JP2014139378A - 後付け断熱天井板の取付工法、及び天井構造 - Google Patents
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【解決手段】梁材1に、取付金具2を取り付け、ジョイナー3を梁材1と直交するように配設する後付け断熱天井板4の取付工法であって、梁材1の横片部12にフック部23を引掛けて取付金具2を回動させ、横片部12の基端及び縦片部11の下端に下方から添設部24を添設させて縦片部12の下端にビス25打ちする取付金具2を固定する第1の工程と、取付金具2,2間に断熱天井板4を回転させつつ設置する第2の工程と、各取付金具2,2の端部の係合溝22,22に、ジョイナー3の両端部34,34をそれぞれ差し込むと共にウエブ31の一方面を断熱天井板4の側面に臨ませる第3の工程と、ジョイナー3の他方面側に、取付金具2を配設すると共に断熱天井板4を取り付ける第4の工程とする。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1等には、建築物の構造材上に構造材に直交する方向にフレーム状の取付部材を配し、この取付部材に網状の支持部材を配することで、取付部材と支持材で矩形の受部を形成してこの受部内に天井材を配設する構成が提案されている。
このように、工場や倉庫等の建築物によく使用されている直接梁材(躯体)に屋根材を取り付けるタイプの屋根、例えばスレート瓦葺の屋根は、断熱性が乏しいため、既存の建築物について冷暖房効果を上げ、冷暖房コストを節約するため、建築後にも断熱工事が追加的に必要になることが多い。また、断熱材を取り付ける工事には、時間もコストもかかるという問題があった。
そして、特許文献2等には、建築物の屋根や壁の内面に断熱材を短時間で簡単に取り付けることを目的とする工法が提案され、C形鋼材2の開口部3aに断熱材4の側端にH形鋼材5を取り付けた状態の一方の端部を突っ込み、他方の端部にピース状の止金具8を取り付け、隣り合うC形鋼材3に下方から嵌合させて取り付ける工法が記載されている。その結果、断熱工事に必要とするコストを大幅に軽減することができたと報告されている。
また、前記特許文献2の工法は、C形鋼材への取り付けに限定された工法であって、取付対象がL形鋼材やH形鋼材では、取り付け自体が成立しないという問題があった。取付強度が、ピース状の止金具8のC形鋼材3への嵌合に依存しているので、十分な取付強度が得られないという問題もあった。さらに、前記特許文献2の工法では、C形鋼材の寸法に誤差がある場合などに、前述の止金具8の嵌合が困難となることもあった。また、前記特許文献2の工法は、例えば金網等による断熱材の落下防止対策が行われておらず、断熱材の端部が露出しているため、意匠性も劣るものであった。
また、本発明の取付工法を構成する第1〜第4の工程は、何れも室内側からでも梁材側からでも作業が可能であるため、比較的大きな工場や体育館等の天井施工でも、比較的小型の倉庫等の天井施工でも、或いはその施工全般の手順に適宜に対応させて施工することが可能である。
このジョイナーは、断面H字状ではあるが、一般的なH形鋼材と異なり、長さ方向の端部において下フランジを長さ方向に長く延在させた構成である。また、このジョイナーは、隣接する取付金具間に直交状に配設するものであるから、隣接する取付金具の配設間隔に応じた長さに形成されている。
前記化粧面部は、配設状態において梁材の下面側に配設されて室内側から見上げた際に梁材やビス打ちしたビスを隠す役割を果たす略水平状の横片である。この化粧面部の左右端に設けられる係合溝は、前記ジョイナーの延出部が挿入される部分であるから、この係合溝は前記ジョイナーの延出部の厚さより僅かに広幅に形成される。
前記フック部は、前述のように前記梁材の横片部の先端に引掛け可能であればどのような形状でもよい。例えば後述する図示実施例のように梁材としてC形鋼(リップ溝形鋼)を用いた場合には、横片部は下フランジに上向き片が延設された形状であるから、この横片部の先端とは、上向き片の上端を指し、フック部を略L字状に形成した。さらに、例えば梁材としてL形鋼や溝形鋼を用いた場合には、横片部は上向き片が形成されずに単なる横片状となるから、フック部をやや内向きに傾斜させた起立片状に形成すればよい。
前記添設部は、前述のように配設状態において前記梁材の横片部の基端及び縦片部の下端に下方から添設可能な部位である。前述のように梁材の横片部と縦片部とは垂直面部を形成しているので、この添設部も略垂直状に形成される。
第1の工程は、前記梁材に前記取付金具を固定する工程であり、前記梁材の横片部にフック部を引掛けた状態で前記取付金具を回動させる操作と、横片部の基端及び縦片部の下端に下方から添設部を添設させた状態で該添設部の側方から縦片部の下端にビス打ちする操作とを行う。この添設部は、取付金具の化粧面部の上方に形成されるので、ビス打ちしたビス(ビス頭部)は室内側に露出しないので、意匠性を損なうことがない。
第2の工程は、前記第1の工程により固定した隣接する取付金具間に断熱天井板を回転させつつ設置する。ここで「回転させつつ設置する」とは、隣接する取付金具間より僅かに幅狭に形成した断熱天井板を、取付金具間に傾斜状に臨ませ、何れか一端を片方の取付金具に載置した状態で他方端を回動させて配設することを意味している。
この断熱天井板は、自重や温度、湿度等にて変形しないものであれば、特にその材質等を限定するものではないが、その下面に落下防止網材が一体的に積層された構成でもよく、またこの断熱天井板を配設するに当たり、別体の落下防止網材を断熱天井板の下面に沿わせて配設することが好ましい。その場合には、この第2の工程は、隣接する取付金具間に断熱天井板及び落下防止網材を回転させつつ設置する。また、この落下防止網材としては、金属製(金網)に限定されず、強度を有するものであればFRP等のプラスチック製でもよい。
第3の工程は、梁材及び取付金具に対して格子状となるようにジョイナーを取り付ける工程であり、固定した取付金具の端部の係合溝に、ジョイナーの両端の延出部をそれぞれ差し込むと共に一方面側を断熱天井板の側面に臨ませて配設する。前述のようにこのジョイナーは、隣接する取付金具の配設間隔に応じた長さに形成されているので、取付金具の係合溝に側方から延出部を差し込むことで配設することができる。
配設したジョイナーの他方側に、取付金具を配設すると共に断熱天井板を取り付ける。ここで「ジョイナーの他方側」とは、前記第3の工程にて断熱天井板の側面に臨ませた一方面側に対する反対側(他方側)を意味している。また、ジョイナーと取付金具との連結は、前記第3の工程と全く同様(主体が逆))であり、取り付けたジョイナーの延出部に対し、取付金具の係合溝が嵌合するように配設する。そして、取り付けた取付金具間に断熱天井板を配設する。
前記フック部23は、前述のように前記梁材1がC形鋼(リップ溝形鋼)であるから、前述のように「横片部12の先端」とは、上向き片121の上端を指すから、このフック部23を略L字状に形成した。
また、前記添設部24は、前述のように配設状態において前記梁材1の下フランジ12の基端及びウエブ11の下端に下方から添設するので、梁材1の下フランジ12とウエブ11と同様に略垂直状に形成されている。
なお、前記取付工法を梁材1側から実施する場合には、前記野地材6やその上方の屋根構造が残存していないケース等が想定され、前述の天井構造を梁材1側から施工した後、最後に野地材6を梁材1の上フランジ13に固定すればよい。
この例において、既設の野地材6の上面には、既設の屋根構造7が敷設され、該既設の屋根構造7は、略平坦状の面板部の両端を立ち上げた屋根材7Aと、断面が略U字状の樋材7Bと、該樋材7Bの解放上部を覆う横片状の蓋材7Cとからなり、これらの屋根材7Aの側端、樋材7Bの側壁、及び蓋材7Cの側縁をカシメて一体化した構成であり、流れ方向に延在する縦桟が形成される構造である。
そして、前記既設の屋根構造7の上に、上下分割式の保持部材8(8A,8B)を用いて新設の屋根構造9を取り付けるのであるが、具体的には、前記既設の屋根構造の縦桟を跨ぐように略門状の下部保持部材8Aを取り付け、その左右の脚部の下端に設けた固定部に固定具8c,8cを打ち付け、前記野地材6を貫通して前記梁材1の上フランジ13に達するように固定した。この下部保持部材8Aの左右の側壁から外方へ弧状に突出する係合片が設けられ、この係合片に、略平坦状の面板部の左右端を傾斜状に立ち上げた外装材9Aを弾性嵌合させて保持させた状態で、略中央に弾性連結部を備える略蓋状の上部保持部材8Bを上方から押さえ付けるように配設することで、外装材9Aの傾斜状側縁部を下部保持部材8Aと上部保持部材8Bとで挟み込むように保持するので、外装材9Aはより安定に且つ強固に取り付け保持されるものとなる。そして、上部保持部材8Bを覆うようにカバー材9Bを冠着することで、新設の屋根構造が施工されている。
また、本発明の取付工法を構成する第1〜第4の工程は、何れも室内側からでも梁材1側からでも作業が可能であるため、比較的大きな工場や体育館等の天井施工でも、比較的小型の倉庫等の天井施工でも、或いはその施工全般の手順に適宜に対応させて施工することが可能である。
11 縦片部(ウエブ)
12 横片部(下フランジ)
121 上向き片
13 上フランジ
2 取付金具
21 化粧面部
22 係合溝
23 フック部
24 添設部
25 ビス
3 ジョイナー
31 ウエブ
32 下フランジ
33 上フランジ
34 延出部
4 断熱天井板
5 落下防止網材
6 野地材
7 既設の屋根構造
8 保持部材
9 新設の屋根構造
Claims (3)
- 梁材に、取付金具を取り付け、ジョイナーを梁材と直交するように配設して断熱天井板を配設する後付け断熱天井板の取付工法であって、
前記梁材は、少なくとも縦片部の下端に横片部を有する形鋼であり、
前記取付金具は、化粧面部の左右端にそれぞれ外方が開口する係合溝と、配設状態において前記梁材の横片部の先端に引掛け可能なフック部と、前記梁材の横片部の基端及び縦片部の下端に下方から添設可能な添設部と、を備え、
前記ジョイナーは、下フランジと上フランジとそれらの中央を連結するウエブとからなり、さらに前記下フランジには長さ方向へ突出する延出部が設けられ、
前記梁材の横片部にフック部を引掛けた状態で前記取付金具を回動させ、横片部の基端及び縦片部の下端に下方から添設部を添設させた状態で該添設部の側方から縦片部の下端にビス打ちすることにより取付金具を固定する第1の工程と、
隣接する取付金具間に断熱天井板を回転させつつ設置する第2の工程と、
各取付金具の端部の係合溝にジョイナーの両端の延出部をそれぞれ差し込むと共に一方面側を断熱天井板の側面に臨ませて配設する第3の工程と、
配設したジョイナーの他方面側に、取付金具を配設すると共に断熱天井板を取り付ける第4の工程とを実施することを特徴とする後付け断熱天井板の取付工法。 - 断熱天井板の下面に落下防止網材を沿わせて配設することを特徴とする請求項1に記載の後付け断熱天井板の取付工法。
- 請求項1又は2の取付工法により施工されることを特徴とする天井構造。
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