JP2014136441A - ブレーキシステム - Google Patents

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JP2014136441A JP2013004549A JP2013004549A JP2014136441A JP 2014136441 A JP2014136441 A JP 2014136441A JP 2013004549 A JP2013004549 A JP 2013004549A JP 2013004549 A JP2013004549 A JP 2013004549A JP 2014136441 A JP2014136441 A JP 2014136441A
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【課題】液圧ブレーキ装置を使用しなくてもよい場合には液圧ブレーキ装置を使用しないことでブレーキ制御を簡単にしつつ、しかも所定のブレーキ力で効果的に制動作用を行う。
【解決手段】一定量のペダル踏み込みでの低減速度(低G)制動の場合には、回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置が協調して制動作用を行う。したがって、このときの全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ力とパーキングブレーキ力との和で構成されるか、あるいは回生ブレーキ力のみで構成される。すなわち、低減速度(低G)制動の場合における全体の必要ブレーキ力は、回生ブレーキ力とパーキングブレーキ力とにより十分に得ることが可能であり、液圧ブレーキ力は不要となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液圧ブレーキ装置、回生ブレーキ装置、および電動パーキングブレーキ装置を備えるブレーキシステムの技術分野に関するものである。
従来、乗用車等の自動車のブレーキシステムにおいては、ブレーキペダルの踏み込みで発生した液圧によりホイールシリンダ等のブレーキシリンダを作動させて液圧ブレーキ力により車輪に制動を行う液圧ブレーキ装置と、制動時に自動車の運動エネルギを電気エネルギに変換して回収するときの回生ブレーキ力で制動を行う回生ブレーキ装置とを協調させた回生協調ブレーキシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の回生協調ブレーキシステムを始め、一般に、公知の回生協調ブレーキシステムは、液圧ブレーキ力と回生ブレーキ力との和が、ペダル踏み込みストロークあるいはペダル踏力に対応する必要ブレーキ力となるように、電子制御ユニット(ECU)により液圧ブレーキ装置および回生ブレーキ装置がそれぞれ制御されることが多い。
一方、従来、自動車のブレーキシステムにおいては、電動モータでパーキングブレーキを行う電動パーキングブレーキ装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の電動パーキングブレーキ装置は、車両のパーキング時に電動モータの電動ブレーキ力により車輪に制動を行う。この電動パーキングブレーキ装置もECUにより制御される。
特開2002ー255018号公報。 特開2002ー154414号公報。
ところで、特許文献1に記載の回生協調ブレーキシステムにおいては、液圧ブレーキ装置を使用することになる。このため、液圧ブレーキ装置における減圧制御および増圧制御を行う必要があり、ブレーキ制御が複雑になるという問題がある。しかも、車両の通常の制動時に液圧ブレーキ装置を必ずしも使用しなくても所定のブレーキ力で効果的に制動作用を行うことが可能な場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液圧ブレーキ装置を使用しなくてもよい場合には液圧ブレーキ装置を使用しないことでブレーキ制御を簡単にしつつ、しかも所定のブレーキ力で効果的に制動作用を行うことのできるブレーキシステムを提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明のブレーキシステムは、ブレーキ操作部材と、液圧ブレーキ力で制動を行う液圧ブレーキ装置と、回生ブレーキ力で制動を行う回生ブレーキ装置と、パーキングブレーキ力で制動を行う電動パーキングブレーキ装置と、少なくとも前記回生ブレーキ装置および前記電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで制動を行う制御部とを少なくとも備えることを特徴としている。
また、本発明のブレーキシステムは、前記制御部が、車両減速度が予め設定された設定減速度以下である低減速度領域での制動時には前記回生ブレーキ装置および前記電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴としている。
更に、本発明のブレーキシステムは、前記制御部が、前記車両減速度が前記設定減速度を超える高減速度領域での制動時には前記回生ブレーキ装置、前記電動パーキングブレーキ装置、および前記液圧ブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴としている。
更に、本発明のブレーキシステムは、前記制御部が、前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作増による制動時には前記回生ブレーキ装置、前記電動パーキングブレーキ装置、および前記液圧ブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴としている。
更に、本発明のブレーキシステムは、前記電動パーキングブレーキ装置が前輪のみに制動作用を行うことを特徴としている。
このように構成された本発明のブレーキシステムによれば、少なくとも回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで車両の通常の制動作用が行われるようにしている。したがって、電動パーキングブレーキ装置を通常の制動に効果的に利用することが可能となる。特に、比較的小さなブレーキ力で制動が行われる低減速度(低G)領域では、回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで車両の通常の制動作用を効果的に行うことが可能となる。したがって、低減速度(低G)領域での制動では、液圧ブレーキ装置を使用しなくても済むようになる。これにより、液圧ブレーキ装置における減圧制御および増圧制御を行う必要がなく、ブレーキ制御をより簡単に行うことが可能となる。しかも、液圧失陥時にも回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置を効果的に協調制御することで、所定のブレーキ力を得ることが可能となる。
また、比較的大きなブレーキ力で制動が行われる高減速度(高G)領域では、回生ブレーキ装置、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置の3つのブレーキ装置を協調制御することで車両の通常の制動作用を更に効果的に行うことが可能となる。
更に、電動パーキングブレーキ装置により通常の制動作用を行うことで、車両が停止したときに、電動パーキングブレーキ装置をそのまま作動状態に保持することで、車両をパーキング状態に保持することができる。これにより、車両のパーキングブレーキを確実に行うことが可能となる。
更に、電動パーキングブレーキ装置を左右前輪に対してのみ制動作用を行うように設けることで、前後輪に対する制動力配分が可能となる。これにより、後輪のロックを防止するためのプロポーショニングバルブや従来のブレーキ液圧制御装置(H/U)に用いられている電子制動力配分制御装置(EBD)を不要にできる。
本発明に係るブレーキシステムの実施の形態の一例に用いられる液圧ブレーキ装置を模式的に示す図である。 図1に示す液圧ブレーキ装置が用いられる実施の形態のブレーキシステムにおけるブレーキ制御のためのブロック図である。 (A)は一定量のペダル踏み込みによる低減速度(低G)制動における各ブレーキ装置におけるブレーキ力制御を示す図、(B)は一定量のペダル踏み込みによる高減速度(高G)制動における各ブレーキ装置におけるブレーキ力制御を示す図、(C)はペダル踏増によるブレーキ踏増制動が行われたときの各ブレーキ装置におけるブレーキ力制御を示す図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明に係るブレーキシステムの実施の形態の一例に用いられる液圧ブレーキ装置を模式的に示す図である。
この例のブレーキシステムは、液圧ブレーキ装置、回生ブレーキ装置、および電動パーキングブレーキ装置を備え、ペダルストロークあるいはペダル踏力に応じた必要ブレーキ力が得られるように、これらの3つのブレーキ装置を車両走行状況に応じて互いに協調制御することで制動を行う各種ブレーキ装置の協調制御ブレーキシステムである。なお、必要ブレーキ力は車両に対してそのときに必要な全体のブレーキ力である。また、回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置は、いずれも左右前輪LF,RFに対しての
み制動作用を行う。
図1に示すように、この例のブレーキシステムにおける液圧ブレーキ装置1は、ブレーキペダル2(本発明におけるブレーキ操作部材に相当)と、このブレーキペダル2の踏力を負圧により倍力して出力する負圧倍力装置3と、この負圧倍力装置3の出力により作動されてマスタシリンダ圧(以下、M/C圧とも表記する)を発生するタンデムマスタシリンダ(以下、単にM/Cとも表記する)4と、このM/C4の各液室のM/C圧がそれぞれ2系統の通路5,6(本発明のブレーキ液通路に相当)を介して供給されることにより
ブレーキ力を発生するブレーキシリンダ(以下、W/Cとも表記する)7,8,9,10(
なお、この例ではW/C7が右後輪RRに対して設けられ、またW/C8が左前輪LFに対して設けられ、更にW/C9が右前輪RFに対して設けられ、更にW/C10が左後輪LRに対して設けられて、いわゆるブレーキ配管がX配管とされているが、これに限定されるものではなく、前後配管等のたの公知の配管形式でもよい。)と、2系統のブレーキ液圧制御装置(H/U)11と、ブレーキ液を貯えるリザーバ12と、ブレーキペダル2の踏み込みを検知するペダルストロークセンサ(S/U)13とを備えている。
負圧倍力装置3は、従来周知の一般的な負圧倍力装置である。M/C4はプライマリピストンとセカンダリピストン(ともに不図示)とを有し、同様に従来周知の一般的なタンデム型のM/Cである。したがって、その詳細な説明は省略するが、負圧倍力装置3の出力でプライマリピストンが作動されて第1液圧室(不図示)にM/C圧を発生するとともに、このM/C圧でセカンダリピストンが作動されて第2液圧室(不図示)にM/C圧を発生する。
図1に示すように、一系統の通路5はM/C4の第1液圧室に接続される。この一系統の通路5は第1および第2分岐通路5a,5bに分岐されており、第1分岐通路5aは一
系統の右後輪RRのブレーキのためのW/C7に、また、第2分岐通路5bは一系統の左前輪LFのブレーキのためのW/C8にそれぞれ接続されている。また、他系統の通路6はM/C4の第2液圧室に接続される。この通路6も同様に第3および第4分岐通路6a,6bに分岐されており、第3分岐通路6aは他系統の右前輪RFのブレーキのためのW
/C9に、また、第4分岐通路6bは他系統の左後輪LRのブレーキのためのW/C10にそれぞれ接続されている。
H/U11は、M/C4と各W/C7,8,9,10との間の各系統の通路5,5a,5b,6,6a,6bに配設される。このH/U11は、常開の第1電磁開閉弁14、第1チェック弁15、常開の第2電磁開閉弁16、第2チェック弁17、第1および第2増圧弁18
,19、第3および第4チェック弁20,21、第1排出通路22、第1減圧弁23、第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24、第2排出通路25、第2減圧弁26、第1ポンプユニット27、通路28、第3および第4増圧弁29,30、第5および第6チェッ
ク弁31,32、第3排出通路33、第3減圧弁34、第2排出ブレーキ液用低圧アキュ
ムレータ35、第2ポンプユニット36、第4排出通路37、第4減圧弁38、通路39、W/C圧センサ40、モータ(M)41、通路42、通路43、第1ブレーキ液導入弁44、第2ブレーキ液導入弁45、第1リリーフ弁46、第2リリーフ弁47、第1アキュムレータ48、第2アキュムレータ49、およびM/C圧センサ50を有する。
第1電磁開閉弁14は、M/C4と第1および第2分岐通路5a,5bの分岐点Aとの
間の通路5に配設される。第1チェック弁15は第1電磁開閉弁14と並列に設けられて、第1電磁開閉弁14のM/C4側からW/C7,8側へのブレーキ液の流れのみを許容
する。第2電磁開閉弁16は第1電磁開閉弁14と同様の電磁弁であり、M/C4と第3および第4分岐通路6a,6bの分岐点Bとの間の通路6に配設される。第1および第2
増圧弁18,19は、それぞれ、第1および第2分岐通路5a,5bに配設されるとともに常開の電磁開閉弁から構成される。第3および第4チェック弁20,21は、それぞれ、
第1および第2増圧弁18,19と並列に設けられて第1および第2増圧弁18,19のW/C7,8側からM/C4側へのブレーキ液の流れのみを許容する。第1排出通路22は
第1増圧弁18よりW/C7側の第1分岐通路5aから分岐されて第1ポンプユニット27の吸い込み側に接続されるように設けられる。
第1減圧弁23は第1排出通路22に配設されるとともに常閉の電磁開閉弁から構成される。第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24は第1減圧弁23のW/C7側と反対側の第1排出通路22に配設される。第2排出通路25は、第2増圧弁19よりW/C8側の第2分岐通路5bから分岐されて第1減圧弁23と第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24との間の第1排出通路22に接続されるように設けられる。第2減圧弁26は第2排出通路25に配設されるとともに第1減圧弁23と同様の電磁開閉弁から構成される。第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24より第1ポンプユニット27の吸い込み側の第1排出通路22には、第1リリーフ弁46が設けられる。この第1リリーフ弁46は、第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24の液圧が所定圧以上になったときに開いて第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24の液圧を第1ポンプユニット27の吸い込み側に逃す。第1ポンプユニット27の吸い込み側は第1減圧弁23のW/C7側と反対側の第1排出通路22に接続される。第1ポンプユニット27の吐出側は通路28を介して第1電磁開閉弁14と分岐点Aとの間の通路5に接続される。
第3および第4増圧弁29,30は、それぞれ、第3および第4分岐通路6a,6bに配設されるとともに第1および第2増圧弁18,19と同様の電磁開閉弁から構成される。
第5および第6チェック弁31,32は、それぞれ、第3および第4増圧弁29,30と並列に設けられて第3および第4増圧弁29,30のW/C9,10側からM/C4側へのブレーキ液の流れのみを許容する。第3排出通路33は第3増圧弁29よりW/C9側の第3分岐通路6aから分岐されて設けられる。第3減圧弁34は、第3排出通路33に配設されるとともに第1減圧弁23と同様の電磁開閉弁から構成される。第2ポンプユニット36の吸い込み側は第3減圧弁34のW/C9側と反対側の第3排出通路33に接続される。第2ポンプユニット36の吐出側は通路39を介して第2電磁開閉弁16と分岐点Bとの間の通路6に接続される。第4排出通路37は第4増圧弁30よりW/C10側の第4分岐通路6bから分岐されて第3減圧弁34と第2ポンプユニット36の吸い込み側との間の第3排出通路33に接続される。第4減圧弁38は第4排出通路37に配設されるとともに第1減圧弁23と同様の電磁開閉弁から構成される。W/C圧センサ40は第3増圧弁29よりW/C9側の第3分岐通路6aに配設されてW/C9のW/C圧を検出する。モータ(M)41は第1および第2ポンプユニット27,36を駆動する。
通路42は第1ポンプユニット27をバイパスして第1排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ24と第1電磁開閉弁14よりM/C4側の通路5とを接続する。第1ブレーキ液導入弁44はM/C4からブレーキ液を導入するために通路42に配設されるとともに常閉の電磁開閉弁から構成される。M/C圧センサ50は第1ブレーキ液導入弁44のM/C4側の通路42に配設されてM/C4のM/C圧を検出する。通路43は第2ポンプユニット36をバイパスして第2排出ブレーキ液用低圧アキュムレータ35と第2電磁開閉弁16よりM/C4側の通路6とを接続する。第2ブレーキ液導入弁45はM/C4からブレーキ液を導入するために通路43に配設されるとともに常閉の電磁開閉弁から構成される。
図示しないが、回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置は、それぞれ、従来公知の回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置である。したがって、これらの回生ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置の各具体的な構成および作動についての詳細な説明は省略する。
図2に示すようにECU51は、必要ブレーキ力演算部52、ブレーキ踏増判定部53、車両減速度判定部54、回生ブレーキ要否判断部55、必要回生ブレーキ力演算部56、回生ブレーキ制御信号出力部57、パーキングブレーキ要否判断部58、必要パーキングブレーキ力演算部59、パーキングブレーキ制御信号出力部60、液圧ブレーキ要否判断部61、必要液圧ブレーキ力演算部62、液圧ブレーキ制御信号出力部63を有する。
必要ブレーキ力演算部52は、ブレーキペダル2の踏み込みによる通常ブレーキ操作が行われてS/U13からペダルストローク信号が入力されるとブレーキ操作が行われたと判断して全体のブレーキ力として必要な必要ブレーキ力を演算する。また、ブレーキ踏増判定部53は、S/U13からのペダルストローク信号に基づいてブレーキペダル2のペダル踏増(本発明のブレーキ操作増に相当)が行われたか否かを判定する。このペダル踏増はブレーキペダル2のペダルストロークが継続して発生することである。そして、必要ブレーキ力演算部52は、ブレーキ踏増判定部53からのブレーキ踏増判定信号に基づいて必要踏増ブレーキ力を演算する。
車両減速度判定部54は、S/U13からのペダルストローク信号に基づいてブレーキペダル2の一定量のペダル踏み込みによるブレーキ作動が行われかつ車速センサ64からの車速信号に基づいて車両減速度が予め設定された設定減速度以下であると判断したときは、一定量のペダル踏み込みによる低減速度(低G)制動のブレーキ作動であると判断するとともに、一定量のペダル踏み込みによるブレーキ作動が行われかつ車両減速度が設定減速度より大きいと判断したときは一定量のペダル踏み込みによる高減速度(高G)制動のブレーキ作動であると判断する。
回生ブレーキ要否判定部55は、予め設定された回生ブレーキ作動条件に基づいて回生ブレーキが必要か否かを判定する。また、必要回生ブレーキ力演算部56は、回生ブレーキ要否判定部55からの回生ブレーキ必要の判断信号に基づいてその時に必要な必要回生ブレーキ力を演算する。更に、回生ブレーキ制御信号出力部57は、必要回生ブレーキ力演算部56からの必要回生ブレーキ力信号に基づいて回生ブレーキ装置65が必要回生ブレーキ力を出力するように回生ブレーキ制御信号を出力してこの回生ブレーキ装置65を作動制御する。このとき、回生ブレーキ要否判定部55は、回生ブレーキ制御信号出力部57からの回生ブレーキ制御信号に基づいても回生ブレーキが必要か否かを判定する。
パーキングブレーキ要否判定部58は、予め設定されたパーキングブレーキ作動条件に基づいてパーキングブレーキが必要か否かを判定する。また、必要パーキングブレーキ力
演算部59は、パーキングブレーキ要否判定部58からのパーキングブレーキ必要の判断信号に基づいてその時に必要な必要パーキングブレーキ力を演算する。更に、パーキングブレーキ制御信号出力部60は、必要パーキングブレーキ力演算部59からの必要パーキングブレーキ力信号に基づいて電動パーキングブレーキ装置が必要パーキングブレーキ力を出力するようにパーキングブレーキ制御信号を出力してこの電動パーキングブレーキ装置の電動モータ66を作動制御する。このとき、パーキングブレーキ要否判定部58は、パーキングブレーキ制御信号出力部60からのパーキングブレーキ制御信号に基づいてもパーキングブレーキが必要か否かを判定する。
液圧ブレーキ要否判定部61は、予め設定された液圧ブレーキ作動条件に基づいて液圧ブレーキが必要か否かを判定する。また、必要液圧ブレーキ力演算部62は、液圧ブレーキ要否判定部61からの液圧ブレーキ必要の判断信号に基づいてその時に必要な必要液圧ブレーキ力を演算する。更に、液圧ブレーキ制御信号出力部63は、必要液圧ブレーキ力演算部62からの必要液圧ブレーキ力信号に基づいて液圧ブレーキ装置が必要液圧ブレーキ力を出力するように液圧ブレーキ制御信号を出力してこの液圧ブレーキ装置のブレーキ液圧制御用の各弁14,16,18,19,23,26,29,30,34,38,44,45と、
第1および第2ポンプユニット27,36のモータ(M)41とを作動制御する。また、
このとき、液圧ブレーキ要否判定部61は、液圧ブレーキ制御信号出力部63からの液圧ブレーキ制御信号に基づいても液圧ブレーキが必要か否かを判定する。
なお、図2には示さないが、ECU51はM/C圧センサ50によって検出されたM/C圧によってもそのときのペダル踏力を判断するとともに、W/C圧センサ40によって検出されたW/C圧によってもそのときの液圧ブレーキ力を判断する。
次に、回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件について説明する。
車両走行速度が予め設定されたきわめて低速の第1設定速度(例えば、4km/hour等)
以下の速度条件では、ECU51はブレーキペダルの踏み込みにより液圧ブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置の少なくとも一方を作動して車両を制動する。すなわち、この速度条件では、ECU51は回生ブレーキ装置を作動しない。車両が停止すると、電動パーキングブレーキ装置が作動して車両がパーキング状態(停止状態)に自動的に保持される。
また、この例のブレーキシステムでは、車両走行速度が前述の設定低速より速い走行速度の速度条件では、低減速度(低G)制動のブレーキ作動および高減速度(高G)制動のブレーキ作動によって、回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件が異なる。更に、この例のブレーキシステムでは、前述の設定低速より速い走行速度での車両の走行中においてブレーキ作動中にブレーキペダル2の更なる踏増が行われたときにも回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件が異なる。
図3(A)は一定量のペダル踏み込みでの低減速度(低G)制動における、回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件を示す図、図3(B)は一定量のペダル踏み込みでの高減速度(高G)制動における、回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件を示す図、図3(C)はブレーキペダルの踏増制動における、回生ブレーキ装置作動条件、電動パーキングブレーキ装置作動条件、および液圧ブレーキ装置作動条件を示す図である。
まず、一定量のペダル踏み込みでの低減速度(低G)制動の場合の各ブレーキ装置にお
ける作動条件について説明する。図3(A)に示すように、ブレーキペダル2の一定量のペダル踏み込みによる所定のペダル踏力でブレーキ操作が行われ、このときの制動が一定量のペダル踏み込みでの低減速度制動の場合であると判断されると、ECU51はこの制動の場合における全体の必要ブレーキ力が一定量のペダル踏み込みに対応した必要ブレーキ力となるように、まず回生ブレーキ装置65を作動させるとともにパーキングブレーキの電動モータ66を駆動して電動パーキングブレーキ装置を作動させる。これにより、車両が制動されるとともに車両に対する全体のブレーキ力が次第に直線的に増大する(なお、回生ブレーキ力およびパーキングブレーキ力も直線的に増大し、かつこれらのブレーキ力の和が全体のブレーキ力となる。)。したがって、電動パーキングブレーキ装置を作動させることで、全体のブレーキ力がより速く増大される。そして、車両が制動されることで、車両速度が直線的に漸次減少する。
この低減速度(低G)制動の場合には、車両の減速度が比較的低いことから車両に対する全体の必要ブレーキ力は小さい。このため、この制動の場合は、全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ装置65で得られる最大回生ブレーキ力より小さい。すなわち、全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ装置65の必要回生ブレーキ力のみで効果的に得ることが可能である。
全体のブレーキ力が全体の必要ブレーキ力に到達すると、ECU51はパーキングブレーキ力が低減するように電動パーキングブレーキ装置の作動を制御する。このとき、パーキングブレーキ力は次第に直線的に減少する。一方、ECU51は回生ブレーキ装置65の作動を継続し、回生ブレーキ力が直線的に増大し続ける。その場合、全体の必要ブレーキ力が保持されるように、パーキングブレーキ力が減少されるとともに回生ブレーキ力が増大される。電動パーキングブレーキ装置の作動が停止されてパーキングブレーキ力が消滅する(0になる)と、全体の必要ブレーキ力が必要回生ブレーキ力のみとなる。そして、り、ECU51はこの必要回生ブレーキ力が保持されるように回生ブレーキ装置65の作動を制御する。
ブレーキペダル2の一定量の踏み込みが継続されている間は、ECU51は回生ブレーキ力が必要ブレーキ力に保持されるように回生ブレーキ装置65の作動制御を継続するとともに電動パーキングブレーキ装置を非作動に保持する。車両速度が予め設定された第2設定速度(>前述の第1設定速度(例えば、4km/hour等))になると、ECU51は回
生ブレーキ力が直線的に減少するように回生ブレーキ装置65の作動を制御するとともに、パーキングブレーキ力が発生しかつ直線的に増大するように電動パーキングブレーキ装置の作動を制御する。このとき、回生ブレーキ力とパーキングブレーキ力との和が全体の必要ブレーキ力となるように回生ブレーキ装置65および電動パーキングブレーキ装置が制御される。回生ブレーキ装置65が非作動となって回生ブレーキ力が0になると、全体の必要ブレーキ力はパーキングブレーキ力のみとなる。つまり、パーキングブレーキ力は必要パーキングブレーキ力となる。以後、このときの必要パーキングブレーキ力により車両が制動される。なお、車両速度が前述の第1設定速度を以下になると、各ブレーキ装置は、ECU51により前述と同様に作動制御される。
このように一定量のペダル踏み込みでの低減速度(低G)制動の場合には、回生ブレーキ装置65および電動パーキングブレーキ装置が協調して制動作用を行うようになる。したがって、全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ力とパーキングブレーキ力との和で構成されるか、あるいは回生ブレーキ力のみで構成される。すなわち、低減速度(低G)制動の場合における全体の必要ブレーキ力は、回生ブレーキ力とパーキングブレーキ力とにより十分に得ることが可能であり、液圧ブレーキ力は不要となる。したがって、この例のブレーキシステムでは、低減速度(低G)制動の場合、液圧ブレーキ装置1は作動されない。
次に、一定量のペダル踏み込みでの高減速度(高G)制動の場合の各ブレーキ装置における作動条件について説明する。図3(B)に示すように、ブレーキペダル2の踏み込みによる制動時、このときの制動が一定量のペダル踏み込みでの高減速度制動の場合であると判断されると、ECU51はこの制動の場合における全体の必要ブレーキ力が一定量のペダル踏み込みに対応した必要ブレーキ力となるように、まず前述の低減速度(低G)制動の場合と同様に、回生ブレーキ装置65を作動させるとともに電動パーキングブレーキ装置を作動させる。これにより、車両が制動されるとともに車両に対する全体のブレーキ力が次第に直線的に増大する(なお、この高減速度(高G)制動の場合も、回生ブレーキ力およびパーキングブレーキ力も直線的に増大し、かつこれらのブレーキ力の和が全体のブレーキ力となる。)。したがって、電動パーキングブレーキ装置を作動させることで、全体のブレーキ力がより速く増大される。そして、車両が制動されることで、車両速度が直線的に漸次減少する。
この高減速度(高G)制動の場合には、車両の減速度が比較的高いことから車両に対する全体の必要ブレーキ力は大きい。このため、この制動の場合は、全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ装置65で得られる最大回生ブレーキ力より大きい。すなわち、必要ブレーキ力は回生ブレーキ装置65の回生ブレーキ力のみで効果的に得ることは難しい。
全体のブレーキ力が全体の必要ブレーキ力に到達すると、前述の低減速度の制動の場合と同様に、ECU51はパーキングブレーキ力が低減するように電動パーキングブレーキ装置の作動を制御する。このとき、パーキングブレーキ力は次第に直線的に減少する。一方、ECU51は回生ブレーキ装置65の作動を継続し、回生ブレーキ力が直線的に増大し続ける。その場合、最大回生ブレーキ力が必要ブレーキ力より小さいことから、回生ブレーキ装置65の回生ブレーキ力がこの制動の場合の必要回生ブレーキ力に到達する前に、ECU51は液圧ブレーキ装置1を作動させる。これにより、液圧ブレーキ力が発生するとともに次第に直線的に増大する。
そして、回生ブレーキ力、パーキングブレーキ力、および液圧ブレーキ力の和が全体の必要ブレーキ力に保持されるように、ECU51は回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1の各作動を制御する。電動パーキングブレーキ装置の作動が停止されてパーキングブレーキ力が消滅する(0になる)と、回生ブレーキ力が必要回生ブレーキ力に到達するとともに液圧ブレーキ力が必要液圧ブレーキ力に到達する。そして、これらの必要回生ブレーキ力と必要液圧ブレーキ力との和が全体の必要ブレーキ力となり、ECU51はこの必要ブレーキ力が保持されるように回生ブレーキ装置65および液圧ブレーキ装置1の作動を制御する。
所定のペダル踏力でのブレーキペダル2の踏み込みが継続されている間は、ECU51は必要回生ブレーキ力と必要液圧ブレーキ力との和が必要ブレーキ力に保持されるように回生ブレーキ装置65および液圧ブレーキ装置1の作動制御を継続するとともに電動パーキングブレーキ装置を非作動に保持する。車両速度が予め設定された第3設定速度(>前述の第1設定速度(例えば、4km/hour等))になると、ECU51は回生ブレーキ力が
直線的に減少するように回生ブレーキ装置65の作動を制御するとともに、パーキングブレーキ力を発生させかつ直線的に増大させるように電動パーキングブレーキ装置の作動を制御する。このとき、ECU51は必要液圧ブレーキ力が保持されるように液圧ブレーキ装置1の作動を制御する。そして、回生ブレーキ力、パーキングブレーキ力、および必要液圧ブレーキ力の和が全体の必要ブレーキ力となるように、ECU51は回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1の各作動を制御する。
回生ブレーキ装置65が非作動となって回生ブレーキ力が0になると、全体の必要ブレ
ーキ力はパーキングブレーキ力と必要液圧ブレーキ力との和となる。つまり、パーキングブレーキ力は必要パーキングブレーキ力となる。以後、このときの必要ブレーキ力により車両が制動される。なお、車両速度が前述の第1設定速度を以下になると、各ブレーキ装置は、ECU51により前述と同様に作動制御される。
このように一定量のペダル踏み込みでの高減速度(高G)制動の場合には、回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1が協調して制動作用を行うようになる。したがって、全体の必要ブレーキ力は回生ブレーキ力、パーキングブレーキ力、および液圧ブレーキ力の少なくとも2つのブレーキ力の和で構成される。すなわち、高減速度(高G)制動の場合における全体の必要ブレーキ力は、回生ブレーキ力、パーキングブレーキ力、および液圧ブレーキ力により効果的に得ることが可能となる。
次に、ブレーキペダル2の踏増継続により制動が行われた場合の各ブレーキ装置における作動条件について説明する。ブレーキペダル2の踏増継続が直線的に行われた場合、図3(C)に示すように必要踏増ブレーキ力は直線的に増大するペダル踏み込み量に対応して直線的に増大する。そこで、ECU51はこの制動の場合においてペダル踏み込み量に対応する必要踏増ブレーキ力が小さい間は、まず電動パーキングブレーキ装置を作動させる。これにより、車両が制動されるとともに車両に対する全体のブレーキ力がパーキングブレーキ力のみで構成される。したがって、パーキングブレーキ力が必要踏増ブレーキ力の増大直線に沿って増大する。
踏増パーキングブレーキ力が第1の必要踏増パーキングブレーキ力になると、踏増パーキングブレーキ力はそれ以上増大しなく、この第1の必要踏増パーキングブレーキ力に保持される。そして、必要踏増ブレーキ力が第1の必要踏増パーキングブレーキ力を超えると、ECU51は回生ブレ−キ装置65を作動する。したがって、回生ブレ−キ装置65が踏増回生ブレーキ力を発生する。その場合、踏増回生ブレーキ力は必要踏増ブレーキ力の増大直線と実質的に同じ勾配で直線的に増大する。これにより、必要踏増ブレーキ力は第1の必要踏増パーキングブレーキ力と踏増回生ブレーキ力との和で構成されてその増大直線に沿って増大する。
踏増回生ブレーキ力が第1の必要踏増回生ブレーキ力になると、踏増回生ブレーキ力はそれ以上増大しなく、この第1の必要踏増回生ブレーキ力に保持される。その場合、この例のブレーキシステムでは、第1の必要踏増回生ブレーキ力は第1の必要踏増パーキングブレーキ力と同じ大きさに設定されている。そして、必要踏増ブレーキ力が第1の必要踏増パーキングブレーキ力と第1の必要踏増回生ブレーキ力との和を超えると、ECU51は液圧ブレ−キ装置1を作動する。したがって、液圧ブレ−キ装置1が踏増液圧ブレーキ力を発生する。その場合、液圧ブレ−キ装置1は踏増液圧ブレーキ力を必要踏増液圧ブレーキ力として発生する。この必要踏増液圧ブレーキ力は必要踏増ブレーキ力の増大直線と実質的に同じ勾配で直線的に増大する。これにより、必要踏増ブレーキ力は第1の必要踏増パーキングブレーキ力、第1の必要踏増回生ブレーキ力、および必要踏増液圧ブレーキ力の和で構成されてその増大直線に沿って増大する。
必要踏増液圧ブレーキ力が第1の必要踏増回生ブレーキ力および第1の必要踏増パーキングブレーキ力と同じ大きさになると、踏増回生ブレーキ力は必要踏増液圧ブレーキ力の増大直線と同じ直線に沿って増大し、また踏増パーキングブレーキ力は直線的に減少する。その場合、踏増パーキングブレーキ力の減少直線の勾配は、踏増回生ブレーキ力の増大直線の勾配と逆勾配でかつ絶対値が同じ勾配である。
踏増パーキングブレーキ力が消滅する(0になる)と、踏増回生ブレーキ力が第2の必要踏増回生ブレーキ力となる。そして、踏増回生ブレーキ力はそれ以上増大しなくこの第
2の必要踏増回生ブレーキ力に保持される。一方、必要踏増液圧ブレーキ力は依然として同じ勾配の増大直線に沿って増大する。これにより、必要踏増ブレーキ力は第2の必要踏増回生ブレーキ力と必要踏増液圧ブレーキ力で構成されるようになる。
車両速度が予め設定された第4設定速度(>前述の第1設定速度(例えば、4km/hour
等))になると、踏増回生ブレーキ力が直線的に減少するとともに、踏増パーキングブレーキ力が発生されかつ直線的に増大される。このとき、必要踏増液圧ブレーキ力は依然として同じ勾配の増大直線に沿って増大する。そして、踏増回生ブレーキ力、踏増パーキングブレーキ力、および必要踏増液圧ブレーキ力の和が全体の必要踏増ブレーキ力となるように、ECU51は回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1の各作動を制御する。
回生ブレーキ装置65が非作動となって踏増回生ブレーキ力が0になると、踏増パーキングブレーキ力は第2の必要踏増パーキングブレーキ力となる。そして、全体の必要踏増ブレーキ力はこの第2の必要踏増パーキングブレーキ力と必要踏増液圧ブレーキ力との和となる。以後、このときの必要ブレーキ力により車両が制動される。なお、車両速度が前述の第1設定速度を以下になると、各ブレーキ装置は、ECU51により前述と同様に作動制御される。
このようにペダル踏増制動の場合にも、回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1が協調して制動作用を行うようになる。したがって、全体の必要踏増ブレーキ力は踏増回生ブレーキ力、踏増パーキングブレーキ力、および踏増液圧ブレーキ力の少なくとも2つのブレーキ力の和で構成される。すなわち、ペダル踏増制動の場合における全体の必要踏増ブレーキ力は、踏増回生ブレーキ力、踏増パーキングブレーキ力、および踏増液圧ブレーキ力により効果的に得ることが可能となる。
更に、この例のブレーキシステムにおいては、前述のように電動パーキングブレーキ装置が左右前輪LF,RFに対してのみ制動作用を行うように設けられる。これにより、前
後輪に対する制動力配分が可能となる。例えば、液圧ブレーキ装置1により左右前後輪LF,RF,LR,RRにブレーキをかけた状態で、前輪側制動力を後輪側制動力より大きく
するように制動力を配分する必要がある場合(換言すると、後輪側制動力を前輪側制動力より小さくするように制動力を配分する場合)には、電動パーキングブレーキ装置により左右前輪LF,RFにブレーキをかけることで、前後輪に対する制動力の配分を簡単に行
うことが可能となる。これにより、後輪のロックを防止するためのプロポーショニングバルブや従来のブレーキ液圧制御装置(H/U)に用いられている電子制動力配分制御装置(EBD)が不要となる。
この例のブレーキシステムによれば、回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1を協調制御することで車両の通常の制動作用が行われるようにしている。したがって、電動パーキングブレーキ装置を通常の制動に効果的に利用することが可能となる。特に、比較的小さなブレーキ力で制動が行われる低減速度(低G)領域では、回生ブレーキ装置65および電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで車両の通常の制動作用が行われる。したがって、低減速度(低G)領域での制動では、液圧ブレーキ装置1を使用しなくても済むようになる。これにより、液圧ブレーキ装置1における減圧制御および増圧制御を行う必要がなく、ブレーキ制御をより簡単に行うことが可能となる。しかも、液圧失陥時にも回生ブレーキ装置65および電動パーキングブレーキ装置を効果的に協調制御することで、所定のブレーキ力を得ることが可能となる。
また、比較的大きなブレーキ力で制動が行われる高減速度(高G)領域では、回生ブレーキ装置65、電動パーキングブレーキ装置、および液圧ブレーキ装置1の3つのブレー
キ装置を協調制御することで車両の通常の制動作用を更に効果的に行うことが可能となる。
更に、電動パーキングブレーキ装置により通常の制動作用を行うことで、車両が停止したときに、電動パーキングブレーキ装置をそのまま作動状態に保持することで、車両をパーキング状態に保持することができる。これにより、車両のパーキングブレーキを確実に行うことが可能となる。
更に、電動パーキングブレーキ装置が左右前輪LF,RFに対してのみ制動作用を行う
ように設けられる。したがって、前後輪に対する制動力配分が可能となる。これにより、後輪のロックを防止するためのプロポーショニングバルブや従来のブレーキ液圧制御装置(H/U)に用いられている電子制動力配分制御装置(EBD)が不要となる。
なお、本発明は前述の各例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載されている範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明の負圧倍力装置およびブレーキシステムは、反力の遮断時に入力変動を抑制することのできる負圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステムに好適に利用可能である。
1…液圧ブレーキ装置、2…ブレーキペダル、4…タンデムマスタシリンダ(M/C)、7,8,9,10…ブレーキシリンダ(W/C)、11…ブレーキ液圧制御装置(H/U)
、13…ペダルストロークセンサ(S/U)、14…第1電磁開閉弁、16…第2電磁開閉弁、18…第1増圧弁、19…第2増圧弁、23…第1減圧弁、26…第2減圧弁、27…第1ポンプユニット、29…第3増圧弁、30…第4増圧弁、34…第3減圧弁、36…第2ポンプユニット、38…第4減圧弁、40…W/C圧センサ、41…モータ(M)、44…第1ブレーキ液導入弁、45…第2ブレーキ液導入弁、50…M/C圧センサ、51…電子制御装置(ECU)、52…必要ブレーキ力演算部、53…ブレーキ踏増判定部、54…車両減速度判定部、55…回生ブレーキ要否判断部、56…必要回生ブレーキ力演算部、57…回生ブレーキ制御信号出力部、58…パーキングブレーキ要否判断部、59…必要パーキングブレーキ力演算部、60…パーキングブレーキ制御信号出力部、61…液圧ブレーキ要否判断部、62…必要液圧ブレーキ力演算部、63…液圧ブレーキ制御信号出力部、64…車速センサ、65…回生ブレーキ装置、66…電動モータ

Claims (5)

  1. ブレーキ操作部材と、
    液圧ブレーキ力で制動を行う液圧ブレーキ装置と、
    回生ブレーキ力で制動を行う回生ブレーキ装置と、
    パーキングブレーキ力で制動を行う電動パーキングブレーキ装置と、
    少なくとも前記回生ブレーキ装置および前記電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで制動を行う制御部と、
    を少なくとも備えることを特徴とするブレーキシステム。
  2. 前記制御部は、車両減速度が予め設定された設定減速度以下である低減速度領域での制動時には前記回生ブレーキ装置および前記電動パーキングブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
  3. 前記制御部は、前記車両減速度が前記設定減速度を超える高減速度領域での制動時には前記回生ブレーキ装置、前記電動パーキングブレーキ装置、および前記液圧ブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴とする請求項2に記載のブレーキシステム。
  4. 前記制御部は、前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作増による制動時には前記回生ブレーキ装置、前記電動パーキングブレーキ装置、および前記液圧ブレーキ装置を協調制御することで制動を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のブレーキシステム。
  5. 前記電動パーキングブレーキ装置は前輪のみに制動作用を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載のブレーキシステム。
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