JP2014126111A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】減速要求の直後に再び加速要求が行われるような場合に発生するエネルギの損失を抑制する。
【解決手段】無段変速機の変速比のハイギア側の限界として、最もハイギアとなる第一限界H1と、第一限界よりはローギア側に偏倚した第二限界H2とを定めておく。そして、開いていたアクセル開度が0近傍に縮小する状況において、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が第二限界H2よりもローギア寄りである場合には、変速比が第二限界H2を超えてハイギア寄りとならないように無段変速機を制御するようにした。一方、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が既に第二限界H2よりもハイギア寄りである場合には、変速比が第二限界H2を超えてハイギア寄りとなることを許容する。
【選択図】図3
【解決手段】無段変速機の変速比のハイギア側の限界として、最もハイギアとなる第一限界H1と、第一限界よりはローギア側に偏倚した第二限界H2とを定めておく。そして、開いていたアクセル開度が0近傍に縮小する状況において、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が第二限界H2よりもローギア寄りである場合には、変速比が第二限界H2を超えてハイギア寄りとならないように無段変速機を制御するようにした。一方、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が既に第二限界H2よりもハイギア寄りである場合には、変速比が第二限界H2を超えてハイギア寄りとなることを許容する。
【選択図】図3
Description
本発明は、無段変速機を搭載した車両の制御装置に関する。
近時の自動車は、自動変速機を実装していることが少なくない。車両用の自動変速機として、トルクコンバータ及びベルト式連続可変変速機構(Continuously Variable Transmission)を具備した無段変速機がしばしば採用される。
運転者が踏み込んでいたアクセルペダルから足を離し、内燃機関のスロットルバルブが閉じた状態で車両がコースト走行する際には、無段変速機による変速比が最もハイギア寄りとなる(減速比の絶対値が最も小さくなる)ように無段変速機を制御することが通例となっている(例えば、下記特許文献を参照)。
ところで、アクセルペダルが踏まれる加速要求と、アクセルペダルから足が離れる減速要求とが交互に行われると、加速要求及び変速要求の都度無段変速機が操作されて、変速比が高下するように振動する。
例えば、運転者がある程度以上アクセルペダルを踏み込んでいる状態から、運転者が一旦アクセルペダルの踏み込みを止め、その後すぐにアクセルペダルを踏み直したとすると、図7に示すように、変速比は当初の状態P0から、無段変速機がハードウェア的にとり得る限度である最もハイギア寄りの変速比P1へと降下し、僅かな時間P1に留まった後、P2へと復帰することとなる。
このとき、P0からP1への変動、及びP1からP2への変動の各々において、無段変速機が駆動され、なおかつ機関の回転が減速し再加速する。従って、総体的に見ればP0からP2への比較的小さな遷移であるにもかかわらず、一旦P1を経由することによるエネルギの浪費を招き、燃費を悪化させる要因となっていた。
本発明は、上述の点に初めて着目してなされたものであり、減速要求の直後に再び加速要求が行われるような場合に発生するエネルギの損失を抑制することを所期の目的としている。
本発明では、無段変速機を搭載した車両を制御するものであって、無段変速機の変速比のハイギア(減速比の絶対値が小さい)側の限界として、最もハイギアとなる第一限界と、第一限界よりはローギア側に偏倚した第二限界とを定めておき、開いていたアクセル開度が0近傍(0または0に近い閾値以下)に縮小する状況において、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界よりもローギア(減速比の絶対値が大きい)寄りである場合には変速比が当該第二限界を超えてハイギア寄りとならないように無段変速機を制御する一方、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界よりもハイギア寄りである場合には変速比が当該第二限界を超えてハイギア寄りとなることを許容して無段変速機を制御することを特徴とする制御装置を構成した。ここで、ハイギア側の変速比の第一限界は、無段変速機がハードウェア的に実現可能な変速比の限度であることがある。アクセル開度は、一般的には、アクセルペダルの踏込量または機関のスロットルバルブの開度である。
このようなものであれば、アクセルペダルを踏み込んでいる運転者が一旦その足をアクセルペダルから離し、その後すぐにアクセルペダルを踏み直したときの、変速比の変動の振幅を小さく抑えることができる。ひいては、無段変速機の駆動や機関の減速/再加速に費やされるエネルギ量を削減することが可能となる。
加速要求においてどれくらいアクセル開度を拡大させるか、換言すればどれくらい強くアクセルペダルを踏み込むかは、その時々によって異なり、また運転者毎にも異なる。それ故、ハイギア側の変速比の第二限界は、適宜変更することが好ましい。再加速要求時には、最初にアクセルペダルを比較的強く踏み込み、その後にアクセルペダルの踏み込みを緩めることが多い。この点に着目すれば、アクセル開度の拡大初期の拡大量が多いほど、運転者の加速への意思が強いと捉えることができる。そこで、アクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて、以後の無段変速機の制御における前記第二限界を調整するものとする。
さらに、前記第二限界を車速域毎に設定するものとし、各車速域毎の第二限界を、当該車速域においてアクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて調整してもよい。
本発明によれば、減速要求の直後に再び加速要求が行われるような場合に発生するエネルギの損失を抑制することができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。本実施形態では、特に、二気筒エンジンを想定している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。特に、本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT9を採用している。
内燃機関が出力する回転トルクは、内燃機関のクランク軸からトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ57とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブ57は、制御入力たる開度制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
CVT9を搭載した車両においては、車速が所定値(例えば、10km/h)以上である場合、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。車速が所定値以下となれば、トルクコンバータ7のロックアップを解除する。ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付けられ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側(のドライブプレート)に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からロックアップクラッチ73を経由してトルクコンバータ7の出力側、ひいては前後進切換装置8に直接伝達される。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は、駆動状態に応じて1よりも小さくなったり大きくなったりする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。
CVT9は、プライマリプーリ(駆動プーリ)91及びセカンダリプーリ(従動プーリ)92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。プライマリプーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、セカンダリプーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
本実施形態の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、運転者が指令する要求負荷、要求出力)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、ロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブ57に対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、CVT9の変速比、エアコンディショナのコンプレッサのON/OFF、ブロワのON/OFF、デフォッガのON/OFF、その他各種電気負荷のON/OFF、オルタネータ63による出力電圧等といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
図3及び図4に、ECU0がCVT9を制御する際の変速線図を示す。変速線図は、車速及びアクセル開度に対応した目標入力回転数(タービン72の回転数)を表すものであり、車速及びアクセル開度に対応したCVT9の変速比を規定する。図3及び図4(加えて、図6、図7)には、アクセル開度が100%の場合の変速線を太い破線で、50%の場合の変速線を太い実線で、0%の場合の変速線を太い鎖線で、それぞれ描画している。変速比は、CVT9がハードウェア的に実現し得るローギア側の限界L及びハイギア側の限界H1の間の値をとる。
運転者がある程度以上アクセルペダルを踏み込んでいる状態から、運転者が一旦アクセルペダルの踏み込みを止め、その後すぐにアクセルペダルを踏み直した状況を想定する。
既に述べた通り、従来の変速比制御によれば、図7に示すように、アクセル開度の変化に追従して、CVT9の変速比は当初の状態P0から、最もハイギア寄りの限界H1上の変速比P1へと降下し、僅かな時間P1に留まった後、P2へと復帰する。つまり、CVT9の変速比が、|P0−P1|及び|P2−P1|の振幅で揺れ動く。P0からP1への変速比の変動、及びP1からP2への変速比の変動の各々においては、CVT9のプーリ91、92が液圧で駆動され、かつ内燃機関の回転(タービン72の回転)が減速して再加速する。従って、総体的にはP0からP2への比較的小さな遷移であるにもかかわらず、P1を経由することによるエネルギの浪費を招いてしまう。
本実施形態のECU0は、アクセル開度が一旦0近傍に縮小した後、短時間で再び拡大するような状況において、CVT9の変速比が最もハイギア寄りの限界H1まで降下してしまうことを抑止する制御を実施する。そのために、本実施形態では、最ハイギアの限界H1よりもローギア側に第二の限界H2を設定し、アクセル開度が0近傍に縮小したときの変速比の降下をこの第二限界H2に制限する。
これにより、図3に示すように、CVT9の変速比は、当初の状態P0から、第二限界H2上の変速比P1’まで降下し、僅かな時間P1’に留まった後、P2へと復帰する。つまり、CVT9の変速比が、|P0−P1’|及び|P2−P1’|の振幅で揺れ動く。この振幅は、従来の制御による振幅|P0−P1|及び|P2−P1|よりも小さい。従って、CVT9のプーリ91、92が液圧で駆動されることに伴うエネルギ損失、及び内燃機関の回転の減速/再加速に伴うエネルギ損失が減少することとなる。
第二限界H2は、恒常的に一定とはせず、運転者のアクセル操作に応じて適宜変更する。アクセル開度が0近傍となる減速要求の後の再加速要求時には、最初にアクセルペダルが比較的強く踏み込まれてアクセル開度が急拡大し、その後アクセルペダルの踏み込みが緩められてアクセル開度が縮小する開度調節が行われることが多い。この点に着目すれば、アクセル開度の拡大初期の拡大量が多いほど、運転者の加速への意思が強いと捉えることができる。
そこで、本実施形態では、アクセル開度が0近傍となった後、車速が所定閾値以下となる前に(車両が停車し、または車両が非常に低速となる前に)アクセル開度が再び拡大したときの、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて、以後のCVT9の変速比の制御における第二限界H2を調整する。具体的には、アクセル開度の拡大初期の拡大量が大きいほど、第二限界H2をローギア側に引き上げる。逆に、アクセル開度の拡大初期の拡大量が小さいほど、第二限界H2をハイギア側に引き下げる。
図5に、ECU0が変速比制御の際に実行する処理の手順例を示す。なお、ECU0のメモリには予め、図3等に示したような変速線のマップデータ(第一限界H1や第二限界H2を規定する情報を含む)が格納されているものとする。
原則として、ECU0は、現在の車速及びアクセル開度に応じてCVT9の変速比を決定する。だが、アクセル開度が所定以上大きく開いている状態から0または0に近い閾値以下に縮小したときには(ステップS1)、CVT9の変速比を第二限界H2以上に維持する(ステップS3)。つまり、変速線から決定される変速比が第二限界H2を超えてハイギア側の値となる場合に、CVT9の変速比をその値までは降下させず、第二限界H2上の値に抑制する。
但し、アクセル開度が0近傍に縮小する直前の時点、または0近傍に縮小した瞬間の時点で、既にCVT9の変速比が第二限界H2よりもハイギア寄りであったならば(ステップS2)、変速比を敢えて第二限界H2まで上昇させることはせず、変速比が第二限界H2を超えてハイギア寄りとなることを容認する。図4に示すように、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の変速比がP0’であるとすると、アクセル開度が0近傍に縮小した後のCVT9の変速比は、変速線から決定される、車速及びアクセル開度に応じた第一限界H1上の値P5に操作することが許される。
アクセル開度が0または0に近い閾値以下に縮小した後、所定時間(この時間は比較的短い時間とする)内にアクセル開度が再拡大した暁には(ステップS4)、CVT9の変速比を変速線から決定される値、即ち第二限界H2よりもローギア側の値に操作する。さらに、アクセル開度が再び拡大を始めてから一定の期間内における、アクセル開度の最大値(極大値)を取得し(ステップS5)、この最大値の多寡に応じた第二限界H2を再決定してその情報をメモリに記憶保持する(ステップS6)。
他方、アクセル開度が0または0に近い閾値以下に縮小した後、所定時間が経過してもアクセル開度が再拡大しなかった場合(例えば、降坂路が長く続いているとき等)には、CVT9の変速比を第二限界H2以上に維持する措置を停止する(ステップS7)。つまり、図3に示すように、アクセル開度が0近傍に縮小した後、第二限界H2上に制限していた変速比P3を、変速線から決定される、車速及びアクセル開度に応じた第一限界H1上の値P4に操作する。
本実施形態では、無段変速機9を搭載した車両を制御するものであって、無段変速機9の変速比のハイギア側の限界として、最もハイギアとなる第一限界H1と、第一限界H1よりはローギア側に偏倚した第二限界H2とを定めておき、開いていたアクセル開度が0近傍に縮小する状況において、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界H2よりもローギア寄りである場合には変速比が当該第二限界を超えてハイギア寄りとなることのないように無段変速機9を制御する一方、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界H2よりもハイギア寄りである場合には変速比が当該第二限界H2を超えてハイギア寄りとなることを許容して無段変速機9を制御する制御装置0を構成した。
アクセル開度が0近傍に縮小した後所定時間内にアクセル開度が再び拡大するような状況では、所定時間経過後もアクセル開度が0近傍に維持される状況(における限界H1)と比較して、無段変速機9の変速比の限界H2をよりローギア側に設定した上、無段変速機9の変速比が当該限界H2を超えてハイギアとならないように無段変速機9を制御する。本実施形態によれは、アクセル開度が一旦0近傍に縮小した後、短時間で再び拡大するような状況において、無段変速機9の変速比の変動の振幅を小さく抑えることができる。ひいては、無段変速機9の駆動や内燃機関の減速/再加速に費やされるエネルギ量を削減することが可能となり、燃費性能の向上に寄与し得る。
加えて、アクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて、以後の無段変速機9の制御における前記第二限界H2を上下させることとしたため、その時々の外部条件や運転者の癖等に応じて第二限界H2を更新でき、(アクセル開度が0近傍の)コースト走行時と(アクセル開度が拡大した)加速時との変速比の差を適切に縮小することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、無段変速機9の変速比の第二限界H2は、図3及び図4に示すように全車速域において一定(変速線図において一直線状)とするのではなく、図6に示すように車速域毎に個別に設定することができる。この場合、制御装置たるECU0は、ステップS6にて、アクセル開度が再拡大したときの車速の属する車速域に関連付けて、再決定した第二限界H2をメモリに記憶保持する。そして、ステップS3では、そのときの車速が属する車速域に関連付けられた第二限界H2の情報をメモリから読み出し、無段変速機9の変速比を当該第二限界H2に抑制する。
また、第二限界H2は、アクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大の速さ(単位時間あたりのアクセル開度の増大量)に応じて調整することもできる。具体的には、アクセル開度の拡大初期の拡大速度が大きいほど、第二限界H2をローギア側に引き上げる。逆に、アクセル開度の拡大初期の拡大速度が小さいほど、第二限界H2をハイギア側に引き下げる。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、無段変速機を備える車両の変速比の制御に利用できる。
0…制御装置(ECU)
33…スロットルバルブ
9…無段変速機(CVT)
33…スロットルバルブ
9…無段変速機(CVT)
Claims (3)
- 無段変速機を搭載した車両を制御するものであって、
無段変速機の変速比のハイギア側の限界として、最もハイギアとなる第一限界と、第一限界よりはローギア側に偏倚した第二限界とを定めておき、
開いていたアクセル開度が0近傍に縮小する状況において、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界よりもローギア寄りである場合には変速比が当該第二限界を超えてハイギア寄りとならないように無段変速機を制御する一方、アクセル開度が0近傍に縮小する以前の時点での変速比が前記第二限界よりもハイギア寄りである場合には変速比が当該第二限界を超えてハイギア寄りとなることを許容して無段変速機を制御する
ことを特徴とする制御装置。 - アクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて、以後の無段変速機の制御における前記第二限界を調整する請求項1記載の制御装置。
- 前記第二限界を車速域毎に設定するものとし、
各車速域毎の第二限界を、当該車速域においてアクセル開度が0近傍となった後アクセル開度が再び拡大した場合の、アクセル開度の拡大初期の拡大量に応じて調整する請求項2記載の制御装置。
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