JP2014124097A - 核酸分析用カートリッジ及び核酸分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、対象検体からの核酸抽出量を安定化させ、固相担体を用いることなく安定した量のDNA回収を可能とすることである。また、デバイス内流路構造と試薬の単純化を可能とし、廉価なデバイスを提供することである。
【解決手段】核酸分析用カートリッジにおいて、核酸抽出液を保存する抽出液保存容器と、核酸の抽出を行う核酸抽出容器と、鋳型となる核酸分子を供給するPCR容器とを具備し、抽出液保存容器と核酸抽出容器とは核酸抽出液を送液する第1の流路で接続され、核酸抽出容器とPCR容器とは核酸分子を送液する第2の流路で接続され、第1の流路の中心線と核酸抽出容器の底部に対して垂直方向の中心線、または第2の流路の中心線とPCR容器の底部に対して垂直方向の中心線の少なくとも一方がねじれ位置の関係になるように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、核酸分析用カートリッジ及び核酸分析装置に係り、例えば、デバイス内に形成された流路にて試薬・サンプル・検体等を送液させ、化学反応・精製・分析を行うための核酸分析用カートリッジ及び核酸分析装置を用いたデバイス・送液システムにおいて、一定量の核酸試料を短時間で抽出するための構造に関する。
核酸分析を用いたアプリケーションが法医科学、個別化医療、バイオテロなどの分野で実用化されている。
法医科学分野では、STR(Short Tandem Repeat)解析が実用化されている。STR解析はゲノム中のある領域の繰返し塩基配列を分析する。STR塩基配列の長さが個人固有であることを用い、個人識別や親子鑑定などDNA鑑定を行う。
特許文献1には、米FBIが指定する13種類の領域を一度に解析するプロセスが開示されている。その解析プロセスは、DNAサンプル採取、DNA増幅、DNAフラグメントの分離、DNAフラグメントの検出の各プロセスからなる。その中のDNA増幅プロセスでは、一つの測定DNAサンプルに対して、13種類のプライマセットを用いて多重PCR(Polymerase Chain Reaction)増幅を行う。DNA増幅中に増幅産物であるDNAフラグメントをラベル化する。DNAフラグメント分離プロセスでは、ラベル化DNAフラグメントを電気泳動で分離する。DNAフラグメントの検出プロセスでは、得られた分離DNAフラグメントの電気泳動パターンを検出、分析する。
特許文献2には、DNAフラグメント分離プロセスにアクリルアミドゲル電気泳動を用いる方法が開示されている。特許文献3にはキャピラリ電気泳動を用いる方式が開示されている。
上述した既存STR解析は、解析時間が長く、解析コストが高い課題がある。解析時間としては、DNAサンプル採取、DNA定量に最大3〜4時間、DNA増幅に最大3時間30分、DNAフラグメントの分離、検出に最大45分と、合計で最大8時間45分要する(非特許文献2を参照)。また、複数台の専門装置と専門知識有する技術者が必要であり、解析システムが一般化できない課題もある。
そこで、解析時間が短く、解析コストを低減する方法として、マイクロフルイディクス技術を活用するのが有効である。2009年に発足した米国ANDE(Automated Nuclear DNA Equipment)プロジェクトに刺激され、マイクロフルイディクス技術を用い上記のような遺伝子解析を行うためのデバイスが盛んに研究されている。マイクロフルイディクス技術とは、マイクロチップなどを用い微量液体をハンドリングする技術である。ハンドリングする液量を大幅低減することで、ハンドリング時間とコストを低減する。現在の遺伝子解析は熟練した作業者が複雑な工程を経て行っている。それに対して、上記のデバイスはこの工程を一つのデバイス内で完結させることにより、操作の単純化と自動化を図るものである。本デバイスの普及により、非熟練者であっても日常的に遺伝子解析が可能となるものと見込まれている。
特許文献3には、マイクロフルイディクス技術を活用してDNAサンプルを採取する自動化システムが開示されている。すなわち、口腔内サンプルや膣内サンプルを採取したスワブを容器に挿入し、マイクロフルイディクス流路を介して試薬容器内の複数試薬をスワブ容器に順次移入して測定サンプルからDNAサンプルを抽出する。得られたDNAサンプルを増幅した後、DNAフラグメントを分離して、STR解析可能であることを示している。
非特許文献2には、マイクロフルイディクス技術を活用してSTR解析を行う自動化システムが開示されている。この解析システムは2種類のマイクロデバイスと1種類のマイクロチップを用いる。マイクロデバイスはDNAサンプル採取用とDNA増幅用で、1種類のマイクロチップでDNAフラグメントを分離する。解析時間3時間以内を実現している。
特許文献4には、別の形態のSTR解析を行う自動化システムが開示されている。システムは、DNAサンプルを採取するモジュール、DNAを増幅するモジュール、増幅産物をクリーンアップするモジュール、キャピラリ電気泳動モジュールからなる。分析には使い捨てのカートリッジを用いる。カートリッジは、チャンバー、連結管、及び微細流路やフルイディスクバルブ持つマイクロチップで構成されている。カートリッジ内チャンバーに測定サンプルが付着したスワブを挿入した後、連結管を介して試薬カートリッジ内の試薬溶液をチャンバーに移入し、チャンバー内で測定サンプルを溶解する。磁性微粒子があるチャンバーに測定サンプル溶解した試薬溶液を移入し、試薬溶液に溶解したDNAを磁性微粒子に付着させる。DNA付着した磁性微粒子をフルイディスクバルブ介して複数チャンバーに移動させるともに、複数チャンバーに複数試薬を順次供給して、DNA増幅、増幅産物のクリーンアップを行う。最後にクリーンアップされた増幅産物をキャピラリ電気泳動モジュールに導入しSTR解析を行う。
米国特許第6531282号明細書 日本国特許出願公表 特表2001/511018号明細書 米国特許出願公開第US2010/0285578号明細書 米国特許出願公開第US2011/0005932号明細書
J Forensic Sci 1998;43:164−170 Analytica Chimica Acta 2011;687:150−158
遺伝子解析では、解析対象となる生体サンプルの取得、DNAやRNAといった核酸分子の抽出、核酸増幅などの様々な処理や反応が必要である。多段階の工程を経て生じた産物を検出系の測定範囲におさめるため、各工程には高い再現性が求められている。これを行うためのマイクロデバイスでも同様に各工程における高い再現性が求められている。
特に産物量を左右しやすい工程としてPCR反応(ポリメラーゼ連鎖反応 Polymerase Chain Reaction)が知られている。これは微量にしか存在しないDNAやRNAなどの核酸分子を鋳型として、解析対象領域を検出器が検出できる量にまで増幅する工程であり、殆どの遺伝子解析において必須の工程である。
PCR反応は非常に有用な反応であるが、微量の鋳型分子を元に指数的な増幅を行うという特徴があるため、初期の鋳型DNAの量によって、最終的な産物量に大きな差が生じてしまう。そこで現在の遺伝子検査においては、鋳型分子を生体試料から抽出した後その濃度を定量し、一定量の鋳型分子をPCR反応に鋳型として供している。
マイクロデバイス内でPCR反応を安定して行うためには、一定量の鋳型分子をPCR反応・もしくは検出系に供する必要があり、生体試料から一定量の鋳型分子を抽出する構造が重要となる。過剰の鋳型分子を用いPCR反応を行った場合、産物量が検出系のダイナミックレンジから外れてしまい、また過少であった場合には、検出系の下限を下回ってしまうためである。適切な量の鋳型分子をPCR反応に供さなければ、必要な情報が得られない。このため、PCR反応機構を有するマイクロデバイスにおいて、一定量の鋳型分子を抽出する仕組みを持つことは非常に重要な要素となっている。
マイクロデバイス内において一定量の鋳型分子を供給する既知の手法として、シリカビーズを用いる手法が知られている。シリカビーズはDNAの精製に広く一般的に用いられている物質であり、高塩濃度もしくは低水和水環境下において、DNAと結合する性質がある。この結合は一定量のDNAで飽和することが分かっており、このビーズへのDNA結合の飽和を利用して、ビーズ量を調節することで一定量のDNAを回収している(非特許文献2)。また特許文献3においても、一定量のDNAを供給するための仕組みとして、デバイス内にDNAを吸着する担体を用いている。
しかし、一定量のDNA回収に、担体への結合反応を利用するには、デバイス内に結合・洗浄・溶出などの複雑な流路構造を形成する必要がある。このため結合担体を用いる方式は、デバイス流路構造が複雑になり、コストが増加してしまう問題がある。また結合担体、洗浄、回収などに複数の試薬を用いる点からも、コストが高くなってしまうという課題がある。
そこで、本発明の目的は、対象検体からの核酸抽出量を安定化させ、固相担体を用いることなく安定した量のDNA回収を可能とすることである。また、デバイス内流路構造と試薬の単純化を可能とし、廉価なデバイスを提供することである。
発明者は鋭意研究の結果、生体試料の回収量のバラツキを最小限に抑えるためのサンプル回収器具と、それと対になる核酸抽出容器の構造とを組み合わせることで、安定した量のDNAを回収する機構を完成させた。
生体試料からのDNA量は、回収器具へ付着する生体試料の量とそこからDNAを抽出する際の効率とで規定される。本発明はこの両者を安定させることで、一定量の核酸供給が可能とする。
核酸抽出効率を安定させるため、円柱形のサンプル回収器具と同じく円柱状の核酸抽出溶液との組み合わせにおいて、各々の円柱の中心軸をそろえる為の構造と各円柱の接線の間に中心軸を持つ流路から核酸抽出液を流入させる構造とする。この構造の組み合わせにより、サンプル回収器具周囲を渦状に旋回する流れを生じさせ、サンプル回収器具の円周に付着した生体試料からの効率的な核酸抽出を実現する。また核酸抽出液全体を均一に攪拌することが容易となり、抽出された核酸分子の分散に要する時間を短縮する。これにより抽出対象となる生体試料からの核酸抽出効率を飛躍的に高め、短時間で回収量を飽和させる。飽和は生体試料に含まれる核酸量もしくは核酸抽出液の溶解能力によって起こり、飽和値近辺では回収効率がほぼ一定となる。
また本発明は、核酸抽出反応に供される生体試料の量を安定化させるための構造も供する。生体試料の量を安定化させるためには、そもそものサンプル回収器具への生体試料の付着量を制御する方法と、サンプル回収器具に付着させた生体試料のうち一部だけを核酸抽出反応に供する方法とがある。本発明は両方の手段またはその組み合わせを提供する。サンプル回収器具への生体試料付着量の制御方法としては、起毛構造を有するサンプル回収器具においてその起毛長さが、回収対象となる生体試料の直径の0.5倍から1.5倍であることを特徴とするサンプル回収器具を用いることにより、安定した量の生体試料回収を実現する。
サンプル回収器具に付着させた生体試料のうち一部を核酸抽出反応に供する方法として二種類の構成を示す。サンプル回収器具の付着した生体試料の一部もしくは大半を削り落とす構造を有することを特徴とする核酸抽出反応容器と、サンプル回収器具と核酸抽出液の接触面積を制限するための構造をデバイス本体もしくはデバイスに取り付け可能な別構造物の形で持つことを特徴とする核酸抽出反応容器である。これらは生体試料の一部を核酸抽出工程に供することで、抽出される核酸量のばらつきを低減する。
本発明は、対象検体からの核酸抽出量を安定化させ、固相担体を用いることなく安定した量のDNA回収を可能とする。これによりデバイス内流路構造と試薬の単純化を可能とし、廉価なデバイスを提供する。
本発明の核酸分析用カートリッジの構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジの構成の一例を説明するための概念図。 本発明における核酸抽出機構を含むカートリッジの模式図。 核酸抽出容器とサンプル回収器具と流路の位置関係を示す図。 核酸抽出容器の構造の別の例を示す図。 核酸を含む溶液を次工程に供するための流路の構造例を示す図。 既存の起毛式サンプル回収器具に対する細胞付着の例を示す図。 生体試料の回収量を安定させるための起毛構造の例(Aは従来構造)を示す図。 サンプル回収器具から安定した量の生体試料を核酸抽出に供するための構造の例を示す図。 サンプル回収器具から安定した量の生体試料を核酸抽出に供するための別構造体の例を示す図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。 本発明の核酸分析用カートリッジを動作、検出するための核酸分析装置の構成の一例を説明するための概念図。
以下、本発明の新規な特徴と効果について、図を参照して説明を行う。
ここでは、本発明の理解を容易にするため、特定の実施形態について詳細な説明を行うが、本発明はここに記載した内容に限定されるものではない。また各実施例は適宜組み合せることが可能であり、当該組み合せ形態についても本明細書は開示している。
図1、及び図2を参照しながら、本発明の核酸分析用カートリッジの一例を説明する。
図1は核酸分析用カートリッジ1の全体概略を平面図で示す。図1に示す核酸分析用カートリッジ1はコントロールサンプルを含む合計8サンプルを同時に解析できる構成例である。
核酸分析用カートリッジ1は、試薬が封入されて内部に試薬を保持する試薬封入部屋(2,3)、試薬溶液を分岐するための分岐部屋4、試薬溶液を混合する混合部屋6、加熱される加熱部屋(7,10)とこれらの部屋を結ぶ流路13を持つ。ここで、試薬封入部屋としては、Master mix封入部屋2、Primer mix封入部屋3、電気泳動マーカ封入部屋8、ホルムアミド封入部屋9、サンプル溶解液封入部屋12がある。加熱部屋としては、DNA増幅を行うDNA増幅加熱部屋7、DNA変性加熱部屋10がある。
また、上記の試薬封入部屋、分岐部屋、混合部屋、及び加熱部屋以外の部屋として、測定サンプルを挿入する測定サンプル挿入部屋5とキャピラリが挿入されるキャピラリ挿入部屋11がある。なお、本図ではキャピラリの一端のみ図示しているが、キャピラリは図に対して奥方向に延在して設けられている。
試薬溶液は、基本的には、図1で示す平面図の左側から右側に向かって流れる。Master mix封入部屋2、Primer mix封入部屋3の試薬は流路を流れ、例えば、本図の下側に位置する分岐部屋4に至り、さらに最下段に配置された測定サンプル5を流れ、同じ最下段に配置された混合部屋6、DNA増幅加熱部屋7、電気泳動マーカ封入部屋8、ホルムアミド封入部屋9、DNA変性加熱部屋10の順に流れ、キャピラリ挿入部屋11に至る。本実施例では、8サンプルを同時に解析できる構成例であり、図中の最下段を流れるサンプルの場合を説明したが、他のサンプルについても試薬の流れは同様である。
ただし、一部の部屋と部屋の間では、一度進んだ溶液を元の部屋に戻したり、また再度先の部屋に進めたりする往復送液を行って、効率的な試薬溶液の混合を行う。この様な往復送液を行う部屋と部屋の組み合わせとして、サンプル溶解液封入部屋12と測定サンプル挿入部屋5、DNA増幅加熱部屋7と混合部屋6、ホルムアミド封入部屋9と混合部屋6、などが挙げられる。
図2は、核酸分析用カートリッジ1の概略を断面図で示す。この断面図は、図1の切断線A−A’に沿うものである。核酸分析用カートリッジ1は、下から順に、メンブレン15、カートリッジ本体14、上蓋16、フィルム17で構成される。作製方法としては、カートリッジ本体14と上蓋16を接合した後、カートリッジ本体14とメンブレン15を接合、または接着する。その後、封入部屋9上部の開口を介して試薬を封入部屋に封入した後、フィルム17を貼り合わせて完成する。
核酸分析用カートリッジ1は、核酸分析装置のカートリッジホルダ26(図11参照)に設置して使用する。カートリッジホルダにメンブレン15を変動させる機構を持たせておき、メンブレン15を変動させて試薬溶液を部屋から部屋へと移動させる。また、カートリッジホルダに加熱する機構を持たせることで、カートリッジ内の試薬溶液を加熱して、DNA増幅やDNA変性を行う。なお、試薬の送液方法に関しては、図11〜図25を用いて後述する。
カートリッジ本体14や上蓋16に用いる材料としては、値段が安く、大量生産に適した成型加工可能な熱可塑性のプラスティック材料が望ましい。この様なプラスティック材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、アクリル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ酢酸ビニル、シクロオレフィン及びこれらの共重合体が挙げられる。また、これらの熱可塑性プラスティック材料に熱硬化性のプラスティック材料、無機材料、または金属材料などを内部に微細分散させた複合材料を用いることもできる。
また、メンブレン15に用いる材料としては、後述するカートリッジホルダ機構に適した弾性体が望ましい。この様な弾性体としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ハイパロンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、ヒドリンゴム、及びこれらの共重合体が挙げられる。
また、フィルム17に用いる材料としては、特に制限はないが、梱包袋に用いられる材料と同様、比重が小さく、曲げ強度が小さいプラスティック材料が望ましい。この様なプラスティック材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、アクリル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ酢酸ビニル及びこれらの共重合体が挙げられる。これらの材料からなるシートを複数種類重ねて一つのフィルムとしても良い。また、複数種類シートを重ね合わせたフィルムについて、水蒸気透過性を低減するために、アルミニウムなどの金属やシリカの様な無機材料からなる層を内部に導入しても良い。
また、核酸分析用カートリッジを組み立てるための、カートリッジ本体14とメンブレン15、カートリッジ本体14と上蓋16、上蓋16とフィルム17の接着、または接合についても特に制限はなく、接着剤や両面テープを用いた接着、熱溶着、超音波溶着、レーザ溶着などの接合、シランカップリング材や溶剤などを用いた化学的接合を用いることができる。
図3を用いて、本発明の核酸分析用カートリッジにおける核酸抽出機構の概要について説明する。
核酸分析用カートリッジ1は、核酸抽出容器301と抽出液保存容器302とPCR反応容器303とが弁機構付き流路304、305とで連結された構造を有しており、抽出液保存容器302には細胞などの生体試料から核酸を抽出する溶液である核酸抽出液306が封入されている。生体試料307を付着させたサンプル回収器具308を核酸抽出容器301に挿入した後にフタ309を閉め、弁付き流路304を通じて抽出液保存容器302から核酸抽出液306を核酸抽出容器301へ送り、サンプル回収器具308に付着した生体試料307から核酸を抽出する。抽出された核酸を含む核酸抽出溶液を弁付き流路305を通じてPCR反応容器303に輸送することで、PCR反応系に鋳型となる核酸分子を供給する。この際、解析対象とする生体試料307以外の核酸分子が、核酸抽出液に混入することを防ぐために、各容器301,302,303はフィルム310やフタ309によって外気から遮断された構造となっている。
なお、この容器を連結する弁付き流路304、305の構造、並びにそれを用いた送液方法については、図11〜25を用いて実施例3で詳述する。ここでは、図2に示す核酸分析用カートリッジ1の断面図と、核酸抽出機構を示す図3と、送液機構を示す図14との対応関係について説明し、後述する送液方法が本実施例で示す核酸抽出機構にも適用されることを示す。
図3は、図1のB−B’切断線で示す断面図に相当し、302、301、303は、それぞれ図1で示す12、5、7に対応する。ただし、図1に示す混合部屋6は図3では説明の都合上、図示していない。溶液は302から304の弁の開閉により301に送液され、さらに、301から303への送液は305の弁の開閉により行われる。
また、図2との対応は、例えば、混合部屋6は図3に示す抽出液保存容器302に相当し、ホルムアミド封入部屋9は図3に示す核酸抽出容器301に相当するものとする。その時、流路13は図3に示す弁付き流路304に相当する。
図3の弁付き流路304、305の構造は、図14で示すピン52、51にそれぞれ対応する。すなわち、ピン52、51の上下動は、弁304、305の開閉に対応する。ピン52、51の上下動による送液動作の詳細は実施例3で後述する。
核酸抽出液306の組成としては、少なくとも一種類ずつ以上の界面活性剤と2価金属イオンに対するキレーターを含むことが好ましい。界面活性剤によって細胞膜や核膜を破壊しDNAを溶液中に開放すると同時に、2価金属イオン依存性のヌクレアーゼによってDNAが分解される減少を防ぐためである。このような界面活性剤として、例えば、SDSやTween20、Triton X−100、NP−40などを挙げることが出来る。また2価金属イオンキレーターとしては、EDTA(Ethylenediamine−N, N, N’,N’−tetraacetic acid)、CyDTA(trans−1,2−Diaminocyclohexane−N, N, N’,N’−tetraacetic acid)、Bicine(N, N−Bis(2−hydroxyethyl)glycine)、EGTA(O, O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N, N, N’,N’−tetraacetic acid)などが挙げられる。
2価金属イオンキレーターは、少なくともCa2+、Mn2+、Mg2+の三種類の金属イオンに対して、単材もしくは二種類以上の混合物の状態でキレート作用があるものが好ましい。これらのイオン種はDNA分解酵素(ヌクレアーゼ)の補因子として働きDNAの分解に寄与してしまうため、これらをキレートすることで抽出後の核酸溶液の安定性が増す効果がある。
解析対象とする生体試料307としては、例えば、口腔粘膜細胞、鼻粘膜細胞、血液、便、尿などを用いることが出来る。特に口腔粘膜細胞は、容易かつ非侵襲で多量の細胞が回収できることから、本サンプルとして適している。
サンプル回収器具308としては、一般にスワブと呼ばれるふき取り器具を用いることが出来る。スワブは硬く細い軸の先端部に柔らかい繊維を纏った構造をしており、この繊維部分にサンプルを付着させる。
スワブの材質としては、軸に樹脂、サンプル付着部にはセルロース、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどが用いられる。本発明の構成を限定するものではないが、特にサンプル付着部に起毛構造を採用したスワブ(例:4N6 FLOQ SWAB、COPAN社)の使用が好ましい。このような起毛構造は生体試料の回収効率と放出効率とが高いためである。
図4〜6を用いて、スワブに付着した生体試料から短時間で効率よく均一な核酸溶液を得るための構造の組み合わせに付いて、更に詳しく説明する。
核酸抽出容器401の中央底面には窪み402が存在しており、これによりスワブ403は核酸抽出容器401と同中心軸に固定される(図4Cは上面図、図4Bは図4Cのa−a’断面図をそれぞれ示す)。核酸抽出容器401は流路404を介して抽出液保存容器405に接続されている。この流路404は、その中心軸406がスワブ403のサンプル付着部の外周の接線と核酸抽出容器401内壁の接線との間で核酸抽出容器401と交差することを特徴としている(図4Aは鳥瞰図、図4Cは上面図を示す)。このような構造とすることで、流路404から核酸抽出容器401に流入した核酸抽出液はスワブ403周囲を周回する渦状の流れを形成する。
渦状の流れを形成することで、生体試料が付着しているスワブ外周全面に対して一定の流速を与えることが出来、細胞溶解並びに核酸の均一化に要する時間が短縮できる。
すなわち、スワブの全周に新鮮な核酸抽出液を供給することで細胞溶解が均一かつ短時間で進行することを助け、また、抽出容器内全体を広く攪拌混合することが可能となるためである。
一般にゲノムDNAは高分子量の鎖状構造のため、生体試料から放出された後も局所的な粘度上昇を引き起してしまい、単純な拡散で均一な溶液状態となるためには非常に長い時間を要してしまうが、このような流れを形成することで5分以内の短時間での均一な核酸溶液回収が可能となった。
また、更に核酸溶液を均一化するための時間を短くするために、核酸抽出容器には図5に示すようなバッフル構造501が存在しても良い。スワブとサンプル容器内壁との間で周回する流れが形成されると、サンプル回収のために表面荒れが大きくなっているスワブ表面では乱流が生じるが、滑面の容器内壁部では層流となる。一般に層流状態での攪拌効率は乱流状態に対して劣る。核酸抽出容器内壁面にバッフル構造501を形成することで層流状態を乱し、攪拌効率を高める効果がある。
図6を用いて、核酸を含む溶液を次工程に供給するための流路構造の形状に付いて説明する。
前述までの構造で核酸溶液601を均一化することが出来たが、溶液の中には細胞から核酸を抽出した後の残りである細胞残渣602が存在している。この細胞残渣はPCR反応を含む次工程以降にとって不要な不純物であり、反応の阻害や流路のつまりなどを発生させ得る要因のため除去することが好ましい。そのため核酸溶液601を次工程に送るための流路603は、核酸抽出容器401の底面よりも高い位置で核酸抽出容器401と交わる構造とした。具体的には流路603と核酸抽出容器401の交差する位置を底面から1mm以上高い位置に設置した。この構造により、次工程への細胞残渣の持ち込み量を最小限に抑えることが出来る。
例えば、生体試料として口腔粘膜細胞が汎用されているが、この細胞を、界面活性剤を主体とした核酸抽出液で処理すると直径30〜40μm(ミクロン)の骨格系タンパク質に富んだ細胞残渣を生じる。この細胞残渣は比重が重く、温度や溶液の粘度などの条件によっても若干異なるが、通常静置により5分以内に沈降する。LT社製の核酸抽出液Prep−n−Goバッファー400ulを用い、COPAN社製 4N6 FLOQ スワブ一本分の口腔粘膜細胞を処理した際の細胞残渣を例にとると、この細胞残渣は室温5分間の静置で容器底面に堆積し、その堆積物の高さは1mm以下であった。十分な攪拌によって核酸を抽出した後に静置し沈降させ、流路603から核酸溶液601を回収することで細胞残渣の少ない核酸溶液を得ることが出来る。また対象となる生体試料によっては、細胞以外の異物(ホコリ、食べかすなど)が混入していることがあるが、このような異物の次工程への持ち込みを最小限にするためにも上記構造は有効である。
このような中空の回収流路を形成するには、二枚以上の材質の貼り合せや、光造型、3Dプリンタなどが挙げられる。コストや量産性の観点からは、二種類の構造物の貼り合せが好ましい。
前述までの構造だけであっても安定した核酸回収に一定の効果を示すが、更に安定した量の核酸を得るには、安定した量の生体試料307を核酸抽出容器301に供する機構が必要となる(図3を参照)。核酸回収量は生体試料中の核酸量と、そこから溶液に抽出する際の抽出効率とで規定されるためである。
図7〜10を用いて、この核酸抽出の対象となる生体試料の量を安定させるための構造について説明する。
まず、起毛構造を持ったスワブにおいてその起毛部の長さを、回収対象となる細胞の直径と同程度の長さに抑えることで、回収細胞量のばらつきを抑えることに成功した構造について図7〜8を用いて説明する。
例えば、口腔粘膜細胞では、凡そ直径30〜40μm(ミクロン)の扁平な構造の中に直径7μm(ミクロン)の核を有している。しかし、このような細胞の回収に起毛構造701を持った通常のスワブ(例えば、COPAN社製 4N6 FLOQ SWABでは約0.9〜1mm程度)を用いると、図7に示すように細胞702はスワブ起毛構造701の外縁部に優先的に付着し、その後回収のために粘膜にこすりつけるたびに、スワブ軸703方向に細胞が付着する。このように細胞直径に対して十分に長い起毛701を用いることは、細胞の回収率や細胞回収量の面では有利に働くが、細胞回収量の安定化という面では、不利に作用する。付着可能な細胞の最大容量が大きく、拭う際の強さや回数などの回収プロトコルによって、何層の細胞が回収されるかが変わってしまうためである。
そこで、本実施例では、既存の起毛構造スワブ(図8B)よりも起毛の長さを制限したスワブ(図8A)を用いることとした。このスワブはスワブの軸材803から生やす起毛802の長さが、回収対象とする細胞801の直径とほぼ同一(0.5〜1.5倍)であることを特徴とする。細胞が付着可能な起毛部分の長さを制限することで、細胞が多層に回収されることを防ぎ、細胞回収量のばらつきを抑える効果がある。この構造では最大回収量は、現行のものに比べて低下してしまうが、採取ごとの回収量のばらつきを抑えることが可能になる。この構造において、例えば口腔細胞に対しては、起毛の長さ15〜60μm(ミクロン)程度のスワブの利用が好ましい。一層の細胞を回収することで回収細胞量のばらつきを低く抑えることが出来る。
一方、必要な核酸の量によっては多層の細胞が必要とされる場合もあり、その場合には起毛長を200μm(ミクロン)まで長くすることが、回収細胞の量とばらつきのバランスを取る上で有効である。図7において細胞は起毛の先端から200μmまでの部位に集中して付着しており、この部位への細胞の付着が容易であることが分かる。よって長さが200μm以下の起毛を用いた場合、細胞の付着は短時間で飽和し、一定以上の細胞を付着させることができなくなる。この時回収される細胞は多層となっているが、スワブへの回収細胞量が飽和しているため、回収プロトコルによるばらつきを軽減する効果がある。
次に、既存のスワブを用いて安定した量の生体試料を核酸抽出容器に供するための構造に付いて、図9と10の形態について説明する。
この二つの実施形態では、スワブに付着させた生体試料の内の一部だけを核酸抽出反応に供することで、生体試料の量としてのばらつきを抑えている。
スワブ全周に付着した細胞のうち一部だけを核酸回収容器に投入する構造について図9を用いて説明する。この構造では核酸抽出容器901の内壁面に切りかけ902を持った突起903を持つことを特徴とする。この突起によって狭められた通過部直径904をスワブ905の軸の直径906以上サンプル付着部の直径907未満とすることで、スワブ全周に付着していた細胞のうち大半を突起903で削りつつ切りかけ部分902を通過した生体試料を核酸抽出工程に供する物である。この構造により核酸抽出量のばらつきを押さえることが出来る。また通過部直径904を軸直径906の200%以下かつ切りかけ902の幅を軸直径以下とすることで、円柱状のスワブを核酸抽出容器901の中心に固定する作用を持つ、この場合図4における窪み402を省略することも出来る。
また、この方式では、市販のスワブを用いてサンプル投入量を制限するため、図8で説明した実施例のようにスワブを新規に作成する必要が無く、低コストでの実装が可能である。
図9では、サンプル回収容器の構造を利用して、スワブの一部に付着した生体試料を核酸抽出反応に供したが、このための構造はサンプル回収容器に作りこまずに別の構造体を用いても実現することが出来る。この場合の実施例を図10に示す。この方式ではスワブ1001のサンプル付着部位において一定面積の開口窓1002を有するキャップ1003を用いる。核酸抽出容器にこのようなキャップを予めはめ込み、そこにスワブを挿入し核酸抽出工程に供すると、開口窓1002を通じて核酸抽出液がスワブに接触し、この開口窓1002に相当する部分の生体試料から核酸が抽出される。これにより核酸抽出量のばらつきを抑制することが出来る。より正確には、核酸抽出液は開口窓1002を通じて毛細管現象によってスワブのサンプル回収部全面に浸透し細胞溶解を引き起こすが、核酸分子は鎖状高分子であり拡散係数が非常に低い上に自身が粘度上昇を引き起こすため、抽出用液が直接当たる開口窓1002付近の細胞から溶出した核酸分子からしか殆ど回収されない。これによって核酸抽出量が抑えられ、結果として量のばらつきが抑制されているようである。またこのカップを用いた方式でも、スワブの中心軸位置を核酸抽出容器の中心に固定されるため図4の実施例における窪み402を省略することが出来る。
また、このようなキャップ構造を用いることのメリットとして、カートリッジ本体の構造を変化させること無く、用途やサンプルに応じて回収量をコントロールすることが可能である点が挙げられる。つまり、回収対象となる生体試料の変更や次工程に必要な核酸量の仕様変更に対して、カートリッジ側の構造を変更させずに対応することができ、結果低コスト・短期間での対応が可能となるメリットを有する。
また図8では開口部を側面に設置したが、基本的に開口部の形状や位置に特に制限は無く、例えば形状としては、楕円・四角・スリットなどでも良いし、設置位置も底面などであってもかまわない。
これまでに説明した、核酸抽出容器を含むカートリッジを用いる核酸分析装置の全体像並びに各流路における送液機構について、STR解析を例に取り図11〜25を用いて説明を行う。
まず、図11にSTR解析を行い、核酸分析用カートリッジを検出するための核酸分析装置の概要を示す。
核酸分析装置は、カートリッジホルダ26、送液・温調ユニット27、送液ポンプ28、電気泳動キャピラリ29、レーザユニット30、検出ユニット31、コントロール基板ユニット32からなる。
カートリッジホルダ26は、核酸分析用カートリッジ1を保持する。また、カートリッジ内の試薬溶液を移送するためにカートリッジ下部のメンブレン15を変動する機構、ならびにカートリッジを温調する機構を持つ。送液・温調ユニット27はカートリッジホルダ26のメンブレン変動機構と温調機構、及び送液ポンプ28を制御する。
電気泳動キャピラリ29は核酸分析用カートリッジ1に接続し、カートリッジ内で増幅、蛍光ラベル化されたDNAフラグメントを吸引した後、高電圧下でDNAフラグメントを分離する。レーザユニット30は、電気泳動キャピラリ29にレーザを照射して電気泳動キャピラリ29内の蛍光分子を励起する。検出ユニット31は励起された蛍光分子を検出する。
図12を用いて、送液・温調ユニット27(図11参照)に内蔵されている、カートリッジ下部のメンブレン15(図2参照)を変動させる空気圧制御システムの構成を説明する。空気圧の駆動源となる送液ポンプ28が空気の吸引・吐出を行う。吐出された空気は、配管を通りフィルタ34、空気圧調整弁35を通り、三方弁マニホールド36のIN側に接続される。三方弁マニホールド36には三方弁37が連なって搭載されており、同じ流路でそれぞれ接続される。三方弁37からはそれぞれ配管が接続され、それぞれスピードコントローラ38を通り、カートリッジホルダ26(図11参照)へと接続される。三方弁マニホールド36には大気解放となっている排気用のOUT側流路もある。そのOUT側流路の出口にはサイレンサ39を取り付ける。
送液ポンプ28から吐出された空気がフィルタ34を通ることで、空気に含まれるゴミや埃を取り除く。これにより、三方弁37やスピードコントローラ38への異物混入を防ぐ。また、空気圧調整弁35にて、カートリッジホルダ26へ与えられる空気圧を適切な圧力に調整することが可能となる。三方弁37は、三方弁マニホールド36に搭載することで、配管の接続を1箇所に纏めることが出来る。仮に三方弁37の数が増えても配管の接続は1つで済むため、よりコンパクトに収めることができる。三方弁37に接続される配管にそれぞれスピードコントローラ38を接続することで、空気圧の流量を制御することが出来る。今回は空気圧にて送液を行うため、流量の管理が重要となる。また、圧力の高まった配管を大気解放した際に音が発生するため、OUT側出口にサイレンサ39を設け、音を小さくする。
図13は、空気圧制御システムに構成される三方弁37の方向制御を示した図である。今回の配管は、IN側からカートリッジホルダ26側へ繋がる空気圧流路40、カートリッジホルダ26側からOUT側へ繋がる空気圧流路41がそれぞれ三方弁37にて切り替えられるようになる。三方弁37はノーマルクローズとし、通常状態では空気圧流路40が閉じた状態になり、空気圧流路41が繋がるようになる。この時、IN側から来た空気は三方弁マニホールド36に接続されるが、空気圧流路40が閉じているため、カートリッジホルダ26側には空気圧はかからない。だが、空気圧流路41が開放しているため、カートリッジホルダ26側とOUT側の流路は大気解放となる。三方弁37を通電状態にすると、空気圧流路40が開放となり、空気圧流路41が閉じる。この時、IN側から来た空気は三方弁マニホールド36に接続され、空気圧流路40が開放しているためカートリッジホルダ26側に空気を送ることが出来る。また、空気圧流路41が閉じているため、カートリッジホルダ26側に空気圧を与えることが可能となる。それぞれ、三方弁37を介してカートリッジホルダ26側へ配管を接続しているので、任意の流路に空気圧を与えることが可能となる。
図14は、カートリッジホルダ26(図11参照)内のメンブレン変動による送液機構を示す。カートリッジホルダ本体50には、核酸分析用カートリッジ1をセットした時に、空気圧制御システムで駆動させ、弁の働きをさせるピン51、ピン52が内蔵される。ピン51、ピン52にはそれぞれにパッキン53、パッキン55が取り付けられる。ピン51、ピン52先端部には、カートリッジホルダ本体50側にパッキン54、パッキン56が内蔵される。カートリッジホルダ本体50には、核酸分析用カートリッジ1をセットした時にメンブレン15を潰して、核酸分析用カートリッジ1の流路13周りを塞ぐことができるような封止用突起57を設けておく。また、カートリッジホルダ本体50には、空気圧制御システムと接続される空気圧ポート58、59、60、61、62が形成される。それぞれの空気圧ポートが空気圧制御システムの三方弁37と接続されるため、それぞれを別々に制御することが可能となる。
カートリッジホルダ本体50は、アクリル樹脂が好ましい。核酸分析用カートリッジ1の送液箇所が増えれば増えるほど、カートリッジホルダ本体50の空気圧用の流路が複雑となる。アクリルなら接合や接着が可能なため、複雑な流路にも対応できる。送液箇所の増加に伴い、ピン51、ピン52の数も増えるため、PPS樹脂等の剛性のある樹脂で成形するのが望ましい。ただし、成形で作った場合にはパーティングラインより空気がリークする恐れがあるため注意が必要である。パッキン53、パッキン54、パッキン55、パッキン56は空気圧往復運動用のパッキンとし、摺動部分には真空グリスも塗布する。これにより、ピン51、ピン52を駆動させた時の摺動抵抗を減らす。
図15は、核酸分析用カートリッジ1(図1参照)をカートリッジホルダ26(図11参照)にセットした時の図である。セットした時、カートリッジホルダ本体50にある封止用突起57にてメンブレン15を潰し、流路13周りを塞ぐ。カートリッジホルダ26にはピン51を押しこむための空気圧ポート60、ピン51を元の位置に戻すための空気圧ポート59、ピン52を押しこむための空気圧ポート62、ピン52を元の位置に戻すための空気圧ポート61があり、各ポートにそれぞれ空気圧制御システムからの配管を接続させる。これにより、空気圧制御システムにて各ポートに空気圧を供給して、エアシリンダのように各ピンをそれぞれ駆動させる。また、流路13にメンブレン15を押しつけるための空気圧ポート58も形成してある。ただし、各ポートに空気圧制御システムの配管を接続しただけではカートリッジホルダ26へ空気圧は与えられない。先に説明した三方弁37の方向制御により、通常状態ではカートリッジホルダ26の各ポートは全て大気解放となる。
図12、及び図16〜25にて、本発明の核酸分析用カートリッジ1内での送液の流れを示す。
送液を行う前準備として、まずは、カートリッジホルダ26と空気圧制御システムを接続させる前に送液ポンプ28を駆動させる。三方弁37はノーマルクローズのため、送液ポンプ28と三方弁37間の圧力が高まる。その状態で圧力調整弁35にて適切な圧力に調整する。その後、各三方弁37を通電し、空気圧流路40を開放し、空気圧流路41を閉じる。すると、カートリッジホルダ26に接続される配管に空気が送られるため、その状態でスピードコントローラ38にてカートリッジホルダ26へ接続される各配管の流量を調整する。空気の圧力、流量の調整が終了してから、カートリッジホルダ26に空気圧制御システムを接続し、カートリッジホルダ26に核酸分析用カートリッジ1をセットする。
以下、空気圧の制御方法、それに伴うピンや流体の動きを説明する。まず、空気圧ポート59の三方弁37、空気圧ポート61の三方弁37を開放する。これにより、図16のように、ピン51、ピン52が下がる。この状態をピンの初期位置とする。
次に空気圧ポート60の三方弁37を開放し、空気圧ポート59の三方弁37を閉じる。これにより、空気圧ポート59側に溜まった空気圧が大気解放となり、空気圧ポート60側から空気圧がかかるため、図17のように、空気圧でピン51がカートリッジ1に押し付けられる。ピン51はメンブレン15を介してホルムアミド封入部屋9を塞ぐ栓19を押し上げる。すると、ホルムアミド封入部屋9を塞いでいた栓19が開放される。一度開放した栓19は押し上げられた位置から動かないようにしておくことで、今後ずっと開放し続けることになる。だが、ピン51がホルムアミド封入部屋9と流路13の間に押し付けられているので、ホルムアミド封入部屋9と流路13の間は塞がったままとなる。
次に、空気圧ポート58の三方弁37を開放する。すると、図18のように、メンブレン15が空気圧で押され、流路13に密着する。これにより、元々流路13に入っていた空気を混合部屋6に押し出すことが出来る。核酸分析用カートリッジ1は内部が密閉されているため、この間は核酸分析用カートリッジ1内部の圧力が高まる。ホルムアミド封入部屋9と混合部屋6の間には部屋上部を通る空気穴20があるため、各部屋の圧力は同じとなる。
次に、空気圧ポート62の三方弁37を開放し、空気圧ポート61の三方弁37を閉じる。これにより、空気圧ポート61側に溜まった空気圧が大気解放となり、空気圧ポート62側から空気圧がかかるため、図20のように、空気圧でピン52がカートリッジ1に押し付けられる。ピン52がメンブレン15を介してホルムアミド封入部屋9と流路13の間に押し付けられるため、混合部屋6と流路13の間を塞ぐ。
次に、空気圧ポート60の三方弁37を閉じ、空気圧ポート59の三方弁37を開放する。これにより、空気圧ポート60側に溜まった空気圧が大気開放となり、空気圧ポート59側から空気圧がかかるため、図21のように、ピン51が元の位置に戻る。メンブレン15は、空気圧ポート58から空気圧がかかったままなので、流路13に押し付けられたままとなる。
次に、空気圧ポート58の三方弁37を閉じる。これにより、空気圧ポート58側に溜まった空気圧が大気開放となり、図21のように、流路13に押し付けられたメンブレン31が自身の弾性力と、核酸分析用カートリッジ1内部の圧力により元の位置に戻る。その際、ピン52により混合部屋6と流路13は塞がったままなので、ホルムアミド封入部屋9から試薬が流路13に流れ込み、ホルムアミド封入部屋9へ混合部屋6の空気が空気穴20を通り移動する。
次に、空気圧ポート60の三方弁37を開放し、空気圧ポート59の三方弁37を閉じる。これにより、空気圧ポート59側に溜まった空気圧が大気開放となり、空気圧ポート60側から空気圧がかかるため、図22のように、再度ピン51が核酸分析用カートリッジ1に押し付けられる。この時、ピン51にて再度ホルムアミド封入部屋9と流路13の間が塞がるが、流路13には試薬が入ったままとなる。
次に、空気圧ポート62の三方弁37を閉じ、空気圧ポート61の三方弁37を開放する。これにより、空気圧ポート62側に溜まった空気圧が大気開放となり、空気圧ポート61側から空気圧がかかるため、図23のように、ピン52が元の位置に戻る。
次に、再度空気圧ポート58の三方弁37を開放する。これにより、図24のように、メンブレン15が空気圧で押され、流路13に密着する。その際、ピン51によりホルムアミド封入部屋9と流路13の間が塞がったままなので、流路13に溜まった試薬は混合部屋6に流れ込む。その結果、封入されていたサンプルに試薬が混合される。
次に、再度空気圧ポート61の三方弁37を閉じ、空気圧ポート62の三方弁37を開放する。これにより、空気圧ポート61側に溜まった空気圧が大気開放となり、空気圧ポート62側から空気圧がかかるため、図25のように、ピン52がカートリッジ1に押し付けられる。この時、ピン52にて混合部屋6と流路13の間を塞ぐ。
図16〜図25と、本動作を繰り返すことで、ホルムアミド封入部屋9に封入してある試薬を、混合部屋6へ送液することができる。これにより、密閉された核酸分析用カートリッジ1内部で、流体と非接触のまま送液を行うことが可能となる。本動作を何回も繰り返すことで、微量の試薬でも、容量の大きい試薬でも、部屋の中にある全ての試薬を送液することができる。ただし、精製や反応などを行った後等は、部屋にある試薬全てではなく、ある容量のみを送液したい場合がある。その際は、本動作を繰り返す回数を管理することで、規定の容量のみの送液が可能となる。
この構造を各部屋間の流路毎に持たせ、同様の動作を行うことで、様々な試薬を任意のタイミングで送液することが可能となる。また、精製や反応、攪拌を行う際、各部屋間を任意に封止しておくことが出来るため、流体の制御を安定させることが出来る。
本送液機構は、核酸抽出容器における生体試料からの核酸抽出においてその抽出効率と攪拌効率を高めるため機構としても適した構成になっている。一般的な送液方法には重力落下方式、ポンプ送液などが挙げられるが、これらの方式では一般に流速は一定であり、流速に急激な変化を与えることは、送液方式や配管抵抗の観点から困難である。それに対して本発明の送液方式は、送液対象となる容器の直前に存在する弾性体膜に直接圧力を与え、その変形によって送液を実現している。この方式であれば弾性体の変形量、圧力、弁開放のタイミングを制御することにより、急激な流速変化を生むことが出来る。高流速下ではレイノルズ数が向上し、液全体に乱流を生じやすくなるため、攪拌効率を向上させることができる。これにより短時間での均一な核酸溶液の調製が可能となる。またこの送液方式においては、液体の流れる方向を一方向ではなく双方向に制御することが可能であり、往復送液が可能である。よって繰り返しスワブ周囲に抽出液を与え核酸溶液を短時間で均一化することも可能である。
上記の駆動例ではピンの駆動やメンブレン15を変形させるのに、空気圧で加圧しているが、減圧させてもよい。カートリッジ本体14に溝を設けずにメンブレン15を貼り付け、流路13となる部分は貼り付けを行わない。これにより、減圧させた時にメンブレン15がカートリッジホルダ本体50に押し付けられ、その時点で流路13が形成されるようになる。この時、カートリッジホルダ本体50に設けられた溝が流路13の形状となる。流路13に加圧と減圧の両方が出来るようにしておくことで、より確実にメンブレン15を変形させることが可能となる。コンプレッサー機能とバキューム機能を併せ持っている送液ポンプ28であれば、三方弁と組み合わせることで駆動源を増やすことなく加圧と減圧を切り替えることが可能となる。
1…核酸分析用カートリッジ、
2…Master Mix封入部屋、
3…Primer Mix封入部屋、
4…分岐部屋、
5…測定サンプル封入部屋、
6…混合部屋、
7…DNA増幅加熱部屋、
8…電気泳動マーカ封入部屋、
9…ホルムアミド封入部屋、
10…DNA変性加熱部屋、
11…キャピラリ挿入部屋、
12…サンプル溶解液封入部屋、
13…流路、
14…カートリッジ本体、
15…メンブレン、
16…上蓋、
17…フィルム、
18…ゴム栓、
19…栓、
20…空気穴、
26…カートリッジホルダ、
27…送液・温調ユニット、
28…送液ポンプ、
29…電気泳動キャピラリ、
30…レーザユニット、
31…検出ユニット、
32…コントロール基板ユニット、
34…フィルタ、
35…空気圧調整弁、
36…三方弁マニホールド、
37…三方弁、
38…スピードコントローラ、
39…サイレンサ、
40…空気圧流路、
50…カートリッジホルダ本体、
51,52…ピン、
53,54,55,56…パッキン、
57…封止用突起、
58,59,60,61,62…空気圧ポート、
301,401,901…核酸抽出容器、
302,405…抽出液保存容器、
303…PCR反応容器、
304,305,404…弁機構付き流路、
306…核酸抽出液、
307…生体試料、
308…サンプル回収器具、
309…フタ、
310…フィルム、
402…窪み、
403,905,1001…スワブ、
406…流路の中心軸、
501…バッフル構造、
601…核酸溶液、
602…細胞残渣、
701…起毛構造、
702,801…細胞、
703…スワブの軸、
802…スワブ起毛部、
803…スワブ軸部分、
902…切りかけ、
903…突起、
904…通過部直径、
906…軸直径、
907…サンプル付着部直径、
908…スワブ挿し込み口、
909…核酸抽出容器、
1002…開口窓、
1003…キャップ構造。

Claims (16)

  1. 核酸抽出反応を行う機能を有する核酸分析用カートリッジにおいて、
    生体試料から核酸を抽出する核酸抽出液を保存する抽出液保存容器と、前記核酸の抽出を行う核酸抽出容器と、PCR反応系に鋳型となる核酸分子を供給するPCR容器と、を具備し、
    前記抽出液保存容器と前記核酸抽出容器とは前記核酸抽出液を送液する第1の流路で接続され、
    前記核酸抽出容器と前記PCR容器とは鋳型となる核酸分子を送液する第2の流路で接続され、
    前記第1の流路の中心線と前記核酸抽出容器の底部に対して垂直方向の中心線、あるいは前記第2の流路の中心線と前記PCR容器の底部に対して垂直方向の中心線の少なくとも一方が互いにねじれ位置の関係になるように配置されていることを特徴とする核酸分析用カートリッジ。
  2. 前記生体試料から核酸を回収する生体試料回収器具を前記核酸抽出容器の収納部に収納し、前記生体試料から核酸を回収することを特徴とする請求項1に記載の核酸分析用カートリッジ。
  3. 前記生体試料回収器具に円柱形状のスワブを用いる場合であって、前記核酸抽出容器は前記収納部底部の中心を含む領域が、該スワブの揺動を抑制する凹み形状を有することを特徴とする請求項2に記載の核酸分析用カートリッジ。
  4. 前記第1の流路の前記核酸抽出容器への接続は、前記第1の流路の中心線に沿う方向に引かれた前記核酸抽出容器の側壁における仮想の接線と、前記サンプル回収器具の外周部における仮想の接線との間に前記流路の中心線の延長線が通過するように接続配置されていることを特徴とする請求項1に記載の核酸分析用カートリッジ。
  5. 前記核酸抽出容器は、円柱形状であることを特徴とする請求項3に記載の核酸分析用カートリッジ。
  6. 前記第2の流路の下端は、前記核酸抽出容器の底面から縦方向に1mm以上高い位置に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の核酸分析用カートリッジ。
  7. 前記スワブの側壁に配列された起毛を有する起毛構造を有し、
    前記起毛の長さが、前記核酸の回収対象となる細胞の直径に対して0.5〜1.5倍の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の核酸分析用カートリッジ。
  8. 前記スワブの側壁に配列された起毛を有する起毛構造を有し、
    前記起毛の長さが、前記核酸の回収対象となる細胞の直径の0.5倍以上で200μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の核酸分析用カートリッジ。
  9. 前記核酸抽出容器の収納部は、前記スワブに付着した生体試料の一部を剥離させるための構造を有することを特徴とする請求項3に記載の核酸分析用カートリッジ。
  10. 前記核酸抽出容器の収納部は、前記スワブの一部を前記核酸抽出溶液に接触させるための開口窓を前記収納部の側壁に有することを特徴とする請求項3に記載の核酸分析用カートリッジ。
  11. 前記核酸抽出容器の収納部に、前記収納部と別構造体で構成され開口窓を有する構造物が挿入されることを特徴とする請求項2に記載の核酸分析用カートリッジ。
  12. 前記流路の一部が弾性体薄膜によって構成され、
    前記弾性体薄膜への圧力を制御する空気圧制御装置上に載置され、
    前記空気圧制御装置により前記弾性体薄膜への圧力を変動させることにより、前記弾性体薄膜を変形させて送液を行うことを特徴とする請求項1に記載の核酸分析用カートリッジ。
  13. 核酸抽出反応を行う機能を有する核酸分析用カートリッジと、
    前記核酸分析用カートリッジを保持するカートリッジホルダと、
    前記カートリッジホルダに接続された空気圧制御装置とを有し、
    前記核酸分析用カートリッジは、
    生体試料から核酸を抽出する核酸抽出液を保存する抽出液保存容器と、前記核酸の抽出を行う核酸抽出容器と、PCR反応系に鋳型となる核酸分子を供給するPCR容器と、を具備し、
    前記抽出液保存容器と前記核酸抽出容器とは前記核酸抽出液を送通する第1の流路で接続され、
    前記核酸抽出容器と前記PCR容器と鋳型となる核酸分子を送通する第2の流路で接続され、
    前記第1の流路の中心線と前記核酸抽出容器の底部に対して垂直方向の中心線、あるいは前記第2の流路の中心線と前記PCR容器の底部に対して垂直方向の中心線の少なくとも一方が互いにねじれ位置の関係になるように配置され、
    前記空気圧制御装置を用いて前記抽出液保存容器内と前記核酸抽出容器内と前記第1の流路内、あるいは前記核酸抽出容器内と前記PCR容器内と前記第2の流路内のそれぞれの空気の吸引・吐出をすることで、前記核酸抽出液、あるいは前記核酸分子を送液することを特徴とする核酸分析装置。
  14. 前記核酸分析用カートリッジを構成する前記第1および第2の流路の一部が弾性体薄膜を備え、
    前記空気圧制御装置により前記弾性体薄膜への圧力を変動させることにより、前記弾性体薄膜を変形させて送液を行うことを特徴とする請求項13に記載の核酸分析装置。
  15. 前記核酸分析用カートリッジは、前記生体試料から核酸を回収する生体試料回収器具を前記核酸抽出容器の収納部に収納し、前記生体試料から核酸を回収することを特徴とする請求項13に記載の核酸分析装置。
  16. 前記生体試料回収器具に円柱形状のスワブを用いる場合であって、前記核酸抽出容器は前記収納部底部の中心を含む領域が、該スワブの揺動を抑制する凹み形状を有することを特徴とする請求項15に記載の核酸分析装置。
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