JP2014127698A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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宏之 中西
Atsushi Ono
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Abstract

【課題】面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させた積層体を裏面研磨する際の割れを防止できると共に、チップ化のためのダイシング時にウエハの裏面チッピングが発生することを防止できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、シリコン基板1の面取りされた周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2を研磨で除去することにより、シリコン基板1の側面1BにGaN系半導体膜2が被さっていない状態にする。この後に、シリコン基板1の裏面1Cを研磨することにより、シリコン基板1の裏面研磨中にGaN系半導体膜2が研削されないようにすることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、シリコン基板上にGaN系半導体膜を形成する半導体装置の製造方法に関する。
バンドギャップが大きく、ヘテロ接合による高い電子濃度を実現し得るGaN系パワーデバイスが注目されている。
このようなGaN系パワーデバイスの製造方法において、特許文献1(特開2011−71180号公報)では、GaN系デバイスを作製するためのGaN基板に対して、ウエハ周辺のエッジ部に対して特定方向の面取りを行うことで割れや欠けを防止することが提案されている。
また、特許文献2(特開2004−319951号公報)では、GaN基板のエッジ部に対するベベリング(面取り)を行うことにより、割れや欠けを防止することが提案されている。
特開2011−71180号公報 特開2004−319951号公報
本発明者らは、GaN系デバイスとして安価なSi基板を用いたGaN系パワーデバイスの開発に携わっている。
シリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させたウエハをパワーデバイスに適用する場合には、大電流,高電圧を印加することから、シリコン基板を薄くして、放熱性を上げる必要がある。
ところが、本発明者らは、シリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させて半導体素子を形成し、薄型化のためにシリコン基板の裏面から研削,研磨を行ったところ、この研削,研磨中に上記シリコン基板とGaN系半導体膜とを有する積層体がエッジ部から割れてしまう現象が多発する問題に直面した。
本発明者らが、この割れの原因を調査したところ、次の様なことが判明した。
まず、図10Aの断面図に示すように、シリコン基板101の周辺部101Aを面取りして、割れ,欠けを回避することがなされているが、このシリコン基板101の面取りされている周辺部101Aの表面側から裏面101C側にまでGaN系半導体膜102のGaN膜周縁部102Aが回り込んでしまっていることを見出した。
次に、図10Bの断面図に示すように、シリコン基板101の裏面101Cから研削,研磨して行く際に、研磨面101Dが周辺部101Aから回り込んだGaN膜周縁部102Aに達すると、GaN膜周縁部102Aやシリコン基板101の一部に欠けが生じ、研削,研磨中に発生するGaN膜のかけらや応力の影響により、上記欠けからウエハの割れが発生していることが判明した。
特に、シリコン基板とGaN系半導体膜との組み合わせでは、例えば、Siの熱膨張係数は2.4×10−6(1/K)であるのに対して、GaNの熱膨張係数は5.59×10−6(1/K)である。すなわち、上記シリコン基板とGaN系半導体膜との間には、熱膨張率に大きな差が存在する。このため、シリコン基板上にMOCVDを用いて1000〜1300℃の高温でGaN系半導体膜を形成した場合、温度低下時のGaN系半導体膜の収縮量がシリコン基板の収縮量の2倍以上になって、シリコン基板とGaN系半導体膜の積層体は下に凸となる反りを持ったものになる。また、Siの格子定数は3.18Åであるのに対して、GaNの格子定数は5.43Åであり、大きな格子歪を有することになる。このように、両者の間の熱膨張係数の相違によりウエハの反りが生じやすいことに加えて、両者間の格子定数の相違に起因する比較的大きな格子歪が生じることから、シリコン基板101の裏面研磨中にクラックが生じやすくなっていると考えられる。
図10Cは、上記シリコン基板101の裏面101Cを研削,研磨して行く際に、GaN膜周縁部102Aやシリコン基板101の一部に深いクラック105が生じた様子を示す電子顕微鏡写真である。
また、上記ウエハを研削,研磨してから、上記シリコン基板101の面取りされた周辺部101AにGaN膜周縁部102Aが残ったままの状態で、チップ化するためにステップカット方式でダイシングを行うと、硬いGaN膜の破片で2軸目の幅の狭いブレードが目詰まりし、ブレードの切れ味が悪くなり、シリコン基板101の裏面101Cに細かい欠け(裏面チッピング)が多く発生することも判明した。
そこで、この発明の課題は、面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させた積層体を裏面研磨する際の割れを防止できると共に、チップ化のためのダイシング時にウエハの裏面チッピングが発生することを防止できる半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の半導体装置の製造方法は、
面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させ、
上記シリコン基板上に上記GaN系半導体膜を含む半導体素子を形成し、
上記シリコン基板の面取りされた周辺部上に形成された上記GaN系半導体膜を研磨で除去してから、
上記シリコン基板の裏面を研磨することを特徴としている。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記シリコン基板は、Geがドープされている。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記GaN系半導体膜がエピタキシャル成長されて上記半導体素子が形成されたシリコン基板を回転ステージ上に載置し、
上記回転ステージを回転させて上記シリコン基板を回転させた状態で、表面が上記GaN系半導体膜に接触する研磨テープと、この研磨テープを裏面側から上記シリコン基板側に押圧する研磨ヘッド部とを有するグラインダを用いて、上記シリコン基板の上記周辺部上に形成された上記GaN系半導体膜を除去し、
上記研磨ヘッド部が上記研磨テープを押圧する方向は、研磨中、任意の方向に変更可能になっている。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記シリコン基板の裏面を研磨した後、
上記GaN系半導体膜およびシリコン基板をステップカット方式でダイシングして半導体素子が形成された複数の半導体チップを切り出す。
この発明の半導体装置の製造方法は、面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させ、このシリコン基板上にGaN系半導体膜を含む半導体素子を形成し、シリコン基板の面取りされた周辺部上に形成された上記GaN系半導体膜を研磨で除去してから、シリコン基板の裏面を研磨するので、面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させた積層体を裏面研磨する際の割れを防止できると共に、チップ化のためのダイシング時にウエハの裏面チッピングが発生することを防止できる。
この発明の半導体装置の製造方法の一実施形態で用いるシリコン基板とGaN系半導体膜の積層体の模式断面図である。 図1の状態の積層体の周辺部をグラインダで研磨した後の状態を示す模式断面図である。 図2の状態の積層体のシリコン基板の裏面を研磨した状態を示す模式断面図である。 図1の状態の積層体の周辺部をグラインダで研磨する様子を示す模式断面図である。 図3の状態の積層体をステップカット方式でダイシングして得た半導体チップの断面写真である。 比較例の積層体をステップカット方式でダイシングして得た半導体チップの側面の断面写真である。 図3の状態の積層体をステップカット方式でダイシングした後のシリコン基板の裏面写真である。 上記比較例の積層体をステップカット方式でダイシングした後のシリコン基板の裏面写真である。 上記実施形態で作製する半導体素子の一例のGaN系FETの断面図である。 シリコン基板上に形成されたGaN系半導体膜の周縁部がシリコン基板の周辺部の表面側から裏面側に達している様子を示す模式断面図である。 上記シリコン基板の裏面から研削,研磨して行く際に研磨面が周辺部の表面側から裏面側に回り込んだGaN膜周縁部に達している様子を示す模式断面図である。 上記シリコン基板の裏面を研削,研磨して行く際にGaN膜周縁部やシリコン基板の一部に深いクラックが生じた様子を示す電子顕微鏡写真である。 比較例の積層体の裏面を研磨した時に発生した割れの状態を示す写真である。 図3の状態の積層体をステップカット方式でダイシングした後の周辺部の状態を示す電子顕微鏡写真である。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
この実施形態の半導体装置の製造方法では、まず、図1に示すように、面取りされて角がとれた周辺部1Aを有するシリコン基板1上に、例えばMOCVD(有機金属気相成長)法)でGaN系半導体膜2をエピタキシャル成長させる。上記シリコン基板1の厚さは、周辺部1A以外の部分で、一例として、500μm〜700μm程度である。また、上記GaN系半導体膜2の膜厚は、シリコン基板1の周辺部1A以外の部分上で、一例として、5μm〜10μm程度である。
次に、上記シリコン基板1上にGaN系半導体膜2を含む半導体素子を作製する。
図9を参照して、上記半導体素子の具体的一例としてのGaN系FET(電界効果トランジスタ)を作製する工程について説明する。
上記GaN系半導体膜2は、図9に示すように、シリコン基板1上に形成されたアンドープAlGaNバッファ層92と、このアンドープAlGaNバッファ層92上に形成されたアンドープGaNチャネル層93と、このアンドープGaNチャネル層93上に形成されたアンドープAlGaNバリア層94とからなっている。
ここで、上記シリコン基板1は、反りを抑制するためにB(ホウ素)‐Ge(ゲルマニウム)を1019(cm−3)台の密度でコドープを行ったものを用いている。このようにコドープを行ったシリコン基板1は、硬度が高くなっており、非常に研磨し難いものである。
なお、図9において、符号99は、AlGaNバリア層94とGaNチャネル層93との界面に形成される2次元電子ガスを示している。
まず、上記AlGaNバリア層94上に、ソース電極95ドレイン電極96およびゲート電極98を形成する。このソース電極95とドレイン電極96とゲート電極98の製造方法は、特に限定されず、例えば蒸着等の公知の方法を使用する。また、上記ソース電極95とドレイン電極96との間隔およびゲート電極98の位置などは、電界効果トランジスタの所望する性能に応じて調整する。上記ソース電極95とドレイン電極96の材料としては、Ti/AlやHf/Al/Auなどが用いられる。また、ゲート電極98の材料としては、WNやTiNなどのショットキー障壁が形成されるものが用いられる。
次に、上記AlGaNバリア層94上に、プラズマCVD等の公知の方法でSiNからなる絶縁膜97を形成する。なお、ソース電極95,ドレイン電極96,ゲート電極98を形成する前に絶縁膜97を形成してもよい。
こうして製造されたGaN系FETは、チャネル層93とバリア層94との間に2次元電子ガス99が形成されており、上記ゲート電極98に電圧を印加することによりチャネル層93を制御することで、オンオフされる。このGaN系FETでは、ゲート電極98に負電圧が印加されているときにゲート電極98下のGaNチャネル層93に空乏層が形成されてオフ状態となる一方、ゲート電極98の電圧が零のときにゲート電極98下のGaNチャネル層93に空乏層がなくなってオン状態となるノーマリオンタイプのトランジスタである。
なお、この具体的一例では、GaN系FETをノーマリオンタイプのトランジスタとして説明したが、ゲート電極の下にメサ構造のp型GaN層を設けて、ゲート電極下には2次元電子ガスが生じないようにしたノーマリオフタイプのトランジスタとしてもよい。
このようなGaN系FETは、例えば、600Vを超える高電圧で、5A〜60Aの電流を流すスイッチング素子として用いることを想定している。したがって、FETのジャンクションからの発熱を如何にして逃がすかということがデバイス設計上で非常に重要になる。
また、上記シリコン基板1へGaN系半導体膜2をエピタキシャル成長させることは、安価に製造できる利点があるものの、シリコン基板1とGaN系半導体膜2との間の熱膨張係数の相違によりウエハの反りが生じやすい。このウエハの反りを抑えるために、例えば、6インチのシリコン基板では、通常のLSI工場での製造装置とのマッチングも考慮して、625μmの基板厚さを採用している。このシリコン基板上に形成するGaN系半導体膜の膜厚は、高々5〜10μm程度である。このため、放熱特性の向上のために、後述するようにシリコン基板1の裏面を研磨して厚さを薄くすることがなされる。
次に、図4に示すように、上記半導体素子が形成されたシリコン基板1を回転ステージ51上に載置し、この回転ステージ51を図4の矢印Xの方向に回転中心軸Jの周りに回転させて、シリコン基板1を回転させる。この回転ステージ51の回転速度は、一例として、1°/秒〜6°/秒の範囲内の予め定められた値に設定される。なお、上記回転ステージ51には、多数の吸着用の孔が設けられており、シリコン基板1の裏面と接触させて、シリコン基板1を吸着固定させている。なお、図4において、上記ソース電極95ドレイン電極96、ゲート電極98および絶縁膜97は図示していない。
次に、上記回転ステージ51を回転ながら、つまり、シリコン基板1を回転させながら、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の部分を、例えばグラインダ52を用いて、研磨で除去する。
上記グラインダ52は、表面がGaN系半導体膜2に接触する研磨テープ52Aと、この研磨テープ52Aを裏面側からシリコン基板1側に押圧する研磨ヘッド部52Bとを有している。
上記研磨テープ52Aは裏面側から研磨ヘッド部52Bに押圧されて、この研磨テープ52Aの表面が、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の環状部分に接触する。上記研磨テープ52Aの表面には研磨材が形成されている。また、上記研磨テープ52Aは、研磨中、駆動装置(図示せず)によって、矢印Uの方向に動くようになっている。
上記研磨ヘッド部52Bが研磨テープ52Aを押圧する方向は、研磨中、任意の方向に変更可能になっている。また、上記研磨ヘッド部52Bは矢印Lの方向に回転可能になっている。
このような研磨テープ52Aが矢印Uの方向に動き、かつ、研磨ヘッド部52Bが矢印Wの方向に動くことで、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の環状部分は徐々に除去されてゆく。このとき、上記GaN系半導体膜2において除去される環状部分の半径方向の寸法は、一例として、約0.2mmである。
図2に、上記シリコン基板1と、上記環状部分が研磨で除去されたGaN系半導体膜2とを有する積層体31の模式断面を示す。
次に、図3に示すように、上記シリコン基板1の裏面1Cを研磨する。この研磨では、一例として、粒度360のダイヤモンド砥石で荒研磨した後、粒度2000のダイヤモンド砥石で仕上げを行って、シリコン基板1を100μm〜300μmの厚さ(例えば240μm)まで薄くした。
このように、シリコン基板1の側面1BにGaN系半導体膜2が被さっていない状態にした後に、シリコン基板1の裏面1Cを研磨することにより、シリコン基板1の裏面研磨中にGaN系半導体膜2が研削されないようにすることができる。したがって、シリコン基板1の裏面研磨中に硬いGaN系半導体膜2が研削されることを回避して、裏面研磨中にシリコン基板1に発生する応力を低減でき、シリコン基板1にクラックが生じないようにして、ウエハ(積層体31)の割れを防止できる。
次に、上記シリコン基板1とGaN系半導体膜2の積層体31を、ステップカット方式でダイシングして上記半導体素子が形成された複数の半導体チップを切り出す。このステップカット方式のダイシングでは、例えば、幅40μmの1軸目のダイシングブレードを使用して、上記積層体31の表面から140μmの深さまで切れ込みを入れた後、2軸目の幅35μmのダイシングブレードを使用してフルカットを行った。
図5は、上記ステップカット方式でダイシングした後の半導体チップの側面を撮影した写真である。図5の符号55は、1軸目の幅広のダイシングプレートによる切れ込みと2軸目の幅狭のダイシングプレートによる切れ込みとの境界に形成された段差である。
図12は、上記ステップカット方式でダイシングした後の周辺部1Aの状態を示す電子顕微鏡写真である。
図5,図12に示すように、上記シリコン基板1の側面1BにGaN系半導体膜2が被さっていないので、チップ化のためのステップカット方式のダイシング時に2軸目の幅の狭いダイシングブレードがGaN系半導体膜2を切削することがなくなる。これにより、硬いGaN膜の破片で2軸目の幅の狭いダイシングブレードが目詰まりする現象が解消されるので、ダイシングブレードの切れ味低下を回避でき、シリコン基板1の裏面1Cに細かい欠け(裏面チッピング)が発生することを防止できる。
図7は、上記実施形態における上記ステップカット方式のダイシング後のシリコン基板1の裏面1Cを撮影した写真である。この実施形態ではダイシング後のシリコン基板1の裏面1Cに細かい欠け(裏面チッピング)が発生していない。
一方、上記実施形態に対する比較例では、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の環状部分(外周縁部)を研磨で除去する工程を行わない。したがって、この比較例では、上記シリコン基板1の周辺部1A上にGaN系半導体膜2が形成された状態で、シリコン基板1の裏面研磨とその後のチップ化のためのステップカット方式のダイシングを行う。上記比較例では、図8(ステップカット方式のダイシング後のシリコン基板1の裏面1Cを撮影した写真)に示すように、シリコン基板1の裏面1Cに細かい欠け(裏面チッピング)82が発生している。
図6は、上記比較例におけるステップカット方式のダイシング後の半導体チップの側面を撮影した写真である。図6に示すように、上記比較例では、シリコン基板1の周辺部1A上にGaN系半導体膜2が存在している状態でチップ化のためのステップカット方式のダイシングを行うので、2軸目の幅の狭いダイシングブレードがシリコン基板1の周辺部1A上のGaN系半導体膜2を切削することになる。よって、この比較例では、硬いGaN膜の破片で2軸目の幅の狭いダイシングブレードが目詰まりする現象が生じて、ダイシングブレードの切れ味が低下し、シリコン基板1の裏面1Cに細かい欠け(裏面チッピング)82が発生することとなる。
一例として、上記シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の環状部分を研磨して除去する工程を行わない比較例では、10枚のウエハのうちの8枚のウエハに、図11に示すように、ウエハ輪郭(円弧)のエッジ部31Aから割れが発生した。また、残り2枚のウエハに対してステップカット方式のダイシングを行ったところ、図8に示すような50μm以上のチッピング(欠け)が生じた。
これに対して、本実施形態によれば、上述の如く、上記シリコン基板1の面取りされた周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2を予め研磨で除去して、シリコン基板1の側面1BにGaN系半導体膜2が被さっていない状態にしてから、裏面研磨およびチップ化のためのダイシングを行っている。
したがって、本実施形態では、一例として、10枚のウエハのうちウエハの割れが発生したのは0枚でウエハの割れは発生しなかった。また、その後、上記10枚のウエハに対してステップカット方式のダイシングを行ったところ、裏面チッピング量は30μm未満であり、素子特性上問題の無いレベルであった。
上記実施形態において、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2の環状部分を研磨で除去する際、GaN系半導体膜2の環状部分のみを研磨で除去するようにしてもよいし、シリコン基板1の周辺部1Aの少なくとも一部とGaN系半導体膜2の環状部分とを研磨で除去するようにしてもよい。
尚、この発明の製造方法におけるGaN系半導体膜は、AlInGa1−x−yN(x≧0、y≧0、0≦x+y<1)で表されるGaN系半導体層を含むものでもよい。すなわち、この発明の製造方法におけるGaN系半導体膜は、AlGaN、GaN、InGaN等を含むものとしてもよい。
また、この発明で製造するGaN系半導体素子は、上記実施形態のHFETに限らず、絶縁ゲート構造等の他の構造の電界効果トランジスタであってもよく、GaN系ダイオードでもよい。
この発明および実施形態を纏めると、次のようになる。
この発明の半導体装置の製造方法は、
面取りされた周辺部1Aを有するシリコン基板1上にGaN系半導体膜2をエピタキシャル成長させ、
上記シリコン基板1上に上記GaN系半導体膜2を含む半導体素子を形成し、
上記シリコン基板1の面取りされた周辺部1A上に形成された上記GaN系半導体膜2を研磨で除去してから、
上記シリコン基板1の裏面1Cを研磨することを特徴としている。
この発明の半導体装置の製造方法によれば、上記シリコン基板1の面取りされた周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2を研磨で除去することにより、このGaN系半導体膜2をシリコン基板1の周辺部1Aの表面側から裏面1C側にまで回り込んでいない状態に修正できる。この状態にした後に、上記シリコン基板1の裏面1Cを研磨することにより、シリコン基板1の裏面1Cの研磨中にGaN系半導体膜2が研削されないようにすることができるので、ウエハ31の割れを防止できる。
また、上記GaN系半導体膜2をシリコン基板1の周辺部1Aの表面側から裏面1C側にまで回り込んでいない状態に修正できるので、チップ化のためのステップカット方式のダイシング時に2軸目の幅の狭いブレードがGaN系半導体膜2を切削しないようにすることができる。したがって、上記GaN系半導体膜2の破片で2軸目の幅の狭いブレードが目詰まりする現象が解消されるので、この幅の狭いブレードの切れ味が低下するのを回避でき、シリコン基板1の裏面1Cに細かい欠け(裏面チッピング82)が発生するのを防止できる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記シリコン基板1は、Geがドープされている。
この実施形態の半導体装置の製造方法によれば、Geがドープされて硬度が高くなり割れやすくなったシリコン基板1の裏面研磨時の割れやダイシング時の裏面チッピング82の発生を防止できる。
なお、上記シリコン基板1へのGeドープは、シリコン基板1上にGaN系半導体膜2をエピタキシャル成長させた積層体31の反りを低減するために行われる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記GaN系半導体膜2がエピタキシャル成長されて上記半導体素子が形成されたシリコン基板1を回転ステージ51上に載置し、
上記回転ステージ51を回転させて上記シリコン基板1を回転させた状態で、表面が上記GaN系半導体膜2に接触する研磨テープ52Aと、この研磨テープ52Aを裏面1C側から上記シリコン基板1側に押圧する研磨ヘッド部52Bとを有するグラインダ52を用いて、上記シリコン基板1の上記周辺部1A上に形成された上記GaN系半導体膜2を除去し、
上記研磨ヘッド部52Bが上記研磨テープ52Aを押圧する方向は、研磨中、任意の方向に変更可能になっている。
この実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記研磨ヘッド部52Bが研磨テープ52Aを押圧する方向を、研磨中、任意の方向に変更することにより、シリコン基板1の周辺部1A上に形成されたGaN系半導体膜2を効率よく研磨で除去できる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記シリコン基板1の裏面1Cを研磨した後、
上記GaN系半導体膜2およびシリコン基板1をステップカット方式でダイシングして半導体素子が形成された複数の半導体チップを切り出す。
この実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記GaN系半導体膜2およびシリコン基板1をステップカット方式でダイシングして半導体素子が形成された複数の半導体チップを切り出すので、効率よくかつ裏面チッピング82を抑制しつつ複数の半導体チップに切り出すことができる。
1 シリコン基板
1A 周辺部
1B 側面
1C 裏面
2 GaN系半導体膜
31 積層体
31A エッジ部
51 回転ステージ
52 グラインダ
52A 研磨テープ
52B 研磨ヘッド部
82 裏面チッピング
92 アンドープAlGaNバッファ層
93 アンドープGaNチャネル層
94 AlGaNバリア層
95 ソース電極
96 ドレイン電極
97 絶縁膜
98 ゲート電極
99 2次元電子ガス

Claims (4)

  1. 面取りされた周辺部を有するシリコン基板上にGaN系半導体膜をエピタキシャル成長させ、
    上記シリコン基板上に上記GaN系半導体膜を含む半導体素子を形成し、
    上記シリコン基板の面取りされた周辺部上に形成された上記GaN系半導体膜を研磨で除去してから、
    上記シリコン基板の裏面を研磨することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記シリコン基板は、Geがドープされていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記GaN系半導体膜がエピタキシャル成長されて上記半導体素子が形成されたシリコン基板を回転ステージ上に載置し、
    上記回転ステージを回転させて上記シリコン基板を回転させた状態で、表面が上記GaN系半導体膜に接触する研磨テープと、この研磨テープを裏面側から上記シリコン基板側に押圧する研磨ヘッド部とを有するグラインダを用いて、上記シリコン基板の上記周辺部上に形成された上記GaN系半導体膜を除去し、
    上記研磨ヘッド部が上記研磨テープを押圧する方向は、研磨中、任意の方向に変更可能になっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記シリコン基板の裏面を研磨した後、
    上記GaN系半導体膜およびシリコン基板をステップカット方式でダイシングして半導体素子が形成された複数の半導体チップを切り出すことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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