JP2014137173A - 熱交換器及び冷凍装置 - Google Patents

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Yasutaka Otani
康崇 大谷
Masanori Shindo
正憲 神藤
Yoshio Oritani
好男 織谷
Takuya Kamifusa
拓也 上総
Junichi Hamadate
潤一 濱舘
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Abstract

【課題】ガス冷媒と液冷媒とが互いに熱交換して熱ロスが発生するのを抑える。
【解決手段】複数の扁平管(31)は、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)とに区分される。熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合には、ガス冷媒は、主熱交換部(50)の風下側通路(36)を通過後に風上側通路(35)で凝縮されて液冷媒となり、さらに、補助熱交換部(55)の流体通路(34)を通過して過冷却される。
【選択図】図3

Description

本発明は、扁平管内を流れる流体を空気と熱交換させる熱交換器と、その熱交換器を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、多数の扁平管と、各扁平管に接続するヘッダ集合管とを備え、扁平管内を流れる冷媒を、扁平管の幅方向へ流れる空気と熱交換させる熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された熱交換器では、各扁平管に形成された複数の流体通路が、風上側と風下側に区分され、冷媒が風下寄りの流体通路を通過後に風上寄りの流体通路を通過する。そして、各扁平管の風下寄りの流体通路に流入した冷媒は、流体通路を通過する間に凝縮して実質的に液単相状態となり、その後に風上寄りの流体通路に流入してさらに冷却される。
特開2004−125352号公報
しかしながら、従来の熱交換器では、ガス冷媒が流れる風下側通路と液冷媒が流れる風上側通路とが互いに隣接しているため、ヘッダ集合管内で互いの冷媒同士が熱交換してしまい、その分だけ、冷媒と空気との間で交換する熱量が減少する。このような熱ロスが生じると、熱交換器の熱交換効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス冷媒と液冷媒とが互いに熱交換して熱ロスが発生するのを抑えることにある。
本発明は、複数の扁平管(31)と、各扁平管(31)の一端が接続された第1ヘッダ集合管(60)と、各扁平管(31)の他端が接続された第2ヘッダ集合管(70)とを備え、該各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が該扁平管(31)の幅方向に並んで形成されており、該扁平管(31)の該流体通路(34)を流れる流体が、隣り合った該扁平管(31)の間を該扁平管(31)の幅方向へ流れる空気と熱交換する熱交換器を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記複数の扁平管(31)のうち一部の該扁平管(31)で構成された主熱交換部(50)と、該主熱交換部(50)よりも本数の少ない残りの該扁平管(31)で構成された補助熱交換部(55)とが、前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並んで区分され、
流体が前記主熱交換部(50)と前記補助熱交換部(55)の一方を通過後に他方を通過し、
前記主熱交換部(50)の各扁平管(31)に形成された前記複数の流体通路(34)は、風上寄りに位置する一部の流体通路(34)が風上側通路(35)を、残りの流体通路(34)が風下側通路(36)をそれぞれ構成し、
前記主熱交換部(50)では、流体が前記風上側通路(35)と前記風下側通路(36)の一方を通過後に他方を通過することを特徴とするものである。
第1の発明では、複数の扁平管(31)は、主熱交換部(50)と、該主熱交換部(50)よりも本数の少ない補助熱交換部(55)とに区分される。流体は、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)の一方を通過後に他方を通過する。主熱交換部(50)の各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、風上側通路(35)と風下側通路(36)とに区分され、流体が風上側通路(35)と風下側通路(36)の一方を通過後に他方を通過する。
このような構成とすれば、ガス冷媒と液冷媒とが互いに熱交換して熱ロスが発生するのを抑えることができる。具体的に、主熱交換部(50)の複数の流体通路(34)は、風下側通路(36)と風上側通路(35)とに区分されている。ここで、熱交換器が凝縮器として機能する場合には、風下側通路(36)からガス冷媒が流入すると、風下側通路(36)から風上側通路(35)を通過する間に凝縮されて液冷媒となり、この液冷媒が補助熱交換部(55)の流体通路(34)を通過して過冷却される。
冷媒の熱ロスは、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)が互いに隣接する箇所が多いほど増大する。そのため、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)が互いに隣接する箇所が少ないほど、熱交換効率の低下を抑制することができる。
ここで、主熱交換部(50)の下方に補助熱交換部(55)が配置されていると、主熱交換部(50)の最下部の扁平管(31)と補助熱交換部(55)の最上部の扁平管(31)との間で熱交換が行われるので、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)との隣接箇所が最少の1箇所になる。さらに、ガス冷媒が流れる主熱交換部(50)の風下側通路(36)と、液冷媒が流れる補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間でのみ熱交換が行われる。すなわち、主熱交換部(50)の風上側通路(35)と補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間では熱交換が行われないため、風上側通路(35)の分だけ伝熱面積が小さくなる。そのため、冷媒の熱ロスを最大限に抑制でき熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記補助熱交換部(55)の各扁平管(31)は、前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並ぶ第1補助熱交換部(56)と第2補助熱交換部(57)とに区分され、
前記第1補助熱交換部(56)の前記流体通路(34)の一端が前記第2補助熱交換部(57)の該流体通路(34)に連通し、他端が前記風上側通路(35)又は前記風下側通路(36)に連通していることを特徴とするものである。
第2の発明では、補助熱交換部(55)の各扁平管(31)は、第1補助熱交換部(56)と第2補助熱交換部(57)とに区分される。第1補助熱交換部(56)の流体通路(34)の一端は、第2補助熱交換部(57)の流体通路(34)に連通し、他端は、風上側通路(35)又は風下側通路(36)に連通している。
このような構成とすれば、主熱交換部(50)に接続されるガス側接続管と、補助熱交換部(55)に接続される液側接続管とを両方とも、第1ヘッダ集合管(60)側から配索することができる。
第3の発明は、第1の発明において、
前記補助熱交換部(55)の各扁平管(31)に形成された前記複数の流体通路(34)は、風上寄りに位置する一部の流体通路(34)が風上側通路(35)を、残りの流体通路(34)が風下側通路(36)をそれぞれ構成し、
流体が前記風上側通路(35)と前記風下側通路(36)の一方を通過後に他方を通過することを特徴とするものである。
第3の発明では、補助熱交換部(55)の各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、風上側通路(35)と風下側通路(36)とに区分され、風上側通路(35)と風下側通路(36)の一方を流体が通過後に他方を通過する。
このような構成とすれば、主熱交換部(50)に接続されるガス側接続管と、補助熱交換部(55)に接続される液側接続管とを両方とも、第1ヘッダ集合管(60)側から配索することができる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つに記載の熱交換器(23)が設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、該熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う冷凍装置であって、
前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)の一端が前記風上側通路(35)に連通しており、
蒸発器として機能する前記熱交換器(23)では、前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)、前記主熱交換部(50)の前記風上側通路(35)、及び前記風下側通路(36)の順に冷媒が通過し、
凝縮器として機能する前記熱交換器(23)では、前記主熱交換部(50)の前記風下側通路(36)、前記風上側通路(35)、及び前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)の順に冷媒が通過することを特徴とするものである。
第4の発明では、冷凍装置の冷媒回路(20)に、第1乃至第3発明のうち何れか1つの熱交換器(23)が設けられる。冷凍装置は、熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う。補助熱交換部(55)の流体通路(34)は、風上側通路(35)に連通している。
そして、熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合、冷媒は、補助熱交換部(55)の流体通路(34)を通過し、その過程で空気から吸熱して蒸発する。さらに、補助熱交換部(55)から主熱交換部(50)の風上側通路(35)を通過後に風下側通路(36)を通過し、その過程で空気から吸熱して蒸発する。このため、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。また、風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が低下した空気が、風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干低い冷媒)と熱交換するので、冷媒が風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合の方が、冷媒が風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
一方、熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、冷媒は、風下側通路(36)を通過後に風上側通路(35)を通過し、その過程で空気へ放熱して凝縮する。風上側通路(35)を通過した液冷媒は、補助熱交換部(55)の流体通路(34)を通過して過冷却される。このため、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度が、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。つまり、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干高くなる。また、風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が上昇した空気が、風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干高い冷媒)と熱交換するので、冷媒が風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合の方が、冷媒が風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
このように、熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能する場合の両方において、熱交換器(23)における冷媒と空気の温度差の変化を抑えることができる。従って、熱交換器(23)を流れる冷媒と空気の間で授受される熱量の増大を図ることができ、熱交換器(23)の性能を充分に発揮させることが可能となる。
本発明によれば、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)との隣接箇所が最少の1箇所になり、ガス冷媒が流れる主熱交換部(50)の風下側通路(36)と、液冷媒が流れる補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間でのみ熱交換が行われる。すなわち、主熱交換部(50)の風上側通路(35)と補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間では熱交換が行われないため、風上側通路(35)の分だけ伝熱面積が小さくなる。そのため、冷媒の熱ロスを最大限に抑制でき熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
図1は、本実施形態の空気調和機の概略構成を示す冷媒回路図である。 図2は、本実施形態の室外熱交換器の概略構成を示す正面図である。 図3は、室外熱交換器の正面を示す一部断面図である。 図4は、図3のA−A断面を示す室外熱交換器の断面図である。 図5は、室外熱交換器の上面図である。 図6は、図3のB−B断面を示す室外熱交換器の断面図である。 図7は、図3のC−C断面を示す室外熱交換器の断面図である。 図8は、図3のD−D断面を拡大して示す室外熱交換器の断面図である。 図9は、図3のE−E断面を拡大して示す室外熱交換器の断面図である。 図10は、図6に示す室外熱交換器の断面の一部を拡大して示す断面図である。 図11は、その他の実施形態の室外熱交換器の図6相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
冷凍装置である本実施形態の空気調和機(10)は、本実施形態の熱交換器によって構成された室外熱交換器(23)を備えている。以下では、まず、空気調和機(10)について説明し、その後に室外熱交換器(23)について詳細に説明する。
−空気調和機−
まず、空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、及び膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型又はロータリ型の全密閉型圧縮機である。圧縮機(21)は、その回転速度が可変となっている。圧縮機(21)の回転速度を変更すると、圧縮機(21)の運転容量が変化する。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出してゆく。
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室内熱交換器(25)、膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が流入する。室外熱交換器(23)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(21)へ向けて流出してゆく。
−室外熱交換器−
室外熱交換器(23)について、図2〜図10を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(31)の本数、各扁平管(31)に形成された流体通路(34)の数、及び室外熱交換器(23)に形成された主熱交換部(50)及び補助熱交換部(55)の区分数は、いずれも単なる一例である。
〈室外熱交換器の構成〉
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、一つの第1ヘッダ集合管(60)と、一つの第2ヘッダ集合管(70)と、多数の扁平管(31)と、多数のフィン(40)とを備えている。第1ヘッダ集合管(60)、第2ヘッダ集合管(70)、扁平管(31)及びフィン(40)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。また、詳しくは後述するが、室外熱交換器(23)は、主熱交換部(50)と、補助熱交換部(55)とに区分されている。
第1ヘッダ集合管(60)と第2ヘッダ集合管(70)は、何れも両端が閉塞された細長い円筒状に形成されている。図2及び図3において、第1ヘッダ集合管(60)は室外熱交換器(23)の左端に、第2ヘッダ集合管(70)は室外熱交換器(23)の右端に、それぞれ起立した状態で設置されている。つまり、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)は、それぞれの軸方向が上下方向となる状態で設置されている。
図4に示すように、扁平管(31)は、その断面形状が扁平な長円形となった伝熱管である。図3に示すように、室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(31)は、その伸長方向が左右方向となっている。また、複数の扁平管(31)は、互いの板面同士が対向するように一定の間隔をあけて上下に並んで配置され、それぞれの軸方向が互いに実質的に平行となっている。
図3に示すように、各扁平管(31)は、その一端が第1ヘッダ集合管(60)に挿入され、その他端が第2ヘッダ集合管(70)に挿入されている。各扁平管(31)の軸方向は、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)の軸方向と実質的に直交している。また、各扁平管(31)の板面(本実施形態では、上面と下面)は、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)の軸方向と実質的に直交している。
図4に示すように、フィン(40)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(40)には、フィン(40)の前縁(すなわち、風上側の縁部)からフィン(40)の幅方向に延びる細長い切り欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(40)では、多数の切り欠き部(45)が、フィン(40)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切り欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(31)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(31)の幅と実質的に等しい。扁平管(31)は、フィン(40)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(40)には、伝熱を促進するためのルーバー(41)が形成されている。そして、複数のフィン(40)は、扁平管(31)の伸長方向に配列されることで、隣り合う扁平管(31)の間を空気が流れる複数の通風路に区画している。
図4及び図10に示すように、各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(31)の軸方向に延びる通路であって、扁平管(31)の両方の端面に開口している。各扁平管(31)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(31)の幅方向(すなわち、扁平管(31)の軸方向と直交する方向)に一列に並んでいる。各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(60)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(70)の内部空間に連通している。
図6に示すように、第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、補助仕切板(91)によって上下に仕切られている。この補助仕切板(91)の位置が、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)との境界位置となっている。
第1ヘッダ集合管(60)の主熱交換部(50)側の内部空間には、縦仕切板(63)が配置されている。縦仕切板(63)は、第1ヘッダ集合管(60)の主熱交換部(50)側の内部空間の下端から上端に亘って延びる板状の部材である。なお、図6では、扁平管(31)の流体通路(34)の図示を省略している。図5に示すように、縦仕切板(63)は、各扁平管(31)の端面と直交する姿勢で設置され、第1ヘッダ集合管(60)の主熱交換部(50)側の内部空間を風上側空間(65)と風下側空間(69)に仕切っている。
図8及び図9に示すように、縦仕切板(63)は、扁平管(31)の幅方向の中心線及び第1ヘッダ集合管(60)の中心軸よりも室外熱交換器(23)の前面側(すなわち、風上側)に位置している。なお、図8及び図9では、フィン(40)の図示を省略している。
図10に示すように、各扁平管(31)に形成された24本の流体通路(34)は、縦仕切板(63)よりも室外熱交換器(23)の前面側(すなわち、風上側)に位置する10本の流体通路(34)が風上側通路(35)となり、縦仕切板(63)よりも室外熱交換器(23)の背面側(すなわち、風下側)に位置する残りの14本の流体通路(34)が風下側通路(36)となる。各扁平管(31)の風上側通路(35)は、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)に連通する。各扁平管(31)の風下側通路(36)は、第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)に連通する。
第1ヘッダ集合管(60)の補助熱交換部(55)側の内部空間には、一つの横仕切板(92)が配置されている。横仕切板(92)は、上下に隣り合う2本の扁平管(31)の間に配置される。これにより、第1ヘッダ集合管(60)の補助熱交換部(55)側の内部空間は、横仕切板(92)よりも上側の部分が第1補助部分空間(93)となり、横仕切板(92)よりも下側の部分が第2補助部分空間(94)となる。
図6に示すように、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)には、第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)が配置されている。第1横仕切板(61)は風上側空間(65)の下寄りに配置され、第2横仕切板(62)は風上側空間(65)の上寄りに配置される。第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)は、上下に隣り合う2本の扁平管(31)の間にそれぞれ配置される。
第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)は、第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)によって、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の三つの空間に仕切られている。
具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)は、第1横仕切板(61)よりも下側の部分が第1風上側部分空間(66)となり、第1横仕切板(61)と第2横仕切板(62)の間の部分が第2風上側部分空間(67)となり、第2横仕切板(62)よりも上側の部分が第3風上側部分空間(68)となる。本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通する扁平管(31)の本数が互いに等しい。
図7に示すように、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、補助仕切板(91)によって主接続用空間(75)と、補助接続用空間(95)とに上下に仕切られている。主接続用空間(75)には、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)が配置されている。第1横仕切板(71)は主接続用空間(75)の下寄りに配置され、第2横仕切板(72)は主接続用空間(75)の上寄りに配置される。第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)は、上下に隣り合う2本の扁平管(31)の間にそれぞれ配置される。なお、図7では、扁平管(31)の流体通路(34)の図示を省略している。
第2ヘッダ集合管(70)の主接続用空間(75)は、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)によって、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の三つの空間に仕切られている。
具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の主接続用空間(75)は、第1横仕切板(71)よりも下側の部分が第1接続用部分空間(76)となり、第1横仕切板(71)と第2横仕切板(72)の間の部分が第2接続用部分空間(77)となり、第2横仕切板(72)よりも上側の部分が第3接続用部分空間(78)となる。本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)の本数が互いに等しい。
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、主熱交換部(50)と、補助熱交換部(55)とに上下に区分されている。主熱交換部(50)は、第1主熱交換部(51)、第2主熱交換部(52)、及び第3主熱交換部(53)の三つに区分されている。
具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)と第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)とに連通する扁平管(31)が第1主熱交換部(51)を構成し、第1ヘッダ集合管(60)の第2風上側部分空間(67)と第2ヘッダ集合管(70)の第2接続用部分空間(77)とに連通する扁平管(31)が第2主熱交換部(52)を構成し、第1ヘッダ集合管(60)の第3風上側部分空間(68)と第2ヘッダ集合管(70)の第3接続用部分空間(78)とに連通する扁平管(31)が第3主熱交換部(53)を構成する。
一方、補助熱交換部(55)は、第1補助熱交換部(56)及び第2補助熱交換部(57)の二つに区分されている。具体的に、補助熱交換部(55)は、第1ヘッダ集合管(60)の横仕切板(92)よりも上側の部分が第1補助熱交換部(56)となり、横仕切板(92)よりも下側の部分が第2補助熱交換部(57)となる。
図2に示すように、室外熱交換器(23)には、液側接続部材(80)と、ガス側接続管(85)と、液側接続管(86)とが設けられている。液側接続部材(80)、ガス側接続管(85)、及び液側接続管(86)は、第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられている。
液側接続部材(80)は、一つの分流器(81)と、三つの第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)とを備えている。分流器(81)の下端部は、第1補助部分空間(93)に接続されている。分流器(81)の上端部には、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の一端が接続されている。第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)に接続され、対応する第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通している。
液側接続管(86)の一端は、第2補助部分空間(94)に接続されている。液側接続管(86)の他端は、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ配管(17)に接続されている。
図3にも示すように、第1細径管(82a)は第1風上側部分空間(66)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(82b)は第2風上側部分空間(67)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(82c)は第3風上側部分空間(68)の下端寄りの部分に開口している。なお、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の長さは、第1主熱交換部(51)、第2主熱交換部(52)、及び第3主熱交換部(53)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
ガス側接続管(85)の一端は、第1ヘッダ集合管(60)の上下方向の中央部に接続され、風下側空間(69)に連通している。ガス側接続管(85)の他端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ配管(18)に接続されている。
〈室外熱交換器における冷媒と空気の熱交換/凝縮器の場合〉
空気調和機(10)の冷房運転中には、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。
凝縮器として機能する室外熱交換器(23)には、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が供給される。圧縮機(21)から送られたガス冷媒は、ガス側接続管(85)を介して第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)へ流入する。風下側空間(69)へ流入したガス冷媒は、第1主熱交換部(51)、第2主熱交換部(52)、及び第3主熱交換部(53)の扁平管(31)の風下側通路(36)へ分配される。風下側空間(69)へ流入する冷媒は、実質的にガス単相状態である。このため、異なる高さに配置された複数の扁平管(31)に対して、ガス冷媒が概ね均等に分配される。
各扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入したガス冷媒は、風下側通路(36)を流れる間に室外空気へ放熱してその一部が凝縮し、気液二相状態となって第2ヘッダ集合管(70)の主接続用空間(75)へ流入する。その際、第1主熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第1接続用部分空間(76)へ流入し、第2主熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第2接続用部分空間(77)へ流入し、第3主熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第3接続用部分空間(78)へ流入する。
第1接続用部分空間(76)の冷媒は、第1主熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第2接続用部分空間(77)の冷媒は、第2主熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第3接続用部分空間(78)の冷媒は、第3主熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入する。
ここで、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)へは、気液二相状態の冷媒が流入する。第2ヘッダ集合管(70)は起立状態となっているため、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)では、下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。しかし、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の高さは、第2ヘッダ集合管(70)の高さの約1/3である。このため、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の上部と下部における冷媒の湿り度の差はそれほど大きくならず、従って、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)から扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入した冷媒は、風上側通路(35)を流れる間に室外空気へ放熱し、そこに含まれるガス冷媒が凝縮する。扁平管(31)の風上側通路(35)の出口において、冷媒は、実質的に液単相状態となる。
第1主熱交換部(51)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第1風上側部分空間(66)へ流入し、第2主熱交換部(52)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第2風上側部分空間(67)へ流入し、第3主熱交換部(53)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第3風上側部分空間(68)へ流入する。
第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へ流入した冷媒は、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)を通って分流器(81)へ流入した後で合流して、第1補助部分空間(93)に流入する。
第1ヘッダ集合管(60)の第1補助部分空間(93)に流入した冷媒は、第1補助熱交換部(56)の扁平管(31)の流体通路(34)を流れる間に過冷却され、第2ヘッダ集合管(70)の補助接続用空間(95)へ流入する。補助接続用空間(95)へ流入した冷媒は、第2補助熱交換部(57)の扁平管(31)の流体通路(34)を通過し、第1ヘッダ集合管(60)の第2補助部分空間(94)へ流入する。第2補助部分空間(94)へ流入した冷媒は、液側接続管(86)から外部へ流出してゆく。
ところで、冷媒が扁平管(31)の風下側通路(36)と風上側通路(35)を順に通過する過程では、冷媒の圧力が徐々に低下してゆく。このため、各扁平管(31)では、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。つまり、各扁平管(31)では、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干高くなる。一方、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、そこを通過する室外空気の温度が次第に上昇する。
このように、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、扁平管(31)の風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が上昇した空気が、扁平管(31)の風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干高い冷媒)と熱交換する。従って、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、冷媒が各扁平管(31)の風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合の方が、冷媒が各扁平管(31)の風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
〈室外熱交換器における冷媒と空気の熱交換/蒸発器の場合〉
空気調和機(10)の暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。
蒸発器として機能する室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が供給される。膨張弁(24)から送られた冷媒は、液側接続管(86)を介して第1ヘッダ集合管(60)の第2補助部分空間(94)へ流入する。第2補助部分空間(94)へ流入した液冷媒は、第2補助熱交換部(57)の扁平管(31)の流体通路(34)を通過し、第2ヘッダ集合管(70)の補助接続用空間(95)へ流入する。補助接続用空間(95)へ流入した冷媒は、第1補助熱交換部(56)の扁平管(31)の流体通路(34)を通過し、第1ヘッダ集合管(60)の第1補助部分空間(93)へ流入する。液冷媒は、第1補助熱交換部(56)及び第2補助熱交換部(57)を通過する間にその一部が蒸発して気液二相状態となる。
第1ヘッダ集合管(60)の第1補助部分空間(93)へ流入した冷媒は、液側接続部材(80)の分流器(81)へ流入した後に第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)へ分かれて流入し、第1主熱交換部(51)、第2主熱交換部(52)、及び第3主熱交換部(53)へ分配される。
具体的に、分流器(81)から第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)へ流入した冷媒は、対応する第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へ流入する。
第1風上側部分空間(66)の冷媒は、第1主熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第2風上側部分空間(67)の冷媒は、第2主熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第3風上側部分空間(68)の冷媒は、第3主熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入する。
ここで、第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へは、気液二相状態の冷媒が流入する。第1ヘッダ集合管(60)は起立状態となっているため、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)では、下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。しかし、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の高さは、第1ヘッダ集合管(60)の高さの約1/3である。このため、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の上部と下部における冷媒の湿り度の差はそれほど大きくならず、従って、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)から扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入した冷媒は、風上側通路(35)を流れる間に室外空気から吸熱し、そこに含まれる液冷媒が蒸発する。扁平管(31)の風上側通路(35)の出口において、冷媒は、依然として気液二相状態である。
各扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、その扁平管(31)が連通する第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)へ流入する。つまり、第1主熱交換部(51)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第1接続用部分空間(76)へ流入し、第2主熱交換部(52)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第2接続用部分空間(77)へ流入し、第3主熱交換部(53)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第3接続用部分空間(78)へ流入する。
第1接続用部分空間(76)の冷媒は、第1主熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入し、第2接続用部分空間(77)の冷媒は、第2主熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入し、第3接続用部分空間(78)の冷媒は、第3主熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入する。
ここで、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と同様に、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)へ気液二相状態の冷媒が流入する。従って、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合も、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と同様に、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)から扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入した冷媒は、風下側通路(36)を流れる間に室外空気から吸熱し、そこに含まれる液冷媒が蒸発する。扁平管(31)の風下側通路(36)の出口において、冷媒は、実質的にガス単相状態となる。
第1主熱交換部(51)、第2主熱交換部(52)、及び第3主熱交換部(53)の扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は、第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)へ流れ込んで合流し、その後にガス側接続管(85)を通って室外熱交換器(23)から流出してゆく。
ところで、冷媒が扁平管(31)の風上側通路(35)と風下側通路(36)を順に通過する過程では、冷媒の圧力が徐々に低下してゆく。このため、各扁平管(31)では、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度が、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。一方、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、そこを通過する室外空気の温度が次第に低下する。
このように、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、扁平管(31)の風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が低下した空気が、扁平管(31)の風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干低い冷媒)と熱交換する。従って、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、冷媒が各扁平管(31)の風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合の方が、冷媒が各扁平管(31)の風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
−実施形態の効果−
本実施形態の室外熱交換器(23)によれば、ガス冷媒と液冷媒とが互いに熱交換することによる熱ロスの発生を低減することができる。具体的に、冷媒の熱ロスは、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)が互いに隣接する箇所が多いほど増大する。そのため、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)が互いに隣接する箇所が少ないほど、熱交換効率の低下を抑制することができる。
ここで、主熱交換部(50)の下方に補助熱交換部(55)が配置されているので、主熱交換部(50)と補助熱交換部(55)との隣接箇所が最少の1箇所になり、ガス冷媒が流れる主熱交換部(50)の風下側通路(36)と、液冷媒が流れる補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間でのみ熱交換が行われる。すなわち、主熱交換部(50)の風上側通路(35)と補助熱交換部(55)の流体通路(34)との間では熱交換が行われないため、風上側通路(35)の分だけ伝熱面積が小さくなる。そのため、冷媒の熱ロスを最大限に抑制でき熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
また、主熱交換部(50)に接続されるガス側接続管(85)と、補助熱交換部(55)に接続される液側接続管(86)とを両方とも、第1ヘッダ集合管(60)側から配索することができる。
また、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能する場合の両方において、室外熱交換器(23)における冷媒と空気の温度差の変化を抑えることができる。従って、室外熱交換器(23)を流れる冷媒と空気の間で授受される熱量の増大を図ることができ、室外熱交換器(23)の性能を充分に発揮させることが可能となる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、補助熱交換部(55)を第1補助熱交換部(56)と第2補助熱交換部(57)とに上下に区分するようにしたが、一つの補助熱交換部(55)のみを設けた構成であってもよい。
また、図11に示すように、第1ヘッダ集合管(60)の補助仕切板(91)よりも下側の空間を、縦仕切板(96)によって風上側補助空間(97)と風下側補助空間(98)に仕切ってもよい。補助熱交換部(55)の各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、縦仕切板(96)よりも風上側に位置する流体通路(34)が風上側通路(35)となり、縦仕切板(96)よりも風下側に位置する流体通路(34)が風下側通路(36)となる。
そして、縦仕切板(96)よりも風下側の部分が第1補助熱交換部(56)となり、縦仕切板(96)よりも風上側の部分が第2補助熱交換部(57)となる。なお、第1補助熱交換部(56)が風上側、第2補助熱交換部(57)が風下側でも構わない。
また、本実施形態の室外熱交換器(23)には、平板状のフィン(40)に代えてコルゲートフィンが設けられていてもよい。コルゲートフィンは、扁平管(31)の配列方向(図3に示す上記実施形態の室外熱交換器(23)では上下方向)に蛇行する波板状に形成されている。コルゲートフィンは、上下に隣り合う扁平管(31)の間に配置され、扁平管(31)の側面のうち平坦な部分にロウ付け等によって接合される。
また、本実施形態では、主熱交換部(50)の下方に補助熱交換部(55)が配置された形態について説明したが、主熱交換部(50)の上方に補助熱交換部(55)が配置された形態であっても構わない。
以上説明したように、本発明は、扁平管内を流れる流体と空気を熱交換させる熱交換器について有用である。
10 空気調和機(冷凍装置)
20 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器)
31 扁平管
34 流体通路
35 風上側通路
36 風下側通路
50 主熱交換部
55 補助熱交換部
56 第1補助熱交換部
57 第2補助熱交換部
60 第1ヘッダ集合管
70 第2ヘッダ集合管

Claims (4)

  1. 複数の扁平管(31)と、各扁平管(31)の一端が接続された第1ヘッダ集合管(60)と、各扁平管(31)の他端が接続された第2ヘッダ集合管(70)とを備え、該各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が該扁平管(31)の幅方向に並んで形成されており、該扁平管(31)の該流体通路(34)を流れる流体が、隣り合った該扁平管(31)の間を該扁平管(31)の幅方向へ流れる空気と熱交換する熱交換器であって、
    前記複数の扁平管(31)のうち一部の該扁平管(31)で構成された主熱交換部(50)と、該主熱交換部(50)よりも本数の少ない残りの該扁平管(31)で構成された補助熱交換部(55)とが、前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並んで区分され、
    流体が前記主熱交換部(50)と前記補助熱交換部(55)の一方を通過後に他方を通過し、
    前記主熱交換部(50)の各扁平管(31)に形成された前記複数の流体通路(34)は、風上寄りに位置する一部の流体通路(34)が風上側通路(35)を、残りの流体通路(34)が風下側通路(36)をそれぞれ構成し、
    前記主熱交換部(50)では、流体が前記風上側通路(35)と前記風下側通路(36)の一方を通過後に他方を通過することを特徴とすることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1において、
    前記補助熱交換部(55)の各扁平管(31)は、前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並ぶ第1補助熱交換部(56)と第2補助熱交換部(57)とに区分され、
    前記第1補助熱交換部(56)の前記流体通路(34)の一端が前記第2補助熱交換部(57)の該流体通路(34)に連通し、他端が前記風上側通路(35)又は前記風下側通路(36)に連通していることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1において、
    前記補助熱交換部(55)の各扁平管(31)に形成された前記複数の流体通路(34)は、風上寄りに位置する一部の流体通路(34)が風上側通路(35)を、残りの流体通路(34)が風下側通路(36)をそれぞれ構成し、
    流体が前記風上側通路(35)と前記風下側通路(36)の一方を通過後に他方を通過することを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つに記載の熱交換器(23)が設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、該熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う冷凍装置であって、
    前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)の一端が前記風上側通路(35)に連通しており、
    蒸発器として機能する前記熱交換器(23)では、前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)、前記主熱交換部(50)の前記風上側通路(35)、及び前記風下側通路(36)の順に冷媒が通過し、
    凝縮器として機能する前記熱交換器(23)では、前記主熱交換部(50)の前記風下側通路(36)、前記風上側通路(35)、及び前記補助熱交換部(55)の前記流体通路(34)の順に冷媒が通過することを特徴とする冷凍装置。
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