JP2014128822A - 高窒素鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】減圧雰囲気下で、窒素が0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造することができるようにする。
【解決手段】本発明は、減圧雰囲気下で鋳型に溶鋼を注入してN:0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造する高窒素鋼の製造方法であって、鋳込み中の真空度A(torr)、鋳込み時間t(分)、鋳型に溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度[N](質量%)、鋳込み完了時の目標窒素濃度[N]aim(質量%)が「A≧(a×[N]aim−b×[N]」を満たすように真空鋳造を行う。ただし、aは、「−0.062t+3.437t+300.820」、bは「−0.0655t+3.7216t+58.528」である。
【選択図】図1

Description

本発明は、減圧雰囲気下で、窒素が0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造する高窒素鋼の製造方法に関する。
従来より、真空引きすることにより真空タンク内を減圧雰囲気とし、当該真空タンク内に設置した鋳型に溶鋼を注入しながら溶鋼の鋳込みを行う真空鋳造が行われている。このような真空鋳造では様々な鋼塊を製造することができる。近年、この真空鋳造により、窒素濃度を高くした高窒素鋼を製造することが行われている。真空鋳造の技術として、特許文献1に示すものがある。
特許文献1では、クロム鋼を減圧脱ガス処理した後に窒素を補充添加し、減圧かつ窒素雰囲気にした鋳型に溶鋼を注入して減圧鋳造している。
真空鋳造ではないが減圧下で窒素を調整しながら精錬を行う技術として、特許文献2及び3に示すものがある。
特許文献2では、真空脱ガス装置内に保持した溶鋼に窒素ガスを吹き込むと同時に、溶鋼の平衡窒素濃度を達成する窒素分圧に装置内を減圧して、溶鋼中窒素濃度を目標値に調整するに際して、調整の途上で溶鋼の窒素濃度を迅速に測定し、偏差を解消させるように、装置内の圧力を変更している。
特許文献3では、窒素含有量に上下の制限値を有する含窒素鋼を真空脱ガス槽を用いて溶製するに際し、真空脱ガス槽内の真空度を変更して溶鋼の目標窒素濃度以下まで脱窒した後、窒素含有合金を添加して目標窒素値まで微調整している。
特公平05−021668号公報 特許第3613016号公報 特許第2896302号公報
特許文献1では、真空鋳造において窒素を補充することが開示されているものの、鋼塊を製造するにあたって、鋼塊の窒素濃度をどの程度に調整するか具体的な真空鋳造方法が開示されておらず、適正な窒素濃度を有する高窒素鋼を鋳造することが難しいのが実情である。一方、特許文献2及び3では、真空脱ガス装置によって溶鋼を精錬する際に窒素濃度を調整することが開示されているものの、真空引きしながら溶鋼を鋳込む真空鋳造と、還流しながら溶鋼を精錬する真空脱ガス処理とでは、操業条件が全く異なるため、これらの技術を真空鋳造に適用することはできず、高窒素鋼を製造することができないのが実情である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、減圧雰囲気下で、窒素が0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造することができる高窒素鋼の製造方法を提供することを目的とする。
目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、鋳込み中の真空度(torr)をAとし、鋳込み時間(分)をtとし、前記鋳型に溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度(質量%)を[N]とし、鋳込み完了時の目標窒素濃度(質量%)を[N]aimとしたとき、式(1)を満たすように、窒素濃度[N]及び/又は鋳込み中の真空度Aを調整して真空鋳造を行うことを特徴とする。
A≧(a×[N]aim−b×[N]・・・(1)
ただし、
a=−0.062t+3.437t+300.820
b=−0.0655t+3.7216t+58.528
また、 前記鋳型を設置する真空タンクに、当該真空タンクの雰囲気を排気して真空度を調整する真空装置を設け、この真空装置と真空タンクとの経路上にバルブを設けておき、前記真空タンク内に設置された鋳型内に溶鋼を注入する前に、真空タンクの真空度を1torr以下にし、その後に、前記真空装置及び/又はバルブの開度を調節することにより、前記鋳込み中の真空タンクの真空度Aを調整することが好ましい。
本発明によれば、減圧雰囲気下で、窒素が0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造することができる。
真空上注ぎ鋳造装置の全体図である。 脱窒素モデルの説明図である。 鋳込み後の窒素濃度[N]と真空度との関係を示す図である。 実施例における鋳込み後の窒素濃度[N]と真空度との関係を示す図である。 実施例における鋳込みの経過時間と真空度との関係を示す図である。
以下、高窒素鋼の製造方法について図を基に説明する。
図1は、真空鋳造によって高窒素鋼の製造を行う真空上注ぎ鋳造装置の全体を示したものである。まず、真空上注ぎ鋳造装置について説明する。
図1に示すように、真空上注ぎ鋳造装置1は、上流工程にて精錬処理を行った溶鋼2が装入された取鍋3と、この取鍋3の下側に設置された容器(中間鍋)4と、この中間鍋4の下側に設置された真空タンク5と、真空タンク5に設置された鋳型6とを備えている。
中間鍋4の下部には、当該中間鍋4内の溶鋼2を真空タンク5内の鋳型6に注入するノズル7が設けられている。また、中間鍋4内には、ノズル7を閉鎖すると共にノズル7へ流れる溶鋼スループット(溶鋼量)を調整するストッパー12が設けられている。ストッパー12の先端部には、不活性ガスなどを吹き込むガス吹き込み口(図示省略)が設けられていることもある。
真空タンク5の上方には、中間鍋4のノズル7からの溶鋼2が注入される注入口11が設けられ、この注入口11の直下に鋳型6が配置されている。真空タンク5の側部には、真空タンク5を真空引きしたときの排ガスを排出する排出経路(排出流路)8が設けられ、この排出流路8には、真空引きを行うための複数の真空装置(エジェクター)9が順に直列に接続されている。この実施形態では、真空装置9は、上流側(真空タンク5に近い側)に行くほど高真空度を得ることができる装置となっている。また、排出流路8内において、真空装置9と真空タンク5との間にはバルブ13が接続されている。
図1に示すように、鋳型6は、有底状のものであって、主に、底部(台盤)15と、この底部15から上方に立ち上がる本体部17とから構成され、この本体部17の上部側には筒状の押湯部16が設けられている。
このような真空上注ぎ鋳造装置1を用いて真空鋳造を行うにあたっては、電気炉又は転炉などの精錬炉から溶鋼を取鍋3に出鋼し、溶鋼処理工程で精錬された溶鋼2が装入された取鍋3を鋳造ステーションに移動させる。そして、取鍋3内の溶鋼2を中間鍋4に装入し、ノズル7やスライドバルブ等を開放して中間鍋4内の溶鋼2を真空タンク5の鋳型6に注入する。また、中間鍋4内の溶鋼2を鋳型6に注入している状況下では、真空装置9を駆動させることにより真空タンク5内を真空引きして、当該真空タンク5内を減圧雰囲気下とし、落下中の溶鋼2の流滴に含まれる水素等を脱ガスする。
さて、窒素を添加せずに真空鋳造を行い鋳塊を製造した場合、鋳塊の窒素濃度Nは、50〜80ppm(0.005〜0.008質量%)となる。そのため、N=200ppm(0.02質量%)以上を含有する鋳塊(高窒素鋼)を製造する場合は、真空鋳造する前に溶鋼に窒素合金を添加したり窒素ガスを吹き込んだり、或いは、窒素雰囲気下で鋳造することにより、窒素濃度を確保する必要がある。本発明では、真空鋳造によって大型の鋳塊(高窒素鋼)を製造することを対象とし、真空引きをせずに大気で鋳造を行う下注ぎ造
塊は対象としない。また、高窒素鋼を製造する方法として、取鍋精錬方法(真空脱ガス方法など)、真空鋳造方法以外の方法も存在しているが、本発明は、鋼塊(鋳塊)を対象としているため、取鍋精錬方法は対象外としている。
以下、真空鋳造による本発明の高窒素鋼の製造方法について詳しく説明する。
本発明では、鋳込み中の真空度(torr)をAとし、鋳込み時間(分)をtとし、鋳型6に溶鋼2を注入する前の溶鋼中の窒素濃度(質量%)を[N]とし、鋳込み完了時の目標窒素濃度(質量%)を[N]aimとしたとき、式(1)を満たすように、窒素濃度[N]及び/又は鋳込み中の真空度Aを調整して、高窒素鋼を製造することとしている。
A≧(a×[N]aim−b×[N]・・・(1)
ただし、
a=−0.062t+3.437t+300.820
b=−0.0655t+3.7216t+58.528
式(1)の考え方について説明する。
式(1)は、後述するように、脱窒素モデルを解析して、真空鋳造において重要なファクターである各パラメータ(鋳込み中の真空度A、鋳込み時間t、溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度[N]、鋳込み完了時の目標窒素濃度[N]aim)で整理したものである。
まず、式(1)で示した各ファクターについて説明する。
真空鋳造において、真空タンク5内の真空度を高く(真空度合いが高いことであり、タンク内の圧力が低いこと)すると、溶鋼中の[C]と、溶鋼或いは介在物中の[O]とが反応して脱炭が促進されると共に、鋳込み中の注入流(溶鋼)が流滴状に細かく飛散するため、脱ガス、介在物の無害化が促進される。一方、真空度を低く(真空度合いが低いことであり、タンク内の圧力が高いこと)すると、脱炭反応が抑制されると共に、注入流の流滴のサイズが大きくなったり流滴の広がりが小さくなるため(反応界面積が小さくなる)、脱ガスや介在物の無害化は進みにくくなる。
このように、真空鋳造では、真空タンク5の真空度によって、脱ガスや介在物の無害化に影響を及ぼすが、高窒素鋼を製造する真空鋳造においては、一般的な真空鋳造とは異なり、脱炭や脱水素だけでなく脱窒素反応が進むため、比較的、真空度が低い状態でも注入流は細かく飛散し易いことが知見されており、脱ガスや介在物の無害化は進み易い。そのため、高窒素鋼を製造するにあたっては、「鋳込み中の真空度A」を考慮することとしている。
真空鋳造において、鋼塊のサイズが大きくなるほど鋳込み時間tは長くなり、またノズル7の径を変えた場合は注入速度が変化するため、鋳込み時間tも変化する。鋳込み中は鋳型6内が真空状態となっているため、後述するように、鋳込み時間tが長くなるほど、鋳型6内の溶鋼からの脱窒素量は大きくなると考えられる。このようなことから、高窒素鋼を製造するにあたっては、「鋳込み時間t」を考慮することとしている。
上述したように、高窒素鋼を製造するためには、予め鋳込み前に溶鋼の窒素濃度を上昇させる必要がある。しかしながら、鋳込み前の溶鋼の窒素濃度を単に高めることを意図し、窒素合金や窒素ガスの多量添加を行った場合、添加コストが多大になる。これに加え、鋳込み中の窒素濃度が高くなり過ぎて目標とする窒素濃度を確保できない可能性がある。また、窒素を添加するにあたって使用する窒素合金には、窒化マンガンや窒化クロム等があるが、これらを用いて多量に窒素を添加してしまうと、窒素以外のマンガンやクロムの濃度が高くなり過ぎる可能性がある。このようなことから、高窒素鋼を製造するにあたっては、「鋳型に溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度[N]」と、「鋳込み完了時の目標窒素濃度[N]aim」との両方を考慮する必要がある。
以上のように、高窒素鋼を製造するにあたっては、鋳込み中の真空度A、鋳込み時間t、鋳型に溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度[N]、鋳込み完了時の目標窒素濃度[N]aimは重要であることから、これらのファクターで真空鋳造を管理することとしている。
さて、式(1)は、脱窒素モデルを用いることで算出された関係式である。脱窒素モデ
ルとは、真空鋳造を行ったときの溶鋼に含まれる窒素の挙動をモデル化したものである。
図2に示すように、脱窒素モデルでは、減圧雰囲気下の真空鋳造において、溶鋼(注入流)2がノズル7から鋳型6へ落下するときの脱窒素状況(第1状況)と、溶鋼2が鋳型6に装入された状況下での脱窒素状況(第2状況)とを考慮している。
第1状況においては、溶鋼2が落下している間での溶鋼2に含まれる窒素濃度と真空タンク5内の減圧雰囲気下における窒素分圧、落下中における溶鋼2の流滴表面積(流滴径)、溶鋼のスループット、溶鋼が鋳型6へ落下するまでの落下時間などを考慮することによって、脱窒素の状態をシミュレーションするようにしている。
第2状況においては、鋳型6内の溶鋼2の浴面(減圧雰囲気と溶鋼とが触れる部分)付近で脱窒素反応が起こるため、窒素分圧、鋳型6内の溶鋼の浴面面積(鋳型内径)、鋳型内の溶鋼の体積などを考慮することによって、脱窒素の状態をシミュレーションするようにしている。
このように、溶鋼2が鋳型6に落下するときの注入流の脱窒素と、鋳型6に落下後の溶鋼の浴面(表面)からの脱窒素とを考慮した脱窒素モデルにより、鋳込み後の窒素濃度と、真空度との関係をまとめると、図3に示すものとなった。図3に示すように、窒素濃度[N]が0.075質量%、0.050質量%、0.50質量%のいずれであるときも真空度Aが低くなるにしたがって、鋳込み後の窒素濃度が上昇している傾向にある。各窒素濃度[N]と、鋳込み後の窒素濃度と真空度Aとをフィッティングし整理すると、式(1)となる。
本発明では、式(1)を満たすように、鋳込み前の窒素濃度[N]を調整したり、鋳込み中の真空度Aを調整して、真空鋳造を行うこととしている。なお、式(1)を満たすようにすれば、鋳込み前の窒素濃度[N]のみを調整しても、鋳込み中の真空度Aのみを調整しても、鋳込み前の窒素濃度[N]と真空度Aとの両方を調整してもよい。また、真空鋳造によって高窒素鋼を製造するに際し、真空タンク5内の真空度が200torrであれば、溶滴の飛散は十分で確保できることが当業者間では知見されているため、真空度Aの上限は、200torrとしている。
ここで、真空度Aを調整するにあたっては、鋳型6内に溶鋼2を注入する前に、真空度Aを一旦1torr以下にする。その後、排出流路8に接続されている複数の真空装置9の駆動数を変更したり、バルブ13の開度を調節することにより鋳込み中の真空度Aを調整する。なお、「真空装置9の駆動数」と、「バルブの開度」との両方を調整することにより真空度Aを調整してもよい。
このように、真空度Aを一旦1torr以下にした後、真空装置9の起動数やバルブの開度を調整することにより、真空タンク5内の真空度Aの調整が行い易い。特に、真空装置9の調整とバルブの開度の調整とを組み合わせることにより、0〜200torrの間で、無段階に真空度を精度よく調整することができる。
さて、真空鋳造を行う実施例の条件(目標値)を次のようにした。即ち、この実施例では、鋳塊の重量を63.2tonとし、鋳塊の規格の窒素濃度は0.03〜0.04質量%とし、目標窒素濃度[N]aimは規格の窒素濃度範囲の中間値である0.035質量%とし、中間鍋4の下側に設けたノズル径φを36mm、鋳込温度(中間鍋4内の溶鋼温度)を1598℃とし、鋳造時間(計画)を25分とし、注入前の溶鋼の目標窒素濃度を0.075質量%とした。これに基づき、式(1)の右辺の値(真空度)を求めると、15.1torrとなった。そのため、実施例では、図4に示すように、鋳込み中の真空度Aを15.1torr以上を目標とした。
図5は、実施例における実際の真空タンク5内の真空度と経過時間との関係を示したものである。図5に示すように、実施例では、真空タンク5内の真空度が、式(1)で求めた15.1torr以上でその付近となるように、15.1〜20torrの間で真空鋳造を行った。なお、経過時間が0〜2分では、真空タンク5内の真空度が一時的に15torr未満となっているが、これは、真空鋳造を開始する準備期間(定常状態になるまでの期間)である。
実施例において、鋳込み終了時の鋳塊の窒素濃度は、0.037質量%となり、窒素濃
度の規格範囲内に納めることができた。なお、真空鋳造を行うにあたって、溶鋼を鋳型6に注入する前には、窒素濃度を高めるためFeCrN合金を添加し、そのときの窒素濃度は0.078質量%であった。
以上、本発明によれば、式(1)を満たすように、窒素濃度[N]及び/又は鋳込み中の真空度Aを調整して真空鋳造を行うことにより、減圧雰囲気下であっても窒素が高い高窒素鋼を製造することができる。特に、式(1)を満たすようにすれば、窒素以外の脱ガスや介在物の無害化を促進しつつ、鋳込み中の注入流や鋳型6の溶鋼からの過剰な脱窒素反応を抑え、窒素が高くしかも品質の優れた高窒素濃度の鋼塊を製造することができる。しかも、式(1)を満たしつつ、窒素添加にかかるコスト、窒素の調整幅、鋼塊の要求品質に基づき、鋳込み前の窒素濃度や鋳込み中の真空度を決定して真空鋳造することが可能となり、コストの最適化及び要求成分、高品質を達成することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 真空上注ぎ鋳造装置
2 溶鋼
3 取鍋
4 中間鍋
5 真空タンク
6 鋳型
7 ノズル
8 排出流路
9 真空装置
11 注入口
12 ストッパー

Claims (2)

  1. 減圧雰囲気下で鋳型に溶鋼を注入してN:0.02質量%以上を含有する鋳塊を製造する高窒素鋼の製造方法であって、
    鋳込み中の真空度(torr)をAとし、鋳込み時間(分)をtとし、前記鋳型に溶鋼を注入する前の溶鋼中の窒素濃度(質量%)を[N]とし、鋳込み完了時の目標窒素濃度(質量%)を[N]aimとしたとき、式(1)を満たすように、窒素濃度[N]及び/又は鋳込み中の真空度Aを調整して真空鋳造を行うことを特徴とする高窒素鋼の製造方法。
    A≧(a×[N]aim−b×[N]・・・(1)
    ただし、
    a=−0.062t+3.437t+300.820
    b=−0.0655t+3.7216t+58.528
  2. 前記鋳型を設置する真空タンクに、当該真空タンクの雰囲気を排気して真空度を調整する真空装置を設け、この真空装置と真空タンクとの経路上にバルブを設けておき、
    前記真空タンク内に設置された鋳型内に溶鋼を注入する前に、真空タンクの真空度を1torr以下にし、その後に、前記真空装置及び/又はバルブの開度を調節することにより、前記鋳込み中の真空タンクの真空度Aを調整することを特徴とする請求項1に記載の高窒素鋼の製造方法。
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