JP2014139406A - 過給機の余剰エネルギ利用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電機の入手が容易でかつ極めて安価であり、発電した電力の周波数変換のために特殊な機器を必要とせず、しかも過給機の回転数の変動に対応して安定的に発電を行なえるようにする。
【解決手段】 内燃機関(1)と、内燃機関へ加圧された給気を供給する過給機(5)と、電力母線(45)に繋がれると共に過給機に連結されて過給機の回転駆動力により回転されて発電を行ない電力母線へ電力を供給する発電機(30)とを備え、過給機の出力軸(8)と発電機の回転軸(31)との間に遊星歯車減速機構(10)を介装し、遊星歯車減速機構の出力軸(28,58)の回転数を制御するための回転数制御手段(40,41,60,71)を配設し、上記発電機を一定の回転数で発電を行なう誘導発電機とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の過給機によって回転駆動される発電機を利用した、過給機の余剰エネルギ利用装置に関する。
従来の、例えば、ガスエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関に装備される過給機は、内燃機関の排気ガスが有する排気エネルギにより回転駆動されて給気を加圧し、高密度の空気を供給することにより出力増加を図るものである。しかしながら、過給機を取り付けて排気エネルギを利用したとしても、通常は内燃機関の排気エネルギに充分な余剰があり、この余剰の排気エネルギは、利用されずにそのまま外気へ排出される。したがって、余剰エネルギをさらに有効利用することが、燃費向上のみならず、環境保護の面からも強く要請される。
一方、昨今の電力事情に鑑み、これらの内燃機関の中でもガス燃料のエネルギを高効率で電力エネルギに変換する、例えばリーンバーンガスエンジンが有効な機器となっている。しかし、このガスエンジンは、ガス燃料と空気との混合気の可燃範囲が狭いため、シリンダ内で燃焼するガス量に見合った空気量を適正に制御する必要がある。
また、高効率高出力のガスエンジンには、燃焼用の空気量をより多く導入するために、上述のように過給機が使用されているが、空気密度の影響を受けて給気量が季節によって変動し、夏場は少なく冬場は多くなる傾向がある。このため、過給機の仕様を夏場の空気量確保に合わせた設定とする一方、冬場は余剰の空気をバイパス弁等を介して外気へ逃がしている。このため、冬場はエネルギの有効利用が十分になされていない。
そこで、内燃機関の余剰排気エネルギを有効利用するものとして、過給機又は排気タービンを備えたガスエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関において、過給機の回転軸に発電機を直結し、余剰の排気エネルギにより発電を行なうようにした過給機の余剰エネルギ利用装置がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
実開昭61−200423号公報 特開2004−346803号公報
しかしながら、上述した従来の、過給機の回転軸に発電機を直結し、余剰の排気エネルギにより発電を行なうようにした過給機の余剰エネルギ利用装置においては、高速回転する過給機に対応するため、発電機として高速発電機を使用しなければならない。
しかしながら、この高速発電機は、一般的に入手が困難であり、著しく高価であるという問題がある。また、高速発電機は、発電した電力の電気周波数が高く、一般電源として利用するためには、周波数変換ために特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器を装備する必要があるという問題がある。
このため、過給機の回転軸に発電機を直結し、余剰の排気エネルギにより発電を行なうようにした従来の過給機の余剰エネルギ利用装置は、ほとんど普及していないのが実情である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、従来の高速発電機に比べて、使用する発電機の入手が容易で、かつ極めて安価であり、また発電した電力を一般電源として利用する場合に、周波数変換ために特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器を必要としないと共に、過給機の回転数の変動に対応して安定的に発電を行なうことができる、過給機の余剰エネルギ利用装置を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の過給機の余剰エネルギ利用装置は、内燃機関と、内燃機関へ加圧された給気を供給する過給機と、電力母線に繋がれると共に過給機に連結されて過給機の回転駆動力により回転されて発電を行ない電力母線へ電力を供給する発電機とを備えた過給機の余剰エネルギ利用装置において、過給機の出力軸と発電機の回転軸との間に遊星歯車減速機構を介装し、遊星歯車減速機構の出力軸の回転数を制御するための回転数制御手段を配設し、発電機を一定の回転数で発電を行なう誘導発電機としたことにある。
本発明の過給機の余剰エネルギ利用装置においては、過給機の出力軸と発電機の回転軸との間に遊星歯車減速機構を介装し、発電機は一定の回転数で発電を行なう誘導発電機を用いる。この誘導発電機は、電力母線に繋がれて一定の回転数でしかも比較的低速回転で、例えば60Hz用の4ポールの誘導発電機の場合には1800rpmで発電を行なうもので、一般に広く普及しており、従来の高速発電機と比べて入手が容易で、かつ極めて安価である。また、発電した電力を一般電源として利用する場合に、誘導発電機では周波数変換が不要である。このため、従来の高速発電機では周波数変換ために必要であった特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器も不要となる。遊星歯車減速機も入手が容易で、かつ極めて安価である。
この一方、過給機の回転数は常に一定ではなく、そのときの機関負荷や大気温度によって変動する。本過給機の余剰エネルギ利用装置は、遊星歯車減速機構の出力軸の回転数を制御するための回転数制御手段を備えるから、この過給機の回転数の変動にも拘わらず、誘導発電機による発電を安定的に行なうことができる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、遊星歯車減速機構は、減速比を変化させることができる減速比可変型遊星歯車を備え、回転数制御手段は、この減速比可変型遊星歯車の遊星歯車を減速比可変型遊星歯車の太陽歯車の周りに公転させる減速比制御モータを備えることが望ましい。
このように、遊星歯車減速機構を、減速比を変化させることができる減速比可変型遊星歯車によって構成し、回転数制御手段として、この減速比可変型遊星歯車の遊星歯車を減速比可変型遊星歯車の太陽歯車の周りに公転させる減速比制御モータを備えることにより、減速比制御モータが減速比可変型遊星歯車の減速比を変化させ、過給機の回転数を誘導発電機が必要とする回転数にまで円滑に減速させることができる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、回転数制御手段は、減速比制御モータの作動を制御するコントローラと、コントローラに接続されて内燃機関の実給気圧力を検出する給気圧力センサとを備え、コントローラは、給気圧力センサが検出した実給気圧力に基づいて減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を変化させて誘導発電機の作動状態を変化させることが望ましい。
誘導発電機は、電力母線に繋がれていれば常に一定の回転数で回転する。上記のように、コントローラが、給気圧力センサが検出した実給気圧力に基づいて減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を変化させることにより、誘導発電機の回転数はその一定の回転数に維持されるが、発電トルクが変化し、誘導発電機は発電量を増減させる。したがって、過給機の給気圧力は、常に内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力であるように制御され、内燃機関は適正な運転を維持することが可能となる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、差圧の絶対値が所定設定値を超える場合に減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を変化させて誘導発電機の作動状態を変化させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧の絶対値が所定設定値を超える場合、つまり所定設定給気圧力と実給気圧力とが一定以上乖離している場合には、減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を変化させて、誘導発電機の作動状態を変化させる。したがって、内燃機関は給気圧力が常に一定の範囲内において適正な燃焼給気圧力であるように制御され、内燃機関は適正な運転が維持される。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零以下(零又は負値)の場合には減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を小さくして誘導発電機の発電量を増加させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零以下、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも高く、排気エネルギに余剰がある場合には、減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を小さくし、誘導発電機の発電トルクを上げて発電量を増加させる。これにより、内燃機関の給気圧力は低下してより適正なものになり、燃費の向上を図ることができると共に、余剰排気エネルギによって多量の電力を発生させることができる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零を超える(正値)場合であって、かつ誘導発電機が発電中の場合には減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を大きくして誘導発電機の発電量を減少させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零を超える場合、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも低く更なる過給が必要な場合であって、かつ発電機が発電中の場合には、減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を大きくし、これにより誘導発電機の発電トルクを下げて発電量を減少させる。このため、給気圧力が上昇して内燃機関にとってより適正な燃焼給気圧力であるように制御される。これにより、内燃機関は適正な運転が維持される。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零を超える場合であって、かつ発電機が発電を行っていない場合には減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を大きくし発電機をモータとして作動させて遊星歯車減速機構を介して過給機の回転数を増加させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零を超える場合、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも低く更なる過給が必要な場合であって、かつ発電機が発電を行っていない場合には、減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を大きくして、誘導発電機の回転数を下げるようにする。これにより、電力母線に繋がれた誘導発電機は上記一定の回転数を維持するために、電力母線から電力の供給を受けてモータとして作動するようになる。
このように、誘導発電機をモータとして作動させて、遊星歯車減速機構を介して過給機の回転数を増加させることにより、特に負荷急増時などに給気圧力が内燃機関にとってより適正な燃焼給気圧力であるように過給機が加勢され、内燃機関の給気量が増加制御される。これにより、内燃機関は常に適正な運転が維持される。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、遊星歯車減速機構は、減速比が一定の減速比固定型遊星歯車を備え、回転数制御手段は、減速比固定型遊星歯車と誘導発電機との間に介装されて減速比固定型遊星歯車の出力軸の回転数を連続的に変化させる連続可変減速機と、連続可変減速機の作動を制御する減速機制御器とを備えることが望ましい。
このように、遊星歯車減速機構を、減速比が一定の減速比固定型遊星歯車によって構成し、回転数制御手段として、減速比固定型遊星歯車と誘導発電機との間に介装されて減速比固定型遊星歯車の出力軸の回転数を連続的に変化させる連続可変減速機と、連続可変減速機の作動を制御する減速機制御器とを備えることにより、減速機制御器が連続可変減速機の減速比を変化させ、過給機の回転数を誘導発電機が必要とする回転数にまで円滑に減速させることができる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、回転数制御手段は、減速機制御器の作動を制御するコントローラと、コントローラに接続されて内燃機関の実給気圧力を検出する給気圧力センサとを備え、コントローラは、給気圧力センサが検出した実給気圧力に基づいて減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を変化させて誘導発電機の作動状態を変化させることが望ましい。
誘導発電機は、電力母線に繋がれていれば常に一定の回転数で回転する。このように、コントローラが、給気圧力センサが検出した実給気圧力に基づいて減速機制御器を作動させて連続可変減速機の減速比を変化させることにより、誘導発電機の回転数はその一定の回転数に維持されるが、発電トルクが変化し、誘導発電機は発電量を増減させる。したがって、過給機の給気圧力は、常に内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力であるように制御され、内燃機関は適正な運転を維持することが可能となる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧の絶対値が所定設定値を超える場合には減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を変化させて誘導発電機の作動状態を変化させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧の絶対値が所定設定値を超える場合、つまり所定設定給気圧力と実給気圧力とが一定以上乖離している場合には、減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を変化させて、誘導発電機の作動状態を変化させる。したがって、内燃機関は給気圧力が常に一定の範囲内において適正な燃焼給気圧力であるように制御され、内燃機関は適正な運転が維持される。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零以下(零又は負値)の場合には減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を小さくして誘導発電機の発電量を増加させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零以下、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも高い場合には、減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を小さくして誘導発電機の発電量を増加させることにより、内燃機関の給気圧力は低下してより適正なものになり、燃費の向上を図ることができると共に、余剰排気エネルギによって多量の電力を発生させることができる。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零を超える(正値)場合であって、かつ発電機が発電中の場合には減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を大きくして誘導発電機の発電量を減少させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零を超える場合、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも低い場合であって、かつ誘導発電機が発電中の場合には、減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を大きくして誘導発電機の発電量を減少させる。このため、給気圧力は上昇して内燃機関にとってより適正な燃焼給気圧力であるように制御される。これにより、内燃機関は適正な運転が維持される。
上記過給機の余剰エネルギ利用装置において、コントローラは、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧を演算し、この差圧が零を超える場合であって、かつ発電機が発電を行っていない場合には減速機制御器によって連続可変減速機の減速比を大きくし誘導発電機をモータとして作動させて遊星歯車減速機構を介して過給機の回転数を増加させることが望ましい。
このように、コントローラが、所定設定給気圧力から給気圧力センサが検出した実給気圧力を差し引いた差圧が零を超える場合、つまり実給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力よりも低い場合であって、かつ発電機が発電を行っていない場合には、減速比制御モータを作動させて減速比可変型遊星歯車の減速比を大きくすることにより、誘導発電機の回転数を下げるようにする。これにより、電力母線に繋がれた誘導発電機は上記一定の回転数を維持するために、電力母線から電力の供給を受けてモータとして作動するようになる。
このように、誘導発電機をモータとして作動させて遊星歯車減速機構を介して過給機の回転数を増加させることにより、特に負荷急増時などに給気圧力が内燃機関にとってより適正な燃焼給気圧力であるように過給機が加勢され、内燃機関の給気量が増加制御される。これにより、内燃機関は常に適正な運転が維持される。
以上詳細に説明したように、本発明の過給機の余剰エネルギ利用装置は、内燃機関と、内燃機関へ加圧された給気を供給する過給機と、過給機に連結されて過給機の回転駆動力により回転されて発電を行なう発電機とを備えた過給機の余剰エネルギ利用装置において、過給機の出力軸と発電機の回転軸との間に遊星歯車減速機構を介装し、遊星歯車減速機構の出力軸の回転数を制御するための回転数制御手段を配設し、発電機を一定の回転数で発電を行なう誘導発電機とした。
したがって、従来の高速発電機に比べて、使用する発電機の入手が容易で、かつ極めて安価であり、また発電した電力を一般電源として利用する場合にも、周波数変換ために特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器を必要としないと共に、過給機の回転数の変動に対応して安定的に発電を行なうことができる、という優れた効果を奏する。
本発明に係る過給機の余剰エネルギ利用装置の、第1の発明を実施するための形態を示すシステム図である。 図1とは別の減速比固定型遊星歯車を示す図である。 図1の過給機の余剰エネルギ利用装置の作動を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る過給機の余剰エネルギ利用装置の、第2の発明を実施するための形態を示すシステム図である。 図4の過給機の余剰エネルギ利用装置の作動を説明するためのフローチャートである。
本発明に係る過給機の余剰エネルギ利用装置の第1の発明を実施するための形態を、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、符号1は内燃機関の一例としてのガスエンジンであり、このガスエンジン1の排気ガスは、ガスエンジン1の排気管から過給機5のタービン6に導かれ、定格運転時に、例えば25000〜32000rpmという高速で過給機5を回転駆動する。過給機5のタービン6を駆動した排気ガスは、大気中へ排気される。
過給機5のコンプレッサ7は、タービン6により駆動されて給気を圧縮し、この圧縮された給気を図示しないインタクーラ、サージタンク等を介してエンジン1のシリンダ内へ供給する。このように、過給機5はガスエンジン1へ加圧された給気を供給する。
過給機5のコンプレッサ7側の出力軸8に、連結軸9を介して、減速比が一定の減速比固定型遊星歯車11の太陽歯車軸13が連結され、減速比固定型遊星歯車11の内歯歯車軸18に、減速比を変化させることができる減速比可変型遊星歯車21の太陽歯車軸23が連結され、この減速比可変型遊星歯車21の内歯歯車軸(出力軸)28に、誘導発電機30の回転軸31が連結される。
すなわち、過給機5の出力軸8と誘導発電機30の回転軸31との間に、直列に配設された減速比固定型遊星歯車11と減速比可変型遊星歯車21とからなる遊星歯車減速機構10が介装され、誘導発電機30は、遊星歯車減速機構10を介して過給機5の回転駆動力により回転して発電を行なう。
過給機5の出力軸8は、連結軸9を介して1段目となる減速比固定型遊星歯車11の太陽歯車12の太陽歯車軸13に連結される。太陽歯車12の周りには複数の遊星歯車14が配設され、太陽歯車12とそれぞれ噛合している。各遊星歯車14は、遊星キャリア15を介して遊星キャリア固定板16に回転可能に、かつ周方向に等間隔に固定され、各遊星歯車14は太陽歯車12の周りでそれぞれの固定位置で回転する。すなわち、各遊星歯車14は自転のみを行ない、太陽歯車12の周りを公転はしない。
各遊星歯車14の周りには内歯歯車17が配設され、内歯歯車軸18を中心にして各遊星歯車14の回りを自由に回転することができる。1段目の減速比固定型遊星歯車11の内歯歯車軸18に、2段目の減速比可変型遊星歯車21の太陽歯車22の太陽歯車軸23に連結される。
減速比可変型遊星歯車21は、太陽歯車22の周りには複数の遊星歯車24が配設され、これらは太陽歯車22とそれぞれ噛合している。各遊星歯車24は、遊星キャリア15を介して遊星キャリア回転歯車26に回転可能に、かつ周方向に等間隔に取り付けられている。遊星キャリア回転歯車26は図示しない遊星キャリア軸を中心に回転可能であり、各遊星歯車24は太陽歯車22の周りでそれぞれが回転可能である。すなわち、各遊星歯車24は太陽歯車22の周りで自転すると共に、太陽歯車22の周りを公転する。
減速比可変型遊星歯車21の減速比を制御する減速比制御モータ(回転数制御手段)41が配設される。減速比制御モータ41は、その軸に取り付けられると共に上述の遊星キャリア回転歯車26と噛合するモータ歯車29を介して、遊星キャリア回転歯車26を回転させ、各遊星歯車24を太陽歯車12の周りで公転させる。この減速比制御モータ41は、減速比可変型遊星歯車21の減速比を変化させる。
これら2段の遊星歯車11,21により、過給機5の高速の回転駆動力が誘導発電機30に必要な所定の回転数にまで減速される。つまり、過給機5の回転数と誘導発電機30に必要な所定の回転数との関係によって、減速比固定型遊星歯車11の段数、減速比可変型遊星歯車21の減速範囲、各歯車の歯数等がそれぞれ決定される。したがって、減速比固定型遊星歯車11は設けなくてもよいし、2段以上を直列に配設してもよい。
誘導発電機30は、電力母線45に繋がれた状態で常に一定の回転数で、かつ比較的低速回転して、所定の周波数の電力を発生させ、この電力を電力母線45へ供給すると共に、後述のように、電力母線45から電力の供給を受けてモータとして作動することもできる。
例えば、4ポールの誘導発電機30であれば、1800rpmで回転して60Hzの電力を発生させる。回転数が1800rpmになると発電を開始し、さらに発電トルクを上げると、回転数は1800rpmを維持しつつ、発電量を増加させる。この一方、発電トルクを下げると、回転数は1800rpmを維持しつつ、発電量を減少させ、又は発電を停止する。また、回転数が1800rpmを下回ると、誘導発電機30は電力母線45から電力の供給を受ければ、モータとして作動し、遊星歯車減速機構10を介して過給機5を加勢する。
本過給機の余剰エネルギ利用装置の場合、過給機5は定格運転時に、例えば25000〜32000rpmという高速で回転駆動されるから、上述の遊星歯車減速機構10により、過給機5の回転駆動力はその約5.6%〜7.2%の回転数にまで減速された後に誘導発電機30に入力され、誘導発電機30を回転駆動させる。このときの遊星歯車減速機構10の減速比は、約13.9〜17.8である。
誘導発電機30の作動は、コントローラ(回転数制御手段)40と、このコントローラ40に電気的に接続された上述の減速比制御モータ(回転数制御手段)41とにより制御される。コントローラ40は、エンジン1の燃料制御等を行なうエンジンコントローラでもある。また、エンジン1の実給気圧力Psmを検出する給気圧力センサ(回転数制御手段)42が配設され、給気圧力センサ42はコントローラ40に電気的に接続される。
なお、本過給機の余剰エネルギ利用装置において、誘導発電機30の回転方向を逆にする場合には、図2に示すように、減速比固定型遊星歯車33の遊星キャリア36を回転可能にすると共に、内歯歯車38を固定し、遊星キャリア36の遊星キャリア軸37を出力軸とする。このとき、各遊星歯車35は太陽歯車34の周りで自転すると共に、太陽歯車34の周りを公転する。
次に、本過給機の余剰エネルギ利用装置の作動について、図3を参照して説明する。コントローラ40は、給気圧力センサ42が検出したエンジン1の実給気圧力Psmを検出する(ステップS2)。次に、エンジン負荷と所定設定給気圧力Pssとの対応テーブルから、そのときのエンジン負荷に応じた所定設定給気圧力Pssを読み込み、この所定設定給気圧力Pssから給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いてなる差圧ΔPを演算する(ステップS4)。
そして、この差圧ΔPの絶対値が所定設定値P0 以下か否かを判定する(ステップS6)。この所定設定値P0 は、例えば所定設定給気圧力Pssの2%の圧力値などに設定される。ステップS6の判定結果が肯定(Yes)の場合、つまり過給機5の給気圧力が所定設定給気圧力Pssに対して一定範囲内にある場合には、過給機5による給気圧力の調整は必要ないから、減速比制御モータ41に対して減速比可変型遊星歯車21の減速比の変更は指示しない。
一方、ステップS6の判定結果が否定(No)の場合には、排気ガスエネルギの過不足により過給機5の回転数が適正ではなく、過給機5による給気圧力の調整が必要な状態であるから、次に、上述のエンジン負荷に対応した所定設定給気圧力Pssから給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いた差圧ΔPが、零を超える(正値)か否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8の判定結果が否定の場合、つまり過給機5による給気圧力がそのときの運転状態に対して過大となっている場合には、減速比制御モータ41に対して減速比可変型遊星歯車21の減速比を小さくするように指示し、これにより誘導発電機30の発電トルクを高めて発電量を増加させる(ステップS10)。これにより、過給機5の余剰エネルギがさらに発電のために利用される。
ステップS8の判定結果が肯定の場合、つまり過給機5による給気圧力がそのときの運転状態に対して不足している場合には、次に、誘導発電機30が発電中か否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が肯定、つまり誘導発電機30が発電中の場合には、誘導発電機30の発電トルクを下げて発電量を減少させるように、減速比制御モータ41に対して減速比可変型遊星歯車21の減速比を大きくするように指示する(ステップS14)。これにより、過給機5の回転数は遊星歯車減速機構10を介して増加し、そのときの運転状態に必要な給気圧力を適正に確保する。
ステップS12の判定結果が否定、つまり誘導発電機30が発電していない場合には、減速比制御モータ41に対して減速比可変型遊星歯車21の減速比をさらに大きくするように指示する。これにより誘導発電機30の回転数は下り、電力母線45から電力の供給を受けた誘導発電機30は一定回転を維持するためにモータとして作動する(ステップS16)。過給機5の回転数は遊星歯車減速機構10を介して増加し、そのときの運転状態に必要な給気圧力を適正に確保する。上述のステップS6,10、S14又はS16がそれぞれ最終ステップとなる場合には、再びステップS2以下を繰り返す。
以上のように、本過給機の余剰エネルギ利用装置の第1の発明を実施するための形態においては、過給機5の出力軸8と発電機の回転軸31との間に遊星歯車減速機構10を介装することにより、発電機として一定の回転数で発電を行なう誘導発電機30を用いている。
この誘導発電機30は、一定の回転数でしかも比較的低速回転で、例えば60Hz用の4ポールの誘導発電機では1800rpmで発電を行なうものであり、一般に広く普及しており、従来の高速発電機と比べて入手が容易で、かつ極めて安価である。また、誘導発電機30は、発電した電力を一般電源として利用する場合に周波数変換が不要であるから、従来の高速発電機では必要であった特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器も不要となる。遊星歯車減速機11,21も入手が容易で、かつ極めて安価である。
また、過給機5の出力軸8を1段目の減速比固定型遊星歯車11の太陽歯車軸13に接続し、誘導発電機30の回転軸31を2段目の減速比可変型遊星歯車21の内歯歯車軸28又は遊星キャリア軸16bに接続することにより、過給機5の回転数を誘導発電機30の回転駆動に必要な回転数にまで円滑に減速させることができる。
さらに、コントローラ40が、給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmに基づいて減速比制御モータ41を作動させて誘導発電機30の発電トルクを制御することにより、過給機5による給気圧力が内燃機関にとって適正な燃焼給気圧力であるように制御されるため、ガスエンジン1は常に適正な運転を維持することが可能となる。
この一方、過給機5の回転数は常に一定ではなく、そのときの機関負荷や大気温度によって変動する。例えば、発電機を回転駆動して発電可能な回転域は25000〜32000rpmとされる。本過給機の余剰エネルギ利用装置によれば、コントローラ40が、機関負荷や大気温度の変化に伴う過給機5の回転数の変動にも拘わらず、減速比制御モータ41を介して誘導発電機30の回転数を一定に保持するから、常に安定的に発電を行なうことができる。
さらに、コントローラ40は、所定設定給気圧力Pssから給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いた差圧ΔPを演算し、この差圧ΔPの絶対値が所定設定値P0 を超える場合に減速比制御モータ41を作動させて減速比可変型遊星歯車21の減速比を変化させ、これにより誘導発電機30の発電トルクを変化させる。したがって、ガスエンジン1は給気圧力が一定の範囲内において適正な燃焼給気圧力であるように制御され、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。
また、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零以下、つまり実給気圧力Psmがガスエンジン1にとって適正な燃焼給気圧力よりも高い場合には、減速比制御モータ41を作動させて減速比可変型遊星歯車21の減速比を小さくし、誘導発電機30の発電トルクを上昇させて発電量を増加させることにより、ガスエンジン1の給気圧力をより適正にし、燃費の向上を図ると共に、余剰排気エネルギによってさらに多くの電力を発生させる。
さらに、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零を超える場合であって、かつ誘導発電機30が発電中の場合には、減速比制御モータ41を作動させて減速比可変型遊星歯車21の減速比を大きくし、これにより誘導発電機30の発電トルクを下げて発電量を減少、又は発電停止させることにより、給気圧力がガスエンジン1にとってより適正な燃焼給気圧力であるように、過給機5による給気量が増加制御される。これにより、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。
これと共に、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零を超える場合であって、かつ誘導発電機30が発電を行っていない場合には、減速比制御モータ41を作動させて減速比可変型遊星歯車21の減速比をさらに大きくし、これにより誘導発電機30をモータとして作動させて、遊星歯車減速機構10を介して過給機5の回転数を増加させる。
これにより、特に負荷急増時などに給気圧力がガスエンジン1にとってより適正な燃焼給気圧力であるように過給機5が加勢され、給気量が増加制御される。したがって、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。
ガスエンジン1は、ガス燃料の空気混合気の可燃範囲が狭いことで、負荷急増時には過給機5の回転数の上昇が追いつかずに充分なガス燃料が燃焼できないことにより、負荷上昇率が抑えられてしまうことがある。この一方、近年の再生可能エネルギの利用の中には、特に風力発電のように発電量が急変する機器も多い。
これらをバックアップし電量供給の平準化を行なおうとする機器としてガスエンジン1を適用しようとすると、高い負荷応答性が求められる。そこで、上述のように、この負荷増加時などに誘導発電機30をモータと使用することで、過給機5の回転数の上昇させ、急激な負荷応答に耐え得るガスエンジン1とすることができる。
本発明に係る過給機の余剰エネルギ利用装置の第2の発明を実施するための形態を、図4及び図5を参照して詳細に説明する。ただし、主に上述の第1の発明を実施するための形態との相違点を説明し、同様部分はその説明を省略する。また、上述の第1の発明を実施するための形態と同一の構成要素は、同一の符号によって示す。
図4に示すように、過給機5のコンプレッサ7側の出力軸8に、連結軸9を介して遊星歯車減速機構50を構成する単段の減速比固定型遊星歯車51が連結され、この減速比固定型遊星歯車51の内歯歯車57の内歯歯車軸(出力軸)58に、連続可変減速機(回転数制御手段)60が連結される。なお、減速比固定型遊星歯車51は必ずしも単段に限定されるものではなく、必要により2段以上を直列に配設してもよい。
連続可変減速機60は、2つのベルト車61,63と、この2つのベルト車61,63の間に巻き掛られたベルト65とからなる。2つのベルト車61,63は、ともに円柱体の中央外周部が凹んでなる鼓状に形成されて、ベルト巻掛け部の直径が軸方向に連続的に変化する。減速機制御器(回転数制御手段)71によりベルト65の巻き掛け位置をベルト車61,63の軸方向に移動させることにより、連続可変減速機60の減速比を連続的に変化させることができる。
ベルト車61の回転軸62が減速比固定型遊星歯車51の内歯歯車57の内歯歯車軸(出力軸)58に連結され、ベルト車63の回転軸64が誘導発電機30の回転軸31に連結される。減速機制御器65は、エンジン1の燃料制御等を行なうエンジンコントローラでもあるコントローラ40に電気的に接続されて、その作動が制御される。
単段の減速比固定型遊星歯車51と連続可変減速機60とにより、過給機5の高速の回転駆動力が誘導発電機30に必要な所定の回転数にまで減速される。つまり、過給機5の回転数と誘導発電機30に必要な所定の回転数との関係によって、減速比固定型遊星歯車51及び連続可変減速機60の減速比がそれぞれ決定される。また、上述の第1の発明を実施するための形態における図2のように、減速比固定型遊星歯車の内歯歯車を固定して遊星キャリアを回転可能にし、遊星キャリア軸を出力軸とすれば、誘導発電機30の回転方向は逆になる。
次に、本過給機の余剰エネルギ利用装置の作動について、図5を参照して説明する。コントローラ40は、給気圧力センサ42が検出したエンジン1の実給気圧力Psmを検出する(ステップS102)。次に、エンジン負荷と所定設定給気圧力Pssとの対応テーブルから、そのときのエンジン負荷に応じた所定設定給気圧力Pssを読み込み、給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いた差圧ΔPを演算する(ステップS104)。
そして、この差圧ΔPの絶対値が所定設定値P0 以下か否かを判定する(ステップS106)。この所定設定値P0 は、例えば、所定設定給気圧力の2%の圧力値などに設定される。ステップS106の判定結果が肯定(Yes)の場合、つまり過給機5の実給気圧力Psmが所定設定給気圧力Pssに対して一定範囲内にある場合には、過給機5による給気圧力の調整が必要ないから、減速機制御器71に対して連続可変減速機60の減速比の調整は指示しない。
一方、ステップS106の判定結果が否定(No)の場合には、排気ガスエネルギの過不足により過給機5の回転数が適正ではなく、過給機5による給気圧力の調整が必要な状態であるから、次に、上述のエンジン負荷に対応した所定設定給気圧力Pssから、給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いた差圧ΔPが、零を超えるか否かを判定する(ステップS108)。
ステップS108の判定結果が否定の場合、つまり過給機5による過給圧力がそのときの運転状態に対して過大となっている場合には、減速比を小さくし、誘導発電機30の発電トルクを増加させて発電量を増やすように、減速機制御器71に対して連続可変減速機60の減速比の調整を指示する(ステップS110)。これにより、過給機5の余剰エネルギがさらに発電に利用される。
ステップS108の判定結果が肯定の場合には、つまり過給機5による実給気圧力Psmがそのときの運転状態に対して不足している場合には、次に、誘導発電機30が発電中か否かを判定する(ステップS112)。ステップS112の判定結果が肯定、つまり誘導発電機30が発電中の場合には、減速比を大きくし、誘導発電機30の発電トルクを下げて発電量を減少させるように、減速機制御器71に対して連続可変減速機60の減速比の調整を指示する(ステップS114)。これにより、過給機5の回転数は増加し、そのときの運転状態に必要な過給圧力を適正に確保する。
ステップS112の判定結果が否定、つまり誘導発電機30が発電していない場合には、コントローラ40は、減速比を大きくするように、減速機制御器71に対して連続可変減速機60の減速比の調整を指示する。これにより、誘導発電機30の回転数は下り、電力母線45から電力の供給を受けて誘導発電機30は一定回転を維持するためにモータとして作動するようになる(ステップS116)。
このため、過給機5の回転数は増加し、そのときの運転状態に必要な給気圧力が適正に確保される。上述のステップS106,110、S114又はS116がそれぞれ最終ステップとなる場合には、再びステップS2以下を繰り返す。
以上のように、本過給機の余剰エネルギ利用装置の第2の発明を実施するための形態においては、減速比固定型遊星歯車51と誘導発電機30との間に連続可変減速機60を介装するから、過給機5の回転数を誘導発電機60が必要とする回転数にまで円滑に減速させることができる。
これにより、従来の高速発電機と比べてその入手が容易であり、かつ極めて安価な誘導発電機30の導入が可能となる。また、誘導発電機30は、発電した電力を一般電源として利用する場合に周波数変換が不要であるから、従来の高速発電機では必要であった特殊で高価なインバータやコンバータ等の特殊機器も不要となる。遊星歯車51及び連続可変減速機60も入手が容易で、かつ極めて安価である。
この一方、過給機5の回転数は常に一定ではなく、そのときの機関負荷や大気温度によって変動する。本過給機の余剰エネルギ利用装置によれば、コントローラ40が、これらを原因とする過給機5の回転数の変動にも拘わらず、連続可変減速機60によって誘導発電機30の回転数を一定に保持するから、常に安定的に発電を行なうことができる。
また、コントローラ40が、給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmに基づいて減速機制御器71を作動させ、連続可変減速機60の減速比を変化させて誘導発電機30の発電トルクを制御することにより、過給機5の回転数によって発生する給気圧力がガスエンジン1にとって適正な燃焼給気圧力であるように制御され、ガスエンジン1は適正な運転を維持することが可能となる。
さらに、コントローラ40は、所定設定給気圧力Pssから給気圧力センサ42が検出した実給気圧力Psmを差し引いた差圧ΔPを演算し、この差圧ΔPの絶対値が所定設定値P0 を超える場合に、連続可変減速機60の減速比を変化させて、誘導発電機30の回転数を変化させる。したがって、ガスエンジン1は給気圧力が一定の範囲内において適正な燃焼給気圧力であるように制御され、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。
また、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零以下、つまり実給気圧力Psmがガスエンジン1適正な燃焼給気圧力よりも高い場合には、減速比が小さくなるように連続可変減速機60の減速比を変化させて、誘導発電機30の発電トルクを上昇させて発電量を増加させる。これにより、ガスエンジン1の給気圧力をより適正にし、燃費の向上を図ると共に、余剰排気エネルギによってさらに多くの電力を発生させることができる。
さらに、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零を超える場合であって、かつ誘導発電機30が発電中の場合には、減速比が大きくなるように連続可変減速機60の減速比を変化させて、誘導発電機30の発電トルクを下げて発電量を減少させる。これにより、給気圧力がガスエンジン1にとってより適正な燃焼給気圧力であるように、給気量が増加制御される。これにより、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。
一方、コントローラ40が、上記差圧ΔPが零を超える場合であって、かつ誘導発電機30が発電を行っていない場合には、減速比がさらに大きくなるように連続可変減速機60の減速比を変化させ、電力母線45から電力の供給を受けて誘導発電機30をモータとして作動させて、遊星歯車減速機構50を介して過給機5の回転数を増加させる。
これにより、特に負荷急増時などに給気圧力がガスエンジン1にとってより適正な燃焼給気圧力であるように過給機5が加勢され、給気量が増加制御される。このため、ガスエンジン1は常に適正な運転が維持される。その他は、上述の第1の発明を実施するための形態と同様である。
なお、本過給機の余剰エネルギ利用装置は、上述の2つの発明を実施するための形態に制約されるものではなく、様々な形態のものが実施可能である。
本発明の過給機の余剰エネルギ利用装置は、内燃機関の過給機に限定して利用されるものではなく、高速回転する機器を動力源として発電機を回転駆動して発電を行なう発電設備一般に広く利用可能である。
1 ガスエンジン(内燃機関)
5 過給機
6 タービン
7 コンプレッサ
8 出力軸
9 連結軸
10 遊星歯車減速機構
11 減速比固定型遊星歯車
12 太陽歯車
13 太陽歯車軸
14 遊星歯車
15 遊星キャリア
16 遊星キャリア固定板
17 内歯歯車
18 内歯歯車軸
21 減速比可変型遊星歯車
22 太陽歯車
23 太陽歯車軸
24 遊星歯車
25 遊星キャリア
26 遊星キャリア回転歯車
27 内歯歯車
28 内歯歯車軸
29 モータ歯車
30 誘導発電機
31 回転軸
33 減速比固定型遊星歯車
34 太陽歯車
35 遊星歯車
36 遊星キャリア
37 遊星キャリア軸
38 内歯歯車
40 コントローラ(回転数制御手段)
41 減速比制御モータ(回転数制御手段)
42 給気圧力センサ(回転数制御手段)
45 電力母線
50 遊星歯車減速機構
51 減速比固定型遊星歯車
57 内歯歯車
58 内歯歯車軸(出力軸)
60 連続可変減速機(回転数制御手段)
61 ベルト車
62 回転軸
63 ベルト車
64 回転軸
65 ベルト
71 減速機制御器(回転数制御手段)
P0 所定設定値
Psm 実給気圧力
Pss 所定設定給気圧力
ΔP 差圧

Claims (13)

  1. 内燃機関(1)と、前記内燃機関へ加圧された給気を供給する過給機(5)と、電力母線(45)に繋がれると共に前記過給機に連結されて前記過給機の回転駆動力により回転されて発電を行ない前記電力母線へ電力を供給する発電機(30)とを備えた過給機の余剰エネルギ利用装置において、前記過給機の出力軸(8)と前記発電機の回転軸(31)との間に遊星歯車減速機構(10,50)を介装し、前記遊星歯車減速機構の出力軸(28,58)の回転数を制御するための回転数制御手段(40,41,60,71)を配設し、前記発電機を一定の回転数で発電を行なう誘導発電機としたことを特徴とする過給機の余剰エネルギ利用装置。
  2. 前記遊星歯車減速機構(10)は、減速比を変化させることができる減速比可変型遊星歯車(21)を備え、前記回転数制御手段は、前記減速比可変型遊星歯車の遊星歯車(24)を前記減速比可変型遊星歯車の太陽歯車(22)の周りに公転させる減速比制御モータ(41)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  3. 前記回転数制御手段は、前記減速比制御モータ(41)の作動を制御するコントローラ(40)と、前記コントローラに接続されて前記内燃機関の実給気圧力(Psm)を検出する給気圧力センサ(42)とを備え、前記コントローラは、前記給気圧力センサが検出した前記実給気圧力に基づいて前記減速比制御モータを作動させて前記減速比可変型遊星歯車(21)の減速比を変化させて前記誘導発電機(30)の作動状態を変化させることを特徴とする請求項2に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  4. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧の絶対値が所定設定値(P0 )を超える場合に前記減速比制御モータ(41)を作動させて前記減速比可変型遊星歯車(21)の減速比を変化させて前記誘導発電機(30)の作動状態を変化させることを特徴とする請求項3に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  5. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零以下の場合には前記減速比制御モータ(41)を作動させて前記減速比可変型遊星歯車(21)の減速比を小さくして前記誘導発電機(30)の発電量を増加させることを特徴とする請求項3又は4に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  6. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零を超える場合であって、かつ前記誘導発電機(30)が発電中の場合には前記減速比制御モータ(41)を作動させて前記減速比可変型遊星歯車(21)の減速比を大きくして前記誘導発電機の発電量を減少させることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに過給機の余剰エネルギ利用装置。
  7. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零を超える場合であって、かつ前記誘導発電機(30)が発電を行っていない場合には前記減速比制御モータ(41)を作動させて前記減速比可変型遊星歯車(21)の減速比を大きくし前記誘導発電機をモータとして作動させて前記遊星歯車減速機構(10)を介して前記過給機(5)の回転数を増加させることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに過給機の余剰エネルギ利用装置。
  8. 前記遊星歯車減速機構(50)は、減速比が一定の減速比固定型遊星歯車(21)を備え、前記回転数制御手段は、前記減速比固定型遊星歯車と前記誘導発電機(30)との間に介装されて前記減速比固定型遊星歯車の出力軸(58)の回転数を連続的に変化させる連続可変減速機(60)と、前記連続可変減速機の作動を制御する減速機制御器(71)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  9. 前記回転数制御手段は、前記減速機制御器(71)の作動を制御するコントローラ(40)と、前記コントローラに接続されて前記内燃機関の実給気圧力(Psm)を検出する給気圧力センサ(42)とを備え、前記コントローラは、前記給気圧力センサが検出した前記実給気圧力に基づいて前記減速機制御器(71)によって前記連続可変減速機の減速比を変化させて前記誘導発電機(30)の作動状態を変化させることを特徴とする請求項8に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  10. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧の絶対値が所定設定値(P0 )を超える場合に前記減速機制御器(71)によって前記連続可変減速機(60)の減速比を変化させて前記誘導発電機(30)の作動状態を変化させることを特徴とする請求項9に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  11. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零以下の場合には前記減速機制御器(71)によって前記連続可変減速機(60)の減速比を小さくして前記誘導発電機(30)の発電量を増加させることを特徴とする請求項9又は10に記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  12. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零を超える場合であって、かつ前記誘導発電機(30)が発電中の場合には前記減速機制御器(71)によって前記連続可変減速機(60)の減速比を大きくして前記誘導発電機(30)の発電量を減少させることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
  13. 前記コントローラ(40)は、所定設定給気圧力(Pss)から前記給気圧力センサ(42)が検出した前記実給気圧力(Psm)を差し引いた差圧(ΔP)を演算し、前記差圧が零を超える場合であって、かつ前記誘導発電機(30)が発電を行っていない場合には前記減速機制御器(71)によって前記連続可変減速機(60)の減速比を大きくし前記誘導発電機(30)をモータとして作動させて前記遊星歯車減速機構(60)を介して前記過給機(5)の回転数を増加させることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の過給機の余剰エネルギ利用装置。
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CN111322150A (zh) * 2018-12-13 2020-06-23 斗山英维高株式会社 涡轮复合系统

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