JP2014145484A - 流体伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体伝動装置の入力部材に伝達された振動をダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とにより効果的に減衰可能とする。
【解決手段】流体伝動装置1は、ドライブ部材80、第1コイルスプリング81を介してドライブ部材80と係合する中間部材83および第2コイルスプリング82を介して中間部材83と係合するドリブンプレート84を有するダンパ機構8と、コイルスプリング100および質量体としてのタービンランナ5により構成されるダイナミックダンパ10と、支持部材21および支持部材21に対してそれぞれ揺動可能な複数の質量体22を含む遠心振子式吸振装置20とを備え、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100は、ダンパ機構8のドリブンプレート84と係合し、遠心振子式吸振装置20の支持部材21は、ダンパ機構8の中間部材83に接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイナミックダンパおよび遠心振子式吸振装置を備えた流体伝動装置に関する。
従来、この種の流体伝動装置としては、原動機に連結される入力部材に接続されたポンプインペラと、ポンプインペラと共に回転可能なタービンランナと、入力要素、当該入力要素と第1弾性体を介して係合する中間要素および当該中間要素と第2弾性体を介して係合すると共に変速装置の入力軸に連結される出力要素を有するダンパ機構と、入力部材とダンパ機構の入力要素とを係合させるロックアップを実行すると共にロックアップを解除することができるロックアップクラッチ機構と、弾性体(コイルスプリング)と当該弾性体と係合するタービンランナとからなるダイナミックダンパと、支持部材および当該支持部材に対してそれぞれ揺動可能な複数の質量体を含む遠心振子式吸振装置とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この流体伝動装置では、弾性体を介してタービンランナとダンパ機構の中間要素とを係合させることによりダイナミックダンパが構成されると共に、遠心振子式吸振装置の支持部材が実質的にタービンランナに固定され、遠心振子式吸振装置の上流側にダイナミックダンパの弾性体が存在する。
国際公開第2010/043194号
しかしながら、上記従来の流体伝動装置のように、遠心振子式吸振装置の上流側にダイナミックダンパの弾性体が存在すると、遠心振子式吸振装置からダンパ機構に付与される振動とダイナミックダンパからダンパ機構に付与される振動とが逆位相になることから、ダイナミックダンパによる振動減衰効果と遠心振子式吸振装置による振動減衰効果とが互いに打ち消されてしまい、全体として良好な振動減衰効果を得ることができなくなるおそれがある。
そこで、本発明の流体伝動装置は、入力部材に伝達された振動をダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とにより効果的に減衰可能とすることを主目的とする。
本発明の流体伝動装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明の流体伝動装置は、
原動機に連結される入力部材に接続されたポンプインペラと、該ポンプインペラと共に回転可能なタービンランナと、入力要素、該入力要素と第1弾性体を介して係合する中間要素および該中間要素と第2弾性体を介して係合する出力要素を有するダンパ機構と、該ダンパ機構を介して前記入力部材と変速装置の入力軸とを連結するロックアップを実行すると共に該ロックアップを解除することができるロックアップクラッチ機構と、質量体および該質量体と係合する第3弾性体を含むダイナミックダンパと、支持部材および該支持部材に対してそれぞれ揺動可能な複数の質量体を含む遠心振子式吸振装置とを備える流体伝動装置であって、
前記ダイナミックダンパの前記第3弾性体は、前記ダンパ機構の前記中間要素および前記出力要素の一方と係合し、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、前記ダンパ機構の前記中間要素および前記出力要素の一方または他方に接続されることを特徴とする。
この流体伝動装置は、入力部材に伝達される振動を減衰するためにダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とを備えている。そして、この流体伝動装置では、ダイナミックダンパを構成する第3弾性体がダンパ機構の中間要素および出力要素の一方と係合し、遠心振子式吸振装置の支持部材がダンパ機構の中間要素および出力要素の一方または他方に接続される。このように、ダンパ機構の中間要素および出力要素の一方にダイナミックダンパを繋ぐと共に中間要素および出力要素の当該一方に遠心振子式吸振装置を繋ぐか、あるいはダンパ機構の中間要素および出力要素の他方にダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とを繋げば、ダンパ機構に対してダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とが独立(並列)に連結されることになるので、ダイナミックダンパによる振動減衰効果と遠心振子式吸振装置による振動減衰効果とが互いに打ち消されてしまうのを抑制して、入力部材に伝達された振動をダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とにより効果的に減衰することが可能となる。
また、前記第3弾性体は、前記ダンパ機構の前記出力要素と係合してもよく、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、前記ダンパ機構の前記中間要素に接続されてもよい。このように、ダンパ機構の出力要素にダイナミックダンパを繋ぐことにより、ダンパ機構のマスが全体に大きくなり当該ダンパ機構の共振周波数が低下する。これにより、ダンパ機構の共振点をより低回転数側にシフトしてダイナミックダンパの共振点から遠ざけることが可能となり、それによりダイナミックダンパによってフロントカバー(原動機)の回転数が低い領域で原動機から入力部材に伝達された振動をより効果的に減衰することができる。更に、ダンパ機構の中間要素に遠心振子式吸振装置を繋ぐことにより、第1弾性体と第2弾性体との間に介設されることでダンパ機構の要素の中で最も振動する中間要素の振動を遠心振子式吸振装置によって抑制してダンパ機構全体の共振をより効果的に抑えることができるので、ダイナミックダンパの共振すなわち当該ダイナミックダンパによって振動が減衰されたのに伴って生じる振動をも抑えることができる。従って、かかる構成によれば、入力部材に伝達された振動をダイナミックダンパと遠心振子式吸振装置とにより極めて効果的に減衰することが可能となる。
更に、前記ダイナミックダンパの前記質量体は、前記タービンランナ以外の部材であってもよい。
また、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、連結部材を介して前記ダンパ機構の前記中間要素に固定されてもよく、前記連結部材は、前記ダンパ機構の前記第1および第2弾性体のうちの内周側に配置される一方よりも外周側で前記中間要素に固定されてもよい。このように、遠心振子式吸振装置の支持部材をダンパ機構の中間要素に固定するための連結部材をダンパ機構の第1および第2弾性体のうちの内周側に配置される一方よりも外周側で中間要素に固定すれば、遠心振子式吸振装置の内周側にスペースを充分に確保することが可能となり、このスペースに例えばダイナミックダンパを構成する第3弾性体を配置することにより流体伝動装置をよりコンパクト化することができる。
更に、前記遠心振子式吸振装置の前記複数の質量体は、それぞれ支軸により支持されてもよく、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材には、それぞれ前記質量体が前記支持部材に対して揺動するように前記支軸をガイドする複数のガイド穴が形成されてもよく、前記ガイド穴は、前記連結部材が前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材に固定されたときに、前記流体伝動装置の軸方向からみて前記連結部材の前記中間要素に対する固定部と重なるように前記支持部材に形成されてもよい。これにより、連結部材を介して遠心振子式吸振装置をダンパ機構の中間要素に固定する際に、遠心振子式吸振装置の支持部材のガイド穴を固定作業用の開口として利用することができるので、当該支持部材等に形成すべき作業用の開口の数を減らして支持部材等の剛性を良好に確保することが可能となる。
また、前記ダイナミックダンパの前記弾性体は、前記遠心振子式吸振装置の内周側に配置されてもよく、前記ダイナミックダンパの前記弾性体と前記遠心振子式吸振装置とは、前記流体伝動装置の径方向からみて前記タービンランナと前記ダンパ機構との間に配置されてもよい。これにより、ダイナミックダンパを構成する第3弾性体と遠心振子式吸振装置とが流体伝動装置の径方向からみて軸方向に重なることから、流体伝動装置の軸長を短縮して装置全体をコンパクト化することが可能となる。更に、ダイナミックダンパを構成する第3弾性体を遠心振子式吸振装置の内周側に配置することで、遠心振子式吸振装置の配置スペースを充分に確保して遠心振子式吸振装置の質量体のサイズ(径方向長さ)の選択の自由度を大きくすることができる。そして、第3弾性体と遠心振子式吸振装置とを流体伝動装置の径方向からみてタービンランナとダンパ機構との間に配置することにより、流体伝動装置の軸長増を抑えつつ、第3弾性体を中間要素および出力要素の一方と係合させると共に遠心振子式吸振装置の支持部材をダンパ機構の中間要素および出力要素の一方または他方に接続することが可能となる。
本発明の実施例に係る流体伝動装置1を示す構成図である。 流体伝動装置1の遠心振子式吸振装置20を示す構成図である。 流体伝動装置1の遠心振子式吸振装置20を示す構成図である。 流体伝動装置1の概略構成図である。 原動機としてのエンジンの回転数と流体伝動装置の振動レベルとの関係を例示する説明図である。 変形例に係る流体伝動装置1Bを示す概略構成図である。 他の変形例に係る流体伝動装置1Cを示す概略構成図である。 更に他の変形例に係る流体伝動装置1Dを示す概略構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る流体伝動装置1を示す構成図である。同図に示す流体伝動装置1は、原動機としてのエンジン(内燃機関)を備えた車両に発進装置として搭載されるトルクコンバータであり、図示しないエンジンのクランクシャフトに連結されるフロントカバー(入力部材)3と、フロントカバー3に固定されたポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4と、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5と、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6と、図示しない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速装置のインプットシャフトに固定されるダンパハブ(出力部材)7と、ダンパハブ7に接続されたダンパ機構8と、ダンパ機構8に接続されたロックアップピストン90を有する単板摩擦式のロックアップクラッチ機構9とを含む。
ポンプインペラ4は、フロントカバー3に密に固定されるポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。タービンシェル50は、リベットを介してタービンハブ52に固定され、タービンハブ52は、ダンパハブ7の図中左端(変速装置側の端部)に形成されたハブ支持部7aに回転自在に嵌合される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、ポンプインペラ4やタービンランナ5と同軸に回転可能なステータ6が配置される。ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成する。
ダンパ機構8は、入力要素としてのドライブ部材80と、複数の第1コイルスプリング(第1弾性体)81を介してドライブ部材80と係合する中間部材(中間要素)83と、第1コイルスプリング81から流体伝動装置1の径方向に離間して配置される複数の第2コイルスプリング(第2弾性体)82を介して中間部材83と係合するドリブンプレート(出力要素)84とを有する。ドライブ部材80は、リベットを介してロックアップクラッチ機構9のロックアップピストン90に固定されると共にフロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成されるハウジング内部の外周側領域に配置される。更に、ドライブ部材80は、それぞれ対応する第1コイルスプリング81の一端と当接する複数のスプリング当接部を有する。複数の第1コイルスプリング81は、ロックアップピストン90の外周部とドライブ部材80に形成された支持部とにより周方向に所定の間隔をおいてそれぞれ摺動自在に保持される。また、複数の第2コイルスプリング82は、それぞれ第1コイルスプリング81よりも高い剛性(バネ定数)を有すると共に第1コイルスプリング81よりも内周側で中間部材83により周方向に所定の間隔をおいて摺動自在に保持される。
ダンパ機構8の中間部材83は、環状の第1中間プレート83aと、リベットを介して当該第1中間プレート83aに固定される環状の第2中間プレート83bとにより構成される。第1中間プレート83aは、それぞれ対応する第1コイルスプリング81の他端と当接する複数の第1スプリング当接部を外周側に有すると共に、第2コイルスプリング82を保持するための複数の第2スプリング支持部を内周側に有する。第2中間プレート83bは、それぞれ第1中間プレート83aの第2スプリング支持部と対向して第2コイルスプリング82を保持する第2スプリング支持部を有する。そして、第1および第2中間プレート83aおよび83bの少なくとも何れか一方には、それぞれ対応する第2コイルスプリング82の一端と当接する複数のスプリング当接部が形成されている。ドリブンプレート84は、第1中間プレート83aと第2中間プレート83bとの間に配置されると共にダンパハブ7に固定される。実施例において、ドリブンプレート84は、ダンパハブ7の軸方向における中央部(ハブ支持部7aの図中右側)から流体伝動装置1の径方向外側に延出されたプレート固定部7bにリベットを介して固定される。また、ドリブンプレート84には、第1中間プレート83aの内周と当接して中間部材83を調心する調心部84aが形成されている。
ロックアップクラッチ機構9は、ダンパ機構8を介してフロントカバー3とダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除することができるものである。実施例において、ロックアップクラッチ機構9のロックアップピストン90は、図1に示すように、フロントカバー3の内部かつ当該フロントカバー3のエンジン側(図中右側)の内壁面近傍に配置され、プレート固定部7bを介してハブ支持部7aの反対側に位置するようにダンパハブ7(図中右端)に形成されたピストン支持部7cに対して軸方向に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。また、ロックアップピストン90の外周側かつフロントカバー3側の面には、摩擦材91が貼着されている。そして、ロックアップピストン90の背面(図中右側の面)とフロントカバー3との間には、図示しない作動油供給孔やインプットシャフトに形成された油路を介して図示しない油圧制御ユニットに接続されるロックアップ室95が画成される。
ロックアップクラッチ機構9によるロックアップを実行せずにポンプインペラ4とタービンランナ5との間で動力を伝達する際には、ポンプインペラ4およびタービンランナ5に供給される作動油がロックアップ室95内に流入し、ロックアップ室95内は作動油で満たされる。従って、この際、ロックアップピストン90は、フロントカバー3側に移動せず、ロックアップピストン90がフロントカバー3と摩擦係合することはない。また、図示しない油圧制御ユニットによりロックアップ室95内を減圧すれば、ロックアップピストン90は、圧力差によりフロントカバー3に向けて移動してフロントカバー3と摩擦係合する。これにより、フロントカバー3がダンパ機構8を介してダンパハブ7に連結され、それによりエンジンからの動力がフロントカバー3、ダンパ機構8およびダンパハブ7を介して変速装置のインプットシャフトに伝達されることになる。なお、ロックアップ室95内の減圧を停止すれば、ロックアップ室95内への作動油の流入に伴う圧力差の減少によりロックアップピストン90がフロントカバー3から離間し、それによりロックアップが解除されることになる。
ここで、上記流体伝動装置1において、フロントカバー3に連結されるエンジンの回転数が例えば1000rpm程度と極低いロックアップ回転数Nlupに達した段階でロックアップを実行すれば、エンジンと変速装置との間の動力伝達効率を向上させ、それによりエンジンの燃費をより向上させることができる。このため、実施例の流体伝動装置1は、フロントカバー3の回転速度(エンジン回転数)が極低く定められたロックアップ回転数Nlup付近にあるときにフロントカバー(入力部材)3からダンパハブ(出力部材)7までの間で発生する振動を良好に減衰するために、質量体としてのタービンランナ5および複数のコイルスプリング(第3弾性体)100とにより構成されるダイナミックダンパ10と、遠心振子式吸振装置20とを備える。
図1に示すように、ダイナミックダンパ10を構成する複数のコイルスプリング100は、それぞれタービンシェル50と共にリベットを介してタービンハブ52に固定されるスプリング支持部材11により周方向に所定の間隔をおいてそれぞれ摺動自在に保持され、流体伝動装置1の径方向からみてタービンランナ5とダンパ機構8との間の内周側領域に配置される。スプリング支持部材11は、各コイルスプリング100のタービンランナ5側の側部や外周部を支持する第1部材11aと、各コイルスプリング100のダンパ機構8側の側部の内周側部分を支持すると共にそれぞれ対応するコイルスプリング100の一端と当接する複数のスプリング当接部を有する第2部材11bとにより構成される。また、上述のダンパハブ7には、ダンパ機構8のドリブンプレート84と共に係合部材12がリベットを介して固定され、当該係合部材12は、それぞれタービンランナ5に向けて外方に延出された複数の当接部を有する。そして、スプリング支持部材11により保持された各コイルスプリング100の他端は、係合部材12の対応する当接部と当接する。すなわち、実施例において、ダイナミックダンパ10を構成する複数のコイルスプリング100は、それぞれダンパ機構8のドリブンプレート84およびダンパハブ7と係合する。
遠心振子式吸振装置20は、図1から図3に示すように、ダンパ機構8に対して連結される円環状の支持部材21と、それぞれ支持部材21に対して揺動可能な複数の質量体22とを含む。実施例の支持部材21には、図2および図3に示すように円弧状の長穴であるガイド穴21aが等間隔に複数形成されている。また、実施例の質量体22は、円盤状に形成された2枚の金属板22aと、支持部材21のガイド穴21aに転動自在に挿通されると共に両端に金属板22aが固定される支軸23とにより構成される。更に、各金属板22aの支持部材21と対向する面には、当該面の全体と支持部材21とが摺接するのを抑制するために複数(実施例では4個)の微小な突起22bが支持部材21側へと延出されている。
そして、実施例の遠心振子式吸振装置20は、連結部材24を介してダンパ機構8の中間部材83に固定され、ダイナミックダンパ10を構成する各コイルスプリング100の外周側に配置される。連結部材24は、円環状部24aと、当該円環状部24aの内周部から軸方向かつ更に内周側に延出された断面略L字形状を有する複数の突片24bとを含む。図1および図3に示すように、連結部材24の各突片24bは、互いに隣り合うガイド穴21aの間で支持部材21の内周部にリベットを介して固定される。更に、連結部材24の円環状部24aは、図1からわかるように、ダンパ機構8の第2コイルスプリング82よりも外周側でリベットを介して中間部材83(第1および第2中間プレート83a,83b)に固定される。このように、連結部材24をダンパ機構8の第1および第2コイルスプリング81,82のうちの内周側に配置される第2コイルスプリング82よりも外周側で中間部材83に固定すれば、遠心振子式吸振装置20の内周側にスペースを充分に確保し、このスペースにダイナミックダンパ10の各コイルスプリング100を配置することにより流体伝動装置1をコンパクト化することができる。
また、実施例において、支持部材21と連結部材24とは、当該支持部材21に連結部材24が固定されている遠心振子式吸振装置20をダンパ機構8の中間部材83に対して位置決めした際に、支持部材21のガイド穴21aと円環状部24aのリベット孔とが流体伝動装置1の軸方向からみて径方向に重なるように形成される。すなわち、図2に示すように、ガイド穴21aは、連結部材24が遠心振子式吸振装置20の支持部材21に固定されたときに、流体伝動装置1の軸方向からみて連結部材24の中間部材83に対する固定部と重なるように支持部材21に形成される。これにより、連結部材24を介して遠心振子式吸振装置20をダンパ機構8の中間部材83に固定する際、質量体22を適宜移動させれば、遠心振子式吸振装置20の支持部材21のガイド穴21aをリベットのカシメ作業用の開口として利用することができるので、支持部材21等に形成すべき作業用の開口の数を減らして支持部材21等の剛性を良好に確保することが可能となる。
上述のように、実施例のダイナミックダンパ10を構成する複数のコイルスプリング100は、遠心振子式吸振装置20の内周側に配置され、遠心振子式吸振装置20と共に流体伝動装置1の径方向からみてタービンランナ5とダンパ機構8との間に配置される。これにより、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100と遠心振子式吸振装置20とが流体伝動装置1の径方向からみて軸方向に重なることから、流体伝動装置1の軸長を短縮して装置全体をコンパクト化することが可能となる。また、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100を遠心振子式吸振装置20の内周側に配置することで、外周側の遠心振子式吸振装置20の配置スペースを充分に確保して遠心振子式吸振装置20の質量体22のサイズ、特に径方向長さの選択の自由度を大きくすることができる。更に、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100と遠心振子式吸振装置20とを流体伝動装置1の径方向からみてタービンランナ5とダンパ機構8との間に配置することにより、流体伝動装置1の軸長増を抑えつつ、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100をダンパ機構8のドリブンプレート84と係合させると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21をダンパ機構8の中間部材83に接続することが可能となる。
次に、図4を参照しながら、上述の流体伝動装置1の動作について説明する。
図4からわかるように、ロックアップクラッチ機構9によりダンパ機構8を介してフロントカバー3とダンパハブ7とが連結されないロックアップ解除時には、原動機としてのエンジンからの動力がフロントカバー3、ポンプインペラ4、タービンランナ5、複数のコイルスプリング100および係合部材12、ダンパハブ7という経路を介して変速装置のインプットシャフトへと伝達されることになる。
一方、ロックアップクラッチ機構9によりダンパ機構8を介してフロントカバー3とダンパハブ7とが連結されるロックアップ時には、図4からわかるように、原動機としてのエンジンからの動力が、フロントカバー3、ロックアップクラッチ機構9、ドライブ部材80、第1コイルスプリング81、中間部材83、第2コイルスプリング82、ドリブンプレート84、ダンパハブ7という経路を介して変速装置のインプットシャフトへと伝達される。この際、フロントカバー3に入力されるトルクの変動は、主にダンパ機構8の第1および第2コイルスプリング81,82により吸収される。
このようなダンパ機構8に加えて、ロックアップ時には、タービンランナ5およびダンパ機構8のドリブンプレート84と係合する複数のコイルスプリング100がフロントカバー3(入力部材)とダンパハブ(出力部材)7との間でのトルク伝達に寄与しないマスとなるタービンランナ5やスプリング支持部材11等と共にダイナミックダンパ10を構成し、かかるダイナミックダンパ10によりエンジン側からフロントカバー3へと伝達される振動をダンパ機構8のドリブンプレート84から効果的に吸収(減衰)することが可能となる。更に、実施例の流体伝動装置1では、ロックアップに伴ってロックアップピストン90によりフロントカバー3に連結されたダンパ機構8がフロントカバー3と共に回転すると、ダンパ機構8の中間部材83に連結された支持部材21も中間部材83と共に流体伝動装置1の軸周りに回転し、支持部材21の回転に伴って遠心振子式吸振装置20を構成する各質量体22の支軸23が支持部材21のガイド穴21aにガイドされて当該ガイド穴21aの一端と他端との間を転動することにより各質量体22が支持部材21に対して揺動することになる。これにより、遠心振子式吸振装置20から中間部材83に対して当該中間部材83の振動(共振)とは逆方向の位相を有する振動を付与してフロントカバー3に伝達された振動を遠心振子式吸振装置20によっても吸収(減衰)することが可能となる。
従って、実施例の流体伝動装置1では、ダイナミックダンパ10の振動減衰特性(共振周波数)を規定するコイルスプリング100の剛性(バネ定数)やタービンランナ5等の重量(イナーシャ)、遠心振子式吸振装置20の振動減衰特性を規定する質量体22のサイズ(特に径方向長さ)や重量、ガイド穴21aの形状や寸法等を原動機としてのエンジンの気筒数やロックアップが実行される上記ロックアップ回転数Nlupに基づいて調整することで、エンジンの回転数が例えば1000rpmといったように非常に低いときにロックアップが実行されても、原動機としてのエンジンから流体伝動装置1すなわちフロントカバー3へと伝達される振動をダイナミックダンパ10と遠心振子式吸振装置20とによって効果的に吸収(減衰)して当該振動がドリブンプレート84を介してダンパハブ7に伝達されるのを良好に抑制することが可能となる。そして、流体伝動装置1によれば、エンジンの回転数が例えば1000rpm程度と比較的低いロックアップ回転数Nlupに達した段階でロックアップを実行して動力伝達効率ひいてはエンジンの燃費を向上させることが可能となる。
図5は、原動機としてのエンジンの回転数と上述の流体伝動装置1等の振動レベルとの関係を例示する説明図である。同図は、3気筒あるいは4気筒といった比較的大きな振動を発生する省気筒(少気筒)エンジンと組み合わせるのに好適な流体伝動装置を得るために行ったねじり振動系のシミュレーションにより得られた複数の流体伝動装置におけるエンジン(フロントカバー3)の回転数と流体伝動装置のフロントカバー3からダンパハブ7までの間における振動レベルとの関係を例示するものである。かかるシミュレーションにおいて、原動機としてのエンジンの諸元、ポンプインペラ4やタービンランナ5、ダンパ機構8ならびにロックアップクラッチ機構9の諸元は基本的に同一とされ、ダイナミックダンパ10を構成するタービンランナ5等の質量(イナーシャ)やコイルスプリング100の剛性、遠心振子式吸振装置20の支持部材21や質量体22のサイズや重量も基本的に同一とした。
ここで、ロックアップクラッチ機構9のロックアップ時には、エンジンからフロントカバー3に入力された振動が殆ど減衰されることなくダンパ機構8の入力要素(ドライブ部材80)に伝達されることから、省気筒エンジンを対象とした場合、ダンパ機構8の入力要素(ドライブ部材80)にダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20の少なくとも何れか一方を繋いでも、ダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20による充分な振動減衰効果を得られないおそれがある。このため、ここでは、ダンパ機構8の中間部材(中間要素)83およびドリブンプレート(出力要素)84をダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20の連結対象として上記シミュレーションを行った。
図5において、実線は、上記実施例に係る流体伝動装置1の振動レベルを示す。また、図5において、一点鎖線は、図6に示すようにダイナミックダンパ10のコイルスプリング100がダンパ機構8のドリブンプレート84(およびダンパハブ7)と係合すると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21がダンパ機構8のドリブンプレート84(およびダンパハブ7)に接続された流体伝動装置1Bの振動レベルを示す。更に、図5において、二点鎖線は、図7に示すようにダイナミックダンパ10のコイルスプリング100がダンパ機構8の中間部材(中間要素)83と係合すると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21がダンパ機構8の中間部材83に接続された流体伝動装置1Cの振動レベルを示す。また、図5において、破線は、図8に示すようにダイナミックダンパ10のコイルスプリング100がダンパ機構8の中間部材(中間要素)83と係合すると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21がダンパ機構8のドリブンプレート84(およびダンパハブ7)に接続された流体伝動装置1Dの振動レベルを示す。更に、図5において、点線は、上記実施例の流体伝動装置1からダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20が省略された流体伝動装置の振動レベルを示す。
図5からわかるように、ダンパ機構8の出力要素であるドリブンプレート84(およびダンパハブ7)にダイナミックダンパ10が繋がれる流体伝動装置1および1Bでは、ダンパ機構8のマスが全体に大きくなることから、ダンパ機構8の共振周波数が低下してダンパ機構8の共振点が他の流体伝動装置に比べてより低回転数側にシフトする。従って、流体伝動装置1および1Bでは、ダイナミックダンパ10の共振点をダンパ機構8の共振点から遠ざけることが可能となり、それによりダイナミックダンパ10によってエンジン(フロントカバー)の回転数が低い領域すなわち効率面からより低い値に定められるロックアップ回転数Nlup付近でエンジンからフロントカバー3に伝達された振動をより効果的に減衰することができる。
また、流体伝動装置1と流体伝動装置1Bとを比較すると、遠心振子式吸振装置20がダンパ機構8の中間部材83に繋がれる流体伝動装置1では、第1コイルスプリング81と第2コイルスプリング82との間に介設されることでダンパ機構8の要素の中で最も振動する中間部材83の振動を遠心振子式吸振装置20によって抑制してダンパ機構8全体の共振をより効果的に抑えることが可能であり、図5において実線で示すように、ダンパ機構8全体の共振が抑えられる分だけダイナミックダンパ10の共振すなわちダイナミックダンパ10によって振動が減衰されたのに伴って生じる振動(振動減衰後の波形の山)をも抑えることができる。これに対して、遠心振子式吸振装置20がダンパ機構8のドリブンプレート84に繋がれる流体伝動装置1Bでは、流体伝動装置1に比べてダンパ機構8全体の共振が抑えられない分だけダイナミックダンパ10の共振すなわちダイナミックダンパ10によって振動が減衰されたのに伴って生じる振動が若干大きくなるが、ダイナミックダンパ10の共振を遠心振子式吸振装置20により速やかに収束させることができるので、流体伝動装置1に比べてフロントカバー3からダンパハブ7までの間すなわちダンパ機構8、ダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20からなる系全体の振動の収束を早めることができる。
更に、ダイナミックダンパ10がダンパ機構8の中間部材83に繋がれる流体伝動装置1Cおよび1Dでは、遠心振子式吸振装置20がダンパ機構8の中間部材83に繋がれる流体伝動装置1および1Bに比べて、ダンパ機構8全体の共振レベルが高くなっているが、ダイナミックダンパ10をダンパ機構8の中間部材83に繋ぐことでダイナミックダンパ10の共振点がより低回転数側にシフトすることになるので、フロントカバー3からダンパハブ7までの間すなわちダンパ機構8、ダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20からなる系全体の振動の収束を早めることができる。
また、流体伝動装置1Cと流体伝動装置1Dとを比較すると、遠心振子式吸振装置20がダンパ機構8の中間部材83に繋がれる流体伝動装置1Cでは、第1コイルスプリング81と第2コイルスプリング82との間に介設されることでダンパ機構8の要素の中で最も振動する中間部材83の振動を遠心振子式吸振装置20によって抑制してダンパ機構8全体の共振をより効果的に抑えることが可能であり、図5において二点鎖線で示すように、ダンパ機構8全体の共振が抑えられる分だけダイナミックダンパ10の共振すなわちダイナミックダンパ10によって振動が減衰されたのに伴って生じる振動(振動減衰後の波形の山)をも抑えることができる。これに対して、遠心振子式吸振装置20がダンパ機構8のドリブンプレート84に繋がれる流体伝動装置1Dでは、流体伝動装置1Cに比べてダンパ機構8全体の共振が抑えられない分だけダイナミックダンパ10の共振すなわちダイナミックダンパによって振動が減衰されたのに伴って生じる振動が若干大きくなるが、ダイナミックダンパ10の共振を遠心振子式吸振装置20により速やかに収束させることができるので、流体伝動装置1Cに比べてフロントカバー3からダンパハブ7までの間すなわちダンパ機構8、ダイナミックダンパ10および遠心振子式吸振装置20からなる系全体の振動の収束を早めることができる。
以上説明したように、実施例の流体伝動装置1は、図5に示すシミュレーション結果を踏まえて、効率面からより低い値に定められるロックアップ回転数Nlup付近でエンジンからフロントカバー3に伝達された振動をより効果的に減衰することができるように、ダイナミックダンパ10を構成するコイルスプリング100がダンパ機構8のドリブンプレート84(およびダンパハブ7)と係合させられると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21がダンパ機構8の中間部材83に接続される。このように、ダンパ機構8のドリブンプレート84にダイナミックダンパ10を繋ぐことにより、ダンパ機構8のマスが全体に大きくなり当該ダンパ機構8の共振周波数が低下する。これにより、ダンパ機構8の共振点をより低回転数側にシフトしてダイナミックダンパ10の共振点から遠ざけることが可能となり、それによりダイナミックダンパ10によってエンジン(フロントカバー3)の回転数が低い領域でエンジンからフロントカバー3に伝達された振動をより効果的に減衰することができる。更に、ダンパ機構8の中間部材83に遠心振子式吸振装置20を繋ぐことにより、第1コイルスプリング81と第2コイルスプリング82との間に介設されることでダンパ機構8の要素の中で最も振動する中間部材83の振動を遠心振子式吸振装置20によって抑制してダンパ機構8全体の共振をより効果的に抑えることができるので、ダイナミックダンパ10の共振すなわち当該ダイナミックダンパ10によって振動が減衰されたのに伴って生じる振動をも抑えることができる。従って、実施例の流体伝動装置1では、フロントカバー3に伝達された振動をダイナミックダンパ10と遠心振子式吸振装置20とにより極めて効果的に減衰することが可能となる。
ただし、図5からわかるように、図6から図8に示す流体伝動装置1B,1Cおよび1Dによっても、ダンパ機構8に対してダイナミックダンパ10と遠心振子式吸振装置20とが独立(並列)に連結されることになるので、ダイナミックダンパ10による振動減衰効果と遠心振子式吸振装置20による振動減衰効果とが互いに打ち消されてしまうのを抑制して、フロントカバー3に伝達された振動をダイナミックダンパ10と遠心振子式吸振装置20とにより効果的に減衰することが可能となる。すなわち、ダンパ機構8の中間部材83およびドリブンプレート84の一方にダイナミックダンパ10を繋ぐと共に中間部材83およびドリブンプレート84の当該一方に遠心振子式吸振装置20を繋ぐか、あるいはダンパ機構8の中間部材83およびドリブンプレート84の他方にダイナミックダンパ10と遠心振子式吸振装置20とを繋げば、省気筒エンジンと組み合わせるのに好適な流体伝動装置を得ることができる。
また、上記実施例のように、質量体としてのタービンランナ5をコイルスプリング100と係合させることにより、流体伝動装置1全体のコンパクト化を図りつつ部品点数を増加を抑えつつダイナミックダンパ10を構成することが可能となる。ただし、本発明がタービンランナ5以外の部材を質量体として用いるダイナミックダンパを備えた流体伝動装置に適用され得ることはいうまでもない。
更に、実施例の遠心振子式吸振装置20の支持部材21は、連結部材24を介してダンパ機構8の中間部材83に固定され、連結部材24は、ダンパ機構8の第1および第2コイルスプリング81,82のうちの内周側に配置される第2コイルスプリング82よりも外周側で中間部材83に固定される。これにより、遠心振子式吸振装置20の内周側にスペースを充分に確保することが可能となり、このスペースにダイナミックダンパ10のコイルスプリング100を配置することにより流体伝動装置1をよりコンパクト化することができる。
また、実施例の遠心振子式吸振装置20の複数の質量体22は、それぞれ支軸23により支持され、遠心振子式吸振装置20の支持部材21には、それぞれ質量体22が支持部材21に対して揺動するように支軸23をガイドする複数のガイド穴21aが形成されている。そして、ガイド穴21aは、連結部材24が遠心振子式吸振装置20の支持部材21に固定されたときに、流体伝動装置1の軸方向からみて連結部材24の中間部材83に対する固定部(リベット孔)と重なるように支持部材21に形成される。これにより、連結部材24を介して遠心振子式吸振装置20をダンパ機構8の中間部材83に固定する際に、遠心振子式吸振装置20の支持部材21のガイド穴21aを固定作業用の開口として利用することができるので、当該支持部材21等に形成すべき作業用の開口の数を減らして支持部材21等の剛性を良好に確保することが可能となる。
更に、実施例のダイナミックダンパ10のコイルスプリング100は、遠心振子式吸振装置20の内周側に配置され、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100と遠心振子式吸振装置20とは、流体伝動装置1の径方向からみてタービンランナ5とダンパ機構8との間に配置される。これにより、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100と遠心振子式吸振装置20とが流体伝動装置1の径方向からみて軸方向に重なることから、流体伝動装置1の軸長を短縮して装置全体をコンパクト化することが可能となる。更に、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100を遠心振子式吸振装置20の内周側に配置することで、遠心振子式吸振装置20の配置スペースを充分に確保して遠心振子式吸振装置20の質量体22のサイズ、特に径方向長さの選択の自由度を大きくすることができる。そして、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100と遠心振子式吸振装置20とを流体伝動装置1の径方向からみてタービンランナ5とダンパ機構8との間に配置することにより、流体伝動装置1の軸長増を抑えつつ、ダイナミックダンパ10のコイルスプリング100をダンパ機構8のドリブンプレート84の一方と係合させると共に遠心振子式吸振装置20の支持部材21をダンパ機構8の中間部材83に接続することが可能となる。
なお、上述の流体伝動装置1,1B,1Cおよび1Dは、ポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6を備えたトルクコンバータとして構成されるが、本発明の流体伝動装置は、ステータを有さない流体継手として構成されてもよい。また、上述の流体伝動装置1,1B,1Cおよび1Dは、単板摩擦式のロックアップクラッチ機構9の代わりに、多板摩擦式のロックアップクラッチ機構を備えるものであってもよい。更に、本発明における遠心振子式吸振装置の構成は、上述の遠心振子式吸振装置20のような構成に限られるものではない。
ここで、上記実施例等の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例等では、原動機としてのエンジンに連結されるフロントカバー3が「入力部材」に相当し、フロントカバー3に接続されたポンプインペラ4が「ポンプインペラ」に相当し、ポンプインペラ4と共に回転可能なタービンランナ5が「タービンランナ」に相当し、入力要素としてのドライブ部材80、ドライブ部材80と第1コイルスプリング81を介して係合する中間部材83および中間部材83と第2コイルスプリング82を介して係合する出力要素としてのドリブンプレート84を有するダンパ機構8が「ダンパ機構」に相当し、ダンパ機構8を介してフロントカバー3と変速装置の入力軸に接続されるダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共にロックアップを解除することができるロックアップクラッチ機構9が「ロックアップクラッチ機構」に相当し、第3弾性体としてのコイルスプリング100および当該コイルスプリング100と係合する質量体としてのタービンランナ5により構成されるダイナミックダンパ10が「ダイナミックダンパ」に相当し、支持部材21および支持部材21に対してそれぞれ揺動可能な複数の質量体22を含む遠心振子式吸振装置20が「遠心振子式吸振装置」に相当する。
ただし、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、流体伝動装置の製造分野等において利用可能である。
1,1B、1C,1D 流体伝動装置、3 フロントカバー、4 ポンプインペラ、5 タービンランナ、6 ステータ、7 ダンパハブ、7a ハブ支持部、7b プレート固定部、7c ピストン支持部、8 ダンパ機構、9 ロックアップクラッチ機構、10 ダイナミックダンパ、11 スプリング支持部材、11a 第1部材、11b 第2部材、12 係合部材、20 遠心振子式吸振装置、21 支持部材、21a ガイド穴、22 質量体、22a 金属板、22b 突起、23 支軸、24 連結部材、24a 円環状部、24b 突片、40 ポンプシェル、41 ポンプブレード、50 タービンシェル、51 タービンブレード、52 タービンハブ、60 ステータブレード、61 ワンウェイクラッチ、80 ドライブ部材、81 第1コイルスプリング、82 第2コイルスプリング、83 中間部材、83a 第1中間プレート、83b 第2中間プレート、84 ドリブンプレート、84a 調心部、90 ロックアップピストン、91 摩擦材、95 ロックアップ室、100 コイルスプリング。

Claims (6)

  1. 原動機に連結される入力部材に接続されたポンプインペラと、該ポンプインペラと共に回転可能なタービンランナと、入力要素、該入力要素と第1弾性体を介して係合する中間要素および該中間要素と第2弾性体を介して係合する出力要素を有するダンパ機構と、該ダンパ機構を介して前記入力部材と変速装置の入力軸とを連結するロックアップを実行すると共に該ロックアップを解除することができるロックアップクラッチ機構と、質量体および該質量体と係合する第3弾性体を含むダイナミックダンパと、支持部材および該支持部材に対してそれぞれ揺動可能な複数の質量体を含む遠心振子式吸振装置とを備える流体伝動装置であって、
    前記ダイナミックダンパの前記第3弾性体は、前記ダンパ機構の前記中間要素および前記出力要素の一方と係合し、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、前記ダンパ機構の前記中間要素および前記出力要素の一方または他方に接続されることを特徴とする流体伝動装置。
  2. 請求項1に記載の流体伝動装置において、
    前記第3弾性体は、前記ダンパ機構の前記出力要素と係合し、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、前記ダンパ機構の前記中間要素に接続されることを特徴とする流体伝動装置。
  3. 請求項1または2に記載の流体伝動装置において、
    前記ダイナミックダンパの前記質量体は、前記タービンランナ以外の部材であることを特徴とする流体伝動装置。
  4. 請求項2または3に記載の流体伝動装置において、
    前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材は、連結部材を介して前記ダンパ機構の前記中間要素に固定され、前記連結部材は、前記ダンパ機構の前記第1および第2弾性体のうちの内周側に配置される一方よりも外周側で前記中間要素に固定されることを特徴とする流体伝動装置。
  5. 請求項4に記載の流体伝動装置において、
    前記遠心振子式吸振装置の前記複数の質量体は、それぞれ支軸により支持され、前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材には、それぞれ前記質量体が前記支持部材に対して揺動するように前記支軸をガイドする複数のガイド穴が形成され、
    前記ガイド穴は、前記連結部材が前記遠心振子式吸振装置の前記支持部材に固定されたときに、前記流体伝動装置の軸方向からみて前記連結部材の前記中間要素に対する固定部と重なるように前記支持部材に形成されることを特徴とする流体伝動装置。
  6. 請求項2から5の何れか一項に記載の流体伝動装置において、
    前記第3弾性体は、前記遠心振子式吸振装置の内周側に配置され、前記第3弾性体と前記遠心振子式吸振装置とは、前記流体伝動装置の径方向からみて前記タービンランナと前記ダンパ機構との間に配置されることを特徴とする流体伝動装置。
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