JP2014131420A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成を有するとともに、負荷の消費電力が変動しても、損失が少ない(効率のよい)動作モードで動作する電源装置を提供することができる。
【解決手段】出力電圧検出部5からのコイル2の出力電圧Voutに基づいて、コンデンサ3で平滑化された供給電流Ioutが予め決められた電流値となるようにスイッチング素子1の動作周期と、ON時間とを決定する電源装置A。
【選択図】図1
【解決手段】出力電圧検出部5からのコイル2の出力電圧Voutに基づいて、コンデンサ3で平滑化された供給電流Ioutが予め決められた電流値となるようにスイッチング素子1の動作周期と、ON時間とを決定する電源装置A。
【選択図】図1
Description
本発明は、LED等の半導体発光素子に電力を供給する電源装置に関するものである。
発光ダイオード(LED)は、蛍光ランプに比べ、電力消費が少ない、小型で軽量、紫外線の出射が少ない等のメリットがあり、蛍光ランプに代わり、照明装置の光源として用いられることが増えている。
前記LEDランプを点灯させるための電源装置には、スイッチング素子、コイル、平滑化コンデンサ等を含むDC/DCコンバータを備えている。このような電源装置では、スイッチング素子のスイッチングによって、前記コイルの出力の電流値を変動させ、出力の電流或いは電圧を変換し、LEDに供給するようになっている。
前記DC/DCコンバータは、負荷(ここでは、LED)の消費電力が大きい(出力電圧が大きい)場合、動作モードを前記コイルからの出力が連続する連続モードとすることで、効率の高い動作とすることができる。一方、負荷の消費電力が小さい(出力電圧が小さい)場合、動作モードを前記コイルからの出力が途切れる(電流値がゼロになるときがある)不連続モードで動作させることで、効率の高い動作とすることができる。
前記電源装置では、スイッチング素子の動作周期及びON時間を調整することで出力電力を調整している。このようなスイッチング素子及びコイルを用いる電源装置の場合、接続される負荷の消費電力が変わることで、動作モードが切り替わることがあり、動作の効率が低下する場合がある。
そこで、前記電源装置を、前記コイルの出力の電流値がゼロになったとき(ゼロクロス)を検出し、そのゼロクロスを検出したときに、スイッチング素子を制御する臨界モードで動作させる方法がある。前記電源装置を臨界モードで動作させる場合、LEDに供給する電流値を調整する(調光する)ときにスイッチング周波数が高くなりすぎる場合があり、スイッチング損失により効率が低下する。
そこで、特開2012−59662号公報に記載の発明では、コイルのエネルギ放出と、コイルのチョッパ電流(ピーク電流)を検出し、ピーク電流制御とPWM制御とを組み合わせてスイッチング周波数を低減している。このように、ピーク電流制御とPWM制御とを組み合わせることで、臨界モードでの動作を維持しつつ、調光を行う(接続された負荷の電力を小さくさせる)ときのスイッチング周波数の範囲を制限している(上昇を抑制している)。
しかしながら、特開2012−59662号公報に記載の構成では、コイルのエネルギ放出を検出するエネルギ検出手段(二次巻線)と、コイルのチョッパ電流を検出する電流検出手段(検出用抵抗)が必要であり、回路が複雑になってしまう。また、これらの部材での損失が発生し、結果として、効率の低下の原因にもなる。
また、スイッチング素子の制御を、ピーク電流制御とPWM制御との両方を組み合わせて行う構成であるため、制御回路はスイッチング素子の駆動回路に対し2種類の信号(ピーク電流制御信号とPWM信号)を出力し、駆動回路は2種類の信号を受信する構成である。このことからも回路が複雑になってしまう。
そこで本発明は、簡単な構成を有するとともに、接続される負荷の電力が変動しても、高い動作効率で動作する電源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、直流の電力を負荷に供給する電源装置であって、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のオンオフの切替えによって出力電流値が変動するコイルと、前記コイルの出力電流を平滑化するコンデンサと、前記コイルの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記スイッチング素子の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記出力電圧検出部からの前記コイルの出力電圧値に基づいて、前記コンデンサで平滑化された供給電流が予め決められた電流値となるように前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定することを特徴とする。
この構成によると、負荷の消費電力が変化しても、出力電圧を検出し、その出力電圧に基づいて、スイッチング素子の動作周期とON時間を決定するため、効率のよい動作モードで動作させることができる。
上記構成において、前記コイルに入力する電力の電圧を検出する入力電圧検出部をさらに備え、前記制御部は、前記入力電圧検出部からの前記コイルの入力電圧値も取得しており、前記制御部が、前記出力電圧値及び前記入力電圧値に基づいて、前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定するものでもよい。
上記構成において、前記制御部は、前記スイッチング素子の動作周期の中に、前記コイルから出力される電流が停止する期間を備えるように、前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定するものでもよい。
上記構成において、前記制御部は、前記スイッチング素子の動作周期における、前記コイルから電流が出力している期間と、電流の出力が停止している期間との和が一定となるように、前記スイッチング素子のON時間を決定するものでもよい。
上記構成において、前記制御部は、前記コイルから出力される電流が停止する期間の長さを変更することで、前記供給電流の電流値を調整するものでもよい。
上記構成において、前記コイルの温度を測定する温度測定部をさらに備え、前記制御部は、前記コイルの温度に基づいて、前記コイルのインダクタンスを修正するものであってもよい。
上記構成において、前記スイッチング素子及び前記コイルとは、前記電力源と前記負荷との間に直列に接続されていてもよい。
上記構成において、交流を直流に整流する整流回路を備えており、前記整流回路の出力の電圧を変換して負荷に供給するものであってもよい。
本発明によると、簡単な構成を有するとともに、接続される負荷の消費電力が変動しても、高い動作効率で動作する電源装置を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる電源装置の一例の回路図である。図1に示す電源装置Aは、交流電源Psからの交流を整流し、LEDランプ8を点灯させる電力を供給している。LEDランプ8は、複数個のLED81が直列に接続されている。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる電源装置の一例の回路図である。図1に示す電源装置Aは、交流電源Psからの交流を整流し、LEDランプ8を点灯させる電力を供給している。LEDランプ8は、複数個のLED81が直列に接続されている。
電源装置Aは、AC/DCコンバータCvと、スイッチング素子(MOSFET)1と、コイル2と、コンデンサ3と、ダイオード4と、出力電圧検出部5と、制御部6と、スイッチングドライバ7とを備えている。電源装置Aでは、スイッチング素子1、コイル2、コンデンサ3及びダイオード4とが降圧型のDC/DCコンバータを構成している。
AC/DCコンバータCvには、交流電源Psが接続されている。そして、AC/DCコンバータCvは、入力された交流を直流に変換し、直流電流を出力している。DC/DCコンバータは、スイッチング素子1とコイル2とが直列に接続されている。ここで、図1に示すように、スイッチング素子1は、n型MOSFETである。そして、スイッチング素子1のドレインは、AC/DCコンバータCvの正極に接続されており、ソースはコイル2の一方(入力側と称し、反対側を出力側と称する)に接続されている。
そして、スイッチング素子1のゲートには、スイッチングドライバ7が接続されており、スイッチングドライバ7から駆動信号(電圧信号)が入力される。スイッチングドライバ7は、スイッチング素子1をPWM制御するためのドライバであり、従来よく知られた構成の回路である。スイッチングドライバ7は、パルス状の電圧信号をスイッチング素子1のゲートに対して出力しており、駆動信号がHIGHレベルのときスイッチング素子1のドレイン−ソース間に電流が流れ、電圧信号がLOWレベルのときスイッチング素子1のドレイン−ソース間の電流は遮断される。すなわち、スイッチング素子1は、スイッチングドライバ7からの駆動信号によって(HIGHレベルのときON、LOWレベルのときOFF)、ON/OFF駆動される。
コイル2の出力側が、DC/DCコンバータの直流電力を出力する(つまり、正極側の)出力端子である第1端子O1が形成されている。また、DC/DCコンバータは負極側の端子である第2端子O2を備えている。第2端子O2はAC/DCコンバータCvの負極端子に接続されている。第2端子O2とAC/DCコンバータCvの負極端子と接続されている配線は、接地されている。
コンデンサ3は、コイル2から出力される電流を平滑化するための平滑化コンデンサであり、コイル2の出力側と、AC/DCコンバータCvの負極端子との間に配置される。コンデンサ3は、第1端子O1及び第2端子O2に接続される、換言すると、電源装置Aによって電力が供給される負荷(ここでは、LEDランプ8)と並列になるように接続されている。さらに、ダイオード4は、アノードがコンデンサ3とAC/DCコンバータCvの負極端子との間に接続され、カソードがスイッチング素子1とコイル2との間に接続される。ダイオード4は、スイッチング素子1がOFFのとき、LEDランプ8を流れた電流を、再度、コイル2の入力側に戻すことができるように接続されており、還流ダイオードと呼ばれることもある。
そして、スイッチング素子1がON/OFF駆動されることで、直流の電力がLEDランプ8に供給される。LEDは流れる電流によって、輝度が変化する素子であり、電源装置Aでは、LEDランプ8を所望の輝度で点灯させることができる電流値の電力を、LEDランプ8に供給している。LEDランプ8は、複数個のLED81が直列に接続されているものとしているが、直列に接続された複数個のLED81を並列に接続したものを用いる場合もある。電源装置Aでの電力(電圧及び/又は電流)の変換については、後述する。
上述したように、電源装置Aは、出力電圧検出部5、制御部6及びスイッチングドライバ7を備えている。出力電圧検出部5は、第1端子O1と第2端子O2との間の出力電圧を検出し、接続されている負荷の電圧の情報を制御部6に供給する。そのため、出力電圧検出部5は、コンデンサ3と負荷(LEDランプ8)との間に、負荷と並列となるように配置されている。つまり、出力電圧検出部5は、直列に接続した2つの抵抗51を備えており、一方がコイル2の出力側、他方がAC/DCコンバータCvの負極側に接続されている。そして、2個の抵抗51の間に出力配線52が接続されており、出力配線52の他方の端部が、制御部6に接続している。
制御部6は、スイッチング素子1を制御する。制御部6は、演算処理を行うMPU、データを一時保管することができるメモリ61等を備えている。なお、メモリ61は、制御部6から離れて取り付けられていてもよいし、メモリ61の全体又は一部が制御部6と共通化されていてもよい。
制御部6は、出力電圧検出部5で検出されるコンデンサ3の出力電圧の情報を受信し、スイッチング素子1のスイッチングの制御を行う。つまり、制御部6は出力電圧に基づき、スイッチング素子1の動作周期及びON時間(又は動作周期に対するON時間の割合)を決定し、動作周期及びON時間の情報を含むPWM信号をスイッチングドライバ7に送信する。
スイッチングドライバ7は、上述のとおり、スイッチング素子1を駆動するドライバ回路を備えている。スイッチングドライバ7は、制御部6から、スイッチング素子1の動作周期とON時間と含むPWM信号を受信しており、動作周期及びON時間でスイッチング素子1が駆動されるように、駆動信号を出力する。本発明にかかる電源装置Aの場合、制御部6からスイッチングドライバ7にPWM信号を送信するための回路を備えていればよく、回路構成を簡略化することができる。
スイッチングドライバ7は、従来よく知られたものであり、詳細は省略するが、スイッチングドライバ7は、予め決められた閾値電圧よりも高い電圧のHighレベルの駆動信号と、閾値電圧よりも低い電圧のLowレベルの駆動信号とが出力する。
スイッチングドライバ7から出力された駆動信号は、スイッチング素子1のゲートに入力している。そして、スイッチング素子1はHighレベルの駆動信号が入力されているとき、ONになる(ドレイン−ソース間に電流が流れる)。そして、スイッチングドライバ7は制御部6からの動作周期及びON時間の情報に基づき、駆動信号のHighレベルの幅(スイッチング素子のON時間)と、次のON時間の開始時間(動作周期)を調整する。
また、スイッチングドライバ7から、Lowレベルの駆動信号がスイッチング素子1に入力されると、スイッチング素子1はOFFになる。なお、ここでは、Lowレベルの駆動信号がスイッチング素子1に入力されるものとしているが、Lowレベルの駆動信号をスイッチング素子1に入力する代わりに、駆動信号を入力しない構成にしてもよい。さらに、制御部6がスイッチングドライバ7の一部又は全部を含む構成であってもよい。
次に、電源装置Aの動作について図面を参照して説明する。図2は本発明にかかる電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図2は、出力電圧、コイルの出力電流及びスイッチングドライバ7から出力される駆動信号を示している。
電源装置Aにおいて、スイッチングドライバ7から出力される駆動信号がHighレベルのとき、スイッチング素子1はONになり、Lowレベルのとき(Highレベルの駆動信号が停止されたとき)スイッチング素子1がOFFになる。そのため、駆動信号がHighレベルのときの時間をON時間Ton、駆動信号がLowレベルのときの時間をOFF時間Toffとする。
コイル2から出力される直流は、コンデンサ3によって平滑化されLEDランプ8に供給される。そのため、出力電圧検出部5で検出される出力電圧(以下、出力電圧Voutとする)は、一定の電圧(定電圧)となる。また、上述したように、DC/DCコンバータは、降圧型であることから、出力電圧Voutは、AC/DCコンバータCvから出力され、コイル2に入力する入力電圧(以下、入力電圧Vinとする)よりも小さい電圧となる(図2参照)。なお、本実施形態では、AC/DCコンバータCvは、出力電圧を一定、すなわち、コイルに入力する入力電圧Vinを一定に制御している。
一方、コイル2から出力される電流も電圧と同様、コンデンサ3によって平滑化され、LEDランプ8に流入する。コンデンサ3によって平滑化された電流を供給電流Ioutとする。つまり、LEDランプ8には、供給電流Ioutが供給される。
電源装置Aでは、ON時間TonとOFF時間Toffとが交互に現れる。そのため、スイッチング素子1の動作周期は、ON時間TonとOFF時間Toffとの和によって決められる。そのため、スイッチングドライバ7は、制御部6より動作周期とON時間との情報を含むPWM信号を受信することで、ON時間TonとOFF時間Toffとを決定することが可能である。なお、スイッチングドライバ7がON時間Ton及びOFF時間Toffを決定する構成としているが、制御部6がON時間Ton及びOFF時間Toffを決定し、その情報を含むPWM信号をスイッチングドライバ7に送る構成としてもよい。
電源装置Aでは、ON時間Tonの間、スイッチングドライバ7から、Highレベルの駆動信号がスイッチング素子1に送信され、スイッチング素子1がONになる。このとき、ダイオード4には、逆電圧が印加されるので、ダイオード4には電流が流れない。
スイッチング素子1がONの間、AC/DCコンバータCvからの直流電流がコイル2に流入する。コイル2はインダクタンスによる自己誘導が発生するため、スイッチング素子1がONになった直後、コイル2には電流が流れない。そして、AC/DCコンバータCvから電流が流れ続けると、コイル2に流れる電流は徐々に上昇する(図2参照)。このとき、コイル2にはエネルギが蓄積される。
そして、ON時間Tonが終了すると、スイッチングドライバ7から出力される駆動信号はLowレベルになり、スイッチング素子1がOFFになる。これにより、ON時間Tonの間、ダイオード4に印加されていた逆電圧が取り除かれる。そのため、コイル2、LEDランプ8及びダイオード4が閉回路になり、コイル2に蓄積されたエネルギが開放され、コイル2よりLEDランプ8に電流が流れる。コイル2から電流が流れることで、コイル2に蓄積されているエネルギが減少するため、コイル2から流出する電流値は時間とともに減少する。
スイッチングドライバ7からの駆動信号がHighレベルになったとき、コイル2から流出する電流値が増加し、駆動信号がLowレベルになったとき、コイル2から流出する電流値が減少する。すなわち、スイッチング素子1がONからOFFに切り替わるとき、すなわちON時間TonからOFF時間Toffに切り替わるときにコイル2から流出する電流値が最大のピーク電流Ipeakとなる。
そして、スイッチング素子1は、一定の周期でON/OFFを繰り返し、コイル2から出力される電流も増減を繰り返す(図2参照)。コイル2から出力される電流がコンデンサ3で平滑化され、供給電流Ioutとして第1端子O1よりLEDランプ8に供給される。
ここで、供給電流Iout及びピーク電流Ipeakについて説明する。電源装置Aは、LEDランプ8に定電流を供給している。すなわち、電源装置Aは、LEDランプ8を一定の明るさ(輝度)で点灯させるため、一定電流の供給電流Ioutを供給する(定電流制御)。そして、ピーク電流Ipeakは、コイル2から出力される電流をコンデンサ3で平滑化したとき、供給電流Ioutになるような値が決定される。
次に、電源装置Aの動作モードについて説明する。図3は本発明にかかる電源装置の動作モードの一つである連続モードを示す図であり、図4は本発明にかかる電源装置の動作モードの一つである不連続モードを示す図である。上述したように、電源装置Aでは、スイッチング素子1がONのとき、コイル2にエネルギが蓄積され、スイッチング素子1がOFFのとき、コイル2に蓄積されたたエネルギを電流として放出する。
電源装置Aでは、スイッチング素子1のON時間TonとOFF時間Toffによって、コイル2からの電流の出力が途切れない連続モード(図3参照)と、コイル2からの電流の出力がいったん途切れる、すなわち、電流が「0」になる不連続モード(図4参照)とが存在する。図3、図4には、連続モード又は不連続モードそれぞれのときのスイッチングドライバ7から出力される駆動信号と、コイル2から出力される電流を示している。
図3に示すように、連続モードで駆動する場合、OFF時間Toffのときコイル2から電流が出力されるが、コイル2からの出力電流が「0」になる前に、ON時間Tonに切り替わり、スイッチング素子1がONになるとともに、AC/DCコンバータCvより電流が流入する。これにより、コイル2にエネルギが蓄積されるとともに、コイル2の出力電流も上昇する。連続モードで駆動しているとき、コイル2に蓄積されたエネルギがすべて放出されない。
一方、図4に示すように、不連続モードで駆動する場合、OFF時間Toffのときコイル2から電流が出力され、コイル2からの出力電流が「0」になった後もOFF時間Toffが継続される。この間、コイル2からの出力電流は「0」のままである。そして、動作周期が終了した後、ON時間Tonに切り替わり、スイッチング素子1がONになるとともに、AC/DCコンバータCvより電流が流入する。これにより、コイル2にエネルギが蓄積されるとともに、コイル2の出力電流が上昇する。不連続モードで駆動しているとき、コイル2に蓄積されたエネルギは一度すべて放出される。そして、コイル2にエネルギが蓄積されていない時間が存在する。
そして、連続モードと不連続モードとが切り替わる臨界点で制御を行う臨界モードも存在する。臨界モードは、コイル2から出力される電流は途切れないが、電流値は一度「0」になるように動作する動作モードである。すなわち、臨界モードは、コイル2から出力される電流値の最小値が「0」である連続モードと考えることが可能である。
臨界モードで駆動する場合、OFF時間Toffのときコイル2から電流が出力され、コイル2からの出力電流が「0」になった直後、ON時間Tonに切り替える。これにより、スイッチング素子1がONになるとともに、AC/DCコンバータCvより電流が流入するように駆動する。
DC/DCコンバータを連続モードで駆動する場合、DC/DCコンバータの損失は抵抗成分の影響が大きく、不連続モードで駆動する場合、容量成分の影響が大きい。このことから、接続された負荷による消費電力が大きいとき、連続モードでの駆動が損失を低減し、消費電力が小さいとき、不連続モードでの駆動が損失を低減する。つまり、負荷の消費電力が大きいときは連続モード、消費電力が小さいときは不連続モードで駆動する方が駆動効率が高い。
また、臨界モードの場合、コイル2の電流が「0」になる点(ゼロクロスポイント)を検出するための検出器が必要であり、電源装置Aの構成が複雑になる。また、臨界モードで調光を行う、すなわち、負荷の消費電力を小さくすると、動作周波数が高くなってしまい、スイッチング損失が高くなる。そのため、本発明の電源装置Aでは、臨界モードでの駆動は考慮しない。
そして、電源装置Aでは、負荷としてLEDランプ8を接続する構成となっている。LEDランプ8は、消費電力が少ないことから、不連続モードで駆動する方が、駆動効率が高くなる。そのため、以下の説明では、特にことわりのない場合、電源装置Aを不連続モードで駆動するものとする。
コイル2の電流の変化率(図2、図3等に示す電流の傾き)は、コイル2に印加される電圧と、コイル2のインダクタンスで決定される。コイル2の入力電圧をVinとすると、コイル2に印加される電圧は、入力電圧Vinより出力電圧Voutを引いたものとなる。そして、コイル2のインダクタンス、入力電圧Vin、出力電圧Vout及び供給電流Ioutから、ピーク電流Ipeak、スイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonを決定することができる。
以下に、動作周期及びON時間Tonの決定方法について図面を参照して説明する。図4に示すように不連続モードでは、スイッチング素子1のOFF時間Toffは、コイル2から電流が出力される時間である第1OFF時間Tf1と、コイル2から電流が出力されない時間である第2OFF時間Tf2とに分けられる。
不連続モードの場合、コイル2から電流が出力されている時間、すなわち、ON時間Tonと第1OFF時間Tf1との和と、コイル2から電流が出力されていない時間(第2OFF時間Tf2)とは、電源装置Aに対して予め決められた比率となっている。コイル2から電流が出力されている時間をTa、コイル2から電流が出力されていない時間をTbとすると、電源装置Aにおいて、制御部6は、比率Ta/Tbを固定値として予め備えている。
コイル2から電流を出力することで、コイル2に蓄積したエネルギを放出している。そのため、ピーク電流Ipeakを、供給電流Ioutと比率Ta/Tbとを用いて決定することができる。
そして、ON時間Tonにおいて、ピーク電流Ipeakの値は、ON時間Ton、コイル2に印加される電圧(Vin−Vout)、コイル2のインダクタンスによって決定される。ここで、Vin及びコイル2のインダクタンスが一定であるとすると、ピーク電流Ipeakと出力電圧Voutとが与えられることで、ON時間Tonが決まる。上述の通りピーク電流Ipeakは供給電流Ioutより決定されており、出力電圧Voutは、出力電圧検出部5により検出されるため、これらの値を用いてON時間Tonが決定される。さらに、第1OFF時間Tf1は、コイル2に印加される電圧(Vin−Vout)と、出力電圧Voutと、ON時間Tonより決定される。
さらに、第2OFF時間Tf2は、比率Ta/Tbと、ON時間Tonと、第1OFF時間Tf1とから決定される。電源装置Aの動作モードでは、スイッチング素子1の動作周期内に、ON時間TonとOFF時間Toffが1度ずつ含まれる。そのため、OFF時間Toff、すなわち、第1OFF時間Tf1と第2OFF時間Tf2の和と、ON時間Tonとから、動作周期を決定することができる。電源装置Aでは、以上のように制御部6がスイッチング素子1を制御し、効率よくLEDランプ8を定電流制御することが可能である。
電源装置Aを備える照明装置では、LEDランプ8を取り替え可能である場合が多い。そして、LEDランプ8には、直列接続されるLED81の数(直列数)が異なるものも存在する。このとき、LEDランプ8の両端電圧が異なり、定電流駆動時の消費電力が異なる。つまり、電源装置Aの出力電圧Voutが変動する。
出力電圧Voutが変動すると、それまでと同じ動作周期及びON時間Tonでスイッチング素子1を動作させても、連続モードになる場合がある。上述したように電源装置Aでは、LEDランプ8の消費電力が変動しても(設計値とは異なっていても)、出力電圧検出部5で出力電圧Voutを検出し、その出力電圧Voutに基づいて、動作周期及びON時間Tonを決定するため、LEDランプ8の消費電力の変動に対応することが可能である。すなわち、本発明の電源装置Aでは、LEDランプ8の消費電力が変動しても、効率のよい(素子の発熱が少ない)駆動モードで駆動することができる。
制御部6によるスイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonの決定の手順について図面を参照して説明する。図5は本発明にかかる電源装置におけるスイッチング素子1の動作周期及びON時間を決定する手順を示すフローチャートである。
制御部6は、スイッチングドライバ7に信号を送り、予め決められた動作周期及びON時間でスイッチング素子1を駆動する(ステップS11)。この動作周期及びON時間は固定値とすることができるが、これに限定されるものではなく、電源装置A等の状態を検出し、その状態に合わせて変更するものであってもよい。
出力電圧検出部5により、電源装置Aの出力電圧Voutが検出されており、制御部6は出力電圧Voutを取得する(ステップS12)。制御部6は、メモリ61に記憶されている比率Ta/Tbを呼び出し、供給電流Iout及び比率Ta/Tbよりコイル2から出力される電流の最大値であるピーク電流Ipeakを設定する(ステップS13)。
制御部6は、コイル2への入力電圧Vin、出力電圧Voutと、ピーク電流Iout、コイル2のインダクタンスより、ON時間Tonを算出する(ステップS14)。また、同様にしてOFF時間Toffを算出する(ステップS15)。さらに、ON時間Ton、OFF時間Toffよりスイッチング素子1の動作周期を算出する(ステップS16)。
制御部6は、スイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonの情報を含むPWM信号をスイッチングドライバ7に送る(ステップS17)。そして、スイッチングドライバ7が、制御部6からの信号に基づいて、ON時間TonのときにHighレベルの駆動信号をスイッチング素子1に出力し、OFF時間ToffのときにLowレベルの駆動信号をスイッチング素子1に出力する。このように、制御部6がスイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonを決定し、さらに、その情報をもとに、スイッチングドライバ7及びスイッチング素子1を駆動することで、LEDランプ8を安定して効率よく点灯することができる。
このような電源装置Aを用いることで、交換やLED81の経年劣化或いは温度変化によって抵抗値の変化等でLEDランプ8の消費電力(負荷電圧)が変化しても、電源装置Aを損失が少ない、すなわち、効率のよい動作モードを維持して、LEDランプ8を点灯制御することができる。
また、本発明の電源装置Aでは、コイル2と直列に接続され、コイル2の電流を検出するための電流検出器(抵抗)又はコイル2の電流を検出するための誘導コイルを含む電流検出部を用いないので、回路を簡略化することができるとともに、電流検出部での損失が抑えられるため、LEDランプ8を効率よく点灯させることが可能である。
本発明の電源装置Aでは、制御部6からスイッチングドライバ7に送られる信号は、スイッチング素子1の動作周期とON時間Tonの情報を含む信号、すなわち、PWM信号のみである。そのため、制御部6による制御及び制御部6とスイッチングドライバ7とを接続する回路を簡略化することができる。
(第2実施形態)
本発明にかかる電源装置の他の例について図面を参照して説明する。図6は本発明にかかる電源装置の他の例の回路図である。図6に示すように電源装置Bは、スイッチング素子1に入力する電力の入力電圧Vinを測定する入力電圧検出部5Bを備えている。それ以外の部分は、電源装置Aと同じ構成であるため、実質上同じ部分には同じ符号が付してある。
本発明にかかる電源装置の他の例について図面を参照して説明する。図6は本発明にかかる電源装置の他の例の回路図である。図6に示すように電源装置Bは、スイッチング素子1に入力する電力の入力電圧Vinを測定する入力電圧検出部5Bを備えている。それ以外の部分は、電源装置Aと同じ構成であるため、実質上同じ部分には同じ符号が付してある。
AC/DCコンバータCvは、交流電源Psからの交流を直流に変換し、スイッチング素子1に入力電圧Vinとして供給しているが、その出力がばらつく場合がある。コイル2の入力電圧Vinがばらつくと、制御部6がコイル2に印加される電圧を正確に算出することができなくなり、LEDランプ8の点灯が安定しなくなる。そこで、電源装置Bでは、スイッチング素子1に入力する入力電圧Vinを検出する、入力電圧検出部5Bを備えている。入力電圧検出部5Bは、出力電圧検出部5と同様の構成を有している。
すなわち、2個の抵抗が直列に接続されており、一端がAC/DCコンバータCvの正極、他端がAC/DCコンバータCvの負極に接続されている。そして、2個の抵抗と接続部6とが接続されている。制御部6は、入力電圧検出部5Bで検出された入力電圧Vinの情報を取得している。
なお、制御部6によるスイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonの決定については、電源装置Aと同じであるため詳細は省略するが、電源装置Bでは、制御部6が入力電圧Vinの情報も取得しているので、LEDランプ8の点灯を正確に制御することができる。これ以外の特徴については、第1実施形態と同じである。
(第3実施形態)
本発明にかかる電源装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。図7は本発明にかかる電源装置のさらに他の例の回路図である。図7に示すように電源装置Cは、コイル2の温度を測定する温度測定部21を備えている以外、電源装置Aと同じ構成を有している。そのため、電源装置Cでは、電源装置Aと実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
本発明にかかる電源装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。図7は本発明にかかる電源装置のさらに他の例の回路図である。図7に示すように電源装置Cは、コイル2の温度を測定する温度測定部21を備えている以外、電源装置Aと同じ構成を有している。そのため、電源装置Cでは、電源装置Aと実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
電源装置では、LEDランプ8を点灯させるとき、コイル2の温度が変化(上昇)する。コイル2のインダクタンスは、温度変化(温度上昇)に伴って変化する場合がある。上述しているとおり、制御部6がコイル2のインダクタンスを一定として、スイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonを決定している場合、コイル2のインダクタンスが変化すると、供給電流Ioutがばらつく。
そこで、電源装置Cでは、温度測定部21でコイル2の温度を測定し、その結果を制御部6に送信している。そして、メモリ61にコイル2の温度とインダクタンスとを関係付けたデータベースが備えられており、制御部6はメモリ61にアクセスし、取得した温度情報に対応したインダクタンスを抽出する。制御部6は、コイル2の温度に対応したインダクタンスで、スイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonを決定する。
電源装置Cでは、コイル2の温度によるインダクタンスが変化した場合でも、電源装置Cを損失が少ない、すなわち、効率のよい動作モードを維持して、LEDランプ8の定電流制御可能である。なお、コイル2の温度を測定する温度測定部21として非接触型、接触型の温度センサを用いるものや、コイル2の近傍の空気の温度からコイル2の温度を推測するもの等、コイル2の温度を正確に且つ迅速に測定できるものを広く採用することができる。その他の特徴については第1実施形態と同じである。
(第4実施形態)
本発明にかかる電源装置の他の例について図面を参照して説明する。図8は本発明にかかる電源装置の動作の例を示す図である。回路構成は、図1に示す電源装置Aと同じであり、詳細な説明は省略する。また、図8において、上段は図4と同じ動作(高輝度)を示しており、下段は図4に示す電源装置の動作状態よりも、低輝度で点灯させたときの動作状態を示している。LEDランプ8は、供給される電流(供給電流Iout)の大きさによって、輝度が変化する。なお、以下の説明では、LEDランプ8の輝度を小さくする(供給電流Ioutが小さくなる)場合について説明する。
本発明にかかる電源装置の他の例について図面を参照して説明する。図8は本発明にかかる電源装置の動作の例を示す図である。回路構成は、図1に示す電源装置Aと同じであり、詳細な説明は省略する。また、図8において、上段は図4と同じ動作(高輝度)を示しており、下段は図4に示す電源装置の動作状態よりも、低輝度で点灯させたときの動作状態を示している。LEDランプ8は、供給される電流(供給電流Iout)の大きさによって、輝度が変化する。なお、以下の説明では、LEDランプ8の輝度を小さくする(供給電流Ioutが小さくなる)場合について説明する。
上述したように電源装置AでLEDランプ8の点灯制御を行う場合、断続モードで駆動することで、損失が少なく、効率のよい駆動を行うことが可能となる。そこで、LEDランプ8の輝度を変更する場合、制御部6は、動作周期に対するコイル2が電流を出力している時間Taと、コイル2が電流を出力していない時間Tbの和(Ta+Tb)、すなわち、動作周期を一定に保ちつつ、ON時間Tonを変更する(短くする)制御を行う。
制御部6は、(Ta+Tb)つまり動作周期が一定となるように制御しており、比率Ta/Tbと供給電流Ioutよりピーク電流Ipeakを決定する。そして、制御部6は、ピーク電流Ipeakより、ON時間Tonを決定する。LEDランプ8の輝度を下げる場合、ピーク電流Ipeakを下げるため、ON時間Tonが短くなるが、動作周期は一定である(図8参照)。
なお、実際には、LEDランプ8の輝度を低減すると、出力電圧Voutも変化するため、コイル2の出力がピーク電流Ipeakに到達するとき(ON時間Ton)の電流の増加率及びコイル2の出力が「0」になるとき(第1OFF時間Tf1)の電流の減少率は、高輝度のときよりも緩やかになる。そのため、高輝度のときと低輝度のときとで、電流の変化率は相似形にはならない。
本発明にかかる電源装置Aでは、出力電圧Voutを検出し、その値に基づいて、スイッチング素子1のON時間Tonを決定するため、出力電圧Voutが変化しても、安定した供給電流Ioutを出力することが可能となっている。以上のように制御することで、LEDランプ8の電圧(負荷)が変化しても、損失が少ない(効率のよい)動作モードである不連続モードで動作させることが可能である。さらに、(Ta+Tb)を一定に保つことで、LEDランプ8の輝度が変化しても、動作周期を変更しないため、スイッチング周波数が高くなりすぎることによるスイッチング損失の増大も抑制される。
上述したように、供給電流Ioutを小さくすることで、スイッチング素子1のON時間Tonが短くなる(図8参照)。供給電流Ioutがさらに小さくなるとスイッチング素子1のON時間Tonが、スイッチングドライバ7が出力する駆動信号のHighレベルの幅の最小値(パルス幅の最小値)となる場合がある。スイッチングドライバ7は最小値よりも小さいパルス幅でHighレベルの駆動信号を送信することができず、それ以上低い輝度での調光が不可能になる。
そこで、制御部6は、予めスイッチングドライバ7のパルス幅の最小値のデータを保持しておき、ON時間Tonがパルス幅の最小値よりも小さくなる場合、(Ta+Tb)を変更する。ピーク電流Ipeakは、供給電流Ioutと比率Ta/Tbとで決定されるものであるため、(Ta+Tb)を変更(長く)することで、コイル2から出力される電流が「0」である時間の比率を長くすることができ、ON時間Tonを小さくせずに、供給電流Ioutを小さくすることができる。このような制御を行うことで、スイッチングドライバ7の発振回路の限界を超えないように、調光を行うことが可能となる。
上述では、LEDランプ8の輝度を下げる場合について説明しているが、上げる場合もある。LEDランプ8の輝度を上げる場合、制御部6は、下げる場合にと反対にコイル2から電流が出力されている時間Taを長くするように制御する。このとき、コイル2から電流が出力されている時間Taが長くなると、動作モードが不連続モードから、臨界モード或いは連続モードに切り替わってしまう場合がある。そこで、制御部6は、(Ta+Tb)を変更(長く)することで、不連続モードで動作させつつ、供給電流Ioutを増大させ、LEDランプ8の輝度を上げることが可能である。なお、これ以外の特徴については、第1実施形態と同じである。
上述した、各実施形態の電源装置では、交流電源からの交流が入力される構成であるが、これに限定されるものではなく、直流電源より直流の電力が入力される構成であってもよい。この場合、AC/DCコンバータCvを省略することが可能である。
また、上述の各実施形態において、電源装置Aの動作モードとして、不連続モードであるものとしているが、これに限定されるものではなく、連続モードとなるように制御するようにしてもよい。さらには、出力電圧によって、制御部が不連続モード又は連続モードのどちらかを選択し、選択したモードとなるようにスイッチング素子を駆動するようにしてもよい。このことは、以下の電源装置でも同様である。さらに、出力電圧Voutを検出し、その値に基づいて、スイッチング素子1の動作周期及びON時間Tonを決定しているので、臨界モードで駆動させることも可能である。
さらに、上述の各実施形態において、スイッチング素子、コイル、コンデンサ及びダイオードで降圧型のDC/DCコンバータを構成しているが、これに限定されるものではなく、昇圧型のDC/DCコンバータを構成するものであってもよい。
さらに、スイッチング素子として、n型MOSFETを用いているが、これに限定されるものではなく、トランジスタ、IGBT等のパルスでON/OFFを切り替えることができる素子を広く採用することが可能である。
上述のような電源装置を、既存の放電型発光管(蛍光灯)を用いた照明装置に組み込むことで、蛍光灯用の照明装置をLEDランプ用の照明装置とすることが可能である。また、この電源装置をLEDランプ自体に組み込む構成としてもよい。そして、本発明の電源装置を用いることで、蛍光灯用の照明装置を用いても、LEDランプ8を効率のよい動作モードで点灯駆動することが可能である。
さらに上述の実施形態では、電源装置が電力を供給する負荷としてLEDランプを挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、直流で駆動する負荷を広く採用することが可能である。
(第5実施形態)
本発明にかかる電源装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。図9は本発明にかかる電源装置のさらに他の例の回路図である。図9に示す電源装置Dはコイル2の出力電流を検出する出力電流検出部9を備えている以外は、図1に示す電源装置Aと同じ構成を有している。そのため、図9の電源装置Dでは、電源装置Aと同じ部分に同じ符号を付すとともに、電源装置Dの電源装置Aと実質同じ部分の詳細な説明は省略する。
本発明にかかる電源装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。図9は本発明にかかる電源装置のさらに他の例の回路図である。図9に示す電源装置Dはコイル2の出力電流を検出する出力電流検出部9を備えている以外は、図1に示す電源装置Aと同じ構成を有している。そのため、図9の電源装置Dでは、電源装置Aと同じ部分に同じ符号を付すとともに、電源装置Dの電源装置Aと実質同じ部分の詳細な説明は省略する。
図9に示すように、電源装置Dは第2端子O2と、AC/DCコンバータCvの負極端子との間の配線に配置された出力電流検出部9を備えている。出力電流検出部9は、電流検出用の抵抗91と、出力配線92とを備えている。出力配線92は一方の端部が配線に接続されているとともに、他方の端部が制御部6に接続されており、制御部6は出力配線92から出力電流値を取得している。
電源装置Dの制御部6は、電源装置Aと同様、出力電圧Voutを参照しつつ、LEDランプ8を定電流駆動するように、すなわち、供給電流Ioutが一定になるように、スイッチング素子1をスイッチング制御している。
電源装置では、LEDランプ8を点灯させるとき、コイル2の温度が変化(上昇)する。コイル2のインダクタンスは、温度変化(温度上昇)に伴って変化する場合がある。スイッチング素子1のON時間Tonは、制御部6は、ピーク電流Ipeakとコイル2のインダクタンスによって決定されている。そのため、コイル2のインダクタンスが変化すると、供給電流Ioutがばらつく場合がある。
そこで、電源装置Dでは制御部6が次のようにスイッチング素子1を制御することでコイル2のインダクタンスの変化に対応している。すなわち、制御部6は、出力電圧検出部5で検出されたコイル2の出力電圧Voutに基づいてスイッチング素子1の動作周期を決定する。また、制御部6は、決定した動作周期と、出力電流検出部で検出された出力電流値とに基づいてスイッチング素子1のON時間Tonを決定する。
このように、制御部6がON時間Tonを決定するとき、出力電流値を用いることで、コイル2のインダクタンスが変化しても、一定の供給電流IoutをLEDランプ8に供給することが可能である。また、駆動時の動作モードを効率のよいモードとすることができるので、効率よくLEDランプ8を点灯させることが可能である。なお、本実施形態では、コイル2のインダクタンスの変化を挙げているが、実際に流れる電流値を検出しているので、これ以外の素子がばらついた場合でも、定電流の供給電流を供給することができる。
なお抵抗91と出力配線92の位置は図9に限定されるものではなく、コイルの出力電流を検出できる位置ならばどこに配置してもよい。例えば、コイル2の横に配置してもよく(図10参照)、LEDランプ8と直列に配置してもよい(図11参照)。図9、図10はコイル2のピーク電流Ipeakを検出し制御でき、図11は供給電流Ioutを検出する。ピーク電流Ipeakを検出し制御する場合でも前述のように供給電流Ioutを、ピーク電流Ipeakと動作周期とコイル2が電流を出力している時間から制御できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
直流の電力を負荷に供給する電源装置Aであって、スイッチング素子1と、スイッチング素子1のオンオフの切替えによって出力電流が変動するコイル2と、コイルの出力電流を平滑化するコンデンサ3と、コイル2の出力電圧を検出する出力電圧検出部5と、スイッチング素子1の動作を制御する制御部6とを備え、制御部6が、出力電圧検出部5からのコイル2の出力電圧Voutに基づいて、コンデンサ3で平滑化された供給電流Ioutが予め決められた電流値となるようにスイッチング素子1の動作周期と、ON時間とを決定することを特徴とする。
このような電源装置によると、出力電圧Voutを検出し、その出力電圧Voutに基づいて、スイッチング素子1の動作周期及びON時間を決定するため、負荷の消費電力が変動しても、損失が少ない(効率のよい)動作モードで動作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、コイル2に入力する電力の電圧を検出する入力電圧検出部5Bをさらに備え、制御部6が、出力電圧Vout及び入力電圧Vinに基づいて、スイッチング素子1の動作周期と、ON時間とを決定するものとしてもよい。
このような電源装置によると、入力電圧Vinのばらつきを検出することができ、入力電圧Vinがばらついても、損失が少ない(効率のよい)動作モードで動作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、制御部6が、スイッチング素子1の動作周期の中に、コイル2から出力される電流が停止する期間を備えるように、スイッチング素子1の動作周期と、ON時間とを決定するものとしてもよい。
このような電源装置によると、制御部6がスイッチング素子1を負荷の消費電力にかかわらず、不連続モードで駆動する。これにより、消費電力が小さい負荷が接続されている場合、損失が少ない(効率のよい)動作モードで動作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、制御部6が、スイッチング素子1の動作周期における、コイル2から電流が出力している期間と、電流の出力が停止している期間との和(Ta+Tb)が一定となるように、スイッチング素子2のON時間を決定するようにしてもよい。
このような電源装置によると、制御部6が和(Ta+Tb)を一定となるようにしているので、スイッチング周波数の増大を抑制し、損失が少ない(効率のよい)動作モードで操作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、制御部6が、コイル2から出力される電流が停止する期間の長さを変更することで、供給電流Ioutの電流値を調整するようにしてもよい。
このような電源装置によると、制御部6で算出されたON時間が、スイッチング素子むけて発信される駆動信号のパルス幅の最小値よりも小さいときでも、駆動モードを変えることなく、供給電流Ioutを調整することができ、損失が少ない(効率のよい)動作モードで操作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、コイル2の温度を測定する温度測定部21をさらに備え、制御部6は、コイル2の温度に基づいて、コイル2のインダクタンスを修正するようにしてもよい。
このような電源装置によると、コイル2の温度変化によるインダクタンスの変化を修正することで、駆動モードを変えることなく、供給電流Ioutを調整することができ、損失が少ない(効率のよい)動作モードで操作することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、スイッチング素子1及びコイル2とは、電力源と前記負荷との間に直列に接続されていてもよい。
このような電源装置によると、電源装置A(B、C)は、電力源より供給された電力の電圧を下げて負荷に供給することが可能である。
本発明にかかる電源装置において、交流を直流に整流する整流回路Cvを備えており、整流回路Cvの出力の電圧を変換して負荷に供給するようにしてもよい。
このような電源装置によると、供給される電力が交流であっても、直流の負荷を動作させることが可能である。
直流の電力を負荷に供給する電源装置であって、スイッチング素子と、スイッチング素子のオンオフの切替えによって出力電流が変動するコイルと、コイルの出力電流を平滑化するコンデンサと、コイルの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、コイルの出力電流を検出する出力電流検出部と、スイッチング素子の動作を制御する制御部とを備え、制御部が、コンデンサで平滑化された供給電流が予め決められた電流値となるように、出力電圧検出部で検出されたコイルの出力電圧値に基づいてスイッチング素子の動作周期を決定し、かつ、出力電流検出部で検出されたコイルの出力電流値および動作周期に基づいてスイッチング素子のON時間を決定することを特徴とする。
このような電源装置によると、動作モードを維持でき、コイルのインダクタンスばらつきや温度変化の影響を受けにくく、定電流駆動が可能である。
本発明は、直流で動作(点灯)する負荷(LEDランプ)等に電力を供給するための電源装置として好適である。
A、B、C 電源装置
1 スイッチング素子
2 コイル
21 温度検出部
3 コンデンサ
4 ダイオード
5 出力電圧検出部
6 制御部
61 メモリ
7 スイッチングドライバ
8 LEDランプ
81 LED
1 スイッチング素子
2 コイル
21 温度検出部
3 コンデンサ
4 ダイオード
5 出力電圧検出部
6 制御部
61 メモリ
7 スイッチングドライバ
8 LEDランプ
81 LED
Claims (5)
- 直流の電力を負荷に供給する電源装置であって、
スイッチング素子と、
前記スイッチング素子のオンオフの切替えによって出力電流が変動するコイルと、
前記コイルの出力電流を平滑化するコンデンサと、
前記コイルの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
前記スイッチング素子の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部が、前記出力電圧検出部で検出された前記コイルの出力電圧値に基づいて、前記コンデンサで平滑化された供給電流が予め決められた電流値となるように前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定することを特徴とする電源装置。 - 前記コイルに入力する電力の入力電圧値を検出する入力電圧検出部をさらに備え、
前記制御部が、前記出力電圧値及び前記入力電圧値に基づいて、前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定する請求項1に記載の電源装置。 - 前記制御部は、前記スイッチング素子の動作周期の中に、前記コイルから出力される電流が停止する期間を備えるように、前記スイッチング素子の動作周期と、ON時間とを決定する請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
- 前記制御部は、前記スイッチング素子の動作周期における、前記コイルから電流が出力している期間と、電流の出力が停止している期間との和が一定となるように、前記スイッチング素子のON時間を決定する請求項3に記載の電源装置。
- 前記制御部は、前記コイルから出力される電流が停止する期間の長さを変更することで、前記供給電流の電流値を調整する請求項3に記載の電源装置。
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