JP2014131975A - 親水性室温イオン液体とその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温で液状であり、親水性、特に水溶性である新規なイオン液体とその用途を提供する。
【解決手段】カチオン及びアニオンを含む親水性室温イオン性液体であって、該カチオンが下記式(I)の第4級アンモニウムカチオンで、該アニオンがカルボン酸アニオンであることを特徴とする親水性室温イオン液体。
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、イオン液体に関するものであり、さらに詳しくは、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性を持つイオン液体とその用途に関するものである。
従来、イオン液体としては、例えば、カチオンとしてイミダゾリウム系カチオンや第4級アンモニウムカチオンと、各種アニオンとから構成されたイオン液体が知られており、近年では電子顕微鏡の可視化剤、反応溶媒等への応用も検討が進んでいる(特許文献1〜3、非特許文献1)。
このような各種の応用に際して、イオン液体はその基本的な特性として融点が低いこと、例えば室温で液状であることが望ましい場合が多い。
広義には、100℃以下の融点を持つ有機塩がイオン液体と呼ばれているが、特に室温(25℃)でも液状で存在しているものは室温イオン液体と呼ばれている。室温イオン液体は、元来イオン液体に求められている流動性を室温付近でも有することから、様々な用途への優位な展開が期待される。
例えば、電子顕微鏡の可視化剤、反応溶媒、タンパク質溶解溶媒、核酸溶解溶媒、酵素溶解溶媒、ペプチド溶解溶媒、セルロース等の難溶性多糖類の溶解溶媒、タンパク質リフォールディング剤、電解質材料、帯電防止剤、潤滑油等の用途では、その使用環境において流動性(液状)であることが望ましく、できる限りの低融点化が求められている。しかしながら、イオン液体の液性の発現の機構が明確に解明されていないため、種々、有機塩を合成しても室温で液状のものが得られる場合は少ない。
またイオン液体の不揮発性、不燃性から起因する安全性、リサイクル性から、低環境負荷型の熱媒体への利用も期待されるが、室温で液体であり、高温から低温までの広範囲で蓄熱性が高く、高温下でも不揮発性で耐熱性に優れ、冷却系熱媒体としての使用時には凝固点が低く低温でも流動性を示すことが望まれる。
このような室温イオン液体の中でも、水溶性を有するイオン液体は、上記のような応用の可能性を高めるものとして期待されている。
例えば、電子顕微鏡の可視化剤としてイオン液体を用いて生体材料を観察する場合、生体試料の像を高精度に得るためには、生体試料との親和性を高めるために高水溶性のイオン液体が必要となる。また、反応溶媒等の各種の用途においても、水溶性のプロトン性極性溶媒として、従来のものとは異なる溶媒効果や特性を有する新規なイオン液体が望まれている。
また、イオン液体を加熱条件下で使用する場合、熱安定性が求められる。例えば、有機溶剤を沸点で分類する場合、100℃未満の低沸点溶剤、100℃以上150℃未満の中沸点溶剤、150℃以上の高沸点溶剤に分類されるが、イオン液体の特性を十分活かして高沸点溶剤として使用する場合、熱分解温度は150℃以上であることが必要になる。また潤滑油は、JIS 2514(酸化安定度試験)では150℃の条件下で試験が行われるため、この場合も熱分解温度は150℃以上であることが必要になる。これらの溶剤や潤滑油の他、熱媒体、セルロース等の難溶性多糖類の溶解溶媒等にも熱安定性が求められる場合が多い。
さらに、化学物質は一般に、使用期間中はその性能を維持するが、使用後には環境中に排出される化学物質も少なくない。そのため、地中、水中等の自然環境下において、微生物の酵素反応等によって二酸化炭素、水、バイオマス等に分解されることで環境に負荷を与えないといった適性を備えていることが望ましく、特に近年では環境保護の観点からその重要性は高まっている。こうした現状において、イオン液体には易生分解性も望まれている。
本発明者らは、以上のような要求に適したものとして、第4級アンモニウムカチオンに水溶性官能基を導入し、低融点でかつ水溶性を高めた親水性イオン液体を開発した(特許文献4)。具体的には、アルキル基及び水酸基等の水溶性官能基を有する第4級アンモニウムカチオンと、各種アニオンとから構成される親水性イオン液体である。
また、コリン又はコリン誘導体からなる脂肪族4級アンモニウムカチオンと、カルボン酸アニオンとから構成される90℃以下で液状のイオン液体(特許文献5)、カチオンは荷電した窒素原子を含む1級、2級又は3級のアンモニウムイオンと、各種アニオンとから構成される種々のイオン性液体(特許文献6)が開示されている。
再表2007−083756号公報 特開2004−509945号公報 特開2007−126624号公報 特開2012−031137号公報 特開2008−162899号公報 特表2007−532525号公報
J. Phys. Chem. B 2007, 111, 4807-4811
しかしながら、特許文献4のイオン液体は、その合成に少なくとも2段階の工程(第4級アンモニウムへのアルキル基を導入する工程、イオン交換する工程)を要するが、製造工程のさらなる簡素化等に改良の余地があり、水と相関が強く高親水性を発揮し、また、生体物質をはじめとする水素結合性の有機、無機材料との相関において、カチオン構造等にはさらに改良の余地があった。
また、特許文献4〜6に開示された種々の第4級アンモニウムカチオンを用いたイオン液体は、比較的類似する分子構造同士であっても、融点が低く、室温で液状のものが得られるかどうかの予測は難しく、また室温で液状のものが得られる場合は少ない。さらに水溶性、熱安定性、生分解性のいずれの特性を十分に有するものが得られるかどうかの予測は難しかった。
すなわち、上記特許文献等の従来技術には、種々の第4級アンモニウムカチオンを用いたイオン液体が開示されているが、これまでの第4級アンモニウムカチオンを用いたイオン液体の構造設計において、官能基や特性基の選択による融点、水溶性、熱安定性、生分解性への影響、溶解、分散が難しい水素結合受容性、電子受容性をもつ酵素、ペプチド、タンパク質、核酸やセルロースのような難溶性多糖類等の生体材料、金属、金属塩化物、金属水酸化物、金属酸化物等無機化合物、有機化合物等の水素結合性材料の分散、溶解溶媒等への用途と親水性との相関に関する十分な知見がなかった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性である新規なイオン液体を提供することを課題としている。
また、本発明は、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性であり、かつ製造工程を簡素化することができる新規なイオン液体を提供することを課題としている。
また、本発明は、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性であり、かつ熱安定性、生分解性等も併せ持つ新規なイオン液体を提供することを課題としている。
また、本発明は、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性であり、かつアミノ酸で構成される酵素、ペプチド、タンパク質や核酸等の生体材料、無機化合物、有機化合物等の水素結合性材料を溶解又は分散することができる溶媒を提供することを課題としている。
また、本発明は、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性であり、緩衝液等に添加することで、可溶化した変性タンパク質のリフォールディング溶液として使用できるタンパク質リフォールディング剤を提供することを課題としている。
また、本発明は、高温から低温までの広範囲で蓄熱性が高く、高温下でも不揮発性で耐熱性に優れ、室温で液状であり、冷却系熱媒体としての使用時には凝固点が低く低温でも流動性を示し、さらに環境への負荷も低減することができる熱媒体を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオン及びアニオンを含む親水性室温イオン性液体であって、該カチオンが下記式(I)の第4級アンモニウムカチオンで、該アニオンがカルボン酸アニオンであることを特徴としている。
(式中、Rは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒は、前記の親水性室温イオン液体を含む。
本発明のタンパク質溶解溶媒は、前記の親水性室温イオン液体を含む。
本発明の核酸溶解溶媒は、前記の親水性室温イオン液体を含む。
本発明のタンパク質リフォールディング剤は、前記の親水性室温イオン液体を含む。
本発明の熱媒体は、前記の親水性室温イオン液体を含む。
本発明によれば、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性である新規なイオン液体が提供される。特に、製造工程を簡素化することができる新規なイオン液体、及び熱安定性、生分解性等も併せ持ち、水素結合性の材料に対して、高溶解性、高分散性を示し、タンパク質リフォールディング剤、熱媒体としても優れた特性を発揮する新規なイオン液体が提供される。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において親水性室温イオン液体の「室温」とは、25℃を意味し、「室温イオン液体」とは、25℃で液状であることを意味し、不揮発性、熱伝導性等の通常のイオン液体が有する特性を持つ。ここで、イオン液体が液状であるとは、流動性を有する状態を意味し、例えばゲルのような流動性のないものは含まれない。
本発明の親水性室温イオン液体は、カチオン及びアニオンを含む親水性室温イオン液体であって、該カチオンが式(I)の第4級アンモニウムカチオンで、該アニオンがカルボン酸アニオンである。式(I)において、Rは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、1〜3が好ましい。nは1〜3の整数を示す。
第4級アンモニウムカチオンとしては、具体的には例えば、モノメタノールアンモニウムカチオン、モノエタノールアンモニウムカチオン、モノプロパノールアンモニウムカチオン、モノイソプロパノールアンモニウムカチオン、モノブタノールアンモニウムカチオン、モノペンタノールアンモニウムカチオン、ジメタノールアンモニウムカチオン、ジエタノールアンモニウムカチオン、ジプロパノールアンモニウムカチオン、ジイソプロパノールアンモニウムカチオン、ジブタノールアンモニウムカチオン、ジペンタノールアンモニウムカチオン、トリメタノールアンモニウムカチオン、トリエタノールアンモニウムカチオン、トリプロパノールアンモニウムカチオン、トリイソプロパノールアンモニウムカチオン、トリブタノールアンモニウムカチオン、トリペンタノールアンモニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、価格や法規制等の原料供給の点から、ジアルカノールアンモニウムカチオンが好ましく、特にジエタノールアンモニウムカチオンが好ましい。製造、使用時において毒性の懸念されるジアルカノールアンモニウムカチオンより、その虞れが少ないモノアルカノールアンモニウムカチオン、トリアルカノールアンモニウムカチオンが好ましい。イオン液体の分解温度が高く、熱安定性が向上する傾向からは、ジアルカノールアンモニウムカチオン、トリアルカノールアンモニウムカチオンが好ましく、特にトリエタノールアンモニウムカチオンが好ましい。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、飽和脂環式モノカルボン酸アニオン、芳香族モノカルボン酸アニオン、飽和ヒドロキシモノカルボン酸アニオン、飽和カルボニルモノカルボン酸アニオン、アルキルエーテルカルボン酸アニオン、ハロゲンカルボン酸アニオン、ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸アニオン、飽和ジカルボン酸アニオン、飽和ヒドロキシジ又はトリカルボン酸アニオン等が挙げられる。
飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンは、炭素数1〜22が好ましい。
中でも、HCOO-及びCH3(CH2)pCOO-(pは0〜8の整数を示す。)から選ばれるいずれかの飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、分岐鎖を有する飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、イソ酪酸、2-メチル酪酸、イソ吉草酸、2-エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンは、炭素数3〜22が好ましい。
中でも、R1CH=CH(CH2)rCOO-(R1は水素原子又はCH3(CH2)q-(qは0〜7の整数を示す。)
を示し、rは0〜7の整数を示す。)で表わされる不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
飽和脂環式モノカルボン酸アニオンは、炭素数6〜20が好ましい。
中でも、シクロヘキサン環骨格を有する飽和脂環式モノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、シクロヘキサンカルボン酸からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
芳香族モノカルボン酸アニオンは、炭素数6〜20が好ましい。
中でも、フェニル環骨格を有する芳香族モノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、安息香酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
飽和ヒドロキシモノカルボン酸アニオンは、炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜7がより好ましい。水酸基の個数は1〜4が好ましい。
中でも、(R2)3C(C(R3)2)sCOO-(sは1〜3の整数を示し、3個のR2及び2×s個のR3はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示し、水酸基の合計数は1〜2である。)で表わされる飽和ヒドロキシモノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、グリコール酸、乳酸(D体、L体)、12-ヒドロキシステアリン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。また、シクロヘキサン環骨格を有する飽和脂環式ヒドロキシモノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、キナ酸(1,3,4,5-テトラヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸)からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
飽和カルボニルモノカルボン酸アニオンは、炭素数3〜22が好ましく、炭素数3〜5がより好ましい。カルボニル基の個数は1〜2が好ましい。
中でも、CH3((CH2)tCO(CH2)u)COO-(t及びuは0〜2の整数を示す。)で表わされる飽和カルボニルモノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、ピルビン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
アルキルエーテルカルボン酸アニオンは、炭素数2〜22が好ましく、炭素数3〜10がより好ましい。エーテル結合の個数は1〜2が好ましい。
中でも、CH3(CH2)vO(CH2)wCOO-(v及びwは1〜4の整数を示す。)で表わされるアルキルエーテルカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、メトキシ酪酸、エトキシ酪酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
ハロゲンカルボン酸アニオンは、炭素数2〜22が好ましい。具体的には、例えば、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸等のフッ素置換のハロゲンカルボン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸アニオンは、炭素数6〜20が好ましい。水酸基の個数は1〜2が好ましい。
中でも、フェニル環骨格を有するもの、特に、フェニル基にカルボン酸アニオンと水酸基が直接結合した構造や、フェニル基にヒドロキシメチレン基を介してカルボン酸アニオンが結合した構造の芳香族モノカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、マンデル酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
飽和ジカルボン酸アニオンは、炭素数2〜22が好ましい。
中でも、HOOC(CH2)xCOO-(xは1〜4の整数を示す。)で表わされる飽和ジカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
飽和ヒドロキシジ又はトリカルボン酸アニオンは、炭素数4〜22が好ましい。水酸基の個数は1〜3が好ましい。
中でも、HOOCC(R4R5)C(R6R7)C(R8R9)COO-(R4〜R9はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、又はカルボキシル基を示し、水酸基は合計1〜2個、カルボキシル基は合計0〜1個である。)で表わされる飽和ヒドロキシジ又はトリカルボン酸アニオンが好ましい。具体的には、例えば、リンゴ酸(D体、L体)、酒石酸(D体、L体)、クエン酸等からプロトンが解離したアニオンが挙げられる。
イオン液体の液性が高い傾向の点から、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、炭素数4〜18の分岐鎖を有する飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、炭素数3〜18の不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、シクロヘキサン環骨格を有する飽和脂環式モノカルボン酸アニオン、炭素数3〜10のアルキルエーテルカルボン酸アニオンがより好ましい。
このように本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンの官能基や特性基及びカルボン酸アニオンの選択により、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性を有し、さらに熱安定性、生分解性等にも優れる。
本発明の親水性室温イオン液体は、例えば、次のようにして合成することができる。
モノ、ジ、又はトリアルカノールアミンと、カルボン酸とを水中で反応させる。反応温度と反応時間は原料の種類等にもよるが、例えば、室温下、1時間〜1日程度で行うことができる。
その後、水を減圧留去し、精製することにより、目的の親水性室温イオン液体を液状物として得ることができる。また等モルで反応させ、反応が完結した場合は精製工程も必要がなく、さらに製造工程が簡素化できる。
このように、特許文献4のような第4級アンモニウムへのアルキル基を導入する工程、イオン交換する工程を要せず、一般的な工業品として安価なエタノールアミン等のアルカノールアミンとカルボン酸とのワンステップでの反応のみで合成することができ、製造工程が大幅に簡素化される。
さらにカルボン酸アニオンは、スルホン酸アニオン、スルフィン酸アニオン、スルフェン酸アニオン、ホスホン酸アニオン、リン酸アニオン、ハロゲンアニオン、ハロゲン化無機アニオン等のように、イオウ、リン等の原子、無機ハロゲン化物を含まず、製造時の安全性が高く、親水性室温イオン液体自身の自然界における環境汚染リスクも低減できる。因みに、一般的に長鎖モノ飽和脂肪酸、長鎖不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、脂肪族アミンの塩が通常固体となるのに対し、本発明の親水性室温イオン液体はモノ、ジ、又はトリアルカノールアミンと反応することで室温液性を呈している。
本発明の親水性室温イオン液体は、室温液状で、好ましくは融点が0℃以下、より好ましくは−5℃未満である。本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンにアニオン性で電子供与基である水酸基の存在により、第4級アンモニウムカチオン全体のカチオン性が弱くなる。他方アニオンはカルボン酸アニオンであることにより、アニオンのpKaはハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン、ホスホン酸アニオン等の一般的なアニオンよりも大きく酸性が弱い傾向にある。したがってアニオンとカチオンとの相互作用が弱まり結晶性が低下し、結果として液性となりやすい傾向が高まり、低融点のイオン液体が得られると考えられる。さらに、カルボン酸アニオンの中でも、アルキル鎖が短鎖であったり、分岐鎖、不飽和結合、エーテル結合、脂環式あるいは水酸基を有する構造であると対称性が低くなり、イオン液体の分子間で隣接するアニオンのアルキル鎖同士のパッキングが弱く、液性となりやすい傾向が高まり、より低融点のイオン液体が得られる、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、炭素数4〜18の分岐鎖を有する飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、炭素数3〜18の不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオン、シクロヘキサン環骨格を有する飽和脂環式モノカルボン酸アニオン、炭素数3〜10の飽和モノカルボン酸アニオン、炭素数3〜10のアルキルエーテルカルボン酸アニオン、飽和ヒドロキシモノ、ジ、又はトリカルボン酸アニオンが好ましい。
本発明の親水性室温イオン液体は、室温(25℃)での水への溶解度が、1000g/100g water以上である。本発明の親水性室温イオン液体は、アンモニウムカチオンに疎水性のアルキル基がなく、水分子と水素結合が可能な水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンと、カルボン酸アニオンとから構成されるため、親水性は高くなる傾向にあると考えられる。
本発明の親水性室温イオン液体は、熱分解温度が好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。本発明の親水性室温イオン液体は第4級アンモニウムカチオンにアルキル基がなく、窒素原子に結合するのは水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンとカルボン酸アニオンとから構成されるため、水が存在しない環境下では、イオン液体の分子間で、イオン液体中の水素原子、ヒドロキシ基さらにはカルボン酸アニオンのカルボキシル基の酸素原子が、水素結合を密に形成し安定化する傾向があることから、熱分解温度が向上する傾向にあると考えられる。第4級アンモニウムカチオンとしては、ジエタノールアンモニウムカチオン及びトリエタノールアンモニウムカチオンが好ましく、特にトリエタノールアンモニウムカチオンが好ましい。
本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンはアルキル基がなく、窒素原子に結合するのは水素原子とヒドロキシアルキル基のみであることにより、生分解速度が速く環境負荷の低減を図ることができ、環境適性に優れている。例えば、OECD(経済協力開発機構)テストガイドライン301C法に準拠した生分解性試験による28日間のBOD分解度を60%以上とすることができる。OECDテストガイドライン301のうち、OECDテストガイドライン301C法は、28日間の生化学的酸素要求量(BOD)から求めた分解度が60%以上を満たす化学物質は易分解性物質であり、実際の好気的な水環境では速やかに分解されるため、環境中に残留することがなく、環境に対する影響を低減することができる。
すなわち、化学物質は、使用中は安定であるが、使用後は環境中に排出される場合も少なくないため、環境負荷が小さいことが望まれる。例えば、環境に対して開放の条件で使用する場合は、生分解性が高く、環境負荷が小さいほうが望ましい。そして近年では、産業廃棄物に代表される環境問題が深刻になり、廃棄物を削減することが企業の重要な責務となっている。この点において、生分解性の高い化学物質は、廃棄後は焼却処分等をしなくても微生物によって分解されるため廃棄物削減につながる。現在、プラスチックや潤滑油分野においても生分解性が着目され新たな材料開発が行われている。以上のような背景において、本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオン、アニオンに対応させるべく用いるアミン原料、カルボン酸の生分解性を把握し、イオン液体としての生分解性を予測して構造設計することができ、結果として生分解性の高いイオン液体が得られるとともに環境負荷低減に貢献するものである。
さらに本発明の親水性室温イオン液体は、不揮発性、熱伝導性、不燃性、導電性等の通常のイオン液体が有する特性も併せ持ち、不揮発性、不燃性から起因する安全性、リサイクル性等に優れることからも環境負荷低減に貢献するものである。
本発明の親水性室温イオン液体は、不揮発性、不燃性から起因する安全性、リサイクル性等に優れた低環境負荷型で、室温で液状であり、親水性、特に高水溶性であり、熱安定性、生分解性にも優れ、これらの特性を活かして、反応溶媒、酵素、ペプチド、タンパク質、核酸やセルロース等の難溶性多糖類等の生体材料、金属酸化物をはじめとする水素結合性の無機化合物、有機化合物等の材料に対する分散又は溶解溶媒、タンパク質リフォールディング剤、電解質材料、帯電防止剤、潤滑油、熱媒体、溶剤、医薬品、香粧品等の用途で使用することができ、親水性であることから水系溶媒と混合して使用することもできる。
イオン液体の不揮発性、不燃性から起因する安全性、リサイクル性から、低環境負荷型の反応溶媒、潤滑油、熱媒体等への利用が期待されるが、対象とする系によっては0℃以下の低温から150℃以上の高温と広範囲の温度領域で利用され、低温液状性、熱安定性が要求されることから、本発明の親水性室温イオン液体の使用は好適である。
本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンにアルキル基が無く、水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンから構成され、アミノ酸で構成される酵素、ペプチド、タンパク質、核酸やセルロース等の難溶性多糖類との水素結合の形成により親和性が高く、生体材料を取り扱う用途に適しており、酵素溶解溶媒、ペプチド溶解溶媒、タンパク質溶解溶媒、核酸溶解溶媒、セルロース等の難溶性多糖類に対する溶解溶媒、タンパク質リフォールディング剤としても使用することもできる。また、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンにアルキル基が無く水素結合を形成しやすいため、例えば、金属塩化物、金属水酸化物等のように通常の溶媒やイオン液体には溶解しにくいような無機化合物の溶解性を高めることができ、これにより反応性を高めることができる。
本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンの構造的特徴を活かして、水素結合供与性、電子供与性及び配位性により、生体材料、無機化合物、有機化合物等の材料の溶解性、分散性を高めたり、反応性を高めることができる。すなわち、電子供与性、水素結合受容性材料をはじめとする水素結合性材料に対する溶解性、分散性は、カチオンの水素結合供与性の水酸基と水素結合受容性材料との水素結合による相互作用によって発現する。更に、水素と電気陰性度が高い酸素が共有結合した水酸基をアニオンに導入すると、更に、その効果は高くなる。つまり、アニオンもしくはカチオンの一方しか水素と電気陰性度が高い酸素が共有結合した水酸基がない場合には、イオン液体1分子は2分子のタンパク質やセルロース等の生体高分子間では1分子の生体高分子内のカルボニル基やエーテル基と水素結合が可能だが、もう一方の分子とは水素結合が難しい。しかしながら、カチオン及びアニオンの双方に、それらの官能基を有すると、2分子の生体高分子とアニオン、カチオンの双方で、安定した構造で水素結合が可能となり、生体高分子のマトリックスに入り込みやすい。
さらに、本発明の親水性室温イオン液体のカルボン酸アニオン中のカルボニル基は、例えば、アミノ酸で構成される酵素、ペプチド、タンパク質、核酸やセルロース等の難溶性多糖類等、水素供与性のアミノ基や水酸基を持つ材料を溶解、分散させる場合、それらの材料の水素結合供与性官能基とアニオンの水素結合受容性のカルボニル基と水素結合を形成し、難溶性材料に対する溶解性、分散性を高めることもできる。すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、水素結合供与、水素結合受容性を合わせ持つ。
イオン液体の水素結合受容性材料に対する溶解性、分散性は、イオン液体と水素結合受容性材料との間の水素結合が重要であり、その水素結合による相互作用の度合いを判断する一つの指標として、イオン液体と水分子との間の水素結合が起因するイオン液体の水に対する溶解度で間接的に判断できる。つまり、本発明の親水性室温イオン液体の水素結合性材料に対する非常に高い溶解性、分散性は、それらの高い水溶性からも示唆される。
本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンに疎水性のアルキル基のみで構成される置換基がなく、水分子と水素結合が可能な水素原子、ヒドロキシアルキル基のみのカチオンであり、水素結合性の材料、特に電気陰性度が大きい窒素、酸素、ハロゲン等の第15、16、17族元素を含む水素結合受容性の官能基(例えば、カルボニル基やエーテル基)を持つ材料には高い親和性を有するので、例えば水素結合性の生体材料の保存溶媒、溶解溶媒等への用途に有用となる。
本発明の親水性室温イオン液体は、例えば、カルボニル基やエーテル基を持つ酵素、ペプチド、タンパク質、核酸やセルロース等の難溶性多糖類等の生体材料の水素結合受容性官能基との間に水素結合を形成し、生体材料の複雑に絡み合った構造中にイオン液体が入り込み、生体分子構造を解きほぐすことができるため、高溶解性の溶媒、タンパク質リフォールディング剤として有用である。
本発明の親水性室温イオン液体は、室温下でもタンパク質を変性することなく、長期保存ができるが、一般的には、タンパク質を溶解した保存液は、低温下での保存が望ましく、0℃以下でも安定して液性を保持することが望まれており、本発明の親水性室温イオン液体は−5℃未満の融点であるため有用である。
本発明の親水性室温イオン液体は、通常の溶媒やイオン液体には溶解、分散が難しい水素結合受容性、電子受容性をもつ金属、金属塩化物、金属水酸化物、金属酸化物等無機化合物や有機化合物に対しても、イオン液体が持つ水素結合供与性、電子供与性及び配位性により、溶解、分散に効果があることから、光学材料、電子材料、触媒の溶媒、分散剤、反応溶媒等の用途で使用することができる。
本発明の親水性室温イオン液体は、一般的な有機反応溶媒以外に、例えば、その水素結合供与性から酵素に対して親和性が良く、酵素の再使用が可能な酵素反応溶媒として用いることができる。また、第4級アンモニウムカチオンのヒドロキシアルキル基中の水酸基による水素結合ドナー型触媒の機能を合わせ持つ有機反応溶媒として利用できる。
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒は、本発明の親水性室温イオン液体を含み、溶媒として使用する際には、本発明の親水性室温イオン液体を単独で使用してもよく、これを水や極性溶媒等の他の溶媒成分と混合して使用し、あるいは添加剤を加えて使用することもできる。
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒の対象となる水素結合性材料としては、水素結合受容性の元素又は官能基を含む材料、特に、生体材料や、有機又は無機化合物の材料等が挙げられる。
生体材料としては、例えば、酵素、ペプチド、タンパク質、核酸、セルロース等の難溶性多糖類等が挙げられる。
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒のうち、生体材料としてタンパク質を使用したタンパク質溶解溶媒では、溶解対象となるタンパク質としては特に限定されないが、例えば溶液物性の面からは、カルボキシル基を持ったアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸等)を多く含む酸性タンパク質、アミノ基を持ったアミノ酸(リシン、アルギン、ヒスチジン等)を多く含むアルカリ性タンパク質、そのバランスのとれた中性タンパク質が挙げられる。
その構成要素からは、アミノ酸のみから構成されている単純タンパク質、アミノ酸以外の成分も含まれて構成されている複合タンパク質が挙げられる。単純タンパク質には、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ケラチン、プロタミン、ヒストン等があり複合タンパク質には、糖タンパク質(黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アビジン、カドヘリン、プロテオグリカン、ムチン等)、リポタンパク質(カイロミクロン、LDL、HDL等)、核タンパク質(ヒストンのタンパク質群やテロメラーゼ、プロタミン等)、色素タンパク質(クロロフィル等)、金属タンパク質(ヘモグロビン、シトクロムC等)、リンタンパク質(牛乳中のカゼイン、卵黄中のビテリン等)等がある。全ての酵素もこれらいずれかのタンパク質である。
また、その分子の形状からは、繊維状タンパク質、(ケラチン、コラーゲン等)と球状タンパク質(ヘモグロビン等)、その働きからは、酵素タンパク質(酵素)、構造タンパク質(コラーゲン、ケラチン等)、輸送タンパク質(ヘモグロビン、アルブミン、アポリポタンパク質等)、貯蔵タンパク質(卵白中のオボアルブミン、フェリチン、ヘモシデリン等)、収縮タンパク質(アクチン、ミオシン等)、防御タンパク質(グロブリン等)、調節タンパク質(カルモジュリン等)に分けられる。
分子および分子間構造から一次構造(アミノ酸の配列)、二次構造(α-ヘリックスやβ-構造、ランダムコイル)、三次構造(特定の空間的配置)、四次構造(ヘモグロビン、DNAポリメラーゼ、イオンチャンネル等)を持つものが挙げられる。
タンパク質の分子量は、特に限定されないが、4000〜300000のものが考慮される。
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒のうち、生体材料として核酸を使用した核酸溶解溶媒では、溶解対象となる核酸として、DNA、RNA等が挙げられる。これらの核酸は、水中ではその分解酵素によって容易に加水分解を受けることが知られており、溶媒に水を使用する場合にはこれらの保存に際して分解酵素を除去した水中に溶存させる必要があるが、本発明の核酸溶解溶媒を核酸の保存に使用し、核酸含有溶液とした状態で保存することで、核酸分解酵素が失活する環境下で核酸を保存することができ、また不揮発性で熱安定性も高いことから、簡便に核酸の長期安定保存が可能となる。そして核酸溶解溶媒を核酸の反応に使用し、例えばこの溶媒中で核酸の化学修飾反応等を行うことで、従来の溶媒である水中では取り扱うことのできなかった試薬を用いた反応や、水中では進行し難い反応を、広い温度範囲で行うことができる。
本発明の水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒において、溶解又は分散の対象となる有機又は無機化合物の材料としては、分子やイオン等として本発明の親水性室温イオン液体中に溶解するものや、微粒子として本発明の親水性室温イオン液体中に分散するもの等が挙げられる。例えば、分子や官能基の構成元素として水素結合受容性の第15、16、17族元素を有する化合物又は微粒子、これらの元素を含む官能基で表面修飾された微粒子等が挙げられる。微粒子は、その粒径は特に限定されないが、例えば、粒径1nm〜100μmのものが挙げられる。
本発明のタンパク質リフォールディング剤は、本発明の親水性室温イオン液体単独または、本発明の親水性室温イオン液体を例えば、水、緩衝液、及びこれらと極性溶媒と必要に応じて変性剤や還元剤等の添加剤との混合物等に添加してリフォールディング溶液として使用される。
タンパク質リフォールディングとは、不溶化したか又は高次構造を失ったタンパク質から、天然状態(活性化した状態)の高次構造のタンパク質に回復させることである。例えば、上記の本発明の親水性室温イオン液体を含むリフォールディング溶液に直接、不溶化したか又は高次構造を失ったタンパク質を必要に応じて変性剤を添加して可溶化、リフォールディングする。または、不溶化したか又は高次構造を失ったタンパク質を必要に応じて変性剤を添加して、一般的なタンパク可溶化剤によって可溶化し、その可溶化液を、上記の本発明の親水性室温イオン液体を含むリフォールディング溶液に溶解させてタンパク質に高次構造を回復させることにより、活性なタンパク質を得る。
リフォールディングにおいて、例えば、界面活性剤を利用する方法では、界面活性剤の作用が強すぎればタンパク質の立体構造を壊し、弱いとタンパク質を十分可溶化できないとともに、界面活性剤とタンパク質の相性も問題になるので、複数の界面活性剤を使用してスクリーニングをする必要がある。また界面活性剤をタンパク質から脱離するのは簡単ではない。一方、本発明の親水性室温イオン液体は、各種のタンパク質に対して溶解性が高く、タンパク質の構造への影響がなく長期安定性も良好であり、簡便なタンパク質の可溶化、保存溶媒としても有用である。
変性剤を使用しないと溶解しない封入体やミスフォールドしたタンパク質の可溶化工程、リフォールディング工程における諸条件は、例えば特表2011−500517号公報が参照される。
つまり、可溶化工程では、グアニジン塩酸塩などの変性剤および必要に応じて還元剤を含有する緩衝液を使用することによって可溶化する。その後のリフォールディング工程では、本発明のタンパク質リフォールディング剤を含有するリフォールディング溶液に、変性させたタンパク質可溶化液を希釈、透析等によって接触させることで、変性剤の効果を低下させてリフォールディングさせ、その生物学的活性を示す天然の状態に再生する。
本発明の親水性室温イオン液体は、電子ビーム照射による加熱条件下で使用される電子顕微鏡の可視化剤として用いる場合、その導電性により試料観察面の帯電を簡易な手段で防止することができる。さらに、高水溶性で比較的分子サイズが小さく、かつ柔軟な分子構造を持つことから、生体試料中の水と良好に置換することにより、生体試料に適用した際に浸透性が高く、生体試料のバルク形状及び微細構造の収縮等の変形が抑制され、高精度での観察が可能となる。
本発明の親水性室温イオン液体は、その不揮発性、不燃性から起因する安全性、リサイクル性から、低環境負荷型の反応溶媒、潤滑油、熱媒体等への利用が期待されるが、対象とする系、例えば、特に熱媒体である不凍液、潤滑油は、0℃以下の氷点下の低温から150℃以上の高温へと広範囲の温度領域で利用され、低温液状性、熱安定性が要求されることから有用である。
本発明の熱媒体は、本発明の親水性室温イオン液体を含み、使用条件により必要に応じて水、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トルエン、植物性油、動物性油、鉱物性油等と混合して使用することができる。
従来、内燃機関や燃料電池等の冷却系には、冷却液や不凍液等の熱媒体の基剤としてグリコール類等が使用され、また路面等の凍結防止や融雪のために熱媒体と雪氷粒子が直接接触して熱交換する直接散水融雪技術には、熱媒体の基剤として水、エチレングリコール、塩化物、酢酸塩等が使用されているが、本発明の熱媒体によれば、高温下でも不揮発性で耐熱性に優れ、室温で液状であり、冷却系熱媒体としての使用時には凝固点が低く低温でも流動性を示し、さらに環境への負荷も低減することができる。特に、本発明の熱媒体によれば、−50℃の低温から100℃付近の高温までの広い温度範囲において前記したような従来の熱媒体に使用される基剤に比べて高い比熱容量を示し、高い蓄熱性を示す。すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンには水素原子やヒドロキシアルキル基、アニオンには水酸基やエーテル基等の水素結合性官能基を有しているため、分子内及び分子間において水素結合を形成して分子間及び分子内の相互作用が強いため、比熱容量は大きくなり、従来の化合物に比べて高い蓄熱性を示し、熱媒体として好適である。本発明の熱媒体は、装置を加熱又は冷却して目的の温度に制御するために、外部熱源と装置との間での熱を移動させる流体として幅広い目的に使用できる。本発明の熱媒体は、例えば、内燃機関、燃料電池、ヒートパイプ、モーター等の高温で使用される装置、機器等の冷却液や不凍液の基剤として、また、道路、滑走路、ガラス等への散布や塗布、あるいは循環式仮設トイレ、住宅用設備(玄関、ドア、トイレ、排水トラップ等)における水への含有もしくは散布や塗布により、凍結防止剤、融雪剤として好適に用いることができる。例えば、近年では、自動車用エンジンは燃費向上や排出有害物質の低減のため稼働時の温度が高温化される傾向にあるが、これに伴って冷却液等の温度も高温となるため、このような背景において本発明の親水性室温イオン液体は熱媒体の基剤として好適である。
本発明の親水性室温イオン液体は、電解質材料、帯電防止剤、潤滑油、熱媒体として用いる場合は特に、水素原子とヒドロキシアルキル基のみから成る水素結合供与性、電子供与性及び配位性かつ親水性の第4級アンモニウムカチオンと、疎水性の長鎖モノ飽和脂肪酸アニオン、長鎖不飽和脂肪酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン等で構成されたイオン液体が、対象とする媒体(金属、繊維、樹脂、水等)の表面あるいは界面に、配列あるいは作用し、相溶性、浸透性を向上したり、媒体を活性化あるいは改質したりして機能を発揮することから有用である。
カチオンとアニオンからなるイオン液体が導電性を持つことは広く知られており、例えば、帯電防止等の媒体表面の改質に有用である。
このように本発明の親水性室温イオン液体を使用することにより、イオン液体の特性や機能を活かした反応設計や、新機能を有する材料の創出が可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
下記式で表される化合物を合成した。
モノエタノ−ルアミン(5.00g、0.08mol)と蟻酸(3.77g、0.08mol)を水50ml中で、室温下、3時間反応後、水を減圧留去し、黄色液体を得た。得られた液体を洗浄することにより、無色透明液体のモノエタノ−ルアミン蟻酸塩(8.75g、0.08mol)を得た。
FT−IR(KBr):3552cm-1:O−H伸縮振動 2960cm-1:C−H伸縮振動 1586cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.05 (m, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.73 (m, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 8.38 (s, 1H, HCOO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 41.3 (N+ CH2CH2OH), δ 57.7 (N+CH2 CH2OH), δ 171.0 (HCOO-).
<実施例2〜61>
下記の表1、2〜7に示した実施例2〜61の化合物を、実施例1と同様の合成方法と、表2〜表7に記載した配合モル比にて合成した。物性値を下記に示す。
<実施例2>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1591cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.13 (m, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (m, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 8.36 (s, 1H,HCOO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 171.0 (HCOO-).
<実施例3>
FT−IR(KBr):3177cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1563cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.82 (s, 3H, CH 3 COO-), δ 3.04 (m, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.77 (m, 2H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 23.3 (CH3COO-), δ 41.2 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 181.4 (CH3 COO-).
<実施例4>
FT−IR(KBr):3312cm-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1574cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.82 (s, 3H, CH 3 COO-), δ 3.13 (m, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.77 (m, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 23.3 (CH3COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.6 (N+CH2 CH2OH), δ 181.4 (CH3 COO-).
<実施例5>
FT−IR(KBr):3360cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.84 (s, 3H, CH 3 COO-), δ 3.31(t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.85 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 23.3 (CH3COO-), δ 55.4 (N+ CH2CH2OH), δ 55.6 (N+CH2 CH2OH), δ 181.4 (CH3 COO-).
<実施例6>
FT−IR(KBr):3360cm-1:O−H伸縮振動 2952cm-1:C−H伸縮振動 1550cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.80 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.44 (m, 2H, CH3CH 2 ), δ 2.06 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.05 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.72 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.2 (CH3CH2), δ 19.3 (CH3 CH2), δ 39.6 (CH2COO-), δ 41.2 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 184.1 (CH2 COO-).
<実施例7>
FT−IR(KBr):3312cm-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1562cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.79 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.43 (m, 2H, CH3CH 2 ), δ 2.06 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.15 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.77 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.2 (CH3CH2), δ 19.3 (CH3 CH2), δ 39.6 (CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 184.0 (CH2 COO-).
<実施例8>
FT−IR(KBr):3350cm-1:O−H伸縮振動 2955cm-1:C−H伸縮振動 1557cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.82 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.46 (m, 2H, CH3CH 2 ), δ 2.08 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.38 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.3 (CH3CH2), δ 19.4 (CH3 CH2), δ 39.6 (CH2COO-), δ 55.2 (N+ CH2CH2OH), δ 55.4 (N+CH2 CH2OH), δ 184.0 (CH2 COO-).
<実施例9>
FT−IR(KBr):3333cm-1:O−H伸縮振動 2956cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.80 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.17 (m, 4H, CH3CH 2 CH 2 ), δ 1.44 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.10 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.17 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.80 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.3 (CH3CH2), δ 21.8 (CH3 CH2), δ 25.5 (CH3CH2 CH2), δ 31.0 (CH2CH2COO-), δ 37.5 (CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 184.2 (CH2 COO-).
<実施例10>
FT−IR(KBr):3312cm-1:O−H伸縮振動 2954cm-1:C−H伸縮振動 1563cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.80 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.19 (m, 4H, CH3CH 2 CH 2 ), δ 1.48 (t, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.10 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.38 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.3 (CH3CH2), δ 21.8 (CH3 CH2), δ 25.6 (CH3CH2 CH2), δ 31.0 (CH2CH2COO-), δ 37.6 (CH2COO-), δ 55.3 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 184.3 (CH2 COO-).
<実施例11>
FT−IR(KBr):3305cm-1:O−H伸縮振動 2955cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.79 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.21 (m, 8H, CH3(CH 2 )4), δ 1.48 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.09 (m, 2H, CH 2 COO-), δ 3.14 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.78 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.4 (CH3CH2), δ 22.0 (CH3 CH2CH2), δ 25.9 (CH3CH2 CH2), δ 28.3 (CH3CH2CH2 CH2), δ 28.7 (CH2CH2CH2COO-), δ 31.0 (CH2CH2COO-), δ 37.7 (CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.7 (N+CH2 CH2OH), δ 184.3 (CH2 COO-).
<実施例12>
FT−IR(KBr):3306cm-1:O−H伸縮振動 2923cm-1:C−H伸縮振動 1559cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.79 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.21 (m, 12H, CH3(CH 2 )6), δ 1.47 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.10 (t, 2H, CH 2 COO-), δ 3.15 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.79 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 13.5 (CH3CH2), δ 22.2 (CH3 CH2CH2), δ 26.0 (CH3CH2 CH2), δ 28.7 (CH3CH2CH2 CH2), δ 28.8 (CH3CH2CH2CH2 CH2), δ 29.0 ((CH2)2CH2CH2COO-), δ 31.4 (CH2CH2COO-), δ 37.5 (CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.6 (N+CH2 CH2OH), δ 183.6 (CH2 COO-).
<実施例13>
FT−IR(KBr):3313m-1:O−H伸縮振動 2924cm-1:C−H伸縮振動 1551cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.83 (m, 6H, CH 3 (CH2)8CH((CH2)6CH 3 )COO-), δ 1.25 (m, 28H, CH3(CH 2 )8CH((CH 2 )6CH3)COO-), δ 2.10 (m, 1H, CH3(CH2)8CH((CH2)6CH3)COO-), δ 3.01 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.74 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.1 (CH3CH2), δ 22.7 (CH3 CH--2CH2), δ 26.5 (CH2CH2CHCOO-), δ 30.0 (CH3CH2CH2(CH2)4CH2CH2CH(CH2CH2(CH2)2CH2CH2CH3)COO-,CH2 CH2CHCOO-), δ 31.9 (CH3CH2 CH2), δ 37.9 (CH2 CH(CH2)COO-), δ 41.8 (N+ CH2CH2OH), δ 58.5 (N+CH2 CH2OH), δ 182.1 (COO-).
<実施例14>
FT−IR(KBr):3306m-1:O−H伸縮振動 2923cm-1:C−H伸縮振動 1557cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.83 (m, 6H, CH 3 (CH2)8CH((CH2)6CH 3 )COO-), δ 1.09 (m, 28H, CH3(CH 2 )8CH((CH 2 )6CH3)COO-), δ 2.14 (m, 1H, CH3(CH2)8CH((CH2)6CH3)COO-), δ 3.06 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.83 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.0 (CH3CH2), δ 22.6 (CH3 CH--2CH2), δ 26.3 (CH2CH2CHCOO-), δ 29.3 (CH3CH2CH2(CH2)4CH2CH2CH(CH2CH2(CH2)2CH2CH2CH3)COO-,CH2 CH2CHCOO-), δ 31.9 (CH3CH2 CH2), δ 37.7 (CH2 CH(CH2)COO-), δ 50.0 (N+ CH2CH2OH), δ 57.5 (N+CH2 CH2OH), δ 181.8 (COO-).
<実施例15>
FT−IR(KBr):3313m-1:O−H伸縮振動 2923cm-1:C−H伸縮振動 1560cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.83 (m, 6H, CH 3 (CH2)8CH((CH2)6CH 3 )COO-), δ 1.26 (m, 28H, CH3(CH 2 )8CH((CH 2 )6CH3)COO-), δ 2.20 (m, 1H, CH3(CH2)8CH((CH2)6CH3)COO-), δ 2.99 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.0 (CH3CH2), δ 22.6 (CH3 CH--2CH2), δ 25.7 (CH2CH2CHCOO-), δ 29.3 (CH3CH2CH2(CH2)4CH2CH2CH(CH2CH2(CH2)2CH2CH2CH3)COO-,CH2 CH2CHCOO-), δ 31.9 (CH3CH2 CH2), δ 37.1 (CH2 CH(CH2)COO-), δ 56.8 (N+ CH2CH2OH), δ 57.8 (N+CH2 CH2OH), δ 179.9 (COO-).
<実施例16>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1575cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.05 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.72 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.96, 6.22 (m, 2H, CH 2 =CH), δ 6.22 (m, 1H, CH2=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 41.2 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9 (CH2=CH), δ 133.1 (CH2=CH), δ 175.1 (COO-).
<実施例17>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2962cm-1:C−H伸縮振動 1574cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.15 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.79 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.96, 6.22 (m, 2H, CH 2 =CH), δ 6.22 (m, 1H, CH2=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.6 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9 (CH2=CH), δ 133.1 (CH2=CH), δ 175.1 (COO-).
<実施例18>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1568cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.38 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH). δ 5.96, 6.22 (m, 2H, CH 2 =CH), δ 6.22 (m, 1H, CH2=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.3 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9 (CH2=CH), δ 133.1 (CH2=CH), δ 175.1 (COO-).
<実施例19>
FT−IR(KBr):3351cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.68 (t, 3H, CH 3 CH), δ 3.08 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.73 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.69 (m, 1H, CH=CHCOO-), δ 6.50 (m, 1H, CH=CHCOO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 16.9 (CH3CH), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.7 (N+CH2 CH2OH), δ 127.4 (CH=CHCOO-), δ 141.1 (CH=CHCOO-), δ 175.9 (CHCOO-).
<実施例20>
FT−IR(KBr):3313cm-1:O−H伸縮振動 2940cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.69 (m, 3H, CH 3 CH), δ 3.34 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.84 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.71 (m, 1H, N+ CH=CHCOO-), δ 6.50 (m, 1H, CH=CHCOO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 16.9 (CH3CH), δ 55.2 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 127.3 (CH=CHCOO-), δ 141.2 (CH=CHCOO-), δ 175.9 (CHCOO-).
<実施例21>
FT−IR(KBr):3300cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1557cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.89 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.27 (m, 20H, CH3(CH 2 )6CH2, (CH 2 )4 CH2CH2COO-), δ 1.53 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.00 (m, 4H, CH 2 CH=CHCH 2 ), δ 2.14 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 2.99 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.32 (m, 2H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.0 (CH3CH2), δ 22.6 (CH3 CH2), δ 26.4 (CH2CH2COO-), δ 27.2 (CH2CH=CHCH2), δ 29.3(CH3CH2CH2(CH2)4, (CH2)4CH2CH2COO-), δ 31.9 (CH3CH2 CH2), δ 37.8 (CH2CH2COO-), δ 41.9 (N+ CH2CH2OH), δ 58.6 (N+CH2 CH2OH), δ 129.7 (CH=CH), δ 181.7 (COO-).
<実施例22>
FT−IR(KBr):3296cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1558cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.88 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.27(m, 20H, CH3(CH 2 )6CH2,(CH 2 )4CH2CH2COO-), δ 1.55 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 1.98 (m, 4H, CH 2 CH=CHCH 2 ), δ 2.16 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 3.05 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.82 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.32 (m, 2H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.0 (CH3CH2), δ 22.6 (CH3 CH2), δ 26.3 (CH2CH2COO-), δ 27.1 (CH2CH=CHCH2), δ 29.2 (CH3CH2CH2(CH2)4, (CH2)4CH2CH2COO-), δ 31.8 (CH3CH2 CH2), δ 37.7 (CH2CH2COO-), δ 50.0 (N+ CH2CH2OH), δ 57.5 (N+CH2 CH2OH), δ 129.7 (CH=CH), δ 181.9 (COO-).
<実施例23>
FT−IR(KBr):3313cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1562cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.88 (t, 3H, CH 3 CH2), δ 1.27 (m, 20H, CH3(CH 2 )6CH2, (CH 2 )4 CH2CH2COO-), δ 1.56 (m, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 1.96 (m, 4H, CH 2 CH=CHCH 2 ), δ 2.22 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 2.98 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.32 (m, 2H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.1 (CH3CH2), δ 22.6 (CH3 CH2), δ 25.7 (CH2CH2COO-), δ 27.2 (CH2CHCHCH2), δ 29.2 (CH3CH2CH2(CH2)4, (CH2)4CH2CH2COO-), δ 31.8 (CH3CH2 CH2), δ 36.1 (CH2CH2COO-), δ 56.8 (N+ CH2CH2OH), δ 57.8 (N+CH2 CH2OH), δ 129.7 (CH=CH), δ 179.9(COO-).
<実施例24>
FT−IR(KBr):3398cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1560cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.89 (t, 3H, CH 3 CH2CH2), δ 1.25 (m, 14H, CH3(CH 2 )3CH2, (CH 2 )4CH2CH2COO-), δ 1.52 (s, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.01 (m, 4H, CH2CH 2 CH), δ 2.14 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 2.76 (t, 2H, CHCH 2 CH), δ 2.99 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH). δ 5.29 (m, 4H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.1 (CH3CH2CH2), δ 22.6 (CH3 CH2CH2), δ 25.6 (CHCH2CH), δ 26.3 (CH2CH2COO-), δ 27.3 (CH2 CH2CH), δ 29.3 (CH3CH2(CH2)2,(CH2)4CH2CH2COO-), δ 37.9 (CH2 CH2COO-), δ 42.0 (N+ CH2CH2OH), δ 58.9 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9 (CH=CH), δ 181.8 (COO-).
<実施例25>
FT−IR(KBr):3398cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1560cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.91 (t, 3H, CH 3 CH2CH2), δ 1.27 (m, 14H, CH3(CH 2 )3CH2, (CH 2 )4CH2CH2COO-), δ 1.56 (s, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.02 (m, 4H, CH2CH 2 CH), δ 2.19 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 2.77 (t, 2H, CHCH 2 CH), δ 3.06 (m, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.86 (m, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.31 (m, 4H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.1 (CH3CH2CH2), δ 22.6 (CH3 CH2CH2), δ 25.6 (CHCH2CH), δ 26.3 (CH2CH2COO-), δ 27.2 (CH2 CH2CH), δ 29.3 (CH3CH2(CH2)2,(CH2)4CH2CH2COO-), δ 37.9 (CH2 CH2COO-), δ 50.3 (N+ CH2CH2OH), δ 57.7 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9 (CH=CH), δ 181.8 (COO-).
<実施例26>
FT−IR(KBr):3398cm-1:O−H伸縮振動 2922cm-1:C−H伸縮振動 1560cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 0.89 (t, 3H, CH 3 CH2CH2), δ 1.25 (m, 14H, CH3(CH 2 )3CH2, (CH 2 )4CH2CH2COO-), δ 1.60 (s, 2H, CH 2 CH2COO-), δ 2.02 (m, 4H, CH2CH 2 CH), δ 2.29 (t, 2H, CH2CH 2 COO-), δ 2.75 (t, 2H, CHCH 2 CH), δ 2.85 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.74 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 5.31 (m, 4H, CH=CH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 14.1 (CH3CH2CH2), δ 22.6 (CH3 CH2CH2), δ 25.6 (CHCH2CH), δ 26.3 (CH2CH2COO-), δ 27.3 (CH2 CH2CH), δ 29.3 (CH3CH2(CH2)2,(CH2)4CH2CH2COO-), δ 37.9 (CH2 CH2COO-), δ 57.3 (N+ CH2CH2OH), δ 58.5 (N+CH2 CH2OH), δ 127.9−130.2 (CH=CH), δ 181.8 (COO-).
<実施例27>
FT−IR(KBr):3225cm-1:O−H伸縮振動 2934cm-1:C−H伸縮振動 1532cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.13 (m, 6H, CHCH2(CH 2 )3), δ 1.55 (m, 4H, CHCH 2 ), δ 2.03 (m, 1H, CHCOO-), δ 3.19 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.81 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 25.5 (CH2CH2CHCOO-), δ 25.7 (CH2CHCOO-), δ 29.9 (CH2CH2CH2CHCOO-), δ 47.1 (CHCOO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 186.8 (CHCOO-).
<実施例28>
FT−IR(KBr):3350cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1551cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.14 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.78 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 7.40−7.50 (m, 3H, CHCHCHCHCCOO-), δ 7.51−7.80 (m, 2H, CHCCOOH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 128.3 (CHCHCHCCOO-), δ 128.8 (CHCHCCOO-), δ 131.2 (CCOO-), δ 136.3 (CHCHCHCCOO-), δ 175.7 (COO-).
<実施例29>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1610cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.05 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.73 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 3.85 (s, 2H, HOCH 2 COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 41.2 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 61.2 (HOCH2COO-), δ 179.9 (HOCH2 COO-).
<実施例30>
FT−IR(KBr):3370cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1604cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.16 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.81 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 3.87 (s, 2H, HOCH 2 COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.7 (N+CH2 CH2OH), δ 61.3 (HOCH2COO-), δ 179.9 (HOCH2 COO-).
<実施例31>
FT−IR(KBr):3313cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1593cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.43 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (s, 2H, HOCH 2 COO-), δ 3.90 (m, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.1 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 61.3 (HOCH2COO-), δ 179.8 (HOCH2 COO-).
<実施例32>
FT−IR(KBr):3392cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1579cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.24 (d, 3H, CH 3 CH), δ 3.01 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.71 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.00 (m, 1H, CH3CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 20.1 (CH3CH), δ 41.4 (N+ CH2CH2OH), δ 58.3 (N+CH2 CH2OH), δ 68.5 (CH3 CH(OH)COO-) , δ 182.5 (CH3CH(OH)COO-).
<実施例33>
FT−IR(KBr):3392cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1584cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.26 (d, 3H, CH 3 CH), δ 3.13 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.79 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.02 (m, 1H, CH3CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 20.1 (CH3CH), δ 49.0 (N+ CH2CH2OH), δ 56.9 (N+CH2 CH2OH), δ 68.5 (CH3 CH(OH)COO-) , δ 182.5 (CH3CH(OH)COO-).
<実施例34>
FT−IR(KBr):3313cm-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1591cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.25 (d, 3H, CH 3 CH), δ 3.32 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.86 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.01 (m, 1H, CH3CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 20.1 (CH3CH), δ 55.4 (N+ CH2CH2OH), δ 55.6 (N+CH2 CH2OH), δ 68.5 (CH3 CH(OH)COO-) , δ 182.5 (CH3CH(OH)COO-).
<実施例35>
FT−IR(KBr):3368cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1622cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.53 (d, 3H, CH 3 ), δ 3.32 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.86 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 25.5 (CH3), δ 55.4 (N+ CH2CH2OH), δ 55.6 (N+CH2 CH2OH), δ 161.4 (COO-), δ 193.7 (CH3 C=O).
<実施例36>
FT−IR(KBr):3367cm-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1616cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.53 (d, 3H, CH 3 ), δ 3.32 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.86 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 25.5 (CH3), δ 55.4 (N+ CH2CH2OH), δ 55.6 (N+CH2 CH2OH), δ 161.4 (COO-), δ 193.7 (CH3 C=O).
<実施例37>
FT−IR(KBr):3313cm-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1616cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.53 (d, 3H, CH 3 ), δ 3.32 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.86 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 25.5 (CH3), δ 55.4 (N+ CH2CH2OH), δ 55.6 (N+CH2 CH2OH), δ 161.4 (COO-), δ 193.7 (CH3 C=O).
<実施例38>
FT−IR(KBr):3373m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1585cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.04 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.27 (s, 3H, CH 3 OCH2COO-), δ 3.71 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 3.77 (s, 2H, CH3OCH 2 COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 41.2 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (CH3OCH2COO-), δ 58.1 (N+CH2 CH2OH), δ 71.2 (CH3OCH2COO-), δ 178.0 (CH3OCH2 COO-).
<実施例39>
FT−IR(KBr):3370m-1:O−H伸縮振動 2970cm-1:C−H伸縮振動 1591cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.08 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.20 (s, 3H, CH 3 OCH2COO-), δ 3.69 (m, 6H, CH3OCH 2 COO-,N+CH2CH 2 OH), δ 3.77 (s, 2H, CH3OCH 2 COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.8 (N+ CH2CH2OH), δ 56.4 (N+CH2 CH2OH), δ 58.0 (CH3OCH2COO-), δ 71.1 (CH3OCH2COO-), δ 177.9 (CH3OCH2 COO-).
<実施例40>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1593cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.28 (t, 3H, CH 3 OCH2COO-), δ 3.39 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.78 (s, 2H, CH3OCH 2 COO-), δ 3.87 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.1 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 58.1 (CH3OCH2COO-), δ 71.2 (CH3OCH2COO-), δ 178.0 (CH3OCH2 COO-).
<実施例41>
FT−IR(KBr):3313m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1679cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.15 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.77 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 51.4 (N+ CH2CH2OH), δ 59.0 (N+CH2 CH2OH), δ 114.6 (CF3COO-), δ 165.1 (CF3 COO-).
<実施例42>
FT−IR(KBr):3332m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1665cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.41 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 57.6 (N+ CH2CH2OH), δ 57.9 (N+CH2 CH2OH), δ 114.6 (CF3COO-), δ 165.0 (CF3 COO-).
<実施例43>
FT−IR(KBr):3320m-1:O−H伸縮振動 2940cm-1:C−H伸縮振動 1595cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.13 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.77 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 6.85 (m, 2H, C(OH)CHCH, C(COO-)CHCHCH), δ 7.35 (m, 1H, CHCHC(OH)), δ 7.71 (m, 1H, C(COOH)CHCH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 116.3 (C(OH)CHCH) , δ 118.0 (CHC(COO-)C(OH)) , δ 119.4 (C(COO-)CHCHCH) , δ 130.5 (C(COO-)CHCH) , δ 134.0 (CHCHC(OH)) , δ 159.6 (CC(OH)C), δ 175.5 (CCOO-).
<実施例44>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1590cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.35 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.84 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 6.85 (m, 2H, C(OH)CHCH, C(COO-)CHCHCH), δ 7.35 (m, 1H, CHCHC(OH)), δ 7.73 (m, 1H, C(COO-)CHCH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.0 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 116.3 (C(OH)CHCH) , δ 118.1 (CHC(COO-)C(OH)) , δ 119.4 (C(COO-)CHCHCH) , δ 130.5 (C(COO-)CHCH) , δ 134.0 (CHCHC(OH)) , δ 159.7 (CC(OH)C), δ 175.4 (CCOO-).
<実施例45>
FT−IR(KBr):3350m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1598cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.15 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.79 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 6.83 (d, 2H, C(COO-)CHCH), δ 7.73 (d, 2H, C(OH)CHCH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 114.9 (C(OH)CHCH) , δ 128.2 (C(COO-)) , δ 131.2 (C(COO-)CHCH) , δ 158.4 (C(OH)) , δ 175.3 (C(COO-)).
<実施例46>
FT−IR(KBr):3307m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1581cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.17 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.80 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.94 (s, 1H, CH(OH)(COO-)), δ 7.34 (m, 5H, (CH)5).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 75.0 (CH(OH)(COO-)) , δ 127.1 ((CH)2 CH(CH)2) , δ 128.2 (CHCHCCH(OH)(COO-)) , δ 128.8 (CHCCH(OH)(COO-)) , δ 140.6 (CCH(OH)(COO-)) , δ 179.4 (COO-).
<実施例47>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1605cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.42 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.90 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.96 (s, 1H, CH(OH)(COO-)), δ 7.35−7.40 (m, 5H, (CH)5).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.1 (N+ CH2CH2OH), δ 55.4 (N+CH2 CH2OH), δ 75.0 (CH(OH)(COO-)) , δ 127.1 ((CH)2 CH(CH)2) , δ 128.2 (CHCHCCH(OH)(COO-)) , δ 128.8 (CHCCH(OH)(COO-)) , δ 140.5 (CCH(OH)(COO-)) , δ 179.3 (COO-).
<実施例48>
FT−IR(KBr):3162m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1715cm-1:COOH伸縮振動 1578cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.08 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.60 (m, 2H, HOOCCH 2 COO-), δ 3.76 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 38.5 (HOOCCH2COO-), δ 41.3 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 174.6 (COOH, COO-).
<実施例49>
FT−IR(KBr):3374m-1:O−H伸縮振動 2950cm-1:C−H伸縮振動 1716cm-1:COOH伸縮振動 1590cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.21 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.69 (s, 2H, HOOCCH 2 COO-), δ 3.83 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 52.6 (HOOCCH2COO-), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 175.0 (COOH, COO-).
<実施例50>
FT−IR(KBr):3313m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1716cm-1:COOH伸縮振動 1590cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.44 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.69 (s, 2H, HOOCCH 2 COO-), δ 3.92 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (HOOCCH2COO-), δ 55.1 (N+ CH2CH2OH), δ 55.4 (N+CH2 CH2OH), δ 174.9 (COOH, COO-).
<実施例51>
FT−IR(KBr):3360m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1714cm-1:COOH伸縮振動 1563cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.51 (s, 4H, HOOCCH 2 CH 2 COO-), δ 3.22 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.84 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 31.4 (HOOCCH2 CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 179.7 (COOH, COO-).
<実施例52>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1716cm-1:COOH伸縮振動 1568cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.49 (s, 4H, HOOCCH 2 CH 2 COO-), δ 3.45 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.93 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 31.5 (HOOCCH2 CH2COO-), δ 55.1 (N+ CH2CH2OH), δ 55.4 (N+CH2 CH2OH), δ 179.8 (COOH, COO-).
<実施例53>
FT−IR(KBr):3360m-1:O−H伸縮振動 2959cm-1:C−H伸縮振動 1710cm-1:COOH伸縮振動 1557cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 1.56 (t, 4H, HOOCCH2CH 2 CH 2 CH2COO-), δ 2.27 (t, 4H, HOOCCH 2 CH2CH2CH 2 COO-), δ 3.22 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.84 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 24.8 (HOOCCH2 CH2 CH2CH2COO-), δ 35.5 (HOOCCH2CH2CH2 CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 181.3 (COOH, COO-).
<実施例54>
FT−IR(KBr):3388m-1:O−H伸縮振動 2959cm-1:C−H伸縮振動 1718cm-1:COOH伸縮振動 1579cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.55 (m, 2H, HOOCCH 2 CH(OH)COO-), δ 3.09 (t, 2H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.76 (t, 2H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.32 (m, 1H, HOOCCH2CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 40.2 (HOOCCH2CH(OH)COO-), δ 41.3 (N+ CH2CH2OH), δ 57.6 (N+CH2 CH2OH), δ 68.7 (HOOCCH2 CH(OH)COO-), δ 176.5 (CH2 COO-), δ 179.2 (C(OH)COO-).
<実施例55>
FT−IR(KBr):3383m-1:O−H伸縮振動 2959cm-1:C−H伸縮振動 1721cm-1:COOH伸縮振動 1588cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.52 (m, 2H, HOOCCH 2 CH(OH)COO-), δ 3.21 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.83 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.31 (m, 1H, HOOCCH2CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 40.5 (HOOCCH2CH(OH)COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 68.9 (HOOCCH2 CH(OH)COO-), δ 176.9 (CH2 COO-), δ 179.5 (C(OH)COO-).
<実施例56>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1719cm-1:COOH伸縮振動 1588cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.52 (m, 2H, HOOCCH 2 CH(OH)COO-), δ 3.41 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.88 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.29 (m, 1H, HOOCCH2CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 40.2 (HOOCCH2CH(OH)COO-), δ 55.0 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 68.7 (HOOCCH2 CH(OH)COO-), δ 176.5 (CH2 COO-), δ 179.2 (C(OH)COO-).
<実施例57>
FT−IR(KBr):3369m-1:O−H伸縮振動 2965cm-1:C−H伸縮振動 1725cm-1:COOH伸縮振動 1603cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.18 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.80 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.40 (s, 2H, HOOCCH(OH)CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 73.1 (HOOCCH(OH)CH(OH)COO-), δ 176.9 (COOH, COO-).
<実施例58>
FT−IR(KBr):3312m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1728cm-1:COOH伸縮振動 1601cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 3.40 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.87 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH), δ 4.39 (s, 2H, HOOCCH(OH)CH(OH)COO-).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 55.0 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 73.0 (HOOCCH(OH)CH(OH)COO-), δ 176.7 (COOH, COO-).
<実施例59>
FT−IR(KBr):3390m-1:O−H伸縮振動 2961cm-1:C−H伸縮振動 1722cm-1:COOH伸縮振動 1593cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.65 (m, 4H, HOOCCH 2 C(OH)(COOH)CH 2 COO-), δ 3.16 (t, 4H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.78 (t, 4H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 43.7 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COO-), δ 48.9 (N+ CH2CH2OH), δ 56.5 (N+CH2 CH2OH), δ 73.9 (HOOCCH2 C(OH)(COOH)CH2COO-), δ 174.8 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2 COO-), δ 178.7 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COO-).
<実施例60>
FT−IR(KBr):3313m-1:O−H伸縮振動 2939cm-1:C−H伸縮振動 1717cm-1:COOH伸縮振動 1588cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ 2.63 (m, 4H, HOOCCH 2 C(OH)(COO-)CH 2 COOH), δ 3.37 (t, 6H, N+CH 2 CH2OH), δ 3.84 (t, 6H, N+CH2CH 2 OH).
13C−NMR (D2O 100MHz): δ 43.7 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COO-), δ 55.0 (N+ CH2CH2OH), δ 55.3 (N+CH2 CH2OH), δ 73.8 (HOOCCH2 C(OH)(COOH)CH2COO-), δ 174.8 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2 COO-), δ 178.7 (HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COO-).
<実施例61>
FT−IR(KBr):3339m-1:O−H伸縮振動 2958cm-1:C−H伸縮振動 1584cm-1:COO-伸縮振動
1H−NMR (D2O 400MHz): δ1.72−1.95 (m, 4H, CH 2 C(OH)(COO-)), δ3.29 (t, 6H, NH+(CH 2 CH2OH)3), δ3.41 (m, 1H, CH(OH)CH(OH)CH(OH)), δ3.81 (t, 6H, NH+(CH2CH 2 OH)3), δ3.86−4.02 (m, 2H, CH2CH(OH)CH(OH))
13C−NMR (D2O 100MHz): δ37.3 (CH2C(OH)(COO-)), δ40.6 (CH2C(OH)(COO-)), δ55.3 (NH+(CH2CH2OH)3), δ56.4 (NH+(CH2 CH2OH)3), δ67.0 (CH2 CH(OH)CH(OH)), δ70.4 (CH2 CH(OH)CH(OH)), δ75.2 (CH(OH)CH(OH)CH(OH)), δ76.9 (CH2 C(OH)(COO-)), δ181.3 (CH2C(OH)(COO-))
<比較例1〜28、39、40>
表1、8〜10に示す比較例1〜28、39、40の化合物を、実施例1と同様の合成方法と、表8〜10に記載した配合モル比にて合成した。
<比較例29>
表11に示した比較例29の化合物は和光純薬製の試薬を用いた。
<比較例30、31>
表11に示した比較例30、31化合物は特許文献4に記載の化合物を用いた。
<比較例32、33>
表12に示した比較例32、33の化合物は、ジメチルエタノールアミン又は水酸化コリンと、グリコール酸を用いて、実施例1と同様の合成方法で合成した。
<比較例34>
下記式で表される比較例34の化合物は、非特許文献(Chemical Communications, 2005, 4804−4806)に記載の方法に従って合成した(m.p.119℃)。
<比較例35>
下記式で表される比較例35の化合物は、テトラブチルアンモニウムブロマイド水溶液を、アニオン交換樹脂を充填したカラムを通過させ、得られた水溶液に乳酸を加え、攪拌後、溶媒を減圧留去し、洗浄することで合成した(m.p.110℃)。
<比較例36>
下記式で表される比較例36の化合物は、特許文献4に記載の方法に従って合成した。
<比較例37>
下記式で表される比較例37の化合物は、トリエタノールアミンと臭化水素酸を、実施例1と同様の合成方法で合成した。
<比較例38>
下記式で表される比較例38の化合物は、テトラブチルアンモニウムブロマイド水溶液を、アニオン交換樹脂を充填したカラムを通過させ、得られた水溶液に酒石酸を加え、攪拌後、溶媒を減圧留去し、洗浄することで合成した。
<比較例49>
表14、表17に示した比較例49の化合物は、トリエタノールアミンとレブリン酸を用いて、実施例1と同様の合成方法で合成した(m.p.30℃)。
上記の実施例及び比較例の化合物について、次の測定及び評価を行った。
1.室温(25℃)での性状
実施例1〜61及び比較例1〜28、39、40の化合物について、スクリュー管に添加し減圧乾燥させ無水物として、室温(25℃)での液性を確認した。また、スクリュー管を傾けて、イオン液体の流動性を観察した。また、−5℃に設定した低温恒温器に、イオン液体を24時間放置し、次いで−10℃で24時間放置し、性状(液体、固形)を確認した。結果を表1〜10に示す。なお表1中の"liquid"は室温(25℃)で液体であることを示し、"solid"は室温(25℃)で固体であることを示し、表2〜7中に融点(mp(℃))を、−10℃未満(<−10)、−10℃以上−5℃未満(−10≦〜<−5で示す。表8〜10に示した比較例の化合物の融点は、試料を減圧乾燥させ無水物とした後に、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定したピークトップ温度を融点とした。
その結果、実施例1〜61、比較例28の化合物は、室温で流動性を有する液体であった。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンにアニオン性で電子供与基であるヒドロキシアルキル基を有することにより、第4級アンモニウムカチオン全体のカチオン性が弱く、他方アニオンはカルボン酸アニオンであることにより、アニオンとカチオンとの相互作用が弱まり結晶性が低下し、結果として液性となりやすい傾向が高まり、低融点のイオン液体が得られると考えられ、構造設計においてカチオン構造の官能基や特性基の選択による融点及び各種アニオンによる影響が判明した。
2.水への溶解度
実施例1〜61、比較例29〜31の化合物について、水への溶解度を測定した。水への溶解度は次の方法で測定した。TG/DTAで測定した含水率を踏まえて、スクリュー管に所定の濃度となるようにイオン液体及び水を仕込み、その後、25℃で30分間攪拌した後、10分間静置し、溶解性を目視で確認し、25℃での水100gに溶解するイオン液体量(g)を溶解度(g/100g water)とした。その結果を表2〜表7及び表11に示す。
その結果、一般的な親水性のイオン液体である比較例29と比較例30、31のイオン液体はいずれも水への溶解度が600g/100g water未満であるのに対して、実施例化合物はすべて1000g/100g water以上溶解した。これは、アンモニウムカチオンに疎水性のアルキル基がなく、水分子と水素結合が可能な水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンと、カルボン酸アニオンとから構成されるため、親水性が高く高水溶性となったことが考えられる。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は高い水溶性を有しており、様々な用途への優位な展開が期待される。
3.熱分解温度
示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)で、実施例の化合物1〜61及び比較例28の化合物の熱分解温度を測定した。その結果を表1〜表7、10に示す。熱分解温度は、化合物に含まれる水分を除いた5%重量減少温度を示した。
その結果、実施例化合物はいずれも熱分解温度は100℃以上であった。カチオン構造が異なる実施例29と比較例28の化合物を比較すると、実施例29の化合物の熱分解温度は169℃で、比較例28の化合物の143℃より高く、カチオン構造が熱分解温度に影響を及ぼすことが判明した。
また、実施例化合物の中でも、ジエタノールアンモニウムカチオン及びトリエタノールアンモニウムカチオンは熱分解温度が高く、特にトリエタノールアンモニウムカチオンは熱分解温度が高い傾向を示すことが判明した。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンにアルキル基がなく、窒素原子に結合するのは水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンと、カルボン酸アニオンとから構成されるため、イオン液体の分子間で水素結合を密に形成し安定化する傾向にあることから、良好な熱安定性を示したと考えられる。
4.生分解性試験
表12に示す各実施例、比較例32、33の化合物について、生分解性試験を行った。生分解性試験は、OECDテストガイドライン301C法に準拠して行った。この試験には一般活性汚泥を微生物源として使用し、調製した標準試験培養液300mlに、微生物源30mg/l、被験物質100mg/lの濃度になるようにそれぞれ投入し、25±1℃、試験期間28日、標準物質にアニリンを使用して行った。アクタック製BODセンサーを使用して生化学的酸素要求量(BOD;biochemical oxygen demand)を測定し、算出した理論的酸素要求量の値から分解度(分解率)を算出した。結果を表12に示す。
その結果、比較例32、33のカチオンにアルキル鎖を持つ化合物と比較して、実施例の化合物は、短期間で分解率100%となり生分解性速度は速かった。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンにアルキル基はなく、水素原子とヒドロキシアルキル基のみのカチオンであり、カチオン構造が生分解性速度に影響を及ぼすことが認められ、環境負荷の低減を図ることができ、環境適性に優れるものである。
5.タンパク質溶解試験
[タンパク質(シトクロムC)溶解濃度]
表13と表14に示す各実施例、比較例34〜37および比較例49(室温(25℃)で固体、融点30℃)の化合物について、タンパク質溶解濃度を測定した。表13、14に示す実施例化合物に室温(25℃)でタンパク質(シトクロムC Horse Heart 分子量12384)を所定濃度添加し、混合後、タンパク質の溶解を目視にて判別した。各実施例におけるタンパク質の溶解試験は、イオン液体中の水分量を約7〜12%として行った。なお、比較例34、35、49の化合物は、室温では固体であったため、非特許文献(Chemical Communications, 2005, 4804−4806)のシトクロムCの溶解試験方法を参考に、シトクロムCに対して良溶媒である水で溶解して85%水溶液で評価した(表13、14タンパク(シトクロムC)溶解濃度(1))。実施例34、40、61及び比較例34〜37、比較例49については、水分率を一定にして(14%±0.5%)、同様にタンパク質の溶解性を再測定した。水分量はカールフィッシャー法により測定した(表13、14タンパク(シトクロムC)溶解濃度(2))。溶液が透明均一である完全溶解の状態を○、シトクロムCの残存が目視で確認できる状態を×と評価し、結果を表13と表14に示す。
その結果、表13、14タンパク(シトクロムC)溶解濃度(1)から比較例34〜37の化合物はいずれも40mg/mL以下、しかも比較例35、37の化合物では37mg/mL未満であるのに対して、実施例化合物は、いずれも45mg/mL以上の溶解性を示し、特に、アニオンに水酸基を持つ実施例29〜34、54〜60の化合物では47.5mg/mL以上と高い溶解性を示した。
表14のタンパク(シトクロムC)溶解濃度(2)において、実施例34、40、61、及び比較例34〜37、49の化合物について、水分率を一定にした試料でも同様にタンパク質の溶解性を再測定したところ、タンパク質の溶解度は全体的に若干上昇したが、イオン液体のタンパク質に対する溶解性の順位は同じであり、溶解性の傾向は共通していた。
また、比較例37との比較から、アニオンにカルボン酸アニオンを組み合わせると、シトクロムCの溶解度が著しく向上しており、シトクロムCの溶解にはアニオンにカルボン酸アニオンを組み合わせることが適していると考えられる。しかしながら、実施例34、40、61と同じカチオンをもつ比較例49の化合物は、実施例34、40、61よりシトクロムCに対する溶解性が低く、ケトン基を持つモノカルボン酸アニオンは、他のアニオンと比較してタンパク質の溶解性が低い傾向を示した。
本発明の親水性室温イオン液体のカチオンは、水素原子やヒドロキシアルキル基からなる構造的特徴を活かして、水素結合受容性であるシトクロムCとの間で、水素結合を形成し、比較例化合物に比べて高い溶解性を示したと考えられる。
更に、アニオンに、水素と電気陰性度が高い酸素が共有結合した水酸基が存在すると、2分子のシトクロムCと、アニオン及びカチオンの双方の水素結合部位により、安定した構造で水素結合が可能となり、シトクロムCの分子間構造にイオン液体が入り込み、分子間の相互作用を軽減できるため、溶解性が向上すると考えられる。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、シトクロムCを高濃度溶解し、アルカリ性タンパク質溶解溶媒として有用であることが示された。
[長期安定性]
実施例34、40、61、及び比較例34の化合物について、イオン液体中の水分率を一定(14%±0.5%)にした試料にシトクロムCを溶解して、次の方法でタンパク質のイオン液体中での構造変化(変性)を確認した。なお比較例41として、一般的なタンパク質の溶解溶媒であるpH=7.4の50mMリン酸バッファー(50mMリン酸2水素カリウム及び50mMリン酸水素2カリウムで調製)もタンパク質を溶解した直後の試料を用いて同様に確認を行った。
まず、IRスペクトルによるアミド吸収の変化を詳細に確認し、溶解時のタンパク質の高次構造(ターン、α-へリックス、ランダムコイル、β-シート)を確認した。アミドI領域(1600-1700cm-1)、アミドII領域(1500-1600cm-1)をフーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR-6100 日本分光)によるATR法を用いて測定し、シトクロムC未溶解のイオン液体試料(ブランク)とシトクロムCを溶解したイオン液体試料の差からピークを検出した。
また、UVスペクトルの吸収によりシトクロムCの活性状態(Fe2+:還元型、Fe3+:酸化型)を確認した。シトクロムCを溶解したイオン液体試料をpH=7.4の50mMリン酸バッファー(50mMリン酸2水素カリウム及び50mMリン酸水素2カリウムで調製)で1%に希釈した直後にて、紫外可視分光光度計(V-550 日本分光)で光路幅2mmの石英セルにて測定した。
これらの結果を表14Bに示す。
IRスペクトルによるアミド吸収の同定では、溶解時のタンパクの高次構造を文献値(Chem.Commun 2005, 4804-4806 Biomacromolecules 2010, 11, 2944-2948 蛋白質科学会アーカイブ, 2, e054(2009))と対比して確認した。溶解前のシトクロムCの粉末をIR測定したところ、アミドI領域の1645cm-1並びにアミドII領域の1537cm-1に吸収が認められ、
ランダムコイルに変性していた。次に、リン酸バッファー中のシトクロムC(比較例41)は変性せず(アミドI領域:1653cm-1、アミドII領域:1547cm-1)、α-へリックス構造であることを確認し、実施例34、40、61のイオン液体中のシトクロムCが、リン酸バッファーと同等の測定結果で(アミドI領域:1653-1655cm-1、アミドII領域:1545-1549cm-1)、いずれも、変性した構造ではなく、α-ヘリックス構造を維持していることを確認した。つまり、実施例34、40、61のイオン液体は、高濃度条件下でも、リフォールティングの効果を発現してシトクロムCを変性することなく溶解していることを示した。
シトクロムCは細胞内の電子伝達の際にFe2+(還元型)とFe3+(酸化型)に可逆的に状態が変わり、活性状態では二次構造を維持し、UVスペクトルの吸収において還元型はα帯で550nm、β帯で521nm、γ帯で415nm付近にそれぞれピークを持ち、酸化型ではα帯とβ帯は明確なピークがなくγ帯では396nm付近に低波長シフトする。失活状態では変性し、α帯とβ帯とγ帯のピークが消失する。比較例41のリン酸バッファーのピークと比較して、実施例34、40、61のイオン液体中のシトクロムCはほぼ同様のピークが得られ、α帯、β帯、γ帯のそれぞれに還元型のピークを示した。これにより、イオン液体中で保存したシトクロムCは還元型の活性状態で、二次構造を維持していることが確認された。
次に、シトクロムCをそれぞれの最高濃度で溶解したイオン液体試料を0℃、25℃(実施例34、40、61、比較例34、41)、80℃(実施例34、比較例34、41)で保存し、上記のIR及びUVスペクトルと同様の測定により、シトクロムCが構造変化、すなわち変性していないか否かを確認した。結果を表14Bに示す。
リン酸バッファーを用いた比較例41では0℃で1週間以内、25℃で1日以内で変性が確認されたのに対し、実施例34、40、61の試料は0℃で180日、25℃で90日経過してもIR、UVの数値の変化は全く無く、構造変化していないことが示された。80℃でもリン酸バッファーを用いた比較例41と比べて良好な結果を得た。また、比較例34は、80℃では、1日(24時間)も構造を保持することができず、溶解直後に変性したのに対して、実施例34のイオン液体は1日(24時間)以上、変性せず、比較例34のようなイオン液体より長期安定性に優れていることを示した。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、高濃度で室温条件でも長期に渡りタンパク質を変性させない、優れたタンパク質の保存溶媒であり、さらに、タンパク質リフォールディング剤として有用であることが示された。
[タンパク質(ヘモグロビン、アルブミン)溶解濃度]
タンパク質として、前記のシトクロムC(アルカリ性)に加えて、ヘモグロビン(中性)、アルブミン(酸性)に対するイオン液体の溶解性を確認した。実施例34、40、61、及び比較例34、35、37の化合物について、水分率を一定(14%±0.5%)にした試料にヘモグロビン、アルブミンを所定濃度溶解して、前記のシトクロムCと同様の方法でタンパク質溶解濃度を測定した。結果を表15と表16に示す。
その結果、実施例のイオン液体によるヘモグロビンとアルブミンの溶解性は、いずれも比較例に比べて高く、前記のシトクロムCと同様な傾向で高い溶解性を確認した。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、中性及び酸性タンパク質溶解溶媒として有用であることが示された。
6.DNA溶解試験
[DNAの抽出方法]
中性洗剤(陰イオン界面活性剤)(1.5g)を水(200g)で溶解させ、鶏レバー(47g)と共にミキサーで2分間混合した。そこへ2mol/l のNaOH水溶液(250ml)を加え軽く撹拌し、100℃で5分間加熱した。加熱後、常温に戻し、遠心分離(3000rpm、15分)を行って、ろ液を回収した。
回収したろ液は、0〜5℃に冷却し、そこに0〜5℃に冷却したエタノール(500ml)を静かに加えた。その後、この混合溶液を0〜5℃で保持し、析出したDNAをパスツールピペットで回収した。回収したDNAは液体窒素による凍結乾燥を行い、冷所で保管した。
[DNA溶解濃度]
表17に示す実施例32〜34、40、58、60、及び比較例34、35、37、49の化合物について、DNA溶解濃度を測定した。各実施例のイオン液体は、カールフィッシャー法により水分量を測定し、水分量が14%±0.5%になるように調製した。なお、比較例35、49の化合物は、室温で固体であったため、非特許文献(ChemicalCommunications, 2005, 4804−4806)のシトクロムCの溶解試験方法を参考に、DNAの良溶媒である水で14%±0.5%になるように溶解して評価した。これらの化合物に、上記の方法で抽出したDNAを室温(25℃)で所定濃度添加し、混合後、DNAの溶解を目視にて判別した。溶液が透明均一である完全溶解の状態を○、DNAの残存が目視で確認できるの状態を×と評価した。結果を表17に示す。
その結果、実施例のイオン液体は、いずれも比較例に比べて、DNAに対する高い溶解性を示した。また、実施例34、40、58、60と同じカチオンをもつ比較例49の化合物は、実施例34、40、58、60よりDNAに対する溶解性が低く、ケトン基を持つモノカルボン酸アニオンは、他のアニオンと比較してDNAの溶解性が低い傾向を示した。
DNAは活性状態では二重らせん構造を維持し、UVスペクトルの吸収において260nm付近にピークを持つが、変性した場合、DNAのUV吸収の相対吸光度が大きく増加する。表17に示す実施例化合物はいずれも0.1wt%DNA溶液とDNA未溶解のイオン液体試料(ブランク)との差から、イオン液体溶液中のDNAの吸収を表すピークが258nmに得られ、水に溶解した(1wt%)DNAの吸収(259nm)と同様のピークであり、イオン液体中に溶解したDNAは活性状態の二重らせん構造を保持していることを確認した。
次に、表17に示す最高濃度でDNAを実施例化合物に溶解した溶液を0℃、25℃、80℃で保存し、水で0.1wt%に希釈した試料を同様にUV測定し(80℃保存試料は25℃に急冷して測定した)、DNAの二重らせん構造の変化、すなわち変性するか否かを確認した。0℃、25℃、80℃で保存した実施例試料のUV吸収は、いずれも258nmにピークを持ち、相対吸光度の増加は、ほとんど見られず、DNAは変性せず、二重らせん構造は保持して活性状態であった。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、DNAに対する保存安定性に優れ、DNAなどの核酸の溶解溶媒として有用であることが示された。
6.カルボニル基含有化合物溶解性試験(メチルエチルケトンの溶解性試験)
表18に示す実施例34、58、比較例38の化合物について、各化合物0.5gにメチルエチルケトンを0.5g加え、マグネチックスターラーで10分間混合し、溶解状態を目視にて確認した。その結果を表18に示す。
その結果、実施例34、58の化合物は、メチルエチルケトンを溶解したが、カチオンにヒドロキシアルキル基を有さない比較例38は分離し不溶であった。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンに、水素結合供与性、電子供与性及び配位性の水素原子やヒドロキシアルキル基を有するカチオンで構成された構造的特徴を活かして、水素結合受容性のカルボニル基を有するメチルエチルケトンとの親和性が高くなり溶解したと考えられ、有機化合物などの水素結合性材料の溶解溶媒として有用であることが示された。
7.金属酸化物分散性試験
表19〜表21に示す各実施例、比較例38の化合物について、各化合物0.5gと酸化ジルコニウム(IV)(和光純薬工業(株)、試薬特級、約5〜30μm)0.5gを自転公転ミキサーで2000rpm、1min×5回混合した後の分散状態を目視で確認した。酸化ジルコニウムが分散し、良好に分散した状態を○、分散せず沈降している状態を×で評価した。結果を表19〜表21に示す。
その結果、実施例化合物はいずれも酸化ジルコニウムを良好に分散した。一方、比較例38の化合物は直ちに酸化ジルコニウムが沈降し分散しなかった。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、第4級アンモニウムカチオンに、水素結合供与性、電子供与性及び配位性の水素原子やヒドロキシアルキル基を有するカチオンで構成された構造的特徴を活かして、水素結合受容性且つ電子受容性の酸化ジルコニウムとの親和性が高くなり、酸化ジルコニウムを良好に分散したと考えられ、無機化合物などの水素結合性材料の溶解又は分散溶媒として有用であることが示された。
8.比熱容量測定試験
表22に示す実施例29〜34、40、47、60と比較例29、34〜37、42〜48の化合物について、比熱容量測定を行った。比熱容量測定試験はJIS K 7123に従って測定した。
試験は基準物質にα-アルミナを用いた。測定容器にはアルミニウム製容器を用い、試料又は基準物質を目安15mg採取後、精秤し、測定温度−90〜90℃、昇温速度10℃/minの条件にてDSCによる熱流束示差走査熱量測定を行った。比熱容量は、下記式を用いて算出した。結果を表22に示す。
その結果、比較例化合物は−50℃では2.22J/g・℃、−20℃では2.39J/g・℃、0℃では2.37J/g・℃、20℃では2.39J/g・℃、50℃では2.62J/g・℃、80℃では2.63J/g・℃以下あるのに対して、実施例化合物は、いずれの温度においても比較例化合物に比べて高い比熱容量を示し、高い蓄熱性を示した。比較例化合物のうち特開2012−241018号公報のイオン液体に比べても実施例化合物の比熱容量は大幅に向上した。
すなわち、本発明の親水性室温イオン液体は、カチオンには水素原子やヒドロキシアルキル基、アニオンには水酸基やエーテル基等の水素結合性官能基を有しているため、分子内及び分子間において水素結合を形成し、分子間及び分子内との相互作用が強いため、比熱容量は大きくなり、比較例化合物に比べて高い蓄熱性を示したと考えられ、熱媒体、さらには、例えば、金属などの媒体の加工、摩擦時に発生する摩擦熱を冷却する効果が高く、不燃性、不揮発性、低環境負荷から水溶性潤滑油として有用であることが示された。

Claims (16)

  1. カチオン及びアニオンを含む親水性室温イオン液体であって、該カチオンが下記式(I)の第4級アンモニウムカチオンで、該アニオンがカルボン酸アニオンであることを特徴とする親水性室温イオン液体。
    (式中、Rは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
  2. カルボン酸アニオンが、炭素数1〜20の飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  3. カルボン酸アニオンが、炭素数3〜20の不飽和脂肪族モノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  4. カルボン酸アニオンが、炭素数6〜14の飽和脂環式モノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  5. カルボン酸アニオンが、炭素数6〜14の芳香族モノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  6. カルボン酸アニオンが、1〜2個の水酸基を含有する炭素数2〜10の飽和ヒドロキシモノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  7. カルボン酸アニオンが、1〜2個のエーテル基を含有する炭素数2〜20のアルキルエーテルカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  8. カルボン酸アニオンが、1〜2個のカルボニル基を含有する炭素数3〜10の飽和カルボニルモノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  9. カルボン酸アニオンが、1〜2個の水酸基を含有する炭素数6〜14のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  10. カルボン酸アニオンが、炭素数2〜10の飽和ジカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  11. カルボン酸アニオンが、1〜2個の水酸基を含有する炭素数4〜10の飽和ヒドロキシジ又はトリカルボン酸アニオンである請求項1に記載の親水性室温イオン液体。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の親水性室温イオン液体を含む、水素結合性材料に対する溶解又は分散用溶媒。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載の親水性室温イオン液体を含む、タンパク質溶解溶媒。
  14. 請求項1から11のいずれかに記載の親水性室温イオン液体を含む、核酸溶解溶媒。
  15. 請求項1から11のいずれかに記載の親水性室温イオン液体を含む、タンパク質リフォールディング剤。
  16. 請求項1から11のいずれかに記載の親水性室温イオン液体を含む、熱媒体。
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