JP2014149184A - 分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法 - Google Patents

分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法 Download PDF

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Yuuko Ujihara
ゆう子 氏原
Tomomi Komatsu
智美 小松
Nobuyuki Ukai
展行 鵜飼
Yuichi Okuzaki
友一 奥崎
Hiroaki Mikawa
寛明 三河
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Abstract

【課題】リアルタイムで、かつ安全にアルカリ溶液の状態を管理者に把握させることを目的とする。
【解決手段】分析装置10は、エッチング槽12から、母材16をエッチングした後のアルカリ溶液14であるケミミル液を採取するポンプ20と、採取したケミミル液を希釈する希釈槽26とを備える。さらに、分析装置10は、Na塩濃度を計測するNaイオンメータ、母材16を構成するAlの濃度とNaの濃度の和に相関のある相関値を計測する導電率計、及び電磁濃度計を有する計測部(自動分析部28)と、計測結果を報知する報知部30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法に関するものである。
被加工物である金属表面の一部を耐薬品塗膜で被覆してから加工液中に浸し、露出面だけを化学的に溶解し、被加工物を所要形状及び所定重量の製品に加工するケミカルミーリングと呼ばれるエッチング技術が普及している。ケミカルミーリングは、被加工物を複雑な形状に加工ができることから、航空機産業等をはじめとして、近年多方面で活用されている。
被加工物をケミカルミーリングする方法としては、特許文献1に記載されているように、酸によって被加工物をエッチングする方法がある。
また、例えば水酸化ナトリウム(カセイソーダともいう。)等のアルカリ溶液をエッチング槽に貯留し、エッチング槽に被加工物を浸漬させる方法もある。
ある濃度以上にアルカリ溶液中に被加工物が溶解すると、加工性が低下し、製品不具合が発生する可能性がある。このため、エッチング槽に貯留されるアルカリ溶液の濃度は適正に管理される必要があり、被加工物に対する加工の状況に応じてアルカリ溶液がエッチング槽に追加される。
従来、アルカリ溶液の濃度の管理を実施するために、エッチング槽から適量のアルカリ溶液を人手で採取し、例えば塩酸(1N−HCL)を用いて中和滴定による滴定分析を実施していた。
特開2008−106326号公報
しかしながら、滴定分析は、時間と手間を要すると共に専用の設備が配置されている研究室等で行わなければならず、リアルタイムでアルカリ溶液の状態を管理者が把握することが困難であった。また、中和滴定の過程では例えばフッ化カリウムといった有毒な物質を用いる必要があり、分析者は、その安全性にも配慮する必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、リアルタイムで、かつ安全にアルカリ溶液の状態を管理者に把握させることができる、分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る分析装置は、アルカリが溶解したアルカリ溶液に被加工物を浸漬することで該被加工物をエッチングするエッチング槽から、前記被加工物をエッチングした後の前記アルカリ溶液である被加工物含有溶液を採取する採取手段と、前記採取手段によって採取された前記被加工物含有溶液を希釈する希釈手段と、前記アルカリの濃度を計測する第1計測器、及び前記被加工物を構成する物質の濃度と前記アルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する第2計測器を用いて前記希釈手段によって希釈された被加工物含有溶液を計測する計測手段と、前記計測手段による計測結果を報知する報知手段と、を備える。
本構成によれば、アルカリ溶液に被加工物を浸漬することで被加工物をエッチングするエッチング槽から、被加工物をエッチングした後のアルカリ溶液である被加工物含有溶液が採取手段によって採取され、採取されたアルカリ溶液が希釈手段によって希釈される。被加工物は、例えばアルミニウム(Al)である。アルカリ溶液は、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)を含むpH12以上の強アルカリ性の水溶液である。このようにアルカリ溶液は強アルカリ性であるため、採取手段は、例えばペリスタルティックポンプの様な駆動部分が被加工物含有溶液に直接触れないポンプであることが好ましい。
そして、計測手段は、第1計測器及び第2計測器を有する。第1計測器は、希釈された被加工物含有溶液に含まれるアルカリの濃度を計測する。第2計測器は、例えばイオンメータである。第2計測器は、希釈された被加工物含有溶液に含まれる被加工物を構成する物質の濃度とアルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する。第2計測器は、例えば導電率計である。このように計測手段によって、従来行っていた毒性のあるKF液を用いることなく、かつ迅速に被加工物含有溶液の状態が計測される。
計測手段による計測結果は、報知手段によって報知される。従って、エッチング槽の管理者は、リアルタイムでアルカリ溶液の状態を把握することができ、適宜エッチング槽へのアルカリ溶液の追加量を判断することができる。被加工物含有溶液に含まれるアルカリの濃度が適正値よりも低いと、被加工物に対するエッチングの速度が遅くなる。
このように、本構成は、リアルタイムで、かつ安全にアルカリ溶液の状態を管理者に把握させることができる。
上記第一態様では、前記第1計測器によって計測された前記アルカリの濃度、及び前記第2計測器によって計測された前記相関値に基づいて、前記エッチング槽へ追加する前記アルカリの量を算出する追加算出手段を備えることが好ましい。
本構成によれば、簡易にエッチング槽へ追加するべきアルカリの量を算出できる。
上記第一態様では、前記追加算出手段が、前記相関値に基づく前記物質の濃度と前記アルカリの濃度の和から前記アルカリの濃度を減算した結果に基づいて、前記エッチング槽へ追加する前記アルカリの量を算出することが好ましい。
相関値に基づく物質の濃度とアルカリの濃度の和からアルカリの濃度を減算した結果は、エッチングで消費されたアルカリの濃度に相当する。従って、本構成は、簡易にエッチング槽へ追加するべきアルカリの量を算出できる。
上記第一態様では、前記第2計測器が、導電率計及び電磁濃度計であり、前記導電率計による計測が不可能な場合に、前記電磁濃度計による計測を行うことが好ましい。
本構成によれば、より確実にアルカリ溶液の状態を管理者に把握させることができる。
本発明の第二態様に係るエッチング用アルカリ溶液の分析方法は、アルカリが溶解したアルカリ溶液に被加工物を浸漬することで該被加工物をエッチングするエッチング槽から、前記被加工物をエッチングした後の前記アルカリ溶液である被加工物含有溶液を採取する第1工程と、採取した前記被加工物含有溶液を希釈する第2工程と、前記アルカリの濃度を計測する第1計測器、及び前記被加工物を構成する物質の濃度と前記アルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する第2計測器を用いて希釈した被加工物含有溶液を計測する第3工程と、計測結果を報知手段によって報知する第4工程と、を含む。
本発明によれば、リアルタイムで、かつ安全にアルカリ溶液の状態を管理者に把握させることができる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る分析装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係る自動分析部の電気的構成を示すブロック図である。 導電率と総塩濃度との相関関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る分析処理の流れを示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る分析装置及びエッチング用アルカリ溶液の分析方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る分析装置10の全体構成図である。
エッチング槽12は、アルカリが溶解したアルカリ溶液14に被加工物(以下「母材」という。)16を浸漬することで母材16をエッチングする。
分析装置10は、エッチング槽12から、母材16をエッチングした後のアルカリ溶液14である被加工物含有溶液(以下「ケミミル液」という)を採取し、分析する。
本実施形態に係る母材16は、一例としてアルミニウム(Al)である。アルカリ溶液14は、一例として水酸化ナトリウム(NaOH)を含むpH12以上の強アルカリ性の水溶液である。
NaOHによるAlのエッチング反応は、下記反応式で示される。
2Al+2NaOH+6HO → 2Na[Al(OH)]+3H
上記反応式に示されるようにケミミル液は、母材16を構成する物質であるAlがNaOHでエッチングされることにより、NaOHが消費されてAl塩(Na[Al(OH)])が含まれることとなる。
このように、Alに対するエッチングによってNaOHが消費されることによって、ケミミル液におけるNaOHの濃度が低下する。NaOHの濃度が適正値でないと、母材16であるAlに対するエッチングの速度が低下する。このため、エッチング槽12へのNaOHの追加が適宜必要となる。
分析装置10は、ポンプ20、バッファ槽22、ポンプ24、希釈槽26、自動分析部28、及び報知部30を備える。
ポンプ20は、ケミミル液をエッチング槽12から採取する採取手段である。ケミミル液は強アルカリ性であるため、ポンプ20は、例えばペリスタルティックポンプの様な駆動部分がケミミル液に直接触れないポンプであることが好ましい。なお、ポンプ20は、一例として、エッチング槽12内のケミミル液の上澄みを採取する。
ポンプ20で採取されたアルカリ溶液14は、バッファ槽22へ送られる。
バッファ槽22は、沈殿物を含むケミミル液を採取するための中間タンクであり、採取したケミミル液を撹拌して均一にする。撹拌手段は、撹拌子、撹拌棒、ポンプによる循環、及び窒素による曝気等である。なお、曝気で撹拌させる場合は、空気が通気してはならない。空気中に存在している炭酸ガスがケミミル液のナトリウム(Na)と反応し、炭酸ナトリウムを形成するためである。炭酸ナトリウムは、沈殿するため、後述する分析結果が実際よりも低くなる可能性がある。
そして、バッファ槽22で所定時間撹拌されたケミミル液は、所定時間(例えば1時間)静置された後に、上澄みをポンプ24によって採取される。なお、ポンプ24も、例えばペリスタルティックポンプの様な駆動部分がケミミル液に直接触れないポンプであることが好ましい。
また、ポンプ20によってエッチング槽12からバッファ槽22へケミミル液を送液させるサンプリングライン32、及びバッファ槽22は、例えば90℃に保温される。温度が低下して、ケミミル液が晶石することを防止するためである。
ケミミル液は、バッファ槽22から希釈槽26へポンプ24によって送液される。希釈槽26に送液されたケミミル液は、純水タンク34に貯留されている純水によって希釈される。なお、希釈時に熱が発生するのでその熱対策として、ケミミル液は約100倍に希釈される。また、希釈により、後述する計測部40に対する負荷が低減される。
希釈槽26によって希釈されたケミミル液は、分析用試料として例えばオートビュレットによって所定量(例えば1ml)採取され、浮遊物質(Suspended Solids)を除去するSS除去部36を通過して自動分析部28へ送液される。
SS除去部36は、例えば孔径が1μm程度の濾紙による濾過、遠心分離、又は沈殿させて上澄みの採取により、浮遊物質を除去する。
自動分析部28は、アルカリであるNaの濃度(以下「Na塩濃度」という。)を計測するNaイオンメータ42、並びに母材16を構成する物質であるAlの濃度とアルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する導電率計44及び電磁濃度計46を有する。
自動分析部28による各計測結果は、報知部30によって報知される。なお、本実施形態に係る報知部30は、計測結果を画像で表示するモニタであるが、これに限らず、計測結果を紙に印刷するプリンタや計測結果を音声で出力するスピーカー等としてもよい。このため、エッチング槽12の管理者は、リアルタイムでアルカリ溶液14の状態を把握することができ、適宜エッチング槽12へのアルカリ溶液14の追加量を判断することができる。
なお、各濃度が計測された後のケミミル液は、再びエッチング槽12へ戻されてもよいし、廃液として処理されてもよい。
図2は、本実施形態に係る自動分析部28の電気的構成を示すブロック図である。
自動分析部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等を含んで構成されている。そして、後述する濃度算出部48及び追加量算出部50の機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
自動分析部28は、計測部40、濃度算出部48、及び追加量算出部50を備える。
計測部40は、導電率計44、電磁濃度計46、及びNaイオンメータ42を備える。
導電率計44及び電磁濃度計46の計測結果は、上述したように母材16を構成する物質であるAlの濃度とアルカリの濃度の和、換言するとケミミル液に含まれる塩濃度の総和(以下「総塩濃度」という。)と相関関係を有する。図3は、導電率計44で計測される導電率と総塩濃度との相関関係を示した例である。なお、電磁濃度計46の方が導電率計44に比べて、高い濃度を計測できる。電磁濃度計46は接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。
Naイオンメータ42は、Na塩濃度を計測する。Na塩濃度からNaに結合しているOHの量が算出可能である。
導電率計44、電磁濃度計46、及びNaイオンメータ42による計測は、計測手段が電極であるため、装置を簡易化できると共に計測が迅速である。さらに、計測部40による計測は、濃度の計測のために従来のように有毒な物質(KF)をケミミル液に添加する必要が無いため、安全であり、かつ計測後のケミミル液をエッチング槽12へ戻すことができる。
濃度算出部48は、導電率計44又は電磁濃度計46による計測結果と総塩濃度との相関関係を示す関数を予め記憶しており、計測結果を該関数に代入することで、総塩濃度を算出する。また、濃度算出部48は、Naイオンメータ42による計測結果とNa塩濃度との相関関係を示す関数を予め記憶しており、計測結果を該関数に代入することで、Na塩濃度を算出する。
追加量算出部50は、Naイオンメータ42によって計測されたNa塩濃度、及び導電率計44又は電磁濃度計46によって計測された相関値に基づいて、エッチング槽12へ追加するNaOHの量を算出する。
なお、追加量算出部50で算出された追加量は、報知部30によって報知される。
図4は、各濃度を計測して追加量を算出する分析処理(分析プログラム)の流れを示すフローチャートであり、分析プログラムは自動分析部28が備えるRAMの所定領域に予め記憶されている。なお、分析プログラムは、自動分析部28にケミミル液が送液されるタイミング毎に行われる。
まず、ステップ100では、導電率計44による総塩濃度の計測を行う。
次のステップ102では、導電率計44による計測値の読み取りを行う。
次のステップ104では、ステップ102で読みとった計測値が導電率計44の計測範囲内であるか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
ステップ106では、電磁濃度計46による計測を行う。このように、導電率計44による計測が不可能な場合に、電磁濃度計46による計測を行うことにより、本実施形態に係る分析装置10は、より確実にアルカリ溶液14の状態を管理者に把握させることができる。
次のステップ108では、電磁濃度計46による計測値の読み取りを行い、ステップ110へ移行する。
ステップ110では、Naイオンメータ42による計測を行う。
次のステップ112では、Naイオンメータ42による計測値の読み取りを行う。
次のステップ114では、ステップ112で読みとった計測値がNaイオンメータ42の計測範囲内であるか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ118へ移行し、否定判定の場合はステップ116へ移行する。
ステップ116では、ケミミル液を純水で例えば10倍に希釈し、ステップ110へ戻り、再びNaイオンメータ42による計測を行う。
ステップ118では、追加量の算出を行う。
次のステップ120では、各濃度の計測結果及び算出した追加量を報知部30であるモニタに表示させ、分析処理を終了する。
ここで、追加量の算出方法について詳細に説明する。
まず、塩酸を用いた中和滴定による反応式からAlに対するエッチングで消費されたNaOHの濃度とAlの濃度との関係を説明する。
NaOHを含むケミミル液中に対して塩酸(HC1)を滴下すると、反応式(1)に示されるような反応が生じる。この際、反応式(2)で示されるエッチング工程でAlが溶けて生成されたアルミン酸ナトリウム(Na[Al(OH)])にも、反応式(3)に示されるようにHCLが消費される。
NaOH+HCl → NaCL+HO ・・・(1)
2Al+2NaOH+6HO → 2Na[Al(OH)]+3H ・・・(2)
Na[Al(OH)]+HCL → NaCL+Al(OH)+HO ・・・(3)
反応式(1)に示されるNaOHとの反応、及び反応式(3)に示されるNaAl(OH)との反応で消費されるHCLの濃度が、全てのNaOHの濃度とされ、(1)式によりNaOHの濃度が求められる。
Figure 2014149184
上記(1)式において、A[ml]はHCLの滴定量であり、fは1N−HCLのファクター(換算係数)であり、5[ml]は採取したケミミル液の量の一例であり、0.04[g]は1[ml]の1N−HCL相当のNaOHの量であり、1000はmlをLへ変換するための係数である。
次に、HCLで中和したケミミル液に過剰なフッ化カリウム(KF)を添加して、反応式(4)に示されるようにケミミル中のAlをフッ化アルミニウム(AlF)として沈殿させる。その際に、発生した水酸化カリウム(KOH)を、反応式(5)で示されるようにHCLで滴定する。
Al(OH)+3KF → AlF+3KOH ・・・(4)
KOH+HCL → KCL+HO ・・・(5)
反応式(4)で発生したKOHの量に対し、3分の1に相当するAlの量がケミミル液中のAl濃度であり、Al濃度は下記(2)式から求められる。
Figure 2014149184
上記(2)式において、B[ml]はHCLの滴定量であり、fは1N−HCLのファクターであり、5[ml]は採取したケミミル液の量の一例であり、0.056[g]は1[ml]の1N−HCL相当のKOHの量であり、27/168は3KOHをAlへ換算する分子量比であり、1000はmlをLへ変換するための係数である。
そして、上述のように、ケミミル液中のAlの量は、KOHの量に対して3分の1に相当するため、同様にKOHの量に対して、3分の1に相当するNaOHの量がエッチング工程でAlに消費されたNaOH(以下「消費NaOH」という。)の量となる。すなわち、Al(OH)とNaOHとの関係はモル比で1:1である。
なお、Alのエッチングで消費されていない、換言するとAlのエッチングに寄与できるNaOH(以下「遊離NaOH」という。)の濃度は、全NaOH濃度からAl濃度を減算した値となる。
次に、本実施形態に係る追加量算出部50による追加量の算出方法について説明する。
追加量算出部50は、導電率計44又は電磁濃度計46によって計測された相関値に基づく総塩濃度からNa塩濃度を減算した結果に基づいて、エッチング槽12へ追加するNaOHの量を算出する。
以下に具体的に説明する。なお、以下の説明では、導電率計44による計測結果を用いて追加するNaOHの量を算出する場合について説明する。電磁濃度計46による計測結果を用いる場合は、下記説明における導電率計44による計測結果を電磁濃度計46により計測結果に置き換えることで可能である。
Na塩濃度は、Naイオンメータ42による計測値IとNa塩濃度との相関関係を示す関数Fを用いて、Na塩濃度=F(I)によって算出される。なお、Na塩濃度は、Alをエッチングする前後で変化しない。
総塩濃度は、導電率計44による計測値である導電率ECと総塩濃度との相関関係を示す関数Fを用いて、総塩濃度=F(EC)によって算出される。総塩濃度は、NaOHによるAlのエッチングの量、すなわち、ケミミル液に含まれるNa[Al(OH)]の量が多くなれば高くなる。
そして、Al塩濃度は、下記式に示されるように総塩濃度からNa塩濃度を減算することによって求められる。
Al塩濃度=F(EC)−F(I)
例えば、総塩濃度が250g/Lであり、Na塩濃度が157g/Lである場合、Al塩濃度は93g/Lとなる。
なお、総塩濃度の変化と導電率の変化との相関関係は、Naイオンメータ42の計測値を用いて補正されてもよい。
そして、上述したように、Al(OH)とNaOHとの関係はモル比で1:1であるため、Al塩をAl(OH)とすると、93g/LのAl(OH)に対する消費NaOHの濃度は、下記(3)式から求められる。
Figure 2014149184
このようにして求められた48g/Lの消費NaOHが、追加するNaOHに相当する。なお、Na塩濃度や総塩濃度の計測においてケミミル液が希釈されているので、上記演算において求められた追加量として算出された消費NaOHの値は、希釈倍率で補正される必要がある。
一方、遊離NaOHは、Na塩濃度が157g/Lであるので48g/Lの消費NaOHを減算して、109g/Lと算出される。
また、報知部30は、消費NaOHの量が許容範囲を超えた場合にのみ、追加量を報知してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る分析装置10は、エッチング槽12から、母材16をエッチングした後のアルカリ溶液14であるケミミル液を採取するポンプ20と、採取したケミミル液を希釈する希釈槽26とを備える。さらに、分析装置10は、Na塩濃度を計測するNaイオンメータ42、母材16を構成するAlの濃度とNaの濃度の和に相関のある相関値を計測する導電率計44、及び電磁濃度計46を有する計測部40(自動分析部28)と、計測結果を報知する報知部30と、を備える。
従って、本実施形態に係る分析装置10は、リアルタイムで、かつ安全にアルカリ溶液14の状態を管理者に把握させることができる。
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、分析装置10が追加量を算出する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、分析装置10は追加量を算出せずに、Na塩濃度と総塩濃度を計測し、報知部30で計測結果を報知するだけの形態としてもよい。
また、上記実施形態では、計測部40が導電率計44及び電磁濃度計46を有する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、計測部40は、導電率計44及び電磁濃度計46の何れか一方を有する形態としてもよい。
また、上記実施形態で説明した分析処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
10 分析装置
12 エッチング槽
14 アルカリ溶液
16 母材
20 ポンプ
22 バッファ材
24 ポンプ
26 希釈槽
30 報知部
32 サンプリングライン
34 純粋タンク
36 SS除去部
40 計測部
42 Naイオンメータ
44 導電率計
46 電磁濃度計
48 濃度算出部
50 追加量算出部

Claims (5)

  1. アルカリが溶解したアルカリ溶液に被加工物を浸漬することで該被加工物をエッチングするエッチング槽から、前記被加工物をエッチングした後の前記アルカリ溶液である被加工物含有溶液を採取する採取手段と、
    前記採取手段によって採取された前記被加工物含有溶液を希釈する希釈手段と、
    前記アルカリの濃度を計測する第1計測器、及び前記被加工物を構成する物質の濃度と前記アルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する第2計測器を用いて前記希釈手段によって希釈された被加工物含有溶液を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測結果を報知する報知手段と、
    を備える分析装置。
  2. 前記第1計測器によって計測された前記アルカリの濃度、及び前記第2計測器によって計測された前記相関値に基づいて、前記エッチング槽へ追加する前記アルカリの量を算出する追加算出手段を備える請求項1記載の分析装置。
  3. 前記追加算出手段は、前記相関値に基づく前記物質の濃度と前記アルカリの濃度の和から前記アルカリの濃度を減算した結果に基づいて、前記エッチング槽へ追加する前記アルカリの量を算出する請求項2記載の分析装置。
  4. 前記第2計測器は、導電率計及び電磁濃度計であり、前記導電率計による計測が不可能な場合に、前記電磁濃度計による計測を行う請求項1から請求項3の何れか1項記載の分析装置。
  5. アルカリが溶解したアルカリ溶液に被加工物を浸漬することで該被加工物をエッチングするエッチング槽から、前記被加工物をエッチングした後の前記アルカリ溶液である被加工物含有溶液を採取する第1工程と、
    採取した前記被加工物含有溶液を希釈する第2工程と、
    前記アルカリの濃度を計測する第1計測器、及び前記被加工物を構成する物質の濃度と前記アルカリの濃度の和に相関のある相関値を計測する第2計測器を用いて希釈した被加工物含有溶液を計測する第3工程と、
    計測結果を報知手段によって報知する第4工程と、
    を含むエッチング用アルカリ溶液の分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105177289A (zh) * 2015-10-19 2015-12-23 核工业理化工程研究院 一种变铀浓度的料液自动净化方法

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