JP2014126810A - カメラシャッターの緩衝部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッター羽根を駆動させる駆動レバーの衝撃を十分に吸収するとともに安価なカメラシャッターの緩衝部材を提供する。
【解決手段】緩衝部材(120)は、駆動レバー(112)と面する上面(121)を含み、上面(121)には四角錐状の凸部(122)が設けられる。四角錐状の凸部(122)は頂点(123)を含む。こうすることにより、緩衝部材(120)は、駆動レバー(112)と頂点(123)から当接し始める。すなわち、駆動レバー(112)と局所的に当接し始める。そして、駆動レバー(112)の回転が進行するにつれて変形し当接面積が徐々に大きくなる。その結果、駆動レバー(112)に伝わる衝撃を十分に吸収することができる。
【選択図】図3
【解決手段】緩衝部材(120)は、駆動レバー(112)と面する上面(121)を含み、上面(121)には四角錐状の凸部(122)が設けられる。四角錐状の凸部(122)は頂点(123)を含む。こうすることにより、緩衝部材(120)は、駆動レバー(112)と頂点(123)から当接し始める。すなわち、駆動レバー(112)と局所的に当接し始める。そして、駆動レバー(112)の回転が進行するにつれて変形し当接面積が徐々に大きくなる。その結果、駆動レバー(112)に伝わる衝撃を十分に吸収することができる。
【選択図】図3
Description
この発明は、シャッター羽根を駆動させる駆動レバーを停止し、且つ衝撃を吸収する、カメラシャッターの緩衝部材に関する。
カメラには、撮影時に高速で開口して被写体像の光を感光材料や固体撮像素子に導くためのシャッター羽根と、このシャッター羽根を駆動するための駆動レバーとが設けられる。シャッター羽根は駆動レバーによって高速で駆動し、駆動レバーが停止することによって開口状態となる。このとき駆動レバーには大きな衝撃が伝わるため、駆動レバーが当接して停止し、且つ衝撃を吸収するための緩衝部材が設けられる。このような緩衝部材が、例えば特開2011−137990号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、緩衝部材を略直方体形状とした緩衝部材が記載されている。また、特開2010−65122号公報(特許文献2)には、緩衝部材であるエラストマー部材が、ゴム状又はゲル状の弾性高分子材料からなる基材と、基材の表面に形成された樹脂層とを備えており、樹脂層は、基材の表面に熱可塑性樹脂粉末を付着した後、熱可塑性樹脂粉末を溶融して固化することにより形成される。こうすることにより、材料の選択幅が広く、取り扱い性に優れ、かつ緩衝部材や防振部材等への利用に適しているエラストマー部材及びエラストマー部材の製造方法を提供できるとしている。
従来からあるカメラシャッターの緩衝部材は上記のように構成されていた。しかしながら、特許文献1の緩衝部材は駆動レバーに伝わる衝撃を十分に吸収できないという問題があった。また、特許文献2にはゲル状の緩衝部材が記載されているが、駆動レバーに伝わる衝撃を十分に吸収できないとともに高価であるという問題があった。この発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、シャッター羽根を停止させるとき、シャッター羽根を駆動させる駆動レバーに伝わる衝撃を十分に吸収するとともに安価なカメラシャッターの緩衝部材を提供することを目的とする。
この発明に係るカメラシャッターの緩衝部材は、シャッター羽根を駆動させる駆動レバーを停止し、且つ衝撃を吸収する。ゴムを含んで成形され、駆動レバーに面する上面と、カメラ本体に載置される載置面とを含み、上面には凸部又は凹部が設けられる。
好ましくは、上面に設けられる凸部は、頂点から裾に向かって徐々に横断面積が大きくなる。
さらに好ましくは、上面に設けられる凸部は錐状である。
さらに好ましくは、上面は非粘着性表面層を有する。
さらに好ましくは、非粘着性表面層はフィルムを含む。
さらに好ましくは、非粘着性表面層は塗料を含む。
さらに好ましくは、ゴムはブチルゴムである。
この発明に係るカメラシャッターの緩衝部材はゴムを含んで成形され、駆動レバーに面する上面には凸部又は凹部が設けられるようにした。こうすることにより、駆動レバーと局所的に当接し始めるとともに駆動レバーの回転が進行するにつれて変形し当接面積が徐々に大きくなる。その結果、シャッター羽根を駆動させる駆動レバーの衝撃を十分に吸収するとともに安価なカメラシャッターの緩衝部材を提供できる。
≪カメラ本体≫
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る緩衝部材を備える一眼レフタイプのカメラ本体10を上方向から見た断面図である。図1を参照して、カメラ本体10は、被写体像を結像する撮影レンズ11と、撮影光路を形成するミラーボックス12と、撮影時に高速で開口して結像された被写体像の光を固体撮像素子13に導くためのシャッター羽根群20と、結像された被写体像の光を電気信号に変換する固体撮像素子13と、シャッター羽根群20を駆動するためのシャッター羽根群駆動機構100とを含む。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る緩衝部材を備える一眼レフタイプのカメラ本体10を上方向から見た断面図である。図1を参照して、カメラ本体10は、被写体像を結像する撮影レンズ11と、撮影光路を形成するミラーボックス12と、撮影時に高速で開口して結像された被写体像の光を固体撮像素子13に導くためのシャッター羽根群20と、結像された被写体像の光を電気信号に変換する固体撮像素子13と、シャッター羽根群20を駆動するためのシャッター羽根群駆動機構100とを含む。
≪シャッター羽根群駆動機構≫
図2は、カメラ本体10が含むシャッター羽根群駆動機構100を前方向から見た図である。図2を参照して、シャッター羽根群駆動機構100は、後側に設けられるシャッター羽根群20の一部である後幕羽根群21aを駆動するための駆動部110aと、前側に設けられるシャッター羽根群20の一部である先幕羽根群21bを駆動するための駆動部110bとを含む。なお、図2では後幕羽根群21aが駆動部110aに取り付けられている様子を示しており、先幕羽根群21bの図示を省略している。また、駆動部110aと駆動部110bは同様の構成であるため、ここでは駆動部110aについてのみ説明し、駆動部110bの説明は省略する。
図2は、カメラ本体10が含むシャッター羽根群駆動機構100を前方向から見た図である。図2を参照して、シャッター羽根群駆動機構100は、後側に設けられるシャッター羽根群20の一部である後幕羽根群21aを駆動するための駆動部110aと、前側に設けられるシャッター羽根群20の一部である先幕羽根群21bを駆動するための駆動部110bとを含む。なお、図2では後幕羽根群21aが駆動部110aに取り付けられている様子を示しており、先幕羽根群21bの図示を省略している。また、駆動部110aと駆動部110bは同様の構成であるため、ここでは駆動部110aについてのみ説明し、駆動部110bの説明は省略する。
駆動部110aは、後幕羽根群21aを回転可能に軸支する軸111aと、後幕羽根群21aを駆動するためのレバーである駆動レバー112aと、後幕羽根群21aが開口した状態となるとき、駆動レバー112aを当接して停止させるための緩衝部材120aと、緩衝部材120aを載置するための載置台113aとを含む。後幕羽根群21aは、駆動レバー112aが図示する矢印の方向に高速で回動することにより駆動し、駆動レバー112aが緩衝部材120aに当接して停止することにより開口状態となる。そして、撮影開口150に結像された被写体像の光が導かれる。このとき、駆動レバー112aには大きな衝撃が伝わるため、緩衝部材120aには駆動レバー112aに伝わる衝撃を吸収してリバウンドを抑制することが要求される。
≪緩衝部材(四角錐状)≫
図3は、図2で説明した緩衝部材120を示す図であり、図3(a)は駆動レバー112が当接する方向(以下、「上方向」という)から見た平面図であり、図3(b)は図3(a)に示すB−B断面図である。図3(a)及び図3(b)を参照して、緩衝部材120は、駆動レバー112と面する上面121を含み、上面121には四角錐状の凸部122が設けられる。四角錐状の凸部122は頂点123を含む。こうすることにより、緩衝部材120は、駆動レバー112と頂点123から当接し始める。すなわち、駆動レバー112と局所的に当接し始める。そして、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなる。その結果、駆動レバー112に伝わる衝撃を十分に吸収することができる。
図3は、図2で説明した緩衝部材120を示す図であり、図3(a)は駆動レバー112が当接する方向(以下、「上方向」という)から見た平面図であり、図3(b)は図3(a)に示すB−B断面図である。図3(a)及び図3(b)を参照して、緩衝部材120は、駆動レバー112と面する上面121を含み、上面121には四角錐状の凸部122が設けられる。四角錐状の凸部122は頂点123を含む。こうすることにより、緩衝部材120は、駆動レバー112と頂点123から当接し始める。すなわち、駆動レバー112と局所的に当接し始める。そして、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなる。その結果、駆動レバー112に伝わる衝撃を十分に吸収することができる。
図3(b)を参照して、緩衝部材120の上面121は、自身の表面に非粘着性を有するフィルムから成る非粘着層127を有する。こうすることにより、駆動レバー112に緩衝部材120が貼り付いて動きを妨げる虞がなくなる。また、上面121に非粘着性を有する塗料を塗付することが考えられる。しかしながら、このようにすると塗付した塗料を乾燥するために加熱する必要があり、製造工程が複雑になる。すなわち、フィルムから成る非粘着層127とすることにより、製造工程を簡単にすることが可能となる。また、緩衝部材120は、上面121に非粘着層127を設けるための接着剤等から成るプライマー層128と、載置台113と当接する面である載置面において載置台113に貼り付けるための両面テープから成る粘着層129とを含む。緩衝部材120は例えば、ゴム硬度がDUROA硬度40°であり、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.9のブチルゴムで成形される。なお、詳細については後述する。
熱硬化性ゴムの一種であるブチルゴムで成形することにより、ゲル状の物質では実現困難な四角錐状の凸部122という複雑な形状を上面121に設けることができる。その結果、上記した通り駆動レバー112に伝わる衝撃を十分に吸収することが可能となる。また、ゲル状の物質と比較して安価に製造することが可能となる。
≪変形例(凸部)≫
なお、上記した実施の形態では上面121に四角錐状の凸部122が設けられる場合について説明したが、これに限らず他の多角錐、円錐等、その他の錐状の凸部122が設けられてもよい。また錐状に限らず、駆動レバー112と局所的に当接し始め、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなるその他の形状の凸部122が設けられてもよい。このような凸部122の例を図4〜11に示す。なお、図4〜11で示す緩衝部材120各々は、凸部122の形状を除いて図3で示した緩衝部材120と同様であるため、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は省略する。
なお、上記した実施の形態では上面121に四角錐状の凸部122が設けられる場合について説明したが、これに限らず他の多角錐、円錐等、その他の錐状の凸部122が設けられてもよい。また錐状に限らず、駆動レバー112と局所的に当接し始め、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなるその他の形状の凸部122が設けられてもよい。このような凸部122の例を図4〜11に示す。なお、図4〜11で示す緩衝部材120各々は、凸部122の形状を除いて図3で示した緩衝部材120と同様であるため、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は省略する。
図4には三角柱の形状である凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。図5には上面121のほぼ全域を底面とする略半球状の凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。図6には半球状の凸部122が上面121の中央付近に設けられる緩衝部材120を示す。図7には複数の半球状の凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。図8には四角柱の形状である凸部122が上面121の両脇に設けられる緩衝部材120を示す。図9には略三角柱の形状である3つの凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。ここでは、3つうち中央に位置する凸部122の上方向の高さが他の2つの凸部122と比較して低くなっている。このような態様で複数の凸部122を設けてもよい。図10にはカルデラのような形状である凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。すなわち、凸部122の中央に凹部を設ける態様である。このような凸部122であってもよい。図11には波打った形状の凸部122が設けられる緩衝部材120を示す。図示する5つの凸部122の上方向の高さは、中央の凸部122が最も高く、次に高いのはその外側の2つの凸部122であり、最も低いのは一番外側に位置する2つの凸部122である。すなわち、外側にいくにつれて低い凸部122が設けられる。このような態様で複数の凸部122を設けてもよい。
なお、上記したように、駆動レバー112と局所的に当接し始め、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなる形状であれば、図3〜9に示した凸部122の形状でなくてもよい。なお、駆動レバー112と局所的に当接し始め、駆動レバー112の回転が進行するにつれて弾性変形し当接面積が徐々に大きくなることを考慮すると、上記図3で説明した四角錐状等の錐状の凸部122であることが好ましい。
≪変形例(凸部以外)≫
なお、上記した実施の形態では上面121の土台となる部分が載置台113に当接する面を底面とする四角柱である場合について説明したが、これに限らず他の多角柱であってもよいし、円柱であってもよいし、駆動レバー112が高速で当接してきても安定して直立状態を保つことができる形状であればその他の形状であってよい。
なお、上記した実施の形態では上面121の土台となる部分が載置台113に当接する面を底面とする四角柱である場合について説明したが、これに限らず他の多角柱であってもよいし、円柱であってもよいし、駆動レバー112が高速で当接してきても安定して直立状態を保つことができる形状であればその他の形状であってよい。
なお、上記した実施の形態では上面121に凸部122が設けられる場合について説明したが、これに限らず凹部が設けられてもよい。
なお、上記した実施の形態では非粘着層127がフィルムから成る場合について説明したが、これに限らず塗料を塗付してもよいし、上面121に非粘着性を付与するその他の態様であってもよい。
なお、上記した実施の形態では粘着層129が両面テープから成る場合について説明したが、これに限らず緩衝部材120を載置台113に確実に固定するその他の態様であってもよい。
なお、本発明の緩衝部材120のゴム硬度はDUROA硬度3°以上80°以下であることが好ましい。ゴム硬度がDUROA硬度3°未満の場合は混練加工性が悪く、量産できない虞がある。一方、DUROA硬度80°より大きい場合は、弾性変形が起こりにくく、衝撃を十分に吸収できない虞がある。なお、より好ましくは、ゴム硬度はDUROA硬度3°以上40°以下であり、さらに好ましくは、DUROA硬度30°以上40°以下である。なお、この実施の形態におけるゴム硬度の大きさは、JISK6253に準じて、タイプAデュロメータにて測定したものである。
また、測定温度25℃における損失係数(tanδ)は0.2以上であることが好ましい。ここで、損失係数とは、緩衝材料の緩衝特性の評価指標の一つであり、損失係数が大きい物質ほど反発(リバウンド)をより抑制することができる。つまりは、損失係数(tanδ)を0.2以上とすることにより、駆動レバー112のリバウンドを十分に抑制することができる。すなわち、駆動レバー112に伝わる衝撃を十分に吸収することが可能となる。なお、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.2未満のとき、リバウンドを十分に抑制できない虞がある。
なお、より好ましくは、測定温度25℃における損失係数(tanδ)は0.5以上であり、さらに好ましくは、0.7以上である。なお、この実施の形態における損失係数の大きさは、JISK6394(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの動的性質試験方法/小型試験装置)に準じて、株式会社ユービーエム社製の動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000を使用して測定したものである。測定条件としては、温度25℃の環境下において、試験片として長さ15mm、幅5mm、厚み2mmのものを使用し、試験間隔(上下のチャックの間隔)10mm、初期歪み(平均歪み)10%(1mm)、振幅±0.02%(±2μm)、周波数30Hzで上下方向へ歪みをかけて行った。
≪実験結果(上面に四角錐状の凸部を設ける場合と平坦な場合との比較)≫
次に、四角錐状の凸部122を設けることにより駆動レバー112に伝わる衝撃を吸収することを確認するために発明者が行った実験について説明する。図12はこの実験を行うとき使用した実験治具200を示す図であり、図12(a)が側面図であり、図12(b)が上方向から見た平面図である。図12を参照して、実験治具200は図2で説明した駆動部110を模したものである。実験治具200は模擬駆動レバー201と、模擬駆動レバー201を回転可能に軸支する模擬軸202と、模擬軸202を支持する支柱203と、緩衝部材120を載置するための模擬載置台204とを含む。
次に、四角錐状の凸部122を設けることにより駆動レバー112に伝わる衝撃を吸収することを確認するために発明者が行った実験について説明する。図12はこの実験を行うとき使用した実験治具200を示す図であり、図12(a)が側面図であり、図12(b)が上方向から見た平面図である。図12を参照して、実験治具200は図2で説明した駆動部110を模したものである。実験治具200は模擬駆動レバー201と、模擬駆動レバー201を回転可能に軸支する模擬軸202と、模擬軸202を支持する支柱203と、緩衝部材120を載置するための模擬載置台204とを含む。
模擬駆動レバー201は、模擬軸202が回転するに伴って図中矢印で示す方向に回転し、緩衝部材120に当接して停止する。なお、模擬駆動レバー201が緩衝部材120に当接して停止したときの様子を図中破線で示す。模擬駆動レバー201は下方向に回転し、緩衝部材120に当接して沈み込んだ後、上方向にリバウンドする。この模擬駆動レバー201の一連の動きを図示しない高速度カメラにて撮影し、撮影した映像を解析することによりリバウンドする上方向の高さを算出した。このリバウンドする上方向の高さについて、ゲル状の物質で成形した上面121が平坦な緩衝部材120(以下、「ゲル状試料片(平坦)」という)と、ゴム硬度がDUROA硬度40°であり測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.9であるブチルゴムの成形品で、上面121が平坦な緩衝部材120(以下、「ブチルゴム(平坦)」という)と、同様のブチルゴムの成形品で、上面121に四角錐状の凸部122が設けられる緩衝部材120(以下、「ブチルゴム(四角錐)」という)とを比較した。なお、3つの緩衝部材120の上面121は、上記の実施の形態で説明したフィルムから成る非粘着層127を有する。
図13及び図14はこのときの実験結果を示すグラフであり、図13が温度23℃の環境下、図14が温度60℃の環境下で行った実験結果である。図13を参照して、このグラフの横軸は時間を示し、縦軸は模擬駆動レバー201の上方向の高さを示す。このグラフから模擬駆動レバー201が下方向に回転し緩衝部材120を押さえつけて沈み込んだ後、上方向にリバウンドする様子が見て取れる。そして、リバウンドしたときの上方向の高さはブチルゴム(四角錐)が最も小さいことが分かる。すなわち、ブチルゴム(四角錐)が、最も模擬駆動レバー201の衝撃を吸収していることが分かる。また同様に、図14に示す温度60℃の環境下においても、ブチルゴム(四角錐)が、最も模擬駆動レバー201の衝撃を吸収していることが分かる。上記した通り、緩衝部材120の上面121に四角錐状の凸部122を設けることで、凸部122を設けない平坦な場合と比較して駆動レバー112に伝わる衝撃をより吸収できることが分かる。
≪実験結果(様々な変形例同士の比較)≫
次に、図12に示す実験治具200を用いて、緩衝部材120の上面121に設けられる凸部122の形状や緩衝部材120の成形物質を様々に変更してこれらを比較するための実験を行った。図15〜17は温度25℃の環境下で行った実験結果を示すグラフであり、図18〜20は温度60℃の環境下で行った実験結果を示すグラフである。また、図15及び図18は図4に示す三角柱の形状の凸部122、図16及び図19は図7に示す複数の半球状の形状の凸部122、図17及び図20は図9に示す3つの略三角柱の凸部122が上面121に設けられる緩衝部材120の実験結果である。また、これらの緩衝部材120各々を表1に示す物質で成形して実験を行った。
次に、図12に示す実験治具200を用いて、緩衝部材120の上面121に設けられる凸部122の形状や緩衝部材120の成形物質を様々に変更してこれらを比較するための実験を行った。図15〜17は温度25℃の環境下で行った実験結果を示すグラフであり、図18〜20は温度60℃の環境下で行った実験結果を示すグラフである。また、図15及び図18は図4に示す三角柱の形状の凸部122、図16及び図19は図7に示す複数の半球状の形状の凸部122、図17及び図20は図9に示す3つの略三角柱の凸部122が上面121に設けられる緩衝部材120の実験結果である。また、これらの緩衝部材120各々を表1に示す物質で成形して実験を行った。
表1に示すように、シリコーンゲルでDUROA硬度0°のものを「ゲル状試料片」とし、ブチルゴムでDUROA硬度3°、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.20のものを「ブチルゴム1」とし、ブチルゴムでDUROA硬度10°、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.20のものを「ブチルゴム2」とし、ブチルゴムでDUROA硬度30°、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.90のものを「ブチルゴム3」とし、ブチルゴムでDUROA硬度40°、測定温度25℃における損失係数(tanδ)が0.90のものを「ブチルゴム4」とする。なお、図15〜20のグラフ内に付したアルファベットは、「A」がゲル状試料片、「B」がブチルゴム1、「C」がブチルゴム2、「D」がブチルゴム3、「E」がブチルゴム4を示す。
図15〜17を参照して、温度25℃の環境下では、ブチルゴム1〜4で成形された緩衝部材120が、ゲル状試料片(平坦)と比較してより模擬駆動レバー201のリバウンドを抑制していることが分かる。すなわち、上面121に凸部122を設けることにより、より衝撃を吸収できることが分かる。また、ブチルゴム3が最も衝撃を吸収していることが分かる。また、ブチルゴム3には劣るものの、ブチルゴム4も他の成形物質と比較してより衝撃を吸収していることが分かる。
図18〜20を参照して、温度60℃の環境下においても、ブチルゴム3及びブチルゴム4が他の3つの成形物質と比較してより模擬駆動レバー201のリバウンドを抑制していることが分かる。すなわち、他の物質と比較してより衝撃を吸収していることが分かる。
以上、図15〜20に示す実験結果を総括すると、上面121に凸部122が設けられるブチルゴム1〜4で成形された緩衝部材120が、ゲル状試料片(平坦)と比較してよりリバウンドを抑制している。すなわち、より模擬駆動レバー201に伝わる衝撃を吸収している。また、ブチルゴム1〜4の中でも、特にブチルゴム3及びブチルゴム4がよりリバウンドを抑制している。すなわち、温度が変化しても影響の小さいブチルゴム3及びブチルゴム4が、より模擬駆動レバー201に伝わる衝撃を吸収している。したがって、ブチルゴム3及びブチルゴム4が緩衝部材120を成形する物質に適していることが分かる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示する実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
10 カメラ本体、11 撮影レンズ、12 ミラーボックス、13 固体撮像素子、20 シャッター羽根群、21a 後幕羽根群、21b 先幕羽根群、100 シャッター羽根群駆動機構、110 駆動部、111 軸、112 駆動レバー、113 載置台、120 緩衝部材、121 上面、122 凸部、123 頂点、127 非粘着層、128 プライマー層、129 粘着層、150 撮影開口、200 実験治具、201 模擬駆動レバー、202 模擬軸、203 支柱、204 模擬載置台。
Claims (7)
- シャッター羽根を駆動させる駆動レバーを停止し、且つ衝撃を吸収するカメラシャッターの緩衝部材であって、
ゴムを含んで成形され、
前記駆動レバーに面する上面と、
カメラ本体に載置される載置面とを含み、
前記上面には凸部又は凹部が設けられる、カメラシャッターの緩衝部材。 - 前記上面に設けられる凸部は、頂点から裾に向かって徐々に横断面積が大きくなる、請求項1に記載のカメラシャッターの緩衝部材。
- 前記上面に設けられる凸部は錐状である、請求項1または2に記載のカメラシャッターの緩衝部材。
- 前記上面は非粘着性表面層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のカメラシャッターの緩衝部材。
- 前記非粘着性表面層はフィルムを含む、請求項4に記載のカメラシャッターの緩衝部材。
- 前記非粘着性表面層は塗料を含む、請求項4に記載のカメラシャッターの緩衝部材。
- 前記ゴムはブチルゴムである、請求項1〜6のいずれかに記載のカメラシャッターの緩衝部材。
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2012
- 2012-12-27 JP JP2012285490A patent/JP2014126810A/ja active Pending
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