JP2014134270A - 軸受装置、軸受装置における油量調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油量調整部材60において、潤滑油流量を調整するための雄ネジシャフト61の頭部をカバー25の外部に突出させ、潤滑油流量を調整するときには、雄ネジシャフト61をカバー25の外部から回転させて作業を行うようにした。また、潤滑油温度(パッド温度)を計測するための熱電対を備えることによって、潤滑油温度をモニタリングしながら、リアルタイムに潤滑油流量を適切に調整することもできる。
【選択図】図3
Description
そこで、図5の例では、スラスト軸受4のハウジング4aに油量調整部材7が備えられている。
すなわち、油量調整部材7は、蒸気タービン1のタービン軸2の一端部2aを収容する軸受台10のカバー11内に収容されている。このため、蒸気タービン1の組立時に、試運転等を行うことによって、油量調整部材7における潤滑油流量を調整した後は、長期間の運転による潤滑油流路の状態変化や各部の劣化等により、メイン軸受3やスラスト軸受4の軸受温度が上昇して油量調整部材7で潤滑油流量を再調整したい場合に、その調整を行うことが困難となっている。
また、潤滑油自体の全体量を増加させず、潤滑油の全体流量を制限するために、各部位の潤滑油流量は必要以上に余裕を持たずに適正な潤滑油流量を維持することが望ましい。
すなわち、本発明の軸受装置は、回転軸を支持する軸受部材と、前記回転軸と前記軸受部材との間に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、前記潤滑油供給部における前記潤滑油の流量を調整する油量調整部材と、前記軸受部材から離間して前記軸受部材を覆うカバーと、を備え、前記油量調整部材は、先端部に、外径が軸線方向に沿って漸次変化するノズル部を有し、前記ノズル部が前記潤滑油の流路内に挿入されるとともに、基端部が前記カバーを貫通して該カバーの外部に突出した雄ネジシャフトと、前記カバーに設けられ、前記雄ネジシャフトを前記流路に対し該雄ネジシャフトの軸線方向に沿って進退可能とする雌ネジ部材と、を備えることを特徴とする。
このとき、雄ネジシャフトの基端部がカバーの外部に突出しているため、雄ネジシャフトをカバーの外部から回転させて油量調整を行うことができる。
さらに雌ネジ部材がカバーに設けられているので、蒸気タービンの運転状態によらず、軸受部材周囲の温度や潤滑油温度の変化の影響を受けにくく、また、雌ネジ部材と雄ネジシャフトとの位置関係が変わりにくいので、潤滑油流量の変化を抑制できる。
また、前記雄ネジシャフトの頭部と前記雌ネジ部材との間に、スペーサが挟み込まれて、前記スペーサは周方向に2分割した分割子からなり、前記スペーサの外周部に固定リングが装着されているようにしてもよい。このとき、スペーサの厚みや挟み込む数を調整することによって、油量を調整することができ、また、雄ネジシャフトを確実に固定できる。また、スペーサを周方向に2分割した分割子により形成することで、雄ネジシャフトに対するスペーサの装着を容易に行える。
図1に示すように、蒸気タービンの軸受装置20は、タービン軸(回転軸)21の一端部21aを、タービン軸21をその軸線周りに回転自在に支持するメイン軸受30と、タービン軸21のスラスト力を受けるスラスト軸受(軸受部材)40とにより支持している。タービン軸21の一端部21aには、蒸気タービンの各部に潤滑油を供給する遠心ポンプ23が設けられていてもよい。
これらメイン軸受30、スラスト軸受40、遠心ポンプ23は、床面上に設置された軸受台22上に設けられている。
また、軸受台22の上部には、スラスト軸受40、遠心ポンプ23を覆うようにカバー25が装着されている。
軸受ハウジング32は、その外周面32aが、タービン軸21の軸線Cを含む面内で外周に向けて凸となる円弧状をなし、すなわち、外周面32aは、全体として球面状をなしている。
軸受台座33は、蒸気タービンの軸受装置20のハウジング24に一体に形成されて、その下部は軸受台22の一部を形成している。軸受台座33の内周面33aは、タービン軸21の軸線Cを含む断面において外周側に凸となる円弧状をなし、すなわち、この内周面33aは、全体として球面状をなしている。そして、軸受ハウジング32の外周面32aと、軸受台座33の内周面33aとが、それぞれの曲率が略同一に設定されることで、その全域において互いに所定のクリアランスを維持して、潤滑油を導入するようになっている。
図2に示すように、軸受パッド42Aは、フランジ部21fに対してタービン軸21の他端部側(図1において右方)においてフランジ部21fに対向するよう配置され、軸受パッド42Bは、フランジ部21fに対してタービン軸21の一端部21a側にてフランジ部21fに対向するよう配置されている。
タービン軸21には、他端部側に動翼等が設けられている。そして、蒸気タービンの稼働時には、ハウジング24内における蒸気の流れによって、タービン軸21の一端部21a側から他端部側に向けてのスラスト力Psが作用する。したがって、スラスト軸受40においては、軸受パッド42Aにおいて、より大きなスラスト力を受けることとなる。したがって、軸受パッド42Aは、軸受パッド42Bに比較して、フランジ部21fに対向する面の面積が大きくなるよう形成されている。
油量調整部材60は、先端に行くにしたがいその外径が漸次縮小するノズル部61aを有した雄ネジシャフト61を備えている。この雄ネジシャフト61は、軸受台22の上方に装着されているカバー25に設けられた雌ネジ部(雌ネジ部材)62にねじ込まれ、雄ネジシャフト61の頭部(基端部)61bは、カバー25の外部に突出して設けられている。この雄ネジシャフト61のねじ込み量に応じて雄ネジシャフト61を進退させ、排出口46とノズル部61aとの隙間を可変とすることによって、潤滑油の流量を調整するようになっている。
このため、図2に示すように、スラスト力を受ける側の軸受パッド42Aには、熱電対64等の温度センサが設けられている。熱電対64は、軸受パッド42Aを貫通し、その先端64aがメタル材44Aの背面側に位置するよう設けられている。
そして、熱電対64によって検出されるメタル材44Aの温度、すなわち潤滑油温度の情報は、外部の図示しないコントローラに伝達され、熱電対64における検出温度が、インジケータやモニター等の出力部に表示される。
具体的には、熱電対64における検出温度が、予め定めた規定値以下を維持するよう、雄ネジシャフト61のねじ込み量、すなわち潤滑油の流量を調整する。例えば、まず、ナット66を緩め、雄ネジシャフト61を回転可能な状態とする。そして、雄ネジシャフト61をいっぱいに締め込んだ状態から、規定回転数(例えば1/8回転)だけ緩め、この状態で、蒸気タービンを稼働させ、熱電対64における検出温度を監視する(温度検出工程)。そして、検出温度が規定値を上回った場合には、雄ネジシャフト61を規定回転数(例えば1/8回転)だけ開き(油量調整工程)、再び熱電対64における検出温度を監視する。
検出温度が、規定値を上回らなくなったならば、そのまま蒸気タービンの稼働を一定時間継続し、熱電対64における検出温度を監視する。もし、その途中で、検出温度が規定値を上回った場合には、雄ネジシャフト61を規定回転数(例えば1/8回転)だけ開く。そして、蒸気タービンの稼働を一定時間継続し、熱電対64における検出温度が規定値を上回らない状態を維持することを確認した時点で、調整が完了する。
調整完了後、ナット66をねじ込むことによって、雄ネジシャフト61を雌ネジ部62に対して固定する。
また、潤滑油温度(パッド温度)を計測するための熱電対64を備えることによって、潤滑油温度をモニタリングしながら、リアルタイムに潤滑油流量を適切に調整することが可能となる。
さらに、雄ネジシャフト61は、カバー25に形成された雌ネジ部62にねじ込まれている。この雌ネジ部62は、スラスト軸受40から離間されているため、潤滑油の熱影響を受けにくく、また、潤滑油に直接触れないので温度変化が少ない。これによって、雄ネジシャフト61のノズル部61aの位置が熱影響によってずれにくく、潤滑油流量を安定させることができる。
また、この場合、スペーサ68の厚さや枚数を異ならせることで、雄ネジシャフト61のねじ込み量を適宜調整することができる。
さらに言えば、蒸気タービンに限らず、他の様々な回転機械の軸受装置に対し、本発明を適用することが可能である。
21 タービン軸(回転軸)
21a 一端部
21f フランジ部
22 軸受台
23 遠心ポンプ
24 ハウジング
25 カバー
26 貫通孔
30 メイン軸受
31 メタル部材
32 軸受ハウジング
32a 外周面
33 軸受台座
33a 内周面
40 スラスト軸受(軸受部材)
41 軸受ホルダー
42A,42B 軸受パッド
43 孔
44A,44B メタル材
45A,45B 空間
46 排出口(流路)
47 潤滑油排出口
50A 潤滑油流路
50B,50C 潤滑油流路(潤滑油供給部)
55 潤滑油メイン流路
60 油量調整部材
61 雄ネジシャフト
61a ノズル部
61b 頭部(基端部)
62 雌ネジ部(雌ネジ部材)
64 熱電対(温度センサ)
64a 先端
65 ネジ部材
66 ナット
68 スペーサ
68a 分割子
69 固定リング
Claims (7)
- 回転軸を支持する軸受部材と、
前記回転軸と前記軸受部材との間に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、
前記潤滑油供給部における前記潤滑油の流量を調整する油量調整部材と、
前記軸受部材から離間して前記軸受部材を覆うカバーと、を備え、
前記油量調整部材は、先端部に、外径が軸線方向に沿って漸次変化するノズル部を有し、前記ノズル部が前記潤滑油の流路内に挿入されるとともに、基端部が前記カバーを貫通して該カバーの外部に突出した雄ネジシャフトと、
前記カバーに設けられ、前記雄ネジシャフトを前記流路に対し該雄ネジシャフトの軸線方向に沿って進退可能とする雌ネジ部材と、
を備えることを特徴とする軸受装置。 - 前記潤滑油の温度を検出する温度センサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
- 前記カバーに、前記雄ネジシャフトが貫通する貫通孔が形成され、
前記雌ネジ部材は、前記カバーの前記貫通孔に重ねて溶接されていることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受装置。 - 前記雄ネジシャフトにナットが装着され、前記ナットを前記雌ネジ部材に締結させることで、前記雄ネジシャフトが固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の軸受装置。
- 前記雄ネジシャフトの頭部と前記雌ネジ部材との間に、スペーサが挟み込まれていて、
前記スペーサは周方向に2分割した分割子からなり、
前記スペーサの外周部に固定リングが装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の軸受装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の軸受装置における油量調整方法であって、
前記カバーの外部に突出した前記雄ネジシャフトを回転させることによって前記流路に対して前記雄ネジシャフトを進退させ、前記ノズル部と前記流路との隙間を変化させる油量調整工程と、
前記雄ネジシャフトを前記雌ネジ部材に対して固定する工程と、
を備えることを特徴とする軸受装置における油量調整方法。 - 前記温度センサで前記潤滑油の温度を検出する温度検出工程をさらに備え、
前記油量調整工程は、検出された前記温度に基づき、前記カバーの外部に突出した前記雄ネジシャフトを回転させることによって前記流路に対して前記雄ネジシャフトを進退させ、前記ノズル部と前記流路との隙間を変化させることを特徴とする請求項6に記載の軸受装置における油量調整方法。
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