JP2014141802A - 超微細気泡を用いた井戸改修方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ストレーナー区間3近傍に、横方向への水流を創出するポンプと気体を加圧状態で水中に送出するエアレーションとで構成された超微細気泡含有水生成装置4を配設し、ストレーナー区間3の内周面に向けて、横方向への水勢を付与した超微細気泡含有水を噴射することにより、鉄スケール等の付着物に圧壊作用等を有する超微細気泡を効率よく浸透、吸着させ、ストレーナー区間3に付着した鉄スケール等の離脱を促進する。次に、揚水ポンプ等を用いて連続揚水を行うことで、ストレーナー区間3を損傷することなく付着物等を除去し、容易に井戸の揚水能力を向上する。
【選択図】 図1
Description
また、エアレーションに供給する加圧気体は、超微細気泡含有水生成装置を配設する水深における水圧に、僅か0.1MPa程度加えた気圧を供給すればよく、水深500m程度の深井戸であれば、高圧の二酸化炭素等の気体が充填された市販の5MPa対応耐圧ボンベの使用で済み、操作性に優れていると共に、地上部に大型の水槽等が不要で装置全体の小型化を図れる点、ナノ・マイクロバブルの発生をストレーナー区間内においてのみ行うことから、短時間のうちに地上からの簡単な牽引操作によって作業時間の短縮を図れる点においても優位なものといえる。
水中に、20nm〜500μm程度の微細な気泡を生成する超微細気泡含有水生成装置4は、井戸ケーシング内の水を取り入れる吸水口と、微細気泡含有水を吐出する噴出口とを有する筒状体で形成され、筒状体内には少なくとも、水流を創出する送水ポンプ10と、送水ポンプ10を起動するモータと、気体を加圧状態で水中に送出するエアレーション11が収納され、該エアレーション11の気体透過面より水中に送出される加圧状態の気体が、該送出の初期段階において、送水ポンプで創出された水流により剪断されることで水中に超微細な気泡が含有される。
エアレーション11に送気された加圧気体は、エアレーションに気体透過材として装着された、高分子樹脂フィルムに発生させたクレーズを構成する微細なボイド(連通孔)を拡張して強制的に透過される。一方、加圧気体はボイドの微細な空孔に透過量を制限されながら徐々に微細な泡となって水中に送出されるが、該微細な泡が水中に送出される初期段階において、ポンプで創出された水流により剪断されることで水中に超微細な気泡が含有される。
加圧された微細な気泡が容易に液中に融合されることは、次式により表される。
w=kP
この式においてwは液体に溶ける気体の質量、Pは気体の圧力であり、kは比例定数である。
このことから、溶ける気体の質量は気体の圧力に正比例することが解る。
つまり液体に気体が溶けるときには、その液体に接触している気体の圧力が高くなるほど多くの気体が液体に溶けることになるのである。
本発明に用いられる泡のサイズは、高分子樹脂フィルムに発生させたクレーズを構成する微細なボイド(連通孔)に透過量を制限されながら徐々に微細な泡となって水に溶解、或いは混合される程度に微細な直径20nm〜500μm程度の小さな泡であり、不純物に泡を吸着させて水面へゆっくりと浮上させることもできる。
本発明に用いられる泡の成分は、溶解性の二酸化炭素であることから、短時間のうちに界面活性化作用が促進され、作業時間の短縮を図ることが可能となる。空気の場合、空気中に存在する難溶性の窒素、酸素等の成分が主であることから、二酸化炭素等を混合することにより、界面活性化作用を促進させ、作業時間の短縮を図ることができる。また、空気を単独で使用する場合は、サイズの更に小さい多量の泡を発生させることにより、界面活性化作用を促進させて作業時間の短縮を図ることができる。
高分子樹脂フィルムの素材として使用される高分子樹脂としては、フィルム或いはシートの成形が可能な熱可塑性樹脂であれば特別に制限されるものではない。その様な熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等を挙げることができる。
高分子樹脂フィルムにクレージング処理を施すことにより発生されたクレーズは、基本的に、特許第3156058号公報に開示されているものと同様なものであり、高分子樹脂フィルムの分子配向の方向と略平行に、幅が一般に0.5〜100μm、好ましくは1〜50μmのものである。このクレーズが、フィルムの厚み方向に貫通しているクレーズの数の割合が全クレーズの数に対して10%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上必要であり、貫通している割合が上記範囲未満であると十分な通気性が得られ難くなる。
クレーズの気体透過性能は、用いる樹脂の種類により異なるが、例えばポリ弗化ビニリデンのホモ重合体を用いると、酸素及び窒素ガスのガス透過度で一般に(0.3〜100,000×104)cm3/m2・24hr・atmの範囲内のものに、透湿度で一般に(10〜100,000×104)g/m2・24hrの範囲内のものに、引張強度で一般に5〜50MPa、好ましくは6〜50MPa、特に好ましくは7.5〜50MPaの範囲内のものにすることができる。
2 井戸ケーシング
3 ストレーナー
4 超微細気泡含有水生成装置
5 起電源機器・制御機器
6 圧縮気体収納容器または圧縮気体生成機器、調圧器
7 鉄スケール等付着物
8 地盤の空隙、割れ目
9 充填砂利
10 送水ポンプ
11 エアレーション
12 噴出口
13 吸水口
更に、これらの方法ではストレーナー区間外側の洗浄については不十分となって、必ずしも有効な方法とは云い難く、装置も大掛かりとなる。
これらの作用を活用することにより、ストレーナー区間の一部が損傷や破損している場合であっても、該ストレーナー区間に及ぼす水勢は極めて小さいことから、それ以上の破損や劣化を増長させることなく井戸ケーシングにおけるストレーナー区間の内側と外側に集積する付着物を容易に除去することが出来る。
また、エアレーションに供給する加圧気体は、超微細気泡含有水生成装置を配設する水深における水圧に、僅か0.1MPa程度加えた気圧を供給すればよく、水深500m程度の深井戸であれば、高圧の気体が充填された市販の5MPa対応耐圧ボンベの使用で済み、操作性に優れていると共に、地上部に大型の水槽等が不要で装置全体の小型・軽量化を図れる点、ナノ・マイクロバブルの発生をストレーナー区間内においてのみ行うにあっては、短時間のうちに地上からの簡単な牽引操作によって作業時間の短縮を図れる点においても優位なものといえる。
超微細な気泡は浮力が小さく、さらに気泡同士が合体しない特質を有するものであり、超微細な気泡が短時間で浮上しないことから、噴出口より放出された超微細な気泡は、ストレーナーが配設されてなるストレーナー区間近傍において気泡群の長期滞留作用を発現して、除去対象物への吸着促進が有効になされる。
超微細気泡の短時間での溶解作用は、特に深度が深くなるほど顕著となる。
連続揚水は超微細気泡含有水生成装置4を引き上げ、水中ポンプを所定の深度に設置した後、強制的に行われるが、図1に示す方法においては、物理的にも大きな外力が加えられないことにより、ストレーナー区間に集積している硬質で膠着した鉄スケール等の付着物が、強引に掻出されることはない。
本発明に用いられる超微細気泡は、短時間のうちに界面活性化作用が促進され、作業時間の短縮を図ることが可能となる。
空気を主たる気体として用いる場合、空気中に存在する難溶性の窒素、酸素等の成分が主であることから、二酸化炭素等を混合することにより、界面活性化作用を促進させ、作業時間の短縮を図ることができる。
また、空気を単独で使用しても、サイズの更に小さい多量の泡を発生させることにより、界面活性化作用を促進させて作業時間の短縮を図ることができる。
2 井戸ケーシング
3 ストレーナー区間
4 超微細気泡含有水生成装置
5 起電源機器・制御機器
6 圧縮気体収納容器または圧縮気体生成機器、調圧器
7 鉄スケール等付着物
8 地盤の空隙、割れ目
9 充填砂利
10 送水ポンプ
11 エアレーション
12 超微細気泡含有水噴出口
13 吸水口
Claims (3)
- 地下水導入用の井戸ケーシングに設けられたストレーナーに集積する鉄スケール等の付着物を除去する方法であって、井戸ケーシング内ストレーナー近傍に配設された少なくとも水流を創出するポンプと、気体を加圧状態で水中に送出するエアレーションで構成される超微細気泡含有水生成装置の噴出口より、該ストレーナーの内周面に微細気泡含有水を放射状に噴出して該鉄スケール等の付着物中に該微細気泡を浸透、並びに該鉄スケール等の付着物表面に吸着させた後、連続揚水によって該ストレーナーから該鉄スケール等付着物の離脱を促進するもので、水に含有される気泡が圧壊作用を有する加圧状態の気体からなるナノ・マイクロサイズの超微細な気泡であることを特徴とする井戸の改修方法。
- エアレーションにおける、加圧状態の酸素,二酸化炭素等の気体透過が、耐圧ボンベに充填された高圧の酸素、二酸化炭素等の気体を制御して該エアレーションに送気してなることを特徴とする請求項1に記載の井戸の改修方法に用いる超微細気泡含有水生成装置。
- エアレーションに送気される加圧状態の気体が、二酸化炭素もしくは二酸化炭素と他の気体からなる混合ガスもしくは空気であることを特徴とする請求項1に記載の井戸改修方法。
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JP2013009983A JP2014141802A (ja) | 2013-01-23 | 2013-01-23 | 超微細気泡を用いた井戸改修方法およびその装置 |
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2013
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