JP2014128328A - 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 - Google Patents

被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検体情報取得装置において、被検体情報の欠損を低減しながら、多重反射による画像劣化を軽減する。
【解決手段】 複数の振動子と、被検体と振動子との間に位置する被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材と、振動子の駆動を制御する制御手段と、各振動子が受信した受信信号を補正する信号調整手段と、を有し、補正が、部材の特性と、制御手段による振動子の駆動パターンと、複数の振動子の位置関係とに基づいて行われることを特徴とする被検体情報取得装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法に関する。
超音波診断装置は、X線による被ばくの心配がない等の理由から、被検体情報取得装置として注目されている。その用途の一つである乳がん診断(マンモグラフィー)等においては、被検体である乳房を圧迫保持した状態で診断(測定)が行われることがある。このような場合、被検体を圧迫保持する保持部材を介して測定のための超音波送受信が行われるが、保持部材と被検体との音響インピーダンスの違いに起因して、保持部材内で超音波が多重反射し、この多重反射した超音波がアーチファクトを生じるという問題があった。この問題を解決するため、特許文献1では、多重反射によるアーチファクトを含んだ画像から、多重反射した超音波によって生じたアーチファクト部分を差し引くことで、アーチファクトの低減された診断画像を得る技術が開示されている。
特開2009−82450号公報
しかしながら、特許文献1の装置で得た画像では、被検体情報が欠損する恐れがある。その理由は、受信した超音波から得た画像から、多重反射せずに受信した超音波(被検体情報を正しく反映した超音波)と、多重反射したのち受信した超音波(アーチファクト要因の超音波)とを正確に分離するのは現実には困難な為アーチファクトではない情報まで取り除いてしまう場合がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部材を介して被検体情報を取得し画像を得る(再構成する)被検体情報取得装置において、被検体情報の欠損を抑えつつ多重反射による画像劣化を軽減する事である。
上記課題を解決する本発明は、被検体に超音波を送信し、該被検体で反射した反射超音波を受信して受信信号を出力する複数の振動子と、
前記被検体と振動子との間に位置し、前記振動子が送信する超音波及び受信する反射超音波を透過する、該被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材と、
前記振動子の駆動を制御する制御手段と、
各振動子が受信した受信信号を補正する信号調整手段と、
を有し、
前記信号調整手段は、前記部材の形状と前記制御手段による前記振動子の駆動パターンと前記複数の振動子同士の位置関係とに基づいて前記受信信号を補正することを特徴とする被検体情報取得装置である。
また、上記課題を解決する別の発明は、被検体の情報を取得する情報取得方法であって、
複数の振動子と被検体との間に該被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材を介在させた状態で、該複数の振動子を所定の駆動パターンで駆動して該被検体に超音波を送信し、該被検体で反射した反射超音波を該複数の振動子で受信して受信信号を取得する工程と、
取得した受信信号を補正する工程と、を有し、
前記補正する工程は、前記部材の形状と前記駆動パターンと前記複数の振動子同士の位置関係とに基づいて行われることを特徴とする。
本発明によれば、アーチファクトを軽減しつつ、被検体情報の欠損をより低減した画像を得る事が可能になる。
本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の構成を示す模式図である。 本発明のビームフォーミング部の第一の構成を示す模式図である。 本発明のビームフォーミング部の第二の構成を示す模式図である。 本発明の実施例1の構成概略図である。 開口素子が受信する信号のパターンを示す図である。 本発明の実施例2の構成概略図である。 本発明の実施例3の構成概略図である。 実施例1の効果を表す図である。 補正パターンとゲインのかかり方を示した図である。 送信パターン、保持部材の特性、圧電素子の位置関係と、アーチファクトの関係を示す図
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は本実施形態の被検体情報取得装置の概略構成を示す図である。本実施の形態における被検体情報取得装置は、振動子である圧電素子3と、被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材である保持部材1と、信号調整手段であるビームフォーミング部5と、振動子の駆動を制御する制御手段である送信処理部4とを有する。
振動子である圧電素子3は、被検体に超音波を送信し、被検体で反射した反射超音波を受信して受信信号を出力するものである。また、保持部材1は、被検体と振動子である圧電素子3との間に位置し、振動子が送信する超音波及び受信する反射超音波を透過する部材である。制御手段である送信処理部4は、振動子である圧電素子3の駆動を制御するものである。また、信号調整手段であるビームフォーミング部5は、各振動子である圧電素子3が受信した受信信号を補正するものである。そして、信号調整手段であるビームフォーミング部5が行う補正は、被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材である保持部材1の形状と、制御手段を構成する送信処理部4による振動子の駆動パターンと、複数の振動子同士の位置関係とに基づいて行われる。これによって、アーチファクトを軽減しつつ、被検体情報の欠損をより低減した画像を得る事が可能になる。以下これについて説明する。尚、図1に示すように、以下においては、振動子である圧電素子3を複数備えた構造を探触子2として説明する。
図5(a)は複数の振動子である圧電素子が直線状に並んでいる探触子を用いて、探触子の中央部分の直下に位置する反射体から反射された反射超音波を受信した際の各圧電素子での受信タイミングを示す図である。図5(a)に示すように、探触子の中央に位置する圧電素子が最初に反射超音波を受信し、以後徐々に中央周辺の圧電素子が受信し、端部の圧電素子が最後に受信する。この受信タイミングの差は、反射体と各圧電素子との距離の差に起因して発生する。図5(b)は、この受信状況の実測データを可視化したものであり、図中の白の部分が受信された反射超音波の強い部分を示し、また図中右側ほど反射超音波が圧電素子に早く到達した(受信された)ことを意味している。一方、図5(c)は、保持部材による多重反射の信号を受信した際の実測データを可視化したものであり、図5(c)は、複数の圧電素子3を用いて超音波を送信する際に、圧電素子を駆動するタイミングをずらして、超音波ビームを探触子の中央直下にフォーカスした場合を示している。この場合、図5(c)に示すように、保持部材での多重反射による反射超音波は、最初に探触子の端部の圧電素子に到達して受信され、以後徐々に中央部の素子に向かって到達して受信される。更にそれ以降は、徐々に探触子中央周辺の圧電素子に到達して受信され、最後に探触子端部の圧電素子に到達して受信され、図5(c)に示すように、アルファベットのXのようなパターンで受信される。また、図示していないが、我々の検討の結果、複数の圧電素子を用いて超音波を送信する際に、圧電素子を駆動するタイミングを揃えて送信する場合、保持部材での多重反射による反射超音波は、最初に全圧電素子に到達して受信される。そしてそれ以降は、徐々に探触子中央部の圧電素子から端部の圧電素子へと順に到達して受信され、結果、先に説明した図5(c)に類似した、アルファベットのKのようなパターンで受信されることが判明した。
このように、被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材を介在して、超音波の送信及び反射超音波の受信を行う場合には、上記のような特定のパターンで多重反射超音波が受信されることが我々の鋭意研究から判明した。そしていずれのパターン(または類似パターン)で受信されるかは、被検体と振動子である圧電素子との間に介在する部材(本実施形態では保持部材)の形状と振動子である圧電素子の駆動パターンと複数の振動子同士の位置関係とに依存して決まることが我々の検討で判明した。具体的には、上記の通り、複数の振動子である圧電素子の超音波送信時の駆動パターンを、複数の振動子を同時に駆動するパターンでは、多重反射超音波はKパターンとなるタイミングで受信される。一方、複数の圧電素子の超音波送信時の駆動パターンを、送信された超音波が被検体内で収束するように、複数の振動子を互いに異なるタイミングで駆動するパターンでは、多重反射超音波はXパターンとなるタイミングで受信される。同様に、被検体と振動子である圧電素子との間に介在する、被検体とは異なる音響インピーダンスの部材の形状の変化、複数の振動子同士の位置関係の変化によっても、Xパターン、Kパターンがそれぞれ変化することが我々の研究で判明しており、これを図10に示す。
多重反射超音波の振動子である圧電素子での受信パターンと、被検体とは異なる音響インピーダンスの部材の形状、振動子の駆動パターン、複数の振動子同士の位置関係との関係性の詳細は不明な部分もあるが、発明者らは、これらがいずれも振動子への反射超音波の到達時間に影響を与えているためであると考えている。これについて、以下説明する。
上記、多重反射超音波の受信パターンはいずれも、各圧電素子に少なくとも2つのタイミングで多重反射超音波が到達していることが分かる。これは各圧電素子が、自ら送信した超音波の多重反射超音波と、他の圧電素子が送信した超音波の多重反射超音波を異なるタイミングで受信しているからである。この2つのタイミングは、自ら送信した超音波による多重反射超音波と他の圧電素子が送信した超音波の多重反射超音波が各圧電素子に到達する時間差によって決まり、この時間差を決める主要因が、被検体とは異なる音響インピーダンスの部材の形状、振動子の駆動パターン、複数の振動子同士の位置関係であると、発明者等は考えている。つまり、例えば、被検体とは異なる音響インピーダンスの部材の形状(例えば厚み)は、図10に示すように、厚みが厚くなるほど各多重反射超音波の部材内での往復距離の差が小さくなるため、2つのタイミングの差(時間差)が小さくなる。この結果、図10に示すように、Xパターンであれば開きの小さいXパターンになる。また振動子の駆動パターンは、図10に示すように、送信フォーカス位置が浅いほど、換言するとフォーカス位置が被検体に近いほど、振動子間での駆動タイミングの時間差が大きくなるため、結果2つのタイミングの差(時間差)も大きくなる。尚、これは、送信フォーカス位置が深くなると、平面波送信(複数振動子を同時に駆動するパターン)に類似してくることからも理解できる。また、複数の振動子同士の位置関係は、図10に示すように、隣り合う振動子である圧電素子の間隔が大きいほど、または隣り合う振動子間のピッチが大きいほど、各多重反射超音波の部材内での往復距離の差が大きくなるため、2つのタイミングの差(時間差)も大きくなる。よって、これら知見に基づいて振動子が出力する受信信号を補正することで、効率的且つより正確にノイズ要因を補正する(ノイズ領域のみを補正する)ことが出来るため、アーチファクトを軽減しつつ、被検体情報の欠損をより低減した画像を得る事が可能になる。
次に、具体的な補正内容について図9を用いて説明する。
図9(a)は、上述のXパターンの多重反射超音波を受信した際の補正を説明する図であり、図9(b)、図9(c)は、それぞれ時刻t1、t2における、各受信信号に対するゲイン補正を示した図である。図9(b)に示すように、時刻t1においては、中央部の振動子で受信した反射超音波による受信信号に対して行うゲイン補正が、端部(開口端部)の振動子で受信した反射超音波による受信信号に対して行うゲイン補正より小さくなる(ゲイン値が小さくなる)ように補正する。一方、時刻t2においては、中央部の振動子で受信した反射超音波による受信信号に対して行うゲイン補正が、端部(開口端部)の振動子で受信した反射超音波による受信信号に対して行うゲイン補正より大きくなる(ゲイン値が大きくなる)ように補正する。このように各時刻において、被検体とは異なる音響インピーダンスの部材の形状、振動子の駆動パターン、複数の振動子同士の位置関係に基づいて得られた多重反射超音波の形状パターンに対応する補正パターンで補正することで、アーチファクトを効率よく且つ正確に低減できる。尚、図9(d)に示すKパターンにおいても、図9(d)に示すように時刻t1を設定する(中央の振動子に多重反射超音波が到達する時刻に設定する)ことで、図9(b)、9(c)に示す補正を行って、アーチファクトを低減できる。尚、いずれのパターンも中央部にアーチファクトが存在しているので、図9(e)に示すように、時刻t1〜t3の間に、図9(b)に示す補正を行うことでも、十分アーチファクトを低減できる。
次に、本実施形態の被検体情報取得装置の各構成について、図1〜4を用いて順に説明する。
図1に示す、被検体を保持する保持部材1、圧電素子3を複数備える探触子2、圧電素子の超音波送信時の駆動を制御する送信処理部4、圧電素子から出力された受信信号を補正するビームフォーミング部5については上述の通りである。図1に示す本実施形態の被検体情報取得装置は、好ましい形態として、更にビームフォーミング部5で補正した受信信号にLOG圧縮等の画像調整を行う画像処理部6と、得られた画像データを表示する画像表示部7と、ビームフォーミング部5で行う補正について、補正パターンを予め記憶するメモリ8とを備える。次に、各構成の動作について説明する。
送信処理部4は、任意の位置に送信ビームをフォーカスする為に、送信開口を形成する各圧電素子3の群を駆動する際の駆動遅延時間を決定する。その遅延時間を基に送信処理部4から各圧電素子3に対して電気信号を送る。各圧電素子3は電気信号を受けると超音波を発生し、保持部材1を介して被検体に超音波を照射する。このため保持部材1は超音波を通過させる必要があり、また被検体と保持部材1の界面での超音波の反射を抑える材料が好ましい。具体的には、被検体9との音響インピーダンスの差が小さい材料が好ましい。例えば、ポリメチルペンテンなどの樹脂材料が好ましい。また保持部材1の厚みについては、超音波が保持部材1を通過する際の減衰を考慮し、より薄いものが好ましいが、被検体を保持する際の部材の変形を抑えるため、適当な厚さが必要であり、5mm〜10mm程度が好ましい。
このようにして被検体に向かって送信された超音波は、被検体によって反射され、反射超音波として圧電素子3に戻ってくる。このうち受信開口を形成する複数の圧電素子3の群において受信された反射超音波は、電気信号に変換され受信信号として取得される。そして受信信号は、ビームフォーミング部5において補正(信号処理)される。
図2〜図4はビームフォーミング部5の構成と、各構成によってなされる信号処理状態を示している。図中、10は各圧電素子3が受信した反射超音波に基づく受信信号の位相を揃える整相遅延部である。また11は遅延された各受信信号を重みづけして補正する素子重み調整部であり、多重反射超音波に基づく信号成分を低減または除去する。12は補正された受信信号を合計する加算部である。また13は加算された信号にヒルベルト変換を施すヒルベルト変換部であり、14は検波する為の直交検波部である。
整相遅延部10では、送信された超音波を反射した位置(深さ)の情報を元に受信信号の遅延時間を決定し、各受信信号に対して遅延処理を行う。この遅延時間は探触子2を構成する各圧電素子3の構造や被検体の音響特性のみならず、保持部材1の厚みや音響特性なども考慮して決定する。
遅延処理された受信信号は素子重み調整部11において、上述の通り保持部材1の特性、圧電素子の駆動パターン、及び圧電素子の位置関係によって予め決められた重みを付加された補正値を用いて補正される。なお、この補正値のパターン(以下、重みパターンという場合有)は、受信時間毎に時系列的に設定され、メモリ8に記録される。図2及び図4はXパターン補正、図3はKパターン補正の例を示しており、これら補正値のパターンについては上述の通り故、説明を省略する。
補正された(重みを調整された)各受信信号は、加算部12にて合計される。その後、合成信号はヒルベルト変換部13と直交検波部14においてヒルベルト変換と直交検波がなされる。なお、ここでのビームフォーミング部5の処理の手法は、一般的な超音波診断装置で使用される整相加算処理の手法を記載しているが、適応型信号処理などの手法も有効である。
これらの処理を経たデータは、図1に示すように画像処理部6においてLOG圧縮される。圧縮後のデータは画像表示部7にて表示される。画像表示部7としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FEDなどを利用することができる。
尚、素子重み調整部11による代表的な補正パターン(重みパターン)は、上述の図9の(b),(c)に示されたような複数の圧電素子のうちの両端部(開口両端部)よりも中央部の重みが小さいか、開口中央部と両端部がそれ以外よりも重みが大きいパターンになる。尚、素子重み調整部11は一般的な超音波装置における開口制御処理とアポダイゼーション処理にも使用できる。しかし、深さ毎の解像度を均一化する開口制御処理と、サイドローブレベルを抑える為の一般的アポダイゼーション処理では、開口中央部のみを両端部の重みより大きくする補正を使用しており、本発明とは異なる処理である。
上述の通り、Xパターン、Kパターンに代表される多重反射を抑制する補正パターンは、送信処理部によって設定される送信パターン、開口を構成する複数の圧電素子3の数、ピッチに代表される圧電素子3の関係性、及び厚み、音速、たわみ形状等の保持部材の形状(特性)情報によって変化する。しかし条件が決まれば、計算によって(あるいは実験によって)正確に算出される、再現性の高い現象である。因みに計算によって多重反射超音波の受信パターン(補正パターン)を再現する手法としては、数値解析プログラムを使用するのが好ましい。超音波波形の送受信を再現するシミュレーションソフトを用い、上記の圧電素子の関係性等を設定する事で、多重反射信号の受信タイミング(補正パターン)を求める事が出来る。
また、多重反射超音波の受信タイミングを算出する際に、上記のように計算するのではなく、実験によって多重反射超音波パターンを計測し、補正パターンを設定する事も効果的である。この際、被検体を保持しない状況にて計測するのが好ましい。なぜなら、空気と保持部材の音響インピーダンス差は大きい為、多重反射超音波をより顕著に把握する事が可能だからである。
以上、本実施形態では、素子重み調整部11で補正することで、予測される多重反射超音波を低減、除去し、被検体からの信号を欠損すること無く、多重反射超音波による画像の劣化を低減する事が可能となる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
本実施例の被検体情報取得装置のシステム概略図を図1及び図4に示す。
探触子2としては128chのリニアプローブを使用した。また、圧電素子3は中心周波数が6MHzであるピエゾ素子(PZT)を用いた。被検体を保持する保持部材には、厚さ7mmのポリメチルペンテンからなる樹脂の平板を用いた。送信処理部4により、目標フォーカス位置に送信ビームを形成する電気信号が圧電素子3に送られることで超音波を発生し、被検体へと送信(伝播)される。伝播された超音波は被検体によって反射・散乱されて反射超音波として受信開口を形成する複数の圧電素子3に、保持部材1を介して受信される。なお、本実施例では32個の圧電素子3の群によって受信開口を形成している為、走査ライン上の画像データはこの32個の圧電素子による受信信号から得られる。そしてこの受信信号は、ビームフォーミング部に送られ、信号処理(補正)される。
信号処理(補正)された受信信号は画像処理部6に送られ、LOG圧縮処理を施される。以上の工程で作成されたデータはLCDをはじめとする画像表示部7に送られ、画像が表示される。なお、本実施例では画像表示部7としてLCDを用いた。
(ビームフォーミング部の動作)
ビームフォーミング部内の補正を含む信号処理の工程について図1及び図4を用いて説明する。開口を形成する32個の圧電素子3から受信した電気信号(受信信号)は、整相遅延部10において、遅延処理が行われる。ここでは各受信信号は深さ情報から算出される遅延時間を基に遅延処理を施される。その後、素子重み調整部11に送られ、受信時間毎に特定の信号を0にする補正処理を行った。この0にするタイミングは、予め被検体を設置しない状況において、様々なパターン(送信開口数、フォーカス位置)で超音波をテスト送信した際に取得した多重反射超音波信号を基に、保持部材の厚さを考慮して設定した補正パターンを作成し、図1記載のメモリ008に保存した。
補正(重み調整)された各受信信号は、加算部12において合計された後、ゲイン補正部15による補正によって変動した出力値(ゲイン変化)が、補正を行わない時に等しくなるように調整した。つまり、素子重み調整部11において10素子分の信号を0にした場合は、32/(32−10)=1.45倍のゲイン調整を行う。その後、ヒルベルト変換部13と直交検波部14に送られる。
以上のシステムを実際に使用し、素子重み調整部11とゲイン調整部15の両方の処理を使用した場合と、両方の処理をしなかった場合とを比較した。尚、測定は、超音波画像診断装置にて画像確認用に一般的に使用される超音波ファントムのワイヤーターゲットを用いた。補正パターンとしては、開口中央部10素子分を1μ秒の間、信号レベルを0にするパターンに設定した(図9(b))。また、ゲイン調整部では1.45倍のゲイン調整を行った。図8の(a)に補正(重み調整)を行わなかった画像、図8(b)に補正(重み調整)を行った画像を提示する。
まず、補正を行わない場合では、保持部材1の多重反射が横筋としてくっきり表示された。それに対して、補正を行った場合は、多重反射成分はほぼ目立たない程度にまで軽減する事が出来た。
実施例1では補正パターンを固定した場合を示したが、本実施例では探触子2の座標の変化に対応して補正パターンを変化させる場合を、図6を用いて説明する。
実施例2が実施例1と異なる点は、探触子2を任意の位置に移動(走査)させることが出来、補正パターンを探触子2の位置に対応して選択する点である。
走査手段である可動システム部16はステッピングモータとボールねじを組み合わせ、保持部材表面に沿って水平方向(紙面奥行き方向)に探触子2が駆動できるように設置した。尚、駆動系に関しては、リニアモータ等の移動量を調整できるものであれば構わない。
振動子である圧電素子3の位置を検知するための検知手段である、探触子位置情報検出部17では、探触子2の位置を検出している。本実施例では接触センサを用いて探触子2の原点位置設定を行い、ステッピングモータの駆動数を取得して原点からの変位量を算出する計算機を使用した。
メモリ8には、探触子2の位置によって、保持部材1の音響特性のバラつきや、厚み、たわみなどの構造特性が異なっており、これに基づく多重反射超音波の受信状況が変化する事に対応するため、複数の補正パターンを記録している。本実施例では、保持部材1内を16のエリアに分割し、各エリアにおいて代表される多重反射超音波パターンに基づき、補正パターンをそれぞれ作成しメモリ8に記録している。尚、本実施例では16パターンであるが、メモリ8の容量に余裕がある場合は、さらに細かく設定するとより有効である。選択部18では、探触子2の位置情報に対応した補正パターンをメモリ8から呼び出し、素子重み調整部11での各補正パターンに適用する。
補正パターンを固定した場合は、探触子2の位置のよっては多重反射によるムラが残る場合があった。それに対し、本実施例のように補正パターンを変化させた場合は、探触子2の位置が変化した場合でも、多重反射のムラをより軽減出来る事が確認出来た。
本実施例を図7を用いて説明する。
(装置の構成)
本実施例の被検体情報取得装置は、保持部材1を設けず(保持部材1を介在することなく)被検体に超音波送受信を行う例である。
(装置の動作)
本実施例においては、圧電素子3から送信(伝播)される超音波は、保持部材を介在させない状態で、整合層や音響レンズなどの複数の層を通過した後、被検体9に到達する。この場合、わずかではあるが、整合層や音響レンズ等の各層での多重反射超音波による受信信号が画像に重畳されてしまう。本実施例では、様々なパターン(送信開口、フォーカス位置)で超音波をテスト送信した際に、被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材である整合層や音響レンズでの多重反射超音波信号を基に設定した補正パターンを作成した。具体的には、実施例1のように保持部材を介した超音波送受信時よりも、比較的浅い位置(時間的に短い時点)で多重反射超音波が受信される傾向が確認できたので、実施例1と同様に、図9(b)の補正を、0.5μsの間適用した。なお、探触子2の種類や音響レンズの形状、送信パターンによって、多重反射の受信パターンは異なる為、図9(b)の補正パターンに限らず、図9(a)の補正パターン(XパターンやKパターン)を利用する事も効果的である。
本実施例においても、素子重み調整部11による補正を行った場合、補正を行わなかった場合に比べて画像に重畳される多重反射成分が軽減されている事が確認できた。
尚、上述の実施例においては、図9(b)の補正パターンによる補正を行ったが、探触子2の種類や音響レンズの形状、送信パターンによって、多重反射の受信パターンは異なる為、図9(a)の補正パターン(XパターンやKパターン)を利用する事も効果的である。
1 保持部材
2 探触子
3 圧電素子
4 送信処理部
5 ビームフォーミング部
6 画像処理部
7 画像表示部
8 メモリ
11 素子重み調整部
16 可動システム
17 探触子位置情報検出部

Claims (12)

  1. 被検体に超音波を送信し、該被検体で反射した反射超音波を受信して受信信号を出力する複数の振動子と、
    前記被検体と振動子との間に位置し、前記振動子が送信する超音波及び受信する反射超音波を透過する、該被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材と、
    前記振動子の駆動を制御する制御手段と、
    各振動子が受信した受信信号を補正する信号調整手段と、
    を有し、
    前記信号調整手段は、前記部材の形状と前記制御手段による前記振動子の駆動パターンと前記複数の振動子同士の位置関係とに基づいて前記受信信号を補正することを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記部材の形状が、前記部材の厚みであることを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記駆動パターンが、前記複数の振動子を同時の駆動するパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記駆動パターンが、前記送信された超音波が前記被検体内で収束するように、前記複数の振動子を互いに異なるタイミングで駆動するパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記複数の振動子同士の位置関係が、隣り合う振動子の間隔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記複数の振動子同士の位置関係が、前記受信信号を出力する振動子の数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記信号調整手段は、前記受信信号を補正することよって生じる受信信号のゲイン変化を補正するゲイン補正部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記部材が、前記被検体を保持する保持部材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記部材が、音響レンズであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記保持部材が、光を透過することを特徴とする請求項8に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記複数の振動子を前記保持部材表面に沿って走査させる走査手段と、該振動子の位置を検知する検知手段とを更に有することを特徴とする請求項8または10に記載の被検体情報取得装置。
  12. 被検体の情報を取得する情報取得方法であって、
    複数の振動子と被検体との間に該被検体とは異なる音響インピーダンスを有する部材を介在させた状態で、該複数の振動子を駆動して該被検体に超音波を送信し、該被検体で反射した反射超音波を該複数の振動子で受信して受信信号を取得する工程と、
    取得した受信信号を補正する工程と、を有し、
    前記補正する工程は、前記部材の形状と前記振動子の駆動パターンと前記複数の振動子同士の位置関係とに基づいて行われることを特徴とする被検体情報の取得方法。
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