JP2014132883A - 小動物用の実験装置、小動物用実験方法 - Google Patents

小動物用の実験装置、小動物用実験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】視覚刺激、触覚刺激を用いた認知課題に柔軟に対応可能な小動物用の実験装置を提供する。
【解決手段】回し車12の回転中心に軸着された中心軸19と、回し車12に対して中心軸12方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレート14と、サイドプレート14間に設けられた連結体15とを有し、連結体15上に一のサイドプレート14aから他のサイドプレート14bにかけて少なくとも2種以上のテクスチャ15a、15bが施されたスライド回転体13と、スライド回転体13を中心軸19方向に沿ってスライドさせるスライドフレーム16と、スライドフレーム16をへ駆動可能なエアシリンダー11と、回し車12の回転数を測定するエンコーダ55とを備え、エアシリンダー11は、スライドフレーム16を駆動させ、当該スライドフレーム16を介してスライド回転体13をスライドさせてサイドプレート14を回し車12へ押圧させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばラット、モルモット、マウス等の小動物を被検動物として実験を行う小動物用の実験装置、小動物用実験方法に関し、特に頭部を固定した状態で脳機能の測定を行う上で好適な小動物用の実験装置、小動物用実験方法に関する。
従来より、ラット、モルモット、マウス等を始めとした被検動物の触覚および触覚と認知情報処理との相互作用について神経生理学的に検討することを目的とした研究が行われている。具体的には、空腹あるいは口渇時のマウスについて、正反応時に報酬として餌あるいは飲料を与えることによって2種類の触覚刺激を区別させる弁別学習を行わせ、その際の脳内神経活動を神経生理学的に測定、分析するものである。
脳内神経活動を測定するためには、マウスの身体運動に伴う頭部や脳の振動を低減することが必要とされる。この点については、例えば特許文献1において、極力マウスの身体運動を極力軽減させつつ、脳内神経活動を測定する技術が開示されている。
この特許文献1の開示技術では、頭部が固定された状態におけるラットの右前肢に対応する位置にレバーを設置する。そして、音刺激に応じてラットにレバーを操作させ、報酬としてサッカリン水を該ラットに与える訓練を行うことにより弁別学習させる。このようなラットのレバー操作の過程において、電極の針を介して神経細胞からの電気応答を測定する。これにより、ラットの頭部を固定した状態で脳内神経活動を測定することが可能となる。
しかしながら、この特許文献1の開示技術によれば、マウスの身体活動をレバー押しのみと極度に抑制している。このため、実際のマウスの移動行動等のようなある程度の身体活動が行われている状態でにおいて、十分な時間的・空間的解像度を持つ測定を行うことができないという問題点があった。また被検動物への拘束性の増大は、単なる実験技術のみならず、動物福祉の面からも望ましくはない。
このような観点から、例えば非特許文献1の開示技術も提案されている。この非特許文献1の開示技術は、Harveyらのマウス用バーチャルリアリティ(VR)実験システムである。このシステムでは、例えば図11に示すように空気流によって持ち上げて転がり抵抗を抑えた発泡スチロール性の球体71の上部に足がつくようにマウスを配置し、マウスが運動することにより球体71を動かし、この球体71の動きによってマウスの運動をリアルタイムで計測し座標化する。そして、座標化された数値データを基に、装置の外部に設置された球面ディスプレイ72に対して小型LEDプロジェクタ73から疑似景色を投影し、マウスに走行感を与える。マウスは、この擬似景色を視認して目標に向かって走行するが、これに応じて球体が動き、この球体の動き量に応じて更にその擬似景色を変化させる。
この非特許文献1の開示技術において、著者のHarveyは、実際に迷路内を走行させて行う迷路学習とVR空間内において行う仮想迷路学習が同様の神経活動を海馬で引き起こすことを明らかにしている。海馬は空間認知に主要な役割を果たす脳部位として知られており、Harveyらの結果は、開発したマウス用VR実験システム内で経験する空間知覚が実空間における空間知覚と類似したものであることを示している。このように、マウス用VR実験システムは画期的な技術であるが、より高次あるいは複雑な脳機能を研究する上では、解決すべき技術的問題がある。
即ち、このマウス用VR実験システムでは、マウスを球体上に配置することから、マウスの足は常に球面上にある。このため、球面ディスプレイ上に投影される景色が仮に床が平らな走路である場合には、実際にマウスが感じる路面と矛盾している。また、迷路学習が進むとマウスは直線的な走行反応を示すようになるが、球体上での身体運動はいわゆる“玉乗り”状態となり、走行の直進性を得ることが難しい。これらの問題は実験中のマウスに視覚的にも運動感覚的にも矛盾した感覚を生じさせている可能性がある。あたかも実空間で運動しているのと同様のデータを得るためには、VR空間と実空間をできる限り感覚的に矛盾しないように構成する必要がある。
更に、このマウス用VR実験システムでは、画面に投影される動画という視覚刺激が外界情報の中心をなしており、他の環境刺激、特に触覚刺激をマウスに与える仕組みが何ら考慮されていない。マウスは、外界認知を、視覚刺激のみならず触覚刺激に大きく依存しているため、実験装置も同様に、視覚刺激のみならず触覚刺激を用いた認知課題に柔軟に対応できるようにする必要があった。
特開2008−200007号公報
Christopher D. Harvey et. al, Intracellular dynamics of hippocampal place cells during virtual navigation. Nature 461, 941-946 (2009)
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、高次あるいは複雑な脳機能を研究する観点から、VR空間と実空間をできる限り感覚的に矛盾しないように構成しつつ、視覚刺激のみならず触覚刺激を用いた認知課題に柔軟に対応可能な小動物用の実験装置、小動物用実験方法を提供することにある。
本発明を適用した小動物用の実験装置は、上述した課題を解決するために、回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレートと、上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有し、上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームと、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動可能な駆動手段と、上記回し車の回転数を上記中心軸を介して測定する回転数測定手段とを備え、上記駆動手段は、上記回転数測定手段により測定された上記回し車の回転数が所定量に到達した場合に上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転可能とすることを特徴とする。
本発明を適用した小動物用の実験装置は、上述した課題を解決するために、回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレートと、上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有し、上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームと、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動可能な駆動手段とを備え、上記駆動手段は、実験開始から所定時間経過後に上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転可能とすることを特徴とする。
本発明を適用した小動物用実験方法は、上述した課題を解決するために、回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレート及び上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有してなるとともに上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームとを備える実験装置において被検動物を上記回し車の外周上で走行させることでこれを回転させ、上記回し車の回転数が所定量に到達した場合に、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転させて上記被検動物を上記テクスチャ上で走行させることを特徴とする。
本発明を適用した小動物用実験方法は、上述した課題を解決するために、回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレート及び上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有してなるとともに上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームとを備える実験装置において被検動物を上記回し車の外周上で走行させることでこれを回転させ、実験開始から所定時間経過後に、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転させて上記被検動物を上記テクスチャ上で走行させることを特徴とする。
本発明によれば、バーチャルリアリティ(VR)を使用した仮想迷路を使って実験を行う際において、2種類のテクスチャを順次切り換えて、被検動物に対して触覚刺激を与えることが可能となる。しかも、本発明によれば、回し車や、スライド回転体のようにローラ状に構成された回転体上を走行させる構成とされており、従来技術の如き、球体上でいわゆる“玉乗り”状態になることが無くなる。その結果、被検動物は、このような回し車や、スライド回転体上を一方向に走行することが可能となり、走行の直進性を得ることが可能となる。このため、このような仮想迷路を用いる場合においても、被検動物に対して、視覚的にも運動感覚的にもあたかも実空間で運動しているのと同様の感覚を与えることができる。
実際に本発明を適用した実験装置に被検動物を走行させる際には、例えば頭部を固定して電極を埋め込むことにより、神経細胞からの電気応答を測定することで脳内神経活動を測定することが可能となる。このとき、実際に被検動物は、視覚的にも運動感覚的にもあたかも実空間で運動しているのと同様に振舞うことが可能となることから、十分な時間的・空間的解像度を持つ測定を行うことが可能となる。
即ち、本発明によれば、VR空間と実空間をできる限り感覚的に矛盾しないように構成しつつ、視覚刺激のみならず触覚刺激を用いた認知課題に柔軟に対応可能となり、ひいては高次あるいは複雑な脳機能を研究することが可能となる。
本発明に係る実験装置が適用されるマウス用バーチャルリアリティ(VR)実験システムの全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る実験装置の正面図である。 本発明に係る実験装置の平面図である。 本発明に係る実験装置に適用されるスライド回転体の斜視図である。 本発明に係る実験装置に適用される圧着機構について説明するための図である。 マウス用VR実験システムにおける仮想迷路のイメージを示す図である。 (a)は、被検動物の回転に応じて回し車のみが回転する状態を示す図であり、(b)は、スライド回転体が回し車と一体的に中心軸を回転する例を示す図である。 スライドフレームの移動に伴いスライド回転体もこれに伴って長手方向Pへと押圧される例を示す図である。 一のテクスチャ上を被検動物に対して走行させる場合における実験前の初期設定を示す図である。 本発明を適用した実験装置の動作例について説明するための図である。 従来技術の問題点について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態として小動物を被検動物として実験を行う小動物用の実験装置について図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明に係る実験装置4が適用されるマウス用バーチャルリアリティ(VR)実験システム1の全体構成を示す斜視図である。このマウス用VR実験システム1は、実験装置4の周囲に設けられた球面スクリーン2と、この球面スクリーン2に対して映像を投影するプロジェクタ3と、実験装置4において被検動物6を観察するための顕微鏡5と、プロジェクタ3を介して表示すべき映像を生成してこれを制御するための制御装置7とを備えている。
球面スクリーン2は、曲面スクリーンの一種であり、半球状の投影面を有している。この球面スクリーン2の上部は開放されており、この開放された上部2aを介して実験装置4のセッティングや被検動物6の設置、顕微鏡5を介した被検動物6の観察等を行うことが可能となる。このような球面スクリーンに対して外部からプロジェクタ3を介して映像を投影することにより、実験装置4において設置された被検動物は当該映像を視認することが可能となる。
プロジェクタ3は、制御装置7によって生成された映像情報に基づいて、球面スクリーン2に対して映像を照射する。実際に球面スクリーン2に対して映像を照射するため、映し出される映像が歪まないようする観点から、広角レンズ(魚眼レンズ)をプロジェクタに取り付けるようにしてもよい。このプロジェクタ3は、被検動物6から見た場合に前方に対して映像を照射するプロジェクタ3aと、被検動物6から見た場合に側方に対して映像を照射するプロジェクタ3bとを有しているがこれに限定されるものではなく、プロジェクタ3bの構成を省略するようにしてもよい。
顕微鏡5は、球面スクリーン2における開放された上部2aを介して被検動物6を観察するための装置である。顕微鏡5は、図示しない撮像機能が実装されていてもよく、この撮像された画像をメモリ等に記憶させて事後的な解析に用いるようにしてもよい。
被検動物6は、ラット、モルモット、マウス等の小動物である。これら被検動物は、高次あるいは複雑な脳機能を研究する上で被検体とされる動物である。このため、被検動物6の脳内神経活動を神経生理学的に測定するために、当該被検動物6は、頭部が固定された上で、頭部に埋め込んだ電極の針を介して神経細胞からの電気応答を測定可能な状態とされる場合もある。
制御装置7は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等で構成され、プロジェクタ3を介して投影すべき映像を生成する。この制御装置7は、実験装置4に対して接続され、その実験装置4における様々な反応を受信して、それに応じて投影すべき映像を切り換える処理を行う。また、この制御装置7は、実験装置4に対する各種制御を実行する。
図2は実験装置4の正面図を、また図3はその平面図を示している。
実験装置4は、回し車12と、回し車12の回転中心に軸着された中心軸19と、回し車12を被包するように設けられたスライド回転体13と、中心軸19に沿ってこのスライド回転体13の両外側に設けられたスライドフレーム16と、スライドフレーム16を駆動するためのエアシリンダー11と、中心軸19が挿通されるサイドプレート17と、スライドフレーム16の位置を検出するための位置センサ26とを備えている。また、このスライド回転体13とスライドフレーム16の間には、圧着機構21が設けられ、中心軸19の終端には、この中心軸19の回転量を測定するためのエンコーダ55が設けられている。
回し車12は、側面視で円形とされ、中心軸19の長手方向に向けて所望の幅で構成された車体で構成されている。この回し車12における外周上には被検動物6が設置される。回し車12は、この外周上に設置された被検動物6が走行した場合に、これに応じて回転することになる。回し車12を構成する材質は、金属、樹脂、セラミック等いかなるもので構成されていてもよいが、少なくとも被検動物6が滑らずに走行可能な摩擦係数からなる表面が形成されていることが望ましい。また、回し車12は、マウスの脚力でも容易に回転させることができるように、塩化ビニル製とされていることで軽量化が図られていることが望ましい。更にこの回し車12は、外周表面上を全て薄い塩化ビニルシートで被包した円柱状の構成とし、このシートの上に更に実験目的に合わせた床材を貼り付けることで被検動物6の走路として機能させるようにしてもよい。
中心軸19は、回し車12の回転中心に対して一体的に取り付けられている。即ち、回し車12が回転した場合には、これに応じて中心軸19も軸心を中心にして回転することとなる。この中心軸19は、その両端がサイドプレート17に挿通されて架設されている。中心軸19は、その両側に位置するサイドプレート17a、17bを介して係止されることで、これに取り付けられている回し車12がちょうど床面から離間した位置に浮かせた状態で固定することが可能となる。その結果、上述した回し車12は、被検動物6の走行に応じて床面に接触することなく自由に回転させることが可能となる。なお、このサイドプレート17a、17bにおける中心軸19が挿通される貫通穴には図示しないベアリングが介装され、中心軸19の自由な回転を許容するように構成されていてもよい。
スライド回転体13は、回し車12に対して中心軸19の長手方向の両外側において当該中心軸19を遊嵌した2枚のサイドプレート14a、14bと、サイドプレート14a、14b間に設けられた連結体15とを有している。図4は、このスライド回転体13の斜視図である。
サイドプレート14a、14bは、例えばアルミ製の金属板で構成され、それぞれ側面視において円形とされているが、これに限定されるものではない。サイドプレート14a、14bには、それぞれ孔部23が穿設されており、この孔部23に中心軸19が挿通されている。ちなみに、この孔部23の径は、中心軸19の径よりも径大に構成されていることが前提であり、これによりこの中心軸19におけるサイドプレート14a、14bへの遊嵌状態が実現されることとなる。なお、この孔部23と中心軸19との間には図示しないベアリングを設けるようにしてもよいが、かかる構成においても遊嵌と同様の機能を発揮しえるものである。このため、回し車12の回転に応じて中心軸19が普通に回転する場合には、これに遊嵌されているサイドプレート14を介してスライド回転体13は、これに一体となって回転しないこととなる。
2枚のサイドプレート14a、14bを架け渡すように配設された連結体15は、複数本からなるステンレス製ジョイントで構成されていてもよいし、面板として構成されていてもよい。そして、この連結体15の表面上には、2種のテクスチャ15a、15bが施されている。このテクスチャ15a、15bと連結体15の間には、薄い塩化ビニルシートが介装されていてもよい。このテクスチャ15a、15bは、一のサイドプレート14aから他のサイドプレート14bにかけて中心軸19の長手方向に向けて順に配設されている。このテクスチャ15a、15bは、互いに異なる生地で構成されるのが前提となっている。即ち、このテクスチャ15a、15bは、被検動物6に対して触覚刺激を与えるためのものである。被検動物6は、このテクスチャ15a、15b上を走行することにより、テクスチャ15a、15bそれぞれの生地に応じた触覚を得ることが可能となる。互いに異なる触覚刺激を与えることができるため、これを利用した各種実験を行うことも可能となる。
ちなみに、このテクスチャ15a、15bが施された連結体15は、側面視でみた場合において、断面円形とされているサイドプレート14における円周の一部又は略半分、或いは円周上120°分に亘り設けられる曲面板で構成される。中心軸19にサイドプレート14a、14bが通常は遊嵌されていることから、連結体15の自重により図4に示すように連結体15が設けられている側がより下部に位置した状態で通常は静止することになる。
スライドフレーム16は、断面コ字状の形態からなる金属製の部材で構成される。このスライドフレーム16には、断面コ字を構成する互いに対向する金属片に図示しない貫通孔が穿設され、当該図示しない貫通孔に中心軸19が貫通されてなる。そして、この断面コ字を構成する互いに対向する金属片は、それぞれスライド回転体13を構成するサイドプレート14a、14bの中心軸19の長手方向に向けた両外側に位置している。このようなスライドフレーム16には、更にエアシリンダー11が取り付けられている。このエアシリンダー11の駆動に応じてスライドフレーム16が中心軸19の長手方向に向けて移動可能とされている。
エアシリンダー11は、図示しないエアコンプレッサーから送出されてきたエアに基づき伸縮作動するシリンダである。このエアシリンダー11に対してエアを送出するか否かの制御は、制御装置7による命令に基づいて実行していくことになる。即ち、制御装置7は、エアシリンダー11の駆動を制御することが可能となることから、当該エアシリンダー11を介してスライドフレーム16を中心軸19の長手方向に向けてスライドさせることが可能となる。また、スライドフレーム16を当該中心軸19の長手方向に向けてスライドさせた場合には、これに応じてスライド回転体13における何れかのサイドプレート14a、14bに当接させてこれを押圧させることができ、ひいてはスライド回転体13を中心軸19の長手方向に向けて移動させることが可能となる。
位置センサ26は、エアシリンダー11の近傍に複数個に亘り設けられており、エアシリンダー11やスライドフレーム16、更にはスライド回転体13等の位置を検出する。この位置センサ26は、例えば赤外センサ等で構成されていてもよい。位置センサ26により検出された情報は、制御装置7へと送信される。制御装置7は、位置センサ26により検出された情報に基づいてエアシリンダー11をフィードバック制御することが可能となる。これにより、エアシリンダー11やスライドフレーム16、更にはスライド回転体13等を所望の位置に移動させたい場合に、当該所望の位置に位置センサ26を設置しておき、当該位置センサ26により、これらが検出されるまでエアシリンダー11を駆動させることで位置調整を行うことが可能となる。
エンコーダ55は、中心軸19の終端に設けられ、当該中心軸19の回転量を測定する。このエンコーダ55によって測定された中心軸19の回転量のデータは、制御装置7へと送信される。
圧着機構21は、図5に示すように中心軸19が挿通される軸受41と、この軸受41の端部に設けられた押さえプレート42と、この押さえプレート42とスライドフレーム16との間に介装されている樹脂ワッシャー43と、回し車12における中心軸19の長手方向外周に設けられたゴム板44とを備えている。
軸受41は、例えばベアリング等で構成される。この軸受41に中心軸19が挿通されることにより、当該中心軸19は軸受41に対して自由に回転することが可能となる。
押さえプレート42は、中心軸19が挿通されてなる。押さえプレート42は、軸受41と樹脂ワッシャー43との間に介装されてなり、軸受41から負荷される力、又はスライドフレーム16側から軸受41側に負荷される力に対して対向するように作用する。
樹脂ワッシャー43は、例えばポリカーボネート等の樹脂から構成され、中心軸19が挿通されてなる。この樹脂ワッシャー43は、弾性材で構成されていることから、押さえプレート42と、スライドフレーム16から負荷される圧縮力を吸収する役割を担うと共に、何れか一方から衝撃力が負荷された場合にこれを吸収する役割を担う。
ゴム板44は、当接面44aを介してサイドプレート14bに当接可能な構成とされている。ゴム板44の当接面44aには、サイドプレート14bへの滑りを防止する観点から摩擦係数が大きくなるように表面粗さを増大させるようにしてもよい。このとき、細かいピッチの凹凸を当接面44aに当接させるようにしてもよいし、噛合い形状として構成するようにしてもよい。また、このゴム板44と同様の構成を回し車12に設ける代替として、サイドプレート14bにおける回し車12への当接面において設けるようにしてもよい。或いは、このゴム板44と同様の構成を回し車12に設けるとともに、サイドプレート14bにおける回し車12への当接面において設けるようにしてもよい。かかる場合には、互いに当接させるゴム板44の当接面それぞれについて噛合い形状を施すことで、互いの滑りをより一層強固に防止することが可能となる。
このような圧着機構21が、サイドプレート14b側のみならず、サイドプレート14a側にも同様に設けられている。
次に本発明を適用したマウス用VR実験システム1による実験動作について説明をする。
このマウス用VR実験システム1では、被検動物6に対して仮想的に迷路内を走行させて行う仮想迷路学習を行う。そして、このマウス用VR実験システム1は、VR空間内において行う仮想迷路学習を通じて高次あるいは複雑な脳機能を研究する上で使用される。
図6は、このマウス用VR実験システム1における仮想迷路51のイメージを示している。この仮想迷路51は途中で2方向に枝分かれした通路で構成されており、その枝分かれした通路の末端がそれぞれ箇所A、Bとされている。そして、この箇所A、Bの何れかに被検動物6用のエサ又は飲料が載置されているという想定である。この枝分かれの直前に被検動物6は、テクスチャ52上を走行することとなる。このテクスチャ52を介して被検動物6は触覚刺激を得ることとなる。この触覚刺激を通じて被検動物6に学習をさせることができる。例えばテクスチャ52aを設置した場合には、箇所Aにエサ又は飲料が載置されており、テクスチャ52bを設置した場合には箇所Bにエサが載置されているものとする。このような組み合わせでテクスチャ52とエサ又は飲料を設置し、空腹状態にある被検動物6に対して仮想迷路51上で何度も走行させる。その結果、被検動物6は、何れのテクスチャ52a、52bであった場合に何れの箇所A、Bに進めばエサ又は飲料があるかを学習していくこととなる。
次にこの学習させた被検動物6に、何れかのテクスチャ52a、52b上を走行させる。その結果、被検動物6は、何れのテクスチャ52a、52bの場合に、何れの箇所A、Bに進めばエサ又は飲料があるかを学習していることから、当該被検動物6が実際に走行したテクスチャ52に応じて自分が学習した方向に進んでいくことになる。その際に、実際に被検動物6の脳内神経活動を神経生理学的に測定、分析していく。
従来においては、実際に図6に示すような迷路を作って被検動物6の実験を行っていたが、本発明では、これらの実験をバーチャルリアリティ(VR)を使用した仮想迷路51と、実験装置4とを用いて行っていくことになる。
仮想迷路51は、上述したプロジェクタ3により、球面スクリーン2に対して映像を投影することにより作り出していく。このとき、制御装置7は、被検動物6が回し車12やスライド回転体13の外周上を走行させることによりこれらを回転させた場合に、その回転量に応じて表示すべき映像を変化させる。具体的には、迷路内を進んでいるかのように3次元的に表現した映像を変化させる。被検動物6は、この球面スクリーン2に映し出されている仮想迷路51を視認することにより、あたかも自分が視覚的に実際の迷路の中で走行している感覚を得ることができる。
また、上述した図6に示すテクスチャ52を含む経路は、実験装置4において作り出していく。ちなみに図2は、テクスチャ15a、15bのうち、テクスチャ15b上を被検動物6に対して走行させる場合における実験前の初期設定を示している。この図2を見ると分かるように、スライド回転体13におけるテクスチャ15bが中心軸19の長手方向において回し車12と重なるように予め位置調整されている。これに加えて、回し車12と、スライド回転体13におけるサイドプレート14bとの間には間隙が設けられている。この状態で、回し車12の上に被検動物6を載置し、実験を開始する。
先ず回し車12に載置された被検動物6が走行を開始する。上述したように回し車12は、中心軸19に対して軸着されており、その中心軸19は、サイドプレート17a、17bに架設されているものの自由な回転が許容されている。このため、被検動物6の走行に応じて、回し車12が回転し、これに応じて中心軸19も回転する。この状態では、図7(a)に示すように被検動物6の回転に応じて回し車12が回転するに過ぎず、スライド回転体13は、回し車12に対して離間しており、しかも中心軸19に対して離間しているに過ぎないことから、当該スライド回転体13の回転に対して一体となって回転しない。その結果、図7(a)に示すように連結体15(テクスチャ15b)は、その重みにより下側に位置して静止していることになる。
そして、この被検動物6の走行に伴い、回し車12が回転した場合には、当該回し車12の回転量(中心軸19の回転量)がエンコーダ55により測定される。そして、このエンコーダ55により測定された回転量は、制御装置7に送られる。制御装置7は、この送られてきた回転量が所定量まで到達した場合にエアシリンダー11にエアを送出する命令を出す。つまりこのエアを送出する指示を出す回転量というのが、図6でいうところのテクスチャ52の前までの直線経路に相当する。
エアシリンダー11にエアが送出された場合には、スライドフレーム16が中心軸の長手方向Pへと移動する。その結果、図8に示すように、このスライドフレーム16の移動に伴いスライド回転体13もこれに伴って長手方向Pへと押圧され、ひいてはスライド回転体13を当該長手方向Pに向けて移動させることが可能となる。そして、このスライド回転体13におけるサイドプレート14bは、回し車12へと当接され、更にスライドフレームから長手方向Pへの押圧力が作用することから、回し車12とサイドプレート14は互いに押圧力が発生した状態で当接された、いわば圧接された状態となっている。
かかる状態で被検動物6が回し車12上を走行すると、回し車12の回転に応じて、これに圧接されたスライド回転体13も、当該回し車12と一体的に回転させることが可能となる。このとき、上述したゴム板44をサイドプレート14b及び/又は回し車12の側面に貼り付けておくことにより、互いに滑りを強固に防止できる。その結果、回し車12とスライド回転体13とを互いに強固に圧着させることができ、回し車12に回転に応じてスライド回転体13が滑ることなく一体に回転させることが可能となる。
その結果、図7(b)に示すようにスライド回転体が回し車12と一体的に中心軸19を回転することにより、テクスチャ15bが施された連結体15も中心軸19を中心にして回転することになる。被検動物6に対して連結体15が徐々に近接し、更に被検動物6が走行すると、連結体15は被検動物6のところまで到達する。被検動物6は、この回し車12から連結体15に容易に移動することが可能となる。連結体15に容易に移動した被検動物6は、この連結体15の表面に施されたテクスチャ15b上を走行することにより、触覚を介してこのテクスチャ15bの生地からの刺激を受けることが可能となる。
図9は、テクスチャ15a、15bのうち、テクスチャ15a上を被検動物6に対して走行させる場合における実験前の初期設定を示している。この図9を見ると分かるように、スライド回転体13におけるテクスチャ15aが中心軸19の長手方向において回し車12と重なるように予め位置調整されている。これに加えて、回し車12と、スライド回転体13におけるサイドプレート14aとの間には間隙が設けられている。この状態で、回し車12の上に被検動物6を載置し、実験を開始する。
先ず回し車12に載置された被検動物6が走行を開始する。上述したように回し車12は、中心軸19に対して軸着されており、その中心軸19は、サイドプレート17a、17bに架設されているものの自由な回転が許容されている。このため、被検動物6の走行に応じて、回し車12が回転し、これに応じて中心軸19も回転する。この状態では、同様に図7(a)に示すように被検動物6の回転に応じて回し車12が回転するに過ぎず、スライド回転体13は、回し車12に対して離間しており、しかも中心軸19に対して離間しているに過ぎないことから、当該スライド回転体13の回転に対して一体となって回転しない。
そして、この被検動物6の走行に伴い、回し車12が回転し、所定の回転量に到達した場合には、エアシリンダー11にエアを送出する命令を出す。
エアシリンダー11にエアが送出された場合には、スライドフレーム16が中心軸の長手方向Pと反対方向へと移動する。その結果、図10に示すように、スライドフレーム16の移動に伴いスライド回転体13もこれに伴って長手方向Pと反対方向へと押圧され、ひいてはスライド回転体13を当該長手方向Pと反対方向に向けて移動させることが可能となる。そして、このスライド回転体13におけるサイドプレート14aは、回し車12へと当接され、更にスライドフレーム16から長手方向Pと反対方向への押圧力が作用することから、回し車12とサイドプレート14aは互いに押圧力が発生した状態で当接された、いわば圧接された状態となっている。
かかる状態で被検動物6が回し車12上を走行すると、回し車12の回転に応じて、これに圧接されたスライド回転体13も、当該回し車12と一体的に回転させることが可能となる。このとき、上述したゴム板44をサイドプレート14b及び/又は回し車12の側面に貼り付けておくことにより、互いに滑りを強固に防止できる。その結果、回し車12とスライド回転体13とを互いに強固に圧着させることができ、回し車12に回転に応じてスライド回転体13が滑ることなく一体に回転させることが可能となる。
その結果、図7(b)に示すようにスライド回転体13が回し車12と一体的に中心軸19を回転することにより、テクスチャ15aが施された連結体15も中心軸19を中心にして回転し、連結体15の表面に施されたテクスチャ15a上を走行することにより、触覚を介してこのテクスチャ15aの生地からの刺激を受けることが可能となる。しかも、テクスチャ15a、テクスチャ15bの切換もエアシリンダー11を制御することで容易に実現することが可能となる。
このように、本発明によれば、バーチャルリアリティ(VR)を使用した仮想迷路51を使って実験を行う際において、2種類のテクスチャ15a、15bを順次切り換えて、被検動物6に対して触覚刺激を与えることが可能となる。しかも、本発明によれば、回し車12や、スライド回転体13のようにローラ状に構成された回転体上を走行させる構成とされており、従来技術の如き、球体上でいわゆる“玉乗り”状態になることが無くなる。その結果、被検動物6は、このような回し車12や、スライド回転体13上を一方向に走行することが可能となり、走行の直進性を得ることが可能となる。このため、このような仮想迷路51を用いる場合においても、被検動物6に対して、視覚的にも運動感覚的にもあたかも実空間で運動しているのと同様の感覚を与えることができる。
実際に本発明を適用した実験装置4に被検動物6を走行させる際には、例えば頭部を固定して電極を埋め込むことにより、神経細胞からの電気応答を測定することで脳内神経活動を測定することが可能となる。このとき、実際に被検動物6は、視覚的にも運動感覚的にもあたかも実空間で運動しているのと同様に振舞うことが可能となることから、十分な時間的・空間的解像度を持つ測定を行うことが可能となる。
即ち、本発明によれば、VR空間と実空間をできる限り感覚的に矛盾しないように構成しつつ、視覚刺激のみならず触覚刺激を用いた認知課題に柔軟に対応可能となり、ひいては高次あるいは複雑な脳機能を研究することが可能となる。
なお、本発明を適用した実験装置4では、回し車12の回転量が所定量まで到達した場合にエアシリンダー11にエアを送出する制御を行い、スライドフレーム16を駆動させるものであるが、これに限定されるものではない。その代替として、実験開始から所定時間経過後にエアシリンダー11にエアを送出する制御を行い、スライドフレーム16を駆動させるものであってもよい。
また、本発明を適用した実験装置4では、上記サイドプレート14a、14bをゴム板44を介して回し車12へ押圧させる場合を例に取り説明をしたが、これに限定されるものではない。ゴム板44の構成自体を省略することにより、スライド回転体13を中心軸19の長手方向に沿ってスライドさせて何れかのサイドプレート14a、14bを回し車12へ押圧させるものであれば、よく、これによっても、回し車12の回転に応じてスライド回転体13を一体的に回転させることが可能となる。
1 実験システム
2 球面スクリーン
3 プロジェクタ
4 実験装置
5 顕微鏡
6 被検動物
7 制御装置
11 エアシリンダー
12 回し車
13 スライド回転体
14 サイドプレート
15 連結体
15a、15b テクスチャ
16 スライドフレーム
17 サイドプレート
19 中心軸
21 圧着機構
23 孔部
26 位置センサ
41 軸受
42 プレート
43 樹脂ワッシャー
44 ゴム板
51 仮想迷路
52 テクスチャ
55 エンコーダ

Claims (10)

  1. 回し車と、
    上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、
    上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレートと、上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有し、上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、
    上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームと、
    上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動可能な駆動手段と、
    上記回し車の回転数を上記中心軸を介して測定する回転数測定手段とを備え、
    上記駆動手段は、上記回転数測定手段により測定された上記回し車の回転数が所定量に到達した場合に上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転可能とすること
    を特徴とする小動物用の実験装置。
  2. 回し車と、
    上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、
    上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレートと、上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有し、上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、
    上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームと、
    上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動可能な駆動手段とを備え、
    上記駆動手段は、実験開始から所定時間経過後に上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転可能とすること
    を特徴とする小動物用の実験装置。
  3. 上記駆動手段は、上記スライド回転体における何れかのテクスチャが上記中心軸方向において上記回し車と重なるように予め位置調整されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の小動物用の実験装置。
  4. 上記サイドプレートをゴム板を介して上記回し車へ押圧させることにより滑りを防止可能とされていること
    を特徴とする請求項3記載の小動物用の実験装置。
  5. 上記回し車に対面するように設けられたスクリーンと、
    上記スクリーンに対して映像を表示する映像表示手段とを更に備え、
    上記映像表示手段は、頭部が固定された被検動物が回し車又は上記スライド回転体の外周上を走行させることによりこれらを回転させた場合に、その回転量に応じて表示すべき映像を変化させること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の小動物用の実験装置。
  6. 回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレート及び上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有してなるとともに上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームとを備える実験装置において被検動物を上記回し車の外周上で走行させることでこれを回転させ、
    上記回し車の回転数が所定量に到達した場合に、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転させて上記被検動物を上記テクスチャ上で走行させること
    を特徴とする小動物用実験方法。
  7. 回し車と、上記回し車の回転中心に軸着された中心軸と、上記回し車に対して上記中心軸方向の両外側において当該中心軸を遊嵌した2枚のサイドプレート及び上記サイドプレート間に設けられた連結体とを有してなるとともに上記連結体上に一のサイドプレートから他のサイドプレートにかけて少なくとも2種以上のテクスチャが施されたスライド回転体と、上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせるスライドフレームとを備える実験装置において被検動物を上記回し車の外周上で走行させることでこれを回転させ、
    実験開始から所定時間経過後に、上記スライドフレームを上記中心軸方向へ駆動させ、当該スライドフレームを介して上記スライド回転体を上記中心軸方向に沿ってスライドさせて上記何れかのサイドプレートを上記回し車へ押圧させることにより、上記回し車の回転に応じて上記スライド回転体を一体的に回転させて上記被検動物を上記テクスチャ上で走行させること
    を特徴とする小動物用実験方法。
  8. 上記スライド回転体における何れかのテクスチャが上記中心軸方向において上記回し車と重なるように予め位置調整すること
    を特徴とする請求項5又は6記載の小動物用実験方法。
  9. 上記何れかのサイドプレートをゴム板を介して上記回し車へ押圧させることにより滑りを防止可能としていること
    を特徴とする請求項3記載の小動物用実験方法。
  10. 頭部が固定された被検動物が回し車又は上記スライド回転体の外周上を走行させることによりこれらを回転させた場合に、その回転量に応じて回し車に対面するように設けられたスクリーンへ表示する映像を切り換えること
    を特徴とする請求項5〜7のうち何れか1項記載の小動物用実験方法。
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