JP2014137887A - 燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムのアイドル停止状態において、燃料電池の劣化を抑制できる燃料電池システムの制御方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システムの制御方法であって、燃料電池システムのアイドル停止を許可するアイドル停止許可工程S101と、燃料電池システムのアイドル停止を許可した場合に、酸化剤オフガス循環手段を駆動しながら、酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程S103と、を有することを特徴としている。
【選択図】図2

Description

この発明は、燃料電池システムの制御方法に関するものである。
燃料電池には、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込み、さらにその外側を一対のセパレータで挟持して形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなるものがある。このものは、各セルのアノードに燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソードに酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給して発電を行っている。
また、このような燃料電池を搭載した燃料電池車両には、所定の条件が満たされた場合に、燃料電池での発電を一時的に停止するアイドル停止(以下、「燃料電池システムのアイドル停止」という。)を行うことで燃費の向上を図るものが知られている。
ところで、この種の燃料電池では、上記燃料電池システムのアイドル停止を含む燃料電池の発電停止時において、燃料電池内に残存するアノード側の水素ガスが固体高分子電解質膜を透過してカソード側へ、また、カソード側の空気中の酸素が固体高分子電解質膜を透過してアノード側へ拡散する、いわゆるクロスオーバーが生じることが知られている。このクロスオーバーが生じると、固体高分子電解質膜の近くで反応ガスが電気化学反応し、固体高分子電解質膜が劣化するおそれがある。このため、燃料電池の発電を停止する際には、燃料電池のカソード側に残存する酸素を消費して酸素濃度を低下させ、窒素リッチな雰囲気にする必要がある。
例えば、特許文献1には、燃料ガスおよび酸化ガス(酸化剤ガス)の供給を受けて当該燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池を有する燃料電池システムであって、燃料電池の間欠運転(燃料電池システムのアイドル停止状態)時に、燃料電池システムにおける燃料ガス漏れの有無を判定する漏れ判定手段と、酸化ガスの供給を停止させて燃料電池の出力電流を徐々に減少させていく開回路電圧回避処理を実行する回避処理実行手段と、を備えた燃料電池システムが開示されている。特許文献1に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の間欠運転時において、酸化ガスの供給を停止させて燃料電池の出力電流を徐々に減少させていく開回路電圧回避処理が終了した後に、燃料ガス漏れの有無を判定することができるため、燃料電池の出力電圧が開回路電圧に到達してしまうことを防止することができ、燃料電池の劣化を抑制させることができるとされている。
特開2009−93918号公報
しかし、従来技術にあっては、燃料電池システムのアイドル停止状態において、酸化剤ガスの供給を停止させているため、セル近傍の酸素のみが消費され、カソード側の酸化剤ガスの通流路内には多量の酸素が残存する。この残存した酸素が、固体高分子電解質膜を透過してカソード側に侵入した水素ガスと固体高分子電解質膜の面上で局所的に反応し、固体高分子電解質膜を劣化させるおそれがある。したがって、燃料電池の劣化を抑制させる点で改善の余地がある。
そこで本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、燃料電池システムのアイドル停止状態において、燃料電池の劣化を抑制できる燃料電池システムの制御方法の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の燃料電池システム(例えば、実施形態における燃料電池システム1)の制御方法は、アノード(例えば、実施形態におけるアノード2a)に燃料ガスが供給されカソード(例えば、実施形態におけるカソード2b)に酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池(例えば、実施形態における燃料電池2)と、前記アノードに供給される前記燃料ガスが通流する燃料ガス供給路(例えば、実施形態における燃料ガス供給路32)と、前記アノードから排出される燃料オフガスが通流する燃料オフガス排出路(例えば、実施形態における燃料オフガス排出路36)と、前記カソードに供給される前記酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給路(例えば、実施形態における酸化剤ガス供給路41)と、前記カソードから排出される酸化剤オフガスが通流する酸化剤オフガス排出路(例えば、実施形態における酸化剤オフガス排出路47)と、前記酸化剤ガス供給路と、前記酸化剤オフガス排出路とを接続する酸化剤オフガス循環路(例えば、実施形態における酸化剤オフガス循環路75)と、前記酸化剤ガスを前記カソードに供給する酸化剤ガス供給手段(例えば、実施形態におけるエアポンプ42)と、前記酸化剤オフガス循環路に配設されて、前記酸化剤オフガスを循環させる酸化剤オフガス循環手段(例えば、実施形態における酸化剤オフガス循環ポンプ76)と、前記燃料電池で発電した電力を蓄電する蓄電手段(例えば、実施形態における高圧バッテリ11)と、燃料電池システムを起動および停止するときに操作されるシステムスイッチ(例えば、実施形態におけるシステムスイッチ5)と、を備えた燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池システムのアイドル停止を許可するアイドル停止許可工程(例えば、実施形態におけるアイドル停止許可工程S101)と、前記燃料電池システムのアイドル停止を許可した場合に、前記酸化剤オフガス循環手段を駆動しながら、前記酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程(例えば、実施形態における停止時ディスチャージ工程S103)と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、燃料電池システムのアイドル停止を許可した場合に、酸化剤オフガス循環手段を駆動しながら、酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程を有するので、カソード側の酸化剤ガス供給路、酸化剤オフガス排出路および酸化剤オフガス循環路内に残存する酸素の消費を促進できる。これにより、燃料電池システムのアイドル停止状態において、カソードの酸素濃度を低下させて窒素リッチな雰囲気にすることができるので、燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスオーバーなどにより、固体高分子電解質膜の面上で燃料ガスと酸化剤ガスとが局所的に反応するのを防止できる。したがって、燃料電池システムのアイドル停止状態において、燃料電池の劣化を抑制できる。
また、請求項2に記載の発明は、前記蓄電手段の残容量が所定下限値未満となったときに、前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除することを特徴としている。
本発明によれば、蓄電手段の残容量が所定下限値未満となったときに、燃料電池システムのアイドル停止状態を解除するので、燃料電池の発電を開始するとともに、燃料電池で発電した電力を蓄電手段に蓄電できる。これにより、燃料電池システムの起動時に必要な電力量を確保できるので、次回の燃料電池システムの起動を確実に行うことができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記燃料電池システムは、前記酸化剤ガス供給路および前記酸化剤オフガス排出路にそれぞれ封止弁(例えば、実施形態における入口封止弁45および出口封止弁48)を備え、各前記封止弁により前記酸化剤ガス供給路および前記酸化剤オフガス排出路を封止した状態で、前記停止時ディスチャージ工程を行うことを特徴としている。
本発明によれば、各封止弁により酸化剤ガス供給路および酸化剤オフガス排出路を封止した状態で、停止時ディスチャージ工程を行うことにより、酸化剤ガス供給路、酸化剤オフガス排出路およびこれらを接続する酸化剤オフガス循環路の封止された各通流路内の酸素のみを消費するだけで、カソードを窒素リッチな雰囲気にすることができる。したがって、酸素を素早く消費して燃料電池の劣化をさらに抑制できる。
また、請求項4に記載の発明は、前記燃料ガス供給路と、前記燃料オフガス排出路とを接続する燃料オフガス循環路(例えば、実施形態における燃料オフガス循環路39)と、前記燃料オフガス循環路に配設されて、前記燃料オフガスを循環させる燃料オフガス循環手段(例えば、実施形態における燃料オフガス循環ポンプ30)と、を備え、前記停止時ディスチャージ工程では、前記燃料オフガス循環手段を駆動して行うことを特徴としている。
本発明によれば、燃料オフガス循環手段を駆動して停止時ディスチャージ工程を行うので、アノード側の燃料ガス供給路、燃料オフガス排出路および燃料オフガス循環路内の燃料オフガスを循環させて、早期にカソード側の酸化剤オフガス内の酸素と反応させることができる。これにより、カソード側の酸素を素早く消費できるので、早期に停止時ディスチャージ工程を終了させることができる。また、アノード側の燃料オフガスを循環させることで、アノード側に滞留する生成水の排水性を向上できる。また、燃料オフガスを循環させて供給するので、いわゆるストイキ(燃料電池への供給量/理論消費量)不足を抑制し、ディスチャージの安定性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記燃料電池システムは、前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除したときに、前記アノード側の燃料ガス濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段(例えば、実施形態における水素濃度予測手段6a)と、前記燃料オフガスを排出するための排出弁(例えば、実施形態におけるパージ弁37)と、を備え、前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除した後、前記燃料電池による発電を開始する前に、前記燃料ガス濃度に応じて前記排出弁を開放するか否かを判断することを特徴としている。
本発明によれば、アノード側の燃料ガス濃度に応じて排出弁を開放するか否かを判断するので、例えば、アノード側の燃料オフガス中に含まれる窒素や水等の不純物が多く燃料ガス濃度が低い場合には、濃度の低い燃料オフガスを外部に排出するとともに、燃料ガスの置換(いわゆるOCVパージ)を行うことができる。したがって、次回の燃料電池システムの起動性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明は、前記燃料電池システムのアイドル停止状態において、前記システムスイッチがオフされた場合には、前記アノード側に前記燃料ガスを所定圧力となるまで封入した後に前記燃料電池システムを停止することを特徴としている。
本発明によれば、アノード側に燃料ガスを所定圧力となるまで封入した後に燃料電池システムを停止するので、アノードに所定圧力で燃料ガスを保圧でき、アノード側およびカソード側を水素リッチな状態とすることができる。また、燃料電池システムの停止状態(いわゆる「ソーク中」の状態)において、アノード側が負圧となるのを防止できるので、燃料電池システムの外部から燃料電池システムの内部への酸素を含むエア等の導入を防止できる。これにより、アノード側およびカソード側が空気リッチな状態となるのを防止し、燃料電池の発電時における燃料ガス不足に起因した燃料電池の劣化を防止することができる。
また、請求項7に記載の発明は、前記燃料電池システムのアイドル停止状態において、前記システムスイッチがオフされた場合であって、かつ前記蓄電手段の残容量が所定下限値未満である場合には、前記燃料電池による発電を行って前記蓄電手段に蓄電を行い、前記蓄電手段の残容量が前記所定下限値以上となったときに前記燃料電池システムを停止することを特徴としている。
本発明によれば、燃料電池システムのアイドル停止状態において、システムスイッチがオフされた場合に、蓄電手段の残容量が所定下限値以上となったときに燃料電池システムを停止するので、燃料電池システムの起動時に必要な電力量を蓄電手段に確保できる。したがって、次回の燃料電池システムの起動を確実に行うことができる。
また、請求項8に記載の発明は、前記停止時ディスチャージ工程の実行中に前記システムスイッチがオフされた場合には、前記停止時ディスチャージ工程が終了した後に、前記燃料電池システムを停止することを特徴としている。
本発明によれば、停止時ディスチャージ工程が終了した後に、燃料電池システムを停止するので、カソードの酸素濃度を確実に低下させて窒素リッチな雰囲気にすることができる。したがって、燃料電池の劣化を抑制できる。
本発明によれば、燃料電池システムのアイドル停止を許可した場合に、酸化剤オフガス循環手段を駆動しながら、酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程を有するので、カソード側の酸化剤ガス供給路、酸化剤オフガス排出路および酸化剤オフガス循環路内に残存する酸素の消費を促進できる。これにより、燃料電池システムのアイドル停止状態において、カソードの酸素濃度を低下させて窒素リッチな雰囲気にすることができるので、燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスオーバーなどにより、固体高分子電解質膜の面上で燃料ガスと酸化剤ガスとが局所的に反応するのを防止できる。したがって、燃料電池システムのアイドル停止状態において、燃料電池の劣化を抑制できる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 燃料電池システムの制御方法のフローチャートである。 燃料電池システムの制御方法のタイムチャートである。
(燃料電池システム)
以下に、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの制御方法について説明する。なお、以下では、まず燃料電池システムの概略構成について説明したあと、燃料電池システムの制御方法について説明する。
図1は、燃料電池システム1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、例えば不図示の燃料電池車両に搭載されるものであり、燃料電池2(図中ではSTKと略す。)と、燃料電池2のアノード2aに燃料ガスである水素を供給するためのアノード側通流路3と、燃料電池2のカソード2bに酸化剤ガスである空気を供給するためのカソード側通流路4と、燃料電池2で発電した電力を蓄電する高圧バッテリ11(請求項の「蓄電手段」に相当。図中ではBATと略す。)と、これら各構成品を統括的に制御する制御装置6と、燃料電池システム1を起動および停止するときに、ユーザによって操作されるシステムスイッチ5と、を主に備えている。
燃料電池2は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜2cをアノード2aとカソード2bとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されており(図示の都合上、図1では単セルのみ示す)、アノード2aに燃料ガスとして水素を供給し、カソード2bに酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノード2aで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜2cを通過してカソード2bまで移動して、カソード2bで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。
燃料電池2は、高圧バッテリ11に不図示のコンタクタや電圧調整器(VCU)等を介して接続されており、燃料電池2で発電した電気を高圧バッテリ11に充電可能となっている。燃料電池2と高圧バッテリ11とは、燃料電池車両の電動モータ12(図中ではMと略す。)等の外部負荷に放電可能に接続されている。
(アノード側通流路)
アノード側通流路3は、アノード2aに供給される燃料ガスが通流する燃料ガス供給路32と、アノード2aから排出される燃料オフガスが通流する燃料オフガス排出路36と、燃料ガス供給路32と燃料オフガス排出路36とを接続する燃料オフガス循環路39と、により形成されている。
燃料ガス供給路32は、燃料ガスの通流方向の上流側から下流側に向かって、水素供給タンク31、遮断弁33、並列に並んだ燃料インジェクタ34およびエゼクタ77が順に接続されている。燃料ガス供給路32は、燃料電池2の入口側で、燃料電池2内においてアノード2aに面する燃料通流路35に接続されている。
水素供給タンク31には、燃料ガスである水素ガスが充填されている。
燃料インジェクタ34は、制御装置6からの出力信号により駆動が制御され、燃料ガスが燃料ガス供給路32へ所定の周期で間欠的に供給されて、目標圧力制御で動かされている。これにより、燃料電池2のアノード2aとカソード2bとの間の極間差圧が所定の圧力に保持される。そして、燃料インジェクタ34から供給された燃料ガスは、燃料通流路35に供給される。
エゼクタ77は、燃料オフガス循環路39を通じて、燃料電池2から排出される燃料オフガスを吸引している。エゼクタ77は、水素供給タンク31から供給される新鮮な燃料ガスと燃料オフガスとを合流し、再び燃料電池2の燃料通流路35に供給している。すなわち、燃料電池2から排出される燃料オフガスは、燃料オフガス排出路36、燃料オフガス循環路39、エゼクタ77および燃料ガス供給路32を通って、燃料電池2を循環する。
燃料オフガス排出路36は、燃料通流路35の出口側に接続されており、燃料電池2で発電に供された燃料オフガスや、発電や凝縮によって燃料電池2で生成された水等が通流する。
燃料オフガス排出路36における燃料通流路35の出口側には、キャッチタンク38が設けられている。キャッチタンク38は、燃料通流路35の出口から燃料ガスとともに排出される生成水(液体)を含む水分を捕捉するものである。
燃料オフガス排出路36は、電磁駆動式のパージ弁37(請求項の「排出弁」に相当。)を介して希釈BOX40に接続されている。希釈BOX40は、燃料オフガス排出路36から導入された燃料オフガスが滞留する滞留室(不図示)が内部に設けられるとともに、この滞留室に排出通流路50が接続されている。すなわち、滞留室内において、燃料オフガスは酸化剤オフガスにより希釈された後、排出通流路50から車外に排出される。なお、希釈BOX40には、燃料オフガス排出路36から導入された燃料オフガスの濃度に基づいて、酸化剤オフガスが供給されるようになっている。
燃料オフガス排出路36におけるパージ弁37の上流側には、燃料オフガス循環路39が分岐して設けられている。燃料オフガス循環路39は、燃料オフガス循環ポンプ30(請求項の「燃料オフガス循環手段」に相当。図中ではAn/Pと略す。)を介して燃料ガス供給路32のエゼクタ77に接続されている。
燃料オフガス循環ポンプ30は、燃料電池2の燃料通流路35から排出された燃料オフガスの一部を循環させ、水素供給タンク31から供給された燃料ガスに混合して、燃料電池2のアノード2aに再び供給する。
(カソード側通流路)
カソード側通流路4は、カソード2bに供給される酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給路41と、カソード2bから排出される酸化剤オフガスが通流する酸化剤オフガス排出路47と、酸化剤ガス供給路41と酸化剤オフガス排出路47とを接続する酸化剤オフガス循環路75とより形成されている。
酸化剤ガス供給路41における酸化剤ガスの通流方向の上流側には、図示しないインテークマニホールドに設置されたエアフロセンサ43(図中ではAFセンサと略す。)と、燃料電池2に酸化剤ガスを供給するためのエアポンプ42(請求項の「酸化剤ガス供給手段」に相当。図中ではA/Pと略す。)とが、酸化剤ガスの通流方向の上流側から下流側に向かって順に接続されている。
エアポンプ42は、外部から取り込んだ酸化剤ガス(空気)を所定圧力に加圧し、酸化剤ガス供給路41を通じて圧送して燃料電池2のカソード2bに供給している。
エアフロセンサ43は、エアポンプ42によって外部から取り込んだ酸化剤ガス流量を検出し、検出結果の信号を例えば制御装置6に向けて出力する。酸化剤ガス流量は、制御装置6からエアポンプ42に出力される流量指令値に基づいて制御される。
酸化剤ガス供給路41のうちエアポンプ42よりも下流側は、加湿器44および入口封止弁45(請求項の「封止弁」に相当。)に順に接続され、燃料電池2の入口側で、カソード2bに面する酸化剤通流路46に接続されている。
酸化剤オフガス排出路47は、酸化剤通流路46の出口側に接続されており、燃料電池2で発電に供された酸化剤オフガスや、発電や凝縮によって燃料電池2で生成された水等が通流する。
酸化剤オフガス排出路47は、酸化剤オフガスの通流方向の上流側から下流側に向かって、出口封止弁48(請求項の「封止弁」に相当。)、加湿器44、圧力制御弁49(図中ではCPCVと略す。)に順に接続された後、希釈BOX40に接続されている。
入口封止弁45および出口封止弁48は、それぞれ電磁駆動式の封止弁であり、入口封止弁45と出口封止弁48との間、すなわち酸化剤通流路46内に酸化剤ガスを封止できるように構成されている。
加湿器44は、中空糸膜等の水分透過膜を備え、燃料電池2で発電に供されて湿潤になった酸化剤オフガスを加湿用ガスとして用い、エアポンプ42から送出される酸化剤ガスを加湿する。これにより、燃料電池2に供給する前段で予め酸化剤ガスを加湿することができる。
酸化剤ガス供給路41における加湿器44の上流側には、燃料電池バイパス通流路74が分岐して設けられている。この燃料電池バイパス通流路74は、燃料電池バイパス弁73を介して、酸化剤オフガス排出路47における圧力制御弁49の下流側に接続されている。
酸化剤オフガス排出路47における出口封止弁48の上流側には、酸化剤オフガス循環路75が分岐して設けられている。酸化剤オフガス循環路75は、酸化剤オフガス循環ポンプ76(請求項の「酸化剤オフガス循環手段」に相当。図中ではCa/Pと略す。)を介して、酸化剤ガス供給路41における入口封止弁45の下流側に接続されている。
酸化剤オフガス循環ポンプ76は、燃料電池2の酸化剤通流路46から排出された酸化剤オフガスの一部を循環させ、エアポンプ42から送出される酸化剤ガスに混合して、燃料電池2のカソード2bに再び供給する。
システムスイッチ5は、燃料電池システム1を起動(オン)および停止(オフ)するときにユーザにより操作されるスイッチであって、オン/オフ信号を制御装置6に出力する。本実施形態のシステムスイッチ5は、例えば燃料電池車両のイグニッションスイッチである。
制御装置6は、システムスイッチ5から入力したオン/オフ信号に基づいて、燃料電池システム1の起動/停止を制御する。また、制御装置6は、燃料電池2の出力制御等、その制御内容に応じて、エアポンプ42や酸化剤オフガス循環ポンプ76、燃料オフガス循環ポンプ30、入口封止弁45、出口封止弁48、圧力制御弁49、燃料電池バイパス弁73、インタンク電磁弁28、遮断弁33、パージ弁37、燃料インジェクタ34、エゼクタ77等を制御する。
また、制御装置6は、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除したときに、アノード2a側の燃料ガス濃度(すなわち水素濃度)を予測する水素濃度予測手段6a(請求項の「燃料ガス濃度予測手段」に相当。)を備えている。水素濃度予測手段6aは、例えば、燃料電池システム1のアイドル停止継続時間に対するアノード2a側の水素濃度のデータをマップ化したものである。
(燃料電池システムの制御方法)
上述のように構成された燃料電池システム1において、燃料電池システム1がアイドル停止状態であるときには、燃料電池2の酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費するディスチャージを行う。なお、「燃料電池システム1のアイドル停止状態」とは、燃料電池2での発電を一時的に停止している状態をいう。燃料電池2のディスチャージを行うことにより、カソード2b側に残存する酸素の濃度を低下させてカソード2bが高電位状態になるのを防止し、燃料電池2の固体高分子電解質膜2cの劣化を防止している。以下に、本実施形態に係る燃料電池システム1の制御方法、具体的には、燃料電池システム1のアイドル停止状態におけるディスチャージ制御方法について、フローチャートを用いて詳述する。なお、フローチャートの説明における各部品の符号については、図1を参照されたい。
図2は、燃料電池システム1の制御方法のフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態の燃料電池システム1の制御方法は、主に燃料電池システム1のアイドル停止を許可するアイドル停止許可工程S101と、停止時ディスチャージ工程S103と、アイドル停止状態解除判定工程S107と、を有している。以下に、各工程について説明する。なお、図2に示すフローチャートは、燃料電池システム1の制御装置6により行われる処理内容の一工程を示すものである。よって、制御装置6は、図2に示すフローチャートのSTARTからENDまでの一工程が終了すると、再度STARTからの処理を実行し、このフローチャートの処理フローを繰り返し実行する。
(アイドル停止許可工程)
アイドル停止許可工程S101は、第一許可工程S101Aと、第二許可工程S101Bと、を有している。
第一許可工程S101Aでは、燃料電池システム1のアイドル停止を許可するにあたり、燃料電池車両の状態を判定する。具体的には、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定上限値SOCmaxに達しているか否か(以下、「高圧バッテリ残容量上限値判定」という。)、燃料電池車両の車速度Vがアイドルストップ許可車速度V1よりも低いか否か(以下、「アイドル停止許可車速度判定」という。)、燃料電池車両のアクセル開度Acがアイドル停止許可アクセル開度Ac1よりも小さいか否か(以下、「アイドル停止許可アクセル開度判定」という。)、の各判定を行う。
高圧バッテリ残容量上限値判定で「YES」と判定した場合には、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定上限値SOCmaxよりも多く、高圧バッテリ11の残容量SOCが十分であるため、燃料電池システム1のアイドル停止を許可できるといえる。
また、アイドル停止許可車速度判定で「YES」と判定した場合には、車速度が低く電動モータ12による電力消費量が少ないため、燃料電池システム1のアイドル停止を許可できるといえる。
また、アイドル停止許可アクセル開度判定で「YES」と判定した場合においても、車速度が低く電動モータ12による電力消費量が少ないため、燃料電池システム1のアイドル停止を許可できるといえる。
したがって、高圧バッテリ残容量上限値判定、アイドル停止許可車速度判定およびアイドル停止許可アクセル開度判定のいずれかで「YES」と判定した場合には、第一許可工程S101Aで「YES」と判定し、第二許可工程S101Bに進む。
これに対して、高圧バッテリ残容量上限値判定、アイドル停止許可車速度判定およびアイドル停止許可アクセル開度判定の全てで「NO」と判定した場合には、第一許可工程S101Aで「NO」と判定して、再度第一許可工程S101Aを行う。
第二許可工程S101Bでは、第一許可工程S101Aで「YES」と判定した状態(すなわち、燃料電池システム1のアイドル停止を許可できる状態)が所定時間経過したか否かの判定を行う。第二許可工程S101Bにおいて「YES」と判定した場合には、燃料電池システム1のアイドル停止を許可して停止時ディスチャージ工程S103に進む。
これに対して、第二許可工程S101Bにおいて「NO」と判定した場合には、燃料電池システム1のアイドル停止を許可できないとして、所定時間が経過するまで繰り返しアイドル停止許可工程S101を行う。
(停止時ディスチャージ工程)
停止時ディスチャージ工程S103では、燃料電池システム1のアイドル停止状態において、酸化剤ガス供給路41、酸化剤オフガス排出路47および酸化剤オフガス循環路75により形成されたカソード側通流路4内に残存する酸素を消費して酸素濃度を低下させる。具体的には、酸化剤ガス供給路41の入口封止弁45および酸化剤オフガス排出路47の出口封止弁48を閉塞した状態で酸化剤オフガス循環ポンプ76を駆動するとともに、燃料電池2への水素ガスの供給を継続しながら燃料オフガス循環ポンプ30を駆動する。これにより、アノード2a側の燃料ガス供給路32、燃料オフガス排出路36および燃料オフガス循環路39により形成されたアノード側通流路3内の燃料オフガスを循環させて、早期にカソード2b側の酸化剤オフガス内の酸素と反応させることができる。したがって、カソード2b側の酸素を素早く消費できるので、早期に停止時ディスチャージ工程S103を終了させることができる。また、このとき、アノード2a側の燃料オフガスを循環させることで、アノード側通流路3内に滞留する生成水をキャッチタンク38で捕捉できるので、アノード側通流路3内の排水性を向上できる。また、燃料オフガスを循環させて供給するので、いわゆるストイキ不足を抑制し、ディスチャージの安定性を向上させることができる。
なお、停止時ディスチャージ工程S103の実行中に、システムスイッチ5がオフされた場合には、停止時ディスチャージ工程S103が終了した後に、燃料電池システム1を停止する。すなわち、カソード2b側の酸素濃度を確実に低下させ、カソード2bおよびカソード側通流路4を窒素リッチな雰囲気としてから、燃料電池システム1を停止している。
ここで、燃料電池システム1のアイドル停止継続状態S105において、システムスイッチ5がオフされた場合には、アノード2a側に燃料ガスを封入した後に、燃料電池システム1を停止する。具体的には、アノード2aの圧力が所定圧力となるように目標圧制御によって燃料インジェクタ34の開閉駆動を行い、燃料ガスをアノード側通流路3内に供給している。このときの所定圧力は、例えば燃料電池システム1の停止状態(いわゆる「ソーク中」の状態)において、アノード2a側が負圧となるのを数時間防止できる程度に適宜設定される。これにより、燃料電池システム1のソーク中において、数時間にわたってアノード2a側が負圧となるのを防止できるので、燃料電池システム1の外部から燃料電池システム1の内部への酸素を含むエア等の導入を防止できる。また、燃料電池2内のアノード2aの燃料ガスは、所定圧力に保圧されるので、アノード2a側およびカソード2b側が水素リッチな状態となる。
また、燃料電池システム1のアイドル停止継続状態S105において、システムスイッチ5がオフされた場合であって、かつ高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin未満である場合には、燃料電池2による発電を行って高圧バッテリ11に蓄電を行い、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin以上となったときに燃料電池システム1を停止する。これにより、次回の燃料電池システム1の起動時に必要な電力量が高圧バッテリ11に確保される。
(アイドル停止状態解除判定工程)
アイドル停止状態解除判定工程S107では、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除するにあたり、燃料電池車両の状態を判定する。具体的には、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin未満か否か(以下、「高圧バッテリ残容量下限値判定」という。)、燃料電池車両の車速度Vがアイドルストップ解除車速度V2よりも高いか否か(以下、「アイドル停止解除車速度判定」という。)、燃料電池車両のアクセル開度Acがアイドル停止解除アクセル開度Ac2よりも大きいか否か(以下、「アイドル停止解除アクセル開度判定」という。)、の各判定を行う。
高圧バッテリ残容量下限値判定で「YES」と判定した場合には、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin未満であるため、燃料電池システム1の再起動に必要な電力を確保するべく、高圧バッテリ11の電力消費(S105)を停止し、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除する必要がある。
また、アイドル停止解除車速度判定で「YES」と判定した場合には、車速度が高く電動モータ12による電力消費量が多いため、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除して燃料電池2を再起動する必要がある。
また、アイドル停止解除アクセル開度判定で「YES」と判定した場合においても、車速度が高く電動モータ12による電力消費量が多いため、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除して燃料電池2を再起動する必要がある。
したがって、高圧バッテリ残容量下限値判定、アイドル停止解除車速度判定およびアイドル停止解除アクセル開度判定のいずれかで「YES」と判定した場合には、アイドル停止状態解除判定工程S107で「YES」と判定し、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除するとともに燃料電池システム1の再起動S109に進む。
これに対して、高圧バッテリ残容量下限値判定、アイドル停止解除車速度判定およびアイドル停止解除アクセル開度判定の全てで「NO」と判定した場合には、アイドル停止状態解除判定工程S107で「NO」と判定し、燃料電池システム1のアイドル停止継続状態として高圧バッテリ11の電力消費を行う(S105)。
燃料電池システム1の再起動S109では、燃料電池2による発電を行う。これにより、高圧バッテリ11の残容量SOCを十分に確保するとともに、燃料電池車両を走行することができる。
燃料電池システム1を再起動した時点で、燃料電池システム1のアイドル停止状態におけるディスチャージ制御が終了する。
図3は、上述した燃料電池システム1の制御方法のタイムチャートである。なお、以下の説明における各部品の符号については図1を、各工程については図2を参照されたい。
図3では、タイムチャート開始時においては、アイドル停止許可工程S101の第一許可工程S101Aにおいて、高圧バッテリ残容量上限値判定、アイドル停止許可車速度判定およびアイドル停止許可アクセル開度判定のいずれかで「YES」と判定した状態を示している。このとき、カソード2b側においては、エアポンプ42は第一所定回転数で回転しており、入口封止弁45および出口封止弁48は開放されており、酸化剤オフガス循環ポンプ76は所定回転数で回転しており、燃料電池バイパス弁73は閉塞されている。また、アノード2a側においては、遮断弁33は開放されており、燃料インジェクタ34は目標圧制御によって開閉駆動されており、パージ弁37は閉塞されており、燃料オフガス循環ポンプ30は所定回転数で回転している。これにより、アノード2aの圧力は所定圧力に保持されている。また、燃料電池2と高圧バッテリ11とを接続するコンタクタはON状態となっている。
(タイミングT201)
所定時間が経過(S101B)して、タイミングT201となったときに、停止時ディスチャージ工程S103を開始する。
タイミングT201では、カソード2b側において、入口封止弁45および出口封止弁48を閉塞するとともに、酸化剤オフガス循環ポンプ76を所定回転数で回転させる。これにより、酸化剤ガス供給路41、酸化剤オフガス排出路47および酸化剤オフガス循環路75の封止されたカソード側通流路4内の酸素を循環させることができる。
また、タイミングT201では、アノード2a側において、遮断弁33を開放するとともに燃料インジェクタ34を目標圧制御によって開閉駆動しつつ、燃料オフガス循環ポンプ30を所定回転数で回転させる。これにより、燃料電池2の燃料通流路35から排出された燃料オフガスの一部を循環させるとともに、水素供給タンク31から供給された燃料ガスに混合して、燃料電池2のアノード2aに再び供給できる。
また、タイミングT201では、燃料電池2において、停止時ディスチャージ工程S103により電圧が漸次低下するとともに、第一所定電流値のディスチャージ電流が発生する。なお、このとき、電圧調整器(VCU)による定電圧制御が行われる。そして、燃料電池2の電圧が所定電圧値に保持されると、ディスチャージ電流は、第一所定電流値よりも低い第二所定電流値に制限される。
(タイミングT202)
タイミングT202では、燃料電池システム1のアイドル停止継続状態S105となっている。このとき、酸化剤ガス供給路41、酸化剤オフガス排出路47および酸化剤オフガス循環路75により形成されたカソード側通流路4内に残存する酸素が全て消費されており、燃料電池2にはディスチャージ電流が発生していない。
(タイミングT203)
タイミングT202以降、アイドル停止状態解除判定工程S107で「YES」と判定されると、タイミングT203においてアイドル停止状態を解除し、燃料電池システム1の再起動S109を行う。
ここで、燃料電池システム1の再起動にあたり、制御装置6内の水素濃度予測手段6aによりアノード2a側の水素濃度を予測し、水素濃度に応じてパージ弁37を開放するか否かを判断する。そして、水素濃度が所定値よりも低い場合には、パージ弁37を開放して水素濃度の低い燃料オフガスを外部に排出するとともに、燃料インジェクタ34を目標圧制御によって開閉駆動してアノード側通流路3に燃料ガスを供給し、燃料ガスの置換(いわゆるOCVパージ)を行う。
タイミングT203において、アノード2a側では、上記OCVパージを行っており、パージ弁37を開放するとともに、燃料インジェクタ34を目標圧制御によって開閉駆動している。これにより、アノード2a側には高濃度の水素が供給されて、アノード圧力が上昇する。また、タイミングT203において、カソード2b側では、入口封止弁45および出口封止弁48を開放するとともに、酸化剤オフガス循環ポンプ76を所定回転数で回転させる。これにより、カソード2b側には、酸化剤ガス中の酸素が供給される。これにより、燃料電池2での発電が開始し、燃料電池2の電圧が上昇する。以上で、燃料電池システム1の再起動が終了する。
(効果)
本実施形態によれば、燃料電池システム1のアイドル停止を許可した場合に、酸化剤オフガス循環ポンプ76を駆動しながら、酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程S103を有するので、カソード側の酸化剤ガス供給路41、酸化剤オフガス排出路47および酸化剤オフガス循環路75内に残存する酸素の消費を促進できる。これにより、燃料電池システム1のアイドル停止状態において、カソード2bの酸素濃度を低下させて窒素リッチな雰囲気にすることができるので、燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスオーバーなどにより、固体高分子電解質膜2cの面上で燃料ガスと酸化剤ガスとが局所的に反応するのを防止できる。したがって、燃料電池システム1のアイドル停止状態において、燃料電池2の劣化を抑制できる。
また、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin未満となったときに、燃料電池システム1のアイドル停止状態を解除するので、燃料電池2の発電を開始するとともに、燃料電池2で発電した電力を高圧バッテリ11に蓄電できる。これにより、燃料電池システム1の起動時に必要な電力量を確保できるので、次回の燃料電池システム1の起動を確実に行うことができる。
また、入口封止弁45により酸化剤ガス供給路41を封止し、出口封止弁48により酸化剤オフガス排出路47を封止した状態で、停止時ディスチャージ工程S103を行うことにより、酸化剤ガス供給路41、酸化剤オフガス排出路47およびこれらを接続する酸化剤オフガス循環路75の封止された各通流路内の酸素のみを消費するだけで、カソード2bを窒素リッチな雰囲気にすることができる。したがって、酸素を素早く消費して燃料電池2の劣化をさらに抑制できる。
また、燃料オフガス循環ポンプ30を駆動して停止時ディスチャージ工程S103を行うので、アノード2a側の燃料ガス供給路32、燃料オフガス排出路36および燃料オフガス循環路39内の燃料オフガスを循環させて、早期にカソード2b側の酸化剤オフガス内の酸素と反応させることができる。これにより、カソード2b側の酸素を素早く消費できるので、早期に停止時ディスチャージ工程S103を終了させることができる。また、アノード2a側の燃料オフガスを循環させることで、アノード2a側に滞留する生成水の排水性を向上できる。また、燃料オフガスを循環させて供給するので、いわゆるストイキ(燃料電池への供給量/理論消費量)不足を抑制し、ディスチャージの安定性を向上させることができる。
また、アノード2a側の燃料ガス濃度に応じてパージ弁37を開放するか否かを判断するので、例えば、アノード2a側の燃料オフガス中に含まれる窒素や水等の不純物が多く燃料ガス濃度が低い場合には、濃度の低い燃料オフガスを外部に排出するとともに、燃料ガスの置換(いわゆるOCVパージ)を行うことができる。したがって、次回の燃料電池システム1の起動性を向上させることができる。
また、アノード2a側に燃料ガスを封入した後に燃料電池システム1を停止するので、アノード2aに所定圧力で燃料ガスを保圧でき、アノード2a側およびカソード2b側を水素リッチな状態とすることができる。これにより、アノード2a側およびカソード2b側が空気リッチな状態となるのを防止し、燃料電池2の発電時における燃料ガス不足に起因した燃料電池2の劣化を防止することができる。
また、燃料電池システム1のアイドル停止状態において、システムスイッチ5がオフされた場合に、高圧バッテリ11の残容量SOCが所定下限値SOCmin以上となったときに燃料電池システム1を停止するので、燃料電池システム1の起動時に必要な電力量を高圧バッテリ11に確保できる。したがって、次回の燃料電池システム1の起動を確実に行うことができる。
また、停止時ディスチャージ工程S103が終了した後に、燃料電池システム1を停止するので、カソード2bの酸素濃度を確実に低下させて窒素リッチな雰囲気にすることができる。したがって、燃料電池2の劣化を抑制できる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態では、蓄電手段として高圧バッテリ11を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えばキャパシタ等を採用してもよい。
また、実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池車両に搭載されている場合を例に説明をしたが、本発明の燃料電池システム1の制御方法の適用は、燃料電池システム1が燃料電池車両に搭載されている場合に限られない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
2a アノード
2b カソード
5 システムスイッチ
6a 水素濃度予測手段(燃料ガス濃度予測手段)
11 高圧バッテリ(蓄電手段)
30 燃料オフガス循環ポンプ(燃料オフガス循環手段)
32 燃料ガス供給路
36 燃料オフガス排出路
37 パージ弁(排出弁)
39 燃料オフガス循環路
41 酸化剤ガス供給路
42 エアポンプ(酸化剤ガス供給手段)
45 入口封止弁(封止弁)
47 酸化剤オフガス排出路
48 出口封止弁(封止弁)
75 酸化剤オフガス循環路
76 酸化剤オフガス循環ポンプ(酸化剤オフガス循環手段)
S101 アイドル停止許可工程
S103 停止時ディスチャージ工程

Claims (8)

  1. アノードに燃料ガスが供給されカソードに酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
    前記アノードに供給される前記燃料ガスが通流する燃料ガス供給路と、
    前記アノードから排出される燃料オフガスが通流する燃料オフガス排出路と、
    前記カソードに供給される前記酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給路と、
    前記カソードから排出される酸化剤オフガスが通流する酸化剤オフガス排出路と、
    前記酸化剤ガス供給路と、前記酸化剤オフガス排出路とを接続する酸化剤オフガス循環路と、
    前記酸化剤ガスを前記カソードに供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記酸化剤オフガス循環路に配設されて、前記酸化剤オフガスを循環させる酸化剤オフガス循環手段と、
    前記燃料電池で発電した電力を蓄電する蓄電手段と、
    燃料電池システムを起動および停止するときに操作されるシステムスイッチと、
    を備えた燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムのアイドル停止を許可するアイドル停止許可工程と、
    前記燃料電池システムのアイドル停止を許可した場合に、前記酸化剤オフガス循環手段を駆動しながら、前記酸化剤オフガス内に残存する酸素を消費してディスチャージを行う停止時ディスチャージ工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記蓄電手段の残容量が所定下限値未満となったときに、前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムは、前記酸化剤ガス供給路および前記酸化剤オフガス排出路にそれぞれ封止弁を備え、
    各前記封止弁により前記酸化剤ガス供給路および前記酸化剤オフガス排出路を封止した状態で、前記停止時ディスチャージ工程を行うことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料ガス供給路と、前記燃料オフガス排出路とを接続する燃料オフガス循環路と、
    前記燃料オフガス循環路に配設されて、前記燃料オフガスを循環させる燃料オフガス循環手段と、
    を備え、
    前記停止時ディスチャージ工程では、前記燃料オフガス循環手段を駆動して行うことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムは、
    前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除したときに、前記アノード側の燃料ガス濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段と、
    前記燃料オフガスを排出するための排出弁と、
    を備え、
    前記燃料電池システムのアイドル停止状態を解除した後、前記燃料電池による発電を開始する前に、前記燃料ガス濃度に応じて前記排出弁を開放するか否かを判断することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムのアイドル停止状態において、前記システムスイッチがオフされた場合には、前記アノード側に前記燃料ガスを所定圧力となるまで封入した後に前記燃料電池システムを停止することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムのアイドル停止状態において、前記システムスイッチがオフされた場合であって、かつ前記蓄電手段の残容量が所定下限値未満である場合には、前記燃料電池による発電を行って前記蓄電手段に蓄電を行い、前記蓄電手段の残容量が前記所定下限値以上となったときに前記燃料電池システムを停止することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記停止時ディスチャージ工程の実行中に前記システムスイッチがオフされた場合には、前記停止時ディスチャージ工程が終了した後に、前記燃料電池システムを停止することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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