JP2014126290A - 空気調和システム - Google Patents

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卓弥 花田
Nobuki Matsui
伸樹 松井
Tadashi Nishimura
忠史 西村
Kazuhisa Yamamoto
一久 山本
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Abstract

【課題】自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムにおいて、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができるようにする。
【解決手段】冷媒回路(10)には、室外熱交換器(24)と室内流量調節弁(51a、51b)との間に、室内流量調節弁(51a、51b)よりも上方に位置する室外流量調節弁(26)がさらに設けられている。そして、ここでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、室内流量調節弁(51a、51b)と室外流量調節弁(26)との間を接続する液冷媒管内に液冷媒を溜めるために、室内流量調節弁(51a、51b)を閉止した後に室外流量調節弁(26)を閉止する液管液封制御を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、空気調和システム、特に、自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムに関する。
従来より、特許文献1、2(特開平9−264620号公報、特開2009−222331号公報)に示すように、自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムがある。具体的には、空気調和システムは、室外熱交換器、室外熱交換器よりも下方に配置された室内流量調節弁、室外熱交換器よりも下方に配置された室内熱交換器が接続されることによって構成された冷媒回路を有している。空気調和システムは、液冷媒とガス冷媒との密度差によって室外熱交換器、室内流量調節弁、室内熱交換器の順に冷媒を循環させて室内の冷房を行う自然循環式冷房運転を行うことが可能である。
上記従来の空気調和システムでは、室内熱交換器の液側とガス側とを接続するバイパス管を設けておき、自然循環式冷房運転を開始する際に、圧縮機や冷媒ポンプ等を使用して、室外熱交換器と室内熱交換器とを接続する冷媒管内の液ヘッドを確保するための運転を行ったり、室内熱交換器内の冷媒が全て蒸発するまでの間だけ自然循環式冷房運転の開始を待つ、といった動作を行う起動制御を行うようにしている。これにより、自然循環式冷房運転を開始する際に、室内熱交換器の液側からガス側に向かって冷媒が正常に循環するようにしている。
しかし、自然循環式冷房運転を開始する際に、上記のような起動制御を行うということは、自然循環式冷房運転を開始する際の立ち上がり性能の低下が発生することになり、好ましいものとはいえない。
本発明の課題は、自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムにおいて、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができるようにすることにある。
第1の観点にかかる空気調和システムは、室外熱交換器、室外熱交換器よりも下方に配置された室内流量調節弁、室外熱交換器よりも下方に配置された室内熱交換器が接続されることによって構成された冷媒回路を有している。空気調和システムは、液冷媒とガス冷媒との密度差によって室外熱交換器、室内流量調節弁、室内熱交換器の順に冷媒を循環させて室内の冷房を行う自然循環式冷房運転を行うことが可能である。そして、冷媒回路には、室外熱交換器と室内流量調節弁との間に、室内流量調節弁よりも上方に位置する室外流量調節弁がさらに設けられている。そして、ここでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、室内流量調節弁と室外流量調節弁との間を接続する液冷媒管内に液冷媒を溜めるために、室内流量調節弁を閉止した後に室外流量調節弁を閉止する液管液封制御を行う。
ここでは、室内流量調節弁を閉止した後に室外流量調節弁を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。
これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。
第2の観点にかかる空気調和システムは、第1の観点にかかる空気調和システムにおいて、室外熱交換器に室外空気を供給するための室外ファンと、室内熱交換器に室内空気を供給するための室内ファンとがさらに設けられている。そして、ここでは、液管液封制御を行った後に、室内熱交換器内に残留する液冷媒を排出するために、室外ファン及び室内ファンの運転を所定時間継続する液冷媒排出制御を行う。
自然循環式冷房運転を開始する際に、室内熱交換器内に液冷媒が残留していると、自然循環式冷房運転の開始時における冷媒循環に悪影響が及ぶおそれがある。
そこで、ここでは、液管液封制御を行った後に室外ファン及び室内ファンの運転を所定時間継続する液冷媒排出制御によって、室内熱交換器内に残留する液冷媒を排出した状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。
これにより、室内熱交換器内に液冷媒が残留することによって、自然循環式冷房運転の開始時における冷媒循環に悪影響が及ぶことを抑えることができる。
第3の観点にかかる空気調和システムは、第1又は第2の観点にかかる空気調和システムにおいて、冷媒回路には、圧縮機がさらに設けられており、圧縮機を運転することによって圧縮機、室外熱交換器、室外流量調節弁、室内流量調節弁、室内熱交換器の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷房運転と、自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能になっている。そして、ここでは、液管液封制御を伴う自然循環式冷房運転の停止を所定回数繰り返す毎に、自然循環式冷房運転を停止する際に、圧縮機の運転を伴うポンプダウン制御を行う。
ここでは、自然循環式冷房運転と圧縮機を運転する蒸気圧縮式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能になっている。このため、自然循環式冷房運転を停止する際に、液管液封制御に代えて、蒸気圧縮式冷房運転を停止する際に行うことがあるポンプダウン制御を行うこともできる。ここで、ポンプダウン制御は、蒸気圧縮式冷房運転を停止する際に、室内流量調節弁と室外流量調節弁との間を接続する液冷媒管を含む冷媒回路の高圧側になる部分に液冷媒を溜めるために、室内流量調節弁を閉止した状態で圧縮機を所定時間運転する制御である。そして、ポンプダウン制御は、圧縮機の運転を伴うため、液管液封制御に比べて、液冷媒管に液冷媒を溜める能力が高く、室内熱交換器内の冷媒の圧力が低下するため、室内熱交換器内に残留する液冷媒も排出することができる。
そこで、ここでは、このようなポンプダウン制御の特性を利用して、液管液封制御を伴う自然循環式冷房運転の停止を所定回数繰り返す毎に、自然循環式冷房運転を停止する際に、圧縮機の運転を伴うポンプダウン制御を行うようにしている。
これにより、ここでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、液冷媒管内への液冷媒の液溜め、及び、室内熱交換器内からの液冷媒の排出を十分に行うことができる。
第4の観点にかかる空気調和システムは、第2又は第3の観点にかかる空気調和システムにおいて、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁及び室外流量調節弁を開くとともに室外ファン及び室内ファンの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開する。
ここでは、液管液封制御によって液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止しているため、室内流量調節弁及び室外流量調節弁を開くとともに室外ファン及び室内ファンの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる空気調和システムでは、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。
第2の観点にかかる空気調和システムでは、室内熱交換器内に液冷媒が残留することによって、自然循環式冷房運転の開始時における冷媒循環に悪影響が及ぶことを抑えることができる。
第3の観点にかかる空気調和システムでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、液冷媒管内への液冷媒の液溜め、及び、室内熱交換器内からの液冷媒の排出を十分に行うことができる。
第4の観点にかかる空気調和システムでは、液管液封制御によって液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止しているため、室内流量調節弁及び室外流量調節弁を開くとともに室外ファン及び室内ファンの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和システムの概略構成図である。 空気調和システムの制御ブロック図である。 蒸気圧縮式暖房運転時における空気調和システム内の冷媒の流れを示す図である。 蒸気圧縮式冷房運転時における空気調和システム内の冷媒の流れを示す図である。 自然循環式冷房運転時における空気調和システム内の冷媒の流れを示す図である。 自然循環式冷房運転の停止制御のフローチャートである。 変形例1における自然循環式冷房運転の停止制御のフローチャートである。 変形例2にかかる空気調和システムの概略構成図である。 変形例2にかかる空気調和システムの制御ブロック図である。
以下、本発明にかかる空気調和システムの実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空気調和システムの具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)空気調和システムの構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和システム1の概略構成図である。
空気調和システム1は、圧縮機21(後述)を運転して行う蒸気圧縮式冷房運転と圧縮機21を停止した状態で行う自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能な装置である。また、ここでは、空気調和システム1は、圧縮機21を運転して行う蒸気圧縮式暖房運転によって室内の暖房を行うことが可能な装置でもある。空気調和システム1は、主として、室外ユニット2と、室外ユニット2よりも下方に配置された複数(ここでは、2台)の室内ユニット5a、5bとが接続されることによって構成されている。例えば、室外ユニット2は、建物の屋上等に配置されており、室内ユニット5a、5bは、建物の室内等に配置されている。ここで、室外ユニット2と室内ユニット5a、5bとは、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して接続されている。すなわち、空気調和システム1の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット5a、5bとが冷媒連絡管6、7を介して接続されることによって構成されている。また、冷媒回路10には、冷媒とともに、圧縮機21の潤滑のための冷凍機油が封入されている。
<室内ユニット>
室内ユニット5a、5bは、上記のように、建物の室内等に設置されている。室内ユニット5a、5bは、冷媒連絡管6、7を介して、互いが並列に接続されるとともに室外ユニット2に接続されており、室外ユニット2との間で冷媒回路10を構成している。尚、ここでは、室内ユニット5a、5bが2台であるが、3台以上の室内ユニットが並列に接続されていてもよい。
次に、室内ユニット5a、5bの構成について説明する。尚、室内ユニット5aと室内ユニット5bとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット5aの構成だけを説明し、室内ユニット5bの構成については、室内ユニット5aの各部を示す添字「a」を「b」に読み替えるものとして、説明を省略する。
室内ユニット5aは、主として、室内流量調節弁51aと、室内熱交換器53aとを有している。
−室内流量調節弁−
室内流量調節弁51aは、開度調節されることで室内熱交換器53aを流れる冷媒の流量を調節する流量調節弁である。室内流量調節弁51aは、室内熱交換器53aの液側の端部に接続された室内ユニット液冷媒管54aに設けられている。そして、室内ユニット5aは、室内ユニット液冷媒管54aの室内流量調節弁51aの液側の端部に近い側の端部が、液冷媒連絡管6に接続されている。
−室内熱交換器−
室内熱交換器53aは、蒸気圧縮式暖房運転時には圧縮機21によって圧縮された冷媒を放熱させ、蒸気圧縮式冷房運転時及び自然循環式冷房運転時には室内流量調節弁51aによって流量調節された冷媒を蒸発させる熱交換器である。室内熱交換器53aは、空調対象となる空間の室内空気を加熱源又は冷却源として、冷媒の蒸発又は放熱を行うようになっている。室内熱交換器53aの液側の端部は、上記のように、室内ユニット液冷媒管54aに接続されており、室内熱交換器53aのガス側の端部は、室内ユニットガス冷媒管55aに接続されている。室内ユニット5aは、室内ユニットガス冷媒管55aの室内熱交換器53aのガス側の端部から遠い側の端部が、ガス冷媒連絡管7に接続されている。
そして、室内熱交換器53aの加熱源又は冷却源としての室内空気は、室内ファン56aによって供給されるようになっている。室内ファン56aは、ここでは、室内ファン用モータ57aによって回転駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
−室内側制御部等−
また、室内ユニット5aは、室内ユニット5aを構成する各部の動作を制御する室内側制御部58aを有している。そして、室内側制御部58aは、室内ユニット5aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。これにより、室内側制御部58aは、室内ユニット5aを個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、他の室内ユニット5b及び室外ユニット2との間で伝送線81を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、上記のように、建物の屋上等に設置されている。室外ユニット2は、冷媒連絡管6、7を介して、室内ユニット5a、5bに接続されており、室内ユニット5a、5bとの間で冷媒回路10を構成している。尚、ここでは、室外ユニット2が1台であるが、2台以上の室外ユニットが並列に接続されていてもよい。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、冷暖切換機構23と、室外熱交換器24と、レシーバ25と、室外流量調節弁26と、圧縮機バイパス機構27とを有している。
−圧縮機、圧縮機バイパス機構−
圧縮機21は、蒸気圧縮式暖房運転時及び蒸気圧縮式冷房運転時に冷媒を圧縮する機構である。ここでは、圧縮機21は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)を圧縮機用モータ22によって回転駆動する密閉式構造になっている。圧縮機21は、吸入側に吸入冷媒管28が接続されており、吐出側に吐出冷媒管29が接続されている。ここで、吸入冷媒管28は、圧縮機21の吸入側と冷暖切換機構23とを接続する冷媒管である。吐出冷媒管29は、圧縮機21の吐出側と冷暖切換機構23とを接続する冷媒管である。
そして、吸入冷媒管28には、圧縮機バイパス機構27を構成する圧縮機バイパス管30の一端が接続されており、吐出冷媒管29には、圧縮機バイパス冷媒管30の他端が接続されている。圧縮機バイパス機構27は、自然循環式冷房運転時に圧縮機21をバイパスして吸入冷媒管28から吐出冷媒管29に冷媒を送るための機構である。圧縮機バイパス冷媒管30には、圧縮機21の停止時に圧縮機21をバイパスして吸入冷媒管28側から吐出冷媒管29側に冷媒を流すための圧縮機バイパス弁31が設けられている。ここでは、圧縮機バイパス弁31として、吐出冷媒管29側の冷媒の圧力よりも吸入冷媒管28側の冷媒の圧力が高い場合に吸入冷媒管28側から吐出冷媒管29側への冷媒の流れを許容し、吸入冷媒管28側の冷媒の圧力よりも吐出冷媒管29側の冷媒の圧力が高い場合に吐出冷媒管29側から吸入冷媒管28側への冷媒の流れを遮断する逆止弁が使用されている。尚、圧縮機バイパス弁31は、逆止弁に限定されるものではなく、電磁弁等であってもよい。
−冷暖切換機構−
冷暖切換機構23は、冷媒回路10内における冷媒の流れの方向を切り換えるための機構である。冷暖切換機構23は、蒸気圧縮式冷房運転時及び自然循環式冷房運転時には、室外熱交換器24を冷媒の放熱器として、かつ、室内熱交換器53a、53bを室外熱交換器24において放熱した冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転状態への切り換えを行うことができる。すなわち、冷暖切換機構23は、吐出冷媒管29と室外熱交換器24のガス側の端部とを接続するとともに、吸入冷媒管28と室内熱交換器53a、53bのガス側の端部とを接続することができる(図1の冷暖切換機構23の実線を参照)。また、冷暖切換機構23は、蒸気圧縮式暖房運転時には、室内熱交換器53a、53bを冷媒の放熱器として、かつ、室外熱交換器24を室内熱交換器53a、53bにおいて放熱した冷媒の蒸発器として機能させる暖房運転状態への切り換えを行うことができる。すなわち、冷暖切換機構23は、吐出冷媒管29と室内熱交換器53a、53bのガス側の端部とを接続するとともに、吸入冷媒管28と室外熱交換器24のガス側の端部とを接続することができる(図1の冷暖切換機構23の破線を参照)。冷暖切換機構23は、ここでは、吸入冷媒管28、吐出冷媒管29、室外ユニット第1ガス冷媒管32、及び、室外ユニット第2ガス冷媒管33に接続された四路切換弁からなる。ここで、室外ユニット第1ガス冷媒管32は、冷暖切換機構23と室外熱交換器24のガス側の端部とを接続する冷媒管である。室外ユニット第2ガス冷媒管33は、ガス冷媒連絡管7及び室内ユニットガス冷媒管55a、55bを介して、冷暖切換機構23と室内熱交換器53a、53bのガス側の端部とを接続する冷媒管である。尚、冷暖切換機構23は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上記と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
−室外熱交換器−
室外熱交換器24は、蒸気圧縮式暖房運転時には室外流量調節弁26によって減圧された冷媒を蒸発させ、蒸気圧縮式冷房運転時には圧縮機21によって圧縮された冷媒を放熱させ、自然循環式冷房運転時には圧縮機バイパス機構27によって圧縮機21をバイパスした冷媒を放熱させる熱交換器である。室外熱交換器24は、室外ユニット2が配置された空間の室外空気を加熱源又は冷却源として、冷媒の蒸発又は放熱を行うようになっている。ここで、室外熱交換器24は、室外ユニット2が室内ユニット5a、5bよりも上方に配置されているため、室内流量調節弁51a、51b及び室内熱交換器53a、53bよりも上方に配置されていることになる。すなわち、室内流量調節弁51a、51b及び室内熱交換器53a、53bは、室外熱交換器24よりも下方に配置されている。室外熱交換器24の液側の端部は、室外ユニット液冷媒管34に接続されており、室内熱交換器53aのガス側の端部は、上記のように、室外ユニット第1ガス冷媒管32に接続されている。ここで、室外ユニット液冷媒管34は、液冷媒連絡管6、及び、室内流量調節弁51a、51bを含む室内ユニット液冷媒管54a、54bを介して、室外熱交換器24の液側の端部と室内熱交換器53a、53bの液側の端部とを接続する冷媒管である。
そして、室外熱交換器24の加熱源又は冷却源としての室外空気は、室外ファン35によって供給されるようになっている。室外ファン35は、ここでは、室外ファン用モータ36によって回転駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
−レシーバ−
レシーバ25は、冷媒回路10において発生する余剰冷媒を溜めることができるように室外ユニット液冷媒管34に設けられた容器である。レシーバ25の出入口のうち蒸気圧縮式冷房運転時及び自然循環式冷房運転時の入口は、室外ユニット液冷媒管34のうち室外熱交換器24の液側の端部に近い側の室外ユニット第1液冷媒管34aに接続されており、レシーバ25の出入口のうち蒸気圧縮式冷房運転時及び自然循環式冷房運転時の出口は、室外ユニット液冷媒管34のうち液冷媒連絡管6に近い側の室外ユニット第2液冷媒管34bに接続されている。
−室外流量調節弁−
室外流量調節弁26は、ここでは、室外ユニット液冷媒管34のうちレシーバ25の蒸気圧縮式冷房運転時及び自然循環式冷房運転時の出口側の部分に位置する室外ユニット第2液冷媒管34bに設けられている。ここで、室外流量調節弁26は、室外ユニット2が室内ユニット5a、5bよりも上方に配置されているため、室内流量調節弁51a、51b及び室内熱交換器53a、53bよりも上方に配置されていることになる。
−室外側制御部等−
また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部37を有している。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。これにより、室外側制御部37は、室内側制御部58a、58bとの間で伝送線81を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管6、7は、空気調和システム1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
以上のように、室外ユニット2と、室内ユニット5a、5bと、冷媒連絡管6、7とが接続されることによって、空気調和システム1の冷媒回路10が構成されている。空気調和システム1は、上記のように、主として、室外熱交換器24、室外熱交換器24よりも下方に配置された室内流量調節弁51a、51b、室外熱交換器24よりも下方に配置された室内熱交換器53a、53bが接続されることによって構成された冷媒回路10を有している。空気調和システム1は、液冷媒とガス冷媒との密度差によって室外熱交換器24、室内流量調節弁51a、51b、室内熱交換器53a、53bの順に冷媒を循環させて室内の冷房を行う自然循環式冷房運転を行うことが可能である。そして、冷媒回路10には、室外熱交換器24と室内流量調節弁51a、51bとの間に、室内流量調節弁51a、51bよりも上方に位置する室外流量調節弁26がさらに設けられている。また、冷媒回路10には、圧縮機21がさらに設けられており、圧縮機21を運転することによって圧縮機21、室外熱交換器24、室外流量調節弁26、室内流量調節弁51a、51b、室内熱交換器53a、53bの順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷房運転と、自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能である。
<制御部>
空気調和システム1は、室内側制御部58a、58bと室外側制御部37とから構成される制御部8によって、室外ユニット2及び室内ユニット5a、5bの各機器の制御を行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部58a、58bと室外側制御部37との間を接続する伝送線81とによって、上記の自然循環式冷房運転等を含む空気調和システム1全体の運転制御を行う制御部8が構成されている。
制御部8は、図2に示すように、各種センサ(図示せず)等の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21、23、26、36、51a、51b、57a、57b等を制御することができるように接続されている。
(2)空気調和システムの動作
次に、空気調和システム1の動作について、図3〜図5を用いて説明する。空気調和システム1は、室内の暖房を行う運転として、蒸気圧縮式暖房運転を行うことが可能である。また、空気調和システム1は、室内の冷房を行う運転として、蒸気圧縮式冷房運転及び自然循環式冷房運転を切り換えて行うことが可能である。
<蒸気圧縮式暖房運転>
蒸気圧縮式暖房運転時には、図3に示すように、冷暖切換機構23が暖房運転状態に切り換えられる。また、蒸気圧縮式暖房運転時には、室内流量調節弁51a、51bが室内熱交換器53a、53bを流れる冷媒の流量を調節するために使用される。
このような冷媒回路10において、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、高圧になるまで圧縮された後に吐出される。尚、ここでは、圧縮機21の運転が行われることによって吐出冷媒管29側の冷媒の圧力が吸入冷媒管28側の冷媒の圧力よりも高くなっているため、圧縮機バイパス機構27の圧縮機バイパス弁31が冷媒の流れを遮断している。このため、圧縮機バイパス機構27の圧縮機バイパス冷媒管30を通じて冷媒が流れることがない状態になっている。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、冷暖切換機構23及びガス冷媒連絡管7を通じて、室外ユニット2から室内ユニット5a、5bに送られる。
室内ユニット5a、5bに送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器53a、53bに送られる。このとき、室内熱交換器53a、53bに送られる高圧のガス冷媒は、室内流量調節弁51a、51bの開度調節によって、流量が調節されている。そして、室内熱交換器53a、53bに送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器53a、53bにおいて、室内ファン56a、56bによって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。室内熱交換器53a、53bで放熱した高圧の液冷媒は、室内流量調節弁51a、51bを通過した後に、液冷媒連絡管6を通じて、室内ユニット5a、5bから室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた液冷媒は、室外流量調節弁26に送られる。室外流量調節弁26に送られた液冷媒は、室外流量調節弁26によって低圧まで減圧される。室外流量調節弁26で減圧された低圧の冷媒は、レシーバ25で一時的に溜められた後に、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン35によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。室外熱交換器24で蒸発した低圧の冷媒は、冷暖切換機構23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
<蒸気圧縮式冷房運転>
蒸気圧縮式冷房運転時には、図4に示すように、冷暖切換機構23が冷房運転状態に切り換えられる。また、蒸気圧縮式冷房運転時には、室内流量調節弁51a、51bが室内熱交換器53a、53bを流れる冷媒の流量を調節するために使用される。
このような冷媒回路10において、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、高圧になるまで圧縮された後に吐出される。尚、ここでは、圧縮機21の運転が行われることによって吐出冷媒管29側の冷媒の圧力が吸入冷媒管28側の冷媒の圧力よりも高くなっているため、圧縮機バイパス機構27の圧縮機バイパス弁31が冷媒の流れを遮断している。このため、圧縮機バイパス機構27の圧縮機バイパス冷媒管30を通じて冷媒が流れることがない状態になっている。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、冷暖切換機構23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン35によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。室外熱交換器24で放熱した高圧の液冷媒は、レシーバ25で一時的に溜められた後に、室外流量調節弁26及び液冷媒連絡管6を通じて、室外ユニット2から室内ユニット5a、5bに送られる。
室内ユニット5a、5bに送られた高圧の液冷媒は、室内流量調節弁51a、51bの開度調節によって、流量が調節されるとともに低圧まで減圧される。そして、室内流量調節弁51a、51bによって流量が調節された低圧の冷媒は、室内熱交換器53a、53bに送られる。室内熱交換器53a、53bに送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器53a、53bにおいて、室内ファン56a、56bによって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。室内熱交換器53a、53bで蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を通じて、室内ユニット5a、5bから室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、冷暖切換機構23を通じて、再び、圧縮機に吸入される。
<自然循環式冷房運転>
自然循環式冷房運転時には、図5に示すように、冷暖切換機構23が冷房運転状態に切り換えられる。また、自然循環式冷房運転時には、室内流量調節弁51a、51bが室内熱交換器53a、53bを流れる冷媒の流量を調節するために使用される。
このような冷媒回路10において、圧縮機21を停止した状態にして圧縮機バイパス機構27の圧縮機バイパス冷媒管30及び圧縮機バイパス弁31を通じて冷媒が圧縮機21をバイパスして吸入冷媒管28側から吐出冷媒管29側に流れるようにする。すると、低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン35によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、低圧の液冷媒になる。室外熱交換器24で放熱した低圧の液冷媒は、レシーバ25で一時的に溜められた後に、室外流量調節弁26及び液冷媒連絡管6を通じて、重力によって下降して、室外ユニット2から室内ユニット5a、5bに送られる。
室内ユニット5a、5bに送られた低圧の液冷媒は、室内流量調節弁51a、51bの開度調節によって、流量が調節される。そして、室内流量調節弁51a、51bによって流量が調節された低圧の冷媒は、室内熱交換器53a、53bに送られる。室内熱交換器53a、53bに送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器53a、53bにおいて、室内ファン56a、56bによって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。室内熱交換器53a、53bで蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を通じて、室内熱交換器53a、53bの入口側(ここでは、液冷媒連絡管6側)に存在する液冷媒との密度差によって上昇して、室内ユニット5a、5bから室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、冷暖切換機構23及び圧縮機バイパス機構27を通じて、再び、室外熱交換器24に送られる。
(3)停止制御
次に、上記の自然循環式冷房運転、蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転を停止する際に行う停止制御について説明する。
<自然循環式冷房運転の停止制御>
上記の自然循環式冷房運転では、運転を開始する際に、正常な冷媒循環、すなわち、室内熱交換器53a、53bの液側からガス側に向かう冷媒の流れが得られるようにする必要がある。これに対して、従来の自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムでは、自然循環式冷房運転を開始する際に所定の起動制御を行い、正常の冷媒循環が行われるようにしている。しかし、自然循環式冷房運転を開始する際に起動制御を行うと、自然循環式冷房運転を開始する際の立ち上がり性能の低下が発生することになることから、好ましいものとは言えなかった。
そこで、ここでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、室内流量調節弁51a、51bと室外流量調節弁26との間を接続する液冷媒管内に液冷媒を溜めるために、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御を伴う停止制御を行うようにしている。ここで、室内流量調節弁51a、51bと室外流量調節弁26との間を接続する液冷媒管とは、室外ユニット第2液冷媒管34bから液冷媒連絡管6を通じて室内ユニット液冷媒管54a、54bに至るまでの冷媒管である。
次に、自然循環式冷房運転の停止制御について、図6を用いて説明する。ここで、図6は、自然循環式冷房運転の停止制御のフローチャートである。尚、以下に説明する停止制御は、蒸気圧縮式暖房運転、蒸気圧縮式冷房運転及び自然循環式冷房運転と同様、制御部8が行う。
−ステップST1、ST2:液管液封制御−
自然循環式冷房運転の停止指令がなされると、まず、ステップST1において、制御部8は、室内流量調節弁51a、51bを閉止する。これにより、室外熱交換器24において放熱した液冷媒は、レシーバ25で一時的に溜められた後に、室外流量調節弁26及び液冷媒連絡管6を通じて、重力によって下降して、液冷媒管内に溜まり始める。その後、ステップST2において、制御部8は、室外流量調節弁26を閉止する。ここで、室外流量調節弁26を閉止するタイミングは、ステップST1で室内流量調節弁51a、51bを閉止してから液冷媒管内が液冷媒で満たされる状態を得ることができる液封時間taが経過した後である。この液封時間taは、液冷媒連絡管6の長さ等に応じて、30秒から5分の時間に設定される。これにより、液冷媒管内に液冷媒が溜められた状態が得られる。このようにして、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御が行われる。
−ステップST3、ST4:液冷媒排出制御−
自然循環式冷房運転を開始する際に、室内熱交換器53a、53b内に液冷媒が残留していると、自然循環式冷房運転の開始時における冷媒循環に悪影響が及ぶおそれがある。
そこで、ここでは、ステップST1、ST2からなる液管液封制御を行った後に、室内熱交換器53a、53b内に残留する液冷媒を排出するために、室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を所定の液排出時間ts継続する液冷媒排出制御を行うようにしている。
具体的には、ステップST3、ST4において、制御部8は、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26が閉止された状態のままで、液排出時間tsだけ室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を継続する。これにより、室内熱交換器53a、53b内に残留する液冷媒が蒸発して室内熱交換器53a、53bから排出され、室内熱交換器53a、53b内に液冷媒が残留していない状態が得られる。ここで、液排出時間tsは、ステップST1で室内流量調節弁51a、51bを閉止してから、又は、ステップST2で室外流量調節弁26を閉止してから室内熱交換器53a、53b内に残留する液冷媒が排出された状態を得ることができる程度の時間(例えば、30秒から5分)に設定される。このようにして、液管液封制御を行った後に、室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を所定の液排出時間ts継続する液冷媒排出制御が行われる。
−自然循環式冷房運転の停止制御の特徴−
ここでは、上記のステップST1、ST2のような室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。
これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。すなわち、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26を開くとともに室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
また、ここでは、液管液封制御を行った後に、上記のステップST3、ST4のような室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を所定時間ts継続する液冷媒排出制御によって、室内熱交換器53a、53b内に残留する液冷媒を排出した状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。
これにより、室内熱交換器53a、53b内に液冷媒が残留することによって、自然循環式冷房運転の開始時における冷媒循環に悪影響が及ぶことを抑えることができる。
尚、室内熱交換器53a、53b内に液冷媒が残留するおそれが少ない等のように液冷媒排出制御が必要ない場合には、液管液封制御だけを行うようにしてもよい。
<蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転の停止制御>
上記の蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転は、圧縮機21によって強制的に冷媒を循環させる運転であるため、自然循環式冷房運転とは異なり、蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転を開始する際には、自然循環式冷房運転とは異なり、異常な冷媒循環の発生を心配する必要はない。
しかし、蒸気圧縮式冷房運転を停止した後に自然循環式冷房運転を開始したり、蒸気圧縮式暖房運転を停止した後に自然循環式冷房運転を開始することはあり得る。このような場合に、液冷媒管内に液冷媒が溜まっていない状態になっていると、自然循環式冷房運転を停止した後の自然循環式冷房運転の再開時と同様に、正常な冷媒循環が得られないおそれがある。
そこで、ここでは、蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転を停止する際に、圧縮機21の運転を伴うポンプダウン制御を行って、室内流量調節弁51a、51bと室外流量調節弁26との間を接続する液冷媒管に液冷媒を溜めて、自然循環式冷房運転の停止時に液管液封制御を行った状態と同様の状態が得られるようにしている。ここで、ポンプダウン制御は、蒸気圧縮式冷房運転を停止する際には、室内流量調節弁51a、51bと室外流量調節弁26との間を接続する液冷媒管を含む冷媒回路10の高圧側になる部分に液冷媒を溜めるために、室内流量調節弁51a、51bを閉止した状態で圧縮機21を所定のポンプダウン時間tp運転する制御である。また、蒸気圧縮式暖房運転を停止する際には、冷暖切換機構23を暖房運転状態から冷房運転状態に切り換えて、室内流量調節弁51a、51bを閉止した状態で圧縮機21を所定のポンプダウン時間tp運転する制御である。そして、ポンプダウン制御は、圧縮機21の運転を伴うため、液管液封制御に比べて、液冷媒管に液冷媒を溜める能力が高く、室内熱交換器53a、53b内の冷媒の圧力が低下するため、室内熱交換器53a、53b内に残留する液冷媒も排出することができる。
このように、蒸気圧縮式冷房運転及び蒸気圧縮式暖房運転を停止する際には、圧縮機21の運転を伴うポンプダウン制御を行うことによって、室内流量調節弁51a、51bと室外流量調節弁26との間を接続する液冷媒管に液冷媒を溜めるようにしておくことで、次回の運転が自然循環式冷房運転であったとしても、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。
(4)変形例1
上記の実施形態では、自然循環式冷房運転と圧縮機21を運転する蒸気圧縮式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能になっている。このため、自然循環式冷房運転を停止する際に、上記の液管液封制御及び液冷媒排出制御に代えて、蒸気圧縮式冷房運転を停止する際に行うことがあるポンプダウン制御を行うこともできる。
そこで、ここでは、このようなポンプダウン制御の特性を利用して、液管液封制御及び液冷媒排出制御を伴う自然循環式冷房運転の停止(図6参照)を所定回数Ns繰り返す毎に、自然循環式冷房運転を停止する際に、圧縮機21の運転を伴うポンプダウン制御を行うようにしている。
具体的には、図7に示すように、ステップST5において、ステップST1〜ST4の液管液封制御及び液冷媒排出制御を伴う自然循環式冷房運転の停止を所定回数Ns繰り返すまでは、液管液封制御及び液冷媒排出制御を行った後に自然循環式冷房運転を停止する。しかし、ステップST5において、ステップST1〜ST4の液管液封制御及び液冷媒排出制御を伴う自然循環式冷房運転の停止を所定回数Ns繰り返した場合には、ステップST6のポンプダウン制御を行った後に自然循環式冷房運転を停止する。
これにより、ここでは、自然循環式冷房運転を停止する際に、液冷媒管内への液冷媒の液溜め、及び、室内熱交換器53a、53b内からの液冷媒の排出を十分に行うことができる。
(5)変形例2
<A>
上記の実施形態及び変形例1においては、圧縮機21を運転して行う蒸気圧縮式冷房運転と圧縮機21を停止した状態で行う自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能な空気調和システムの例として、図1〜図7に示す空気調和システム1を挙げて説明した。
しかし、蒸気圧縮式冷房運転と自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能な空気調和システムは、上記の空気調和システム1の構成に限定されるものではない。
例えば、図8及び図9に示す空気調和システム1のように、液ポンプ39を設けるようにしてもよい。ここでは、自然循環式冷房運転時におけるレシーバ25の出口側に位置する室外流量調節弁26をバイパスする調節弁バイパス冷媒管38を室外ユニット第2液冷媒管34bから分岐接続し、調節弁バイパス冷媒管38に液ポンプ39を設けている。液ポンプ39は、室外熱交換器24において放熱した液冷媒を搬送する機構である。液ポンプ39は、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)を液ポンプ用モータ40によって回転駆動する構造になっている。
これにより、液ポンプ39を運転することによって液ポンプ循環式冷房運転を行うことができるようになる。
また、この場合においても、上記の実施形態及び変形例1と同様に、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。すなわち、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26を開くとともに室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
<B>
また、例えば、図8及び図9に示す空気調和システム1のように、液冷媒連絡管6を通じて室外ユニット2から室内ユニット5a、5bに液冷媒を送る際の液冷媒連絡管6内の液シール状態を良好に保つために、過冷却熱交換器41及び過冷却バイパス冷媒管42を設けるようにしてもよい。ここでは、過冷却熱交換器41は、蒸気圧縮式冷房運転時におけるレシーバ25の出口側に位置する室外ユニット第2液冷媒管34bの室外流量調節弁26と液冷媒連絡管6との間の部分に設けられており、液冷媒を液冷媒連絡管6に送る前にさらに放熱させる熱交換器である。過冷却熱交換器41は、ここでは、二重管型熱交換器やプレート型熱交換器からなり、放熱側流路41aを流れる冷媒と蒸発側流路41bを流れる冷媒とが熱交換するようになっている。放熱側流路41aには、室外ユニット第2液冷媒管34bを流れる冷媒が流れるようになっている。蒸発側流路41bには、過冷却バイパス冷媒管42を流れる冷媒が流れるようになっている。すなわち、過冷却熱交換器41は、過冷却バイパス冷媒管42を流れる冷媒によって室外ユニット第2液冷媒管34bを流れる冷媒の放熱を行わせる熱交換器となっている。過冷却バイパス冷媒管42は、室外ユニット第2液冷媒管34bを流れる冷媒の一部を分岐して吸入冷媒管28に送るための冷媒管である。そして、過冷却バイパス冷媒管42には、過冷却熱交換器41の蒸発側流路41bの入口寄りの部分に、過冷却流量調節弁43が設けられている。過冷却流量調節弁43は、過冷却バイパス冷媒管42を流れる冷媒の流量を調節する弁である。
これにより、蒸気圧縮式冷房運転時において、過冷却流量調節弁43の開度制御を行うことによって、室外ユニット第2液冷媒管34bを流れる液冷媒をさらに冷却した後に液冷媒連絡管6に送ることができる。そして、液冷媒連絡管6内の液シール状態を良好に保ちつつ、液冷媒連絡管6を通じて、室外ユニット2から室内ユニット5a、5bに液冷媒を送ることができる。
また、この場合においても、上記の実施形態及び変形例1と同様に、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。すなわち、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26を開くとともに室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
<C>
また、例えば、ここでは図示しないが、冷暖切換機構23を省略して、吐出冷媒管29と室外ユニット第1ガス冷媒管33とを接続し、かつ、室外ユニット第2ガス冷媒管33と吸入冷媒管28とを接続することによって、冷房専用の空気調和システムにしてもよい。
この場合においても、上記の実施形態及び変形例1と同様に、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。すなわち、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26を開くとともに室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
<D>
また、例えば、ここでは図示しないが、圧縮機21、冷暖切換機構23、吸入冷媒管28、吐出冷媒管29及び圧縮機バイパス機構27を省略して、室外ユニット第1ガス冷媒管32と室外ユニット第2ガス冷媒管33とを接続することによって、自然循環式冷房運転専用の空気調和システムにしてもよい。
この場合においても、上記の実施形態と同様に、室内流量調節弁51a、51bを閉止した後に室外流量調節弁26を閉止する液管液封制御によって、液冷媒管内に液冷媒を溜めた状態で自然循環式冷房運転を停止することができる。このため、次回の自然循環式冷房運転の開始時において、従来のような起動制御を行う必要がなくなる。これにより、自然循環式冷房運転の開始時に、起動制御による立ち上がり性能の低下をなくすとともに、正常な冷媒循環で自然循環式冷房運転を開始することができる。すなわち、自然循環式冷房運転の停止後に、室内流量調節弁51a、51b及び室外流量調節弁26を開くとともに室外ファン35及び室内ファン56a、56bの運転を行うだけで、自然循環式冷房運転を再開することができる。
本発明は、自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムに対して、広く適用可能である。
1 空気調和システム
10 冷媒回路
21 圧縮機
24 室外熱交換器
26 室外流量調節弁
35 室外ファン
51a、51b 室内流量調節弁
53a、53b 室内熱交換器
56a、56b 室内ファン
特開平9−264620号公報 特開2009−222331号公報

Claims (4)

  1. 室外熱交換器(24)、前記室外熱交換器よりも下方に配置された室内流量調節弁(51a、51b)、前記室外熱交換器よりも下方に配置された室内熱交換器(53a、53b)が接続されることによって構成された冷媒回路(10)を有しており、液冷媒とガス冷媒との密度差によって前記室外熱交換器、前記室内流量調節弁、前記室内熱交換器の順に冷媒を循環させて室内の冷房を行う自然循環式冷房運転を行うことが可能な空気調和システムにおいて、
    前記冷媒回路には、前記室外熱交換器と前記室内流量調節弁との間に、前記室内流量調節弁よりも上方に位置する室外流量調節弁(26)がさらに設けられており、
    前記自然循環式冷房運転を停止する際に、前記室内流量調節弁と前記室外流量調節弁との間を接続する液冷媒管内に液冷媒を溜めるために、前記室内流量調節弁を閉止した後に前記室外流量調節弁を閉止する液管液封制御を行う、
    空気調和システム(1)。
  2. 前記室外熱交換器(24)に室外空気を供給するための室外ファン(35)と、前記室内熱交換器(53a、53b)に室内空気を供給するための室内ファン(56a、56b)とがさらに設けられており、
    前記液管液封制御を行った後に、前記室内熱交換器内に残留する液冷媒を排出するために、前記室外ファン及び前記室内ファンの運転を所定時間継続する液冷媒排出制御を行う、
    請求項1に記載の空気調和システム(1)。
  3. 前記冷媒回路(10)には、圧縮機(21)がさらに設けられており、前記圧縮機を運転することによって前記圧縮機、前記室外熱交換器(24)、前記室外流量調節弁(26)、前記室内流量調節弁(51a、51b)、前記室内熱交換器(53a、53b)の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷房運転と、前記自然循環式冷房運転とを切り換えて室内の冷房を行うことが可能になっており、
    前記液管液封制御を伴う前記自然循環式冷房運転の停止を所定回数繰り返す毎に、前記自然循環式冷房運転を停止する際に、前記圧縮機の運転を伴うポンプダウン制御を行う、
    請求項1又は2に記載の空気調和システム(1)。
  4. 前記自然循環式冷房運転の停止後に、前記室内流量調節弁(51a、51b)及び前記室外流量調節弁(26)を開くとともに前記室外ファン(35)及び前記室内ファン(56a、56b)の運転を行うだけで、前記自然循環式冷房運転を再開する、
    請求項2又は3に記載の空気調和システム(1)。
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