JP2014122642A - 圧力容器の継手構造及び配管の継手構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に製造することが可能であり、故障し難く、かつ、内部若しくは外部の流体の圧力を利用することでシール性を高めることができる封止部材とそれを備えたプラント及び継手構造とその継手構造を備えた壁構造物完成品と圧力容器完成品と配管ユニットを提供する。
【解決手段】封止部材7は平板状をなし、両面にシール面5aと受圧面5dがそれぞれ形成されている。シール面5aは、受圧面5dと反対方向へ突出するように設けられる凸部13に形成されるとともに鏡面加工が施されている。また、封止部材7は、内部へ突出するように壁部材11aや圧力容器11bの接続部12に設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管や圧力容器(大気圧と異なる一定の圧力で気体や液体を貯留するように設計された容器)あるいは壁部材等の構造体の接続部分に用いられる継手構造に係り、特に、簡単な構造でありながらシール性に優れた封止部材とそれを備えたプラント及び継手構造とその継手構造を備えた壁構造物完成品と圧力容器完成品と配管ユニットに関する。
配管や圧力容器あるいは壁部材等の構造体の接続部には、内部の液体や気体等の流体が外部へ漏れ出さないように、若しくは、外部から内部へ異物等が入り込まないように、通常、ガスケット等の封止部材が取り付けられ、ボルト等による締付け力と封止部材の圧縮反力によりシールされている。しかし、封止部材の性能は配管や圧力容器等の安全性に極めて大きな影響を与える。そこで、従来、その接続部のシール性を高めるために様々な研究が行われている。そして、それに関して、既に幾つかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「ガスケットおよび継ぎ手」という名称で、耐食性及び耐高温性に優れたガスケットと、このガスケットがシール面に凸形のエッジを有するナイフエッジフランジに用いられた継ぎ手に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明である継ぎ手は、フランジシール面に凸部が設けられるとともに磁力を有する一組の真空用のフランジの間に、鉄の成分が99.95%以上であり、ビッカース硬度が50Hvから100Hvのシール面を有するガスケットが設置された構造となっている。
このような構造によれば、銅ガスケットを用いる場合に比べて、耐食性及び耐高温性が向上する。また、磁力によってガスケットをフランジシール面上に固定することができるため、フランジをガスケットに取り付ける際にずれが発生し難い。
また、特許文献2には、「メタル継手構造およびインナーグランドの製造方法」という名称で、高真空用又は特殊なガスを流す配管に用いられるメタル継手とそのインナーグランドの製造方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明であるメタル継手は、鏡面加工されたクリーンステンレス製のガスケットと、このガスケットを挟んで対向配置されるクリーンステンレス製のインナーグランドを備えている。そして、各インナーグランドの端面には、上記ガスケットよりも硬度が高く、かつ、断面が略半円状をなし、別体のフランジ部材によってガスケットの表裏面に垂直方向からのみ押圧可能に環状凸部が形成されている。
このような構造のメタル継手においては、ガスケットとインナーグランドとの接触面がともに鏡面加工されているため、高い密封性能を有する。また、環状凸部の断面が略半円状であるため、ガスケットとの接触状態が安定する。さらに、環状凸部は、ガスケットに対して垂直方向にのみ締め付け力を作用させる構造であるため、ガスケットとの接触面に傷が付き難い。
さらに、特許文献3には、「超気密管継手」という名称で、超高真空利用の装置に用いられる管継手に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、シールボルトとシールチューブの間に設置されたガスケットを、シールボルトに袋ナットを螺合させるようにして挟圧する管継手において、ガスケットがシール面を鏡面とするメタルCリングからなり、このメタルCリングの開口部に係止する止め輪を保持可能に、シールチューブと対向するシールボルトの面にホルダが設けられた構造となっている。
このような構造の管継手においては、シール面が横向きや下向きの場合であっても、シールボルトからのガスケットの落下を防ぐことができる。
特開2004−190735号公報 特開平8−312851号公報 実開平2−16892号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、銅ガスケットを用いた場合と同等の硬度を有しつつ、さらに耐食性や耐高温性が向上するというメリットがあるものの、シール性に関しては従来以上に高めることができないという課題があった。また、ボルトにおける締付け力と磁力によりガスケットを変形させているため、フランジの芯ずれや一時的な変位が発生すると、流体が漏れてしまうという課題があった。さらに、ボルトの締付け力を均等に保つのが難しいという課題もあった。
また、特許文献2に開示された発明では、流体が流路からガスケットとインナーグランドの間に入り込む構造となっているため、内部に高圧の流体が流れる配管の継ぎ手として用いた場合、流体の圧力によってボルトの締付け力と逆方向の力が生じ、ガスケットとインナーグランドの間のシール性が低下するおそれがあった。
さらに、特許文献3に開示された考案においては、シールボルトに対するガスケットの設置作業を容易に行うことができるものの、シールボルトとシールチューブの接合部分の構造及びガスケットを保持する構造が複雑であるため、安価に製造できないという課題があった。また、チューブ内の流体がシールボルトのシール面とガスケットの間や、シールチューブのシール面とガスケットの間に入り込む構造となっているため、流体の圧力が高い場合には、流体がシールボルトやシールチューブとガスケットをそれぞれ引き離すように作用し、シール性を低下させてしまうおそれがある。従って、本考案の継手は、高圧流体用の配管に適用できないという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、安価に製造することが可能であり、故障し難く、かつ、内部若しくは外部の流体の圧力を利用することでシール性を高めることができる封止部材とそれを備えたプラント及び継手構造とその継手構造を備えた壁構造物完成品と圧力容器完成品と配管ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、異なる圧力を示す2種類の流体を仕切る構造体の接続部に設置される封止部材であって、両面にそれぞれシール面と受圧面を有して平板状をなすとともに、2種類の流体のうちの一方の側へ突出するように形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、受圧面に加わる流体の圧力がシール面を相手方の部材のシール面に押しつけるように作用する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の封止部材において、受圧面と反対方向へ突出するように設けられる凸部を備え、シール面は、この凸部に形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、請求項1記載の発明の作用に加えて、相手方の部材のシール面が突状又は凹状のいずれの形に形成されていても互いのシール面同士が密着し易いという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の封止部材において、受圧面の方向へ凹むように設けられる凹部を備え、シール面は、この凹部に形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、請求項1記載の発明の作用に加えて、凹部でガスケットが保持されるという作用を有する。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の封止部材において、シール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、受圧面に加わる流体の圧力よりも大きな圧力によって、シール面が相手方の部材のシール面に押しつけられるという作用を有する。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の封止部材において、シール面にメッキが施されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、シール面の密着性が高まるため、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された発明の作用がより一層発揮される。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の封止部材において、周囲の部材よりも表面硬度の低い材質がコーティングされたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、シール面の密着性が高まるため、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された発明の作用がより一層発揮される。
請求項7記載の発明である壁部材用の継手構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は壁部材であり、封止部材が2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とするものである。
このような壁部材用の継手構造においては、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の作用が壁部材の接続部において発揮される。
請求項8記載の発明である圧力容器用の継手構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は圧力容器であり、封止部材が2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とするものである。
このような圧力容器用の継手構造においては、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の作用が圧力容器の接続部において発揮される。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の圧力容器用の継手構造において、圧力容器は内圧が外圧よりも高い状態で使用され、封止部材が圧力容器の接続部の近傍において全周にわたって内壁面に環状溝が設けられるようにして形成されたことを特徴とするものである。
このような圧力容器用の継手構造においては、環状溝の内部に入り込んだ流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、請求項8記載の発明と同様の作用が発揮される。
請求項10記載の発明である配管用の継手構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は、接続部の近傍において外周面に立設される板状のフランジと、内部に形成される前記流体の流路を有する配管用継手であり、接続部の近傍において流路の内周面に対して全周にわたって環状溝が設けられるようにして封止部材が形成されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、流路の内部を流れる流体が環状溝の内部にも入り込み、流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の作用が配管の接続部において発揮される。なお、本発明は外部の流体の圧力よりも内部の流体の圧力の方が高い場合に特に有効である。また、封止部材の内周面が流路の内壁面と同一平面をなすように形成されるため、流路の内部を流れる流体に対して、封止部材が障害となることはない。
請求項11記載の発明である配管用の継手構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は、内部に流体の流路が形成されて外圧が内圧よりも高い状態で使用される配管用継手であり、封止部材が接続部の近傍において外周面に立設されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、請求項10記載の発明と同様の作用が、真空配管や水中で使用される配管などのように内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い場合において有効に発揮される。
請求項12記載の発明である配管用の継手構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材が接続部にそれぞれ設けられた第一の配管用継手及び第二の配管用継手を備え、第一の配管用継手は、先端にシール面を有する環状の凸状部が受圧面と反対方向へ突出するように形成され、第二の配管用継手は、内部にシール面を有する環状の凹状部が凸状部に対して係合可能に形成されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の作用が配管の接続部において発揮されることに加え、配管に振動等によりせん断力が加わった場合でも、第一の配管用継手と第二の配管用継手がシール面に平行な方向に対して相互にずれ難いという作用を有する。
請求項13記載の発明である壁構造物完成品は、請求項7に記載の壁部材用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の壁構造物完成品によれば、接続部において請求項7に記載の発明の作用が発揮される。
請求項14記載の発明である圧力容器完成品は、請求項8又は請求項9に記載の圧力容器用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の圧力容器完成品によれば、接続部において請求項8又は請求項9に記載の発明の作用が発揮される。
請求項15記載の発明である配管ユニットは、請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の配管用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の配管ユニットによれば、接続部において請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の発明の作用が発揮される。
請求項16記載の発明であるプラントは、請求項1記載の封止部材を備えたことをを特徴とするものである。
このような構造のプラントによれば、接続部において請求項1記載の発明の作用が発揮される。
本発明の請求項1記載の封止部材によれば、構造体の接続部におけるシール性を容易に高めることができる。また、封止部材は、構造が簡単であるため、故障し難い。加えて、安価に製造することができる。
また、本発明の請求項2記載の封止部材によれば、請求項1記載の発明の効果を奏することに加え、相手方の部材が既存のものであっても適用できるため、汎用性が高いという効果を奏する。
本発明の請求項3記載の封止部材によれば、請求項1記載の発明の効果を奏することに加え、シール面に鏡面加工を施さずとも凹部にガスケットを設置することができる。これにより、他の部材のシール面に対する密着性が高まる。また、相手方の部材のシール面が凸部に形成されている場合、この凸部に凹部を嵌合させることで、相互の位置ずれを防止できる。
本発明の請求項4記載の封止部材によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の効果を奏することに加え、流体の圧力を利用してシール面の面圧を流体の圧力よりも高くすることによりシール面同士の密着性を高めて、構造体の接続部において十分なシール性を確保できるという効果を奏する。
本発明の請求項5記載の封止部材によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項6記載の封止部材によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項7記載の壁部材用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の効果が壁部材の接続部において発揮される。
本発明の請求項8記載の圧力容器用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の効果が圧力容器の接続部において発揮される。
本発明の請求項9記載の圧力容器用の継手構造によれば、圧力容器の接続部に対し、請求項1乃至請求項6に記載された封止部材が容易に形成される。従って、請求項8記載の発明と同様の効果を奏する圧力容器を安価に製造することができる。
本発明の請求項10記載の配管用の継手構造によれば、配管の接続部において、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の効果が発揮される。なお、本発明は、内部の流体の圧力が外部の流体の圧力よりも高い状態で使用される配管に対して特に有効である。
本発明の請求項11記載の配管用の継手構造によれば、真空配管などのように内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い場合において特に有効に、請求項10記載の発明と同様の効果が発揮される。
本発明の請求項12記載の配管用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の効果が配管の接続部において発揮されることに加え、配管に振動等によりせん断力が加わった場合でも配管の接続部におけるシール性の低下を防ぐことができるという効果を奏する。
本発明の請求項13記載の壁部材によれば、その接続部において請求項7に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項14記載の圧力容器によれば、その接続部において請求項8又は請求項9に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項15記載の配管ユニットによれば、その接続部において請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項16記載のプラントによれば、その接続部において請求項1記載の発明の効果が同様に発揮される。
(a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る封止部材が航空機等の壁部材及び圧力容器の接続部にそれぞれ取り付けられた状態を示す実施例1の断面図である。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る封止部材が航空機等の壁部材及び圧力容器の接続部にそれぞれ取り付けられた状態を示す実施例1の断面図である。 (a)乃至(c)は図1(a)又は図2(a)の変形例を示した図である。 図1(b)の変形例を示した図である。 図1(a)においてシール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように封止部材が形成された状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る封止部材が配管用継手に用いられた状態を示す実施例2の断面図である。 図6の部分拡大図である。 図6に示した配管用継手の変形例を示す図である。 図6に示した配管用継手の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る封止部材が配管用継手に用いられた状態を示す実施例3の縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る封止部材が配管用継手に用いられた状態を示す実施例4の縦断面図である。 図11の部分拡大図である。 図11に示した配管用継手の変形例を示す図である。 図11に示した配管用継手の変形例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る封止部材が壁部材、圧力容器及び配管ユニットの接続部に用いられる場合を例にとり、図1〜図14を参照しながら本発明の構成とそれに基づく作用・効果について具体的に説明する。
本実施例の封止部材は、船舶や航空機などの壁部材(主に、請求項1〜7及び請求項13に対応)や圧力容器(主に、請求項1〜6、請求項8、請求項9及び請求項14に対応)のように、内部に存在する液体や気体などの流体と、外部に存在する液体や気体などの流体との間に圧力差が発生している状態で用いられる構造体の接続部に用いられるものである。以下、その構造について、図1〜図5を用いて説明する。
なお、図1〜図5は壁部材と封止部材あるいは圧力容器の壁面と封止部材に対してそれぞれ直交する平面で切断した状態を示す断面図である。また、図1(a)及び図1(b)は内圧Pが外圧Pよりも高い場合に対応し、図2(a)及び図2(b)は外圧Pが内圧Pよりも高い場合に対応する。さらに、図3及び図4は図1及び図2の変形例を示した図である。
図1(a)又は図1(b)に示すように、封止部材7は平板状をなし、両面にシール面5aと受圧面5dがそれぞれ形成されている。そして、シール面5aは、受圧面5dと反対方向へ突出するように設けられる凸部13(図3(a)に拡大して表示)に形成されるとともに鏡面加工が施されている。また、封止部材7は、内部へ突出するように壁部材11aや圧力容器11bの接続部12に設置されている。
なお、図1(a)及び図2(a)では、図示されていないが、内部の圧力を維持するため、壁部材11a,11aの両端は閉塞されている。また、図1(b)及び図2(b)に示した圧力容器11bは中空構造であるため、封止部材7は環状をなしている。
上記構造の封止部材7においては、壁部材11aや圧力容器11bの内部に存在する流体の圧力が受圧面5dに加わり、封止部材7のシール面5aが他方の封止部材7のシール面5aに押し付けられるという作用を有する。従って、封止部材7,7を壁部材11aや圧力容器11bの接続部12に用いた場合、内部の流体の圧力が封止部材7,7に対して両側から挟み込むように加わるため、シール面5a,5aが互いに押し付け合わされるという作用を有する。
なお、シール面5aには鏡面加工が施されているため、シール面5a,5aの間に流体が入り込み難い。従って、流体が間に入り込むことによって、封止部材7,7が引き離されてしまうというおそれはない。
また、封止部材7はシール面5aが受圧面5dと反対方向へ突出するように形成されているため、仮に他方の封止部材7のシール面5aが平坦ではなく、突状又は凹状に形成されていたとしても、シール面5a,5aが互いに密着し易いという作用を有する。
このように、本発明の封止部材7によれば、壁部材11aや圧力容器11bの接続部12におけるシール性を容易に高めることができる。また、封止部材7は、構造が簡単であるため、故障し難い上、製造コストや設置コストを安くすることができる。従って、本発明の封止部材7を壁部材11aや圧力容器11bに用いることによれば、製造コストを削減することが可能である。
なお、本明細書では、上記構造の壁部材11aが機体や隔室の壁に利用された宇宙船、宇宙服、ロケット、航空機、船舶、潜水艇、深海艇等を「壁構造物完成品」といい、上記構造の圧力容器11bが容器本体に利用されたボイラー、塔槽類、熱交換器、タンク等を「圧力容器完成品」というものとする。さらに、本明細書において、例えば、塔槽類、ボイラー、熱交換器、真空機器、油圧機器、ポンプ、バルブ、計装機器、タンク等を配管や電気配線等で有機的に結び付けて、ある目的の生産物を生産する工場設備一式を特に「プラント」というものとする。
封止部材7,7において、受圧面5d,5dに加わる流体の圧力が高いほど、シール面5a,5aのシール性が高まる。従って、内圧Pの方が外圧Pよりも高い場合には、図1(a)及び図1(b)に示すように、封止部材7,7は流体の圧力が高い方、すなわち、壁部材11aや圧力容器11bの内側へ突出するように形成されることが望ましい。
一方、外圧Pが内圧Pよりも高い場合には、図1(a)又は図1(b)において、封止部材7が壁部材11aや圧力容器11bの外側へ突出するように形成されることが望ましい(図2(a)及び図2(b)参照)。
このような構造によれば、壁部材11aや圧力容器11bの外部に存在する流体の圧力が、封止部材7,7を両側から挟み込むように押しつけて、シール面5a,5aにおける密着力を強めるように作用するため、壁部材11aや圧力容器11bの接続部12におけるシール性を容易に高めることができる。
なお、図1(a)や図2(a)では、封止部材7が壁部材11aに対して直交するように設けられているが、必ずしもこのような構造でなくとも良い。例えば、図3(a)に示すように、封止部材7が壁部材11aに対して平行に設けられた構造であっても良い。また、封止部材7が壁部材11aに対して0度や90度以外の任意の角度をなすように設けられていても良い。
さらに、シール面5aが受圧面5dの方向へ凹むように設けられる凹部14に形成された構造であっても良い。このような構造によれば、凹部14でガスケット10aが保持される。従って、シール面5aにガスケット10aを設置して、シール面5aの密着性を高めることができる。なお、シール面5aに対する鏡面加工を省略することもできる。
また、図3(b)に示すように、壁部材11aに対して封止部材7と逆方向へ突出するようにフランジ2を設け、互いに突き合わされた状態のフランジ2,2がボルト4aとナット4bを用いて締結された構造とすることもできる。
あるいは、図3(c)に示すように、封止部材7にボルト穴を設け、封止部材7,7を互いに突き合わせた状態でボルト4aとナット4bによって締結しても良い。
このように、ボルト4aとナット4bを用いてフランジ2,2や封止部材7,7をそれぞれ締結することによれば、封止部材7,7がシール面5aに平行な方向へ互いにずれないように拘束されるため、シール面5aにおけるシール性が高まる。
さらに、図4に示すように、図1(b)において、圧力容器11bの内壁面11cに対し全周にわたって環状溝6を設けることによって封止部材7を形成しても良い。また、図4では、ボルト4aとナット4bを用いてフランジ2,2を締結する構造としている。なお、ボルト4aとナット4bを用いてフランジ2,2を締結することによって発揮される作用は、前述した壁部材11aの場合と同様である。
この場合、接続部12に封止部材7を容易に形成することができる。そして、環状溝6の内部に入り込んだ流体の圧力が封止部材7の受圧面5dに加わり、シール面5aにおける密着力を強めるように作用するため、接続部12において十分なシール性が発揮される。すなわち、上記構造によれば、接続部12のシール性に優れる圧力容器11bを安価に製造することが可能である。
図1〜図3に示した例では、壁部材11aや圧力容器11bと同じ材質の山形材、T形材、角材等を加工して封止部材7を形成し、材質に適した接合方法で壁部材11aや圧力容器11bと一体化させることができる。また、図4に示した圧力容器11bは、一般の規格化されたフランジの内周に溝を切り込んだ構造であるため、フランジの設計加工手順で製作した物を接合して一体化させれば良い。ただし、このような方法に限らず、鋳造や射出成型等によって封止部材7を壁部材11や圧力容器11bと一体的に形成しても良い。
また、図1、図2及び図4に示した圧力容器11bは、円筒形状に限らず、角筒形状等であっても良い。
ここで、封止部材7において、受圧面5dとシール面5aの面積がシール性に及ぼす影響について図5を用いて説明する。
図5は本実施例の封止部材7が壁部材11aの接続部12に取り付けられた状態を示す模式図であり、図1(a)においてシール面5aの面積が受圧面5dの面積よりも狭くなるように封止部材7が形成された場合に相当する。なお、図5では、図が煩雑になるのを避けるため、一方の壁部材11aの封止部材7に作用する圧力のみを図示している。
また、ここでは、壁部材用の継手構造を例にとって説明するが、以下の説明は圧力容器用の継手構造や後述する配管用の継手構造に対しても同様に当てはまるものである。なお、図5は内圧Pが外圧Pよりも高く、封止部材7が内側に突出するように形成されている場合を示しているが、外圧Pが内圧Pよりも高く、封止部材7が外側に突出するように形成されている場合には、以下の式(1)においてPとPを置き換えて考えれば良い。
図5に示すように、内圧P,外圧Pの作用によりシール面5aから相手方の封止部材7のシール面5aに加わる圧力をQとする。さらに、シール面5aと同じ側にあって内圧P,外圧Pが加わる面をそれぞれ受圧面5e,5fとする。
このとき、圧力Qはシール面5aの面積S、受圧面5d〜5fの面積S〜Sを用いると、次のように表わされる。
Figure 2014122642
式(1)から、内圧P,外圧Pが一定のとき、SとSを小さくすると、Qが大きくなることがわかる。ただし、SとSを小さくするということはシール面5aと受圧面5eの面積を小さくし、受圧面5fの面積Sを大きくするということを意味する。従って、内圧P,外圧Pの差が小さい場合には、式(1)の右辺第2項の影響が大きくなってしまう。しかし、式(1)の右辺第2項の影響を無視できる程度に、内圧P,外圧Pの差が大きい場合には、シール面5aを封止部材7の先端近傍に設けて受圧面5eの面積Sをできるだけ小さくするとともに、シール面5aの面積Sを小さくすることが望ましい。
このような構造の封止部材7においては、受圧面5dに加わる内圧Pよりも大きな圧力Qによって、シール面5aが相手方の部材のシール面5aに押しつけられるという作用を有する。この場合、シール面5aの密着力を強めることで、接続部12において十分なシール性が確保できるという前述の効果が、より一層発揮される。
なお、上述の壁部材11aや圧力容器11bの継手構造をそれぞれ備えた壁構造物完成品及び圧力容器完成品においても壁部材11aや圧力容器11bの継手構造における上記作用及び効果は同様に発揮される。また、封止部材7を備えたプラントにおいても上述の封止部材7の作用及び効果は同様に発揮される。
本実施例では、シール面5aの密着性を高める方法として鏡面加工を例示しているが、これに限らず、シール面5aにメッキを施すことで面精度を高めることができる。また、周囲の部材よりも表面硬度の低い材質をコーティングすることによりシール面同士のなじみを良くしても良い。このような方法によっても上述した作用及び発明は同様に発揮される。
さらに、シール面同士の位置ずれを防止するために、リーマーボルトやノックピンを用いる方法を採用することができる。
前述のとおり、本発明の封止部材7では、シール面5aに高い面精度が要求される。従って、本発明の普及により、シール面5aを高精度で加工する技術に対する需要が高まり、ナノテクノロジーの発展が促進される。
前述の封止部材が、液体や気体などの流体の輸送等に用いられる配管において、バルブやパイプなどの部品の接続部に取り付けられる配管用継手(主に、請求項1〜6、請求項10、請求項11及び請求項15に対応)に用いられる場合について説明する。
図6は、封止部材7が配管用継手1aに用いられた状態を示す断面図であり、図7は、その作用を説明するための図である。さらに、図8及び図9は図6に示した配管用継手の変形例を示す図である。
なお、図6〜図9は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図7は図6の部分拡大図に相当する。さらに、図6では、配管用継手のみを断面表示としている。そして、図7では、配管用継手についても、断面であることを示すハッチングを省略している。
図6に示すように、配管用継手1aは金属製であり、一方の端面がシール面5aを構成し、他方の端面が他のパイプ等の壁部材との接続面5bを構成している。そして、シール面5aには鏡面加工が施されている。なお、配管用継手1aは金属製に限らず、プラスチック製であっても良い。
また、接続部12の近傍において、円周方向に複数のボルト穴を有するドーナツ板状のフランジ2が外周面5gに立設されている。すなわち、配管用継手1a,1aは、シール面5a,5aを互いに突き合わせた状態でボルト4aとナット4bを用いてフランジ2,2を締結することにより接続される構造となっている。
さらに、配管用継手1aのシール面5aの近傍には、円環板状の封止部材7が形成されるように、内周面5cの全周にわたって環状溝6が設けられている。すなわち、環状溝6に面する封止部材7の側面は受圧面5dを構成している。
ボルト4aとナット4bによってフランジ2,2が締結された状態にある配管用継手1a,1aにおいては、ボルト4aの締め付け力が、シール面5a,5aを密着させると同時に相互の位置関係を維持する力として働く。
また、図7に示すように、流路3の内部を流れる流体は、環状溝6の内部にも入り込むため、その圧力(以下、内圧Pいう。)は、内周面5cだけでなく、受圧面5dにも加わる。すなわち、内圧Pは封止部材7,7を両側から挟み込むように押しつけて、その密着力を強めるように作用する。
これにより、シール面5a,5aのシール性が高まる。
一方、シール面5aには、前述したように鏡面加工が施されているため、シール面5a,5aは隙間なく密着しており、流体が間に入り込み難い状態となっている。そして、シール面5a,5aの間に流体が入り込まない状態であれば、内圧Pによって封止部材7,7が引き離されるという作用は生じないため、シール面5a,5aのシール性が低下するおそれはない。
なお、封止部材7は、内周面7aが配管用継手1aの内周面5cと同一平面をなすように形成されているため、配管用継手1aの流路3の内部を流れる流体に対して、障害となることはない。
このように、封止部材7を備えた配管用継手1aによれば、流路3の内部を流れる流体の圧力を利用してシール面5aの密着力を強めることで、配管等の接続部12において十分なシール性を得ることができる。また、封止部材7は、配管用継手1aの一部として形成されており、構造が簡単であるため、故障し難いうえ、安価に製造することが可能である。
さらに、ガスケットの選定の手間を省略できる。加えて、相手方の部材が既存のものであっても適用できるため、汎用性が高い。
なお、上記構造の配管用継手1aは、ポンプ、コンプレッサー、弁類、計装機器、ボイラー、塔槽類、熱交換器、タンク等を繋ぐ配管に利用できる。
図8に示すように、配管用継手1aには、環状溝6及び封止部材7が形成されていない配管用継手1bを接続することもできる。このような場合にも、流路3の内部を流れる流体の圧力が、配管用継手1aに設けられた封止部材7の受圧面5dに加わることによってシール面5a,5aの密着力が高められるため、配管用継手1aと配管用継手1bの接続部12において、十分なシール性を確保することができる。
なお、図8に示した配管用継手1a,1bでは、シール面5aに鏡面加工を施す代わりに、渦巻きガスケット10bが設置された構造となっている。
本実施例の配管用継手1aは内部の流体の圧力が外部の流体の圧力よりも高い状態で使用される配管に対して特に有効である。しかし、内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い状態で使用される配管に対しては、図9に示す配管用継手1cを用いることが望ましい。
具体的に説明すると、図9に示すように、配管用継手1cは、配管用継手1aにおいて、封止部材7が接続部12の近傍において外周面5gに立設するように設けられるとともに、フランジ2及び環状溝6が設けられる代わりに、封止部材7がボルト4aとナット4bによって締結された構造となっている。
このような構造の配管用継手1cにおいては、配管用継手1aと同様の作用及び効果が、内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い場合において有効に発揮される。すなわち、配管用継手1cは、石油、天然ガス、メタンハイドレイドなどの海底地下資源等を地上に搬送する配管や内部が真空状態で使用される配管等に利用できる。
封止部材7を備えた配管用の継手構造の他の実施例について図10を用いて説明する(主に、請求項1〜6、請求項12及び請求項15に対応)。
図10は、封止部材7が配管用継手1d,1eに用いられた状態を示す断面図である。なお、図10は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図6〜図9に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。さらに、図10では、配管用継手について、断面であることを示すハッチングを省略している。そして、本明細書では、以下に説明する配管用の継手構造を備えた配管で接続されるもの及び配管を配管ユニットというものとする。
図10に示すように、配管用継手1dは、実施例2の配管用継手1aにおいて受圧面5dと反対方向へ突出するように形成される円筒状の凸状部8aにシール面5aが設けられ、配管用継手1eは、この凸状部8aに対して係合可能に凹状部9aが形成されている。このような構造によれば、凸状部8a及び凹状部9aは、配管用継手1d,1eを接続した場合に、シール面5aに平行な方向へ互いに移動しないように拘束するという作用を有する。
なお、上述の配管用の継手構造を備えた配管ユニットにおいても上記作用及び効果は同様に発揮される。
また、本実施例では、凸状部8aを円筒状としているが、これに限らず、例えば、凸状部8aは角筒状であっても良い。
実施例2の配管用継手1aでは、図6に示した状態において、配管に振動等が加わると、封止部材7,7がせん断力を受けて、シール面5aに平行な方向へわずかながら、ずれるおそれがある。なお、封止部材7,7がずれて、シール面5aが流体に接触した場合、内圧Pは封止部材7,7を互いに引き離すように作用する。その結果、シール面5a,5aのシール性が低下してしまう。
これに対し、上記構造の配管用継手1d,1eにおいては、図10に示したように、凸状部8aに凹状部9aが係合するため、配管に振動等が加わって封止部材7,7がせん断力を受けた場合でも、シール面5aに平行な方向へずれ難い。従って、接続部12におけるシール性の低下を防ぐことができる。
封止部材7を備えた配管用の継手構造の他の実施例について、さらに図11を用いて説明する。
図11は、封止部材7が配管用継手1f,1gに用いられた状態を示す縦断面図であり、図12は、その作用を説明するための図である。さらに、図13及び図14は図11に示した配管用継手の変形例を示す図である。
なお、図11〜図14は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図12は図11の部分拡大図に相当する。さらに、図6〜図10に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。そして、図11〜図14では、断面であることを示すハッチングを省略している。
図11に示すように、配管用継手1fは、実施例3の配管用継手1dにおいて、凸状部8aに代えて、シール面5aの面積が受圧面5dの面積よりも狭くなるように凸状部8bが形成された構造となっている。
また、フランジ継手1gは、フランジ継手1eにおいて、環状溝6が設けられず、かつ、凹状部9aに代えて、凸状部8bを遊嵌可能な凹状部9bが形成された構造となっている。
図12において、内圧Pの作用によって配管用継手1gのシール面5aが配管用継手1fのシール面5aから受ける圧力Qは、前述の式(1)の右辺第2項が無視できるほど内圧Pが外圧Pに比べて十分に大きい場合、配管用継手1fのシール面5aの面積S及び及び受圧面5dの面積Sを用いると、次のように表わされる。
Figure 2014122642
式(2)より、Q>Pとなる。すなわち、内圧Pの作用によって配管用継手1gのシール面5aが配管用継手1fのシール面5aから受ける圧力Qは、内圧Pよりも大きくなる。
このように、上記構造の配管用継手1fにおいては、受圧面5dに加わる内圧Pよりも大きな圧力がシール面5aから配管用継手1gのシール面5aに加わるという作用を有する。従って、流路3の内部の流体の圧力を利用して、シール面5aの密着力を高めることで、接続部12において十分なシール性が確保できるという実施例1で説明した効果が、より一層発揮される。
なお、本実施例では、環状溝6が設けられていない配管用継手1gと、環状溝6が設けられたフランジ継手1fを接続した場合について説明したが、例えば、図13に示すように、配管用継手1f,1f同士を接続することもできる。
このような場合にも本実施例で説明した上述の作用及び効果は同様に発揮される。
また、図14に示すように、配管用継手1f,1gの代わりに、配管用継手1h,1iを用いることもできる。
なお、配管用継手1hは、配管用継手1fにおいて、凸状部8bに代えて、シール面5aの面積が受圧面5dの面積よりも狭くなるように、シール面5aが円環状の凸状部8cに形成された構造となっている。
また、配管用継手1iは、配管用継手1hにおいて、凸状部8cが設けられる代わりに、凸状部8cを遊嵌可能に環状溝15が設けられるとともに、この環状溝15の内部に円環状のガスケット10cが設置された構造となっている。すなわち、配管用継手1iでは、環状溝15の底面がシール面5aを構成している。
このような構造の配管用継手1h,1iを接続した場合でも、上述の作用及び効果は同様に発揮される。なお、ガスケット10cが配管用継手1hのシール面5aと配管用継手1iのシール面5aの間に介設されているため、これらのシール面5a,5aには、必ずしも鏡面加工を施す必要はない。
請求項1乃至請求項16に記載された発明は、宇宙船、人口衛星、ロケット、航空機、塔槽類、熱交換器、真空機器、油圧機器、蒸気機器、配管、血流機器、薬流機器、ポンプ、バルブ、計測器、密室、船舶、潜水艦、深海艇、タンク類、ホース等の接続部に適用可能である。
以上説明したように、本発明は、産業界の実に多岐にわたる分野で利用可能である。そして、旧来の継手等とも併用できるため、即時利用が可能である。従って、費用対効果が高いといえる。また、耐震性、安全性にも優れている。さらに、未来産業として期待されるナノテクノロジーの発展をも促すものである。
1a〜1i…配管用継手 2…フランジ 3…流路 4a…ボルト 4b…ナット 5a…シール面 5b…接続面 5c…内周面 5d〜5f…受圧面 5g…外周面 6…環状溝 7…封止部材 7a…内周面 8a〜8c…凸状部 9a,9b…凹状部 10a,10c…ガスケット 10b…渦巻きガスケット 11a…壁部材 11b…圧力容器 11c…内壁面 12…接続部 13…凸部 14…凹部 15…環状溝 P,P…内圧 P…外圧 Q…圧力
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、異なる圧力を示す2種類の流体を仕切る構造体の接続部に設置され、表裏両面にそれぞれシール面と受圧面を有しつつ一対の平板状をなす封止部材であって、2種類の流体のうちの一方の側へ突出するように形成され、少なくとも一方のシール面は、受圧面と反対方向へ突出するように設けられる凸部の端面に形成され、凸部の端面の面積を受圧面の面積よりも狭くして、シール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、受圧面に加わる流体の圧力がシール面を相手方の部材のシール面に押しつけるように作用する。また、相手方の部材のシール面が突状又は凹状のいずれの形に形成されていても互いのシール面同士が密着し易いという作用を有する。さらに、受圧面に加わる流体の圧力よりも大きな圧力によって、シール面が相手方の部材のシール面に押しつけられるという作用を有する。
請求項記載の発明は、請求項1に記載の封止部材において、シール面にメッキが施されたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、シール面の密着性が高まるため、請求項1に記載された発明の作用がより一層発揮される。
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の封止部材において、周囲の部材よりも表面硬度の低い材質がコーティングされたことを特徴とするものである。
このような構造の封止部材においては、シール面の密着性が高まるため、請求項1又は請求項2に記載された発明の作用がより一層発揮される。
請求項記載の発明である壁部材用の継手構造は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は壁部材であり、封止部材が2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とするものである。
このような壁部材用の継手構造においては、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の作用が壁部材の接続部において発揮される。
請求項記載の発明である圧力容器用の継手構造は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は圧力容器であり、封止部材が2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とするものである。
このような圧力容器用の継手構造においては、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の作用が圧力容器の接続部において発揮される。
請求項記載の発明は、請求項記載の圧力容器用の継手構造において、圧力容器は内圧が外圧よりも高い状態で使用され、封止部材が圧力容器の接続部の近傍において全周にわたって内壁面に環状溝が設けられるようにして形成されたことを特徴とするものである。
このような圧力容器用の継手構造においては、環状溝の内部に入り込んだ流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、請求項記載の発明と同様の作用が発揮される。
請求項記載の発明である配管用の継手構造は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は、接続部の近傍において外周面に立設される板状のフランジと、内部に形成される前記流体の流路を有する配管用継手であり、接続部の近傍において流路の内周面に対して全周にわたって環状溝が設けられるようにして封止部材が形成されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、流路の内部を流れる流体が環状溝の内部にも入り込み、流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の作用が配管の接続部において発揮される。なお、本発明は外部の流体の圧力よりも内部の流体の圧力の方が高い場合に特に有効である。また、封止部材の内周面が流路の内壁面と同一平面をなすように形成されるため、流路の内部を流れる流体に対して、封止部材が障害となることはない。
請求項記載の発明である配管用の継手構造は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の封止部材を備え、構造体は、内部に流体の流路が形成されて外圧が内圧よりも高い状態で使用される配管用継手であり、封止部材が接続部の近傍において外周面に立設されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、請求項記載の発明と同様の作用が、真空配管や水中で使用される配管などのように内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い場合において有効に発揮される。
請求項記載の発明である配管用の継手構造は、異なる圧力を示す2種類の流体を仕切る構造体の接続部に設置され、表裏両面にそれぞれシール面と受圧面を有しつつ一対の平板状をなすとともに、2種類の流体のうちの一方の側へ突出するように形成される封止部材が、それぞれ接続部に設けられた第一の配管用継手及び第二の配管用継手を備え、第一の配管用継手は、受圧面と反対方向へ突出するように設けられる環状の凸部の端面にシール面が形成され、第二の配管用継手は、この凸部に対して係合可能に形成された環状の凹部内にシール面が形成され、第一の配管用継手の凸部は、端面の面積を受圧面の面積よりも狭くして、シール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とするものである。
このような配管用の継手構造によれば、請求項1に記載された発明の作用が配管の接続部において発揮されることに加え、配管に振動等によりせん断力が加わった場合でも、第一の配管用継手と第二の配管用継手がシール面に平行な方向に対して相互にずれ難いという作用を有する。
請求項10記載の発明である壁構造物完成品は、請求項に記載の壁部材用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の壁構造物完成品によれば、接続部において請求項に記載の発明の作用が発揮される。
請求項11記載の発明である圧力容器完成品は、請求項又は請求項に記載の圧力容器用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の圧力容器完成品によれば、接続部において請求項又は請求項に記載の発明の作用が発揮される。
請求項12記載の発明である配管ユニットは、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の配管用の継手構造を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の配管ユニットによれば、接続部において請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の発明の作用が発揮される。
請求項13記載の発明であるプラントは、請求項1記載の封止部材を備えたことをを特徴とするものである。
このような構造のプラントによれば、接続部において請求項1記載の発明の作用が発揮される。
本発明の請求項1記載の封止部材によれば、構造体の接続部におけるシール性を容易に高めることができる。また、封止部材は、構造が簡単であるため、故障し難い。加えて、安価に製造することができる。さらに、相手方の部材が既存のものであっても適用できるため、汎用性が高いという効果を奏する。そして、流体の圧力を利用してシール面の面圧を流体の圧力よりも高くすることによりシール面同士の密着性を高めて、構造体の接続部において十分なシール性を確保できるという効果を奏する。
本発明の請求項記載の封止部材によれば、請求項1に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項記載の封止部材によれば、請求項1又は請求項に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項記載の壁部材用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の効果が壁部材の接続部において発揮される。
本発明の請求項記載の圧力容器用の継手構造によれば、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の効果が圧力容器の接続部において発揮される。
本発明の請求項記載の圧力容器用の継手構造によれば、圧力容器の接続部に対し、請求項1乃至請求項に記載された封止部材が容易に形成される。従って、請求項記載の発明と同様の効果を奏する圧力容器を安価に製造することができる。
本発明の請求項記載の配管用の継手構造によれば、配管の接続部において、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の効果が発揮される。なお、本発明は、内部の流体の圧力が外部の流体の圧力よりも高い状態で使用される配管に対して特に有効である。
本発明の請求項記載の配管用の継手構造によれば、真空配管などのように内部の流体の圧力よりも外部の流体の圧力の方が高い場合において特に有効に、請求項記載の発明と同様の効果が発揮される。
本発明の請求項記載の配管用の継手構造によれば、請求項1に記載された発明の効果が配管の接続部において発揮されることに加え、配管に振動等によりせん断力が加わった場合でも配管の接続部におけるシール性の低下を防ぐことができるという効果を奏する。
本発明の請求項10記載の壁部材によれば、その接続部において請求項に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項11記載の圧力容器によれば、その接続部において請求項又は請求項に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項12記載の配管ユニットによれば、その接続部において請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の発明の効果を奏する。
本発明の請求項13記載のプラントによれば、その接続部において請求項1記載の発明の効果が同様に発揮される。
本実施例の封止部材は、船舶や航空機などの壁部材(主に、請求項1〜及び請求項10に対応)や圧力容器(主に、請求項1〜、請求項、請求項及び請求項11に対応)のように、内部に存在する液体や気体などの流体と、外部に存在する液体や気体などの流体との間に圧力差が発生している状態で用いられる構造体の接続部に用いられるものである。以下、その構造について、図1〜図5を用いて説明する。
なお、図1〜図5は壁部材と封止部材あるいは圧力容器の壁面と封止部材に対してそれぞれ直交する平面で切断した状態を示す断面図である。また、図1(a)及び図1(b)は内圧Pが外圧Pよりも高い場合に対応し、図2(a)及び図2(b)は外圧Pが内圧Pよりも高い場合に対応する。さらに、図3及び図4は図1及び図2の変形例を示した図である。
前述の封止部材が、液体や気体などの流体の輸送等に用いられる配管において、バルブやパイプなどの部品の接続部に取り付けられる配管用継手(主に、請求項1〜、請求項、請求項及び請求項12に対応)に用いられる場合について説明する。
図6は、封止部材7が配管用継手1aに用いられた状態を示す断面図であり、図7は、その作用を説明するための図である。さらに、図8及び図9は図6に示した配管用継手の変形例を示す図である。
なお、図6〜図9は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図7は図6の部分拡大図に相当する。さらに、図6では、配管用継手のみを断面表示としている。そして、図7では、配管用継手についても、断面であることを示すハッチングを省略している。
封止部材7を備えた配管用の継手構造の他の実施例について図10を用いて説明する(主に、請求項1〜、請求項及び請求項12に対応)。
図10は、封止部材7が配管用継手1d,1eに用いられた状態を示す断面図である。なお、図10は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図6〜図9に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。さらに、図10では、配管用継手について、断面であることを示すハッチングを省略している。そして、本明細書では、以下に説明する配管用の継手構造を備えた配管で接続されるもの及び配管を配管ユニットというものとする。
図10に示すように、配管用継手1dは、実施例2の配管用継手1aにおいて受圧面5dと反対方向へ突出するように形成される円筒状の凸状部8aにシール面5aが設けられ、配管用継手1eは、この凸状部8aに対して係合可能に凹状部9aが形成されている。このような構造によれば、凸状部8a及び凹状部9aは、配管用継手1d,1eを接続した場合に、シール面5aに平行な方向へ互いに移動しないように拘束するという作用を有する。
なお、上述の配管用の継手構造を備えた配管ユニットにおいても上記作用及び効果は同様に発揮される。
また、本実施例では、凸状部8aを円筒状としているが、これに限らず、例えば、凸状部8aは角筒状であっても良い。
請求項1乃至請求項13に記載された発明は、宇宙船、人口衛星、ロケット、航空機、塔槽類、熱交換器、真空機器、油圧機器、蒸気機器、配管、血流機器、薬流機器、ポンプ、バルブ、計測器、密室、船舶、潜水艦、深海艇、タンク類、ホース等の接続部に適用可能である。
本発明は、配管や圧力容器(大気圧と異なる一定の圧力で気体や液体を貯留するように設計された容器)の接続部分に用いられる継手構造に係り、特に、簡単な構造でありながらシール性に優れた封止部材を備えた継手構造に関する。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、安価に製造することが可能であり、故障し難く、かつ、内部若しくは外部の流体の圧力を利用することでシール性を高めることができる封止部材を備えた継手構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である圧力容器の継手構造は、内圧が外圧よりも高い状態で使用される圧力容器の継手構造において、表裏両面にそれぞれシール面と受圧面を有しつつ一対の平板状をなす封止部材が内側へ突出するように設置された接続部を備え、封止部材は、この接続部の近傍において全周にわたって内壁面に環状溝が設けられるようにして形成されるとともに、少なくとも一方のシール面受圧面と反対方向へ突出するように設けられる凸部の端面に形成され、この凸部の端面の面積を受圧面の面積よりも狭くして、シール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とするものである。
このような圧力容器の継手構造では、環状溝の内部に入り込んだ流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、シール面相手方の部材のシール面に押しつけられるという作用を有する。また、封止部材に関し、相手方の部材のシール面が突状又は凹状のいずれの形に形成されていても互いのシール面同士が密着し易いことに加え、受圧面に加わる流体の圧力よりも大きな圧力によって、シール面が相手方の部材のシール面に押しつけられるという作用を有する。
請求項記載の発明である配管の継手構造は、内圧が外圧よりも高い状態で使用され、接続部の近傍において外周面に立設される板状のフランジと、内部に流体の流路を有する配管継手構造であって、表裏両面にそれぞれシール面と受圧面を有しつつ一対の平板状をなす封止部材が内側へ突出するように接続部に設置され、この封止部材は、接続部の近傍において流路の内周面に対して全周にわたって環状溝が設けられるようにして形成されるとともに、少なくとも一方のシール面が受圧面と反対方向へ突出するように設けられる凸部の端面に形成され、この凸部の端面の面積を受圧面の面積よりも狭くして、シール面の面積が受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とするものである。
このような配管の継手構造によれば、流路の内部を流れる流体が環状溝の内部にも入り込み、流体の圧力が封止部材の受圧面に加わることによって、請求項1に記載された発明における封止部材の作用が配管の接続部において発揮される。なお、封止部材の内周面が流路の内壁面と同一平面をなすように形成されるため、流路の内部を流れる流体に対して、封止部材が障害となることはない。
本発明の請求項1記載の発明によれば、圧力容器の接続部におけるシール性を容易に高めることができる。また、封止部材は、構造が簡単であるため、故障し難い。加えて、安価に製造することができる。さらに、相手方の部材が既存のものであっても適用できるため、汎用性が高いという効果を奏する。そして、流体の圧力を利用してシール面の面圧を流体の圧力よりも高くすることによりシール面同士の密着性を高めて、構造体の接続部において十分なシール性を確保できるという効果を奏する。
本発明の請求項記載の発明によれば、配管の接続部において、請求項1に記載された発明における封止部材の効果が同様に発揮される。
本実施例の封止部材は、船舶や航空機などの壁部材や圧力容器(主に、請求項1に対応)のように、内部に存在する液体や気体などの流体と、外部に存在する液体や気体などの流体との間に圧力差が発生している状態で用いられる構造体の接続部に用いられるものである。以下、その構造について、図1〜図5を用いて説明する。
なお、図1〜図5は壁部材と封止部材あるいは圧力容器の壁面と封止部材に対してそれぞれ直交する平面で切断した状態を示す断面図である。また、図1(a)及び図1(b)は内圧Pが外圧Pよりも高い場合に対応し、図2(a)及び図2(b)は外圧Pが内圧Pよりも高い場合に対応する。さらに、図3及び図4は図1及び図2の変形例を示した図である。
前述の封止部材が、液体や気体などの流体の輸送等に用いられる配管において、バルブやパイプなどの部品の接続部に取り付けられる配管用継手(主に、請求項2に対応)に用いられる場合について説明する。
図6は、封止部材7が配管用継手1aに用いられた状態を示す断面図であり、図7は、その作用を説明するための図である。さらに、図8及び図9は図6に示した配管用継手の変形例を示す図である。
なお、図6〜図9は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図7は図6の部分拡大図に相当する。さらに、図6では、配管用継手のみを断面表示としている。そして、図7では、配管用継手についても、断面であることを示すハッチングを省略している。
封止部材7を備えた配管用の継手構造の他の実施例について図10を用いて説明する。
図10は、封止部材7が配管用継手1d,1eに用いられた状態を示す断面図である。なお、図10は配管の中心軸を含む平面で切断した状態を示す断面図である。また、図6〜図9に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。さらに、図10では、配管用継手について、断面であることを示すハッチングを省略している。そして、本明細書では、以下に説明する配管用の継手構造を備えた配管で接続されるもの及び配管を配管ユニットというものとする。
図10に示すように、配管用継手1dは、実施例2の配管用継手1aにおいて受圧面5dと反対方向へ突出するように形成される円筒状の凸状部8aにシール面5aが設けられ、配管用継手1eは、この凸状部8aに対して係合可能に凹状部9aが形成されている。このような構造によれば、凸状部8a及び凹状部9aは、配管用継手1d,1eを接続した場合に、シール面5aに平行な方向へ互いに移動しないように拘束するという作用を有する。
なお、上述の配管用の継手構造を備えた配管ユニットにおいても上記作用及び効果は同様に発揮される。
また、本実施例では、凸状部8aを円筒状としているが、これに限らず、例えば、凸状部8aは角筒状であっても良い。
請求項1及び請求項に記載された発明は、宇宙船、人口衛星、ロケット、航空機、塔槽類、熱交換器、真空機器、油圧機器、蒸気機器、配管、血流機器、薬流機器、ポンプ、バルブ、計測器、密室、船舶、潜水艦、深海艇、タンク類、ホース等の接続部に適用可能である。

Claims (16)

  1. 異なる圧力を示す2種類の流体を仕切る構造体の接続部に設置される封止部材であって、
    両面にそれぞれシール面と受圧面を有して平板状をなすとともに、
    前記2種類の流体のうちの一方の側へ突出するように形成されたことを特徴とする封止部材。
  2. 前記受圧面と反対方向へ突出するように設けられる凸部を備え、前記シール面は、この凸部に形成されたことを特徴とする請求項1記載の封止部材。
  3. 前記受圧面の方向へ凹むように設けられる凹部を備え、前記シール面は、この凹部に形成されたことを特徴とする請求項1記載の封止部材。
  4. 前記シール面の面積が前記受圧面の面積よりも狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の封止部材。
  5. 前記シール面にメッキが施されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の封止部材。
  6. 前記シール面に対し、周囲の部材よりも表面硬度の低い材質がコーティングされたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の封止部材。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、
    前記構造体は壁部材であり、
    前記封止部材が前記2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とする壁部材用の継手構造。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、
    前記構造体は圧力容器であり、
    前記封止部材が前記2種類の流体のうち高い圧力を示す側へ突出するように形成されたことを特徴とする圧力容器用の継手構造。
  9. 前記圧力容器は内圧が外圧よりも高い状態で使用され、
    前記封止部材が前記圧力容器の接続部の近傍において全周にわたって内壁面に環状溝が設けられるようにして形成されたことを特徴とする請求項8記載の圧力容器用の継手構造。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、
    前記構造体は、接続部の近傍において外周面に立設される板状のフランジと、内部に形成される前記流体の流路を有する配管用継手であり、
    前記接続部の近傍において前記流路の内周面に対して全周にわたって環状溝が設けられるようにして前記封止部材が形成されたことを特徴とする配管用の継手構造。
  11. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材を備え、
    前記構造体は、内部に前記流体の流路が形成されて外圧が内圧よりも高い状態で使用される配管用継手であり、
    前記封止部材が接続部の近傍において外周面に立設されたことを特徴とする配管用の継手構造。
  12. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の封止部材が接続部にそれぞれ設けられた第一の配管用継手及び第二の配管用継手を備え、
    前記第一の配管用継手は、先端にシール面を有する環状の凸状部が前記受圧面と反対方向へ突出するように形成され、
    前記第二の配管用継手は、内部に前記シール面を有する環状の凹状部が前記凸状部に対して係合可能に形成されたことを特徴とする配管用の継手構造。
  13. 請求項7に記載の壁部材用の継手構造を備えたことを特徴とする壁構造物完成品。
  14. 請求項8又は請求項9に記載の圧力容器用の継手構造を備えたことを特徴とする圧力容器完成品。
  15. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の配管用の継手構造を備えたことを特徴とする配管ユニット。
  16. 請求項1記載の封止部材を備えたことを特徴とするプラント。
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