JP2014148930A - 圧縮機 - Google Patents

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真理 曽和
Fumihiro Suzuki
文博 鈴木
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Abstract

【課題】圧縮機構から吐出された流体において低減することができる振動の周波数帯域の増大を図る圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機構10aと圧縮機構10aを収容する圧縮ハウジング2とを備え、圧縮ハウジング2に圧縮機構10aによって圧縮された流体が吐出される吐出室2bが形成された圧縮機101において、吐出室2bには、消音機構として第一消音器40が設けられている。第一消音器40は、少なくとも1つの第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aがそれぞれ形成され且つ各々の外縁のみを吐出室2bの内壁に固定して積層される第一部材41及び第二部材42と、第一部材41及び第二部材42の外縁の内周域で、第二貫通孔42aにより相互に連通されるとともに第一部材41及び第二部材42の間並びに第二部材42及び吐出室2bの内壁の間に形成される所定の大きさを備えた第一空間44並びに第二空間45とからなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、圧縮機に関する。
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のように動力装置の稼働中の作動音が静音である車両に、圧縮機が搭載されている。このような車両では、圧縮機の吸気口側及び吐出口側から発生する様々な騒音が目立つようになり、車両の搭乗者を不快にさせるため、圧縮機から発生する騒音を低減する対策が検討されている。
例えば、特許文献1に記載される2つのロータを有するスクリュー型のコンプレッサは、吐出口側からの騒音を低減するための消音機能と吐出される流体(空気)の冷却機能とを兼ねた消音器兼冷却器を備えている。このコンプレッサのハウジングの外側には、内部に付加的な空間を形成するカバーが取り付けられている。付加的な空間は、ロータが収容されている空間の吐出ポートに接続する入口側空間と、カバーの吐出口に接続する出口側空間とを有している。さらに、付加的な空間内では、入口側空間と出口側空間との間は、外側に多数の熱交換用フィンが取り付けられた複数の熱交換用チューブによって互いに接続されている。各熱交換用チューブの中には、空気等の流体が流れることができる熱交換用の流路が形成されており、熱交換用チューブ同士の間には冷却水路が形成されている。そして、2つのロータで圧縮を受けた後に吐出ポートから付加的な空間に吐出された空気等の流体は、入口側空間から出口側空間に流れる際、熱交換用チューブ内の絞られた熱交換用の流路を流れる間に、吐出脈動が平滑化されて消音作用を受けると同時に、冷却水路の冷却水と熱交換を行って冷却作用を受ける。
特開2003−184767号公報
特許文献1におけるコンプレッサ(圧縮機)の消音器兼冷却器では、吐出ポートから吐出された空気等の流体を、入口側空間よりも流路断面が絞られた熱交換用の流路に流通させることによって吐出脈動(振動)を低減して消音している。このような構造の消音器兼冷却器では、低減することができる吐出脈動の周波数帯域が限定されてしまい、吐出脈動を十分に低減することができないという問題がある。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、圧縮を受けた後に吐出された流体において低減することができる振動の周波数帯域の増大を図る圧縮機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る圧縮機は、流体を吸入し吐出するための圧縮機構と、圧縮機構を収容するハウジングとを備え、ハウジングには、圧縮機構によって圧縮された流体が吐出される吐出室が形成されている圧縮機において、吐出室には、消音機構が設けられ、消音機構は、少なくとも1つの貫通孔が形成され、各々の外縁のみを吐出室の内壁に固定して積層される複数の板部材と、外縁の内周域に、貫通孔により相互に連通されるとともに板部材と内壁との間及び各々の板部材の間に形成される所定の大きさを備えた空間とからなる。
複数の板部材のうち少なくとも一つは湾曲面を有し、湾曲面において貫通孔が複数設けられていてもよい。
ハウジングには吐出室の内壁の一部として機能する蓋が設けられ、複数の板部材は、蓋に固定されて積層されていてもよい。
消音機構は、吐出室内の流体をハウジングの外部に吐出させる吐出ポートの周りに設けられてもよい。
消音機構は、圧縮機構によって圧縮された流体を吐出室に吐出させる連通孔に対向するように設けられてもよい。
板部材は、制振性を有する材料によって形成されてもよい。
この発明に係る圧縮機によれば、圧縮機構から吐出された流体において低減することができる振動の周波数帯域を増大することが可能になる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機の構成を示す模式的な断面側面図である。 図1の第一消音器の第一貫通孔における消音特性を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態
まず、この発明の実施の形態に係る圧縮機101の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、圧縮機101として、車両に搭載され且つ吐出脈動が大きいスクリュー式のエアコンプレッサを使用した場合の例について説明する。
図1を参照すると、圧縮機101は、流体として空気を圧縮する一対のスクリュー型のロータ1によって構成される圧縮機構10aを内部に有する圧縮機構部10と、ロータ1を回転駆動するための電動式モータ30aを内部に有する駆動機構部30と、圧縮機構部10及び駆動機構部30の間に設けられてモータ30aの回転駆動力をロータ1に伝達するギヤ機構20aを内部に有するギヤ機構部20とを備えている。圧縮機構部10、ギヤ機構部20及び駆動機構部30は、ボルト等を使用して一体に連結されている。
圧縮機構部10は、一対のロータ1を収容するロータ室2aと連通孔2gを通じてロータ室2aに連通する吐出室2bとを内部に有する圧縮ハウジング2を備えている。圧縮ハウジング2は、アルミニウム合金で作製されている。
連通孔2gは、圧縮ハウジング2と一体に形成されてロータ室2aと吐出室2bとを仕切る隔壁2dを貫通して形成されている。圧縮ハウジング2において、ロータ室2aは、ギヤ機構部20側に向かって開口する開口部2a1を有している。吐出室2bは、略直方体状の形状を有し、さらに、ロータ室2aの開口部2a1と垂直な方向に向かって開口し且つ隔壁2d及び連通孔2gと対向する開口部2b1を有している。なお、連通孔2gは、隔壁2dにおける開口部2a1側に位置している。
さらに圧縮ハウジング2における側壁2cには、吐出室2bの内部を圧縮ハウジング2の外部に連通する吐出ポート2fが形成されている。さらに、側壁2cには、外部をロータ室2aに連通する図示しない吸入ポートが形成されている。
また、圧縮機構部10は、ロータ室2aの開口部2a1を塞ぐようにして、圧縮機構部10のギヤ機構部20側全体を覆う板状のエンドプレート3を有している。エンドプレート3は、アルミニウム合金で作製されている。
エンドプレート3によって塞がれたロータ室2a内には、2つのロータ1が紙面上で奥行き方向に向かって並べられて配置されている。各ロータ1は、略円筒状の形状を有し、その円筒軸を側壁2cからエンドプレート3に向かう方向に延在させるようにして配置されており、さらに、その円筒面上に螺旋溝1aを有している。螺旋溝1aは、ロータ1の円筒面上を巻回しつつ円筒軸方向に延びている。つまり、各ロータ1の円筒面はスクリュー状の形状を有しており、各ロータ1における螺旋溝1aの螺旋の回転方向は互いに逆になっている。
そして、各ロータ1は、その螺旋溝1a内に、他方のロータ1の螺旋溝1a同士の間に形成される山状の歯部1bを嵌め込むようにして配置されている。さらに、ロータ室2a内では、螺旋溝1aと歯部1bとロータ室2aの内表面2a2とによって囲まれる圧縮空間1cが形成される。
また、紙面上で手前側に位置するロータ1には、円筒軸方向に沿ってロータ1を貫通する主回転シャフト4が挿入されている。主回転シャフト4は、貫通しているロータ1と嵌合しており、このロータ1と一体に回転する。さらに、主回転シャフト4は、エンドプレート3、ギヤ機構部20のギヤハウジング21を貫通して、駆動機構部30のモータハウジング31内に延びている。そして、主回転シャフト4は、圧縮ハウジング2に設けられた軸受5、エンドプレート3に設けられた軸受6、及びモータハウジング31に設けられた軸受34によって回転自在に支持されている。
ここで、ロータ1及び主回転シャフト4は、圧縮機構10aを構成している。
主回転シャフト4は、モータ30aを構成する回転子32の回転シャフトを兼ねており、回転子32の巻線32aが主回転シャフト4の周面に一体に回転するように取り付けられている。さらに、モータハウジング31の内表面には、巻線32aを外周方向に沿って囲むようにして固定子33として永久磁石が取り付けられている。そして、巻線32aに交流電力が印加されると、回転子32が主回転シャフト4と共に回転する。ここで、回転子32、固定子33及び主回転シャフト4は、モータ30aを構成している。
また、紙面上で奥行き側に位置するロータ1には、このロータ1を円筒軸方向に沿って貫通する図示しない従回転シャフトが挿入されている。従回転シャフトは、貫通しているロータ1と一体に回転するように嵌合しており、エンドプレート3を貫通してギヤハウジング21内に延びている。さらに、従回転シャフトは、ギヤハウジング21内において、複数のギヤからなるギヤ機構20aを介して、主回転シャフト4とギヤ係合している。よって、モータ30aによって主回転シャフト4が回転駆動されると、主回転シャフト4の回転がギヤ機構20aを介して従回転シャフトに伝達され、従回転シャフトが主回転シャフト4と反対方向に回転する。つまり、2つのロータ1は互いに逆方向に回転する。
2つのロータ1が互いに逆方向に回転することによって、圧縮空間1cが形成される。この圧縮空間1cは、2つのロータ1の螺旋溝1a及び歯部1bとロータ室2aの内表面2a2とによって、2つのロータ1の間に形成され、図示しない吸入ポートに連通する。このため、圧縮空間1cには吸入ポートを通じて圧縮ハウジング2外部の空気が吸入される。そして、2つのロータ1が回転すると圧縮空間1cは回転移動し、吸入ポートと連通していた圧縮空間1cが吸入ポートから遮断され、それにより圧縮空間1cが閉鎖される。さらに2つのロータ1が回転することによって、2つのロータ1の歯部1b同士が噛み合い、この噛み合う歯部1bによって、圧縮空間1cがエンドプレート3に向かって押しやられて移動させられつつ、圧縮される。移動する圧縮空間1cが、エンドプレート3近傍の連通孔2gに連通すると、圧縮空間1c内の圧縮された空気は、加圧された状態で連通孔2gを通って吐出室2bに吐出される。
また、圧縮ハウジング2において、吐出室2bの開口部2b1は、消音機構としての第一消音器40によって外側から塞がれている。
第一消音器40は、積層された3つの板状の部材41、42及び43によって構成されている。さらに、部材41、42及び43は、制振性を有する材料によって形成されている。制振性を有する材料には、金属板の間に樹脂を挟んだ制振鋼板若しくは貼付型積層板等の拘束型制振材、金属板に樹脂を貼り付ける、塗布する若しくは吹き付けた非拘束型制振材、又は、金属自体に振動吸収能力をもつ制振合金を使用することができる。なお、制振合金には、片状黒鉛鋳鉄等の複合構造型、サイレンタロイ(Fe−Cr−Al)等の強磁性型(内部摩擦によるもの)、マグネシウム合金等の転移型、Mn−Cu合金等の相晶変形型の合金を使用することができる。さらに、制振性を有する材料は、その損失係数(η)が10−2以上の特性を有している。
最も隔壁2d側に位置する第一部材41は、平面且つ環状の外縁411と隔壁2dに向かって突出する湾曲面部412とを有しており、開口部2b1を塞ぐようにして設けられている。さらに、湾曲面部412には、この部材を隔壁2dから開口部2b1に向かう方向D1に沿うようにして貫通する複数の第一貫通孔41aが形成されている。
吐出室2bと反対側で間隙を含んで第一部材41に隣接して位置する第二部材42は、平面且つ環状の外縁421をもつ平坦な矩形板状の形状を有しており、第一部材41全体を覆うようにして設けられている。第二部材42の外縁421よりも内周域には、第一貫通孔41aと同一の形状及び大きさを有した複数の第二貫通孔42aが、第一貫通孔41aと対向するようにして形成されている。第二貫通孔42aは、方向D1に沿うように延在して第二部材42を貫通し、第二貫通孔42aを方向D1で見たとき、第一貫通孔41aとラップするように配置されている。
なお、本実施の形態では、第一部材41及び第二部材42の孔明け加工を容易にするように、第二貫通孔42aが第一貫通孔41aと同一の形状及び大きさを有しているが、第二貫通孔42aは、第一貫通孔41aと異なる形状を有していてもよく、第一貫通孔41aよりも大きくても小さくてもよい。
そして、第一部材41と第二部材42との間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第一空間44が形成される。第一空間44は、外縁411及び外縁421の内周域にある。第一空間44は、湾曲面部412を有しているため、開口部2b1の中心において方向D1に沿う厚さが最大となり、開口部2b1の中心から開口部2b1の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。このため、各第一貫通孔41aが形成された位置での第一空間44の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。そして、第一空間44は、第一貫通孔41aを介して吐出室2bに連通する。
また、吐出室2bと反対側で間隙を含んで第二部材42に隣接して位置する第三部材43は、平面且つ環状の外縁431と、隔壁2dと反対方向に向かって突出する湾曲面部432とを有しており、第二部材42全体を覆うようにして設けられている。
第三部材43と第二部材42との間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第二空間45が形成される。第二空間45は、外縁431及び外縁421の内周域にある。第二空間45は、湾曲面部432を有しているため、開口部2b1の中心において方向D1に沿う厚さが最大となり、開口部2b1の中心から開口部2b1の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。さらに、第二空間45は、第二部材42に関して第一空間44と対象な形状を有している。このため、各第二貫通孔42aが形成された位置での第二空間45の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。そして、第二空間45は、第二貫通孔42aを介して第一空間44に連通する。
第一部材41、第二部材42及び第三部材43は、方向D1に沿ってこの順で積層されて、開口部2b1の周縁で圧縮ハウジング2にボルト等を使用して一緒に固定されている。そして、第三部材43が、開口部2b1を塞ぎ、吐出室2bの壁部を構成している。
ここで、第一部材41及び第二部材42は、板部材を構成し、第三部材43は、開口部2b1を塞ぐ蓋を構成している。
また、圧縮ハウジング2の吐出室2bにおいて、隔壁2d上の連通孔2gと側壁2cとの間には、連通孔2gに隣接して消音機構としての第二消音器50が取り付けられている。
第二消音器50は、積層された2つの板状の第一部材51及び第二部材52によって構成されている。さらに、部材51及び52は、部材41、42及び43と同様の制振性を有する材料によって形成されている。部材51及び52は、全体が湾曲面となっている。
外縁521を隔壁2dに取り付けられた第二部材52は、この部材を方向D1に沿うように延在して貫通する複数の第二貫通孔52aが形成されている。
そして、第二部材52と隔壁2dとの間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第二空間54が形成される。第二空間54は、外縁521の内周域にある。第二空間54は、第二部材52が湾曲面であるため、連通孔2gと側壁2cとの間の領域の中心付近、つまり第二部材52の中心において方向D1に沿う厚さが最大となり、第二部材52の中心から第二部材52の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。このため、各第二貫通孔52aが形成された位置での第二空間54の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。
第二部材52に隣接して位置するとともに、外縁511にて隔壁2dに取り付けられた第一部材51は、第二部材52全体を覆うようにして隔壁2dに設けられている。第一部材51には、第二貫通孔52aと同一の形状及び大きさを有した複数の第一貫通孔51aが、第二貫通孔52aと対向するようにして形成されている。第一貫通孔51aは、方向D1に沿うように延在して第一部材51を貫通し、第一貫通孔51aを方向D1で見たとき、第二貫通孔52aとラップするように配置されている。
なお、本実施の形態では、第一部材51及び第二部材52の孔明け加工を容易にするように、第一貫通孔51aが第二貫通孔52aと同一の形状及び大きさを有しているが、第一貫通孔51aは、第二貫通孔52aと異なる形状を有していてもよく、第二貫通孔52aよりも大きくても小さくてもよい。
そして、第一部材51と第二部材52との間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第一空間53が形成される。第一空間53は、外縁511の内周域にある。第一部材51が湾曲面であるため、第一空間53は、連通孔2gと側壁2cとの間の領域の中心付近、つまり第一部材51の中心において方向D1に沿う厚さが最大となり、第一部材51の中心から第一部材51の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。このため、各第一貫通孔51aが形成された位置での第一空間53の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。
また、第一空間53は、方向D1に沿って、第二空間54と同一の厚さを有するような形状で形成されている。
そして、第一空間53は、第一貫通孔51aを介して吐出室2bと連通し、第二貫通孔52aを介して第二空間54と連通する。
第二部材52及び第一部材51は、方向D1に沿ってこの順で積層されて、隔壁2dにボルト等を使用して固定されている。
また、圧縮ハウジング2の吐出室2bにおいて、側壁2cには、吐出ポート2fに隣接して消音機構としての第三消音器60が取り付けられている。
第三消音器60は、積層された2つの板状の第一部材61及び第二部材62によって構成されている。さらに、部材61及び62は、部材41、42及び43と同様の制振性を有する材料によって形成されている。部材61及び62は、全体が湾曲面となっている。
外縁621を側壁2cに取り付けられた第二部材62は、この部材をエンドプレート3から側壁2cに向かう方向D2に沿うように延在して貫通する複数の第二貫通孔62aが形成されている。
そして、第二部材62と側壁2cとの間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第二空間64が形成される。第二空間64は、外縁621の内周域にある。第二空間64は、第二部材62が湾曲面であるため、吐出ポート2fと隔壁2dとの間の領域の中心付近、つまり第二部材62の中心において方向D2に沿う厚さが最大となり、第二部材62の中心から第二部材62の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。このため、各第二貫通孔62aが形成された位置での第二空間64の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。
第二部材62に隣接して位置するとともに、外縁611にて側壁2cに取り付けられた第一部材61は、第二部材62全体を覆うようにして側壁2cに設けられている。第一部材61には、第二貫通孔62aと同一の形状及び大きさを有した複数の第一貫通孔61aが、第二貫通孔62aと対向するようにして形成されている。第一貫通孔61aは、方向D2に沿うように延在して第一部材61を貫通し、第一貫通孔61aを方向D2で見たとき、第二貫通孔62aとラップするように配置されている。
なお、本実施の形態では、第一部材61及び第二部材62の孔明け加工を容易にするように、第一貫通孔61aが第二貫通孔62aと同一の形状及び大きさを有しているが、第一貫通孔61aは、第二貫通孔62aと異なる形状を有していてもよく、第二貫通孔62aよりも大きくても小さくてもよい。
そして、第一部材61と第二部材62との間には、これらによって囲繞且つ閉鎖された第一空間63が形成される。第一空間63は、外縁611の内周域にある。第一部材61が湾曲面であるため、第一空間63は、吐出ポート2fと隔壁2dとの間の領域の中心付近、つまり第一部材61の中心において方向D2に沿う厚さが最大となり、第一部材61の中心から第一部材61の周縁に向かうに従って厚さが小さくなる形状を有している。このため、各第一貫通孔61aが形成された位置での第一空間63の厚さは、同一ではなく、多様なものとなっている。
また、第一空間63は、方向D2に沿って、第二空間64と同一の厚さを有するような形状で形成されている。
そして、第一空間63は、第一貫通孔61aを介して吐出室2bと連通し、第二貫通孔62aを介して第二空間64と連通する。
第一部材61及び第二部材62は、方向D2に沿ってこの順で積層されて、側壁2cにボルト等を使用して固定されている。
次に、この発明の実施の形態に係る圧縮機101の動作を説明する。
図1を参照すると、圧縮機101において、モータ30aの回転子32に交流電力が印加されると、回転子32が主回転シャフト4と共に回転し、それにより、ギヤ機構20aを介して図示しない従回転シャフトが回転させられ、圧縮機構10aの2つのロータ1が互いに逆の回転方向で回転駆動される。
2つのロータ1が回転することによって、圧縮ハウジング2のロータ室2a内には、2つのロータ1及びロータ室2aの内表面2a2によって、吸入ポートに連通する圧縮空間1cが形成され、この圧縮空間1c内には吸入ポートを通って外部の空気が吸入される。さらに、ロータ1が回転することによって、圧縮空間1cが、吸入ポートから遮断されて閉鎖され、2つのロータ1の互いに噛み合う歯部1bによって圧縮を受けつつ、エンドプレート3に向かってロータ1の円筒軸方向に移動させられる。移動した圧縮空間1cが連通孔2gに連通すると、内部の加圧された空気が、脈動を伴った状態で連通孔2gを通って吐出室2b内に吐出される。
吐出された脈動を伴う空気の多くは、吐出方向である方向D1に沿って、つまり連通孔2gに対向する第一消音器40に向かって直接的に流れ、その一部が第一消音器40の第一部材41に衝突して跳ね返り、その他が第一貫通孔41aに入射する。
このとき、第一部材41は、制振性を有する材料で形成されているため、衝突する空気の振動(脈動)を吸収し、空気を消音する。
また、第一消音器40の内部では、第一貫通孔41a内にある空気が質量として作用すると共に第一空間44内にある空気がバネとして作用して、第一貫通孔41a内及び第一空間44内の空気が1つの振動系(この振動系は、1つの固有周波数を有する1自由度の振動系であり、第一振動系とする)を構成する。さらに、第二貫通孔42a内にある空気が質量として作用すると共に第二空間45内にある空気がバネとして作用して、第二貫通孔42a内及び第二空間45内の空気が1つの振動系(この振動系は、1つの固有周波数を有する1自由度の振動系であり、第二振動系とする)を構成する。なお、第一空間44と第二空間45とは方向D1の厚さが同一であり且つ第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aが同形状で同一の大きさであるため、図示されるように、第二貫通孔42aでの第二振動系v2は、これに方向D1に沿って隣接する第一貫通孔41aの第一振動系v1と、同じ固有振動数を有している。
さらに、第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aは、第一貫通孔41aの延在方向である方向D1でこれらを見たときに互いにラップするように配置されているため、第一振動系v1と第二振動系v2とが、方向D1に沿って直列的に振動を伝達し合う関係つまり直列の連結関係にあり、2つの固有振動数を有する2自由度の1つの振動系v3(第一振動系v1及び第二振動系v2の複合振動系であり、第三振動系とする)を構成する。そして、この第三振動系v3は、第一貫通孔41aに空気が入射すると、共鳴(ヘルムホルツ共鳴)を発生して、第一貫通孔41aにおける粘性摩擦損失を増大させ、入射する空気の振動を吸収する。さらに、第三振動系v3では、その2つの固有振動数と同じ振動数(周波数)の空気が入射すると、振動の吸収率が最大になる。
このため、各第一貫通孔41aに入射する空気では、各第一貫通孔41aの第三振動系v3が有する2つの固有振動数と同じ振動数(周波数)の振動の吸収率をピークとして、これら2つの固有振動数及びその近傍の周波数帯域の振動が吸収される。
ここで、図2を図1とあわせて参照すると、図2には、第一空間44内及び第二空間45の厚さが互いに異なる位置にある2つの第一貫通孔41aに空気が入射した場合の、各第一貫通孔41aにおける入射空気に対する振動吸収特性が示されている。つまり、上記2つの第一貫通孔41aに対して入射する空気における振動が吸収される周波数(振動吸収周波数とし、横軸上に示される)と、各振動吸収周波数における振動の吸収率(振動吸収率とし、縦軸上に示される)との関係が示されている。図2では、一方の第一貫通孔41aにおいて、振動吸収周波数は、その第三振動系v3の固有振動数と同じ振動数に相当する周波数F1及びF2であるときに振動吸収率がピークとなり、周波数F1及びF2から離れるに従って振動吸収率が減退することが、実線曲線H1によって示されている。さらに、他方の第一貫通孔41aにおいて、振動吸収周波数は、第三振動系v3の固有振動数と同じ振動数に相当する周波数F3及びF4であるときに振動吸収率がピークとなり、周波数F3及びF4から離れるに従って振動吸収率が減退することが、一点鎖線曲線H2によって示されている。
第一消音器40では、第一貫通孔41aの位置に応じて第一空間44及び第二空間45の厚さが異なるため、第一空間44内及び第二空間45内の空気が有するバネ定数も第一貫通孔41aの位置に応じて異なっている。これにより、第一貫通孔41aの位置の違いに応じて第三振動系v3の2つの固有振動数が異なるため、振動周波数と振動吸収率との関係も、曲線H1や曲線H2のように、第一貫通孔41aの位置によって異なる。よって、第一部材41全体にわたる複数の第一貫通孔41aでは、振動吸収率のピークが多様な振動吸収周波数で存在するため、入射する空気からは多様な周波数の振動が大きく吸収され、空気の脈動が広域な周波数帯域で大幅に低減される。つまり、空気が大幅に消音される。
さらに、第一部材41、第二部材42及び第三部材43が制振性を有する材料で形成されているため、バネとして作用する第一空間44内及び第二空間45内の空気の振動もこれらの部材によって吸収される。
よって、連通孔2gから吐出室2b内に吐出された空気の多くが、連通孔2gからの吐出方向にある第一消音器40によって、広域な周波数で脈動の大幅な低減を受けて消音された後、吐出ポート2fに向かって流れる。
図1を参照すると、吐出室2b内に吐出される空気は、連通孔2gを通って吐出室2b内に流出する際に流路断面を大きく変化させて圧力変動を生じるため、連通孔2gからの吐出直後に脈動を増大させる。
そこで、連通孔2gから吐出ポート2fに向かう空気の流路の途中には、第二消音器50が、隔壁2d上で連通孔2gに隣接して配置されている。
第二消音器50でも、各第一貫通孔51aにおいて、第一貫通孔51a、第一空間53、第二貫通孔52a及び第二空間54が第三振動系を構成し、さらに、第一貫通孔51aの位置に応じて、第一空間53及び第二空間54の厚さが異なっている。
連通孔2gから吐出室2b内に吐出された空気のうちの第一消音器40に向かって流れずに吐出ポート2fに向かって流れる空気は、その流通過程で、連通孔2gに隣接する第二消音器50に接触する。
第二消音器50に接触する空気のうちの第一貫通孔51aに入射する空気は、その脈動が広域な周波数帯域で大幅に低減される。さらに、制振性を有する材料で形成された第一部材51及び第二部材52が、バネとして作用する第一空間53内及び第二空間54内の空気の振動を吸収する。
また、第二消音器50に接触する空気のうちの第一部材51に衝突する空気は、その脈動が制振性を有する第一部材51によって吸収される。
よって、連通孔2gから吐出室2b内に吐出される際に圧力が変動することにより脈動を増大させた空気は、連通孔2gから吐出ポート2fに向かって流れる際に、第二消音器50によって広域な周波数帯域で脈動の大幅な低減を受けて消音された後、吐出ポート2fに向かって流れる。
また、吐出室2b内において、吐出ポート2fに流入する空気は、吐出ポート2fに流入する際に流路断面を大きく変化させて圧力変動を生じるため、脈動を増大させる。
そこで、側壁2c上には、第三消音器60が、吐出ポート2fに隣接して配置されている。このため、空気は、吐出ポート2fに流入する前に第三消音器60に接触する。
第三消音器60でも、各第一貫通孔61aにおいて、第一貫通孔61a、第一空間63、第二貫通孔62a及び第二空間64が第三振動系を構成し、さらに、第一貫通孔61aの位置に応じて、第一空間63及び第二空間64の厚さが異なっている。
第三消音器60に接触する空気のうちの第一貫通孔61aに入射する空気は、その脈動が広域な周波数帯域で大幅に低減される。さらに、制振性を有する材料で形成された第一部材61及び第二部材62が、バネとして作用する第一空間63内及び第二空間64内の空気の振動を吸収する。
また、第三消音器60に接触する空気のうちの第一部材61に衝突する空気は、その脈動が制振性を有する第一部材61によって吸収される。
よって、吐出室2bから吐出ポート2fに流入する際に圧力が変動することにより脈動を増大させる空気は、吐出ポート2fに流入する直前に第三消音器60によって広域な周波数帯域で脈動の大幅な低減を受けて消音された後、吐出ポート2fから圧縮ハウジング2の外部に吐出される。
上述した第一消音器40、第二消音器50及び第三消音器60の脈動低減作用を受けることによって、吐出ポート2fから吐出される空気の騒音が抑えられ、さらに、吐出室2b内で空気が圧縮ハウジング2の壁部を振動させることにより生じる騒音も抑えられる。
このように、この発明に係る圧縮機101は、吸入した空気を圧縮したのち吐出するための圧縮機構10aと圧縮機構10aを収容する圧縮ハウジング2とを備え、圧縮ハウジング2が、圧縮機構10aによって圧縮された空気が吐出される吐出室2bを有する。さらに、圧縮機101は、吐出室2bの壁部として機能する第三部材43に設けられ且つ少なくとも1つの第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aがそれぞれ形成された第一部材41及び第二部材42を互いに間隔をあけて含む第一消音器40を備える。第一消音器40は、第一部材41及び第二部材42のそれぞれについて隣接する第一空間44及び第二空間45を含み、第一空間44及び第二空間45のそれぞれは、第一部材41又は第二部材42を挟んで隣り合う吐出室2b又は第一空間44と第一貫通孔41a又は第二貫通孔42aを介して連通する。
このとき、第一消音器40では、第一貫通孔41a内及び第一空間44内の空気が1つの振動系を構成し、第二貫通孔42a内及び第二空間45内の空気が別の1つの振動系を構成し、2つの振動系は、第二貫通孔42aを介して互いに振動を伝達することができる。このため、2つの振動系は、2つの固有振動数を有する1つの複合振動系を形成する。2つの固有振動数を有する複合振動系は、ヘルムホルツ共鳴の作用によって、固有振動数のそれぞれと同じ振動数の振動に対する吸収率をピークとして、空気から振動(脈動)を吸収する。よって、吐出室2b内の吐出空気は、第一消音器40の第一貫通孔41aに入射すると、2つの異なる振動数帯域、すなわち2つの異なる周波数帯域の振動が吸収されて、消音効果を受けることができる。
また、圧縮機101において、第一部材41及び第二部材42はそれぞれ、複数の第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aを有し、第一空間44及び第二空間45はそれぞれ、これら空間に連通する第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aの延在方向での厚さについて、第一貫通孔41a及び第二貫通孔42aの複数の位置で少なくとも2つの異なった厚さを有している。このとき、第一空間44及び第二空間45において、厚さが異なる位置では、振動系の固有振動数が互いに異なるため、複合振動系の固有振動数も異なる。よって、吐出室2b内の吐出空気は、第一消音器40の複数の第一貫通孔41aに入射すると、少なくとも4つの異なる周波数帯域の振動が吸収されるため、高い消音効果を受けることができる。
また、圧縮機101において、圧縮ハウジング2は、吐出室2bを圧縮ハウジング2の外部に連通する開口部2b1を有し、第一消音器40は、開口部2b1を閉鎖すると共に吐出室2bの壁部を構成し且つ貫通孔が形成されていない第三部材43を有し、第三部材43は、吐出室2b側で、第二部材42と第二空間45を挟んで隣り合う。このとき、吐出室2bの壁部内側に取り付けられる消音器よりも、開口部2b1及び第三部材43に取り付けられる第一消音器40は、容易な組み付け性を有している。
また、圧縮機101において、吐出室2bは、吐出室2bを吐出室2bの外部に連通する吐出ポート2fを有し、第三消音器60は、吐出ポート2fの周りに設けられる。吐出室2bから吐出ポート2fに流入する際の空気では、その流路断面が大きく変わり圧力変動が発生するため、吐出ポート2fの周辺で空気は、脈動を増大させる。このため、吐出ポート2fの周辺に第三消音器60を設けることによって、増大する空気の脈動を吸収することができる。
また、圧縮機101において、吐出室2bは、圧縮機構10aによって圧縮された空気を吐出室2bに吐出させる連通孔2gを有し、第一消音器40は、連通孔2gに対向するように設けられる。連通孔2gから吐出される空気の吐出方向の下流に第一消音器40を設けることによって、吐出される空気の多くを消音することができる。
また、圧縮機101の消音器40〜60において、第一部材41〜61、第二部材42〜62及び第三部材43は、制振性を有する材料によって形成されている。これによって、第一部材41〜61は、吐出室2b側から第一部材41〜61に衝突する空気の振動を吸収することができる。さらに、第一部材41〜61、第二部材42〜62及び第三部材43は、第一空間44,53,63及び第二空間45,54,64内の空気の振動を吸収することができる。従って、消音器40〜60の消音機能を高めることができる。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、消音器40〜60は、吐出室2bにおける連通孔2gに対向する部位、連通孔2gの周辺、及び吐出ポート2fの周辺に設けられていたが、これに限定されるものでない。消音器は、吐出室2bにおけるその他の壁部、流路断面が変化する吐出室2bの角部などに設けられてもよい。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、第一部材51〜61、第二部材52〜62は、それぞれの外縁511、611、521、621が直接吐出室2bの内壁に固定されているが、外縁511、611がそれぞれ外縁521、621と重なるかたちで吐出室2bの内壁に固定されてもよい。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、第一部材41、第二部材42は、それぞれの外縁411、421が第三部材43の外縁431と重なるかたちで吐出室2bの内壁に固定されているが、外縁411、421が湾曲面部432に固定されるかたちで吐出室2bの内壁に固定されてもよい。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、消音器40及び50のそれぞれにおいて方向D1に沿った第一空間44及び53の厚さと第二空間45及び54の厚さとを同一とし、消音器60において方向D2に沿った第一空間63の厚さと第二空間64の厚さとを同一としていたが、これらは異なっていてもよい。このとき、第三振動系は、互いに固有振動数が異なる第一振動系及び第二振動系によって構成されるが、2つの異なる固有振動数を有することができる。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、第一消音器40において、第二部材42の第二貫通孔42aは、隔壁2dから開口部2b1に向かう方向D1で見たとき、第一部材41の第一貫通孔41aとラップするように配置されていたが、ラップせずにずれていてもよい。このとき、第一貫通孔41a同士の間隔と第二貫通孔42a同士の間隔とを調節することによって、第一貫通孔41a及び第一空間44が形成する第一振動系と第二貫通孔42a及び第二空間45が形成する第二振動系とが、並列の位置関係で振動を伝達し合うように構成することができ、それにより、この並列の連結関係の第一振動系及び第二振動系によって、2つの固有振動数を有する第三振動系を形成することができる。なお、上述の構成は、消音器50及び60のいずれに対しても適用することができる。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、消音器40及び50のそれぞれにおいて方向D1に沿って第一空間44及び53と第二空間45及び54との二層の空間が形成され、消音器60において方向D2に沿って第一空間63と第二空間64との二層の空間が形成されていたが、これに限定されるものでない。空間は三層以上であってもよい。このとき、3つ以上の空間の振動系が直列に連結されると、3つ以上の固有振動数を有する振動系が、消音器において形成される。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101では、消音器40〜60のそれぞれにおいて、湾曲した板状の部材は、その中心が最も突出する形状を有していたが、これに限定されるものでない。板状の部材は、第一空間及び第二空間のそれぞれの厚さが、板状の部材の複数の貫通孔の位置で少なくとも2つの異なる値をとるような形状であればよい。このため、板状の部材は、湾曲せずに隔壁2d又は側壁2cに対して傾斜した平坦な板状部材であってもよい。
また、この発明の実施の形態に係る圧縮機101において、消音器40〜60はそれぞれ、別個になった複数の板状の部材によって形成されていたが、これに限定されるものでなく、複数の板状の部材が、鋳造等の成形方法によって一体成形されていてもよい。さらに、消音器40〜60の各部材は金属材料によって形成されていたが、これに限定されるものでない。消音器40〜60を形成する部材は、プラスチック等の硬質な樹脂によって、別個の複数の部材として形成されてもよく、又は一体成形されていてもよい。
また、実施の形態の圧縮機101の消音器40〜60における第一空間及び第二空間の少なくとも一方の全体又は一部に、吸音材を封入してもよい。吸音材は、脈動を減衰するものであってもよく、又は、弾性を有して空間内に別の共鳴を発生させてさらなる別の周波数の脈動を低減するものであってよく、それによって空間内の脈動をより低減することができる。例えば、吸音材は、多孔質体、弾性体、発泡体等とすることができる。
また、実施の形態において、圧縮機101は、スクリュー式のエアコンプレッサとしていたが、これに限定されるものでなく、ルーツ式又はターボ式の圧縮機等の吐出脈動を発生する圧縮機を適用することができる。さらに、圧縮機101は、エアコンプレッサに限定されるものでなく、冷媒等のその他の流体を圧縮して吐出するものでもよい。
2 圧縮ハウジング、2b 吐出室、2b1 開口部、2f 吐出ポート、2g 連通孔、10a 圧縮機構、40 第一消音器(消音機構)、41,51,61 第一部材(板部材)、41a,51a,61a 第一貫通孔、42,52,62 第二部材(板部材)、42a,52a,62a 第二貫通孔、43 第三部材(蓋)、44,53,63 第一空間、45,54,64 第二空間、50 第二消音器(消音機構)、60 第三消音器(消音機構)、101 圧縮機、411,421,511,521,611,621 外縁。

Claims (6)

  1. 流体を吸入し吐出するための圧縮機構と、前記圧縮機構を収容するハウジングとを備え、前記ハウジングには、前記圧縮機構によって圧縮された流体が吐出される吐出室が形成されている圧縮機において、
    前記吐出室には、消音機構が設けられ、
    前記消音機構は、
    少なくとも1つの貫通孔が形成され、各々の外縁のみを前記吐出室の内壁に固定して積層される複数の板部材と、
    前記外縁の内周域に、前記貫通孔により相互に連通されるとともに前記板部材と前記内壁との間及び各々の板部材の間に形成される所定の大きさを備えた空間と
    からなることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記複数の板部材のうち少なくとも一つは湾曲面を有し、前記湾曲面において前記貫通孔が複数設けられている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記ハウジングには前記吐出室の内壁の一部として機能する蓋が設けられ、前記複数の板部材は、前記蓋に固定されて積層されている請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記消音機構は、前記吐出室内の流体を前記ハウジングの外部に吐出させる吐出ポートの周りに設けられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧縮機。
  5. 前記消音機構は、前記圧縮機構によって圧縮された流体を前記吐出室に吐出させる連通孔に対向するように設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧縮機。
  6. 前記板部材は、制振性を有する材料によって形成される請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017079384A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 株式会社リコー シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置

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