JP2014145696A - 電圧電流特性測定方法および電圧電流特性測定装置並びにソーラーシミュレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧電流特性が同等な光電変換素子(A,B)のうち、光電変換素子(A)の最大出力電圧および開放電圧が知られている場合に、光電変換素子(B)の電圧電流特性を測定する方法であって、光が照射された状態で光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧を変化させて、光電変換素子(B)の電圧値を測定すると共に、光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に電流値を測定し、これらの電圧値および電流値に基づいて光電変換素子(B)の電圧電流特性を生成する工程を有し、光電変換素子(A)の最大出力電圧および開放電圧における応答時間に基づいて、バイアス電圧と応答時間との特定の関係式を求め、特定の関係式およびバイアス電圧から、所定の応答時間を求める。
【選択図】図2
Description
しかしながら、このような電圧電流特性測定方法においては、電圧電流特性を測定する個々の光電変換素子について、予め、印加するバイアス電圧毎に応答時間を測定する予備測定を行うことが必要となるため、結局、光電変換素子の電圧電流特性の測定において、高い時間的効率が得られない。
前記光電変換素子(B)に光を照射する光照射工程と、
光が照射された状態で前記光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧を変化させて、当該光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定すると共に、当該光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に前記電圧値における電流値を測定し、測定された電圧値および電流値に基づいて前記光電変換素子(B)の電圧電流特性を生成する電圧電流特性生成工程とを有し、
前記光電変換素子(A)について、前記最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および前記開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を測定し、これらの応答時間(τVpm )および応答時間(τVoc )に基づいて、当該光電変換素子(A)におけるバイアス電圧と応答時間との特定の関係式を求め、
この特定の関係式および前記光電変換素子(B)に印加されるバイアス電圧から、当該バイアス電圧における前記光電変換素子(B)の前記所定の応答時間を演算して求めることを特徴とする。
前記光電変換素子(B)にバイアス電圧を印加するバイアス用電源と、
前記光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定する電圧計と、
前記光電変換素子(B)で生成される電圧値における電流値を測定する電流計と、
前記光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧を変化させて、当該光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定すると共に、当該光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に前記電圧値における電流値を測定するよう制御する制御機構と
を備えてなり、
前記制御機構は、前記光電変換素子(A)の最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )に基づいて求められた、バイアス電圧と応答時間との特定の関係式を記憶する記憶部と、前記特定の関係式および前記光電変換素子(B)に印加されるバイアス電圧から、当該バイアス電圧における前記光電変換素子(B)の所定の応答時間を演算する演算部とを有することを特徴とする。
上記の電圧電流特性測定装置と、前記光電変換素子(B)に光を照射する光源とを備えてなり、
前記電圧電流特性測定装置における制御機構は、前記光源を所定の放射照度となるよう制御した後に、バイアス電圧を変化させるようバイアス用電源を制御するものであることを特徴とする。
また、特定の関係式は、光電変換素子(A)について、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を求め、これらの応答時間に基づいて求められる。そのため、光電変換素子(A)について、測定対象である光電変換素子(B)に実際に印加されるバイアス電圧毎に、当該バイアス電圧における応答時間を測定することが不要となる。また、光電変換素子(A)は、測定対象である光電変換素子(B)と同等の電圧電流特性を有すると想定されるものである。そのため、光電変換素子(B)の電流電圧特性の測定に際し、光電変換素子(A)に係る特定の関係式を利用することにより、測定対象である個々の光電変換素子(B)について予備測定を行うことが不要となる。
従って、本発明によれば、光電変換素子の電圧電流特性を高い時間的効率で測定することができる。
本発明の電圧電流特性測定方法は、互いに同等の電圧電流特性を有すると想定される光電変換素子(A)および光電変換素子(B)のうち、一方の光電変換素子(A)について最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が知られている場合に、他方の光電変換素子(B)について電圧電流特性を測定する方法である。
本発明において、光電変換素子(A)および光電変換素子(B)としては、結晶型またはアモルファス型等のシリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、色素増感型等の有機材料系太陽電池などのセル若しくはモジュールを用いることができるが、印加されるバイアス電圧を変化させたときの応答時間が長い光電変換素子を本発明に適用したときには、大きい効果が発揮される。このような光電変換素子としては、n型太陽電池、ハイブリッド型太陽電池、バックコンタクト型太陽電池、CIS系太陽電池、有機材料系太陽電池などが挙げられる。
また、本発明において、光電変換素子(A)としては、光電変換素子(B)と同等の電圧電流特性を有すると想定され、かつ、予め最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が知られているものであれば特に限定されない。
また、本発明において、光電変換素子(B)は、測定対象光電変換素子である。
光照射工程においては、光電変換素子(B)に所定の放射照度の光を照射する。
光電変換素子(B)に光を照射するための光源としては、いわゆる疑似太陽光源が用いられ、具体的には、ショートアーク型キセノン放電ランプ、ロングアーク型キセノン放電ランプ、メタルハライドランプ、LED、プラズマランプなどが用いられる。
また、光電変換素子(B)に照射される光の放射照度は、JIS規格(JIS C 8934)等に準拠して設定される。
電圧電流特性生成工程においては、光が照射された状態で光電変換素子(B)にバイアス電圧を印加し、当該光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定すると共に、当該光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に当該電圧値における電流値を測定する。その後、光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧をステップ状に変化させて、光電変換素子(B)で生成される電圧値および当該電圧値における電流値を測定する操作(以下、「電圧電流測定操作」ともいう。)を繰り返すことにより、多数の電圧−電流データを取得する。そして、取得された多数の電圧−電流データに基づいて、光電変換素子(B)の電圧電流特性、具体的には電圧−電流曲線が得られ、この電圧電流曲線から、光電変換素子(B)の最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が求められる。
また、光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧は、上昇するよう変化させても、下降するよう変化させてもよい。
また、バイアス電圧をステップ状に変化させるときのステップ電圧値(ΔV)は、光電変換素子(B)の種類などに応じて適宜設定される。
また、電圧電流測定操作の回数(取得される電圧−電流データの数)は、例えば30〜2000回(個)である。
先ず、光電変換素子(A)について、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を測定する。
ここで、「応答時間」とは、光電変換素子にバイアス電圧を印加してから当該光電変換素子に流れる電流が安定するまでの時間を意味する。
また、「最大出力電圧における応答時間」とは、光電変換素子に対して、生成される電圧が最大出力電圧(Vpm)となるバイアス電圧(Vx )を印加したときの応答時間を意味する。
また、「開放電圧における応答時間」とは、光電変換素子に対して、生成される電圧が開放電圧(Voc)となるバイアス電圧(Vy )を印加したときの応答時間を意味する。
先ず、光電変換素子(A)に対して、生成される電圧値が最大出力電圧(または開放電圧)と異なる電圧値となるバイアス電圧を所定の時間印加する。その後、光電変換素子(A)に印加するバイアス電圧を変化(上昇若しくは降下))させて、生成される電圧値が最大出力電圧(または開放電圧)となるバイアス電圧とする。そして、光電変換素子(A)に印加するバイアス電圧を変化させてから当該光電変換素子(A)に流れる電流が安定するまでの時間を測定する。
この特定の関係式は、例えば図1に示すように、横軸をバイアス電圧(V)とし、縦軸を応答時間(μs)とする座標系において、座標(0,0)、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )に係る座標P1(Vx ,τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )に係る座標P2(Vy ,τVoc )或いはそれらの近傍を通る近似曲線Cを求めることによって、得られる。
この近似曲線Cを求めるにあたっては、シグモイド関数を変形したものを利用することが好ましい。具体的には、特定の関係式は、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
また、係数a1 および係数a2 の値は、開放電圧(Voc)に対する最大出力電圧(Vpm)の比(Vpm/Voc)、および応答時間(τVoc )に対する応答時間(τVpm )の比(τVpm /τVoc ) と相関関係があるため,予め比(Vpm/Voc)および比(τVpm /τVoc ) と係数a1 および係数a2 と対応表を作成しておくことにより、係数a1 および係数a2 を容易に求めることができる。
また、特定の関係式は、光電変換素子(A)について、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を求め、これらの応答時間に基づいて求められる。そのため、光電変換素子(A)について、測定対象である光電変換素子(B)に実際に印加されるバイアス電圧毎に、当該バイアス電圧における応答時間を測定することが不要となる。また、光電変換素子(A)は、測定対象である光電変換素子(B)と同等の電圧電流特性を有すると想定されるものである。そのため、光電変換素子(B)の電流電圧特性の測定に際し、光電変換素子(A)に係る特定の関係式を利用することにより、測定対象である個々の光電変換素子(B)について予備測定を行うことが不要となる。
従って、本発明の電圧電流特性測定方法によれば、光電変換素子の電圧電流特性を高い時間的効率で測定することができる。
図2は、本発明の電圧電流特性測定方法を実行するためのソーラーシミュレータの構成の概略を示す説明図である。このソーラーシミュレータは、光電変換素子(B)である測定対象光電変換素子1の電圧電流特性を測定する電圧電流特性測定装置10と、測定対象光電変換素子1に光を照射する光源50とを備えてなる。
制御機構20は、光源50を所定の放射照度となるよう制御した後に、バイアス電圧を変化させるようバイアス用電源11を制御するものである。この制御機構20は、制御部21と、電圧計15からの電圧信号および電流計16からの電流信号が入力される入力部22と、制御部21からの制御信号をバイアス用電源11および光源50に出力する出力部23と、処理結果が記憶される記憶部24と、演算部25とを有する。
具体的な一例を挙げて説明すると、先ず、測定開始バイアス電圧(Vstart )、測定終了バイアス電圧(Vend )、測定点数(n)およびサンプリング時間(Ts)が設定される。また、生成される電圧値が最大出力電圧(Vpm)となるバイアス電圧(Vx )、生成される電圧値が開放電圧(Voc)となるバイアス電圧(Vy )、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )が設定される。次いで、バイアス電圧(Vx )、バイアス電圧(Vy )、応答時間(τVpm )および応答時間(τVoc )から、バイアス電圧と応答時間との特定の関係式を求める。得られた特定の関係式は、記憶部23に記憶される。この特定の関係式から、各バイアス電圧(Vi )を測定対象光電変換素子1に印加したときの応答時間(τi )が演算される。ここで、各バイアス電圧(Vi )は、Vstart +(Vstart −Vend )/(n−1)×(i−1)によって求められる。
上記式では電圧を等間隔に分割した例を示すが、本発明の電圧電流特性測定方法においては、電圧を等間隔に分割することに限定されず、任意のパターンで分割することができる。 そして、測定開始バイアス電圧(Vstart )、測定終了バイアス電圧(Vend )、測定点数(n)、サンプリング時間(Ts)および応答時間(τi )に基づいて、測定開始バイアス電圧(Vstart )から測定終了バイアス電圧(Vend )までの電圧掃引パターンが作成される。
具体的に説明すると、先ず、バイアス電源11によって、測定対象光電変換素子1に測定開始バイアス電圧(Vstart )が印加される。そして、測定開始バイアス電圧(Vstart )を印加したときの所定の応答時間(τ1 )が経過するまで待機する。その後、電圧計15によって測定対象光電変換素子1で生成される電圧値が測定されると共に、および電流計16によって当該電圧値における電流値が測定される。測定された電圧値および電流値は、記憶部23に記憶される。このような電圧電流測定操作を、印加するバイアス電圧をステップ状に変化させて、印加すべき全てのバイアス電圧の各々について行うことにより、所要の電圧電流測定が達成される。そして、測定された電圧電流データは、演算部23において電圧掃引パターンと比較され、応答時間経過後の測定値を対象とした電圧電流特性データに編集される。
また、特定の関係式は、対象光電変換素子と同等の電圧電流特性を有すると想定される光電変換素子について、最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を求め、これらの応答時間に基づいて求められる。そのため、個々の測定対象光電変換素子1について予備測定を行うことが不要となる。 従って、本発明のソーラーシミュレータによれば、測定対象光電変換素子1の電圧電流特性を高い時間的効率で測定することができる。
予め電圧電流特性、最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が測定されたn型結晶シリコン系の太陽電池(以下、これを「太陽電池(A1)」という。)を用意した。この太陽電池(A1)の最大出力電圧(Vpm)は、0.48V、開放電圧(Voc)は0.63である。
次いで、太陽電池(A1)に対して、下記の条件で、光が照射された状態で当該太陽電池(A1)に印加するバイアス電圧を変化させて、当該太陽電池(A1)についての最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を測定した。その結果、応答時間(τVpm )が500μs、応答時間(τVoc )が590μsであった。
[光照射条件]
光源としてショートアーク型キセノン放電ランプを用い、太陽電池(A1)の受光面に対して、放射照度が1000W/m2 となる条件で光を照射した。
[バイアス電圧印加条件]
JIS C8913 4 (7)に準拠した。
10 電圧電流特性測定装置
11 バイアス用電源
15 電圧計
16 電流計
20 制御機構
21 制御部
22 入力部
23 出力部
24 記憶部
25 演算部
50 光源
Claims (4)
- 互いに同等の電圧電流特性を有すると想定される光電変換素子(A)および光電変換素子(B)のうち、光電変換素子(A)について最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が知られている場合に、光電変換素子(B)について電圧電流特性を測定する電圧電流特性測定方法であって、
前記光電変換素子(B)に光を照射する光照射工程と、
光が照射された状態で前記光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧を変化させて、当該光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定すると共に、当該光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に前記電圧値における電流値を測定し、測定された電圧値および電流値に基づいて前記光電変換素子(B)の電圧電流特性を生成する電圧電流特性生成工程とを有し、
前記光電変換素子(A)について、前記最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および前記開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )を測定し、これらの応答時間(τVpm )および応答時間(τVoc )に基づいて、当該光電変換素子(A)におけるバイアス電圧と応答時間との特定の関係式を求め、
この特定の関係式および前記光電変換素子(B)に印加されるバイアス電圧から、当該バイアス電圧における前記光電変換素子(B)の前記所定の応答時間を演算して求めることを特徴とする電圧電流特性測定方法。 - 互いに同等の電圧電流特性を有すると想定される光電変換素子(A)および光電変換素子(B)のうち、光電変換素子(A)について最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が知られている場合に、光電変換素子(B)について電圧電流特性を測定する電圧電流特性測定装置であって、
前記光電変換素子(B)にバイアス電圧を印加するバイアス用電源と、
前記光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定する電圧計と、
前記光電変換素子(B)で生成される電圧値における電流値を測定する電流計と、
前記光電変換素子(B)に印加するバイアス電圧を変化させて、当該光電変換素子(B)で生成される電圧値を測定すると共に、当該光電変換素子(B)の所定の応答時間以上待機した後に前記電圧値における電流値を測定するよう制御する制御機構と
を備えてなり、
前記制御機構は、前記光電変換素子(A)の最大出力電圧(Vpm)における応答時間(τVpm )および開放電圧(Voc)における応答時間(τVoc )に基づいて求められた、バイアス電圧と応答時間との特定の関係式を記憶する記憶部と、前記特定の関係式および前記光電変換素子(B)に印加されるバイアス電圧から、当該バイアス電圧における前記光電変換素子(B)の所定の応答時間を演算する演算部とを有することを特徴とする電圧電流特性測定装置。 - 互いに同等の電圧電流特性を有すると想定される光電変換素子(A)および光電変換素子(B)のうち、光電変換素子(A)について最大出力電圧(Vpm)および開放電圧(Voc)が知られている場合に、光電変換素子(B)について電圧電流特性を測定するソーラーシミュレータであって、
請求項3に記載の電圧電流特性測定装置と、前記光電変換素子(B)に光を照射する光源とを備えてなり、
前記電圧電流特性測定装置における制御機構は、前記光源を所定の放射照度となるよう制御した後に、バイアス電圧を変化させるようバイアス用電源を制御するものであることを特徴とするソーラーシミュレータ。
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