JP2014134657A - 走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外乱光のような過大光から光検出部を保護してその劣化を防止する。
【解決手段】光源21から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させるスキャナ27と、スキャナ27によりレーザ光が走査された標本Sからの蛍光を含む光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力するPMT33と、PMT33からの光強度信号をレーザ光の走査位置に対応付けて標本Sの画像を生成する画像生成部61と、PMT33により検出された光の光量が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する信号強度判定部63と、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態で信号強度判定部63により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、PMT33による光の検出を停止する制御部65とを備える走査型レーザ顕微鏡100を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法に関するものである。
従来、標本の輝度情報を取得するための光検出器として光電子増倍管(以下、単に「PMT」という。)を備えた走査型レーザ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。PMTなどの受光素子に過大な光が入射すると劣化または損傷する虞があるため、これを防止するための保護回路により、強い入射光に起因してPMTからの出力が一定値以上となった場合にPMTの動作を停止させることが知られている。
特開2005−352100号公報
室内灯やモニタからの光のような過大な外乱光は光量が予測不能でPMTに与える影響が大きいため、PMTからの出力が一定値以上となった場合はPMTの動作を瞬時に停止させたいが、観察サンプルからの光は多少過大であってもその明るさのままで観察したいという要望がある。
しかしながら、従来の走査型レーザ顕微鏡では、過大な光(以下、「過大光」という。)が外乱光によるものなのか観察サンプルからの光によるものなのかを判別することができず、過大光の種類に応じた対応を取ることができないという不都合がある。また、PMTの保護回路が作動した後、タイマで一定時間経過後にPMTの動作が自動復帰する方式では、過大な光が外乱光(室内灯やモニタの光)に起因する場合に保護回路の作動とPMTの動作の復帰が繰り返されてしまうことになり、PMTを劣化させてしまうという問題がある。
本発明は、外乱光のような過大光から光検出器を保護してその劣化を防止することができる走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、前記標本からの戻り光を含む光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、該光検出部からの前記光強度信号をレーザ光の走査位置に対応付けて前記標本の画像を生成する画像生成部と、前記光検出部により出力された前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する信号強度判定部と、前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で前記信号強度判定部により前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による前記光の検出を停止する制御部とを備える走査型レーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、光源からのレーザ光が走査部により標本上で2次元的に走査され、標本からの戻り光が受光素子により検出されて光検出部により光強度信号が出力され、その光強度信号に基づいて画像生成部により標本の画像が生成される。したがって、画像上で標本を観察することができる。
ここで、標本へのレーザ光の照射がOFFされている状態で光検出部により光が検出されると、その光は室内灯やモニタからの光のような外乱光であると考えられる。
本発明は、標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で光検出部から出力される光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと信号強度判定部により判定された場合に、受光制御部により光検出部による光の検出を停止することで、外乱光と認められる光量の最小値を強度閾値として設定しておけば、光検出部が過大な外乱光を検出し続けるのを防ぐことができる。これにより、外乱光のような過大な光から光検出部を保護してその劣化を防止することができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記信号強度判定部により前記所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFし、前記信号強度判定部の判定結果に基づいて前記検出部による前記光の検出を制御することとしてもよい。
このように構成することで、制御部により、標本を観察中にレーザ光を走査しながら光検出部に過大な光が入射したか否かが分かる。そして、光検出部に過大な光が入射した場合は、標本へのレーザ光の照射をOFFして光検出部によって得られた光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定することで、標本を観察しながら外乱光のような過大な光から光検出部を保護することができる。
上記発明においては、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記信号強度判定部により強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定部を備え、前記制御部が、前記領域判定部により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFし、前記信号強度判定部の判定結果に基づいて前記検出部による前記光の検出を制御することとしてもよい。
光検出部に標本からの戻り光(本来観察したい光)や外乱光が過大な強度で入射した場合は、画像を生成する際にある程度多くの連続する複数の画素に亘って強度閾値を超える光強度信号が得られる傾向がある。一方、標本上の微小な薬剤やゴミ等によって瞬間的に強度閾値を超える光強度信号が出力されても、瞬間的な光強度信号は1画素、2画素程度において出力されるに過ぎず、多くの数の連続する複数の画素に亘らない傾向がある。
そのため、標本を観察中に光検出部により過大な光が検出されると、領域判定部により、標本へのレーザ光の照射がONされた状態で所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたかどうかが判定されることで、微小なゴミ等による瞬間的な強度信号の影響が除去される。
したがって、このような場合に、制御部により、標本へのレーザ光の照射をOFFして信号強度判定部により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定させ、その判定結果に応じて光検出部による光の検出を制御することで、標本の観察中に過大な光の有無を精度よく判定して光検出部を保護することができる。
本発明は、光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査する走査工程と、前記標本からの光を含む光の輝度を光検出部により検出して光強度信号に光電変換させる光検出工程と、前記光検出部により得られた前記光強度信号をレーザ光の走査位置に対応する画素ごとに積算して前記標本の画像を生成する画像生成工程と、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する過大光判定工程とを含み、前記光検出工程が、前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で前記過大光判定工程により前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による前記光の輝度の検出を停止する顕微鏡観察方法を提供する。
本発明によれば、走査工程により光源からのレーザ光が標本上で2次元的に走査され、光検出工程により標本からの光の輝度が光検出部によって検出されて光強度信号に光電変換され、画像生成工程によりその光強度信号に基づいて標本の画像が生成される。したがって、画像上で標本を観察することができる。
この場合において、過大光判定工程により、標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で光検出部により得られる光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、光検出工程が光検出部による光の検出を停止する。
ここで、標本へのレーザ光の照射がOFFされている状態で光検出部により光が検出されると、その光は標本から発せられる光のような観察光かあるいは室内灯やモニタからの光のような過大な外乱光であると考えられる。したがって、外乱光と認められる光量の最小値を強度閾値として設定しておけば、光検出部により過大な外乱光を検出し続けてしまうことを防ぐことができる。これにより、外乱光のような過大な光から光検出部を保護してその劣化を防止することができる。
上記発明においては、前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、該第1判定工程により前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された場合に前記標本へのレーザ光の照射をOFFする照射停止工程と、該照射停止工程により前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含むこととしてもよい。
このように構成することで、第1判定工程により、走査工程によるレーザ光の走査中に光検出部に過大な光が入射したか否かが分かる。そして、光検出部に過大な光が入射した場合は、照射停止工程により標本へのレーザ光の照射をOFFして、第2判定工程により光検出部によって得られた光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定することで、標本を観察しながら過大な光から光検出部を保護することができる。
上記発明においては、前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、該第1判定工程により、強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定工程と、該領域判定工程により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFする照射停止工程と、該照射停止工程により前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含むこととしてもよい。
このように構成することで、第1判定工程により、走査工程によるレーザ光の走査中に光検出部に過大な光が入射したか否かが分かる。ここで、光検出部に標本からの戻り光(本来観察したい光)や外乱光が過大な強度で入射した場合は、画像を生成する際にある程度多くの連続する複数の画素に亘って強度閾値を超える光強度信号が得られる傾向があり、一方、標本上の微小な薬剤やゴミ等によって瞬間的に強度閾値を超える光強度信号が出力されても、瞬間的な光強度信号は多くの数の連続する複数の画素に亘らない傾向がある。
したがって、領域判定工程により、所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたと判定されると、その過大な光は微小なゴミ等による瞬間的なノイズではないことが分かる。このような場合に、照射停止工程により標本へのレーザ光の照射をOFFして第2判定工程により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定することで、光検出工程によりその判定結果に応じて光検出部による光の輝度の検出を停止することができる。これにより、標本の観察中に過大な光の有無を精度よく判定して光検出部を保護することができる。
上記発明においては、前記過大光判定工程が、前記走査工程によりレーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させるために前記標本へのレーザ光の照射がOFFされている間に、前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定することとしてもよい。
このように構成することで、走査工程によるレーザ光の走査を中断せずに光が過大な光か否かを判定することができる。したがって、過大光が外乱光ではなかった場合に標本の画像を最後まで生成することができる。
上記発明においては、前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、該第1判定工程により、強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定工程と、該領域判定工程により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記走査工程によりレーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させるために前記標本へのレーザ光の照射がOFFされている間に、前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含むこととしてもよい。
または、第1判定工程を省略し、前記走査工程によりレーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させるために前記標本へのレーザ光の照射がOFFされている間に、前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含むこととしてもよい。
このように構成することで、過大光が外乱光ではなかった場合に標本の画像を無駄にすることなく、標本を観察しながら光が過大光か否かを精度よく判定することができる。
本発明によれば、外乱光のような過大光から受光素子を保護してその劣化を防止することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の第2変形例に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 レーザ光の走査線と帰線期間を示す図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の第1変形例に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の第2変形例に係る顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する工程を説明するフローチャートである。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100は、図1に示すように、標本Sを載置するステージ11を有する顕微鏡本体部1と、標本Sを観察するための走査型観察部3と、標本Sを光刺激するための刺激光走査部5と、走査型観察部3と刺激光走査部5の光路を合成するダイクロイックミラー7と、これら顕微鏡本体部1、走査型観察部3および刺激光走査部5を制御するPC(Personal Computer)9とを備えている。
顕微鏡本体部1は、ステージ11の他、レーザ光をステージ11上の標本Sに照射する一方、標本Sからの蛍光や反射光(戻り光)等を集光する対物レンズ13と、走査型観察部3や刺激光走査部5からのレーザ光を対物レンズ13に向けて反射する一方、対物レンズ13により集光された蛍光や反射光を走査型観察部3や刺激光走査部5に向けて反射する反射ミラー15とを備えている。
ステージ11は、図示しない昇降機構により、対物レンズ13の光軸方向に移動可能に設けられている。
走査型観察部3は、観察用のレーザ光を発生する光源21と、光源21から発せられたレーザ光を遮断可能なシャッタ23と、シャッタ23を通過したレーザ光の強度調整等を行うAOTF(Acousto−Optic Tunable Filter:音響光学素子)25と、AOTF25からのレーザ光を反射する励起ダイクロイックミラー26と、励起ダイクロイックミラー26により反射されたレーザ光を標本S上で2次元的に走査させるXYスキャナ(走査部)27とを備えている。
シャッタ23は、図示しない駆動機構により、レーザ光の光路に挿脱可能に設けられており、光路に挿入されるとレーザ光を遮断し、光路から外されるとレーザ光を通過させることができるようになっている。
励起ダイクロイックミラー26は、光源21からのレーザ光を反射する一方、標本Sから対物レンズ13、反射ミラー15、ダイクロイックミラー7およびスキャナ27を介してレーザ光の光路を戻る蛍光を透過させることができるようになっている。
スキャナ27は、例えば、互いに近接配置された一対のガルバノミラー(図示略)を備えている。これら一対のガルバノミラーは、それぞれレーザ光の光軸に交差する揺動軸回りに揺動可能に設けられている。
このスキャナ27は、一対のガルバノミラーの揺動角度を変えながらレーザ光を反射することにより、レーザ光を偏向することができるようになっている。スキャナ27により反射されたレーザ光はダイクロイックミラー7に入射するようになっている。また、スキャナ27は、各ガルバノミラーの揺動角度に対応するレーザ光の走査位置に関する走査位置情報をPC9に送るようになっている。
また、走査型観察部3には、励起ダイクロイックミラー26を透過した標本Sからの蛍光を反射する反射ミラー29と、反射ミラー29により反射された蛍光から不要な光をカットする吸収フィルタ31と、吸収フィルタ31を通過した蛍光の輝度を検出するPMT(Photomultiplier Tube、光検出部)33とが備えられている。
PMT33は、入射した光の輝度を検出して光強度信号に光電変換し、得られた光強度信号をPC9に送るようになっている。PMT33に入射する光としては、標本Sからの蛍光の他、例えば、標本Sからの蛍光以外の光や外部からの光等が含まれるものとする。
刺激光走査部5は、光刺激用のレーザ光を発生する光源41と、光源41から発せられたレーザ光を遮断可能なシャッタ43と、シャッタ43を通過したレーザ光の強度調整等を行うAOTF(音響光学素子)45と、AOTF45からのレーザ光を偏向する2次元ガルバノスキャナ49と、2次元ガルバノスキャナ49により偏向されたレーザ光をダイクロイックミラー7に向けて反射する反射ミラー51とを備えている。
シャッタ43は、走査型観察部3のシャッタ23と同様に、図示しない駆動機構によりレーザ光の光路に挿脱可能に設けられており、光路に挿入されるとレーザ光を遮断し、光路から外されるとレーザ光を通過させることができるようになっている。
2次元ガルバノスキャナ49は、スキャナ27と同様の構成を有しており、光源41から発せられたレーザ光を標本S上で2次元的に走査させることができるようになっている。
ダイクロイックミラー7は、走査型観察部3のスキャナ27からのレーザ光を顕微鏡本体部1に向けて反射する一方、標本Sから戻る蛍光を走査型観察部3に向けて反射するようになっている。また、ダイクロイックミラー7は、刺激光走査部5の反射ミラー51からのレーザ光を透過させて顕微鏡本体部1に入射させるようになっている。
PC9は、PMT33から出力された光強度信号をスキャナ27から送られてくる走査位置情報に対応する画素ごとに積算して標本Sの画像を生成する画像生成部61と、PMT33から出力された光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する信号強度判定部63と、上記駆動機構によるシャッタ23,43の挿脱やスキャナ27によるレーザ光の走査、PMT33による光の検出等を制御する制御部(受光制御部)65とを備えている。
画像生成部61は、生成した画像を上記モニタに表示させるようになっている。
信号強度判定部63は、PMT33から送られてくる光強度信号に対する所定の強度閾値を予め記憶しておくことができるようになっている。所定の強度閾値は、例えば、室内灯やモニタからの光のような過大な外乱光と認められる光量の最小値であることが望ましい。
また、信号強度判定部63は、PMT33からの光強度信号と記憶しておいた所定の強度閾値とを比較し、光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否か、すなわち、光が過大な光(以下、「過大光」という)か否かを判定するようになっている。信号強度判定部63の判定結果は制御部65に送られるようになっている。
制御部65は、例えば、走査型観察部3や刺激光走査部5の各駆動機構を駆動させて、レーザ光の光路にシャッタ23,43を挿入したり、光路からシャッタ23,43を外したりすることができるようになっている。また、制御部65は、PMT33に印加する電圧(HV)のON/OFFやHVの値の増減を行うようになっている。
この制御部65は、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態でPMT33から出力された光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと信号強度判定部63により判定された場合に、PMT33に印加するHVをOFFするようになっている。さらに、制御部65は、その場合に上記モニタに警告を表示するようになっている。
次に、本実施形態に係る顕微鏡観察方法は、光源21から発せられたレーザ光を標本S上で2次元的に走査する走査工程と、標本Sからの蛍光を含む光の輝度をPMT33により検出して光強度信号に光電変換させる光検出工程と、PMT33により得られた光強度信号をレーザ光の走査位置に対応する画素ごとに積算して標本Sの画像を生成する画像生成工程と、PMT33により得られた光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する過大光判定工程(ステップSA2、図2参照)とを含み、光検出工程が、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態で過大光判定工程により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、PMT33による光の検出を停止するようになっている。
このように構成された走査型レーザ顕微鏡100および顕微鏡観察方法の作用について説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100および顕微鏡観察方法により標本Sを検査するには、ステージ11に標本Sを載置し、PC9により走査型観察部3または刺激光走査部5を制御して行う。
走査型観察部3により標本Sを観察する場合は、制御部65によりレーザ光の光路からシャッタ23を外し、光源21から観察用のレーザ光を発生させる。光源21から発せられたレーザ光は、シャッタ23を通過しAOTF25により強度が調整されて励起ダイクロイックミラー26により反射された後、スキャナ27により偏向されてダイクロイックミラー7により顕微鏡本体部1に向けて反射される。
顕微鏡本体部1に入射したレーザ光は、反射ミラー15により反射されて、対物レンズ13により標本Sに照射される。これにより、スキャナ27の各ガルバノミラーの揺動角度に応じて、観察用のレーザ光が標本S上で2次元的に走査される(走査工程)。
観察用のレーザ光が走査されることにより標本Sにおいて蛍光が発生すると、その蛍光は対物レンズ13により集光されて反射ミラー15を介してレーザ光の光路を戻り、ダイクロイックミラー7により走査型観察部3に向けて反射される。そして、蛍光はスキャナ27を介して励起ダイクロイックミラー26を透過し、反射ミラー29により反射されて吸収フィルタ31により不要な光がカットされた後、PMT33によりその輝度が検出される(光検出工程)。
PMT33においては、検出した蛍光を含む光の輝度が光強度信号に光電変換され、得られた光強度信号がPC9に送られる。PC9では、PMT33から送られてきた光強度信号が画像生成部61によりレーザ光の走査位置に対応する画素毎に積算されて標本Sの2次元的な画像が構築される(画像生成工程)。積算された積算値は画像生成部61により記憶される。また、構築された標本Sの画像は上記モニタに表示される。これにより、画像上で標本Sを観察することができる。
次に、刺激光走査部5により標本Sを光刺激する場合は、制御部65によりレーザ光の光路からシャッタ43を外し、光源41から刺激用のレーザ光を発生させる。光源41から発せられたレーザ光は、シャッタ43を通過してAOTF45により強度が調整された後、2次元ガルバノスキャナ49により偏向されて反射ミラー51により反射され、ダイクロイックミラー7を透過して顕微鏡本体部1に入射する。
顕微鏡本体部1に入射したレーザ光は、反射ミラー15により反射されて対物レンズ13により標本Sに照射される。これにより、対物レンズ13の焦点位置において刺激用のレーザ光によって標本Sに光刺激を与えることができる。光刺激の位置は2次元ガルバノスキャナ49により調節される。
ここで、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされている状態でPMT33により光が検出されると、その光は室内灯やモニタからの光のような外乱光であると考えられる。
本実施形態においては、過大な外乱光からPMT33を守るために、PC9により、光が過大光か否かを判定し、その判定結果に応じて標本Sの検査を中止あるいは続行する。具体的には、図2のフローチャートに示されるように、まず、標本Sの検査を一旦中断し、制御部65により、走査型観察部3のレーザ光の光路および刺激光走査部5のレーザ光の光路にシャッタ23,43をそれぞれ挿入する。これにより、光源21からの観察用のレーザ光および光源41からの刺激用のレーザ光を遮断する(ステップSA1)。
そして、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態で、信号強度判定部63により、PMT33からPC9に送られてきた光強度信号と予め記憶しておいた所定の強度閾値とが比較され、光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かが判定される(過大光判定工程、ステップSA2)。
信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、異常すなわちPMT33に過大光が入射していると考えられ、制御部65により、PMT33に印加するHVがOFFされる(ステップSA3)。これにより、PMT33による光の検出が停止され、標本Sの検査が中止される。また、制御部65によりモニタに警告が表示される。
一方、信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合は(ステップSA2「No」)、正常すなわちPMT33に過大光は入射していないと考えられ、制御部65によりレーザ光の光路からシャッタ23,43が外される。これにより、標本Sへのレーザ光の照射がONされ(ステップSA4)、標本Sの検査が続行される。
以上説明したように、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100および顕微鏡観察方法によれば、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態でPMT33から出力される光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えた場合にPMT33による光の検出を停止することで、PMT33が過大な外乱光を検出し続けるのを防ぐことができる。これにより、外乱光のような過大光からPMT33を保護してその劣化を防止し、PMT33の長寿命化を図ることができる。
本実施形態は、以下のように変形することができる。
本実施形態においては、標本Sの検査時と同じ高いHVをPMT33に印加した状態で光が過大光か否かを判定することとしたが(図2のステップSA2参照。)、第1変形例としては、PMT33へのHVの印加をOFFまたは低減した状態で光が過大光か否かを判定することとしてもよい。
以下、本変形例について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部65により、レーザ光の光路にシャッタ23,43を挿入して光源21,41からのレーザ光を遮断するとともに(ステップSB1)、PMT33に印加しているHVを一旦OFFする(ステップSB2)。
次いで、制御部65によりPMT33へのHVの印加をONし、HVを低い値から徐々に上昇させていきながら(ステップSB3)、信号強度判定部63により、PMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する(ステップSB4)。
信号強度判定部63により、PMT33から出力された光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、上記本実施形態と同様に、制御部65によりPMT33へのHVの印加をOFFする(ステップSB5)。これにより、PMT33による光の検出を停止して検査を中止する。また、制御部65により上記モニタに警告を表示する。
一方、信号強度判定部63により、PMT33から出力された光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合は(ステップSB4「No」)、制御部65により、PMT33に印加しているHVが所定の規定値(上限)に達したか否かを判断する(ステップSB6)。
PMT33に印加するHVが上限に達していない場合は、印加するHVを増大して(ステップSB7)、ステップSB4に戻る。一方、PMT33に印加する電圧が上限に達している場合は、外乱光はないものと考えられる。したがって、制御部65により、レーザ光の光路からシャッタ23,43を外して標本Sへのレーザ光の照射をONするとともに(ステップSB8)、PMT33に印加するHVの値を標本Sの検査時の値に戻す(ステップSB9)。そして、標本Sの検査を続行する。
本変形例によれば、PMT33に印加するHVをOFFまたは低減した状態で光が過大光か否かを判定することで、光が外乱光のような過大光であっても、その判定中にPMT33がダメージを受けるのを防ぐことができる。
本変形例においては、ステップSB2においてPMT33へのHVの印加を一旦OFFすることとしたが、HVの印加を必ずしもOFFする必要はなく、HVを低い値に低減することとしてもよい。
また、第2変形例としては、走査型観察部3による標本Sの検査中に光が過大光か否かの判定を組み込むこととしてもよい。
具体的には、図4のフローチャートに示されるように、まず、制御部65により、光が過大光か否かの判定を行っていないことを示すフラグ=1を設定し(ステップSC1)、スキャナ27によるレーザ光の走査を開始する(ステップSC2)。
次いで、信号強度判定部63により、PMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する(ステップSC3)。光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、フラグ=1が設定されているので(ステップSC4「YES」)、制御部65により、スキャナ27によるレーザ光の走査を一旦中断する(ステップSC5)。
次いで、制御部65により、レーザ光の光路にシャッタ23,43を挿入し、光源21,41からのレーザ光を遮断する(ステップSC6)。そして、制御部65により、スキャナ27の走査位置を同じフレームの初期位置に戻して最初から走査を開始する(ステップSC7)。この状態で、信号強度判定部63により、PMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する(ステップSC8)。
信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値以下と判断された場合は、PMT33に入射している光は過大な外乱光ではないと判断できる。したがって、制御部65により、スキャナ27による走査が終了したか否かを判断する(ステップSC9)。
スキャナ27による走査が終了していなければ(ステップSC9「NO」)、ステップSC8に戻る。一方、スキャナ27による走査が終了していれば、制御部65によりフラグ=1に代えてフラグ=0を設定する(ステップSC10)。そして、制御部65により、レーザ光の光路からシャッタ23,43を外して標本Sへのレーザ光の照射をONし(ステップSC11)、ステップSC2に戻る。この場合は、その後に過大光が生じたとしても1フレームが終了するまで標本Sの検査を続ける。
ステップSC8において、信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、異常すなわち光は外乱光と判断できる。したがって、制御部65によりPMT33に印加するHVをOFFするとともに(ステップSC12)、スキャナ27による走査を停止する(ステップSC13)。これにより、PMT33による光の検出を停止し、標本Sの検査を中止する。また、制御部65により上記モニタに警告を表示する。
ステップSC3において信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合や、ステップSC4において制御部65によりフラグ=1でないと判断された場合は、制御部65により、スキャナ27による走査が終了したか否かを判断する(ステップSC14)。そして、走査は終了していないと判断した場合はステップSC3に戻り、走査は終了していると判断した場合は、1フレーム分の画像の取り込みが完了しているので、ステップSC1に戻り次のフレームに移る。
また、本実施形態においては、シャッタ23,43により標本Sへのレーザ光の照射をOFFして標本Sの検査を中断した状態で光が過大光か否かを判定することとしたが、第3変形例としては、図5に示すように、AOTF25により標本Sへのレーザ光の照射をOFFして、レーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させる期間(この期間を「帰線期間」という。)に、光が過大光か否かを判定することとしてもよい。帰線期間では、観察用のレーザ光がOFFされる。
本変形例においては、図6のフローチャートに示されるように、過大光判定工程(ステップSD2、図6参照)が、走査工程(ステップSD1)の帰線期間に、PMT33から出力された光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定することとすればよい。
具体的には、制御部65によりスキャナ27が帰線期間か否かを判断する(ステップSD1)。帰線期間ではない場合は帰線期間になるまで待機する。一方、帰線期間の場合は、信号強度判定部63により、PMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かを判断する(ステップSD2)。このとき、刺激光走査部5により光刺激が行われている場合は、シャッタ43を光路に挿入して刺激レーザ光を遮断する。
信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、制御部65によりPMT33に印加するHVをOFFする(ステップSD3)。これにより、PMT33による光の検出を停止し、標本Sの検査を中止する。また、制御部65により、上記モニタに警告を表示する。一方、信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合は(ステップSD2「No」)、標本Sの検査を続行する。
このようにすることで、走査工程によるレーザ光の走査を中断せずに光が過大光か否かを判定することができる。したがって、過大光が外乱光ではなかった場合に標本Sの画像を最後まで生成することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法について説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡200は、図7に示すように、PC9が、画像の複数画素に亘る過大光をPMT33が検出したか否かを判定する領域判定部167を備える点で第1実施形態と異なる。
また、本実施形態に係る顕微鏡観察方法は、過大光判定工程が、図8のフローチャートに示されるように、標本Sへのレーザ光の照射がONされた状態で、PMT33により得られた光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程(ステップSE2)と、第1判定工程により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に標本Sへのレーザ光の照射をOFFする照射停止工程(ステップSE5)と、照射停止工程により標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態で、PMT33により得られた光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程(ステップSE6)とを含む点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100および顕微鏡観察方法と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
領域判定部167は、標本Sへのレーザ光の照射がONされた状態で、信号強度判定部63により所定の強度閾値を超えたと判定された強度の光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたか否かを判定するようになっている。
すなわち、領域判定部167は、画像を形成する各画素に対する輝度の光強度信号が所定の強度閾値を超えた場合であって、且つ、その画素が相互に連続している場合に、その所定の強度閾値を超えた光強度信号に対応する画素をカウントするようになっている(画素数カウント:CNT)。そして、領域判定部167は、カウントした画素数が、予め定めた所定の画素数閾値を超えた場合に、所定の強度閾値を超える光強度信号が連続する複数の画素に亘って出力されたと判定するようになっている。領域判定部167による判定結果は制御部65に送られるようになっている。
このように構成された走査型レーザ顕微鏡200および顕微鏡観察方法の作用について説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡200および顕微鏡観察方法により光が過大光か否かを判定する場合は、図8のフローチャートに示されるように、標本Sの検査中において、まず、領域判定部167により画素数カウントがリセットされる(CNT=0、ステップSE1)。
次いで、信号強度判定部63により、標本Sへのレーザ光の照射がONされた状態でPMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かが判定される(ステップSE2)。光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合はステップSE1に戻る。一方、光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は、領域判定部167により画素数カウントがアップされる(CNT=n+1、ステップSE3)。
次いで、領域判定部167により、画素数カウントが所定の画素数閾値を超えたか否かが判定される(ステップSE4)。画素数カウントが所定の画素数閾値以下と判定された場合はステップSE2に戻る。一方、画素数カウントが所定の画素数閾値を超えたと判定された場合は、制御部65により、レーザ光の光路にシャッタ23,43が挿入され、光源21,41からのレーザ光が遮断される(ステップSE5)。
そして、信号強度判定部63により、標本Sへのレーザ光の照射がOFFされた状態でPMT33からPC9に送られてきた光強度信号が所定の強度閾値を超えたか否かが判定される(ステップSE6)。光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合は、制御部65により、レーザ光の光路からシャッタ23,43が外されて、標本Sへのレーザ光の照射がONされる(ステップSE7)。そして、ステップSE1に戻る。
一方、信号強度判定部63により光強度信号が所定の強度閾値を超えたと判定された場合は(ステップSE6「Yes」)、制御部65により、PMT33に印加するHVがOFFされる(ステップSE8)。これにより、PMT33による光の検出が停止し、標本Sの検査が中止される。また、制御部65によりモニタに警告が表示される。
ここで、PMT33に標本からの戻り光(本来観察したい光)や外乱光が過大な強度で入射した場合は、画像を生成する際にある程度多くの連続する複数の画素に亘って強度閾値を超える光強度信号が得られる傾向がある。一方、標本S上の微小な薬剤やゴミ等によって瞬間的に強度閾値を超える光強度信号が出力されても、瞬間的な光強度信号は1画素、2画素程度において出力されるに過ぎず、多くの数の連続する複数の画素に亘らない傾向がある。
したがって、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡および顕微鏡観察方法によれば、領域判定部167により、所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたと判定されると、その光は微小なゴミ等による瞬間的なノイズではないことが分かる。このような場合に、標本Sへのレーザ光の照射をOFFして信号強度判定部63により光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定させることで、制御部65によりその判定結果に応じてPMT33による光の検出を停止することができる。これにより、標本の観察中に過大光の有無およびその種類を精度よく判定してPMT33を効果的に保護することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態は、標本Sの検査時と同じ高いHVをPMT33に印加した状態で光が過大光か否かを判定することとしたが(図8のステップSE6参照。)、第1変形例としては、第1実施形態の第1変形例と同様に、PMT33へのHVの印加をOFFまたは低減した状態で光が過大光か否かを判定することとしてもよい。
この場合、図9のフローチャートに示されるように、ステップSE5においてシャッタ23,43により光源21,41からのレーザ光が遮断されたら、その後は第1実施形態の第1変形例と同様に、ステップSB2〜ステップSB9を行うこととすればよい。本変形例においては、ステップSB9において、制御部65により、PMT33に印加するHVの値を標本Sの検査時の値に戻したら、ステップSE1に戻ることとすればよい。
また、本実施形態においては、シャッタ23,43により標本Sへのレーザ光の照射をOFFして標本Sの検査を中断した状態で光が過大光か否かを判定することとしたが、第1実施形態の第3変形例と同様に、スキャナ27の帰線期間中に光が過大光か否かを判定することとしてもよい。
本変形例においては、図10のフローチャートに示されるように、過大光判定工程が、照射停止工程を含まず、また、第2判定工程(ステップSD2´)が、領域判定工程(ステップSE4)により、所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が所定の画素数閾値を超える数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを走査工程(ステップSD1)における帰線期間中に判定することとすればよい。
具体的には、ステップSE4において、領域判定部167により、画素数カウントが所定の画素数閾値を超えたと判定されたら、その後は第1実施形態の第3変形例と同様にステップSD1〜ステップSD3を行うこととすればよい。本変形例においては、ステップSD2において、信号強度判定部63により、光強度信号が所定の強度閾値以下と判定された場合はステップSE1に戻ることとすればよい。
このようにすることで、走査工程によるレーザ光の走査を中断せずに光が過大光か否かを判定することができる。したがって、過大光が外乱光ではなかった場合に標本Sの画像を最後まで生成することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
また、例えば、シャッタ23,43により標本Sへのレーザ光の照射をON/OFFすることとしたが、例えば、シャッタ23,43を採用せずに、AOTF25,45を制御して、AOTF25,45通過時にレーザ光をOFFしてもよい。
また、AOTF25,45に代えて、AOM(Acousto−Optic Modulator)を採用することとしてもよい。また、光源21,41(レーザ光源)自身をオンオフ制御してもよい。
21 光源
27 スキャナ(走査部)
33 PMT(光検出部)
61 画像生成部
63 信号強度判定部
65 制御部(受光制御部)
100,200 走査型レーザ顕微鏡
167 領域判定部
SA2、SD2 過大光判定工程
SD1 走査工程
SD2´ 第2判定工程
SE2 第1判定工程
SE4 領域判定工程
SE5 照射停止工程
SE6 第2判定工程

Claims (8)

  1. 光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、
    前記標本からの戻り光を含む光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、
    該光検出部からの前記光強度信号をレーザ光の走査位置に対応付けて前記標本の画像を生成する画像生成部と、
    前記光検出部により出力された前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する信号強度判定部と、
    前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で前記信号強度判定部により前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による前記光の検出を停止する制御部とを備える走査型レーザ顕微鏡。
  2. 前記制御部が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記信号強度判定部により前記所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFし、前記信号強度判定部の判定結果に基づいて前記検出部による前記光の検出を制御する請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記信号強度判定部により強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定部を備え、
    前記制御部が、前記領域判定部により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFし、前記信号強度判定部の判定結果に基づいて前記検出部による前記光の検出を制御する請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  4. 光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査する走査工程と、
    前記標本からの光を含む光の輝度を光検出部により検出して光強度信号に光電変換させる光検出工程と、
    前記光検出部により得られた前記光強度信号をレーザ光の走査位置に対応付けて前記標本の画像を生成する画像生成工程と、
    前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたか否かを判定する過大光判定工程とを含み、
    前記光検出工程が、前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で前記過大光判定工程により前記光強度信号の強度が所定の強度閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による前記光の輝度の検出を停止する顕微鏡観察方法。
  5. 前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、
    該第1判定工程により前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された場合に前記標本へのレーザ光の照射をOFFする照射停止工程と、
    該照射停止工程により前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含む請求項4に記載の顕微鏡観察方法。
  6. 前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、
    該第1判定工程により、強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定工程と、
    該領域判定工程により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記標本へのレーザ光の照射をOFFする照射停止工程と、
    該照射停止工程により前記標本へのレーザ光の照射がOFFされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含む請求項4に記載の顕微鏡観察方法。
  7. 前記過大光判定工程が、前記走査工程によりレーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させるために前記標本へのレーザ光の照射がOFFされている間に、前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する請求項4に記載の顕微鏡観察方法。
  8. 前記過大光判定工程が、前記標本へのレーザ光の照射がONされた状態で、前記光検出部により得られた前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第1判定工程と、
    該第1判定工程により、強度が前記所定の強度閾値を超えたと判定された光強度信号が、所定の画素数閾値を超える数の連続する複数の前記画素に亘って出力されたか否かを判定する領域判定工程と、
    該領域判定工程により、前記所定の強度閾値を超える強度の光強度信号が前記所定の画素数閾値を超える数の画素に亘って出力されたと判定された場合に、前記走査工程によりレーザ光の走査線を次の走査ラインの開始位置に移動させるために前記標本へのレーザ光の照射がOFFされている間に、前記光強度信号の強度が前記所定の強度閾値を超えたか否かを判定する第2判定工程とを含む請求項4に記載の顕微鏡観察方法。
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