JP2014129054A - 車両用昇温装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エミッションを低減させるとともに、エンジンの燃費を向上させる。
【解決手段】電子制御ユニット10は、暖房要求があったときに、ヒータ要求熱量を算出する。ヒータ要求熱量を水加熱ヒータ8による熱量のみで満足させることができる場合は、水加熱ヒータ8のみで冷却水を加熱し、ヒータ要求熱量を水加熱ヒータ8による熱量のみで満足させることができない場合は、水加熱ヒータ8による熱量およびエンジン1の廃熱量で冷却水を加熱する。この場合、冷却水を加熱している場合におけるエンジン1の稼働時間を短くすることができる。したがって、エミッションを低減することができるとともに、エンジン1の燃費を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの廃熱および加熱手段を用いて媒体を昇温する車両用昇温装置に関するものである。
車両に設けられている車両用昇温装置は、エンジンの廃熱(排熱)で温められた冷却水(媒体)をヒータコアに導くことによりヒータコアを熱し、その熱せられたヒータコアに風を通すことによって温風を得ている。
また、エンジンの廃熱だけでなく、電気ヒータで冷却水を加熱するように構成された車両用昇温装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この車両用昇温装置では、暖房要求があったときに、暖房要求に応じた要求熱量を算出する。そして、算出した要求熱量に対してエンジンの廃熱量では不足する熱量を補うために、電気ヒータで冷却水を加熱する。
特開2010−23633号公報
上述したように、特許文献1に記載されている車両用昇温装置によれば、暖房要求に応じた要求熱量をエンジンの廃熱量で賄い、その廃熱量では足りない熱量を電気ヒータで補うように構成している。このような構成の場合、暖房しているときにエンジンが稼動している時間が長くなってしまい、エミッション(排気ガスなどの大気中に排出される大気汚染物質)を増加させてしまうおそれがあるとともに、エンジンの燃費を低下させてしまうおそれもある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、エミッションを低減させるとともに、エンジンの燃費を向上させる車両用昇温装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
本発明に係る車両用昇温装置は、エンジン(1)と、熱を伝達する媒体を加熱する加熱手段(8)と、媒体を所定の要求温度まで昇温するための要求熱量を算出する要求熱量算出手段(10)と、該要求熱量算出手段(10)により算出された要求熱量を加熱手段(8)による熱量のみで満たせるか否かを判定する熱量判定手段(10)と、該熱量判定手段(10)により要求熱量を加熱手段(8)による熱量のみで満たせると判定された場合は、加熱手段(8)のみで媒体を加熱する第1加熱制御を実行し、熱量判定手段(10)により要求熱量を加熱手段(8)による熱量のみで満たせないと判定された場合は、加熱手段(8)およびエンジン(1)の廃熱で媒体を加熱する第2加熱制御を実行する加熱制御手段(10)と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、要求熱量を加熱手段による熱量のみで満たせる場合は、第1加熱制御として加熱手段のみで媒体を加熱するので、媒体を加熱(昇温)している場合におけるエンジンの稼働時間を短くすることができる。したがって、エミッションを低減することができるとともに、エンジンの燃費を向上させることができる。
また、上記の車両用昇温装置では、車両の要求駆動力に応じてエンジン(1)を駆動する駆動制御手段(10)と、エンジン(1)の駆動に基づいて発生する廃熱量を算出する廃熱量算出手段(10)と、を備え、加熱制御手段(10)は、第2加熱制御を実行する場合、要求熱量に対して廃熱量算出手段(10)により算出された廃熱量で不足する熱量を加熱手段(8)による熱量で補うように構成されていてもよい。このような構成によれば、第2加熱制御としてエンジンの廃熱と加熱手段を用いて媒体を加熱するので、エンジンの燃焼エネルギーを効率良く利用して媒体の昇温を行うことができる。
また、上記の車両用昇温装置では、駆動制御手段(10)は、所定の変数に基づいて正味燃料消費率(BSFC)を推定し、推定した正味燃料消費率が最適な値となる最適駆動力をエンジン(1)の駆動力として設定するように構成されていてもよい。このような構成によれば、媒体を昇温しているときにおいても正味燃料消費率の最適化を図ることができ、エンジンの燃費効率の向上を図ることができる。
また、上記の車両用昇温装置では、エンジン(1)の駆動力を補助すると共にエンジン(1)の駆動力による発電が可能な電動機(4)と、電動機(4)と電力の授受を行う蓄電器(7)と、を備え、加熱手段(8)は、蓄電器(7)からの電力によって媒体を加熱し、駆動制御手段(10)は、最適駆動力が要求駆動力よりも大きい場合、最適駆動力と要求駆動力との差の駆動力に応じて電動機(4)による発電を行い、当該発電による電力を蓄電器(7)に充電し、最適駆動力が要求駆動力よりも小さい場合、要求駆動力と最適駆動力との差の駆動力を電動機(4)の駆動力により補助するように構成されていてもよい。このような構成によれば、発電電力を効率良く利用するための蓄電器の充放電制御の中に、加熱手段の使用電力の供給制御が統合されることになる。その結果、効率の良い発電電力の利用が可能となる。
また、上記の車両用昇温装置では、要求駆動力に基づいてエンジン(1)を駆動させるか否かを決定する駆動源決定手段(10)と、エンジン(1)が駆動しているか否かを判定するエンジン駆動判定手段(10)と、を備え、加熱制御手段(10)は、エンジン駆動判定手段(10)によりエンジン(1)が駆動していると判定されたときは、熱量判定手段(10)の判定結果にかかわらず、第2加熱制御を実行するように構成されていてもよい。このような構成によれば、エンジンが駆動している場合は、加熱手段の使用電力を抑制することができ、より一層、効率の良い発電電力の利用が可能となる。
また、上記の車両用昇温装置では、媒体は、エンジン(1)を冷却する媒体であり、加熱手段(8)のみ経由して媒体が循環する第1の循環経路(52、53、54、55)と、エンジン(1)および加熱手段(8)を経由して媒体が循環する第2の循環経路(51、52、53、54、56)と、第1の循環経路(52、53、54、55)と第2の循環経路(51、52、53、54、56)を切り替える切替手段(41)と、を備え、加熱制御手段(10)は、要求熱量を加熱手段(8)による熱量のみで満たせると判定された場合は、切替手段(41)を第1の循環経路(52、53、54、55)に切り替えて第1加熱制御を実行し、要求熱量を加熱手段(8)による熱量のみで満たせないと判定された場合は、切替手段(41)を第2の循環経路(51、52、53、54、56)に切り替えて第2加熱制御を実行するように構成されていてもよい。このような構成によれば、加熱制御手段による加熱制御に応じて循環経路を切り替えるので、循環経路を循環する媒体の加熱効率を向上させることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる車両用昇温装置によれば、媒体を加熱(昇温)しているときのエンジンの稼働時間が短くなる。したがって、エミッションを低減することができるとともに、エンジンの燃費を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の内部構成を示すブロック図である。 車両用昇温装置の一部の構成を示すブロック図である。 車両用昇温装置の暖房要求時の動作を説明するためのフローチャートである。 バッテリ残容量に応じた運転モードを示す図である。 ヒータからエンジン廃熱への熱源の切り替え時の条件を示すタイムチャートである。 ヒータ・エンジン協調制御の概略を説明するための波形図である。 ヒータ・エンジン協調制御の具体例を説明するためのタイムチャートである。 ヒータ・エンジン協調制御の具体例を説明するためのタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の内部構成を示すブロック図である。この実施の形態における車両は、駆動源としてのエンジン1を備えるとともに、発電を行うジェネレータ(発電機)2および駆動源としての電動機(以下、「モータ」と記す)4を備えたハイブリッド自動車の車両である。ジェネレータ2には、当該ジェネレータ2の駆動を制御するためのPDU(Power Drive Unit)3が一体化して配置され、電動機4にも、当該電動機4の駆動を制御するためのPDU5が一体化して配置されている。エンジン1とモータ4の回転駆動力は、動力の伝達を断続するためのクラッチや複数の歯車及び回転軸を備えた動力伝達機構11を介して駆動輪6に伝達される。
この実施の形態における車両は、さらに、バッテリ7と、水加熱ヒータ8と、DC−DCコンバータ9とを備える。ここで、バッテリ7は、ジェネレータ2が発電した電力を蓄電する蓄電器でありキャパシタを含む。また、水加熱ヒータ(HTR)8は、バッテリ7から供給される電力に基づいて発熱し、エンジン1の冷却水を加熱する電気ヒータである。DC−DCコンバータ9は、バッテリ7の電圧を変換し、変換した電圧を電子制御ユニット10、ランプ(図示せず)などの車両の補機負荷に対して供給する電圧変換装置である。
また、この実施の形態の車両は、車両の各部(エンジン1、PDU3,4、バッテリ7、水加熱ヒータ8、エアコンディショナーユニット(A/C)(以下、「エアコンユニット」と記す)20などを制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10を備える。電子制御ユニット10は、各種の運転条件に応じて、モータ4のみを動力源とするモータ単独走行(EV走行)をするように制御したり、エンジン1のみを動力源とするエンジン単独走行をするように制御したり、エンジン1とモータ4の両方を動力源として併用する協働走行(HEV走行)をするように制御する。また、電子制御ユニット10は、各種の制御パラメータに従って、後述する車両用昇温装置の暖房要求時の制御や、その他の各種の運転に必要な制御を行う。
また、電子制御ユニット10には、制御パラメータとして、各種センサ31〜37からの信号が入力される。具体的には、電子制御ユニット10には、車両の速度を検出する速度センサ31からの速度を示す信号、エンジン1を冷却する冷却水の温度を測定するエンジン水温センサ32からの測定温度を示す信号、ヒータコア20A(図2参照)入口の冷却水の温度を測定するヒータコア入口水温センサ33からの測定温度を示す信号、ヒータコア20A出口の冷却水の温度を測定するヒータコア出口センサ34からの測定温度を示す信号が入力される。また、電子制御ユニット10には、車両の室温(室内の温度)を測定する室温センサ35からの測定温度を示す信号、外気温(車両の外の温度)を測定する外気温センサ36からの測定温度を示す信号、燃料の消費量を検出する燃料消費量センサ37からの検出信号も入力される。なお、図1には示していないが、上記のセンサ31〜37以外にも、車両の走行に必要な制御パラメータを検出・測定するセンサも設けられている。
エアコンユニット(A/C)20は、車内の温度や湿度を調整する装置(冷暖房装置)である。エアコンユニット20における冷房システムは、既存の冷房システムと同様に、コンプレッサが冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒をコンデンサが凝縮し、凝縮した冷媒を減圧装置が減圧し、減圧した冷媒をエバポレータ(冷房用熱交換器)が蒸発気化させるシステムである。なお、エアコンユニット20におけるコンプレッサは、バッテリ7から供給される電力によって作動する電動コンプレッサとされている。したがって、コンプレッサは、エンジン1が停止しているときにも作動することが可能である。また、エアコンユニット20における暖房システムは、エンジン1の廃熱と水加熱ヒータ8による熱を利用して冷却水を昇温し、昇温した冷却水をヒータコア(暖房用熱交換器)に導くことによりヒータコアを熱し、その熱せられたヒータコアに送風機からの風を送ることにより温風を得る暖房システムである。
エンジン1は、燃料を空気と混合して燃焼することにより車両を走行させるための駆動力を発生する内燃機関エンジンである。モータ4は、エンジン1とモータ4との協働走行やモータ4のみのEV走行の際には、バッテリ7の電気エネルギーを利用して車両を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能する。ジェネレータ2は、車両の減速時に回生により電力を発電する発電機として機能する。ジェネレータ2の回生時には、バッテリ7は、ジェネレータ2により発電された電力(回生エネルギー)により充電される。
図2は、本発明の実施の形態に係る車両用昇温装置の一部の構成を示すブロック図である。なお、車両用昇温装置は、図2に示す構成の他に、電子制御ユニット10などの構成も含む。図2に示す車両用昇温装置は、エンジン1、電動三方弁41、電動ポンプ42、水加熱ヒータ8、およびヒータコア20Aが循環経路(配管)51〜56でそれぞれ接続され、循環経路51〜56を通じて冷却水が循環される。具体的には、図2に示すように、エンジン1には、エンジン1内の冷却水を循環させるウォーターポンプ(以下、「W/P」と記す)1aが設けられている。また、エンジン1と電動三方弁41とが循環経路51で接続され、電動三方弁41と水加熱ヒータ8とが循環経路52で接続されている。また、電動三方弁41と水加熱ヒータ8の間には、循環経路51〜56内の冷却水を循環させる電動ポンプ42が設けられている。また、水加熱ヒータ8とヒータコア20Aとが循環経路53で接続され、ヒータコア20Aと電動三方弁41とが循環経路54および循環経路55で接続され、ヒータコア20Aとエンジン1とが循環経路54および循環経路56で接続されている。
電動三方弁41は、循環経路51から循環経路52への冷却水の循環を可能とし、循環経路55から循環経路52への冷却水の循環を不可能とする状態(これを開状態という。)と、循環経路55から循環経路52への冷却水の循環を可能とし、循環経路51から循環経路52への冷却水の循環を不可能とする状態(これを閉状態という。)とに切り替える。図2に示すように、電動三方弁41が閉状態のときは、循環経路52〜55からなる水路(1)が形成され、電動三方弁41が開状態のときは、循環経路51〜54,56からなる水路(2)が形成される。電動三方弁41は、電子制御ユニット10からの指令信号に基づいて、開状態と閉状態とを切り替える制御を行う。この実施の形態では、水路(1)はエンジン1を経由しない分、水路(2)よりも循環経路の長さが短くなり、効率よく冷却水を循環させることができるとともに、冷却水の加熱効率も高い。
次に、上記車両用昇温装置の動作について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る車両用昇温装置の暖房要求時の動作を説明するためのフローチャートである。図3に示す各処理は、ユーザによるエアコンユニット20のスイッチ操作などに応じたエアコンユニット20からの暖房要求(昇温要求)に基づいて、電子制御ユニット10により実行される。エアコンユニット20から電子制御ユニット10に対する暖房要求には、ユーザからの要求温度(例えば、車内温度28℃)を示す情報が含まれている。電子制御ユニット10は、ユーザからの要求温度を示す情報を受けた場合は、室温センサ35からの信号に基づいて現在の車内温度を確認し、現在の車内温度やユーザからの要求温度などに基づいて、要求温度まで昇温するために必要なヒータ要求熱量を算出する(ステップS1)。なお、エアコンユニット20が、ユーザからの要求温度に対応した要求熱量を算出し、算出した要求熱量を示す情報を暖房要求とともに電子制御ユニット10に出力するようにしてもよい。
ここで、この実施の形態では、ハイブリッド車両の運転モードとして、CDモード(Charge Depleting Mode:電池使用走行モードともいう)とCSモード(Charge Sustaining Mode:充電維持走行モードやハイブリッド走行モードともいう)が設けられている。CDモードは、主にEV走行が行われる運転モードであり、CSモードは、HEV走行(またはエンジン単独走行)が行われる運転モードである。運転モードは、バッテリ30の残容量(SOC:State of Charge)や要求駆動力に応じて切り替えられる。
まず、電子制御ユニット10は、エアコンユニット20からの暖房要求があった場合、現在の運転モードがCDモードであるか否かを判定する(ステップS2)。
図4は、バッテリ30の残容量に応じた運転モードを示す図である。図4に示すように、ハイブリッド車両では、バッテリ30の残容量が多い場合は、燃費を向上させるためにCDモードに設定され、主にEV走行が行われる。一方、バッテリ30の残容量が少ない場合は、バッテリ30の充電を行うためにCSモードに設定され、HEV走行(またはエンジン単独走行)が行われる。
また、ハイブリッド車両では、アクセルの踏込量などに応じた要求駆動力が小さい場合(例えば、運転開始時など)は、モータ4の駆動力だけで要求駆動力を満足させることができるので、CDモードに設定され、主にEV走行が行われる。一方、要求駆動力が大きい場合は、モータ4の駆動力だけで要求駆動力を満足させることができないので、CSモードに設定され、HEV走行(またはエンジン単独走行)が行われる。
このように、各種の運転条件に応じて、運転モードがCDモードまたはCSモードに切り替えられる。この実施の形態では、原則として、運転モードがCDモードに設定されてEV走行が行われている場合は、エンジン1が稼働していないので、バッテリ7から供給される電力によって発熱する水加熱ヒータ8によって冷却水を加熱する制御を実行する。また、原則として、運転モードがCSモードに設定されてHEV走行(またはエンジン単独走行)が行われている場合は、エンジン1の廃熱によって冷却水を加熱する制御を実行し、エンジン1の廃熱だけで要求熱量を満足させることができないときは、その不足分の熱量を水加熱ヒータ8によって補うヒータ・エンジン協調制御を実行する。
運転モードがCDモードであると判定されたときは(ステップS2のYes)、電子制御ユニット10は、ヒータ要求熱量よりも水加熱ヒータ8の最大出力熱量が低いか否かを判定する(ステップS3)。ヒータ要求熱量よりも水加熱ヒータ8の最大出力熱量が低くない場合(高い場合)は(ステップS3のNo)、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8のみを用いて、冷却水を所定の要求温度、例えば、ユーザからの車内の要求温度(一例として28℃)に対応する冷却水の温度(一例として60℃)まで昇温させるように冷却水を加熱する制御を実行する(ステップS4)。
一方、ヒータ要求熱量よりも水加熱ヒータ8の最大出力熱量が低い場合は(ステップS3のYes)、水加熱ヒータ8の出力熱量だけではヒータ要求熱量を満足させることができないので、電子制御ユニット10は、エンジン1の始動を開始させるとともに(ステップS5)、CDモード中に水加熱ヒータ8を停止させるための条件であるヒータ停止指示条件を満足するか否かを判定する(ステップS6)。
ヒータ停止指示条件を満足していないと判定したときは(ステップS6のNo)、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8とエンジン1の廃熱を併用して冷却水を加熱するための条件である併用条件を満足するか否かを判定する(ステップS7)。併用条件を満足しないと判定されたときは(ステップS7のNo)、電子制御ユニット10は、ステップS5において始動されたエンジン1が温められるまで、水加熱ヒータ8のみを用いて、冷却水を加熱する制御を実行する(ステップS8)。
また、併用条件を満足すると判定されたときは(ステップS7のYes)、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8とエンジン1の廃熱を併用して、冷却水を加熱するヒータ・エンジン協調制御を実行する(ステップS9)。また、ヒータ停止指示条件を満足すると判定されたときは(ステップS6のYes)、電子制御ユニット10は、エンジン1の廃熱のみを用いて冷却水を加熱する制御を実行する(ステップS10)。
図5は、本発明の実施の形態によるヒータ(水加熱ヒータ8)からエンジン廃熱への熱源の切り替え時の条件(ヒータ停止指示条件、併用条件)を示すタイムチャートである。図5に示すように、CDモード中は、当初、暖房の熱源として水加熱ヒータ8のみが用いられる(ステップS4参照)。このとき、電動三方弁41は閉状態であり、水路(1)が形成された状態である。そして、ヒータコア20Aの入口における冷却水の水温(以下、「ヒータコア入口水温」という。)が徐々に上昇するとともに、ヒータコア20Aの出口における冷却水の水温(以下、「ヒータコア出口水温」という。)も徐々に上昇していく。なお、ヒータコア入口水温およびヒータコア出口水温は、それぞれ、ヒータコア入口水温センサ33およびヒータコア出口水温センサ34で測定される。
運転中に、冷却水の温度などによって変化する水加熱ヒータ8の最大出力熱量(ヒータ最大出力推定値)がヒータ要求熱量(単位時間当たりのヒータ要求熱量Qa)よりも下回ると(ステップS3のYes参照)、エンジン始動指示フラグがオンとなり、電子制御ユニット10によってエンジン1の始動指示が行われて、エンジン1が始動する(ステップS5参照)。ただしこのときは、まだエンジン1が温まっておらず、エンジン1の廃熱を利用して冷却水を加熱できないので、水加熱ヒータ8のみを用いて冷却水の加熱が行われている(ステップS8参照)。
エンジン1が始動して、エンジン1の回転数(NE)が上がっていくと、エンジン1内の冷却水の水温(エンジン水温)も上昇していく。なお、エンジン水温がヒータコア出口水温よりも高くなったとき、エンジン1の廃熱を利用して冷却水を加熱できる状態となったため、電動三方弁41が閉状態から開状態に制御されて、水路(2)が形成された状態となる。エンジン水温がヒータコア出口水温よりも高くなったことが上記の併用条件である。この併用条件が満足すると、電子制御ユニット10は、電動三方弁41を閉状態から開状態に制御し、暖房熱源として水加熱ヒータ8とエンジン1の廃熱を併用して、冷却水を加熱するヒータ・エンジン協調制御を実行する(ステップS9参照)。
その後、ヒータコア入口水温が要求温度(ヒータコア目標水温)に達したら、ヒータ停止指示フラグがオンとなり、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8を停止させる。すなわち、エンジン1の廃熱のみを用いて、冷却水を加熱する制御を実行する(ステップS10参照)。この実施の形態では、運転モードがCDモードであること、電動三方弁41が開状態であること、およびヒータコア入口水温がヒータコア目標水温を超えたこと、がヒータ停止指示条件である。
ステップS2において、電子制御ユニット10は、運転モードがCDモードでなくCSモードであると判定した場合は(ステップS2のNo)、ヒータ要求熱量よりもエンジン1の供給熱量(エンジン1の廃熱によって冷却水に供給される熱量。以下、「エンジン供給熱量」という。)が低いか否かを判定する(ステップS11)。ヒータ要求熱量よりもエンジン供給熱量が高い場合(ステップS11のNo)は、電子制御ユニット10は、エンジン1の廃熱のみを用いて、冷却水を所定の要求温度、例えば、ユーザからの車内の要求温度(一例として28℃)に対応する冷却水の温度(一例として60℃)まで昇温させるように冷却水を加熱する制御を実行する(ステップS12)。
一方、ヒータ要求熱量よりもエンジン供給熱量が低い場合は(ステップS11のYes)、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8とエンジン1の廃熱を併用して、冷却水を加熱するヒータ・エンジン協調制御を実行する(ステップS13)。
図6は、本発明の実施の形態によるヒータ・エンジン協調制御(ステップS9,S13)の概略を説明するためのグラフ(波形図)である。図6に示すグラフの横軸は時間を示し、縦軸は熱量を示している。図6において、エンジン供給熱量αは、時間の経過とともに変化する。図6に示す例では、時間t3までは、エンジン供給熱量αは、ヒータ要求熱量γよりも低い値となっている。そして、時間t3を経過してから所定時間経過後に、エンジン供給熱量αは、ヒータ要求熱量γよりも高い値となり、時間t6を経過してから所定時間経過後に、エンジン供給熱量αは、再びヒータ要求熱量γよりも低い値となっている。
この実施の形態では、電子制御ユニット10は、図3のステップS1においてヒータ要求熱量γを算出するとともに、エンジン1を稼働しているときは、燃料消費量、車両の速度(車速)、外気温などに基づいてエンジン供給熱量(推定値)αを算出(推定)する。エンジン供給熱量αは、以下の計算式(1)(2)より求められる。
熱収支の式:
Ein×η=CE(dTw(t)/dt+KE(Tw(t)−Tam))+Qhtr・・・(1)
式(1)から、
Qthr=Ein×η−CE(dTw(t)/dt+KE(Tw(t)−Tam))・・・(2)
ここで、Qthrは、エンジン廃熱による有効空調熱量(単位はJ/s)を示し、Einは、エンジン燃焼熱量(単位はJ/s)を示し、ηは、エンジン廃熱係数を示し、CEは、エンジン熱容量(単位はJ/K)を示し、KEは、エンジン放熱量係数(速度、外気温などに応じた係数、単位はJ/Ks)を示し、Tamは、外気温(単位は℃)を示し、Tw(t)は、エンジン水温(単位は℃)を示す。ただし、熱量は単位時間あたりの熱量を示している。なお、車両の速度は、速度センサ31で測定し、エンジン水温は、エンジン水温センサ32で測定し、外気温は、外気温センサ36で測定する。
電子制御ユニット10は、ヒータ・エンジン協調制御の実行中、エンジン供給熱量αがヒータ要求熱量γよりも低い値であるか高い値であるかを常に監視している。そして、電子制御ユニット10は、エンジン供給熱量αがヒータ要求熱量γよりも低い値となっている場合に、所定時間間隔(つまり、時間t1からt2の間隔、t2からt3の間隔、t3からt4の間隔・・・、例えば10sec)においてヒータ要求熱量γに対してエンジン供給熱量αで不足している熱量(すなわち、ヒータ要求熱量γからエンジン供給熱量αを引いた熱量:図6中のβ1,β2)を算出し、その不足分の熱量β1,β2を、次の所定時間間隔において水加熱ヒータ8を作動させることにより補充する。具体的には、図6に示す例のように、時間t0からt1の間隔において不足分の熱量(斜線で示す範囲の熱量:(1))に対応する熱量が時間t1からt2において補充され、時間t1からt2の間隔において不足分の熱量(斜線で示す範囲の熱量:(2))に対応する熱量が時間t2からt3において補充され、時間t2からt3の間隔において不足分の熱量(斜線で示す範囲の熱量:(3))に対応する熱量が時間t3からt4において補充され、時間t3からt4の間隔において不足分の熱量(斜線で示す範囲の熱量:(4))に対応する熱量が時間t4からt5において補充される。
なお、上記の所定時間間隔は、水加熱ヒータ8の出力応答特性や、エンジン1の出力変動によるドライバビリティ(運転のしやすさ、運転の快適性)などを考慮して設定される。
図7は、本発明の実施の形態によるヒータ・エンジン協調制御(ステップS9,S13)の具体例を説明するためのタイムチャートである。図7(A)は、エアコンユニット20からの暖房要求と同時にエンジン1が始動した場合の具体例、すなわち、CSモードまたはCDモードかつ水加熱ヒータ8の出力不足と判定された場合の具体例を示している。図7(B)は、水加熱ヒータ8の稼働中に、途中でエンジン1が始動した場合の具体例、すなわち、CDモードの途中で水加熱ヒータ8の出力不足と判定された場合の具体例を示している。
図7(A)において、電子制御ユニット10は、エアコンユニット20から暖房要求があったときに、図3のステップS9またはステップS13を実行する条件が成立した場合すなわち、エンジン1の始動が開始され(ステップS5参照)、かつ電動三方弁41が開状態に制御される場合は、ヒータ・エンジン協調制御を実行する。このとき(時間T1)、電子制御ユニット10は、ヒータ・エンジン協調制御の実行中であることを示す協調制御フラグをオンとし、初回定期間隔であることを示す初回定間隔中フラグをオンとする。そして、電子制御ユニット10は、燃料消費量センサ37からの信号およびエンジン水温センサ32からの信号を入力することにより、燃焼消費量Mおよびエンジン冷却水温(エンジン1の冷却水の水温)Teを監視する。なお、電子制御ユニット10は、燃料消費量センサ37およびエンジン水温センサ32以外のセンサからの信号も常に入力し、その測定値を監視している。
電子制御ユニット10は、時間T2になると、初回定間隔中フラグをオフとする。この初回定間隔中フラグがオンのときは、水加熱ヒータ8による出力は実行されない。
電子制御ユニット10は、定期的(例えば100ms毎)にオンとなる協調制御データセットトリガがオンとなったタイミングで、燃焼消費量Mおよびエンジン水温Teの各データ(さらに、その他のセンサのデータ)を更新する(なお、定間隔中は前回データ値を保持する)。また、電子制御ユニット10は、各データに基づいて、ヒータ要求熱量(図7における単位時間当たりの要求熱量A1)を算出し、その算出値からヒータ要求熱量定間隔セット値A2を算出する。また、電子制御ユニット10は、各データに基づいて、エンジン供給熱量セット値A3を算出する。さらに、電子制御ユニット10は、ヒータ要求熱量定間隔セット値A2に対してエンジン供給熱量セット値A3で不足する熱量を算出する。
そして、電子制御ユニット10は、水加熱ヒータ8を稼働させることによって、算出した不足分の熱量(図7におけるヒータ出力熱量Qh)を補充する。なお、図7に示すように、ヒータ出力熱量Qhは、各時間T2,T3,T4・・・において段階的に(急激に)変化させずになめらかに変化するように、レートリミットが設定されている。エンジン1の出力変動などによりドライバビリティを悪化させないようにするためである。
図7(B)において、電子制御ユニット10は、エアコンユニット20から暖房要求があったときに、図3のステップS4において水加熱ヒータ8のみで冷却水を加熱している。その後、ヒータ要求熱量A1よりもヒータ最大出力熱量が低くなることにより(ステップS3のYes参照)、エンジン1の始動が開始され(ステップS5参照)、かつ電動三方弁41が開状態に制御され、ヒータ・エンジン協調制御が実行される(ステップS9参照)。その後の処理は、図7(A)に示す処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、車両用昇温装置の昇温中におけるエンジン1の駆動制御について説明する。
図3のステップS9,S10,S12,S13では、エンジン1が駆動される。このとき、電子制御ユニット10は、エンジン1による回転駆動力とモータ4による回転駆動力の配分を最適な配分となるように制御する。具体的には、ハイブリッド車両の走行中におけるエンジン1の目標トルクは、正味燃料消費率(Brake Specific Fuel Consumption:以下、BSFCという。)が最適な値(BSFCボトム)となるトルク(駆動力)に設定される。BSFCは、エンジンの1サイクルで消費した燃料(燃料噴射量)をエンジン出力(正味馬力)で割ったものである。電子制御ユニット10は、BSFCと相関関係にあるパラメータ(吸入空気量、点火プラグの点火時期、および排気再循環装置(EGR装置)による排気再循環率(EGR率)など)に基づいて、様々な環境下における個々のエンジン1のBSFCボトムを推定する。そして、電子制御ユニット10は、BSFCボトムとなるトルクでエンジン1を駆動させ、そのトルクでは要求駆動トルクが足りない場合は、足りないトルクをモータ4のトルクで補助する。また、要求駆動トルクよりもBSFCボトムのトルクが大きい場合は、その余ったトルクに基づく駆動力によりジェネレータ2のモータを駆動させて発電し、発電電力をバッテリ7に充電する。このように、この実施の形態では、エンジン1の駆動制御において、暖房要求の要求熱量に影響されずに、常に最適なトルク(駆動力)によりエンジン1を駆動させる制御が実行される。
以上のように、この実施の形態によれば、ヒータ要求熱量を水加熱ヒータ8による熱量のみで満足させることができる場合は、水加熱ヒータ8のみで冷却水を加熱し、ヒータ要求熱量を水加熱ヒータ8による熱量のみで満足させることができない場合は、水加熱ヒータ8による熱量およびエンジン1の廃熱量で冷却水を加熱するように構成されているので、冷却水を加熱(昇温)している場合におけるエンジン1の稼働時間を短くすることができる。したがって、エミッションを低減することができるとともに、エンジン1の燃費を向上させることができる。
また、上記の実施の形態によれば、水加熱ヒータ8およびエンジン1の廃熱で冷却水を加熱する場合、ヒータ要求熱量に対してエンジン1の廃熱量で不足する熱量を水加熱ヒータ8による熱量で補うように構成されているので、エンジン1の燃焼エネルギーを効率良く利用して媒体の昇温を行うことができる。
また、上記の実施の形態によれば、電子制御ユニット10は、所定の変数(パラメータ)に基づいてBSFCを推定し、推定したBSFCが最適な値となる最適駆動力をエンジン1の駆動力として設定するように構成されているので、てもよい。冷却水を昇温しているときにおいてもBSFCの最適化を図ることができ、エンジン1の燃費効率の向上を図ることができる。
また、上記の実施の形態によれば、エンジン1の廃熱量ではヒータ要求熱量が不足する場合、水加熱ヒータ8を作動させ、かつ、水加熱ヒータ8のエネルギーはエンジン1の駆動力に基づくジェネレータ2の発電電力を用いるので、エンジン1に投入された燃焼エネルギーの利用率を向上させることができる。例えば、エンジン1の廃熱のみを利用して冷却水を加熱する場合は、エンジン1の廃熱のみであるから、エンジン1に投入した燃料の約30〜40%のエネルギーであるのに対し、エンジン1の廃熱とジェネレータ2の発電電力による水加熱ヒータ8の発熱を併用した場合は、発電電力分が上乗せされ、エンジン1に投入した燃料の約60〜70%のエネルギーを利用することが可能となる。
また、上記の実施の形態によれば、バッテリ7の充放電制御に、水加熱ヒータ8の使用電力制御を統合しているので、ジェネレータ2の発電電力を効率よく利用することができる。
また、上記の実施の形態によれば、エンジン1の廃熱を利用するか否かに応じて、電動三方弁41によって水路(1)と水路(2)を切り替えるように構成しているので、循環経路を循環する冷却水の加熱効率を向上させることができる。
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。例えば、上記の実施の形態では、エンジン1を冷却する媒体として冷却水を利用した例を説明していたが、冷却水ではなく空気(空調風)などの気体であってもよい。また、ジェネレータ(発電機)2などが動作する際に生じる熱を回収してその熱を利用して冷却水などの媒体を昇温させる構成としてもよい。
本発明は、例えば、ハイブリッド車両に搭載される車両用昇温装置に適用可能である。
1 エンジン
2 ジェネレータ(発電機)
4 モータ(電動機)
7 バッテリ(蓄電器)
8 水加熱ヒータ(加熱手段)
10 電子制御ユニット
41 電動三方弁(切替弁)
51〜56 循環経路

Claims (6)

  1. エンジンと、
    熱を伝達する媒体を加熱する加熱手段と、
    前記媒体を所定の要求温度まで昇温するための要求熱量を算出する要求熱量算出手段と、
    該要求熱量算出手段により算出された前記要求熱量を前記加熱手段による熱量のみで満たせるか否かを判定する熱量判定手段と、
    該熱量判定手段により前記要求熱量を前記加熱手段による熱量のみで満たせると判定された場合は、前記加熱手段のみで前記媒体を加熱する第1加熱制御を実行し、前記熱量判定手段により前記要求熱量を前記加熱手段による熱量のみで満たせないと判定された場合は、前記加熱手段および前記エンジンの廃熱で前記媒体を加熱する第2加熱制御を実行する加熱制御手段と、を備える
    ことを特徴とする車両用昇温装置。
  2. 車両の要求駆動力に応じて前記エンジンの駆動を制御する駆動制御手段と、
    前記エンジンの駆動に基づいて発生する廃熱量を算出する廃熱量算出手段と、を備え、
    前記加熱制御手段は、前記第2加熱制御を実行する場合、前記要求熱量に対して前記廃熱量算出手段により算出された前記廃熱量で不足する熱量を前記加熱手段による熱量で補う
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用昇温装置。
  3. 前記駆動制御手段は、所定の変数に基づいて前記エンジンの正味燃料消費率を推定し、推定した正味燃料消費率が最適な値となる最適駆動力を前記エンジンの駆動力として設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用昇温装置。
  4. 前記エンジンの駆動力を補助すると共に前記エンジンの駆動力による発電が可能な電動機と、
    前記電動機と電力の授受を行う蓄電器と、を備え、
    前記加熱手段は、前記蓄電器からの電力によって前記媒体を加熱し、
    前記駆動制御手段は、前記最適駆動力が前記要求駆動力よりも大きい場合、前記最適駆動力と前記要求駆動力との差の駆動力に応じて前記電動機による発電を行い、当該発電による電力を前記蓄電器に充電し、前記最適駆動力が前記要求駆動力よりも小さい場合、前記要求駆動力と前記最適駆動力との差の駆動力を前記電動機の駆動力により補助する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用昇温装置。
  5. 前記要求駆動力に基づいて前記エンジンを駆動させるか否かを決定する駆動源決定手段と、
    前記エンジンが駆動しているか否かを判定するエンジン駆動判定手段と、を備え、
    前記加熱制御手段は、前記エンジン駆動判定手段により前記エンジンが駆動していると判定されたときは、前記熱量判定手段の判定結果にかかわらず、前記第2加熱制御を実行する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用昇温装置。
  6. 前記媒体は、前記エンジンを冷却する媒体であり、
    前記加熱手段のみ経由して前記媒体が循環する第1の循環経路と、
    前記エンジンおよび前記加熱手段を経由して前記媒体が循環する第2の循環経路と、
    前記第1の循環経路と前記第2の循環経路を切り替える切替手段と、を備え、
    前記加熱制御手段は、前記要求熱量を前記加熱手段による熱量のみで満たせると判定された場合は、前記切替手段を前記第1の循環経路に切り替えて前記第1加熱制御を実行し、前記要求熱量を前記加熱手段による熱量のみで満たせないと判定された場合は、前記切替手段を前記第2の循環経路に切り替えて前記第2加熱制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用昇温装置。
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