JP2014140925A - 直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータ - Google Patents

直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータ Download PDF

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Abstract

【課題】 バネが自然長になることに依存せずに間接トルクを補償するバランサー装置を実現できる、直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータを提供する。
【解決手段】 第1ベース部2に回転自由に接続された第1回転体3aと、第1ベース部と相対変位する第2ベース部4に回転自由に接続された第2回転体5aと、第1回転体の第1側面7xと第2回転体の側面5xとに巻き付けられて張り渡される第1可撓性連結部材6aと、第1回転体の第2側面7yと第2回転体の側面とに巻き付けられて張り渡されかつ、第1可撓性連結部材とは逆方向のトルクを作用させる第2可撓性連結部材6bとを備え、第1側面及び第2側面が、第1回転体の回転角度θにかかわらずR≧0かつ、R+3×dR/dθ<0となるθがある形状であり、RはR−Rであり、R、Rは第1及び第2側面での第1回転体の回転中心から可撓性連結部材の厚み中心までの距離である。
【選択図】図1

Description

本発明は、直動動作と回転動作とを相互に変換する直動回転変換装置において、動滑車機構を用いることで、直動動作と回転動作との変換比の振動的な変化を可能にする、直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータに関する。
バネの発生力をワイヤ等の可撓性部材を介して回転トルクに変換する直動回転変換装置として、リンク構造式の装置(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)、及び、非円形プーリ式の装置(例えば、特許文献2、非特許文献2参照)が知られている。このような直動回転変換装置は、マニピュレータの自重補償用のバランサー装置等に用いられる。このうち、水平軸回りにアームが回転し、アーム先端が上下動するマニピュレータのバランサー装置では、バネの発生力をワイヤ等の可撓性連結部材に作用させ、可撓性連結部材に作用する張力を、直動回転変換装置を用いて水平軸回りのトルクに変換して、アームの自重による水平軸回りのトルクと釣り合わせている。アームの質量をMとし、水平軸からアーム重心までの距離をLとし、アームの垂直上方からの角度をθとする。すると、アームの自重によるトルクは、MLsinθと表される。直動回転変換装置は、バネ定数をKとし、バネ変位をXとしたときのバネの発生力KXがMLsinθと釣り合うように、角度θに応じて変換比を変化させながら直動回転変換を行っている。
特許第4144021号公報 特開2009−291843号公報
日本機械学会論文集(C編)77巻777号の2042〜2051ページ、2011年5月発行 日本ロボット学会誌28巻1号の77〜84ページ、2010年1月発行
アームの自重による水平軸回りのトルクは、θ=0とθ=πとにおいて0となる。すなわち、アームが垂直上方を向いた状態と垂直下方を向いた状態との二つの状態においては、アームの自重によるトルクが0になるので、バネの発生力による水平軸回りのトルクも0にする必要がある。従来のリンク構造式及び非円形プーリ式の構成で、θ=0〜πの範囲で釣り合いをとるためには、水平軸から張力が作用する可撓性連結部材までの距離が0となる状態を作ることで、一方の自重によるトルク0の状態に対応している。また、もう一方の自重によるトルク0の状態については、バネが自然長になることで、発生力が0になる状態を利用せざるを得なかった。したがって、アームの上下動が行われる際に、可撓性連結部材に作用する張力は大きく変動することになる。可撓性連結部材は、屈曲しやすくする観点から剛性の向上には限界があるため、可撓性連結部材の伸び量が動作中に大きく変動することになり、正確な自重補償が困難になるとともに、張力が小さい状態ではプーリへの押し付け力が弱くなり、機構的に不安定な状態となることでも、正確な自重補償が困難になるという課題があった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、直動側に作用するバネが自然長になることに依存せずにマニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置を容易に実現できる、直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、第1ベース部と、
前記第1ベース部に回転自由に接続される第1回転体と、
前記第1ベース部に対して相対的に直動可能に設けられた第2ベース部と、
前記第2ベース部に回転自由に接続される第2回転体と、
一端が前記第1回転体の第1側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡される第1可撓性連結部材と、
一端が前記第1回転体の第2側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡されかつ、前記第1可撓性連結部材とは逆方向のトルクを、張力によって前記第1回転体と前記第2回転体とに作用させる第2可撓性連結部材と、
を備え、
前記第1側面及び前記第2側面は、その形状が、前記第1回転体の回転角度θにかかわらずR≧0となるとともに、R+3×dR/dθ<0となる回転角度θが存在するよう形作られた側面であり、
RはR−Rであり、
θは、前記第1回転体が巻き付けられた前記第1可撓性連結部材が解かれる方向を正とする前記第1回転体の回転角度であり、
は、前記第1回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
は、前記第1回転体の前記回転中心から前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
前記第2回転体の側面は、その形状が、前記第2回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材及び前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた側面であり、
前記第2ベース部の直動と前記第1回転体の回転とを変換、若しくは、前記第1ベース部の直動と前記第2回転体の回転とを変換する、直動回転変換装置を提供する。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、並びに、システム及び方法の任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様によれば、直動回転変換装置の直動側に作用する力は、動滑車に力を加えた場合と同様に、第1可撓性連結部材及び第2可撓性連結部材を介して回転側に伝えられる。回転側には、第1可撓性連結部材の張力により作用するトルクと第2可撓性連結部材の張力により作用するトルクとが、それぞれ逆方向に作用するようになる。すなわち、本発明の前記態様によれば、第1可撓性連結部材を介した変換により、直動側に作用する力を角度に応じて異なる比で回転側のトルクに変換するとともに、第2可撓性連結部材を介した変換により、回転側に作用する余剰トルクをキャンセルできるようになる。よって、直動側に作用するバネが自然長になることに依存せずに、マニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置を容易に実現できる、直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第1実施形態における直動出力化装置のθ=0における概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における直動出力化装置のθ=0における概略を示す左側面図である。 本発明の第1実施形態における直動出力化装置のθ=−π/2における概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における直動出力化装置のθ=−πにおける概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における第1回転板の形状とθ=0における共通接線との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における第1回転板の形状とθ=−π/2における共通接線との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における第1回転板の形状とθ=−πにおける共通接線との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における第1回転板の形状と曲率半径との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における基準円と共通接線と第1回転板の形状との関係を示す図である。 曲率半径の式における(α/(α−β))及び(β/(β−α))とα/|β|との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における別の構成の直動出力化装置のθ=0における概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における別の構成の直動出力化装置のθ=0における概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における第1直動出力化装置を用いたマニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置のθ=0における概略を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における第1直動出力化装置を用いたマニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置のθ=0における概略を示す左側面図である。 本発明の第1実施形態における第1直動出力化装置を用いたマニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置のθ=−π/2における概略を示す正面図である。
本発明の実施形態について説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、第1ベース部と、
前記第1ベース部に回転自由に接続される第1回転体と、
前記第1ベース部に対して相対的に直動可能に設けられた第2ベース部と、
前記第2ベース部に回転自由に接続される第2回転体と、
一端が前記第1回転体の第1側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡される第1可撓性連結部材と、
一端が前記第1回転体の第2側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡されかつ、前記第1可撓性連結部材とは逆方向のトルクを、張力によって前記第1回転体と前記第2回転体に作用させる第2可撓性連結部材と、
を備え、
前記第1側面及び前記第2側面は、その形状が、前記第1回転体の回転角度θにかかわらずR≧0となるとともに、R+3×dR/dθ<0となる回転角度θが存在するよう形作られた側面であり、
RはR−Rであり、
θは、前記第1回転体が巻き付けられた前記第1可撓性連結部材が解かれる方向を正とする前記第1回転体の回転角度であり、
は、前記第1回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
は、前記第1回転体の前記回転中心から前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
前記第2回転体の側面は、その形状が、前記第2回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材及び前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた側面であり、
前記第2ベース部の直動と前記第1回転体の回転とを変換、若しくは、前記第1ベース部の直動と前記第2回転体の回転とを変換する、直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動回転変換装置の直動側に作用する力は、動滑車に力を加えた場合と同様に、第1可撓性連結部材及び第2可撓性連結部材を介して回転側に伝えられる。回転側には、第1可撓性連結部材の張力により作用するトルクと第2可撓性連結部材の張力により作用するトルクとが、それぞれ逆方向に作用するようになる。すなわち、本発明の前記態様によれば、第1可撓性連結部材を介した変換により、直動側に作用する力を角度に応じて異なる比で回転側のトルクに変換するとともに、第2可撓性連結部材を介した変換により、回転側に作用する余剰トルクをキャンセルできるようになる。よって、直動側に作用するバネが自然長になることに依存せずに、マニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置を容易に実現できる、直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第2態様によれば、前記第1回転体は、前記第1側面を有する第1回転板と、前記第2側面を有する第2回転板とで構成される第1の態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、第1回転体の製作が容易になると共に、第1可撓性連結部材と第2可撓性連結部材が干渉しにくくなるので、より製作の容易な直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第3態様によれば、前記第2側面は、その形状が、前記第1回転体の回転中心から前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた湾曲側面である第1又は2の態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、第1回転体部の側面の形状が単純になるので、より製作の容易な直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第4態様によれば、前記第1側面が、異なる曲率半径をそれぞれ有する複数の円弧の集りで形成される湾曲した面であり、各曲率半径の中心は前記第1側面より前記第1回転体の回転中心側に位置する第1〜3のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、第1回転体の回転中心から第1可撓性連結部材の厚み中心までの距離が回転角度に応じて連続的に変化するようになるので、回転角度変化に伴う特性変化がなめらかな直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第5態様によれば、前記第2側面が、異なる曲率半径をそれぞれ有する複数の円弧の集りで形成される湾曲した面であり、各曲率半径の中心は、前記第1側面より前記第1回転体の回転中心側に位置する第1〜4のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、第1回転体の回転中心から第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が回転角度に応じて連続的に変化するようになるので、回転角度変化に伴う特性変化がなめらかな直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第6態様によれば、前記第1可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向とが平行になるように、前記第1可撓性連結部材の張り渡し位置を規制する第1滑車部をさらに備える第1〜5のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、前記第1ベースと前記第2ベースが相対変位しても、前記第1可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向が変化しなくなるので、より設計の容易な直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第7態様によれば、前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向が平行になるように、前記第2可撓性連結部材の張り渡し位置を規制する第2滑車部をさらに備える第1〜6のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、前記第1ベースと前記第2ベースが相対変位しても、前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向が変化しなくなるので、より設計の容易な直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第8態様によれば、前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向が平行になる位置に、前記第2回転体の回転中心を配置した第7の態様に記載の直動回転変換装置を提供する。
このような構成によれば、前記第1ベースと前記第2ベースが相対変位しても、前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向が変化しなくなるので、より設計の容易な直動回転変換装置が得られるようになる。
本発明の第9態様によれば、第1〜8のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置と、
前記直動回転変換装置に接続される弾性装置とを備え、前記弾性装置の発生力を変換することで外部負荷に対するバランス力を発生させるバランサー装置を提供する。
このような構成によれば、前記第1〜8のいずれか1つの態様に記載の直動回転変換装置を備えたバランサー装置を構成することができて、前記直動回転変換装置の作用効果を奏することができるバランサー装置を得ることができる。
本発明の第10態様によれば、アームと、
前記アームの自重により発生する関節トルクを補償する第9の態様に記載のバランサー装置とを備えるマニピュレータを提供する。
このような構成によれば、前記第9の態様に記載のバランサー装置を備えたマニピュレータを構成することができて、前記バランサー装置の作用効果を奏することができるマニピュレータを得ることができる。
以下、本発明の実施形態にかかる直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータについて、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
<構成>
図1、及び図2は、本発明の第1実施形態における直動回転変換装置の一例として機能する直動出力化装置1aのθ=0における概略をそれぞれ正面と左側面とにて示す。図3は、本発明の第1実施形態における直動出力化装置1aのθ=−π/2における概略を示す。図4は、本発明の第1実施形態における直動出力化装置1aのθ=−πにおける概略を示す。
第1直動出力化装置1aは、第1ベース部の一例としてのベース板2と、第1回転体の一例としての第1複合板3aと、第2ベース部の一例としてのスライダ4と、第2回転体の一例としての第1円板5aと、第1可撓性連結部材の一例としての第1スチールベルト6aと、第2可撓性連結部材の一例としての第2スチールベルト6bとを備える。
第1複合板3aは、第1側面7xを有する第1回転板7aと、第2側面7yを有する第2回転板7bとで構成されて、ベース板2に回転自由に接続される。一例として、第2回転板7bは円板であり、第1回転板7aは湾曲面を有する一種の円弧カムである。第1回転板7aには、第1スチールベルト6aの一端(図1において第1回転板7aと接触している部分)が固定され、第1複合板3aが反時計回りに回転するにしたがって第1側面7xに第1スチールベルト6aが巻き付けられるよう構成されている。図4において、第1スチールベルト6aが巻き付けられている範囲までが、第1側面7xとなる。第1側面7xは湾曲面である。第2回転板7bには、第2スチールベルト6bの一端(図4において第2回転板7bと接触している部分)が固定され、第1複合板3aが時計回りに回転するにしたがって第2側面7yに第2スチールベルト6bが巻き付けられるよう構成されている。図1において、第2スチールベルト6aが巻き付けられている範囲までが第2側面7yとなる。第2側面7yは湾曲面である。第1複合板3aには、回転軸8が固定されており、回転軸8は、ベース板2に対して回転自由に連結されている。一例として、第2回転板7bでは、円板の中心位置に回転軸8が固定されており、第1回転板7aでは、円弧カムの中心から偏心した位置に回転軸8が固定されている。
スライダ4は、ベース板2に対して相対的に直動可能に設けられている。具体的には、スライダ4は、ベース板2の下端に固定されて下向きに垂下されたガイドレール9に対して、図1及び図2の上下方向に移動自由に連結されている。スライダ4には、表面側に固定軸10が突出して固定されている。固定軸10に対して、第1円板5aがその中心位置で回転自由に連結されている。第1円板5aの湾曲側面5xには、第1スチールベルト6aの他端が固定され、第1円板5aが反時計回りに回転するにしたがって第1スチールベルト6aが第1円板5aの湾曲側面5xに巻き付けられるよう構成されている。また、第1円板5aの湾曲側面5xには、第2スチールベルト6bの他端も固定され、第1円板5aが時計回りに回転するにしたがって第2スチールベルト6bが第1円板5aの湾曲側面5xに巻き付けられるよう構成されている。
第1スチールベルト6aは、第1回転板7aと第1円板5aとの間で第1滑車11aに掛けられることで、第1滑車11aから第1円板5aまでの間においてスライダ4の移動方向(すなわち、図1の上下方向)と平行になるよう構成されている。第1滑車11aは、ベース板2の表面の下部に固定された滑車軸12aに対して回転自由に連結されている。第2スチールベルト6bは、第2回転板7bと第1円板5aとの間で第2滑車11bに掛けられることで、第2滑車11bから第1円板5aまでの間においてスライダ4の移動方向(すなわち、図1の上下方向)と平行になるよう構成されている。第2滑車11bは、ベース板2の表面の下部に固定された滑車軸12bに対して回転自由に連結されている。よって、第1滑車11aと第2滑車11bとは、ベース板2の表面側で、ガイドレール9の軸方向を間に挟むように位置している。なお、回転軸8の軸心と固定軸10の軸心は、ガイドレール9の軸方向上に配置されている。
次に、この第1直動出力化装置1aの作用を説明する。
図1の状態では、回転軸8を介して第1複合板3aに作用する反時計回りのトルクTは、第1スチールベルト6aの張力により第1回転板7aに作用する時計回りのトルクと、第2スチールベルト6bの張力により第2回転板7bに作用する反時計回りのトルクとの合成トルクと釣り合う。回転自由な第1円板5aには、第1スチールベルト6aの張力による時計回りのトルクと第2スチールベルト6bの張力による反時計回りのトルクとの合成トルクが作用するが、加減速を伴わない定常状態では、第1円板5aに作用する合成トルクは0になる。
第1円板5aの外形は円であり、第1スチールベルト6aの厚みは一定である。このため、第1円板5aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離、すなわち、第1円板5aから第1滑車11aまで張り渡される第1スチールベルト6aの厚み中心の線まで、第1円板5aの回転中心から引いた垂線の長さは、第1円板5aの半径と第1スチールベルト6aの厚みの半分との和となり、第1円板5aの回転角度にかかわらず一定となる。同様に、第2スチールベルト6bの厚みは第1スチールベルト6bの厚みと等しく一定である。このため、第1円板5aの回転中心から第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離、すなわち、第1円板5aから第2滑車11bまで張り渡される第2スチールベルト6bの厚み中心の線まで、第1円板5aの回転中心から引いた垂線の長さは、第1円板5aの半径と第2スチールベルト6bの厚みの半分との和となり、第1円板5aの回転角度にかかわらず一定となる。したがって、第1円板5aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離と第1円板5aの回転中心から第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離とは常に等しくなる。このため、第1スチールベルト6aの張力と第2スチールベルト6bの張力とは、加減速を伴わない定常状態では常に等しくなる。なお、ここでいう厚み中心までの距離とは、張力を伝達する主要部分の厚みに対する中心までの距離であり、トルク/張力で表される半径に相当する。すなわち、可撓性連結部材の一例としての第1スチールベルト6a又は第2スチールベルト6bの表面に突起状の構造を付加する等の加工が行われても、厚み中心までの距離は変化しない。
よって、第1複合板3aに作用する反時計回りのトルクTにより発生する第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとの張力Nは、第1複合板3aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離Rと、第1複合板3aの回転中心から第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離Rとを用いて、N=T/(R−R)と表される。第1複合板3aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離とは、第1回転板7aから第1滑車11aまで張り渡される第1スチールベルト6aの厚み中心の線まで、第1複合板3aの回転中心から引いた垂線の長さである。第1複合板3aの回転中心から第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離とは、第2回転板7bから第2滑車11bまで張り渡される第2スチールベルト6bの厚み中心の線まで、第1複合板3aの回転中心から引いた垂線の長さである。第1実施形態では、第2回転板7bの外形(第2側面7y)は円であることから、第1複合板3aの回転角度にかかわらず、距離Rは一定である。
スライダ4には、固定軸10及び第1円板5aを介して、第1スチールベルト6aの張力と第2スチールベルト6bの張力との和が上向きの力F=2Nとして作用する。したがって、第1直動出力化装置1aにより、回転軸8に作用する反時計回りのトルクTを、スライダ4の上向きの力F=2T/(R−R)に、変換することができる。
第1実施形態では、回転軸8に作用する反時計回りのトルクT=−Asinθ(−π≦θ<0)を、スライダ4の上向きの力F=K(X+X)に変換する。ここで、A、K、Xは正の定数である。後述のマニピュレータ31の関節トルクを補償するバランサー装置32においては、定数Aはマニピュレータの自重による最大関節トルクに相当し、定数Kはバネ定数に相当し、定数Xはバネの最小変位に相当する。前記トルクTの式の中のθは第1複合板3aの回転角度を表し、図1の状態がθ=0となる。回転角度θは、第1複合板3aが反時計回りに回転するほど減少し、図4の状態がθ=−πとなる。前記力Fの式の中のXはスライダ4の変位を表し、図1の状態がX=0となる。変位Xは、スライダ4が上に移動するほど増加し、図4の状態がX=Xmaxとなる。図4の状態でも、第1円板5aはベース2には接触せず、回転可能になっている。
エネルギーの釣り合いより、X=−X+sqrt(2A(1−cosθ)/K+X )となり、Xmax=−X+sqrt(4A/K+X )となる。力Fを回転角度θの関数として表すと、F=sqrt(2AK(1−cosθ)+K )となる。したがって、R=R−2Asinθ/sqrt(2AK(1−cosθ)+K )≧Rとなる。第1回転板7aの第1側面7xは、第1回転板7aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離がRとなるように形作られる。
第1回転板7aの第1側面7xの形状について、さらに詳しく説明する。第1複合板3aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離がRになる形状とは、それぞれの回転角度θにおいて、第1複合板3aの回転中心と同軸の半径Rの円と第1滑車11aのピッチ円との共通接線を引いたときの全ての共通接線に接する曲線が外形となる形状である。
この様子を、図5A、図5B、及び、図5Cに示す。
図5Aは、θ=0における状態であり、R=Rの基準円71aと第1滑車11aのピッチ円との共通接線として、共通接線72aが引かれる。
図5Bは、θ=−π/2における状態であり、R=R−2A/sqrt(2AK+K )の基準円71bと第1滑車11aのピッチ円との共通接線として、共通接線72bが引かれる。
図5Cは、θ=−πにおける状態であり、R=Rの基準円71cと第1滑車11aのピッチ円との共通接線として、共通接線72cが引かれる。
第1回転板7aの外形の実線で表される第1側面部分は、共通接線72aと、共通接線72bと、共通接線72cとの全てに接する曲線になっている。この部分が、第1回転板7aの形状の主たる部分になる。この曲線により規定される第1回転板7aの第1側面部分(第1側面7xの形状)は、屈曲部が無く、滑らかに湾曲した面であり、図6に示すように、異なる曲率半径R’、R’、R’をそれぞれ有する複数の微小な円弧73a、73b、73cの集まり(例えば、微小な円弧の無限個の集まり)で形成される湾曲した面として表現することもできる。このとき、第1回転板7aの第1側面部分の形状は、第1回転板7aの回転中心から見て常に凸形状になる。このため、曲率半径R’、R’、R’の円弧の中心74a、74b、74cは、第1回転板7aの外形(第1側面7x)に対して、常に第1回転板7aの回転中心側に存在するようになる。なお、図5A、図5B、及び、図5Cにおいて、第1回転板7aの外形のうちの破線で表される部分については、第1複合板3aの回転中に第1スチールベルト6aと接触しないように、全ての共通接線に接触しない形状であれば、自由に選択することができる。
第1回転板7aの形状について、図7を用いてさらに詳しく説明する。図7は、ある回転角度θにおける基準円71と共通接線72と第1回転板7aの外形との関係を示している。図中のWは、基準円71と共通接線72との接点と、第1回転板7aの第1側面7xと共通接線72との接点との間隔を表している。θは、第1軸9aの中心とそれぞれの接点とを結んだ線がなす角を表している。Rcは、第1軸9aの中心から第1回転板7aの第1側面7xと共通接線72との接点までの距離を表している。
まず、第1複合板3aの回転中心と第1滑車11aの回転中心との間隔が無限である場合について説明する。この場合、共通接線72の方向は、回転角度θが変化しても、常に、第1複合板3aの回転中心と第1滑車11aの回転中心とを結んだ方向となる。このとき、第1回転板7aの第1側面7xの形状は、回転角度θの関数としての距離Rと角θとを用いて、半径Rと角度θ+θとでプロットした形状となる。距離Rはsqrt(R +W)であり、角θはtan−1(W/R)で表される。第1複合板3aの回転中心と第1滑車11aの回転中心との間隔が無限である場合は、距離Rを回転角度θで微分したdR/dθを間隔Wとする。このようにすることで、それぞれの回転角度θにおける全ての共通接線に接する第1回転板7aの第1側面7xの形状を得ることができる。
次に、第1複合板3aの回転中心と第1滑車11aの回転中心との間隔が有限の値Yで表される場合について説明する。この場合、共通接線72の向きが、回転角度θにより変化するようになる。このため、第1回転板7aの第1側面7xの形状は、半径Rと回転角度θ+θ−sin−1((R+R)/Y)とでプロットした形状となる。このとき、共通接線72の方向は、第1複合板3aの回転中心と第1滑車11aの回転中心とを結んだ方向からsin−1((R+R)/Y)だけ傾くようになる。ただし、Rは第1滑車11aのピッチ円半径である。そして、間隔Wを
Figure 2014140925
とすることで、それぞれの回転角度θにおける全ての共通接線に接する第1回転板7aの第1側面7xの形状を得ることができる。さらに、第1実施形態のように、第1回転板7aと第1滑車11aとで第1スチールベルト6aの曲げ方向が逆になる構成ではなく、後述の別の構成のように曲げ方向が同じになる構成にする場合には、R+Rを全てR−Rで置き換えることで、第1回転板7aの第1側面7xの形状を得ることができる。ただし、以上のようにして求められる第1回転板7aの第1側面7xの形状は、第1滑車11aのピッチ円に相当するものであるため、実際に製作すべき形状は、回転中心側の法線方向に第1スチールベルト6aの厚みの半分だけオフセットした形状となる。
第1回転板7aの第1側面7xの形状について前述の通り規定したが、実現可能な形状になるためには、距離Rにも条件がある。第1回転板7aの第1側面7xの曲率半径R’を式で表すと、R’=R+(α/(α−β))(d/dθ)−(β/(β−α))(R±R)となる。ここで、α=sqrt(Y−(R±R))であり、β=dR/dθである。R±Rは、第1実施形態のように第1回転板7aと第1滑車11aとで第1スチールベルト6aの曲げ方向が逆になる場合はR+Rとなり、後述の第2実施形態のように曲げ方向が同じになる場合はR−Rとなる。図8に、(α/(α−β))及び(β/(β−α))とα/|β|との関係を示す。図8より、α≪|β|の場合には曲率半径R’は半径Rに収束し、α≫|β|の場合には曲率半径R’はR+d/dθに収束することがわかる。αが距離R以上になるのは値Yが大きくなれば容易に実現されるが、|β|が距離R以上になるには指数関数的な急激な変化が必要になる。したがって、α/|β|>3程度が現実的に想定される範囲となる。この場合、R+3×d/dθが負の値になるような状態だと、曲率半径R’が負になる危険性が高いことになる。全ての回転角度θに対して曲率半径R’が正の値を維持できれば、第1回転板7aの第1側面7xの形状は曲率半径の中心が常に第1複合板3aの回転中心側に存在する形状になる。このため、第1スチールベルト6aを巻き付けることが可能な形状となるが、曲率半径R’が負になる場合、曲率半径の中心が第1複合板3aの回転中心とは反対側に位置するようになり、第1スチールベルト6aを巻き付けることのできない形状となる。
第1実施形態では、R=R−2Asinθ/sqrt(2AK(1−cosθ)+K )であるので、距離Rは距離Rにより調節可能である。R=R−Rとして、R+3×dR/dθ<0となる回転角度θが存在する特性を実現する場合、従来の単一の非円形プーリを用いた変換では不可能であっても、第1実施形態では距離Rの効果により実現可能になる。すなわち、曲率半径R’は距離Rとd/dθとの影響が支配的なので、これらが増加するよう距離Rを選定すればよい。第1実施形態におけるR=−2Asinθ/sqrt(2AK(1−cosθ)+K )についても、R+3×dR/dθ<0となる領域が存在し、単一の非円形プーリを用いた変換では実現不可能である。距離Rを一定とする構成は、距離Rの増加に効果があり、d/dθには影響を与えないので利用可能である。距離Rを一定とする構成は、設計と製作が容易な点で望ましい。また、第2回転板7bの第2側面7yが実現可能な構成となるように、第2側面7yの曲率半径も正の値でなければならない。第2側面7yの曲率半径は、第1側面7xと同様にして求めることができる。d/dθは0以上であることが望ましいが、dR/dθが十分に大きい回転角度θの範囲については負の値になっても問題はない。
このように、第1側面7x及び第2側面7yは、その形状が、第1複合板3aの回転角度θにかかわらずR≧0となるとともに、R+3×dR/dθ<0となる回転角度θが存在するよう形作られた側面として形成することができる。ここで、前記したように、RはR−Rであり、θは、第1複合板3aが巻き付けられた第1スチールベルト6aが解かれる方向を正とする第1複合板3aの回転角度であり、Rは、第1複合板3aの回転中心から第1スチールベルト6aの厚み中心までの距離であり、Rは、第1複合板3aの回転中心から第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離である。また、第1円板5aの側面5xは、その形状が、第1円板5aの回転中心から第1スチールベルト6a及び第2スチールベルト6bの厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた側面である。このように構成した第1直動出力化装置1aにより、スライダ4の直動と第1複合板3aの回転とを変換、若しくは、前記第1ベース部の直動と第1円板5aの回転とを変換するようにしている。
<効果>
前記第1実施形態にかかる構成によれば、第1直動出力化装置1aのスライダ4に作用する力は、動滑車に力を加えた場合と同様に、第1スチールベルト6a及び第2スチールベルト6bを介して第1複合板3aに伝えられる。第1複合板3aには、第1スチールベルト6aの張力により作用するトルクと第2スチールベルト6bにより作用するトルクとが、それぞれ逆方向に作用するようになる。すなわち、前記第1実施形態によれば、第1スチールベルト6aを介した変換により、スライダ4に作用する力を、角度に応じて異なる比で、第1複合板3aのトルクに変換するとともに、第2スチールベルト6bを介した変換により、第1複合板3aに作用する余剰トルクをキャンセルできるようになる。よって、スライダ4に作用するバネが自然長になることに依存せずに、マニピュレータの関節トルクを補償するバランサー装置を容易に実現できる、第1直動出力化装置1aが得られるようになる。
なお、第1実施形態では、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとをそれぞれ第1複合板3aと第1円板5aとに直接接続しているが、これに限るものではなく、同様の作用効果を呈する構成であれば、別の構造体を介して間接的に接続するようにしても良い。
なお、第1実施形態では、可撓性連結部材の例としてスチールベルトを用いているが、これに限るものではなく、金属製以外のベルト、又は、ワイヤロープ等の紐状のものであっても同様に実施可能である。また、紐状の部材を用いる場合、一例として、対応する第1回転板7a、第2回転板7b、及び第1円板5a、並びに、第1滑車11a、第2滑車11bのそれぞれの外周には、脱落防止のための溝を設ける。また、紐状の部材を用いる場合、第1回転板7a、第2回転板7b、及び第1円板5aの回転角度は1回転未満に限るものではなく、ドラム状の回転体とすることで、複数回、回転させるようにしても良い。また、紐状の部材を用いる場合、第1可撓性連結部材の一端と第2可撓性連結部材の一端とを連結して、第2回転体に巻き付けるようにしても良い。
なお、第1実施形態では、第1複合板3aの回転とスライダ4の直動とを変換しているが、これに限るものではなく、第1円板5aの回転とベース板2の直動とを変換する直動回転変換装置としても利用可能である。
なお、第1実施形態では、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとの厚みを等しくしているが、これに限るものではなく、それぞれの厚みを異ならせても良い。
なお、第1実施形態では、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとが交差する構成としているが、これに限るものではなく、交差しない配置としても良い。この際、第1実施形態のように第1回転板7aと第2回転板7bとが段違いに配置された構成とせずに、1枚の板となるような配置としてもよい。また、第1実施形態では、距離Rを一定としているが、これに限るものではなく、第1回転板7aと第2回転板7bとが実現可能な範囲で回転角度θに対する自由な関数とすることができる。
第1実施形態の変形例として、図9に、1枚の板の一例を含む第1実施形態における別の構成の直動出力化装置1bのθ=0における概略を示す。第2複合板3bは、第1回転板7aと第2回転板7bとにそれぞれ相当する第3回転板部7cと第4回転板部7dとを一体化した1枚の板部材で構成されている。そして、第2複合板3bの回転を第1円板5aに相当する第2円板5bの直動に変換しているが、その変換特性は図1の構成と同一である。第2複合板3bは、第3回転板部7cと第4回転板部7dとが同じ高さに存在して一体化しているので、1枚の板状の部材になっている。これに伴って、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとは、それぞれの端部が連結され、一続きのスチールベルトになっている。図9の構成では、図1の構成に比べて、第1滑車11aと第2滑車11bとの配置位置が入れ替わり、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとが交差しない構成となっている。そして、第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとが、第2円板5bに対して、図1の第1円板5aに対する場合とは反対側に巻き付けられている。これに伴って、第2円板5bは、図1の第1円板5aとは逆方向に回転するようになっている。また、図9の構成では、図1の構成と比べると、第3回転板部7cと第1滑車11aとで第1スチールベルト6aの曲げ方向が同じに変化している一方で、第4回転板部7dと第2滑車11bとで第2スチールベルト6bの曲げ方向は逆のままである。第2複合板3bを1枚の板部材とする構成としては、これに限るものではなく、第3回転板部7cと第1滑車11aとで第1スチールベルト6aの曲げ方向が逆の構成であっても、第4回転板部7dと第2滑車11bとで第2スチールベルト6bの曲げ方向が同じ構成であっても、同様に実現可能である。また図9では、距離Rが角度により変化する構成としている。この場合の第2回転板部7dの第2側面7yの形状については、第1回転板部7cの第1側面7xの形状を求める手順と同様にして求めることができる。したがって、第2回転板部7dの第2側面7yの形状も、第1回転板部7cの第1側面7xの形状と同様に、異なる曲率半径をそれぞれ有する複数の微小な円弧の集まり(例えば、微小な円弧の無限個の集まり)で形成される湾曲した面として表現することができる。さらに、第2回転板部7dの第2側面7yの形状は、第2回転板部7dの回転中心から見て常に凸形状になるため、それぞれの微小な円弧の中心は、第2回転板部7dの外形(第2側面7y)に対して、常に第2回転板部7dの回転中心側に存在するようになる。
なお、第1実施形態では、第1滑車11aと第2滑車11bとを用いることで第1スチールベルト6aと第2スチールベルト6bとの位置をそれぞれ規制しているが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第1実施形態の別の変形例における別の構成の直動出力化装置1cのように、距離Rを一定としつつ、第2回転板7bに相当する円形の第6回転板7fと第1円板5aに相当する第3円板5cとの間を張り渡されるスチールベルト6bの向きと第3円板5cの移動方向とが等しくなるよう、第3円板5cを配置することで、第2滑車11bが無くても、第1回転板7aに相当する第5回転板7eとの組み合わせにより同様の特性が得られるようになる。また、第1滑車11aについても、距離Rの変動が小さい場合、又は、回転軸8と固定軸10との間隔が広い場合などには、変換特性に大きな影響が生じないので、省略することができる。
なお、第1実施形態では、マニピュレータのバランサー装置のための特性を備えた第1直動出力化装置1aを実現しているが、これに限るものではなく、R+3×dR/dθ<0となる領域が存在する単体の非円形プーリでは実現できないその他の特性、例えば発生力が変位に伴って増減を繰り返す特性を実現する直動変換装置としても利用可能である。
さらに、第1実施形態における第1直動出力化装置1aを用いるマニピュレータ31の関節トルクを補償するバランサー装置32のθ=0における構成例を図11と図12とにそれぞれ正面図と左側面図として示す。図13は、バランサー装置32のθ=−π/2における構成例を示す。
図11のバランサー装置32は、第1直動出力化装置1aのベース板2の両側に、弾性装置の一例である圧縮バネユニット21a、21bを固定している。圧縮バネユニット21a、21bは、それぞれ圧縮バネボックス22a、22bにロッド23a、23bを押し込むことで、圧縮バネボックス22a、22bに内蔵された圧縮バネが圧縮されて反発力が発生する構造になっている。圧縮バネユニット21a、21bのロッド23a、23bは、スライダ4に固定されており、図11における下方向への力を発生するようになっている。圧縮バネユニット21a、21bは、それぞれバネ定数がK/2で、図11の状態で初期変位としてXが与えられている。マニピュレータ31は、基台24の上にベースリンク25が固定されている。ベースリンク25には、バランサー装置32が固定されている。バランサー装置32の回転軸8はベースリンク25に回転自由に支持されつつ貫通し、アームリンク26と接続されている。アームリンク26の質量はMであり、回転軸8の中心からアームリンク26の重心までの距離はLであり、第1直動出力化装置1aにおける定数AとA=MgLの関係にある。gは重力加速度である。
このような構成とすることで、アームリンク(アーム)26の自重はバランサー装置32によりバランスされ、アームリンク26の自重を気にすることなく(言い換えれば、アームリンク(アーム)26の自重により発生する関節トルクを補償しつつ)回転することができるとともに、θ=−π〜0の任意の角度、例えば図12のようにθ=−π/2の角度でアームリンク26を静止させることができるようになる。
なお、バランサー装置32における弾性装置としては、圧縮バネに限るものではなく、同様の作用効果を呈するものであれば、任意の公知技術の組み合わせが利用可能である。例えば、弾性装置として、気体の圧力を用いたバネ又は磁気力を用いたバネを用いても良い。さらに、圧縮バネの代わりに引っ張りバネを用いて下方から引っ張る構成としても良い。また、バネ特性も線形に限るものではなく、非線形バネを用いても良い。このときの第1回転板7aの第1側面7xの形状は、変位Xを回転角度θで表す際に用いた線形バネの弾性エネルギー変化をそれぞれの弾性体における弾性エネルギーの変化に置き換えることで、同様に求めることができる。
なお、マニピュレータ31の構成についても、図11の構成に限るものではなく、補償トルクが関節角度の関数として表せる構成であれば同様に適用可能である。
なお、上記様々な実施形態又は変型例のうちの任意の実施形態又は変型例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータは、バネが自然長になることに依存せずに関節トルクを補償することができ、有用である。また、本発明にかかる直動回転変換装置、それを用いたバランサー装置及びマニピュレータは、バランサー装置又はアクチュエータ以外でも、仮想的な中立点に対する復元力を与える復元装置、又は、マニピュレータ等の接触力、剛性を調節するクッション装置、又は、位置により反発力が変化することで操作感覚を提示するインターフェース装置としても応用できる。
1a、1b、1c 第1、第2、第3直動出力化装置
2 ベース板
3a、3b、3c 第1、第2、第3複合板
4 スライダ
5a、5b、5c 第1、第2、第3円板
5x 側面
6a、6b 第1、第2スチールベルト
7a、7b、7e、7f 第1、第2、第5、第6回転板
7c、7d 第3、第4回転板部
7x 第1側面
7y 第2側面
8 回転軸
9 ガイドレール
10 固定軸
11a、11b 第1、第2滑車
12a、12b 第1、第2滑車軸
21a、21b 圧縮バネユニット
22a、22b 圧縮バネボックス
23a、23b ロッド
24 基台
25 ベースリンク
26 アームリンク
31 マニピュレータ
32 バランサー装置
71、71a、71b、71c 基準円
72、72a、72b、72c 共通接線
73a、73b、73c 円弧
74a、74b、74c 円弧の中心

Claims (10)

  1. 第1ベース部と、
    前記第1ベース部に回転自由に接続される第1回転体と、
    前記第1ベース部に対して相対的に直動可能に設けられた第2ベース部と、
    前記第2ベース部に回転自由に接続される第2回転体と、
    一端が前記第1回転体の第1側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡される第1可撓性連結部材と、
    一端が前記第1回転体の第2側面に巻き付けられ、他端が前記第2回転体の前記側面に巻き付けられ、前記第1回転体と前記第2回転体との間を張り渡されかつ、前記第1可撓性連結部材とは逆方向のトルクを、張力によって前記第1回転体と前記第2回転体とに作用させる第2可撓性連結部材と、
    を備え、
    前記第1側面及び前記第2側面は、その形状が、前記第1回転体の回転角度θにかかわらずR≧0となるとともに、R+3×dR/dθ<0となる回転角度θが存在するよう形作られた側面であり、
    RはR−Rであり、
    θは、前記第1回転体が巻き付けられた前記第1可撓性連結部材が解かれる方向を正とする前記第1回転体の回転角度であり、
    は、前記第1回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
    は、前記第1回転体の前記回転中心から前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離であり、
    前記第2回転体の側面は、その形状が、前記第2回転体の回転中心から前記第1可撓性連結部材及び前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた側面であり、
    前記第2ベース部の直動と前記第1回転体の回転とを変換、若しくは、前記第1ベース部の直動と前記第2回転体の回転とを変換する、直動回転変換装置。
  2. 前記第1回転体は、前記第1側面を有する第1回転板と、前記第2側面を有する第2回転板とで構成される請求項1に記載の直動回転変換装置。
  3. 前記第2側面は、その形状が、前記第1回転体の回転中心から前記第2可撓性連結部材の厚み中心までの距離が一定値となるように形作れられた湾曲側面である請求項1又は2に記載の直動回転変換装置。
  4. 前記第1側面が、異なる曲率半径をそれぞれ有する複数の円弧の集りで形成される湾曲した面であり、各曲率半径の中心は、前記第1側面より前記第1回転体の回転中心側に位置する請求項1〜3のいずれか1つに記載の直動回転変換装置。
  5. 前記第2側面が、異なる曲率半径をそれぞれ有する複数の円弧の集りで形成される湾曲した面であり、各曲率半径の中心は、前記第2側面より前記第1回転体の回転中心側に位置する請求項1〜4のいずれか1つに記載の直動回転変換装置。
  6. 前記第1可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向とが平行になるように、前記第1可撓性連結部材の張り渡し位置を規制する第1滑車部をさらに備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の直動回転変換装置。
  7. 前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向が平行になるように、前記第2可撓性連結部材の張り渡し位置を規制する第2滑車部をさらに備える請求項1〜6のいずれか1つに記載の直動回転変換装置。
  8. 前記第2可撓性連結部材が前記第2回転体から引き出される方向と前記第2ベース部の変位方向が平行になる位置に、前記第2回転体の回転中心を配置した請求項7に記載の直動回転変換装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の直動回転変換装置と、
    前記直動回転変換装置に接続される弾性装置とを備え、前記弾性装置の発生力を変換することで外部負荷に対するバランス力を発生させるバランサー装置。
  10. アームと、
    前記アームの自重により発生する関節トルクを補償する請求項9に記載のバランサー装置とを備えるマニピュレータ。
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