JP2014143324A - 高周波トランス - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波トランスのばらつきを低減し、および/または、漏れインダクタンスを低減する。
【解決手段】高周波トランス2は、環状コア10と複数の欠環状巻線12と、を備える。複数の欠環状巻線12はそれぞれ、周方向に不連続部分を有し、環状コア10がそれぞれの環内に位置するように放射状に配置される。欠環状巻線12は、たとえばフレキシブル基板で形成される。複数の欠環状巻線12は、複数の第1欠環状巻線14と複数の第2欠環状巻線14を含み、複数の第1欠環状巻線12の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の一方が形成され、複数の第2欠環状巻線16の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の他方が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波トランスに関する。
高周波の交流電圧を変圧し、あるいは、互いに絶縁された2つの領域間で交流電圧を伝送するために、高周波トランスが利用される。一般的に高周波トランスは、環状コアと、環状コアに巻装された1次巻線および2次巻線を備える。従来では、巻線として平角線を用い、平角線を環状コアに巻き付けることにより、トランスを構成していた。
ここでトランスの漏れインダクタンスを小さくするためには、1次巻線と2次巻線を、高い結合度で巻装することが望まれ、そのためには、1次巻線と2次巻線を互いに重なり合うようにして巻装することが望ましい。しかしながら、平角線を重ね合わせつつ、環状コアに巻装することは困難であった。また、巻線を手作業で環状コアに巻き付ける場合には、トランスの性能の個体ばらつきが大きくなるという問題があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、ばらつきを低減し、および/または、漏れインダクタンスを低減可能な高周波トランスの提供にある。
本発明のある態様は、高周波トランスに関する。高周波トランスは、環状コアと、それぞれが周方向に不連続部分(開放部分)を有する複数の欠環状巻線と、を備える。複数の欠環状巻線はそれぞれ、環状コアがそれぞれの環内に位置した状態にて放射状に配置される。複数の欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより巻線が形成される。
この態様によると、巻線を、ターンごとに欠環状巻線に分解して構成しているため、ターンごとの巻線の形状を均一化でき、高周波トランスの特性のばらつきを抑制できる。
欠環状巻線は、フレキシブル基板で形成されてもよい。
フレキシブル基板を用いることにより、1次巻線と2次巻線を重ね合わせることが容易となり、漏れインダクタンスを低減できる。
複数の欠環状巻線は、複数の第1欠環状巻線と複数の第2欠環状巻線を含んでもよい。複数の第1欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の一方が形成され、複数の第2欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の他方が形成されてもよい。
1次巻線および2次巻線それぞれを、ターンごとに欠環状巻線に分解し、それをフレキシブル基板を用いて構成することにより、ターンごとの巻線の形状を均一化でき、高周波トランスの特性のばらつきを抑制できる。また、フレキシブル基板を用いることにより、1次巻線と2次巻線を重ね合わせることが容易となり、漏れインダクタンスを低減できる。
複数の欠環状巻線は、門型形状を有してもよい。
複数の欠環状巻線はそれぞれ、第1辺および第2辺を有するL字形状を有し、第1辺の根本および第2辺の途中で、同じ方向に折り曲げられて形成されてもよい。
第1辺を第1部分、第2辺の折れ線よりも第1辺側を第2部分、第2辺の残りを第3部分とするとき、各欠環状巻線は、第1部分が環状コアの内側に放射状に位置し、第2部分が環状コアの底面と平行に位置し、第3部分が、環状コアの外側に環状コアの側面に沿って位置するように、配置されてもよい。この場合、高周波トランスを低背化できる。
複数の欠環状巻線はそれぞれ、第1辺、第2辺、第3辺を有するコの字形状を有してもよい。
第2辺を、第1辺および第3辺に対して垂直に折り曲げてもよい。各欠環状巻線は、第1辺が環状コアの内側に放射状に位置し、第2辺が環状コアの底面と平行に位置し、第3辺が、環状コアの外側に放射状に位置するように、配置されてもよい。この場合、高周波トランスを低背化できる。
複数の第1欠環状巻線は、環状コアがそれぞれの環内に位置するように放射状に配置され、複数の第2欠環状巻線は、環状コアおよび複数の第1欠環状巻線がそれぞれの環内に位置するように放射状に配置されてもよい。
複数の第1欠環状巻線と前記複数の第2欠環状巻線は、環状コアがそれぞれの環内に位置するように、環状コアの周方向にオーバーラップして交互に放射状に配置されてもよい。
複数の欠環状巻線はそれぞれ、不連続部分が環状コアの底面側となるように配置されてもよい。
高周波トランスは、環状コアの第1底面と平行に設けられた少なくともひとつの基板をさらに備えてもよい。複数の欠環状巻線は、少なくともひとつの基板上の配線によって結線されてもよい。
高周波トランスは、環状コアの底面と平行に設けられた第1基板および第2基板をさらに備えてもよい。複数の第1欠環状巻線は、第1基板上の配線により結線され、複数の第2欠環状巻線は、第2基板上の配線により結線されてもよい。
高周波トランスは、第1基板と第2基板の間に挿入されたバリア用基板をさらに備えてもよい。
複数の欠環状巻線はそれぞれ、不連続部分が前記環状コアの外周側面側となるように配置されてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、高周波トランスのばらつきを低減し、および/または、漏れインダクタンスを低減できる。
図1(a)は、第1の実施の形態に係る高周波トランスの平面図であり、図1(b)は高周波トランスの断面図であり、図1(c)は高周波トランスの配線パターンを示す図である。 欠環状巻線および環状コアを示す斜視図である。 変形例1.2に係る高周波トランスの構成を示す断面図である。 図4(a)〜(f)は、欠環状巻線の変形例を示す図である。 図5(a)は、第2の実施の形態に係る高周波トランスの平面図であり、図5(b)は高周波トランスの断面図である。 図6(a)は、高周波トランスに使用される欠環状巻線の展開図であり、図6(b)は欠環状巻線の折りたたみ後の形状を示す平面図である。 第1基板に形成される第1配線の例を示す図である。 図8(a)は、第3の実施の形態に係る高周波トランスの平面図であり、図8(b)は高周波トランスの断面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る高周波トランス2の平面図であり、図1(b)は高周波トランス2の断面図であり、図1(c)は高周波トランス2の配線パターンを示す図である。
本実施の形態では、説明の簡潔化、理解の容易化のために、1次側、2次側それぞれの巻数(ターン数)がいずれも12の場合を例として説明するが、ターン数は特に限定されない。
トランス2は、少なくとも環状コア10および複数の欠環状巻線12を備える。複数の欠環状巻線12は、フレキシブル基板を用いて形成される。複数の欠環状巻線12は、複数の第1欠環状巻線14および複数の第2欠環状巻線16を含む。
図2は、欠環状巻線12および環状コア10を示す斜視図である。複数の欠環状巻線12はそれぞれ、周方向に不連続部分(開放部分)12aを有している。本実施の形態では、欠環状巻線12は、門型形状、より具体的にはコの字型(C型)を有している。図1(b)に示すように、本実施の形態では、第1欠環状巻線14と第2欠環状巻線16とでは形状がわずかに異なっており、具体的には、脚部12bの長さが、第2欠環状巻線16の方が第1欠環状巻線14よりも長い(図1(b)参照)。欠環状巻線12に囲まれた領域を環内12cという。
複数の第1欠環状巻線14同士は実質的に同じ形状を有し、複数の第2欠環状巻線16同士も実質的に同じ形状を有する。
欠環状巻線12は、それぞれの環内12cに環状コア10が位置するように、言い換えれば環状コア10を挟み込んだ状態で、放射状に配置される。
本実施の形態において、複数の第1欠環状巻線14と複数の第2欠環状巻線16は、環状コア10の周方向にオーバーラップするように交互に放射状に配置される。また、複数の欠環状巻線12(14、16)はそれぞれ、不連続部分12aが環状コア10の底面側(本実施の形態では、下底側)となるように配置される。
図1(c)に示すように、複数の第1欠環状巻線14の不連続部分を、複数の第1配線18によって結線することにより、1次巻線および2次巻線の一方(本実施の形態では1次巻線とする)が形成される。便宜的に3時方向に位置する第1欠環状巻線14を1番目として、反時計回りに2番、3番・・・と数えるとき、i番目(1≦i≦11)の第1欠環状巻線14_iの内側の一端と、i+1番目の第1欠環状巻線14_i+1の外側の一端が配線18によって接続される。1番目の第1欠環状巻線14の外側の一端および12番目の第1欠環状巻線14の内側の一端は、1次巻線を外部に接続するための端子P1、P2と接続される。
同様に、複数の第2欠環状巻線16の不連続部分を、複数の第2配線20によって結線することにより1次巻線および2次巻線の他方(本実施の形態では2次巻線とする)が形成される。便宜的に9時方向に位置する第2欠環状巻線16を1番目として、反時計回りに2番、3番・・・と数えるとき、j番目(1≦j≦11)の第2欠環状巻線16_jの内側の一端と、j+1番目の第2欠環状巻線16_j+1の外側の一端が配線20によって接続される。1番目の第2欠環状巻線16_1の外側の一端および12番目の第2欠環状巻線16_12の内側の一端は、2次巻線を外部に接続するための端子P3、P4と接続される。
なお、図1(c)に示される第1配線18、第2配線20は、配線の経路を模式的に示したものであり、実際の第1配線18、第2配線20のパターン、線幅、形状、厚み等は特に限定されず、自由に設計することができる。
本実施の形態において、高周波トランス2は、環状コア10および欠環状巻線12に加えて、少なくとも一枚の基板30を備える。基板30は、環状コア10を支持するとともに、基板30上には、上述の第1配線18および第2配線20が形成される。
具体的には、高周波トランス2は、環状コア10の底面と並行に設けられた第1基板32および第2基板34を備える。第1基板32上には、第1欠環状巻線14同士を接続する第1配線18が形成され、第2基板34上には、第2欠環状巻線16同士を接続する第2配線20が形成される。複数の第1欠環状巻線14は、第1基板32上の第1配線18に、はんだよって電気的、機械的に接続される。複数の第2欠環状巻線16は、第2基板34上の第2配線20に、はんだよって電気的、機械的に接続される。第1基板32と第2基板34の間には、第1基板32と第2基板34の絶縁性を高めるためのバリア用基板36が挿入される。
当然のことながら、第1基板32およびバリア用基板36には、第2欠環状巻線16の脚部12bを通すための複数の開口(不図示)が放射状に設けられている。また第1配線18が第1基板32の裏面(下側の面)に形成される場合、第1基板32には第1欠環状巻線14の脚部12bを通すための開口が放射状に設けられる。同様に第2配線20が第2基板34の裏面(下側の面)に形成される場合、第2基板34にも第2欠環状巻線16の脚部12bを通すための開口が放射状に設けられる。
配線のインピーダンスを小さくして損失を低減するために、および/または、スペースを有効に利用するために、第1配線18を第1基板32の両面に形成し、第2配線20を第2基板34の両面に形成してもよい。また、1ターンごとに複数の欠環状巻線12を並列に接続してもよい。
必要に応じて、高周波トランス2は、環状コア10および欠環状巻線12を覆うように、絶縁体(樹脂)によってモールド(封止)される。
以上が高周波トランス2の構成である。
この高周波トランス2によれば、1次巻線および2次巻線それぞれを、ターンごとに欠環状巻線12に分解し、それをフレキシブル基板を用いて構成しているため、ターンごとの巻線の形状を均一化でき、高周波トランス2の特性のばらつきを抑制できる。また欠環状巻線12の位置が、基板30上の配線パターンによって定まるため、欠環状巻線12の位置のばらつきも小さくなり、手巻きで高周波トランスを製造する場合に比べて、高周波トランス2の性能を安定化できる。
また、フレキシブル基板を用いることにより、1次巻線と2次巻線を安定的に重ね合わせながら環状コア10に巻装することが容易となり、漏れインダクタンスを低減できる。
加えて、高周波トランス2は以下の利点を有する。
高周波トランス2に大電流を流す場合、巻線の抵抗成分を低減するために配線の断面積を大きくする必要がある。一方、高周波トランス2に流れる信号の周波数が比較的高くなると、具体的には数百kHz〜数MHzのオーダーとなると、表皮効果によって電流が配線の表面に集中する。従来のように、巻線として断面が平角型あるいは円形の配線を用いたトランスでは、配線の断面積を大きくしても、配線の体積は大きくなるが、実効的なインピーダンスを有効に下げることができない。
これに対して、フレキシブル基板を用いて欠環状巻線12を形成することにより、平角型あるいは円形の配線と同じ体積であっても、表面積を大きくとることができ、インピーダンスを有効に低下させることができ、損失を低減できる。あるいは、同じ損失を想定した場合には、高周波トランス2の体積を小さくすることができる。
また、欠環状巻線12がフレキシブル基板であるため、その厚みは、平角型や円形の配線に比べて非常に薄いため、従来のトランスよりも、ターン数を大きくとることが可能となる。
続いて、第1の実施の形態の変形例を説明する。
(変形例1.1)
第1の実施の形態では、第1配線18と第2配線20を、別々の基板上に形成する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。単一の基板の一面に第1配線18を、その裏面に第2配線20を形成してもよい。あるいは多層基板を利用して、各配線層に第1配線18および第2配線20を形成してもよい。
(変形例1.2)
第1の実施の形態では、第1欠環状巻線14および第2欠環状巻線16の不連続部分12aが、環状コア10の下側底面に設けられる場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。図3は、変形例1.2に係る高周波トランス2aの構成を示す断面図である。この変形例では、第1欠環状巻線14の不連続部分12aは、環状コア10の下底面側に位置し、第2欠環状巻線16の不連続部分12aは、環状コア10の上底面側に位置しており、したがって第1基板32は環状コア10の下底面側に、第2基板34は環状コア10の上底面側に配置される。この構成によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例1.3)
図4(a)〜(f)は、欠環状巻線12の変形例を示す図である。図4(a)〜(d)には、上段に斜視図が、下段に組み立て前の展開図が示される。図4(e)、(f)には、斜視図のみが示される。
図4(a)の欠環状巻線12の展開図は、図1の欠環状巻線12と同様であるが、図1の欠環状巻線12の脚部12bの根本12dを、90度折り曲げたものである。この変形例によれば、アーチの上辺12eが環状コア10の底面と平行となるため、高周波トランス2を低背化できる。
図4(b)の欠環状巻線12の展開図は、短冊形状を有し、2箇所で同じ方向に折り曲げられる。この変形例によっても、アーチの上辺12eが環状コア10の底面と平行となるため、高周波トランス2を低背化できる。ただし、環状コア10の内側において、脚部12fが、環状コア10の内側側面と平行となるため、短冊の太さによって、巻数が制約を受けることになる。
図4(c)の欠環状巻線12の展開図は、第1辺S1および第2辺S2を有するL字形状を有する。第1辺S1の根本12gおよび第2辺S2の途中12hの2箇所で、同じ方向(山折り)に折り曲げられて、欠環状巻線12が形成される。この変形例によれば、第1辺S1は、環状コア10の内側において放射状に並ぶため、図4(b)の欠環状巻線12に比べて、巻数を多くすることができる。また、アーチの上辺S2aが、環状コア10の底面と平行となるため、高周波トランス2を低背化できる。
図4(c)の欠環状巻線12において、L字の折れ角を90度以上としてもよい。この場合、環内12cに余剰のスペースが生ずるため、欠環状巻線12の内周側に、環状コア10に加えて、別の部材を配置することが可能となる。
図4(d)の欠環状巻線12の展開図は、図4(a)の展開図を2個、線対称に並べて接続した形状を有する。この展開図を対称軸を中心として折り曲げることにより、2枚重ね合わせた欠環状巻線12を形成できる。この変形例によれば、欠環状巻線12の表面積を大きくでき、直流抵抗成分を低減できる。
図4(e)の欠環状巻線12は、図4(a)の脚部12bの先端を内側に伸ばしたものであり、不連続部分12aが図4(a)のそれに比べて狭くなっている。
図4(f)の欠環状巻線12は、図4(b)の脚部12fを、さらに内側に折り曲げたものであり、欠環状巻線12aが図4(b)のそれに比べて狭くなっている。
(第2の実施の形態)
図5(a)は、第2の実施の形態に係る高周波トランス2bの平面図であり、図5(b)は高周波トランス2bの断面図である。理解の容易化のため、巻線の一部のみが示される。
第1の実施の形態において、欠環状巻線12は、その不連続部分12aが環状コア10の底面側に位置するように配置された。これに対して第2の実施の形態では、欠環状巻線12は、その不連続部分12aが環状コア10の外周側面側となるように配置される。そして、複数の第1欠環状巻線14は、環状コア10の外周側面よりも外側において、第1配線18(不図示)によって結線される。第2欠環状巻線16も同様に、環状コア10の外周側面よりも外側において、第2配線20(不図示)によって結線される。
第2欠環状巻線16は、第1欠環状巻線14よりも脚部が長く構成される。第1欠環状巻線14は、環状コア10がそれぞれの環内に位置するように放射状に配置される。また、第2欠環状巻線16は、環状コア10および第1欠環状巻線14が環内に位置するように放射状に配置される。
円筒形状の第1基板32bは、図1の第1基板32に対応し、第1配線18(不図示)は、円筒形状の第1基板32b上に形成される。同様に、円筒形状の第2基板34bは、図1の第2基板34に対応し、第2配線20(不図示)は、円筒形状の第2基板34b上に形成される。第1基板32と第2基板34の間には、円筒形状のバリア用基板36が設けられる。環状コア10は、その底面と平行なベース基板40によって支持される。
図6(a)は、高周波トランス2bに使用される欠環状巻線12の展開図であり、図6(b)は欠環状巻線12の折りたたみ後の形状を示す平面図である。欠環状巻線12は、コの字形状を有し、折れ線13にて折り曲げられる。欠環状巻線12は、辺S1が環状コア10の内側において放射状に並ぶように配置される。
図7は、第1基板32に形成される第1配線18の例を示す図である。第1欠環状巻線14の開放端は、第1基板32にハンダ付けされる。第1基板32には、複数の第1配線18が形成される。
好ましくは、1ターンごとに、第1基板32の内面と外面に交互に第1配線18i、18oを形成することが望ましい。これにより、第1配線18の配線幅を太くし、損失を低減することができる。第2基板34と第2配線20も同様に構成され、第2欠環状巻線16と接続される。
欠環状巻線12は、1ターン毎に、2本を並列に接続してもよい。これにより、損失を低減できる。
第2の実施の形態に係る高周波トランス2bによっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、第1欠環状巻線14、第2欠環状巻線16の脚部が、環状コア10の底面と並行となるため、高周波トランス2bを低背化できる。また、環状コア10の内側において、欠環状巻線12の辺S1が放射状に配置されるため、巻数を多くとることができる。
第2の実施の形態においても、さまざまな変形例が考えられる。以下、変形例を説明する。
(変形例2.1)
第2の実施の形態では、第1配線18と第2配線20を、別々の基板上に形成する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。変形例1.1と同様に、単一の基板の一面に第1配線18を、その裏面に第2配線20を形成してもよい。あるいは多層基板を利用して、各配線層に第1配線18および第2配線20を形成してもよい。
(変形例2.2)
第2の実施の形態においても、欠環状巻線12の形状にはさまざまな変形例が考えられる。たとえば図4(a)〜(d)に示す欠環状巻線12を用いてもよい。
(第3の実施の形態)
図8(a)は、第3の実施の形態に係る高周波トランス2cの平面図であり、図8(b)は高周波トランス2cの断面図である。理解の容易化のため、巻線の一部のみが示される。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態と第2の実施の形態と組み合わせと把握できる。すなわち、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1欠環状巻線14、第2欠環状巻線16の不連続部分は、底面側に配置される。
また第2の実施の形態と同様に、第1欠環状巻線14は、環状コア10がその環内に位置するように放射状に配置され、第2欠環状巻線16は、環状コア10および第1欠環状巻線14が、その環内に位置するように放射状に配置される。
好ましくは、欠環状巻線12は、図4(c)の形状とすることができる。
第3の実施の形態によれば、第1、第2の実施の形態と同様に、高周波トランスの特性のばらつきを抑制でき、漏れインダクタンスを低減できる。また、トランスを低背化できる。
第3の実施の形態においても、さまざまな変形例が考えられる。以下、変形例を説明する。
(変形例3.1)
第3の実施の形態では、第1配線18と第2配線20を、別々の基板上に形成する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。変形例1.1と同様に、単一の基板の一面に第1配線18を、その裏面に第2配線20を形成してもよい。あるいは多層基板を利用して、各配線層に第1配線18および第2配線20を形成してもよい。
(変形例3.2)
第3の実施の形態においても、図3に示す変形例1.2と同様に、第1基板32と第2基板34を、環状コア10を挟んで反対側に対向して設けてもよい。
(変形例3.3)
第3の実施の形態においても、欠環状巻線12の形状にはさまざまな変形例が考えられる。たとえば図4(a)〜(d)に示す欠環状巻線12を用いてもよい。
以上、本発明について、いくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
実施の形態は、第1欠環状巻線14同士が同一形状を有し、第2欠環状巻線16同士が同一形状を有する場合を説明したが、異なる形状の第1欠環状巻線14を組み合わせて巻線を形成し、同様に異なる形状の第2欠環状巻線16を組み合わせて巻線を形成してもよい。
第1欠環状巻線14を、不連続部分が環状コア10の底面側となるように放射状に配置する一方、第2欠環状巻線16を、不連続部分が環状コア10の外側側面側となるように放射状に配置してもよい。
実施の形態では、断面が矩形の環状コア10を用いる場合を説明したが、環状コア10の断面は円形であってもよい。
実施の形態では、欠環状巻線12をフレキシブル基板で形成する場合を説明したが、本発明はそれに限定されない。欠環状巻線12は、フレキシブル基板よりも堅く、ある程度の加工、変形が可能なその他の材料でも形成しうる。
実施の形態では、単相トランスを例に説明したが、本発明は三相トランスなどにも適用可能である。
2…高周波トランス、10…環状コア、12…欠環状巻線、14…第1欠環状巻線、16…第2欠環状巻線、18…第1配線、20…第2配線、30…基板、32…第1基板、34…第2基板、36…バリア用基板。

Claims (12)

  1. 環状コアと、それぞれが周方向に不連続部分を有する複数の欠環状巻線と、を備え、
    前記複数の欠環状巻線はそれぞれ、前記環状コアがそれぞれの環内に位置した状態にて放射状に配置され、
    前記複数の欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより巻線が形成されることを特徴とする高周波トランス。
  2. 前記欠環状巻線は、フレキシブル基板で形成され、
    前記複数の欠環状巻線は、複数の第1欠環状巻線と複数の第2欠環状巻線を含み、前記複数の第1欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の一方が形成され、前記複数の第2欠環状巻線の不連続部分を複数の配線により結線することにより1次巻線および2次巻線の他方が形成されることを特徴とする請求項1に記載の高周波トランス。
  3. 前記複数の欠環状巻線は、門型形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高周波トランス。
  4. 前記複数の欠環状巻線はそれぞれ、第1辺および第2辺を有するL字形状を有し、前記第1辺の根本および前記第2辺の途中で、同じ方向に折り曲げられて形成されることを特徴とする請求項3に記載の高周波トランス。
  5. 前記複数の欠環状巻線はそれぞれ、第1辺、第2辺、第3辺を有するコの字形状を有することを特徴とする請求項3に記載の高周波トランス。
  6. 前記複数の第1欠環状巻線は、前記環状コアがそれぞれの環内に位置するように放射状に配置され、
    前記複数の第2欠環状巻線は、前記環状コアおよび前記複数の第1欠環状巻線がそれぞれの環内に位置するように放射状に配置されることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の高周波トランス。
  7. 前記複数の第1欠環状巻線と前記複数の第2欠環状巻線は、前記環状コアがそれぞれの環内に位置するように、前記環状コアの周方向にオーバーラップするように交互に放射状に配置されることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の高周波トランス。
  8. 前記複数の欠環状巻線はそれぞれ、不連続部分が前記環状コアの底面側となるように配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の高周波トランス。
  9. 前記環状コアの第1底面と平行に設けられた少なくともひとつの基板をさらに備え、前記複数の欠環状巻線は、前記少なくともひとつの基板上の配線によって結線されることを特徴とする請求項8に記載の高周波トランス。
  10. 前記環状コアの底面と平行に設けられた第1基板および第2基板をさらに備え、前記複数の欠環状巻線のうち1次巻線を形成する一部は、前記第1基板上の配線により結線され、前記複数の欠環状巻線のうち2次巻線を形成する一部は、前記第2基板上の配線により結線されることを特徴とする請求項8に記載の高周波トランス。
  11. 前記第1基板と前記第2基板の間に挿入されたバリア用基板をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の高周波トランス。
  12. 前記複数の欠環状巻線はそれぞれ、不連続部分が前記環状コアの外周側面側となるように配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の高周波トランス。
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