D右目用合成画像(3DパノラマR画像)が生成される。
これら2枚の画像には、先に図3を参照して説明したように、基本的に同じ被写体が写っているが、同じ被写体でも互いに異なる位置から撮像されているので、視差が生じている。これら視差を有する2つの画像を3D(ステレオ)画像を表示可能な表示装置に表示することで、撮像対象の被写体を立体的に表示することができる。
なお、3D画像の表示方式には様々な方式がある。
例えば、偏光フィルタや、色フィルタにより左右の眼各々によって観察する画像を分離するパッシブ眼鏡方式に対応する3D画像表示方式、あるいは、液晶シャッターを左右交互に開閉して観察する画像を左右の眼交互に時間的に分離するアクティブ眼鏡方式に対応する3D画像表示方式などがある。
上述した短冊連結処理によって生成された左目用画像、右目用画像は、これらの各方式に適用可能である。
上述したようにカメラを移動させながら連続撮像された複数の画像の各々から短冊領域を切り出して左目用画像と右目用画像を生成することで、異なる視点、すなわち左目位置と右目位置から観察した左目用画像、右目用画像を生成することができる。
先に、図6を参照して説明したように、短冊オフセットを大きくすれば、左目用画像と右目用画像の視差がより大きくなり、短冊オフセットを小さくすれば、左目用画像と右目用画像の視差が小さくなる。
視差は、左目用画像と右目用画像の撮影位置間の距離である基線長に対応する。先に図5を参照して説明した1つのカメラを移動させて画像の撮影を行うシステムにおける基線長(仮想基線長)は図8に示す距離Bに対応する。
仮想基線長Bは、近似的に以下の式(式1)で求められる。
B=R×(D/f)・・・(式1)
ただし、
Rはカメラの回転半径(図8参照)
Dは短冊間オフセット(図8参照)(左目用画像短冊と右目用画像短冊との距離)
fは焦点距離(図8参照)
である。
例えばユーザが手に持ったカメラを移動させて撮影した画像を利用して左目用画像と右目用画像を生成する場合、上記の各パラメータ、すなわち回転半径Rや、焦点距離fは変化する値となる。すなわち、ズーム処理やワイド画像撮影処理等のユーザ操作により焦点距離fが変更される。ユーザがカメラ移動として行う振り回し動作が小振りの場合、大振りの場合で回転半径Rが異なる。
従って、これらR,fが変化すると、仮想基線長Bは、撮影毎に変動し最終的なステレオ画像の奥行き感を安定して提供することができなくなる。
上記式(式1)から理解されるように、カメラの回転半径Rが大きくなれば仮想基線長Bも比例して大きくなる。一方、焦点距離fが大きくなれば、仮想基線長Bは反比例して小さくなる。
カメラの回転半径Rと焦点距離fが異なる場合における仮想基線長Bの変化例を図9に示す。
図9には、
(a)回転半径R、焦点距離fが小さい場合の仮想基線長B
(b)回転半径R、焦点距離fが大きい場合の仮想基線長B
これらのデータ例を示している。
前述したように、カメラの回転半径Rと仮想基線長Bは比例、一方、焦点距離fと仮想基線長Bは反比例の関係にあり、例えばユーザの撮影動作の中で、これらのR,fが変化すると、仮想基線長Bは様々な長さに変化してしまう。
このような様々な基線長を持つ画像を用いて左目用画像と右目用画像を生成すると、ある特定の距離にある被写体の距離間が前後に変動する不安定な画像となってしまうという問題点がある。
本発明は、このような撮影処理において撮影条件が変動しても、基線長の変動を防止または抑制し、安定した距離間の得られる左目用画像と右目用画像を生成する構成を提供する。以下、この処理の詳細について説明する。
[3.本発明の画像処理装置の構成例について]
まず、本発明の画像処理装置の一実施例である撮像装置の構成例について図10を参照して説明する。
図10に示す撮像装置200は、先に図1を参照して説明したカメラ10に相当し、例えばユーザが手に持ち、パノラマ撮影モードで複数の画像を連続撮影することが可能な構成を持つ。
被写体からの光はレンズ系201を経て撮像素子202に入射する.撮像素子202は例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサによって構成される。
撮像素子202に入射した被写体像は、撮像素子202によって電気信号に変換される。なお、図示しないが、撮像素子202は所定の信号処理回路を有し、信号処理回路において変換された電気信号をさらにデジタル画像データに変換して、画像信号処理部203に供給する。
画像信号処理部203では、ガンマ補正や輪郭強調補正等の画像信号処理を行い、信号処理結果としての画像信号を表示部204に表示する。
さらに、画像信号処理部203の処理結果としての画像信号は、
合成処理に適用するための画像メモリである画像メモリ(合成処理用)205、
連続撮影された各画像間の移動量を検出するための画像メモリである画像メモリ(移動量検出用)206、
各画像間の移動量を算出する移動量算出部207、
これらの各部に提供される。
移動量検出部207は、画像信号処理部203から供給される画像信号とともに、画像メモリ(移動量検出用)206に保存された1フレーム前の画像を取得し、現在の画像と1フレーム前の画像の移動量を検出する。例えば連続して撮影された2つの画像を構成する画素間のマッチング処理、すなわち同一被写体の撮影領域を判別するマッチング処理を実行して、各画像間での移動した画素数を算出するものである。なお、基本的には被写体は静止していると仮定した処理を行う。移動被写体が存在する場合は、画像全体の動きベクトルと異なる動きベクトルが検出されるが、これらの移動被写体に対応する動きベクトルは検出対象外として処理を行う。すなわち、カメラ移動に伴って発生する画像全体の動きに対応する動きベクトル(GMV:グローバルモーションベクトル)を検出する。
なお移動量は例えば移動画素数として算出する。画像nの移動量は、画像nと、先行画像n−1との比較により実行し、検出された移動量(画素数)を画像nに対応する移動量として移動量メモリ208に格納する。
なお、画像メモリ(合成処理用)205には、連続撮影された画像の合成処理、すなわちパノラマ画像を生成するための画像を保存するメモリである。この画像メモリ(合成処理用)205は、パノラマ撮影モードで撮影された例えばn+1枚の画像のすべての画像を保存する構成としてもよいが、例えば画像の端部を切り落とし、パノラマ画像の生成に必要となる短冊領域を確保できるような画像の中央領域のみを選択して保存しておく設定としてもよい。このような設定とすることで、必要とするメモリ容量を削減することが可能となる。
また、画像メモリ(合成処理用)205は、撮影画像データのみならず、焦点距離[f]等の撮影パラメータ等も画像の属性情報として画像に対応づけて記録される。これ等のパラメータは画像データとともに画像合成部220に提供される。
回転運動量検出部211、並進運動量検出部212は、例えばそれぞれ撮像装置200に備えられたセンサ、あるいは撮影画像の解析を行う画像解析部として公正される。
センサとして構成される場合、回転運動量検出部211は、カメラのピッチ/ロール/ヨーといったカメラの姿勢を検出する姿勢検出センサである。並進運動量検出部212は、カメラの移動情報として世界座標系に対する動きを検出する動き検出センサである。回転運動量検出部211の検出情報と、並進運動量検出部212の検出情報は、ともに画像合成部220に提供される。
なお、これらの回転運動量検出部211の検出情報と、並進運動量検出部212の検出情報は、画像の撮影時に撮影画像とともに撮影画像の属性情報として画像メモリ(合成処理用)205に格納し、画像メモリ(合成処理用)205から画像合成部220に合成対象の画像とともに検出情報を入力する構成としてもよい。
また、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212は、センサではなく画像解析処理を実行する画像解析部によって構成してもよい。回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212は、撮影画像の解析によってセンサ検出情報と同様の情報を取得して、取得情報を画像合成部220に提供する。この場合、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212は、画像メモリ(移動量検出用)206から画像データを入力して画像解析を実行する。これらの処理の具体例については後段で説明する。
撮影終了後、画像合成部220は、画像メモリ(合成処理用)205から画像を取得し、さらにその他の必要情報を取得して、画像メモリ(合成処理用)205から取得した画像から短冊領域を切り出して連結する画像合成処理を実行する。この処理により、左目用合成画像と、右目用合成画像を生成する。
画像合成部220は、撮影終了後に、画像メモリ(合成処理用)205から撮影中に保存された複数の画像(あるいは部分画像)とともに、移動量メモリ208に保存された各画像対応の移動量、さらに回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212の検出情報(センサ検出またはむ画像解析によって取得された情報)を入力する。
画像合成部220は、これらの入力情報を用いて連続して撮影された画像に左目用画像短冊と右目用画像短冊を設定し、これらを切り出して連結合成する処理を実行して左目用合成画像(左目用パノラマ画像)と、右目用合成画像(右目用パノラマ画像)を生成する。さらに、各画像についてJPEG等の圧縮処理を行った後、記録部(記録メディア)221に記録する。
なお、画像合成部220の具体的構成例と処理については後段で詳細に説明する。
記録部(記録メディア)221は、画像合成部220において合成された合成画像、すなわち、左目用合成画像(左目用パノラマ画像)と、右目用合成画像(右目用パノラマ画像を保存する。
記録部(記録メディア)221は、デジタル信号を記録可能な記録媒体であれば、どのような記録媒体でも良く、例えばハードディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disk )、半導体メモリ、磁気テープといった記録媒体を用いることができる。
なお、図10には示していないが、図10に示す構成以外に撮像装置200はユーザによる操作の可能なシャッターや、ズーム設定、モード設定処理などの各種入力を行なうための入力操作部、さらに、撮像装置200において実行される処理の制御を行う制御部や、他の各構成部での処理のプログラム、パラメータを記録した記憶部(メモリ)等を有する。
図10に示す撮像装置200の各構成部の処理やデータ入出力は、撮像装置200内の制御部の制御に従って行われる。制御部は、撮像装置200内のメモリに予め格納されたプログラムを読み出して、プログラムに従って、撮影画像の取得、データ処理、合成画像の生成、生成した合成画像の記録処理、あるいは表示処理等、撮像装置200において実行される処理の全般的な制御を実行する。
[4.画像撮影および画像処理シーケンスについて]
次に、図11に示すフローチャートを参照して本発明の画像処理装置の実行する画像撮影および合成処理シーケンスの一例について説明する。
図11に示すフローチャートに従った処理は、例えば図10に示す撮像装置200内の制御部の制御のもとに実行される。
図11に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
まず、画像処理装置(例えば撮像装置200)は電源ONにより、ハードウェアの診断や初期化を行った後、ステップS101へ移行する。
ステップS101では、各種の撮影パラメータを計算する。このステップS101では、例えば露出計により識別された明るさに関する情報を取得し、絞り値やシャッター速度等の撮影パラメータを計算する。
次にステップS102へ移行し、制御部は、ユーザによるシャッター操作が行われたか否かを判定する。なお、ここでは、既に3D画像パノラマ撮影モードに設定されているものとする。
3D画像パノラマ撮影モードではユーザのシャッター操作により複数毎の画像を連続撮影し、撮影画像から左目用画像短冊と右目用画像短冊を切り出して3D画像表示に適用可能な左目用合成画像(パノラマ画像)と右目用合成画像(パノラマ画像)を生成して記録する処理が実行される。
ステップS102において、制御部がユーザによるシャッター操作の検出がなされない場合は、ステップS101に戻る。
一方、ステップS102において、制御部がユーザによるシャッター操作があったことを検出するとステップS103に進む。
ステップS103において、制御部は、ステップS101において計算したパラメータに基づく制御を行い撮影処理を開始する。具体的には、例えば、図10に示すレンズ系201の絞り駆動部の調整等を実行して、画像の撮影を開始する。
画像の撮影処理は、連続的に複数の画像を撮影する処理として行われる。図10に示す撮像素子202から連続撮影画像各々に対応する電気信号が、順次読み出されて画像信号処理部203においてガンマ補正や輪郭強調補正等の処理が実行され、処理結果が表示部204に表示されるとともに、各メモリ205,206、移動量検出部207に順次、供給される。
次にステップS104に移行し、画像間移動量を算出する。この処理は、図10に示す移動量検出部207の処理である。
移動量検出部207は、画像信号処理部203から供給される画像信号とともに、画像メモリ(移動量検出用)206に保存された1フレーム前の画像を取得し、現在の画像と1フレーム前の画像の移動量を検出する。
なお、ここで算出する移動量は、前述したように例えば連続して撮影された2つの画像を構成する画素間のマッチング処理、すなわち同一被写体の撮影領域を判別するマッチング処理を実行して、各画像間での移動した画素数を算出するものである。なお、基本的には被写体は静止していると仮定した処理を行う。移動被写体が存在する場合は、画像全体の動きベクトルと異なる動きベクトルが検出されるが、これらの移動被写体に対応する動きベクトルは検出対象外として処理を行う。すなわち、カメラ移動に伴って発生する画像全体の動きに対応する動きベクトル(GMV:グローバルモーションベクトル)を検出する。
なお移動量は例えば移動画素数として算出する。画像nの移動量は、画像nと、先行画像n−1との比較により実行し、検出された移動量(画素数)を画像nに対応する移動量として移動量メモリ208に格納する。
この移動利用保存処理がステップS105の保存処理に対応する。ステップS105では、ステップS104で検出した画像間の移動量を各連写画像のIDと関連付けて、図10に示す移動量メモリ208に保存する。
次に、ステップS106に移行し、ステップS103において撮影され、画像信号処理部203において処理された画像を図10に示す画像メモリ(合成処理用)205に格納する。なお、前述したように、画像メモリ(合成処理用)205は、パノラマ撮影モード(または3D画像パノラマ撮影モード)で撮影された例えばn+1枚の画像のすべての画像を保存する構成としてもよいが、例えば画像の端部を切り落とし、パノラマ画像(3Dパノラマ画像)の生成に必要となる短冊領域を確保できるような画像の中央領域のみを選択して保存しておく設定としてもよい。このような設定とすることで、必要とするメモリ容量を削減することが可能となる。なお、画像メモリ(合成処理用)205には、JPEG等の圧縮処理を行った後、保存する構成としてもよい。
次にステップS107に移行し、制御部は、ユーザによるシャッターの押圧が継続しているか否を判定する。すなわち、撮影終了のタイミングを判別する。
ユーザによるシャッターの押圧が継続している場合は、撮影を継続させるべくステップS103へ戻り、被写体の撮像を繰り返す。
一方、ステップS107において、シャッターの押圧が終了していると判断すると、撮影の終了動作へ移行すべくステップS108へ進む。
パノラマ撮影モードでの連続画像撮影が終了すると、ステップS108に進む。
ステップS108において、画像合成部220は、3D画像とする左目用画像と右目用画像の短冊領域のオフセット量、すなわち左目用画像と右目用画像の短冊領域間の距離(短冊間オフセット):Dを算出する。
なお、先に図6を参照して説明したように、本明細書においては、2次元合成画像用の短冊である2Dパノラマ画像短冊115と左目用画像短冊111との距離、および2Dパノラマ画像短冊115と右目用画像短冊112との距離を、
「オフセット」、または「短冊オフセット」=d1,d2とし、
左目用画像短冊111と右目用画像短冊112との距離を、
「短冊間オフセット」=D
と定義している。
なお、
短冊間オフセット=(短冊オフセット)×2
D=d1+d2
となる。
ステップS108における左目用画像と右目用画像の短冊領域間の距離(短冊間オフセット):Dの算出処理は以下のように実行される。
先に図8、および式(式1)を用いて説明したように、基線長(仮想基線長)は図8に示す距離Bに対応し、仮想基線長Bは、近似的に以下の式(式1)で求められる。
B=R×(D/f)・・・(式1)
ただし、
Rはカメラの回転半径(図8参照)
Dは短冊間オフセット(図8参照)(左目用画像短冊と右目用画像短冊との距離)
fは焦点距離(図8参照)
である。
ステップS108における左目用画像と右目用画像の短冊領域間の距離(短冊間オフセット):Dの算出処理に際しては、仮想基線長Bを固定または変動幅を小さくするように調整した値を算出する。
前述したように、カメラの回転半径R、および焦点距離fは、ユーザによるカメラの撮影条件に従って変更されるパラメータである。
ステップS108では、画像撮影時におけるカメラの回転半径R、および焦点距離fの変化した場合にも、仮想基線長Bの値が変化しない短冊間オフセットD=d1+d2の値、あるいは変化量を小さくするように短冊間オフセットD=d1+d2の値を算出する。
前述した関係式、すなわち、
B=R×(D/f)・・・(式1)
上記式に従えば、
D=B(f/R)・・・(式2)
ステップS108では、上記式(式2)において、例えばBを固定値として、画像撮影時の撮影条件から得られる焦点距離f、回転半径Rを入力または算出して短冊間オフセットD=d1+d2を算出する。
なお、焦点距離fは、例えば撮影画像の属性情報として、画像メモリ(合成処理用)205から画像合成部220へ入力される。
また、半径Rは、回転運動量検出部211、並進運動量検出部212の検出情報に基づいて画像合成部220において算出する。あるいは、回転運動量検出部211、並進運動量検出部212において算出し、算出値を画像属性情報として画像メモリ(合成処理用)205に格納し、画像メモリ(合成処理用)205から画像合成部220へ入力する設定としてもよい。なお、半径Rの算出処理の具体例については後述する。
ステップS108において、左目用画像と右目用画像の短冊領域間の距離である短冊間オフセットDの算出が完了すると、ステップS109に進む。
ステップS109では、撮影画像を利用した第1画像合成処理を行う。さらに、ステップS110に進み、撮影画像を利用した第2画像合成処理を行う。
これらステップS109〜S110の画像合成処理は、3D画像表示に適用する左目用合成画像と右目用合成画像の生成処理である。合成画像は例えばパノラマ画像として生成される。
前述したように、左目用合成画像は、左目用画像短冊のみを抽出して連結する合成処理により生成される。右目用合成画像は、右目用画像短冊のみを抽出して連結する合成処理により生成される。これらの合成処理の結果、例えば図7(2a),(2b)に示す2つのパノラマ画像が生成されることになる。
ステップS109〜S110の画像合成処理は、ステップS102のシャッター押下判定がYesとなってからステップS107でシャッター押下終了が確認されるまでの連続画像撮影中に画像メモリ(合成処理用)205に保存された複数の画像(または部分画像)を利用して実行される。
この合成処理に際して、画像合成部220は、複数の画像各々に関連づけられた移動量を移動量メモリ208から取得し、さらに、ステップS108において算出した短冊間オフセットD=d1+d2の値を入力する。短冊間オフセットDは、画像撮影時の撮影条件から得られる焦点距離f、回転半径Rに基づいて決定した値である。
例えばステップS109では、オフセットd1を適用して左目用画像の短冊位置を決定し、ステップS110では、フセットd1を適用して左目用画像の短冊位置を決定する。
なお、d1=d2としてもよいが、必ずしもd1=d2とする必要はない。
D=d1+d2の条件を満足すればもd1,d2の値は異なっていてもよい。
画像合成部220は、移動量および、焦点距離f、回転半径Rに基づいて算出した短冊間オフセットD=d1+d2に基づいて各画像の切り出し領域としての短冊領域を決定する。
すなわち、左目用合成画像を構成するための左目画像用短冊と右目用合成画像を構成するための右目画像用短冊の各短冊領域を決定する。
左目用合成画像を構成するための左目画像用短冊は、画像中央から右側へ所定量オフセットした位置に設定する。
右目用合成画像を構成するための右目画像用短冊は、画像中央から左側へ所定量オフセットした位置に設定する。
画像合成部220は、この短冊領域の設定処理に際して、3D画像として成立する左目用画像と右目用画像の生成条件を満たすオフセット条件を満たすように短冊領域を決定する。
画像合成部220は、各画像について左目用および右目用画像短冊を切り出して連結することで画像合成を行い、左目用合成画像と右目用合成画像を生成する。
なお、画像メモリ(合成処理用)205に保存された画像(または部分画像)がJPEG等で圧縮されたデータである場合は、処理速度の高速化を図るため、ステップS104で求められた画像間の移動量に基づいて、JPEG等の圧縮を解凍する画像領域を、合成画像として利用する短冊領域のみに設定する適応的な解凍処理を実行する構成としてもよい。
ステップS109、S110の処理によって、3D画像表示に適用する左目用合成画像と右目用合成画像が生成される。
最後に、次にステップS111に移行し、ステップS109、S110で合成された画像を適切な記録フォーマット(例えば、CIPA DC−007 Multi−Picture Format等)に従って生成し、記録部(記録メディア)221に格納する。
以上のようなステップを実行すれば、3D画像表示に適用するための左目用、および右目用の2枚の画像が合成できる。
[5.回転運動量検出部と、並進運動量検出部の具体的構成例について]
次に、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212の具体的構成の具体例について説明する。
回転運動量検出部211はカメラの回転運動量を検出し、並進運動量検出部212はカメラの並進運動量を検出する。
これらの各検出部における検出構成の具体例として以下の3つの例について説明する。
(例1)センサによる検出処理例
(例2)画像解析による検出処理例
(例3)センサと画像解析の併用による検出処理例
以下、これらの処理例について順次説明する。
(例1)センサによる検出処理例
まず、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212をセンサとして構成する例について説明する。
カメラの並進運動は、例えば加速度センサを用いることで検知することができる。あるいは、人工衛星からの電波を用いたGPS(Global Positioning System)により緯度経度から算出することが可能である。なお、加速度センサを適用した並進運動量の検出処理については例えば特開2000−78614に開示されている。
また、カメラの回転運動(姿勢)に関しては、地磁気センサを用いて、地磁気の方向を基準として方角を測定する方法や、重力の方向を基準として加速度計を応用して傾斜角を検出する方法や、振動ジャイロと加速度センサを組み合わせた角度センサを用いる方法や、角速度センサを用いて初期状態の基準となる角度から比較を行い算出する方法がある。
このように、回転運動量検出部211としては地磁気センサ、加速度計、振動ジャイロ、加速度センサ、角度センサ、角速度センサ、これらのセンサまたは各センサの組み合わせによって構成することができる。
また、並進運動量検出部212は、加速度センサ、GPS(Global Positioning System)によって構成することが可能である。
これらのセンサの検出情報としての回転運動量と、並進運動量が直接、あるいは画像メモリ(合成処理用)205を介して画像合成部210に提供され、画像合成部210においてこれ等の検出値に基づいて合成画像の生成対象となる画像の撮影時における回転半径Rを算出する。
回転半径Rの算出処理については後述する。
(例2)画像解析による検出処理例
次に、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212をセンサではなく、撮影画像を入力して画像解析を実行する画像解析部として構成する例について説明する。
本例は、図10の回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212は、画像メモリ(移動量検出用)205から合成処理対象となる画像データを入力して入力画像の解析を実行して、その画像が撮影された時点におけるカメラの回転成分と並進成分を取得する。
具体的には、まず、合成対象となる連続撮影された画像からハリスコーナー検出器等を用いて特徴量を抽出する。さらに各画像の特徴量間のマッチングや、各画像を等間隔分割して分割領域単位のマッチング(ブロックマッチング)を用いることで、各画像間のオプティカルフローを算出する。さらにカメラモデルが透視投影像であることを前提として、非線形方程式を繰り返し法により解き、回転成分と並進成分を抽出することができる。なお、この手法については、例えば以下の文献に詳細が記載され、この手法を適用することが可能である。
("Multi View Geometry in Computer Vision", Richard Hartley and Andrew Zisserman, Cambridge University Press)。
あるいは、より簡便には、被写体を平面と仮定することで、オプティカルフローからホモグラフィー(Homography)を算出し、回転成分と並進成分を算出する方法を適用してもよい。
本処理例を実行する場合は、図10の回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212はセンサではなく画像解析部として構成される。回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212は、画像メモリ(移動量検出用)205から合成処理対象となる画像データを入力して入力画像の解析を実行して画像撮影時におけるカメラの回転成分と並進成分を取得する。
(例3)センサと画像解析の併用による検出処理例
次に、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212がセンサ機能と、画像解析部としての両機能を備え、センサ検出情報と画像解析情報の両者を取得する処理例について説明する。
ではなく、撮影画像を入力して画像解析を実行する画像解析部として構成する例について説明する。
角速度センサにより得られた角速度データを基に角速度が0になるように連写画像を補正処理により並進運動だけを含む連写画像とし、加速度センサにより得られた加速度データと補正処理後の連写画像から並進運動を算出することができる。なお、この処理については、例えば特開2000−222580号公報に開示されている
本処理例は、回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212中、並進運動量検出部212については角速度センサと画像解析部を備えた構成とし、これらの構成により、上記特開2000−222580号公報に開示された手法を適用して画像撮影時の並進運動量を算出するものである。
回転運動量検出部211については、上記(例1)センサによる検出処理例、または、(例2)画像解析による検出処理例、これらの知り例において説明したいずれかのセンサ構成、または画像解析部構成とする。
[6.短冊間オフセットDの算出処理の具体例について]
次に、カメラの回転運動量と並進運動量からの短冊間オフセットD=d1+d2の算出処理について説明する。
画像合成部220は上述した回転運動量検出部211と、並進運動量検出部212における処理によって取得または算出された画像撮影時の撮像装置(カメラ)の回転運動量と並進運動量から左目用画像と右目用画像を生成する短冊切り出し位置を決定するための短冊間オフセットD=d1+d2を算出する。
カメラの回転運動量と並進運動量が求まると、次式(式3)を用いてカメラの回転半径Rを算出することが可能となる。
R=t/(2sin(θ/2))・・・(式3)
ただし、
t:並進運動量
θ:回転運動量
である。
図12に並進運動量tと、回転運動量θの例を示す。図12に示す2つのカメラ位置において撮影された2つの画像を合成対象として利用して左目用画像と右目用画像を生成する場合、並進運動量tと、回転運動量θは、図12に示すデータとなる。これらのデータt,θに基づいて上記の式(式3)を計算することで、図12に示すカメラ位置において撮影された画像において適用する左目用画像と右目用画像間の短冊間オフセットD=d1+d2を算出する。
上記式(式3)によって算出した短冊間オフセットDは合成対象とする撮影画像単位で変化するが、その結果、先に説明した式(式1)によって算出される基線長B、すなわち、
B=R×(D/f)・・・(式1)
上記仮想基線長Bの値はほぼ一定とすることができる。
従ってこの処理によって得られる左目用画像と右目用画像の仮想基線長はすべての合成画像においてほぼ一定に保持されることになり、安定した距離間を持つ3次元画像表示用データを生成することができる。
このように、本発明に従えば、上記式(式3)に従って求まる回転半径Rとカメラの撮影画像の属性情報として画像に対応付けて記録されるパラメータである焦点距離fに基づいて、基線長Bを一定にした画像を生成することが可能となる。
図13に基線長Bと回転半径Rの相関を示すグラフ、
図14に基線長Bと焦点距離fとの相関を示すグラフ、
これらの図を示す。
図13に示すように、基線長Bと回転半径Rとは比例関係にあり、図14に示すように、基線長Bと焦点距離fとは反比例の関係にある。
本発明の処理では、基線長Bを一定にするための処理として、回転半径Rや焦点距離fが変更された場合に短冊オフセットDを変更する処理を実行する。
図13は、焦点距離fを固定とした場合の基線長Bと回転半径Rの相関を示すグラフである。
例えば出力する合成画像の基線長を図13に横ラインとして示す70mmとして設定したとする。
この場合、回転半径Rに応じて短冊間オフセットDは、図13に示す(p1)〜(p2)の間で示される140〜80pixelの各値に設定することで、基線長Bを一定に保持することが可能となる。
図14は短冊間オフセットD=98pixelとして固定した場合の基線長Bと焦点距離fとの相関を示すグラフである。回転半径けR=100〜600mmの場合の基線長Bと焦点距離fとの相関を示している。
例えば回転半径R=100mmで、焦点距離f=2.0mmの点(q1)の条件で撮影された場合には短冊間オフセットD=98mmとすることが、基線長を70mmに維持するための条件となる。
同様に、回転半径R=60mmで、焦点距離f=90mmの点(q2の条件で撮影された場合には短冊間オフセットD=98mmとすることが、基線長を70mmに維持するための条件となる。
このように、本発明の構成では、ユーザが様々な条件で撮影した画像を合成して3D画像としての左目用画像と右目用画像を生成する構成において、短冊間オフセットを適宜調整することで基線長をほぼ一定に保持した画像生成することが可能となる。
このような処理を実行することで、3D画像表示に適用できる視点の異なる位置からの画像である左目用合成画像と右目用合成画像を、観察した場合に距離間が変動しない安定した画像として生成することが可能となる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、複数の画像から切り出した短冊領域を連結して基線長をほぼ一定にした3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成する装置および方法が提供される。複数画像から切り出した短冊領域を連結して3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成する。画像合成部は、各撮影画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、各撮影画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する。画像合成部は、左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なう。この処理により、基線長をほぼ一定にした3次元画像表示用の左目用合成画像と右目用合成画像を生成することが可能となり、違和感のない3次元画像表示が実現される。
10 カメラ
20 画像
21 2Dパノラマ画像用短冊
30 2Dパノラマ画像
51 左目用画像短冊
52 右目用画像短冊
70 撮像素子
72 左目用画像
73 右目用画像
100 カメラ
101 仮想撮像面
102 光学中心
110 画像
111 左目用画像短冊
112 右目用画像短冊
115 2Dパノラマ画像用短冊
200 撮像装置
201 レンズ系
202 撮像素子
203 画像信号処理部
204 表示部
205 画像メモリ(合成処理用)
206 画像メモリ(移動量検出用)
207 移動量検出部
208 移動量メモリ
211 回転運動量検出部
212 並進運動量検出部
220 画像合成部
221 記録部

Claims (11)

  1. 異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成する画像合成部を有し、
    前記画像合成部は、
    各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、
    各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する構成であり、
    前記画像合成部は、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なう画像処理装置。
  2. 前記画像合成部は、
    画像の撮影条件としての画像撮影時の画像処理装置の回転半径および焦点距離に応じて前記短冊間オフセット量を調整する処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像処理装置は、
    画像撮影時の画像処理装置の回転運動量を取得または算出する回転運動量検出部と、
    画像撮影時の画像処理装置の並進運動量を取得または算出する並進運動量検出部を有し、
    前記画像合成部は、
    前記回転運動量検出部から受領する回転運動量と、前記並進運動量検出部から取得する並進運動量を適用して画像撮影時の画像処理装置の回転半径を算出する処理を実行する請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記回転運動量検出部は、
    画像処理装置の回転運動量を検出するセンサである請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記並進運動量検出部は、
    画像処理装置の並進運動量を検出するセンサである請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記回転運動量検出部は、
    撮影画像の解析により画像撮影時の回転運動量を検出する画像解析部である請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記並進運動量検出部は、
    撮影画像の解析により画像撮影時の並進運動量を検出する画像解析部である請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像合成部は、
    前記回転運動量検出部から受領する回転運動量θと、前記並進運動量検出部から取得する並進運動量tを適用して画像撮影時の画像処理装置の回転半径Rを、
    R=t(2sin(θ/2))
    上記式に従って算出する処理を実行する請求項3に記載の画像処理装置。
  9. 撮像部と、請求項1〜8いずれかに記載の画像処理を実行する画像処理部を備えた撮像装置。
  10. 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
    画像合成部が、異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成する画像合成ステップを実行し、
    前記画像合成ステップは、
    各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像を生成し、
    各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像を生成する処理を含み、
    さらに、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なうステップである画像処理方法。
  11. 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
    画像合成部に、異なる位置から撮影された複数の画像を入力し、各画像から切り出した短冊領域を連結して合成画像を生成させる画像合成ステップを実行させ、
    前記画像合成ステップにおいては、
    各画像に設定した左目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する左目用合成画像の生成処理と、
    各画像に設定した右目用画像短冊の連結合成処理により3次元画像表示に適用する右目用合成画像の生成処理を実行させ、
    さらに、前記左目用合成画像と右目用合成画像の撮影位置間の距離に相当する基線長をほぼ一定とするように画像の撮影条件に応じて前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の短冊間距離である短冊間オフセット量を変更して前記左目用画像短冊と右目用画像短冊の設定処理を行なわせるプログラム。
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