JP2014131199A - アンテナアレイ装置及び異常組織検出装置 - Google Patents

アンテナアレイ装置及び異常組織検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができるアンテナアレイ装置及び異常組織検出装置を提供する。
【解決手段】アンテナアレイ13は、マイクロ波のインパルス信号を送受信する複数のアンテナA(k=1〜16)の配列を有する。アンテナアレイ13は、一のアンテナAと他のアンテナAとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナ(A、A)の組み合わせでのマイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。アンテナアレイ13では、各アンテナAとインピーダンスが等価となる複数のダミーのアンテナB〜B20がさらに設けられている。複数のダミーのアンテナB〜B20は、複数のアンテナAの周囲に配列されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、アンテナアレイ装置及び異常組織検出装置に関する。
癌の診断は、例えば、X線マンモグラフィや核磁気共鳴装置(MRI(Magnetic Resonance Imaging))により対象部位の画像を撮像し、撮像した画像を分析することにより行われるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、X線マンモグラフィでは、X線の生体への悪影響が懸念されるうえ、X線マンモグラフィ装置、MRI装置は、小型化が困難である。さらに、これらの装置を用いて診断を行うためには、専門機関での受診が必須になる。
そこで、X線マンモグラフィ装置やMRI装置を用いずに、簡易な構成で簡単に異常組織を検出することが可能な異常組織検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この異常組織検出装置には、マトリクス状に配置されたアンテナアレイが設けられている。この異常組織検出装置は、アンテナアレイの一のアンテナから生体にマイクロ波(インパルス電磁波)を放射し、アンテナアレイの他のアンテナで、放射したマイクロ波の反射波を受信する。この異常組織検出装置は、マイクロ波を送信するアンテナと、マイクロ波を受信するアンテナとの組み合わせを変えながら、マイクロ波の送受信を行い、各アンテナの組み合わせで得られた複数の受信信号に基づいて、生体内の異常組織を検出する。
特表2007−071873号公報 特開2010−69158号公報
上記特許文献1に開示された異常組織検出装置において生体内の異常組織を精度良く検出するためには、送受信を行うアンテナの組み合わせが変わっても、両アンテナの相対距離が同一であり、かつ、生体に異常組織がないのであれば、同じ受信信号を受信できるようになっている必要がある。アンテナの組み合わせが変わるだけで受信信号が変わってしまうのであれば、信号変動が極めて小さい生体内の異常組織を示す信号成分を検出するのが困難になるからである。
しかしながら、送受信を行うアンテナの組み合わせによって、受信信号が異なる場合がある。図22には、3つの送受信を行うアンテナの組み合わせの受信信号の時間変動パターンがそれぞれ示されている。図22に示すように、3つの受信信号はそれぞれ異なる。この受信信号の違いは、送受信用のアンテナがアンテナアレイの外周側にあるのか内周側にあるのかなど、各アンテナの周囲の環境の違いによって生じるものである。周囲が他のアンテナで囲まれているアンテナでは周囲のアンテナからの電波のしみだしの影響を強く受け、周縁にあるアンテナでは、周囲のアンテナからの電波のしみだしの影響が弱くなる。例えば、このような影響の違いが受信信号の違いとなって現れるものと考えられている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができるアンテナアレイ装置及び異常組織検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアンテナアレイ装置は、マイクロ波のインパルス信号を送受信する複数のアンテナの配列を有するアンテナアレイと、前記複数のアンテナの中から、前記マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナと、前記一のアンテナから送信されたインパルス信号を受信する他のアンテナとから成る送受信用のアンテナの組み合わせを選択する選択部と、前記選択部を制御して、前記送受信用のアンテナの組み合わせを変えながら、前記マイクロ波のインパルス信号を送受信し、前記他のアンテナで受信された前記マイクロ波のインパルス信号に対する信号処理を行う信号処理部と、を備え、前記アンテナアレイは、前記一のアンテナと前記他のアンテナとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナの組み合わせでの前記マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。
この場合、前記アンテナアレイでは、前記各アンテナとインピーダンスが等価となる複数のダミーのアンテナがさらに設けられ、前記複数のダミーのアンテナは、前記複数のアンテナの周囲に配列されている、こととしてもよい。
また、前記アンテナアレイでは、前記各アンテナが所定の距離だけ離隔して配列されている、こととしてもよい。
この場合、前記アンテナアレイでは、前記各アンテナが、千鳥足状に配列されている、こととしてもよい。
また、前記アンテナアレイでは、前記各アンテナの間にマイクロ波を吸収する吸収体が挿入されている、こととしてもよい。
この場合、前記アンテナアレイと生体との間に、インピーダンス整合層を有し、
前記インピーダンス整合層の実効誘電率が皮膚組織と脂肪組織の間の値をとり、
前記インピーダンス整合層の厚さが、前記インパルス信号の幅に実効位相速度をかけた値より小さく、実効位相速度の1/2をかけた値より大きい、こととしてもよい。
また、前記各アンテナと前記選択部との間で送受信用の信号を伝送する線路として、マイクロストリップ伝送線路が設けられている、こととしてもよい。
前記アンテナの組み合わせは、アンテナ間の相対距離を同じくする2組の送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせであり、前記信号処理部は、第1の組の前記一のアンテナから送信した前記インパルス信号を第1の組の前記他のアンテナで受信して得られる信号から、第2の組の送信アンテナから送信した前記インパルス信号を前記第2の組の他のアンテナで受信して得られる信号を引き算する、こととしてもよい。
また、前記信号処理部は、前記一のアンテナと前記他のアンテナとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナの全ての組み合わせについて、前記アンテナアレイ装置で取得された複数の前記マイクロ波のインパルス信号の平均信号パターンを基準信号として算出し、前記基準信号と前記アンテナアレイ装置のアンテナアレイの各アンテナで受信された前記マイクロ波のインパルス信号との違いに基づいて、前記生体内の異常組織を検出する、こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る異常組織検出装置は、本発明のアンテナアレイ装置を備える。
本発明によれば、マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナとインパルス信号を受信する他のアンテナとの相対距離が同じである送受信用のアンテナの組み合わせでは、マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。これにより、各アンテナでの受信信号を同じとすることができるので、受信された複数の受信信号に基づいて、生体内の異常組織を精度良く検出することができる。この結果、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができる。
癌組織を検出する手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る癌検出装置の斜視図である。 図2の癌検出装置の内部構造を示す模式図である。 図3のアンテナアレイにおける各アンテナの配列を示す図である。 図3のアンテナアレイが生体にセットされた様子を示す図である。 散乱パラメータの周波数特性を示すグラフである。 散乱パラメータの周波数特性を示すグラフである。 誘電膜が2層構成となっている癌検出装置の内部構造を示す図である。 誘電膜が2層構成となっている場合の散乱パラメータの周波数特性の一例を示す図である。 誘電膜が2層構成となっている場合の散乱パラメータの周波数特性の一例を示す図である。 幾つかのアンテナの組み合わせで受信された受信信号の一例を示すグラフである。 アンテナアレイのマトリックス座標を示す図である。 図11(A)は、受信アンテナで受信される信号を示すグラフである。図11(B)は、受信アンテナで受信された信号の差分信号を示すグラフである。 図12(A)は、本発明の実施の形態3に係る癌検出装置の構成を示す図である。図12(B)は、癌検出装置による検出方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態4に係る癌検出装置のアンテナアレイにおける各アンテナの配列を示す図である。 幾つかのアンテナの組み合わせで受信された受信信号の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態5に係る癌検出装置のアンテナアレイにおける各アンテナの配列を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る癌検出装置のアンテナとアンテナに接続されたスイッチとを接続する回路図である。 本発明の実施の形態7に係る癌検出装置の本体の断面図である。 本発明の実施の形態8に係る癌検出装置の信号処理部の処理のフローチャートである。 アンテナの組み合わせと異常組織との位置関係を説明するための図である。 図20(A)及び図20(B)は、実際の臨床において、乳がんを検出するための、もうひとつの基準信号の作成方法を説明するための図である。 図21(A)及び図21(B)は、実際の臨床において、乳がんを検出するための、もうひとつの基準信号の作成方法を説明するためのグラフである。 従来の異常組織検出装置におけるアンテナの異なる組み合わせでの受信信号の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係るアンテナアレイ装置及び異常組織検出装置について、乳癌を検出する乳癌センサを例に、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、説明する。
まず、癌組織を検出する手法について図1を参照して説明する。
まず、図1に模式的に示すように、生体表面に複数のアンテナA〜Aを一定間隔で配置する。
続いて、アンテナAからマイクロ波のインパルス信号を放射する。放射されたマイクロ波の一部は、生体内に伝播する。一般に、癌組織CAは、通常の生体組織に比して、5〜10倍程度の高い誘電率を有することが知られている。したがって、癌組織CAが存在する場合には、誘電率の異なる領域の界面、即ち、癌組織CAの表面で、マイクロ波が反射され、アンテナA〜Aで受信される。
ここで、マイクロ波のインパルス信号を放射してからアンテナAが反射波を受信するまでの時間をT12[s]とすると、T12・c(c:生体中の光の速度)が、マイクロ波のインパルス信号の行程距離となる。
従って、癌組織CAは、アンテナAとAを焦点とし、アンテナAとAからの距離の和がT12・cとなる楕円E12上に位置することになる。
アンテナA〜Aが受信したマイクロ波についても同様の処理を行い、複数の楕円E12〜E14の交点を求めることにより、癌組織CAの位置を求めることができる。
さらに、送信用のアンテナをAに切替て、アンテナAからマイクロ波を放射し、これをアンテナA,A、Aで受信して、同様の処理を行う。以後、送信アンテナをA、Aに順次切替ながら、マイクロ波を放射し、他のアンテナで反射波を受信し、同様の処理を行うことにより、癌組織CAの位置をより正確に特定することが可能となる。
以下では、各アンテナAにおいて、送信用として選択されたアンテナをAとし、受信用として選択されたアンテナをAとする。
なお、上述の例では、理解を容易にするため、2次元で説明したが、実際は、3次元で上述の処理を行うことになる。
次に、このような手法を用いて、癌組織の有無及び位置を判別する癌検出装置10について、説明する。
癌検出装置10は、図2に示すように、本体11と、表示装置12とを備える。
本体11には、図3に示すように、アンテナアレイ13と、スイッチ回路14と、信号処理部15とが積層配置されている。
アンテナアレイ13では、図4に示すように、複数のアンテナA(k=1〜16)が4×4のマトリクス状に配列されている。図4は、アンテナアレイ13を生体側から見ている。このアンテナアレイ13の各アンテナA〜A16が、マイクロ波のインパルス信号を送受信する。
アンテナアレイ13は、一のアンテナAと他のアンテナAとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)でのマイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。
より具体的には、アンテナアレイ13では、複数のダミーのアンテナB〜B20がさらに設けられている。複数のダミーのアンテナB〜B20は、各アンテナA〜A16とインピーダンスが等価となる。例えば、各アンテナA〜A16とそのアンテナに接続するスイッチ回路14のCMOS回路を含む全体の回路のインピーダンスが50Ωであるとすれば、アンテナB〜B20を含む回路全体のインピーダンスも50Ωに設定される。
複数のダミーのアンテナB〜B20は、複数のアンテナA〜A16の周囲を囲むように配列されている。ダミーのアンテナB〜B20により、アンテナA〜A、A、A、A、A12、A13〜A16についても、アンテナA、A、A10、A11と同じように、四方がアンテナに囲まれた状態となる。
図3に戻り、選択部としてのスイッチ回路14は、半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチ回路である。スイッチ回路14は、アンテナアレイ13と信号処理部15との間に設けられている。スイッチ回路14は、信号処理部15の制御の下、送受信を行うアンテナ(A、A)の切替えを行う。より具体的には、スイッチ回路14は、複数のアンテナA〜A16のうちのマイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナAと、一のアンテナAから送信されたインパルス信号を受信する他のアンテナAとから成る送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)を選択する。
信号処理部15はコンピュータである。コンピュータはCPU(Central Processing Unit)及びメモリを有する。信号処理部15は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、その機能が実現される。
信号処理部15は、受信したマイクロ波の電気信号に基づいて、生体中の癌組織CAの有無を判別するための信号処理を行う。信号処理部15は、マイクロ波の送信信号をアンテナアレイ13に出力するとともに、そのマイクロ波の受信信号をアンテナアレイ13から入力する。また、信号処理部15は、スイッチ回路14を制御するための制御信号をスイッチ回路14に出力している。マイクロ波の送信信号、受信信号の入出力と、制御信号の出力とにより、信号処理部15は、アンテナアレイ13のいずれかのアンテナAから送信されるマイクロ波の電気信号を出力するとともに、アンテナアレイ13のいずれかのアンテナAで受信されたマイクロ波の電気信号を入力する。
信号処理部15は、スイッチ回路14を制御して、送受信用のアンテナAの組み合わせを変えながら、マイクロ波のインパルス信号を送受信し、他のアンテナAで受信されたマイクロ波のインパルス信号に対する信号処理を行う。
図5Aには、アンテナアレイ13が生体30にセットされる様子が示されている。図5Aに示すように、癌検出装置10では、アンテナアレイ13と生体30との間には、インピーダンス整合層としての誘電膜20が挿入されている。アンテナアレイ13は、誘電膜20及び生体30の皮膚31を介して、生体30の脂肪層32と接する。
伝送線路理論より、誘電率、真性インピーダンスをそれぞれε1、η1とする誘電体層1、誘電率、真性インピーダンスをそれぞれε2、η2とする誘電体層2、誘電率、真性インピーダンスをそれぞれε3、η3とする誘電体層3からなる多層構造があるとき、厚さdの誘電体層2における電波の波長をλ2、伝搬定数をβ2とすると、実効的な電波の反射係数Γeffは次式で表される。

ここで、d=λ2/4とすると、
のとき、

となり、反射が最小、透過が最大になる。このとき
であるため、

となり、誘電体層3と誘電体層1の真性インピーダンスが等しいとき、反射は無くなる。
ここで、2つの実施例1、2について考える。実施例1では、誘電体層1、誘電体層2、誘電体層3をそれぞれ、アンテナ基板(ε1=10)、インピーダンス整合層、皮膚(ε3=28)とする。周波数を10GHzとし、波長を3cmとすると、誘電体層2における波長λ2は、3cm/√(ε2)となる。インピーダンス整合層の誘電率は
となり、ε2=19が得られる。
実施例2では、誘電体層1、誘電体層2、誘電体層3をそれぞれ、インピーダンス整合層(e1)、皮膚(e2=28)、脂肪(e3=5.2)とする。周波数を10GHz、波長を3cmとすると、誘電体層2における波長λ2は3cm/√(ε2)となる。皮膚の誘電率は、
となり、ε1=150が得られる。
このように、誘電体の構造によって値が異なる。3次元電磁界シミュレーションを用いて最適値を求めた結果を、図5Bに示す。図5Bには、散乱パラメータ(反射係数S11及び透過係数S21)の周波数特性が示されており、上側の曲線が反射係数S11を示しており、下側の曲線が透過係数S21を示している。誘電膜20の誘電率に応じて、散乱パラメータ(反射係数S11及び透過係数S21)の周波数特性は大きく変化する。このように、誘電膜20をアンテナと皮膚との間に挿入することで、S11を−10dB以下にすることができる。このことは誘電膜20の界面で反射する電波の強さが−10dB以下、すなわち反射にともなって生じる定在波の最大最小の比が2以下に抑制できることを示している。一方、高周波側の透過係数S21は、電波が誘電膜20を透過する程度を示しており、誘電率を上げるとS21が下がるため、反射を最小にする散乱パラメータS11が広い帯域にわたって、−10dB以下になるインピーダンス整合層の最適誘電率はε2=20となる。このときのインピーダンス整合層の厚さは1mmである。ただし、このとき、皮膚の誘電率をε2=35で計算している。
このことから、誘電膜20の実効誘電率は、皮膚組織と脂肪組織の間の値をとることがわかる。これにより、アンテナAから発せられるマイクロ波のインパルス信号の伝送効率が向上する。皮膚の誘電率を28程度とし、脂肪組織の誘電率を5.2とすると、誘電膜20の実効誘電率を、例えば10〜20とすることができる。
また、インピーダンス整合層、すなわち誘電膜20の厚さは、直接波が受信された後に、腫瘍ターゲットからの散乱波が到着するようにし、受信信号間の干渉を無くする。このためには、インピーダンス整合層の厚さをt、送受信アンテナ間距離d、パルス幅をT、実効位相速度をνeffとすると、ピタゴラスの定理から、

を満足するtを求める。すなわち、インピーダンス整合層の厚さtはインパルス信号の幅に実効位相速度をかけた値の1/2より大きく、2倍より小さい範囲が適切である。あまり大きくすると、測定時間が長くなるため、適切ではない。
実施例として、例えば、T=100psとし、光速をc=3×108m/sとし、誘電膜20の誘電率を28として、実効位相速度を5.7×107m/sとすると、インピーダンス整合層の厚さtは3〜6mmの範囲が適切である。
図6には、散乱パラメータ(反射係数S11及び透過係数S21)の周波数特性が示されている。図6のグラフでは、上側の曲線が反射係数S11を示しており、下側の曲線が透過係数S21を示している。図6に示すように、誘電膜20の厚さに応じて、散乱パラメータ(反射係数S11及び透過係数S21)の周波数特性は大きく変化する。
11は、反射の度合いを示すパラメータであるから、できるだけ小さいほうがよい。ひとつの目安として、反射にともなって生じる定在波の大きさである定在波比2以下を基準とする。これをデシベル表示すると、−10dBとなり、これ以下であれば反射が小さいといえる。この観点から図6の上の方のデータを見ると、d=1mmの場合、3〜10GHzの帯域すべてにおいて、−10dB以下であるから、良好な特性と判断できる。
一方、図6の下の方の曲線は、透過係数S21を表しており、膜厚が厚くなると、S21が大きくなっている。これは減衰が少なく、信号が伝送しやすいことを表しており、好ましいことではあるが、上述のS11が悪化しており、ほとんど信号は伝送されないので、厚い膜は採用できない。このことからも、d=1mmが最適と判断される。
このように、誘電膜20をアンテナと皮膚との間に挿入することで高周波側の透過係数S21が改善されているが、誘電膜20の厚みdが5mm以上になると、ほとんどの周波数範囲で反射していることがわかる。
なお、図7に示すように、誘電膜20は、誘電膜20Aと誘電膜20Bの2層構成であってもよい。誘電膜を2層にすると、散乱パラメータ(反射係数S11及び透過係数S21)の周波数特性は、さらに良好なものになる。
ここで、実施例1として、誘電率10.2の誘電膜20Aと誘電率38の誘電膜20Bを用いてインピーダンス整合層を形成する場合を考える。この場合、アンテナアレイ13の誘電率が10.2であることから、誘電膜20Aの誘電率を、これに合わせる。また、皮膚31の誘電率が28であるので、それに近い物質の38の誘電率を選択する。このとき、膜厚を最適化することにより整合条件を見つける。
図8Aに示すように、誘電膜20Aの膜厚が1mm、誘電膜20Bの膜厚が4mmのときに、S11が3.9〜11GHzの帯域で−10dB以下となる反射の少ない条件を得ることができる。このとき、透過係数S21も帯域を確保している。
インピーダンス整合層を2層にすることで、最適化の自由度を向上することができ、その時の構造はアンテナ基板に接する側の誘電率εAはアンテナ基板に近い値を、皮膚に接する側の誘電率εBは皮膚に近い誘電率を選択する。このときの平均的な値は

となり、インピーダンス整合層の実効的な誘電率は皮膚と脂肪の値の間の値となる。
実施例2として、図8Bに、2層構造の全膜厚が10mmの場合について、シミュレーションした結果を示す。誘電膜20Aの膜厚が1mm、誘電膜20Bの膜厚が9mmのときに、S11が4〜11GHzの帯域で−10dB以下となる反射の少ない条件を得ることができる。
図9には、幾つかのアンテナの組み合わせで受信された受信信号の一例が示されている。このグラフには、アンテナAを送信用のアンテナAとし、アンテナAを受信用のアンテナAとした場合の受信信号Tx1_Rx5と、アンテナAを送信用のアンテナAとし、アンテナA11を受信用のアンテナAとした場合の受信信号Tx7_Rx11と、アンテナA11を送信用のアンテナAとし、アンテナA15を受信用のアンテナAとした場合の受信信号Tx11_Rx15と、が示されている。図9に示すように、受信信号Tx1_Rx5と、受信信号Tx7_Rx11と、受信信号Tx11_Rx15とは、構造対称性から、信号波形が良く一致している。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナAとインパルス信号を受信する他のアンテナAとの相対距離が同じである送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)では、マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。これにより、図9に示すように、各アンテナAでの受信信号を同じとすることができるので、受信された複数の受信信号に基づいて、生体内の癌組織CAを精度良く検出することができる。この結果、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、説明する。
本実施の形態では、アンテナアレイ13における各アンテナAk、ダミーのアンテナB〜B20の配列が、上記実施の形態1と同じである。
この実施の形態では、送受信アンテナの組み合わせは、アンテナ間の相対距離を同じくする2組の送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせである。例えば、アンテナAkのマトリックス座標を、図10に示すように、(1,1)〜(4,4)とする。
ここで、生体表面に一定間隔で行・列のマトリクス状に配置された複数のアンテナについて、例えば、マトリクス座標(1,1)、(3,1)に対応する送信、受信アンテナの組み合わせを第1の組とし、マトリクス座標(1,2)、(3,2)に対応する送信、受信アンテナの組み合わせを第2の組とする。
信号処理部15は、第1の組の送信アンテナ(A1(1,1))から送信したインパルス信号を第1の組の受信アンテナ(A9(3,1))で受信して得られる信号から、第2の組の送信アンテナ(A2(1,2))から送信したインパルス信号を第2の組の受信アンテナ(A10(3,2))で受信して得られる信号を引き算する。
図11(A)に示すように、送信アンテナ(A1(1,1))から受信アンテナ(A9(3,1))に至る直接波は、送信アンテナ(A2(1,2))から受信アンテナ(A10(3,2))に至る直接波とほぼ同一である。このため、引き算により得られる信号は、腫瘍ターゲットで散乱された成分だけからなる信号(図11(B)参照)となる。信号処理部15は、これを用いて共焦点画像処理を行って、ターゲット位置を計算する。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、説明する。
図12(A)には、本実施の形態2に係る癌検出装置10の本体11の内部構造が示されている。図12(A)に示すように、癌検出装置10は、加速度センサ17をさらに備えている。また、アンテナアレイ13が形成される平面をXY平面とする。
図12(B)に示すように、癌検出装置10では、本体11をX軸方向、Y軸方向にΔX、ΔYずつずらしながら、皮膚の上に接触させて複数回検出が行われる。これによって、案手難の数を見かけ上増やして解像度を上げることができる。加速度センサ17は、各アンテナAkの位置を検出するためのセンサとして用いられる。信号処理部15は、加速度センサ17の出力により、検出時の各アンテナAkの位置を算出する。このようにすれば、検出の度に、ターゲットTAと各アンテナとの位置関係を変えて、実質的に、測定点の数を増やすことができる。これにより、検出精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、加速度センサ17に限らず、各アンテナAkの位置を検出するためのセンサであれば、任意のセンサを用いることもできる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、説明する。
本実施の形態では、アンテナアレイ13における各アンテナAの配列が、上記実施の形態1と異なる。また、アンテナアレイ13には、ダミーのアンテナB〜B20は設けられていない。
図13には、アンテナアレイ13におけるアンテナA(k=1〜16)の配列が示されている。図13に示すように、このアンテナアレイ13では、各アンテナAが所定の距離だけ離隔して配置されている。各アンテナAの間隔は、縦がamm(例えば10mm程度)であり、横がbmm(例えば6mm程度)であるが、本発明はこの間隔に限定されない。
より具体的には、このアンテナアレイ13では、各アンテナAが、千鳥足状に配置されている。このようにすれば、アンテナアレイ13における各アンテナAの間隔をさらに広げ、隣接するアンテナAからの電波のしみだしの影響を最小限に留めることができる。
図14には、幾つかのアンテナの組み合わせで受信された受信信号の一例が示されている。このグラフでも、アンテナAを送信用アンテナとし、アンテナAを受信用アンテナとした場合の受信信号Tx1_Rx5と、アンテナAを送信用アンテナとし、アンテナA11を受信用アンテナとした場合の受信信号Tx7_Rx11と、アンテナA11を送信用アンテナとし、アンテナA15を受信用アンテナとした場合の受信信号Tx11_Rx15と、が示されている。図14に示すように、受信信号Tx1_Rx5と、受信信号Tx7_Rx11と、受信信号Tx11_Rx15とは、良く一致している。
このように、本実施の形態でも、マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナAとインパルス信号を受信する他のアンテナAの相対距離が同じ送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)では、隣接するアンテナAを離隔することにより、マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。これにより、図8に示すように、癌組織CAがない状態での各アンテナAでの受信信号を同じとすることができるので、その受信信号から、生体30内の癌組織CAを精度良く検出することができる。この結果、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について、説明する。
本実施の形態では、アンテナアレイ13における各アンテナAの配列が、上記実施の形態1と異なる。また、アンテナアレイ13には、ダミーのアンテナB〜B20は設けられていない。
なお、図15に示すように、アンテナアレイ13では、各アンテナA〜A16の間に吸収体40が挿入されている。このような吸収体40としては、例えばフェライトの薄膜を用いることができる。このようにすれば、各アンテナAからの電波のしみだしは、吸収体40によって吸収され、各アンテナで受信される受信信号への影響を最小限に留めることができる。
このように、本実施の形態でも、マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナAとインパルス信号を受信する他のアンテナAnの相対距離が同じ送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)では、隣接するアンテナA間に吸収体40を挿入することにより、マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。これにより、癌組織CAがない状態での各アンテナAでの受信信号を同じとすることができるので、その受信信号から、生体30内の癌組織CAを精度良く検出することができる。この結果、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について、説明する。
図16には、アンテナAと、アンテナAに接続されたスイッチ回路14のスイッチ70とを接続する回路構成が示されている。図16に示すように、各アンテナAとスイッチ70との間で信号を伝送する伝送線路60が設けられている。伝送線路60は、インピーダンスが所定値以上となっている。伝送線路60は、十分に高インピーダンスとなっている。これにより、スイッチ70がオンとなっていてもオフとなっていても、アンテナAにおけるインピーダンスはほぼ一定であるとみなすことができる。
このように、本実施の形態でも、マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナAとインパルス信号を受信する他のアンテナAの相対距離が同じ送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)では、アンテナAとスイッチ70との間を高インピーダンスな伝送線路60で接続して、アンテナAのインピーダンスを安定させることにより、各アンテナAでマイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。これにより、癌組織CAがない状態での各アンテナAでの受信信号を同じとすることができるので、その受信信号から、生体30内の癌組織CAを精度良く検出することができる。この結果、マイクロ波のインパルス信号の受信効率を向上することができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について、説明する。
図17には、本実施の形態に係る本体11の断面が示されている。図17に示すように、本実施の形態では、アンテナアレイ13と、スイッチ回路14との間にアンテナアレイ13をカバーする吸収体膜16がさらに形成されている。吸収体膜16は、例えばフェライトである。
この吸収体膜16により、アンテナAから発せられたマイクロ波が、スイッチ回路14を流れる信号に混入するのを防止することができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について、説明する。
本実施の形態では、信号処理部15における生体の癌組織CAの検出方法について説明する。
図18には、信号処理部15の処理の流れが示されている。図18に示すように、まず、信号処理部15は、相対距離が同じ送受信用のアンテナの全ての組み合わせ(A、A)でマイクロ波のインパルス信号を送受信し、受信信号をそれぞれ取得する(ステップS1)。
続いて、信号処理部15は、取得した複数の受信信号の平均信号パターンを基準信号として算出する(ステップS2)。
図19に示すように、相対距離が同じ送受信用のアンテナの組み合わせ(A、A)として、(A、A)、(A、A10)、(A、A)などと相対距離が同じアンテナAの組み合わせ(A、A)では、癌組織CAがなければ、受信信号のパターンは同じになる。
また、生体30には、受信信号を変化させる癌組織CAが含まれている場合がある。癌組織CAがあると、各アンテナAで受信される受信信号の信号パターンは変化する。各アンテナAで受信される受信信号が、癌組織CAによってどのように変化するかは、アンテナAと癌組織CAとの位置関係によって決まる。例えば、アンテナAを送信用とし、アンテナAを受信用とした場合の受信信号における癌組織CAの成分の出現位置と、アンテナAを送信用としアンテナA10を受信用とした場合の受信信号における癌組織CAの成分の出現位置とは、それぞれ異なっている。
このように、各アンテナAで受信される受信信号における癌組織CAの成分の出現位置はそれぞれ異なるため、各アンテナAで受信された受信信号の平均をとれば、受信信号から、癌組織CAの成分を抑圧することができる。本実施の形態では、癌組織CAの成分が抑圧され、かつ、生体30を用いて実際に測定された受信信号を基準信号として、癌組織CAの成分を検出する。
図18に戻り、続いて、信号処理部15は、基準信号とアンテナアレイ13の各アンテナAで受信されたマイクロ波のインパルス信号との違いに基づいて、生体30内の癌組織CAを検出する(ステップS3)。ステップS3終了後、信号処理部15は、処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、相対距離が同じ各アンテナAの組み合わせでそれぞれ受信される受信信号の平均パターンを基準とする。このようにすれば、生体30内に癌組織CAが有ると無いとに関わらず、その生体30で観測される癌組織CAがなく、かつ、生体30の特性に沿った受信信号の信号パターンを実質的に得ることができる。この結果、癌組織CAを高精度に検出することができる。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9について、説明する。
図20、図21を参照して、実際の臨床において、乳がんを検出するための、もうひとつの基準信号の作成方法について説明する。図19又は図10において、相対距離が同じ送受信用のアンテナの組み合わせとして、(A、A)、(A、A10)、(A、A11)などのように、相対距離が同じアンテナAの組み合わせ(A、A)があるとする。例えば、(A、A)と(A、A10)の組み合わせで、図20(A)、図20(B)に示すように、一方の組み合わせが、乳がんターゲットが真ん中にあり、もう一方の組み合わせがd=11.6mmだけ離れていた場合、それぞれ受信された受信波形の差分(図21(A)参照)をとると、直接波は、構造対称性から等しいため消滅する。よって、乳がんターゲットに散乱されて遅れた信号だけが位置関係の違いから差分信号(図21(B)参照)として残る。これによって、平均化しなくても、2組の受信信号の差分によって、散乱信号だけを作ることができる。この方式は、基準信号を平均ではなく、差分で形成するために、コモンノイズを抑制することができ、信号雑音比が向上できる。2組4個の送受信アンテナの組み合わせをアンテナアレイについて行い、その差分信号を用いて、共焦点画像することにより、比較的簡単なアルゴリズムでイメージングできる。
上記各実施の形態では、アンテナの数を16個としたが、本発明はこれには限られず、アンテナの数は任意でよい。
本発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、乳癌センサなどに用いられるアンテナアレイ装置に好適である。また、本発明は、乳癌センサに限らず、他の腫瘍等、生体内の誘電率の異なる領域の検出・判別に応用可能である。
10 癌検出装置
11 本体
12 表示装置
13 アンテナアレイ
14 スイッチ回路
15 信号処理部
16 吸収体膜
17 加速度センサ
20、20A、20B 誘電膜
30 生体
31 皮膚
32 脂肪層
40 吸収体
60 伝送線路
70 スイッチ

Claims (10)

  1. マイクロ波のインパルス信号を送受信する複数のアンテナの配列を有するアンテナアレイと、
    前記複数のアンテナの中から、前記マイクロ波のインパルス信号を送信する一のアンテナと、前記一のアンテナから送信されたインパルス信号を受信する他のアンテナとから成る送受信用のアンテナの組み合わせを選択する選択部と、
    前記選択部を制御して、前記送受信用のアンテナの組み合わせを変えながら、前記マイクロ波のインパルス信号を送受信し、前記他のアンテナで受信された前記マイクロ波のインパルス信号に対する信号処理を行う信号処理部と、
    を備え、
    前記アンテナアレイは、
    前記一のアンテナと前記他のアンテナとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナの組み合わせでの前記マイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている、
    アンテナアレイ装置。
  2. 前記アンテナアレイでは、
    前記各アンテナとインピーダンスが等価となる複数のダミーのアンテナがさらに設けられ、
    前記複数のダミーのアンテナは、前記複数のアンテナの周囲に配列されている、
    請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
  3. 前記アンテナアレイでは、
    前記各アンテナが所定の距離だけ離隔して配列されている、
    請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
  4. 前記アンテナアレイでは、
    前記各アンテナが、千鳥足状に配列されている、
    請求項3に記載のアンテナアレイ装置。
  5. 前記アンテナアレイでは、
    前記各アンテナの間にマイクロ波を吸収する吸収体が挿入されている、
    請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
  6. 前記アンテナアレイと生体との間に、インピーダンス整合層を有し、
    前記インピーダンス整合層の実効誘電率が皮膚組織と脂肪組織の間の値をとり、
    前記インピーダンス整合層の厚さが、前記インパルス信号の幅に実効位相速度をかけた値より小さく、実効位相速度の1/2をかけた値より大きい、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナアレイ装置。
  7. 前記各アンテナと前記選択部との間で送受信用の信号を伝送する線路として、マイクロストリップ伝送線路が設けられている、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナアレイ装置。
  8. 前記アンテナの組み合わせは、アンテナ間の相対距離を同じくする2組の送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせであり、前記信号処理部は、第1の組の前記一のアンテナから送信した前記インパルス信号を第1の組の前記他のアンテナで受信して得られる信号から、第2の組の送信アンテナから送信した前記インパルス信号を前記第2の組の他のアンテナで受信して得られる信号を引き算する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアンテナアレイ装置。
  9. 前記信号処理部は、
    前記一のアンテナと前記他のアンテナとの相対距離が同じとなる送受信用のアンテナの全ての組み合わせについて、前記アンテナアレイ装置で取得された複数の前記マイクロ波のインパルス信号の平均信号パターンを基準信号として算出し、
    前記基準信号と前記アンテナアレイ装置のアンテナアレイの各アンテナで受信された前記マイクロ波のインパルス信号との違いに基づいて、前記生体内の異常組織を検出する、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナアレイ装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアンテナアレイ装置を備える異常組織検出装置。
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