JP2014128516A - 血液ポンプ及び補助人工心臓システム - Google Patents

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Abstract

【課題】血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質からなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易い血液ポンプを提供する。
【解決手段】固定側摺動部材12と、回転側摺動部材22と、血液ポンプ室32と、クールシール液循環室16とを備え、固定側摺動部材12の摺動面14と回転側摺動部材22の摺動面24との間の間隙52にクールシール液L1を供給しながら使用する血液ポンプ110であって、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち固定側摺動部材12には、クールシール液L1を流すための洗浄用水路60が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、血液ポンプ及び補助人工心臓システムに関する。
心臓移植までの患者の生命を維持するために心臓の機能の一部を補う補助人工心臓システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図1は、補助人工心臓システムを説明するために示す図である。図2は、補助人工心臓システムに用いる血液ポンプの断面図である。図3は、血液ポンプの軸受を説明するために示す図である。図3(a)は血液ポンプの要部を示す図であり、図3(b)は血液ポンプの軸受の構造を模式的に示す図である。なお、図3(b)においては、固定側摺動部材12の摺動面14と回転側摺動部材22の摺動面24との間の間隙を誇張して血液ポンプの軸受を図示している。
補助人工心臓システム100は、図1に示すように、体内に埋め込まれる血液ポンプ110と、血液ポンプ110と心臓の血流を接続するための人工血管120,130と、図示しない制御装置とを備える。制御装置は、補助人工心臓システム100の使用者の体外で用いるためのものであり、ケーブル140を介して血液ポンプ110と接続されて使用される。
血液ポンプ110は、心臓の左心室の機能を補助する遠心ポンプである。血液ポンプ110は、図2に示すように、固定部10と、回転部20と、駆動部30と、クールシール液循環経路40とを備える。
固定部10は、筒状の固定側摺動部材12(いわゆるシートリング)を有し、固定側摺動部材12は、図3に示すように、軸受50の一部を構成する環状の摺動面14を有する。回転部20は、回転側摺動部材22(いわゆるシールリング)と、インペラ26と、回転シャフト28とを有する。回転側摺動部材22は、軸受50の一部を構成する環状の摺動面24を有する。インペラ26は、血液に運動エネルギーを付加する。回転シャフト28は、駆動部30と接続されており、駆動部30により駆動力(回転力)を与えられて回転部20全体を回転させる。駆動部30は、例えば、回転モーターを備える。
血液ポンプ110は、遠心ポンプのインペラ軸を動圧軸受で支持する構造となっており、血液L2中で使用される軸受50が、固定側摺動部材12の環状の摺動面14と回転側摺動部材22の環状の摺動面24とが対向して当接することにより、メカニカルシールとして機能している。固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22の外周側には血液ポンプ室32が設けられ、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22の内周側にはクールシール液循環室16が設けられている。
クールシール液循環経路40は、血液ポンプ110内部の潤滑、冷却、シール性の維持等の機能を果たすクールシール液L1(例えば、水や生理食塩水)を軸受50に供給するものである。クールシール液L1は、クールシール液入口42から流入し、クールシール液循環室16を介して軸受50の摺動面14と摺動面24の間隙52に供給され、血液L2中に流出するとともに、クールシール液出口44から排出される。クールシール液L1は、回転シャフト28と固定部10との間についても潤滑及び冷却を行う機能を有する。クールシール液L1は、固定側摺動部材12と回転側摺動部材22との間隙52からの血液成分の浸入を抑える(シール性を確保する)機能とともに、摺動面14,24を洗浄する機能を有する。
特開2005−296528号公報
しかしながら、このようなクールシール液を用いた軸受50においても、軸受50の摩擦挙動が不安定になり、人工心臓システムのアラームが作動したり、バッテリーの寿命が短くなるなどの問題が生じる場合がある。摩擦挙動が不安定になる原因として、血液L2が軸受50の摺動面の間隙52に侵出し、摺動面14,24に血液中の血漿タンパク質などからなる異物が入り込むことにより、軸受50の摺動トルクが変動することが原因であると認められている。
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたもので、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような血液ポンプを用いた、摺動トルクが変動し難く高信頼性の補助人工心臓システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、以下の本発明を完成させた。
[1]本発明の血液ポンプは、環状の摺動面を有する固定側摺動部材と、環状の摺動面を有する回転側摺動部材と、前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材の外周側に位置する血液ポンプ室と、前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材の内周側に位置するクールシール液循環室とを備え、前記固定側摺動部材の摺動面と前記回転側摺動部材の摺動面とを当接させた状態で、かつ、前記固定側摺動部材の摺動面と前記回転側摺動部材の摺動面との間の間隙に前記クールシール液循環室からクールシール液を供給しながら使用する血液ポンプであって、前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材のうち少なくとも一方の摺動面には、前記クールシール液を流すための洗浄用水路が形成されていることを特徴とする。
本発明の血液ポンプによれば、固定側摺動部材及び回転側摺動部材のうち少なくとも一方の摺動面に、クールシール液を流すための洗浄用水路が形成されていることから、固定側摺動部材の摺動面と回転側摺動部材の摺動面との間隙にクールシール液が従来よりも十分に(従来よりも多量かつ勢いよく)供給されるようになるため、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難くなる。また、固定側摺動部材の摺動面と回転側摺動部材の摺動面との間隙(以下単に「摺動面の間隙」ということもある)に異物が入り込んだとしても、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に回収したり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に戻したりすることで、固定側摺動部材の摺動面と回転側摺動部材の摺動面との間隙から異物が排出され易くなる。
その結果、本発明の血液ポンプは、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプとなる。
[2]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路として、ともに前記クールシール液循環室に露出している流入口及び流出口と、これらの流入口及び流出口を連結する連結水路とを有する複数の湾曲状水路を有することを特徴とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、流入口から洗浄用水路にクールシール液が取り込まれる(後述する図5中f参照。)とともに、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が流出口からクールシール液循環室に排出される(後述する図5中f参照。)ようになることから、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に効率良く回収することが可能となる。
また、洗浄用水路(連結水路)を流れるクールシール液の流れによって、摺動面の間隙からも洗浄用水路(連結水路)にクールシール液が取り込まれる(後述する図5中f参照。)とともに、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が連結水路から摺動面の間隙を介してクールシール液循環室又は血液ポンプ室に排出される(後述する図5中f参照。)ようになることから、これによっても洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室又は血液ポンプ室に効率良く回収することが可能となる。従って、前者においては異物の排出が促進される効果(洗浄効果)が得られ、後者においては異物の入り込みが抑制される効果(防波堤としての効果)が得られる。
なお、クールシール液潤滑室に回収された異物はクールシール液とともにクールシール液循環経路を経てクールシール液循環装置に送られ、当該クールシール液循環装置に設けられているフィルターで除去されることとなる。
[3]本発明の血液ポンプにおいては、前記湾曲状水路は、前記流入口の近傍では、前記摺動面の内周円と鈍角の角度で交差するように形成されており、前記流出口の近傍では、前記摺動面の内周円と略垂直の角度で交差するように形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、流入口においては回転力によりクールシール液が効率良く取り込まれるようになり、流出口においては圧力差によりクールシール液が効率良く排出されるようになることから、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室により一層効率良く回収することが可能となる。
[4]本発明の血液ポンプにおいては、前記流出口の幅が前記流入口の幅よりも狭いことが好ましい。
このような構成とすることにより、流出口においては圧力差によりクールシール液がより一層効率良く排出されるようになることから、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室により一層効率良く回収することが可能となる。
この観点から言えば、前記流入口の幅をWiとし、前記流出口の幅をWoとしたとき、Wo≦0.5×Wiの関係を満たすことが好ましい。
[5]本発明の血液ポンプにおいては、前記複数の洗浄用水路として、4本〜64本の湾曲状水路を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、多数の湾曲状水路を介してより一層強力に異物をクールシール液潤滑室に回収したり、より一層強力に血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
本発明の血液ポンプにおいては、前記複数の洗浄用水路として、インペラにおける羽根の枚数と同数又はそれの倍数の湾曲状水路を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、インペラの回転バランスに影響を与えることもなくなる。
[6]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路として、前記内周側と前記外周側との間の中間領域において周方向に連続する環状水路をさらに有し、前記湾曲状水路が途中で前記環状水路に露出していることが好ましい。
このような構成とすることにより、摺動面の間隙に異物が入り込んだとしても、環状水路の働きにより、より一層強力に異物をクールシール液潤滑室に回収したり、より一層強力に血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
[7]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路として、前記クールシール液循環室に露出している流入口と、前記血液ポンプ室に露出している流出口と、前記流入口及び前記流出口を連結する連結水路とを有する複数の貫通水路を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、流入口から洗浄用水路にクールシール液が取り込まれるとともに、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が流出口から血液ポンプ室に排出されるようになることから、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に効率良く戻すことが可能となる。また、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が貫通水路から摺動面の間隙を介して血液ポンプ室に排出されるようになる(後述する図8中f参照。)ことから、このクールシール液の流れによる圧力(摺動面への浸み出し圧力)によっても洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に効率良く回収することが可能となり、また、異物の入り込みが抑制される効果(防波堤としての効果)が得られるようになる。
[8]本発明の血液ポンプにおいては、前記流出口の幅が前記流入口の幅よりも狭いことが好ましい。
このような構成とすることにより、摺動面への浸み出し圧力を高くすることが可能となり、防波堤としての効果としてより一層大きい効果が得られるようになる。
この観点から言えば、前記流入口の幅をWiとし、前記流出口の幅をWoとしたとき、Wo≦0.5×Wiの関係を満たすことが好ましい。
[9]本発明の血液ポンプにおいては、前記複数の洗浄用水路として、4本〜64本の放射状水路を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、多数の放射状水路を介して異物を強力に血液ポンプ室に戻すことで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
本発明の血液ポンプにおいては、前記複数の洗浄用水路として、インペラにおける羽根の枚数と同数又はそれの倍数の湾曲状水路を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、インペラの回転バランスに影響を与えることもなくなる。
[10]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路の幅は2μm〜200μmの範囲内にあり、前記洗浄用水路の深さは0.1μm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
洗浄用水路の幅を2μm〜200μmの範囲内としたのは、洗浄用水路の幅が2μm未満の場合には洗浄用水路をクールシール液が所望の流量で流れなくなる場合があるからであり、洗浄用水路の幅が200μmを超える場合には、摺動特性が不安定になったり、摺動部材の耐久性が低下したりする場合があるからである。この観点から言えば、洗浄用水路の幅は5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また、洗浄用水路の深さを0.1μm〜100μmの範囲内としたのは、洗浄用水路の深さが0.1μm未満の場合には洗浄用水路をクールシール液が所望の流量で流れなくなる場合があるからであり、洗浄用水路の深さが100μmを超える場合には、摺動特性が不安定になったり、摺動部材の耐久性が低下したり、シール性が低下したりする場合があるからである。この観点から言えば、洗浄用水路の深さは0.2μm〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
[11]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路は、前記固定側摺動部材の摺動面に形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、回転側摺動部材の回転により生ずるクールシール液の流れを異物の排出のために最大限活用することが可能となる。
[12]本発明の血液ポンプにおいては、前記洗浄用水路は、前記固定側摺動部材の摺動面及び前記回転側摺動部材の摺動面の両方に形成されていることが好ましい。
このような構成とすることによっても、回転側摺動部材の回転により生ずるクールシール液の流れを異物の排出のために最大限活用することが可能となる。
[13]本発明の補助人工心臓システムは、本発明の血液ポンプと、クールシール液を循環させるクールシール液循環装置とを備えることを特徴とする。
本発明の補助人工心臓システムは、本発明の血液ポンプとクールシール液循環装置とを備えることから、摺動トルクが変動し難く高信頼性の補助人工心臓システムとなる。
補助人工心臓システムを説明するために示す図である。 補助人工心臓システムに用いる血液ポンプの断面図である。 血液ポンプの軸受を説明するために示す図である。 実施形態1における洗浄用水路60を説明するために示す図である。 洗浄用水路60をクールシール液が流れる様子を示す図である。 実施形態1における洗浄用水路60の断面構造を示す図である。 実施形態2における洗浄用水路62を説明するために示す図である。 実施形態3における洗浄用水路64を説明するために示す図である。 実施形態4における洗浄用水路66を説明するために示す図である。 実施形態5における洗浄用水路68を説明するために示す図である。
以下、本発明の血液ポンプ及び補助人工心臓システムの実施の形態について説明する。
[実施形態1]
実施形態1に係る補助人工心臓システム100は、図1に示すように、体内に埋め込まれる血液ポンプ110と、血液ポンプ110と心臓の血流を接続するための人工血管120,130と、図示しない制御装置とを備える。制御装置は、補助人工心臓システム100の使用者の体外で用いるためのものであり、ケーブル140を介して血液ポンプ110と接続されて使用される。
血液ポンプ110は、心臓の左心室の機能を補助する遠心ポンプである。血液ポンプ110は、図2に示すように、固定部10と、回転部20と、駆動部30と、クールシール液循環経路40とを備える。
固定部10は、筒状の固定側摺動部材12(いわゆるシートリング)を有し、固定側摺動部材12は、図3に示すように、軸受50の一部を構成する環状の摺動面14を有する。回転部20は、回転側摺動部材22(いわゆるシールリング)と、インペラ26と、回転シャフト28とを有する。回転側摺動部材22は、軸受50の一部を構成する環状の摺動面24を有する。インペラ26は、血液に運動エネルギーを付加する。回転シャフト28は、駆動部30と接続されており、駆動部30により駆動力(回転力)を与えられて回転部20全体を回転させる。駆動部30は、例えば、回転モーターを備える。
血液ポンプ110は、遠心ポンプのインペラ軸を動圧軸受で支持する構造となっており、血液L2中で使用される軸受50が、固定側摺動部材12の環状の摺動面14と回転側摺動部材22の環状の摺動面24とが対向して当接することにより、メカニカルシールとして機能している。固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22の外周側には血液ポンプ室32が設けられ、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22の内周側にはクールシール液循環室16が設けられている。
クールシール液循環経路40は、血液ポンプ110内部の潤滑、冷却、シール性の維持等の機能を果たすクールシール液L1(例えば、水や生理食塩水)を軸受50に供給するものである。クールシール液L1は、クールシール液入口42から流入し、回転シャフト28と固定部10との間の空間及び回転シャフトの内側の空間18を通過した後、クールシール液循環室16を介して軸受50の摺動面14と摺動面24の間隙52に供給され、血液L2中に流出するとともに、クールシール液出口44から排出される。クールシール液L1は、回転シャフト28と固定部10との間についても潤滑及び冷却を行う機能を有する。クールシール液L1は、固定側摺動部材12と回転側摺動部材22との間隙52からの血液成分の浸入を抑える(シール性を確保する)機能とともに、摺動面14,24を洗浄する機能を有する。
血液ポンプ110は、図3(a)に示すように、固定側摺動部材12の摺動面14と回転側摺動部材22の摺動面24とを当接させた状態で、回転側摺動部材22の回転軸に沿った方向に所定の荷重(スラスト荷重)が与えられた状態で、かつ、固定側摺動部材12の摺動面14と回転側摺動部材22の摺動面24との間の間隙52にクールシール液循環室からクールシール液L1を供給しながら使用する血液ポンプである。
所定の荷重は、例えば、磁石同士の反発力を利用して与えることができる。摺動面14,24の間隙52(図3(b)では誇張して図示している)は、使用時において1μm以下であり、クールシール液L1は、摺動面の間隙52に流入し、摺動面14,24を潤滑する。摺動面の間隙52に侵入したクールシール液L1は、血液L2側に流出する。一方、血液ポンプ室32から血液L2が摺動面の間隙52に浸入し、摺動面14と摺動面24では血漿タンパク質などの異物が生成する。摺動面14と摺動面24で血漿タンパク質などの異物が生成すると、軸受50の摺動トルクが変動し、軸受50の摩擦挙動が不安定になる。
固定側摺動部材12としては、例えば炭化珪素からなる摺動部材が用いられている。また、回転側摺動部材22としては、炭素又は炭化珪素からなる摺動部材が用いられている。従って、軸受50の摺動面は、固定側が炭化珪素製摺動部材で回転側が炭素製摺動部材の組み合わせ、又は、固定側も回転側も炭化珪素製摺動部材からなる組み合わせとなる。
実施形態1に係る血液ポンプ110においては、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち固定側摺動部材12の摺動面14には、クールシール液L1を流すための洗浄用水路60が形成されている。
図4は、実施形態1における洗浄用水路60を説明するために示す図である。図4(a)は固定側摺動部材12の摺動面14の全体を示す図であり、図4(b)は図4(a)の要部拡大図である。図5は、洗浄用水路60をクールシール液が流れる様子を示す図である。図6は、実施形態1における洗浄用水路60の断面構造を示す図である。図6(a)は実施形態1における洗浄用水路60の断面構造を示す図であり、図6(b)は変形例における洗浄用水路60の断面構造を示す図である。なお、図4及び図5においては、理解を容易にするために、洗浄用水路60の本数は、実際のものより少なくして図示している。
実施形態1に係る血液ポンプ110においては、図4(a)に示すように、洗浄用水路60として、ともにクールシール液循環室16に露出している流入口72及び流出口74と、これらの流入口72及び流出口74を連結する連結水路76とを有する複数の湾曲状水路70を有する。湾曲状水路70は、図4(b)に示すように流入口72の近傍では、摺動面14の内周円と鈍角の角度で交差するように形成されており、流出口74の近傍では、摺動面14の内周円と略垂直の角度で交差するように形成されている。流出口74の幅Woは流入口72の幅Wiよりも狭い。具体的に言えば、流入口72の幅をWiとし、流出口74の幅をWoとしたとき、Wo≦0.5×Wiの関係を満たす。
実施形態1に係る血液ポンプ110は、複数の洗浄用水路60として、4本〜64本の湾曲状水路70を有する。洗浄用水路60の幅は2μm〜200μmの範囲内(例えば10μm)にあり、洗浄用水路60の深さは0.1μm〜100μmの範囲内(例えば0.2μm)にある。洗浄用水路60の断面形状は例えば長方形(図6(a)参照。)、半円形(図6(b)参照。)などである。
以上のように構成された、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち少なくとも一方の摺動面に、クールシール液L1を流すための洗浄用水路が形成されていることから、摺動面の間隙52にクールシール液L1が従来よりも十分に(従来よりも多量かつ勢いよく)供給されるようになるため、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難くなる。また、摺動面の間隙52に異物が入り込んだとしても、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に回収したり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙から異物が排出され易くなる。
その結果、実施形態1に係る血液ポンプ110は、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプとなる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、洗浄用水路60として、ともに前記クールシール液循環室16に露出している流入口72及び流出口74と、これらの流入口72及び流出口74を連結する連結水路76とを有する複数の湾曲状水路70を有することから、流入口72から洗浄用水路60にクールシール液L1が取り込まれる(図5中f参照。)とともに、洗浄用水路60に取り込まれたクールシール液L1が流出口74からクールシール液循環室16に排出される(図5中f参照。)ようになり、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に効率良く回収することが可能となる。
また、洗浄用水路(連結水路)を流れるクールシール液L1の流れによって、摺動面の間隙からも洗浄用水路(連結水路)にクールシール液L1が取り込まれる(図5中f参照。)とともに、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液L1が連結水路から摺動面の間隙を介してクールシール液循環室又は血液ポンプ室に排出される(図5中f参照。)ようになることから、これによっても洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室又は血液ポンプ室に効率良く回収することが可能となる。従って、前者においては異物の排出が促進される効果(洗浄効果)が得られ、後者においては異物の入り込みが抑制される効果(防波堤としての効果)が得られる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、湾曲状水路70が、流入口72の近傍では、摺動面の内周円と鈍角の角度で交差するように形成されており、流出口74の近傍では、摺動面の内周円と略垂直の角度で交差するように形成されていることから、流入口72においては回転力によりクールシール液L1が効率良く取り込まれるようになり、流出口74においては圧力差によりクールシール液が効率良く排出されるようになることから、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室により一層効率良く回収することが可能となる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、流出口74の幅が流入口72の幅よりも狭いことから、流出口74においては圧力差によりクールシール液L1がより一層効率良く排出されるようになり、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室により一層効率良く回収することが可能となる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、洗浄用水路60として、4本〜64本の湾曲状水路70を有することから、多数の湾曲状水路を介してより一層強力に異物をクールシール液潤滑室に回収したり、より一層強力に血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、洗浄用水路60の幅が2μm〜200μmの範囲内にあり、洗浄用水路60の深さが0.1μm〜100μmの範囲内にあることから、洗浄用水路をクールシール液が所望の流量で流れなくなることがなくなり、摺動特性が不安定になったり、摺動部材の耐久性が低下したりすることがなくなる。
また、実施形態1に係る血液ポンプ110によれば、洗浄用水路60が固定側摺動部材の摺動面に形成されていることから、回転側摺動部材の回転により生ずるクールシール液の流れを異物の排出のために最大限活用することが可能となる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2における洗浄用水路62を説明するために示す図である。図7(a)は固定側摺動部材12aの摺動面14の全体を示す図であり、図7(b)は図7(a)の要部拡大図である。なお、図7においては、理解を容易にするために、湾曲状水路70の本数は、実際のものより少なくして図示している。
実施形態2に係る血液ポンプ110a(図示せず)は、固定側摺動部材12の摺動面14に洗浄用水路が形成されている点で実施形態1に係る血液ポンプ110と同様の構成を有するが、洗浄用水路の具体的構成が実施形態1に係る血液ポンプ110の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る血液ポンプ110aにおいては、図7に示すように、洗浄用水路62として、複数の湾曲状水路70を有するのに加えて、内周側と外周側との間の中間領域において周方向に連続する環状水路78をさらに有する洗浄用水路を有する。実施形態2に係る血液ポンプ110aにおいては、湾曲状水路70が途中で環状水路78に露出している。
このように実施形態2に係る血液ポンプ110aは、洗浄用水路の構成が実施形態1に係る血液ポンプ110の場合とは異なるが、実施形態1に係る血液ポンプ110の場合と同様に、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち少なくとも一方(固定側摺動部材12)の摺動面14に、クールシール液L1を流すための洗浄用水路が形成されていることから、摺動面の間隙52にクールシール液L1が従来よりも十分に(従来よりも多量かつ勢いよく)供給されるようになるため、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難くなる。また、摺動面の間隙52に異物が入り込んだとしても、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に回収したり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙から異物が排出され易くなる。その結果、実施形態2に係る血液ポンプ110aは、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプとなる。
また、実施形態2に係る血液ポンプ110aによれば、洗浄用水路として、複数の湾曲状水路70を有するのに加えて、内周側と外周側との間の中間領域において周方向に連続する環状水路78をさらに有する洗浄用水路62を有することから、摺動面の間隙に異物が入り込んだとしても、環状水路の働きにより、より一層強力に異物をクールシール液潤滑室に回収したり、より一層強力に血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
なお、実施形態2に係る血液ポンプ110aは、洗浄用水路の構成以外の点については実施形態1に係る血液ポンプ110の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る血液ポンプ110が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図8は、実施形態3における洗浄用水路64を説明するために示す図である。図8(a)は固定側摺動部材12bの摺動面14の全体を示す図であり、図8(b)は図8(a)の要部拡大図である。なお、図8においては、理解を容易にするために、洗浄用水路64の本数は、実際のものより少なくして図示している。
実施形態3に係る血液ポンプ110b(図示せず)は、固定側摺動部材12の摺動面14に洗浄用水路が形成されている点で実施形態1に係る血液ポンプ110と同様の構成を有するが、洗浄用水路の構成が実施形態1に係る血液ポンプ110の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る血液ポンプ110bにおいては、図8に示すように、洗浄用水路として、クールシール液循環室16に露出している流入口72と、血液ポンプ室32に露出している流出口74と、流入口72及び流出口74を連結する連結水路76とを有する複数の貫通水路80を有する。実施形態3に係る血液ポンプ110bにおいては、洗浄用水路64として、4本〜64本(例えば16本)の貫通水路80を有する。
このように実施形態3に係る血液ポンプ110bは、洗浄用水路の構成が実施形態1に係る血液ポンプ110の場合とは異なるが、実施形態1に係る血液ポンプ110の場合と同様に、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち少なくとも一方(固定側摺動部材12)の摺動面14に、クールシール液L1を流すための洗浄用水路が形成されていることから、摺動面の間隙52にクールシール液L1が従来よりも十分に(従来よりも多量かつ勢いよく)供給されるようになるため、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難くなる。また、摺動面の間隙52に異物が入り込んだとしても、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に回収したり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙から異物が排出され易くなる。その結果、実施形態3に係る血液ポンプ110bは、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプとなる。
また、実施形態3に係る血液ポンプ110bによれば、洗浄用水路として、クールシール液循環室16に露出している流入口72と、血液ポンプ室32に露出している流出口74と、流入口72及び流出口74を連結する連結水路76とを有する複数の貫通水路80を有する洗浄用水路64を有することから、流入口72から洗浄用水路にクールシール液が取り込まれるとともに、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が流出口74から血液ポンプ室に排出されるようになり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に効率良く戻すことが可能となる。また、洗浄用水路に取り込まれたクールシール液が貫通水路から摺動面の間隙を介して血液ポンプ室に排出されるようになる(図8中f参照。)ことから、このクールシール液の流れによる圧力(摺動面への浸み出し圧力)によっても洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に効率良く回収することが可能となり、また、異物の入り込みが抑制される効果(防波堤としての効果)が得られるようになる。
また、実施形態3に係る血液ポンプ110bによれば流出口74の幅Woが流入口72の幅Wiよりも狭いことから、摺動面への浸み出し圧力を高くすることが可能となり、防波堤としての効果としてより一層大きい効果が得られるようになる。
また、実施形態3に係る血液ポンプ110bによれば、洗浄用水路64として、4本〜64本の貫通水路80を有することから、多数の貫通水路を介して異物を強力に血液ポンプ室に戻すことで、摺動面の間隙からより一層効率的に異物を排出することが可能となる。
なお、実施形態3に係る血液ポンプ110bは、洗浄用水路の構成以外の点については実施形態1に係る血液ポンプ110の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る血液ポンプ110が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態4及び5]
図9は、実施形態4における洗浄用水路66を説明するために示す図である。図10は、実施形態5における洗浄用水路68を説明するために示す図である。なお、図9及び図10においては、理解を容易にするために、洗浄用水路66,68の本数は、実際のものより少なくして図示している。
実施形態4に係る血液ポンプ110c(図示せず)及び実施形態5に係る血液ポンプ110d(図示せず)は、固定側摺動部材12の摺動面14に洗浄用水路66,68(貫通水路82,84)が形成されている点で実施形態3に係る血液ポンプ110b同様の構成を有するが、貫通水路の構成が実施形態3に係る血液ポンプ110bの場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る血液ポンプ110cにおいては、図9に示すように、貫通水路として、固定側摺動部材12の中心軸から径方向に延びた直線に対して所定の角度をもって連結水路76が形成された貫通水路82が形成されている。また、実施形態5に係る血液ポンプ110dにおいては、図10に示すように、貫通水路として、連結水路76がスパイラル状に形成された貫通水路84が形成されている。
このように実施形態4に係る血液ポンプ110c及び実施形態5に係る血液ポンプ110dは、貫通水路82,84の構成が実施形態3に係る血液ポンプ110bの場合とは異なるが、実施形態3に係る血液ポンプ110bの場合と同様に、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22のうち少なくとも一方(固定側摺動部材12)の摺動面14に、クールシール液L1を流すための洗浄用水路が形成されていることから、摺動面の間隙52にクールシール液L1が従来よりも十分に(従来よりも多量かつ勢いよく)供給されるようになるため、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難くなる。また、摺動面の間隙52に異物が入り込んだとしても、洗浄用水路を介して異物をクールシール液潤滑室に回収したり、洗浄用水路を介して異物を血液ポンプ室に戻したりすることで、摺動面の間隙から異物が排出され易くなる。その結果、実施形態4に係る血液ポンプ110c及び実施形態5に係る血液ポンプ110dは、血液ポンプの軸受の摺動面の間隙に血液の血漿タンパク質などからなる異物が入り込み難く、また、そのような異物が入り込んだとしてもそのような異物が排出され易くなる結果、摺動トルクの変動し難い血液ポンプとなる。
なお、実施形態4に係る血液ポンプ110c及び実施形態5に係る血液ポンプ110dは、貫通水路の構成以外の点については実施形態3に係る血液ポンプ110bの場合と同様の構成を有するため、実施形態3に係る血液ポンプ110bが有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記した各実施形態においては、固定側摺動部材12に洗浄用水路60,62,64,66,68が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。回転側摺動部材22に洗浄用水路が形成されていてもよいし、固定側摺動部材12及び回転側摺動部材22の両方に洗浄用水路が形成されていてもよい。
(2)上記した各実施形態においては、固定側摺動部材12又は回転側摺動部材22に微振動を付与する手段を設けてもよい。これにより、異物がクールシール液循環室16又は血液ポンプ室32に排出され易くなる。固定側摺動部材12又は回転側摺動部材22に微振動を付与する手段としては、固定側摺動部材12又は回転側摺動部材22に超音波振動を付与したり、回転部の重心位置から少しずれた軸を回転軸に選び回転のバランスを若干崩したりすることなどが挙げられる。
本発明の血液ポンプは、例えば、心臓移植までの患者の生命を維持するために心臓の機能の一部を補う補助人工心臓システムに用いることができる。また、本発明の補助人工心臓システムは、心臓の機能の一部を補って心臓治療に用いることができる。
10…固定部、12…固定側摺動部材、14…摺動面、16…クールシール液循環室、18…回転シャフトの内側の空間、20…回転部、22…回転側摺動部材、24…摺動面、26…インペラ、28…回転シャフト、30…駆動部、32…血液ポンプ室、42…クールシール液入口、44…クールシール液出口、50…軸受、52…間隙、60,62,64,66,68…洗浄用水路、70…湾曲状水路、72…流入口、74…流出口、76…連結水路、78…環状水路、80,82,84…貫通水路、100…補助人工心臓システム、110…血液ポンプ、120,130…人工血管、140…ケーブル、f〜f…クールシール液の流れ、L1…クールシール液、L2…血液

Claims (13)

  1. 環状の摺動面を有する固定側摺動部材と、
    環状の摺動面を有する回転側摺動部材と、
    前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材の外周側に位置する血液ポンプ室と、
    前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材の内周側に位置するクールシール液循環室とを備え、
    前記固定側摺動部材の摺動面と前記回転側摺動部材の摺動面とを当接させた状態で、かつ、前記固定側摺動部材の摺動面と前記回転側摺動部材の摺動面との間の間隙に前記クールシール液循環室からクールシール液を供給しながら使用する血液ポンプであって、
    前記固定側摺動部材及び前記回転側摺動部材のうち少なくとも一方の摺動面には、前記クールシール液を流すための洗浄用水路が形成されていることを特徴とする血液ポンプ。
  2. 請求項1に記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路として、ともに前記クールシール液循環室に露出している流入口及び流出口と、これらの流入口及び流出口を連結する連結水路とを有する複数の湾曲状水路を有することを特徴とする血液ポンプ。
  3. 請求項2に記載の血液ポンプにおいて、
    前記湾曲状水路は、前記流入口の近傍では、前記摺動面の内周円と鈍角の角度で交差するように形成されており、前記流出口の近傍では、前記摺動面の内周円と略垂直の角度で交差するように形成されていることを特徴とする血液ポンプ。
  4. 請求項2又は3に記載の血液ポンプにおいて、
    前記流出口の幅が前記流入口の幅よりも狭いことを特徴とする血液ポンプ。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の血液ポンプにおいて、
    前記複数の洗浄用水路として、4本〜64本の湾曲状水路を有することを特徴とする血液ポンプ。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路として、前記内周側と前記外周側との間の中間領域において周方向に連続する環状水路をさらに有し、
    前記湾曲状水路が途中で前記環状水路に露出していることを特徴とする血液ポンプ。
  7. 請求項1に記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路として、前記クールシール液循環室に露出している流入口と、前記血液ポンプ室に露出している流出口と、前記流入口及び前記流出口を連結する連結水路とを有する複数の貫通水路を有することを特徴とする摺動装置。
  8. 請求項7に記載の血液ポンプにおいて、
    前記流出口の幅が前記流入口の幅よりも狭いことを特徴とする血液ポンプ。
  9. 請求項7又は8に記載の血液ポンプにおいて、
    前記複数の洗浄用水路として、4本〜64本の直線状水路を有することを特徴とする血液ポンプ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路の幅は2μm〜200μmの範囲内にあり、前記洗浄用水路の深さは0.1μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする血液ポンプ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路は、前記固定側摺動部材の摺動面に形成されていることを特徴とする血液ポンプ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の血液ポンプにおいて、
    前記洗浄用水路は、前記固定側摺動部材の摺動面及び前記回転側摺動部材の摺動面の両方に形成されていることを特徴とする血液ポンプ。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の血液ポンプと、
    クールシール液を循環させるクールシール液循環装置とを備えることを特徴とする補助人工心臓システム。
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