JP2014121005A - 車両用無線送信回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成の増大を抑えながら、複数のアンテナを異なる電流値で同時に駆動でき、駆動アンテナまたは電流設定値の切り換えによる制御遅れ時間を短縮する。
【解決手段】同時駆動するアンテナの少なくとも1つのアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、検出選択スイッチ9Aをオンしてアンテナ電流検出回路4で検出した電流が電流目標範囲内に入るように電圧設定値(キャリア振幅設定値)をデジタル制御する。同時駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナ2Bを電流制限設定アンテナとし、検出選択スイッチ9Bをオンしてアンテナ電流検出回路4で検出した電流が電流目標範囲内に入るようにオン抵抗設定値B(電流制限設定値B)をデジタル制御する。
【選択図】図1
【解決手段】同時駆動するアンテナの少なくとも1つのアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、検出選択スイッチ9Aをオンしてアンテナ電流検出回路4で検出した電流が電流目標範囲内に入るように電圧設定値(キャリア振幅設定値)をデジタル制御する。同時駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナ2Bを電流制限設定アンテナとし、検出選択スイッチ9Bをオンしてアンテナ電流検出回路4で検出した電流が電流目標範囲内に入るようにオン抵抗設定値B(電流制限設定値B)をデジタル制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載された複数のアンテナを同時に駆動可能な車両用無線送信回路に関する。
アンテナ駆動回路には、電流フィードバックに基づきアンテナ電流(キャリア電流)を設定するアンテナ電流設定型と、電圧フィードバックに基づきアンテナ電圧(キャリア電圧)を設定するアンテナ電圧設定型とが用いられている。スマートエントリーシステムなどに用いられる車両用無線送信システムのアンテナ駆動回路では、アンテナ電流設定型を採用する事例が多い。これは、アンテナ電流設定型の駆動方式は、アンテナ電圧設定型の駆動方式よりも、アンテナ個々の特性ばらつきに対し、アンテナから放射される電波強度(つまり電波到達距離)のばらつきを抑えることが可能なことと、使用するアンテナの変更によりインピーダンスが変わっても、送信回路の設定変更が不要なためである。特許文献1には、検出電流を矩形波のデューティ比にフィードバックすることにより電流制御する技術が示されている。
アンテナ電流設定型の駆動方式は、アンテナ電圧設定型の駆動方式に比べ、電流フィードバック制御に必要な回路分だけ規模が大きくなりコスト高となる問題がある。このため、電流フィードバック制御回路を1回路分だけ備え、ドアアンテナ、トランクアンテナ、室内アンテナなど複数あるアンテナの中から1つのアンテナだけを選択して電流フィードバック制御を行う方式を採用する場合が多い。しかし、このような回路方式を採用した場合には、各アンテナを同時に異なる電流値で駆動することができず、電波の到達エリアの制御が難しいという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回路構成の増大を抑えながら、複数のアンテナをそれぞれ異なる電流値で同時に駆動でき、駆動アンテナまたは電流設定値の切り換えによる制御遅れ時間も短縮できる車両用無線送信回路を提供することにある。
請求項1に記載した車両用無線送信回路は、車両に搭載された複数のアンテナを同時に駆動するため、複数のアンテナに対し共通にキャリア信号生成回路とアンテナ電流検出回路を備え、複数のアンテナごとにシャント抵抗および電流制限回路を備えている。キャリア信号生成回路は、キャリア振幅設定値に応じた電圧振幅を持つキャリア信号を生成して出力端子から出力し、当該出力端子と接地電源線との間に接続される複数のアンテナに電流を流す。シャント抵抗および電流制限回路は、キャリア信号生成回路の出力端子と接地電源線との間にアンテナと直列に接続されている。
車両用無線送信回路は、各アンテナに対し設けられたシャント抵抗の端子間電圧のうち1つを選択する検出選択スイッチを備えている。アンテナ電流検出回路は、検出選択スイッチにより選択されたシャント抵抗の端子間電圧に基づいて、その選択されたアンテナの電流検出値を出力する。
制御手段は、同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、当該アンテナに対し設けられた検出選択スイッチをオンすることにより得られた電流検出値が当該アンテナの電流目標範囲内に入るようにキャリア振幅設定値をデジタル制御する。また、同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナを電流制限設定アンテナとし、当該アンテナに対し設けられた検出選択スイッチをオンすることにより得られた電流検出値が当該アンテナの電流目標範囲内に入るように電流制限回路における電流制限設定値をデジタル制御する。
この構成によれば、アンテナ電流検出回路を各アンテナのために時分割で使用するので、同時に駆動するアンテナの数が増えても回路構成の増大を抑えることができる。共通のキャリア信号生成回路とアンテナごとの電流制限回路を備え、各アンテナをキャリア振幅設定アンテナまたは電流制限設定アンテナとして個々に制御するので、各アンテナをそれぞれ異なる電流値で同時に駆動できる。キャリア振幅設定値と電流制限設定値をデジタル制御するので、コンデンサによる積分回路などを用いたアナログ構成に比べ、駆動アンテナや電流目標範囲の切り替えから出力が安定するまでの制御遅れ時間を短縮できる。
請求項2に記載した手段によれば、制御手段は、複数のアンテナをそれぞれキャリア振幅設定アンテナまたは電流制限設定アンテナとして制御するときの各組み合わせについて、それぞれ各アンテナの電流検出値が所定の電流目標範囲に入るように制御された状態でのキャリア振幅設定値および電流制限設定値を予め記憶する。この記憶は、出荷前の検査工程、実際の送信動作中に各アンテナの電流値が電流目標範囲内に整定しているときなどに行われる。
制御手段は、キャリア振幅設定アンテナとして制御するアンテナ、電流制限設定アンテナとして制御するアンテナまたはアンテナの電流目標範囲を変更したときに、当該変更後のアンテナの組み合わせおよび電流目標範囲について予め記憶されたキャリア振幅設定値および電流制限設定値を用いて制御を開始する。これにより、設定の切り替えから出力が安定するまでの制御遅れ時間を一層短縮できる。
請求項3に記載した手段によれば、制御手段は、同時駆動の各アンテナの検出選択スイッチを順にオンすることにより、所定の順序に従ってキャリア振幅設定値および電流制限設定値を制御する。これにより、同時駆動する全てのアンテナの電流値を順に電流目標範囲内に制御できる。
請求項4に記載した手段によれば、制御手段は、キャリア振幅設定アンテナと電流制限設定アンテナについて電流検出値が電流目標範囲から外れた場合、キャリア振幅設定値の制御を電流制限設定値の制御に優先して実行する。キャリア信号生成回路は共通に設けられているので、キャリア振幅設定値を変更すると全てのアンテナの電流値が変化する。これに対し、電流制限回路はアンテナごとに設けられているので、電流制限設定値を変更しても他のアンテナの電流値は変化しない。本実行順序によれば、同時駆動するアンテナの電流値を、より短い時間で効率よく電流目標範囲内に制御できる。
請求項5に記載した手段によれば、制御手段は、キャリア振幅設定値と電流制限設定値をそれぞれ単位補正値のn倍(n=0、1、2、…)からなる補正値により段階的に変更可能である。制御手段は、電流制限設定アンテナについて、当該アンテナの電流制限設定値に単位補正値を加算または減算したときの電流検出値の変化量とキャリア振幅設定値に単位補正値を減算または加算したときの電流検出値の変化量とを加算した値の絶対値が、当該アンテナの電流目標範囲の幅以下になるように制御する。
これにより、電流制限設定アンテナの電流制限設定値を単位補正値だけ変更し、電流値を一方向に変化させて電流目標範囲内に制御した後、キャリア振幅設定値を単位補正値だけ変更した結果、当該電流制限設定アンテナの電流検出値に同方向の変化が生じても、電流制限設定値を再度調整する必要がない。すなわち、キャリア振幅設定値の微調整が電流制限設定アンテナに及ぼす影響を低減できる。
請求項6に記載した手段によれば、制御手段は、複数のアンテナのうち目標電流が最大のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとする。各アンテナのインピーダンスが近い場合、キャリア振幅設定アンテナについてキャリア振幅設定値を制御し、他のアンテナを電流制限設定アンテナとすれば、電流制限設定アンテナについて電流を制限するように電流制限設定値を制御することにより、他のアンテナの電流値も電流目標範囲内に制御できる。
請求項7に記載した手段によれば、制御手段は、目標電流が最大のアンテナが複数ある場合、当該複数のアンテナのうち、インピーダンスが最大のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナを電流制限設定アンテナとする。アンテナにキャリア信号を印加したときに流れる電流は、インピーダンスが大きいアンテナほど小さくなる。そこで、インピーダンスが最大のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとしてキャリア振幅設定値を制御すれば、電流制限設定アンテナとする他のアンテナについて電流を制限するように電流制限設定値を制御することにより、他のアンテナの電流値も電流目標範囲内に制御できる。
請求項8に記載した手段によれば、複数のアンテナには予め優先順位が付されている。制御手段は、目標電流が最大のアンテナが複数ある場合、該複数のアンテナのうち、優先順位の最も高いアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナを電流制限設定アンテナとしまたは他のアンテナについて電流制御を行わない。これにより、例えばキー(携帯機)を所持する運転者が着座する運転席側ドアのアンテナを優先してキャリア振幅設定アンテナとし、所望の強度の電波を送信すれば車両への接近および乗車を検出し易くなる。
請求項9に記載した手段によれば、制御手段は、同時に駆動する複数のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとして制御し、その全てのアンテナについて電流検出値を電流目標範囲内に入るようにキャリア振幅設定値を制御できない場合には、インピーダンスが最小のアンテナから順に電流制限設定アンテナに切り替える。このようにして電流制限設定アンテナに切り替えたアンテナは、キャリア振幅設定アンテナに比べ電流を流し易いので、電流制限設定値を制御することにより当該アンテナの電流値を電流目標範囲内に制御できる。
請求項10に記載した手段によれば、制御手段は、電流検出値と電流目標範囲との間の電流偏差が大きいほど、キャリア振幅設定値または電流制限設定値に加算または減算する補正値を大きくする。補正値は、例えば上述した単位補正値のn倍の値により段階的に変更可能である。これにより、アンテナ電流が電流目標範囲に整定するまでに要する制御時間を一層短縮できる。
請求項11に記載したアンテナ電流検出回路は、電流検出値と制御手段から出力される基準値とを比較して比較信号を出力するコンパレータを備えている。制御手段は、電流目標範囲の上限値に相当する基準値を出力したときの比較信号と、電流目標範囲の下限値に相当する基準値を出力したときの比較信号とに基づいて、キャリア振幅設定値または電流制限設定値を制御する。この構成によれば、アンテナ電流検出回路が比較処理を実行するので、制御手段に比較処理が不要となり、制御手段をより簡易な論理回路(例えばアップダウンカウンタ)で構成できる。
請求項12に記載したアンテナ電流検出回路は、電流検出値と制御手段から出力される第1、第2基準値とを比較して第1、第2比較信号を出力する第1、第2コンパレータを備えている。制御手段は、電流目標範囲の上限値または下限値に相当する第1基準値を出力したときの第1比較信号と、電流目標範囲の上限値または下限値に対し所定幅だけ範囲外となる値に相当する第2基準値を出力したときの第2比較信号とに基づいて、補正値の大きさを変更する。この構成によれば、制御手段をより簡易な論理回路(例えばアップダウンカウンタ)で構成しながら、アンテナ電流が電流目標範囲に整定するまでに要する制御時間を短縮できる。
請求項13に記載したアンテナ電流検出回路は、選択されたシャント抵抗の端子間電圧のピーク値または平均値をホールドして電流検出値を出力する。これにより、フィードバック対象アンテナの変更、設定電流値の変更などの頻度、アンテナ電流が電流目標範囲に入っているかの確認周期など、システムが必要とする時間に適した構成とすることができる。
請求項14に記載した手段によれば、キャリア信号生成回路の出力端子と接地電源線との間に、アンテナと直列にアンテナ選択スイッチを備えている。このアンテナ選択スイッチをオフすれば、例えば車両に備えられた複数のアンテナのうち使用しないアンテナへの通電を容易に遮断できる。
請求項15に記載した手段によれば、アンテナ選択スイッチと電流制限回路は1つのFETから構成されている。制御手段は、FETのゲート電圧をしきい値電圧よりも低くすることによりアンテナ選択スイッチをオフし、FETのゲート電圧を制御することによりアンテナに流れる電流を制限する。アンテナ選択スイッチと電流制限回路の共通化により、アンテナ選択スイッチの付加にかかわらず回路構成の増大を抑えられる。
各実施形態において実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略する。各波形図におけるキャリア信号生成回路の出力信号およびシャント抵抗の上端電圧の各波形は、振幅変化をやや誇張して表している。各波形図に示す二値信号は、高レベルがHレベル、低レベルがLレベルである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図8を参照しながら説明する。図1に示す車両用無線送信回路1は、車両のスマートエントリーシステムに用いられる。スマートエントリーシステムは、車両用無線送信回路1および図示しない車両用無線受信回路を含む車載装置と、車両の使用者が所持する図示しない携帯機(キー)とから構成されている。携帯機を所持した者が車両周囲の無線通信エリアに入ると、車載装置がドアのロック、アンロック等の制御を実行する。
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図8を参照しながら説明する。図1に示す車両用無線送信回路1は、車両のスマートエントリーシステムに用いられる。スマートエントリーシステムは、車両用無線送信回路1および図示しない車両用無線受信回路を含む車載装置と、車両の使用者が所持する図示しない携帯機(キー)とから構成されている。携帯機を所持した者が車両周囲の無線通信エリアに入ると、車載装置がドアのロック、アンロック等の制御を実行する。
車両用無線送信回路1は、電流フィードバックに基づきアンテナ電流を制御するアンテナ電流設定型の駆動方式を採用し、同時に複数のアンテナ2から相異なる強度でLF帯の電波によるリクエスト信号を送信することができる。アンテナ2は、例えば車両の左右ドアに各1本、室内に2本、トランク外に1本、トランク内に1本、リアの左右ドアに各1本設けられている。車載装置がリクエスト信号を送信すると、それを受信した携帯機はUHF帯でアンサー信号を送信する。車載装置は、アンサー信号を受信すると、車外のどの位置に携帯機を所持した者がいるのかを特定し、携帯機を所持した者がいる付近のドアだけを解錠する。
上述したように、車両用無線送信回路1は、多数のアンテナの一部または全てのアンテナ2を同時に且つ異なる電流値で駆動可能であるが、以下では説明の便宜上2つのアンテナ2A、2Bを駆動する場合を例に説明する。また、アンテナ2Aに対し専用に設けられる構成要素には符号の最後に「A」を付し、アンテナ2Bに対し専用に設けられる構成要素には符号の最後に「B」を付す。
車両用無線送信回路1は、アンテナ2A、2Bに共通に、キャリア信号生成回路3、アンテナ電流検出回路4、昇圧電源5およびチャージポンプ回路6を備えている。また、アンテナ2A、2Bに対し個別に、シャント抵抗7A、7B、FET8A、8B、検出選択スイッチ9A、9B、レベルシフト回路10A、10Bおよび信号生成部11A、11Bを備えている。制御部12は、マイクロコンピュータ、ASICなどのデジタル回路により構成されており、Hレベル(例えば5V)とLレベル(0V)からなる二値信号を出力する。
同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナ、例えばアンテナ2Aがキャリア振幅設定アンテナとされている。制御部12は、FB選択信号Aにより検出選択スイッチ9Aをオンし、それにより得た電流検出値がアンテナ2Aの電流目標範囲内に入るように、キャリア振幅設定値(以下、電圧設定値と称す)をデジタル制御して、キャリア信号生成回路3が出力するキャリア信号(キャリア電圧)の振幅を調整する。
また、同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナ、例えばアンテナ2Bが電流制限設定アンテナとされている。制御部12は、FB選択信号Bにより検出選択スイッチ9Bをオンし、それにより得た電流検出値がアンテナ2Bの電流目標範囲内に入るように、電流制限設定値B(以下、オン抵抗設定値Bと称す)をデジタル制御してFET8Bのオン抵抗を調整する。
後述する第3の実施形態で説明するように、同時に駆動する複数のアンテナのうち目標電流が最大のアンテナ、インピーダンスが最大のアンテナ、予め付された優先順位が最も高いアンテナなどがキャリア振幅設定アンテナとして設定される。同時に駆動する他のアンテナは電流制限設定アンテナとされる。複数のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとすることもできる。ただし、キャリア信号生成回路3は共通に設けられているので、制御部12は、何れか1つのアンテナを対象としてフィードバック制御を行ってキャリア信号を生成する。残りのキャリア振幅設定アンテナは、生成されたキャリア信号に従うことになる。
昇圧電源5は、制御部12が出力する電圧設定値に従ってバッテリ電圧Vbatを昇圧し、昇圧電圧Vhを出力するDC−DCコンバータである。キャリア信号生成回路3は、制御部12が出力するキャリア信号波形コード(以下、Sin波コードと称す)に応じた電圧を出力するDA変換器13、ローパスフィルタ14およびボルテージフォロアのオペアンプ15の直列回路から構成されている。ローパスフィルタ14に替えてバンドパスフィルタを用いてもよい。オペアンプ15に替えてエミッタフォロワ、ソースフォロワなどの回路を用いてもよい。DA変換器13とオペアンプ15には、昇圧電源5から昇圧電圧Vhが与えられている。
DA変換器13は、抵抗ストリングス型、抵抗ラダー型(R−2R型)などの汎用的な構成を備えていてもよい。しかし、固定周波数のSin波からなるキャリア信号だけを出力するDA変換器13には、任意波形を出力できる構成は必要ない。そこで、キャリア周波数とDA変換速度(回/秒)を固定整数倍の関係とし、必要な出力電圧に限定した抵抗分圧比を定めて選択可能とすれば、より簡易な構成でキャリア信号を出力できる。
キャリア周波数とDA変換速度を1:16の関係にした場合のDA変換器13の構成および抵抗比を図2に示す。図2(a)に示すように、昇圧電源5の出力端子とグランドとの間には、抵抗R1〜R8とスイッチSW8とが直列に接続されている。抵抗R1〜R8の各分圧ノードとグランドとの間には、それぞれスイッチSW1〜SW7が接続されている。スイッチSW1〜SW8はMOSトランジスタから構成されており、Sin波コードに応じたゲート信号が与えられる。抵抗R1とR2の共通接続ノードが出力端子となっている。
図2(b)における抵抗比は、抵抗R1の抵抗値を1として表しており、出力分圧比は、各スイッチを選択的にオン(または全てオフ)したときの昇圧電圧Vhの分圧比を表している。ただし、スイッチSW1〜SW8のオン抵抗はゼロ、オフ抵抗は無限大としている。
図3は、(a)DA変換器13が出力するキャリア信号、(b)スイッチ選択信号1、(c)他のスイッチ選択信号2を示す波形図である。スイッチ選択信号は、Hレベルがオン、Lレベルがオフである。キャリア周波数(LF帯)とDA変換速度が1:16の組み合わせは、例えば以下のようになる。
(1)キャリア周波数=125kHz、DA変換速度=2MHz(=500ns)
(2)キャリア周波数=134.2kHz、DA変換速度=2.1472MHz(=465.72ns)
(1)キャリア周波数=125kHz、DA変換速度=2MHz(=500ns)
(2)キャリア周波数=134.2kHz、DA変換速度=2.1472MHz(=465.72ns)
スイッチSW1〜SW8が全てオフしたときおよびスイッチSW8、SW7、…、SW1がオンしたとき、それぞれSin(90°)、Sin(112.5°)、Sin(135°)、Sin(157.5°)、Sin(180°)、Sin(202.5°)、Sin(225°)、Sin(247.5°)、Sin(270°)の各値が出力される。Sin(0°)〜Sin(360°)は−1〜+1の値となるが、抵抗分圧比では0〜1の値に変換している。
スイッチSW1〜SW8の切り換えでは、1つのスイッチをオフして他のスイッチをオンすると、出力にグリッチ(切り換え時のひげ)が発生する。このため、状態遷移させるスイッチを1個に限定するなどの考慮が必要である。図3(b)、(c)に示すスイッチ選択信号には、こうした配慮がなされている。
キャリア周波数とDA変換速度の比(整数に限る)を変えるには、分圧抵抗により作り出される抵抗分圧の数を変えれば実現できる。この場合、比を奇数にすると、Sin(0°)〜Sin(360°)の全ての分圧点を設定する必要がある。これに対して、比を偶数にすれば、Sin(90°)〜Sin(270°)の区間の分圧で済む。
キャリア信号の歪みを低減して精度を高めるため、キャリア周波数とDA変換速度の比を1:32にしてもよい。この構成は、分圧抵抗を8個から16個に増やし、グランドに接地するためのスイッチを8個から16個に増やすことで実現できる。1:32の組み合わせは、例えば以下のようになる。
(3)キャリア周波数=125kHz、DA変換速度=4MHz(=250ns)
(4)キャリア周波数=134.2kHz、DA変換速度=4.2944MHz(=232.86ns)
(3)キャリア周波数=125kHz、DA変換速度=4MHz(=250ns)
(4)キャリア周波数=134.2kHz、DA変換速度=4.2944MHz(=232.86ns)
図1に戻り、信号生成部11Aは、DA変換器(DAC)16A、ANDゲート17A、18Aを備え、レベルシフト回路10Aを制御する電圧および信号を生成する。DA変換器16Aは、制御部12が出力するオン抵抗設定値Aに応じた電圧VDACAを出力する。電圧VDACAは、FET8Aのオン抵抗を決定するゲート電圧として用いられる。
ANDゲート17Aは、制御部12が出力するベースバンド信号AとVCP選択信号AとのAND信号であるVCP選択信号Aを出力する。ANDゲート18Aは、ベースバンド信号AとVDAC選択信号AとのAND信号であるVDAC選択信号Aを出力する。信号生成部11Bも、同様にDA変換器16B、ANDゲート17B、18Bを備え、レベルシフト回路10Bを制御する電圧VDACB、VCP選択信号B、VDAC選択信号Bを生成する。
ベースバンド信号A、Bは、キャリア振幅(電圧設定値)の初期設定動作時および電流制限抵抗値(オン抵抗設定値)の初期設定動作時において連続したHレベルとされ、アンテナ2A、2Bに流れる電流は連続したSin波となる。初期設定完了後の通常動作時における電流フィードバック制御では、ベースバンド信号A、Bは、キャリア信号をオンオフする信号となり(図9参照)、アンテナ2A、2Bに流れる電流は、オンオフキーイング変調されたバースト状のSin波となる。
チャージポンプ回路6は、昇圧電圧Vhをさらに昇圧して、FET8A、8Bを十分に低いオン抵抗でオンさせるための電圧VCPを出力する。キャリア信号生成回路3の出力端子とアンテナ2Aとの間にはFET8Aが接続され、アンテナ2Aとグランド(接地電源線)との間にはシャント抵抗7Aが接続されている。FET8Aは、オン抵抗に応じてアンテナ2Aに流れる電流を制限する電流制限回路として動作するとともに、アンテナ2Aへの通断電を行うアンテナ選択スイッチとして動作する。アンテナ2Bに対しても同様の構成を備えている。
レベルシフト回路10A、10Bは、何れも図4に示す構成を備えている。レベルシフト回路10Aは、FET19、20と抵抗21、22とからなるスイッチ回路を備えており、HレベルのVCP選択信号AによりFET19をオンさせて電圧VCPを選択する。同様に、FET23、24と抵抗25、26とからなるスイッチ回路を備えており、HレベルのVDAC選択信号AによりFET23をオンさせて電圧VDACAを選択する。レベルシフト回路10Aの出力端子とグランドとの間には抵抗28とFET27とが直列に接続されており、VCP選択信号AとVDAC選択信号Aが何れもLレベルのときには、NORゲート29がFET27をオンする。選択した電圧は、レベルシフト電圧VSFTとしてFET8Aのゲートに与えられる。
アンテナ電流検出回路4は、何れも5Vの電源電圧で動作するピークホールド回路30、サンプルホールド回路31およびAD変換器32の直列回路から構成されている。キャリア信号によりアンテナ2A、2Bに電流が流れると、シャント抵抗7A、7Bに正負の向きに電圧降下が生じるが、負の向きの電圧は−Vf(Vf:ダイオードの順方向電圧)でクランプされている。
ピークホールド回路30は、ホールド/リセット信号がHレベルのときに、検出選択スイッチ9Aまたは9Bを介して入力されたシャント抵抗7Aまたは7Bの端子間電圧のピーク値(zero to peak)を随時ホールドする。ホールド/リセット信号がLレベルのときに、ホールド電圧をゼロにリセットする。サンプルホールド回路31は、サンプル/ホールド信号がHレベルのときに、ピークホールド回路30の出力電圧をサンプリングし、Lレベルのときに、サンプリングされた電圧をホールドする。
AD変換器32は、ホールドされた電圧検出値(ピーク値)をAD変換して制御部12に出力する。シャント抵抗7A、7Bの端子間電圧に基づいてアンテナ電流を検出しているので、制御部12が入力する電圧検出値は電流検出値に対応する。また、後述する電圧目標範囲は電流目標範囲に対応する。
以上述べた構成に対し、車両用無線送信回路1が駆動するアンテナの数が増えた場合には、アンテナの数に応じてシャント抵抗7x、FET8x、検出選択スイッチ9x、レベルシフト回路10xおよび信号生成部11x(x:C、D、E、…)が追加して実装される。なお、シャント抵抗7以外はICチップ内に構成されている。
次に、本実施形態の作用について図5ないし図8を参照しながら説明する。車両用無線送信回路1は、複数のアンテナを同時に駆動する際、各アンテナのLF帯電波強度を個別に変更可能である。その結果、以下に述べるように、アンテナごとに異なる目的の動作を実行させることができる。
車両用無線送信回路1は、例えば携帯機が接近する可能性が高い運転席側ドアのアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、アンテナ2Aに目標範囲内の電流を流して強い電波強度で広範囲に携帯機を探索する。このとき、他のアンテナ領域まで電波が届いてしまう場合がある。そこで、その他のアンテナを電流制限設定アンテナとして駆動して近距離エリア内に妨害波を出力する。これにより、アンテナ2A以外のアンテナの近傍が探索範囲から除かれる。
続いて、アンテナ2B(例えば、助手席ドア)をキャリア振幅設定アンテナとしてリクエスト信号を送信し、その他のアンテナを電流制限設定アンテナとして妨害波を出力する。それ以外のアンテナも同様にして順にキャリア振幅設定アンテナとし、その他のアンテナを電流制限設定アンテナとして妨害波を出力する。車載装置は、携帯機の位置を特定すると、携帯機が存在する付近のドアだけを解錠する。
車両用無線送信回路1は、キャリア振幅設定アンテナとして制御するアンテナの変更、電流制限設定アンテナとして制御するアンテナの変更、アンテナの電流目標値の変更などがあると、アンテナ電流がそれぞれ目標範囲内に入るように、キャリア振幅(電圧設定値)の設定動作および電流制限抵抗値(オン抵抗設定値)の設定動作を実行する。
この設定動作を不要とし、或いは設定動作に要する時間を短縮するには、全てのアンテナ2A、2B、…をそれぞれキャリア振幅設定アンテナまたは電流制限設定アンテナとする各組み合わせおよび全ての電流目標値について、製品出荷前に初期設定動作を実行し、得られた設定値を記憶しておくとよい。
この場合、キャリア振幅設定アンテナとなるアンテナについては、その電流目標値に対するキャリア振幅(電圧設定値)を設定することになる。電流制限設定アンテナとなるアンテナについては、他のキャリア振幅設定アンテナに基づき設定されたキャリア振幅の下で、電流目標値に対する電流制限抵抗値(オン抵抗設定値)を定めることになる。組み合わせが多い場合には、通常よく使われる組み合わせについての設定値だけ記憶しておいてもよい。制御部12は、車両に搭載された後の実際の使用状態において、記憶された初期設定値を読み出して設定値として使用する。
制御部12は、アンテナ2Aのキャリア振幅の設定動作を図5、図6に示すように実行する。以下の説明では、シャント抵抗7Aを0.6Ωとし、アンテナ2Aにキャリア電流2Ap-pを流す設定のときに、電流目標範囲に対応して電圧検出値を0.57V〜0.63Vの電圧目標範囲に制御するものとする。キャリア信号生成回路3が出力するキャリア信号は、Sin波コードに従った連続したSin波であり、アンテナ2Aに流れる電流すなわちシャント抵抗7Aの上端電圧(端子間電圧)もSin波となる。
(1)制御部12は、アンテナ電流検出回路4をアンテナ2Aで使用するため、FB選択信号Aをアクティブ(Hレベル)にし、その他のアンテナ2BのFB選択信号Bを非アクティブ(Lレベル)にする。
(2)アンテナ2Aの電流はキャリア信号の振幅により制御されるので、FET8Aはアンテナ選択スイッチとして動作し、電流制限回路としては動作しない。制御部12は、VCP選択信号Aをアクティブ(Hレベル)にし、VDAC選択信号Aを非アクティブ(Lレベル)にして、FET8Aのオン抵抗を十分に低くする。
(3)ホールド/リセット信号をリセット側(Lレベル)にし、アンテナ2Aに電流目標範囲の電流を流すことができると想定される電圧設定値(キャリア振幅設定値)を設定する。この想定される電圧設定値は、同一設定条件で過去に制御した結果得られた電圧設定値、近似設定条件で過去に制御した結果得られた電圧設定値、プログラムされた設定条件の下で予め準備されて記憶された初期の設定電圧値などである。図5では30V、図6では36Vである。制御部12は、デジタル値であるSin波コードを出力し、キャリア信号生成回路3は、電圧設定値に応じた振幅を持つキャリア信号を出力する。
(4)その後、制御部12がベースバンド信号Aをアクティブ(Hレベル)に切り替えると、ANDゲート17AからHレベルのVCP選択信号Aが出力され、FET8Aがオンしてアンテナ2AにSin波からなるキャリア信号に応じた電流が流れる。これに合わせて、ホールド/リセット信号をホールド側(Hレベル)に切り替えて、ピークホールド動作を開始する。
(5)制御部12は、電流が安定する時間が経過した後、サンプル/ホールド信号をホールド側(Lレベル)からサンプル側(Hレベル)に切り替え、再びホールド側(Lレベル)に戻す。そのホールド期間中にAD変換器32によりシャント抵抗7Aの電圧をAD変換する。AD変換器32が出力する電圧検出値は、アンテナ2Aに流れる電流に対応している。
(6)制御部12は、電圧検出値が電圧目標範囲0.57V〜0.63Vより低い場合には電圧設定値を高く、高い場合には電圧設定値を低くする。そして、ホールド/リセット信号をリセット側に切り替えてピークホールド回路30をリセットした後ホールド側に戻し、上記(5)の制御に戻る。このフィードバック制御の結果、電圧検出値が電圧目標範囲内に入ると電圧設定値の設定動作を終了し、その時の電圧設定値を維持する。
この後は、システムで必要とするタイミングで、温度変化、電源電圧変化などの影響によりアンテナ電流が電流目標範囲から外れていないかを上記(5)の処理により確認し、外れた場合には上記(6)の処理により再設定(フィードバック補正)する。
図5に示す場合には、最初の電圧設定値(30V)に対し検出電圧が0.50Vと低いので、電圧設定値を31V、32V、33Vと1Vずつ高くしている。このとき、検出電圧は0.53V、0.56V、0.59Vと徐々に高くなる。電圧設定値を33Vまで上げたときに検出電圧が電圧目標範囲内の0.59Vになったので、その電圧設定値を維持する。
図6に示す場合には、36Vの電圧設定値に対し検出電圧が0.70Vと高いので、電圧設定値を35V、34V、33Vと1Vずつ低くしている。このとき、検出電圧は0.67V、0.64V、0.61Vと徐々に低くなる。電圧設定値を33Vまで下げたときに検出電圧が電圧目標範囲内の0.61Vになったので、その電圧設定値を維持する。
制御部12は、アンテナ2Bの電流制限抵抗値の設定動作を図7、図8に示すように実行する。以下の説明では、シャント抵抗7Bを0.6Ωとし、アンテナ2Bにキャリア電流1Ap-pを流す設定のときに、電流目標範囲に対応して電圧検出値を0.28V〜0.32Vの電圧目標範囲に制御するものとする。アンテナ2Bに流れる電流すなわちシャント抵抗7Bの上端電圧(端子間電圧)はSin波である。
(1)制御部12は、アンテナ電流検出回路4をアンテナ2Bで使用するため、FB選択信号Bをアクティブ(Hレベル)にし、その他のアンテナ2AのFB選択信号Aを非アクティブ(Lレベル)にする。
(2)アンテナ2Bの電流は、FET8Bのオン抵抗により制御されるので、FET8Bはアンテナ選択スイッチのみならず電流制限回路としても動作する。制御部12は、VDAC選択信号Bをアクティブ(Hレベル)にし、VCP選択信号Bを非アクティブ(Lレベル)にする。
(3)ホールド/リセット信号をリセット側にし、アンテナ2Bに電流目標範囲の電流を流すことができると想定されるオン抵抗設定値Bを設定する。この想定されるオン抵抗設定値Bは、同一設定条件で過去に制御した結果得られたオン抵抗設定値、近似設定条件で過去に制御した結果得られたオン抵抗設定値、プログラムされた設定条件の下で予め準備されて記憶された初期のオン抵抗設定値などである。図7では5.15Ω、図8では4.85Ωである。制御部12が出力するオン抵抗設定値は、実際にはFET8Bが当該オン抵抗を持つときのゲート電圧値である。制御部12は、デジタル値であるSin波コードを出力し、キャリア信号生成回路3は、電圧設定値に応じた振幅を持つキャリア信号を出力する。
(4)その後、制御部12がベースバンド信号Bをアクティブ(Hレベル)に切り替えると、ANDゲート18BからHレベルのVDAC選択信号Bが出力され、FET8Bがオンしてアンテナ2Bにオン抵抗により制限されたSin波からなる電流が流れる。これに合わせて、ホールド/リセット信号をホールド側に切り替えて、ピークホールド動作を開始する。
(5)制御部12は、ピーク電流が安定する時間が経過した後、サンプル/ホールド信号をホールド側からサンプル側に切り替え、再びホールド側(Lレベル)に戻す。そのホールド期間中にAD変換器32によりシャント抵抗7Bの電圧をAD変換する。AD変換器32が出力する電圧検出値は、アンテナ2Bに流れる電流に対応している。
(6)制御部12は、電圧検出値が電圧目標範囲0.28V〜0.32Vより低い場合には、オン抵抗設定値Bを小さくしてFET8Bのゲート電圧を高くし、電圧目標範囲0.28V〜0.32Vより高い場合には、オン抵抗設定値Bを大きくしてFET8Bのゲート電圧を低くする。そして、ホールド/リセット信号をリセット側に切り替えてピークホールド回路30をリセットした後ホールド側に戻し、上記(5)の制御に戻る。このフィードバック制御の結果、電圧検出値が電圧目標範囲内に入るとオン抵抗設定値Bの設定動作を終了し、その時のオン抵抗設定値を維持する。
この後は、システムで必要とするタイミングで、温度変化、電源電圧変化などの影響によりアンテナ電流が電流目標範囲から外れていないかを上記(5)の処理により確認し、外れた場合には上記(6)の処理により再設定(フィードバック補正)する。
図7に示す場合には、電圧設定値を33V一定としたときに、最初のオン抵抗設定値B(5.15Ω)に対し検出電圧が0.23Vと低いので、オン抵抗設定値Bを5.10Ω、5.05Ω、5.00Ωと0.05Ωずつ小さくしている。すなわち、制御部12は、オン抵抗設定値Bのデジタル値を大きくしてFET8Bのゲート電圧を高めることにより、FET8Bのオン抵抗を0.05Ωずつ下げている。このとき、検出電圧は0.25V、0.27V、0.29Vと徐々に高くなる。オン抵抗設定値Bを5.00Ωまで下げたときに検出電圧が電圧目標範囲内の0.29Vになったので、そのオン抵抗設定値を維持する。
図8に示す場合には、4.85Ωのオン抵抗設定値Bに対し検出電圧が0.37Vと高いので、オン抵抗設定値Bを4.90Ω、4.95Ω、5.00Ωと0.05Ωずつ大きくしている。すなわち、制御部12は、オン抵抗設定値Bのデジタル値を小さくしてFET8Bのゲート電圧を低くすることにより、FET8Bのオン抵抗を0.05Ωずつ上げている。検出電圧は0.35V、0.33V、0.31Vと徐々に低くなる。オン抵抗設定値Bを5.00Ωまで上げたときに検出電圧が電圧目標範囲内の0.31Vになったので、そのオン抵抗設定値を維持する。
さらに、他のアンテナを電流制限設定アンテナとして同時に駆動する場合には、アンテナ2Bと同じ目標電流で駆動する場合も含め、当該他のアンテナについて個別に(単独で)オン抵抗設定値(電流制限抵抗値)の設定動作を実行すればよい。
補正量として設定可能な最小値を単位補正値とすると、図5、図6では単位補正値である1Vずつ電圧設定値を変更し、図7、図8では単位補正値である0.05Ωずつオン抵抗設定値を変更した。この方法に替えて、電圧検出値と電圧目標範囲との間の電圧偏差(すなわち電流検出値と電流目標範囲との間の電流偏差)が大きいほど、電圧設定値またはオン抵抗設定値に加算または減算する補正値を大きくしてもよい。例えば、補正値を単位補正値のn倍(n=0、1、2、…)とし、電流偏差が大きいほどn値を大きくすればよい。これにより、アンテナ電流が電流目標範囲に整定するまでに要する制御時間を短縮できる。
以上説明したように、本実施形態の車両用無線送信回路1は、複数のアンテナ2に対し共通にキャリア信号生成回路3を備え、アンテナ2ごとに電流制限回路として機能するFET8を備えている。そして、同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、キャリア信号の振幅によりアンテナ電流を制御する。また、少なくとも1つのアンテナ2Bを電流制限設定アンテナとし、FET8Bのオン抵抗によりアンテナ電流を制限するように制御する。これにより、複数のアンテナ2をそれぞれ異なる電流値で同時に駆動できる。
一般に、制御対象となるアンテナ2の初期特性には個体差があるが、個々の特性は短時間で変化するものではなく、経時変化は緩やかである。また、アンテナ特性は温度変化により影響を受けるが、その変化はμsまたはmsのオーダで現れるものではない。アンテナ特性は電源電圧によっても影響を受けるが、本実施形態では、車両に搭載され電圧変動の大きいバッテリ電圧Vbatを直接用いるのではなく、安定化した昇圧電源Vhを用いている。
従って、アンテナ電流検出回路4を時分割使用(共用化)し、各アンテナ2の電流フィードバック制御をリアルタイム制御ではなく時分割(数ms〜数秒程度)制御としても、十分にアンテナ電流を電流目標範囲内に制御することができる。アンテナ電流検出回路4の共用化により、同時に駆動するアンテナ2の数が増えても回路構成の増大を抑えることができる。
アンテナ2と直列に設けられたFET8は、アンテナ選択スイッチおよび電流制限回路として機能する。FET8をオフすれば、複数のアンテナ2のうち使用しないアンテナへの通電を容易に遮断できる。アンテナ選択スイッチと電流制限回路の共通化により、アンテナ選択スイッチの付加にかかわらず回路構成の増大を抑えられる。
制御部12は、電圧設定値(キャリア振幅設定値)とオン抵抗設定値(電流制限設定値)をデジタル制御する。このフィードバック制御ループは、エラーアンプ、積分コンデンサなどのアナログ部品を備えていないので、アンテナ設定や電流目標範囲の切り換えから出力が安定するまでの制御遅れ時間を短縮でき、アンテナ電流検出回路4の時分割使用(共用化)にも適している。
(第2の実施形態)
図1に示した構成を用いた第2の実施形態について図9ないし図23を参照しながら説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明したキャリア振幅と電流制限抵抗値の設定動作後の電流フィードバック動作である。制御部12は、アンテナ電流がそれぞれの電流目標範囲に入るように、一旦設定したキャリア振幅(電圧設定値)および電流制限抵抗値(オン抵抗設定値)を制御する。
図1に示した構成を用いた第2の実施形態について図9ないし図23を参照しながら説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明したキャリア振幅と電流制限抵抗値の設定動作後の電流フィードバック動作である。制御部12は、アンテナ電流がそれぞれの電流目標範囲に入るように、一旦設定したキャリア振幅(電圧設定値)および電流制限抵抗値(オン抵抗設定値)を制御する。
本実施形態も2つのアンテナ2A、2Bを同時に駆動する場合であって、アンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、アンテナ2Bを電流制限設定アンテナとしている。制御部12は、FB選択信号A、Bにより検出選択スイッチ9A、9Bを交互にオンすることにより、アンテナ2A、2Bを所定の制御周期で順に連続して電流制御する。温度変化、電源電圧変化などが小さい場合には、電流制御を行わないアイドル期間を設けながら、アンテナ2A、2Bを電流制御してもよい。
図9は、車両用無線送信回路1がリクエスト信号を送信しているときの波形を示している。図9の下半分に時間軸を拡大して示す波形は、キャリア信号、ベースバンド信号A、シャント抵抗7Aの上端電圧、ベースバンド信号Bおよびシャント抵抗7Bの上端電圧である。キャリア信号は連続したSin波である。アンテナ2A、2Bに流れる電流は、ベースバンド信号をオンオフキーイング変調して得られるバースト状のSin波となる。なお、図面描画の便宜上、図10以降の波形図では、図9の上半分に示すようにオンオフキーイング変調を省略して連続的な波形として表している。
図10〜図13は、キャリア振幅設定アンテナであるアンテナ2Aの特性が温度変化などにより変動した場合における電流フィードバック動作を示す波形図である。制御部12は、FB選択信号AがHレベルの制御周期において、アンテナ電流検出回路4から入力した電圧検出値(電流検出値に相当)が電圧目標範囲0.57V〜0.63V(電流目標範囲に相当)に入るように電圧設定値を上下させる。目標範囲外のため電圧設定値を変更したときには、次の制御周期でも引き続きFB選択信号AがHレベルになる。
電圧設定値に応じて変更されるキャリア信号は、アンテナ2Bにも印加されている。このため、電圧設定値を変更すると、電流制限設定アンテナであるアンテナ2Bの電流にも影響を及ぼす。制御部12は、アンテナ2Aの電流制御の後、FB選択信号BがHレベルの制御周期において、アンテナ電流検出回路4から入力した電圧検出値が電圧目標範囲0.28V〜0.32Vに入るようにオン抵抗設定値Bを上下させてFET8Bのオン抵抗を変化させる。
図10では、アンテナ2Aの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.56Vに低下したので、電圧設定値を33Vから34Vに上げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.59Vに戻している。これにより、アンテナ2Bの電圧検出値は0.29Vから0.31Vに上昇したが、電圧目標範囲内であるため、オン抵抗設定値Bを5.00Ωに維持している。
図11では、図10と同様にアンテナ2Aの電圧検出値が0.56Vに低下したので、電圧設定値を34Vに上げて電圧検出値を0.59Vに戻している。これにより、アンテナ2Bの電圧検出値が0.32Vから電圧目標範囲外の0.34Vに上昇したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから5.05Ωに上げて(電圧VDACBを下げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.32Vに戻している。
図12では、アンテナ2Aの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.64VVに上昇したので、電圧設定値を33Vから32Vに下げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.61Vに戻している。これにより、アンテナ2Bの電圧検出値は0.31Vから0.29Vに低下したが、電圧目標範囲内であるため、オン抵抗設定値Bを5.00Ωに維持している。
図13では、図12と同様にアンテナ2Aの電圧検出値が0.64Vに上昇したので、電圧設定値を32Vに下げて電圧検出値を0.61Vに戻している。これにより、アンテナ2Bの電圧検出値が0.28Vから電圧目標範囲外の0.27Vに低下したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから4.95Ωに下げて(電圧VDACBを上げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.29Vに戻している。
図14および図15は、電流制限設定アンテナであるアンテナ2Bの特性が温度変化などにより変動した場合における電流フィードバック動作を示す波形図である。制御部12は、FB選択信号BがHレベルの制御周期において、アンテナ電流検出回路4から入力した電圧検出値が電圧目標範囲0.28V〜0.32Vに入るようにオン抵抗設定値Bを上下させる。目標範囲外のためオン抵抗設定値Bを変更したときには、次の制御周期でも引き続きFB選択信号BがHレベルになる。
オン抵抗設定値Bは、FET8Bのゲート電圧すなわちオン抵抗を決定し、アンテナ2Bに流れる電流を制限するように作用するので、キャリア振幅設定アンテナおよび他の電流制限設定アンテナの電流には影響を及ぼさない。
図14では、アンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.26Vに低下したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから4.95Ωに下げて(電圧VDACBを上げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.28Vに戻している。このとき、アンテナ2Aの電圧検出値に変化はない。図15では、アンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.33Vに上昇したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから5.05Ωに上げて(電圧VDACBを下げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.31Vに戻している。このとき、アンテナ2Aの電圧検出値に変化はない。
図16ないし図23は、バッテリ電圧Vbatの変動などにより、昇圧電源5が生成する昇圧電圧Vhが変化した結果、キャリア信号の振幅が変動した場合における電流フィードバック動作を示す波形図である。図16ないし図19は、キャリア信号の振幅変化をキャリア振幅設定アンテナであるアンテナ2Aの電流変動として最初に検出した場合を示しており、それぞれ図10ないし図13と同様に電圧設定値を上下させることでアンテナ2Aの電流フィードバック制御を行う。キャリア信号の振幅を変更したことにより、電流制限設定アンテナであるアンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲外となった場合には、図17および図19に示すように、オン抵抗設定値Bを上下させることでアンテナ2Bの電流フィードバック制御を行う。
図20ないし図23は、キャリア信号の振幅変化を電流制限設定アンテナであるアンテナ2Bの電流変動として最初に検出した場合を示しており、図14、図15と同様にオン抵抗設定値Bを上下させることでアンテナ2Bの電流フィードバック制御を行う。キャリア振幅設定アンテナであるアンテナ2Aにも電流変動が生じている場合には、アンテナ2Bの電流制御の後、電圧設定値を上下させることでアンテナ2Aの電流フィードバック制御を行う。
ただし、電圧設定値を変更すると、電流制限設定アンテナであるアンテナ2Bの電流に影響を及ぼす。キャリア振幅の変更によりアンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲から外れた場合には、制御部12は、アンテナ2Aの電流制御の後、再びアンテナ2Bの電流フィードバック制御を行う。
図20では、アンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.27Vに低下したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから4.95Ωに下げて(電圧VDACBを上げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.29Vに戻している。アンテナ2Aの電圧検出値も電圧目標範囲外の0.56Vに低下したので、電圧設定値を33Vから34Vに上げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.59Vに戻している。その結果、アンテナ2Bの電圧検出値は0.29Vから0.31Vに上昇したが、電圧目標範囲内であるため、オン抵抗設定値Bを4.95Ωに維持している。
図21では、図20と同様にオン抵抗設定値Bを4.95Ωに下げて電圧検出値を0.29Vに戻し、その後、電圧設定値を34Vに上げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.59Vに戻している。その結果、アンテナ2Bの電圧検出値が0.29Vから電圧目標範囲外の0.33Vに上昇したので、再びオン抵抗設定値Bを4.95Ωから5.00Ωに上げて(電圧VDACBを下げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.31Vに戻している。
図22では、アンテナ2Bの電圧検出値が電圧目標範囲外の0.33Vに上昇したので、オン抵抗設定値Bを5.00Ωから5.05Ωに上げて(電圧VDACBを下げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.31Vに戻している。アンテナ2Aの電圧検出値も電圧目標範囲外の0.64Vに上昇したので、電圧設定値を33Vから32Vに下げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.61Vに戻している。その結果、アンテナ2Bの電圧検出値は0.31Vから0.29Vに低下したが、電圧目標範囲内であるため、オン抵抗設定値Bを5.05Ωに維持している。
図23では、図22と同様にオン抵抗設定値Bを5.05Ωに上げて電圧検出値を0.31Vに戻し、その後、電圧設定値を32Vに下げて電圧検出値を電圧目標範囲内の0.61Vに戻している。その結果、アンテナ2Bの電圧検出値が0.31Vから電圧目標範囲外の0.27Vに低下したので、再びオン抵抗設定値Bを5.05Ωから5.00Ωに下げて(電圧VDACBを上げて)電圧検出値を電圧目標範囲内の0.29Vに戻している。
これら図20ないし図23の場合、昇圧電圧Vhの変化が比較的小さいので、電圧設定値を単位補正値である1Vだけ変更し、或いはオン抵抗設定値Bを単位補正値である0.05Ωだけ変更することにより、アンテナ電流を電圧目標範囲内に収めることができる。一般には、第1の実施形態と同様に、電圧検出値と電圧目標範囲との間の電圧偏差が大きいほど、電圧設定値またはオン抵抗設定値Bに加算または減算する補正値(単位補正値のn倍)を大きくしてもよい。
図21、図23に示す場合には、昇圧電圧が変化したときに、アンテナ2Bについて2度の電流制御が必要になる。そこで、昇圧電圧の変化が比較的小さい場合には、同一のアンテナ2Bについて複数回に亘り電流フィードバック制御を行う必要がないように、以下の(1)のように動作条件を設定し、或いは以下の(2)に示す順序で制御するとよい。これにより、より短い時間で効率よく全てのアンテナ2A、2Bの電流値を電流目標範囲内に制御できる。
(1)アンテナ2Bについて、オン抵抗設定値Bに単位補正値0.05Ωを加算または減算したときの電圧検出値の変化量をΔV1とし、電圧設定値に単位補正値1Vを減算または加算したときの電圧検出値の変化量をΔV2とする。このとき、|ΔV1+ΔV2|が電流目標範囲の幅(0.32V−0.28V=0.04V)以下になるようにする。その結果、アンテナ2Bの電流制御に続いて、アンテナ2Aの電流制御のために電圧設定値を単位補正値1Vだけ変更しても、アンテナ2Bの電流値は電流目標範囲内に留まる。
(2)キャリア振幅設定アンテナ(アンテナ2A)と電流制限設定アンテナ(アンテナ2B)の両者ともに、電圧検出値が電圧目標範囲から外れた場合、キャリア振幅を設定する電圧設定値の制御を、オン抵抗設定値の制御に優先して実行する。キャリア振幅の設定値を変更すると全てのアンテナの電流が影響を受けるのに対し、オン抵抗設定値を変更しても他のアンテナの電流値は影響を受けないからである。
以上説明したように、本実施形態によれば、アンテナ2A、2Bのフィードバック動作を時分割でそれぞれ独立に実行することにより、アンテナ全体のフィードバック制御を実現できる。その結果、キャリア振幅と電流制限抵抗値の初期設定動作の後、温度変化によるアンテナ特性の変化、昇圧電圧Vhの変化などが生じても、全てのアンテナの電流をそれぞれの電流目標範囲内に制御することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図24ないし図32を参照しながら説明する。スマートエントリーシステムにおける使用では、同時に駆動する複数のアンテナの中で目標電流が最大のアンテナ、すなわち電波強度が最も強いアンテナをキャリア振幅設定アンテナとしている。例えば、携帯機が接近する可能性が高い運転席側ドアのアンテナである。
第3の実施形態について図24ないし図32を参照しながら説明する。スマートエントリーシステムにおける使用では、同時に駆動する複数のアンテナの中で目標電流が最大のアンテナ、すなわち電波強度が最も強いアンテナをキャリア振幅設定アンテナとしている。例えば、携帯機が接近する可能性が高い運転席側ドアのアンテナである。
第1、第2の実施形態では、キャリア振幅設定アンテナが1つの場合を説明した。しかし、実際の使用では、より広範囲に携帯機を探索するため、キャリア振幅設定アンテナが複数必要となる場合も想定される。この場合には、以下のようにしてキャリア振幅設定アンテナを1つに限定し、或いはキャリア振幅設定アンテナの中で電流フィードバック制御を実行するアンテナを1つ定める。
図24ないし図32(図29を除く)は、図1と同様の構成により3つのアンテナ2A、2B、2Cを駆動する場合を示しており、図29は、図1と同様の構成により4つのアンテナ2A、2B、2C、2Dを駆動する場合を示している。シャント抵抗7A〜7Dは、それぞれアンテナ2A〜2Dと直列に接続された電流検出用の抵抗である。
(1)目標電流が最大であってキャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナのうち、インピーダンスが最大のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、それ以外のアンテナを電流制限設定アンテナとする。制御部12は、基準となる電圧設定値によるキャリア信号で各アンテナを順に駆動し、アンテナ電流検出回路4から出力される電圧検出値(電流検出値)が最小となるアンテナを、インピーダンスが最大のアンテナと判定する。
アンテナにキャリア電圧を印加したときに流れる電流は、インピーダンスが大きいアンテナほど小さくなる。そこで、インピーダンスが最大のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとして電圧設定値を制御すれば、電流制限設定アンテナとする他のアンテナについても、電流を制限するようにオン抵抗設定値を制御することにより電流値を電流目標範囲内に制御できる。
図24では、対象となるアンテナ2A、2B、2Cのインピーダンスを比較するため、電圧設定値を基準値36Vに設定し、FB選択信号A、B、Cを順にアクティブにして電圧検出値0.69V、0.64V、0.67Vを得ている。その結果、電圧検出値が最小となるアンテナ2Bをキャリア振幅設定アンテナとし、その他のアンテナ2A、2Cを電流制限設定アンテナとしている。その後、アンテナ2Bの電流制御を優先して実行し、電圧設定値を35Vに設定し、続いてアンテナ2C、2Aの電流制御を実行し、オン抵抗設定値C、Aをそれぞれ0.05Ω、0.10Ωに設定している。アンテナ2C、2Aの電流制御の順序は入れ替えてもよい。
図25では、対象となるアンテナ2A、2Bのインピーダンスを比較するため、電圧設定値を基準値33Vに設定し、FB選択信号A、Bを順にアクティブにして電圧検出値0.62V、0.56Vを得ている。その結果、電圧検出値が小さいアンテナ2Bをキャリア振幅設定アンテナとし、他方のアンテナ2Aおよびアンテナ2A、2Bに比べ目標電流が小さいアンテナ2Cを電流制限設定アンテナとしている。その後、アンテナ2Bの電流制御を優先して実行し、続いてアンテナ2A、2Cの電流制御を実行している。アンテナ2A、2Cの電流制御の順序は入れ替えてもよい。
(2)スマートエントリーシステムからの要請により各アンテナに予め優先順位が付され、優先順位に従いキャリア振幅設定アンテナを定める。例えば、第1優先を運転席側ドアのアンテナ、第2優先を助手席側ドアのアンテナとする。制御部12は、対象となるアンテナが複数ある場合、同時に駆動するアンテナのうち優先順位が最も高いアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、その他のアンテナを電流制限設定アンテナとする。その他のアンテナについて電流フィードバック制御を行わない、すなわち第1優先アンテナの電流制御により設定されたキャリア信号に従うようにしてもよい。
この制御によれば、例えば携帯機を所持する運転者が着座する運転席のドアアンテナを優先してキャリア振幅設定アンテナとすることにより、システム制御を簡素化することができる。
図26では、キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナ2A、2B、2Cの優先順位は1(最高)>2>3(最低)である。そこで、優先順位が最も高いアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナ2B、2Cを電流制限設定アンテナとしている。その後、アンテナ2Aの電流制御を優先して実行し、続いてアンテナ2B、2Cの電流制御を実行している。アンテナ2Cについては、オン抵抗設定値Cを初期設定値0Ωとしたままで検出電圧が電圧目標範囲内となっている。
図27でも、キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナ2A、2B、2Cの優先順位は1(最高)>2>3(最低)である。そこで、優先順位が最も高いアンテナ2Aをキャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナ2B、2Cを電流制限設定アンテナとしている。その後、アンテナ2Aの電流制御を優先して実行し、続いてアンテナ2B、2Cの電流制御を実行している。ただし、アンテナ2Cについては、オン抵抗設定値Cを0Ωに設定しても検出電圧が電圧目標範囲内に入らない。このため、アンテナ2Cは、アンテナ2Aの電流制御により設定されたキャリア信号に従う。
(3)キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナのうち、インピーダンスが最小または中位のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、それ以外のアンテナについては電流制御を行わない(キャリア振幅設定アンテナの電流制御により設定されたキャリア信号に従う)。インピーダンスの検出方法は、上述した(1)と同様である。
インピーダンスが最小のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとすれば、それ以外の対象アンテナについて、電流制御を行うことなく電波の飛び過ぎを防止することができる。また、インピーダンスが中位のアンテナをキャリア振幅設定アンテナとすれば、それ以外の対象アンテナについて、電流制御を行うことなく電波の到達距離を平均化することができる。この場合、インピーダンスが中位値より小さいアンテナについては、電流制限設定アンテナとして制御することも可能である。
図28では、キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナ2A、2Bのインピーダンスを比較するため、電圧設定値を基準値34Vに設定し、FB選択信号A、Bを順にアクティブにして電圧検出値0.65V、0.61Vを得ている。その結果、電圧検出値が大きい(インピーダンスが小さい)アンテナ2Aについて電流フィードバック制御を実行する。他方のアンテナ2Bは、アンテナ2Aの電流制御により設定されたキャリア信号に従う。アンテナ2A、2Bに比べ目標電流が小さいアンテナ2Cは、電流制限設定アンテナとされている。その後、アンテナ2Aの電流制御を実行し、続いてアンテナ2Cの電流制御を実行している。アンテナ2Bの電流制御は実行しない。
図29では、キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナ2A、2B、2Cのインピーダンスを比較するため、電圧設定値を基準値36Vに設定し、FB選択信号A、B、Cを順にアクティブにして電圧検出値0.69V、0.64V、0.66Vを得ている。その結果、電圧検出値が中位(インピーダンスが中位)のアンテナ2Cについて電流フィードバック制御を実行する。その他のアンテナ2A、2Bは、アンテナ2Cの電流制御により設定されたキャリア信号に従う。アンテナ2A、2B、2Cに比べ目標電流が小さいアンテナ2Dは、電流制限設定アンテナとされている。その後、アンテナ2Cの電流制御を実行し、続いてアンテナ2Dの電流制御を実行している。アンテナ2A、2Bの電流制御は実行しない。
図30でも、図29と同様にしてアンテナ2A、2B、2Cのインピーダンスの比較を行い、電圧検出値が中位(インピーダンスが中位)のアンテナ2Cについて電流フィードバック制御を実行する。インピーダンスが中位値より大きいアンテナ2Bは、アンテナ2Cの電流制御により設定されたキャリア信号に従う。インピーダンスが中位値より小さいアンテナ2Aは、電流制限設定アンテナとされている。その後、アンテナ2Cの電流制御を実行し、続いてアンテナ2Aの電流制御を実行している。アンテナ2Bの電流制御は実行しない。
(4)全てのキャリア振幅設定アンテナの電圧検出値が電圧目標範囲に入るまで、電圧設定値を調整する。この方法を用いるときの電圧目標範囲の幅は、電圧設定値を単位補正値(例えば1V)だけ変化させたときに電圧検出値が変化する値の数倍程度の広さが必要である。何れかのキャリア振幅設定アンテナの電圧検出値が電圧目標範囲に入らない場合には、インピーダンスが最小のアンテナから順に電流制限設定アンテナに変更するなどの方法によりキャリア振幅設定アンテナを限定し、電圧設定値を調整する必要がある。
インピーダンスが最小のアンテナから電流制限設定アンテナに変更すれば、電流制限設定アンテナについて電流を制限するようにオン抵抗設定値を制御することにより、当該アンテナの電流値を電流目標範囲内に制御できる。
図31では、キャリア振幅設定アンテナの対象となるアンテナ2A、2B、2Cのインピーダンスを比較するため、電圧設定値を基準値36Vに設定し、電圧検出値0.69V、0.64V、0.67Vを得ている。その後、電圧検出値が最小(インピーダンスが最大)のアンテナ2Bの電圧検出値が、電圧目標範囲内でその下限値(0.57V)に近付くように、FB選択信号Bをアクティブにして電圧設定値を制御する。その結果、電圧設定値が34Vのときに、アンテナ2Bの電圧検出値が0.58Vになる。続いて、アンテナ2A、2Cの電圧検出値が電圧目標範囲(0.57V〜0.63V)内にあることを確認する。
図32でも、図31と同様にしてアンテナ2A、2B、2Cのインピーダンスの比較を行い、電圧検出値が最小(インピーダンスが最大)のアンテナ2Bの電圧検出値を、電圧目標範囲の下限値に近付けている。その結果、インピーダンスが最小のアンテナ2Aの電圧検出値が電圧目標範囲の上限値を超えた(0.65V)ので、アンテナ2Aを電流制限設定アンテナに変更してオン抵抗設定値Aにより電流制御を行っている。アンテナ2Cの電圧検出値は電圧目標範囲内にある。
以上説明したように、図1に示す車両用無線送信回路1に対し本実施形態の制御を適用することにより、キャリア振幅設定アンテナが複数必要となる場合でも、アンテナ全体の電流フィードバック制御を実現できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図33を参照しながら説明する。車両用無線送信回路41は、アンテナ電流検出回路42と制御部43を除き、図1に示した車両用無線送信回路1と同じ構成を備えている。アンテナ電流検出回路42は、何れも5Vの電源電圧で動作するピークホールド回路30、サンプルホールド回路31、コンパレータ44およびDA変換器45から構成されている。この構成は、図1に示すアンテナ電流検出回路4のAD変換器32を、コンパレータ44およびDA変換器45で置き替えたものである。
第4の実施形態について図33を参照しながら説明する。車両用無線送信回路41は、アンテナ電流検出回路42と制御部43を除き、図1に示した車両用無線送信回路1と同じ構成を備えている。アンテナ電流検出回路42は、何れも5Vの電源電圧で動作するピークホールド回路30、サンプルホールド回路31、コンパレータ44およびDA変換器45から構成されている。この構成は、図1に示すアンテナ電流検出回路4のAD変換器32を、コンパレータ44およびDA変換器45で置き替えたものである。
制御部43は、電流フィードバック制御において、DA変換器45に対し、電流目標範囲の上限値に相当する比較電圧設定値と電流目標範囲の下限値に相当する比較電圧設定値とを順に出力する。比較電圧設定値は、本発明で言う基準値に相当する。コンパレータ44は、サンプルホールド回路31の出力電圧と比較電圧設定値とを比較して、制御部43に対し2つの比較信号を出力する。
制御部43は、2つの比較信号に基づいて、電流が電流目標範囲内にあるか否かを判定し、電圧設定値(キャリア振幅設定値)またはオン抵抗設定値(電流制限設定値)を制御する。一例として、制御部43は、アップダウンカウンタを備えており、アンテナ電流が電流目標範囲外を示す比較信号が入力されるとカウント値を増減させ、そのカウント値に従って電圧設定値またはオン抵抗設定値A、Bを決定する。
本実施形態によれば、電流フィードバック制御に際しマイコン等で実現する条件判定が不要となるので、制御部43をより簡易な論理回路(例えばアップダウンカウンタなど)で構成することができる。その他、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図34を参照しながら説明する。車両用無線送信回路46は、アンテナ電流検出回路47と制御部48を除き、図1に示した車両用無線送信回路1と同じ構成を備えている。アンテナ電流検出回路47は、図33に示したアンテナ電流検出回路42に対し、さらにコンパレータ49およびDA変換器50が追加された構成を備えている。コンパレータ44、49は、それぞれ第1、第2コンパレータに相当する。
第5の実施形態について図34を参照しながら説明する。車両用無線送信回路46は、アンテナ電流検出回路47と制御部48を除き、図1に示した車両用無線送信回路1と同じ構成を備えている。アンテナ電流検出回路47は、図33に示したアンテナ電流検出回路42に対し、さらにコンパレータ49およびDA変換器50が追加された構成を備えている。コンパレータ44、49は、それぞれ第1、第2コンパレータに相当する。
制御部48は、制御部43と同様のアップダウンカウンタを備えている。制御部48は、電流フィードバック制御において、DA変換器45に対し第1比較電圧設定値を出力し、DA変換器50に対し第2比較電圧設定値を出力する。第1比較電圧設定値と第2比較電圧設定は、本発明で言う第1、第2基準値に相当し、以下に述べる3つの設定方法がある。
(1)電流目標範囲の上限値に対応して第1比較電圧設定値を定め、電流目標範囲の下限値に対応して第2比較電圧設定値を定める。この場合、コンパレータ44、49から出力される第1比較信号、第2比較信号を、アップダウンカウンタのアップカウント用信号またはダウンカウント用信号とする。
制御部48は、アンテナ2A(キャリア振幅設定アンテナ)の電流制御中に、コンパレータ44からHレベルの第1比較信号を入力するとダウンカウントし、コンパレータ49からHレベルの第2比較信号を入力するとアップカウントする。制御部48は、カウント値に従って電圧設定値を決定する。
制御部48は、アンテナ2B(電流制限設定アンテナ)の電流制御中に、コンパレータ44からHレベルの第1比較信号を入力するとアップカウントし、コンパレータ49からHレベルの第2比較信号を入力するとダウンカウントする。制御部48は、カウント値に従ってオン抵抗設定値Bを決定する。これにより、電流フィードバック制御に際しマイコン等で実現する条件判定が不要となるので、制御部48をより簡易な論理回路で構成することができる。
(2)電流目標範囲の上限値に対応して第1比較電圧設定値を定め、電流目標範囲の上限値に対し所定幅だけ範囲外となる値に対応して第2比較電圧設定値を定める。制御部48は、アンテナ2A(キャリア振幅設定アンテナ)の電流制御中に、Hレベルの第1比較信号とHレベルの第2比較信号を入力するとpカウント(p≧1)だけダウンカウントし、Hレベルの第1比較信号とLレベルの第2比較信号を入力するとqカウント(q>p)だけダウンカウントする。制御部48は、カウント値に従って電圧設定値を決定する。p、qは補正値に相当し、1カウントは単位補正値に相当する。
制御部48は、アンテナ2B(電流制限設定アンテナ)の電流制御中に、Hレベルの第1比較信号とHレベルの第2比較信号を入力するとpカウント(p≧1)だけアップカウントし、Hレベルの第1比較信号とLレベルの第2比較信号を入力するとqカウント(q>p)だけアップカウントする。制御部48は、カウント値に従ってオン抵抗設定値Bを決定する。これにより、電流フィードバック制御の整定までに要する時間を短縮することができる。
(3)電流目標範囲の下限値に対応して第1比較電圧設定値を定め、電流目標範囲の下限値に対し所定幅だけ範囲外となる値に対応して第2比較電圧設定値を定める。この設定方法によっても上述した(2)と同様の作用および効果が得られる。
本実施形態では、2組のコンパレータ44、49を備えたアンテナ電流検出回路47を用いたが、3組以上のコンパレータを備えたアンテナ電流検出回路を用いてもよい。この場合には、補正値であるアップカウント値とダウンカウント値を3段階以上に増やすことができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態について図35および図36を参照しながら説明する。車両用無線送信回路51は、図1に示した車両用無線送信回路1に対し、シャント抵抗7A、7Bをアンテナ2A、2Bのグランド側からFET8A、8B側に移した構成を備えている。平衡度を高めるため、シャント抵抗7A、7Bと同じ抵抗値を持つ抵抗52A、52Bをグランド側に接続している。この抵抗52A、52Bについては、システムにより無くした形態も考えられる。
第6の実施形態について図35および図36を参照しながら説明する。車両用無線送信回路51は、図1に示した車両用無線送信回路1に対し、シャント抵抗7A、7Bをアンテナ2A、2Bのグランド側からFET8A、8B側に移した構成を備えている。平衡度を高めるため、シャント抵抗7A、7Bと同じ抵抗値を持つ抵抗52A、52Bをグランド側に接続している。この抵抗52A、52Bについては、システムにより無くした形態も考えられる。
アンテナ2Aについて、抵抗7Aの両端子とピークホールド回路30の入力端子との間には、検出選択スイッチ53A、54Aが接続されている。検出選択スイッチ53A、54Aは、レベルシフト回路55Aが出力する電圧Vsによりオンオフ動作する。アンテナ2Bについても同様である。ピークホールド回路30は、シングルエンド入力に替えて差動入力の構成を持つが、実質的に同一構成なので同一符号のままとしている。電圧検出値は、シャント抵抗7Aまたは7Bの端子間電圧のpeak to peak値である。
レベルシフト回路55A、55Bは、何れも図36に示す構成を備えている。レベルシフト回路55Aは、FET56、57と抵抗58、59とからなるスイッチ回路を備えており、HレベルのFB選択信号AによりFET56をオンさせて昇圧電圧Vhを電圧Vsとして出力する。レベルシフト回路55Aの出力端子とグランドとの間には抵抗61とFET60とが直列に接続されており、FB選択信号AがLレベルのときに、インバータ62がFET60をオンする。
本実施形態によれば、キャリア信号生成回路3とアンテナ2A、2Bとの間にシャント抵抗7A、7Bを設けたので、シャント抵抗7A、7Bの検出電圧の振幅が大きくなるときでも、その検出電圧波形は歪みのないSin波となる。これにより、検出精度を高めることができる。その他、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態について図37および図38を参照しながら説明する。図37に示す車両用無線送信回路63は、図35に示した車両用無線送信回路51において、アンテナ電流検出回路4をアンテナ電流検出回路64に置き替えた構成を備えている。アンテナ電流検出回路64は、減算回路65、ローパスフィルタ66、サンプルホールド回路31およびAD変換器32の直列回路から構成されている。減算回路65は、昇圧電圧Vhを電源電圧とするオペアンプ67と抵抗68〜71から構成されている。
第7の実施形態について図37および図38を参照しながら説明する。図37に示す車両用無線送信回路63は、図35に示した車両用無線送信回路51において、アンテナ電流検出回路4をアンテナ電流検出回路64に置き替えた構成を備えている。アンテナ電流検出回路64は、減算回路65、ローパスフィルタ66、サンプルホールド回路31およびAD変換器32の直列回路から構成されている。減算回路65は、昇圧電圧Vhを電源電圧とするオペアンプ67と抵抗68〜71から構成されている。
図38に示す車両用無線送信回路72が備えるアンテナ電流検出回路73は、上述したアンテナ電流検出回路64において、減算回路65とローパスフィルタ66との順序を入れ替えた構成を備えている。ローパスフィルタ66a、66bは、それぞれ抵抗68、69の直前に設けられている。
これらのアンテナ電流検出回路64、73は、選択されたシャント抵抗7Aまたは7Bの端子間電圧の平均値をホールドして電圧検出値として出力する。電流フィードバック制御においては、アンテナ電流のピーク値(zero to peak/peak to peak)に限らず平均値(DCレベル)により検出することができる。例えば、フィードバック対象アンテナの変更、設定電流値の変更などの頻度、アンテナ電流が電流目標範囲に入っているかの確認周期など、システムが必要とする時間に適した構成とすることができる。その他、本実施形態によれば、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態について図39を参照しながら説明する。上述した各実施形態のFET8A、8Bは、電流制限回路とアンテナ選択スイッチの機能を兼ねていた。これに対し、本実施形態の車両用無線送信回路74では、FET8A、8Bがアンテナ選択スイッチとして機能し、アンテナ2A、2Bとグランドとの間に設けたFET75A、75Bが電流制限回路として機能する。
第8の実施形態について図39を参照しながら説明する。上述した各実施形態のFET8A、8Bは、電流制限回路とアンテナ選択スイッチの機能を兼ねていた。これに対し、本実施形態の車両用無線送信回路74では、FET8A、8Bがアンテナ選択スイッチとして機能し、アンテナ2A、2Bとグランドとの間に設けたFET75A、75Bが電流制限回路として機能する。
これに伴い、信号生成部76A、76Bは、信号生成部11A、11BからANDゲート18A、18Bを除いた構成とされ、FET8A、8Bは、レベルシフト回路55A、55Bを介して駆動される。FET75A、75Bのゲートには、DA変換器16A、16Bから出力される電圧VDACA、VDACBが直接与えられている。その結果、VDAC選択信号A、Bは用いられない。
本実施形態によれば、電流制限回路とアンテナ選択スイッチとを分離して異なるFET(75A、75B)/(8A、8B)により実現したので、オン抵抗の設定精度を一層高めることができる。その他、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態について図40を参照しながら説明する。車両用無線送信回路77では、アンテナ2A、2Bとグランドとの間に設けられたFET75A、75Bが、電流制限回路およびアンテナ選択スイッチとして動作する。すなわち、図1に示した車両用無線送信回路1において、FET8A、8Bと抵抗7A、7Bとを入れ替えた構成と等価である。FET75A、75Bは、レベルシフト回路10A、10Bを介して駆動される。
第9の実施形態について図40を参照しながら説明する。車両用無線送信回路77では、アンテナ2A、2Bとグランドとの間に設けられたFET75A、75Bが、電流制限回路およびアンテナ選択スイッチとして動作する。すなわち、図1に示した車両用無線送信回路1において、FET8A、8Bと抵抗7A、7Bとを入れ替えた構成と等価である。FET75A、75Bは、レベルシフト回路10A、10Bを介して駆動される。
グランド側に接続されたFET75A、75Bの駆動には電圧VCPほどの高い電圧は不要であるため、電圧VCPに替えて昇圧電圧Vhを用いている。これに伴い、制御部12は、VCP選択信号A、Bに替えてVh選択信号A、Bを出力する。本実施形態によっても、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態について図41を参照しながら説明する。車両用無線送信回路78は、DA変換器16A、16Bの電源電圧に、昇圧電圧Vhよりも高い電圧VCPを用いている。その他の構成は、図1に示した車両用無線送信回路1と同じである。本実施形態によれば、FET8A、8Bのゲート電圧をより高めることができるので、FET8A、8Bのオン抵抗を制御する場合に数百mΩ以下のオン抵抗値まで制御可能となる。本実施形態によっても、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
第10の実施形態について図41を参照しながら説明する。車両用無線送信回路78は、DA変換器16A、16Bの電源電圧に、昇圧電圧Vhよりも高い電圧VCPを用いている。その他の構成は、図1に示した車両用無線送信回路1と同じである。本実施形態によれば、FET8A、8Bのゲート電圧をより高めることができるので、FET8A、8Bのオン抵抗を制御する場合に数百mΩ以下のオン抵抗値まで制御可能となる。本実施形態によっても、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態について図42を参照しながら説明する。車両用無線送信回路79は、チャージポンプ回路6を用いずに、昇圧電源5で生成した昇圧電圧Vhを用いてFET8A、8Bのオン抵抗を制御する。そのためには、Sin波コードを変更して、DA変換器13が出力するキャリア信号の最大振幅を、昇圧電圧Vhよりも数V〜10V程度低い電圧に制限すればよい。その他の構成は、図1に示した車両用無線送信回路1と同じである。本実施形態によれば、電流制限設定アンテナとしてオン抵抗制御する場合に、チャージポンプ回路6を用いることなく数百mΩ以下のオン抵抗値まで実現可能となる。その他、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
第11の実施形態について図42を参照しながら説明する。車両用無線送信回路79は、チャージポンプ回路6を用いずに、昇圧電源5で生成した昇圧電圧Vhを用いてFET8A、8Bのオン抵抗を制御する。そのためには、Sin波コードを変更して、DA変換器13が出力するキャリア信号の最大振幅を、昇圧電圧Vhよりも数V〜10V程度低い電圧に制限すればよい。その他の構成は、図1に示した車両用無線送信回路1と同じである。本実施形態によれば、電流制限設定アンテナとしてオン抵抗制御する場合に、チャージポンプ回路6を用いることなく数百mΩ以下のオン抵抗値まで実現可能となる。その他、第1ないし第3の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
同時に駆動するアンテナが3以上の場合でも、制御部12、43、48は、各アンテナの検出選択スイッチ9または53、54を順にオンすることにより、所定の順序に従ってキャリア振幅設定値および電流制限設定値を制御すればよい。これにより、同時に駆動する全てのアンテナの電流値を順に電流目標範囲内に制御できる。
VCP選択信号A、Bによるアンテナ選択スイッチ(FET8A、8B、75A、75Bの機能)のオン機能を省略してもよい。この場合には、VDAC選択信号A、BをHレベルにし、電圧VDACA、VDACBを十分に高くすることにより、VCP選択信号A、BをHレベルにしたときと実質的に同じ作用を得ることができる。さらに、VDAC選択信号A、Bによるアンテナ選択スイッチのオフ機能を省略してもよい。この場合には、電圧VDACA、VDACBを十分に低くすることにより、VDAC選択信号A、BをLレベルにしたときと実質的に同じ作用を得ることができる。
また、アンテナA、Bの専用回路である信号生成部11A、11B内にあるANDゲート17A、17B、18A、18Bを省略し、制御部12内でANDゲート相当の処理を施したVCP選択ベースバンド信号、VDAC選択ベースバンド信号を受ける構成としてもよい。
第4の実施形態において、DA変換器45に対し、電流目標範囲の上限値に対応した比較電圧設定値と、電流目標範囲の上限値に対し所定幅だけ範囲外となる値に対応した比較電圧設定値を順に出力し、第5の実施形態と同様に比較信号に基づいてカウント値(補正値)を変更してもよい。電流目標範囲の下限値に対しても同様である。
シャント抵抗7A、7Bには、実質的にシャント抵抗と同様に電流検出作用を備える電流検出手段が含まれる。
本発明は、スマートエントリーシステムへの適用に限られない。車両に搭載された複数のアンテナを同時に駆動するシステムに広く適用できる。
本発明は、スマートエントリーシステムへの適用に限られない。車両に搭載された複数のアンテナを同時に駆動するシステムに広く適用できる。
図面中、1、41、46、51、63、72、74、77、78、79は車両用無線送信回路、2A、2Bはアンテナ、3はキャリア信号生成回路、4、42、47、64、73はアンテナ電流検出回路、7A、7Bはシャント抵抗、8A、8B、75A、75BはFET(アンテナ選択スイッチ、電流制限回路)、9A、9B、53A、53B、54A、54Bは検出選択スイッチ、12、43、48は制御部(制御手段)、44、49は第1、第2コンパレータである。
Claims (15)
- 車両に搭載された複数のアンテナ(2A、2B)を同時に駆動可能な車両用無線送信回路であって、
前記複数のアンテナに対し共通に設けられ、キャリア振幅設定値に応じた電圧振幅を持つキャリア信号を生成して出力端子から出力し、当該出力端子と接地電源線との間に接続される前記複数のアンテナに電流を流すキャリア信号生成回路(3)と、
前記複数のアンテナごとに設けられ、前記キャリア信号生成回路の出力端子と前記接地電源線との間に前記アンテナと直列に接続されたシャント抵抗(7A、7B)および電流制限回路(8A、8B、75A、75B)と、
前記各アンテナに対し設けられたシャント抵抗の端子間電圧のうち1つを選択する検出選択スイッチ(9A、9B、53A、53B、54A、54B)と、
前記複数のアンテナに対し共通に設けられ、前記選択されたシャント抵抗の端子間電圧に基づいて電流検出値を出力するアンテナ電流検出回路(4、42、47、64、73)と、
同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナをキャリア振幅設定アンテナとし、当該アンテナに対し設けられた前記検出選択スイッチをオンすることにより得られた前記電流検出値が当該アンテナの電流目標範囲内に入るように前記キャリア振幅設定値をデジタル制御し、前記同時に駆動するアンテナのうち少なくとも1つのアンテナを電流制限設定アンテナとし、当該アンテナに対し設けられた前記検出選択スイッチをオンすることにより得られた前記電流検出値が当該アンテナの電流目標範囲内に入るように前記電流制限回路における電流制限設定値をデジタル制御する制御手段(12、43、48)とを備えたことを特徴とする車両用無線送信回路。 - 前記制御手段は、前記複数のアンテナをそれぞれ前記キャリア振幅設定アンテナまたは前記電流制限設定アンテナとして制御するときの各組み合わせについて、それぞれ各アンテナの電流検出値が所定の電流目標範囲に入るように制御された状態での前記キャリア振幅設定値および前記電流制限設定値を予め記憶し、前記キャリア振幅設定アンテナとして制御するアンテナ、前記電流制限設定アンテナとして制御するアンテナまたはアンテナの電流目標範囲を変更したときに、当該変更後のアンテナの組み合わせおよび電流目標範囲について前記予め記憶されたキャリア振幅設定値および電流制限設定値を用いて制御を開始することを特徴とする請求項1記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、同時に駆動する各アンテナの前記検出選択スイッチを順にオンすることにより、所定の順序に従って前記キャリア振幅設定値および前記電流制限設定値を制御することを特徴とする請求項1または2記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、前記キャリア振幅設定アンテナと前記電流制限設定アンテナについて前記電流検出値が前記電流目標範囲から外れた場合、前記キャリア振幅設定値の制御を前記電流制限設定値の制御に優先して実行することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、前記キャリア振幅設定値と前記電流制限設定値をそれぞれ単位補正値のn倍(n=0、1、2、…)からなる補正値により段階的に変更可能であって、前記電流制限設定アンテナについて、当該アンテナの電流制限設定値に前記単位補正値を加算または減算したときの前記電流検出値の変化量と前記キャリア振幅設定値に前記単位補正値を減算または加算したときの前記電流検出値の変化量とを加算した値の絶対値が、当該アンテナの電流目標範囲の幅以下になるように制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、前記複数のアンテナのうち目標電流が最大のアンテナを前記キャリア振幅設定アンテナとすることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、前記目標電流が最大のアンテナが複数ある場合、当該複数のアンテナのうち、インピーダンスが最大のアンテナを前記キャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナを前記電流制限設定アンテナとすることを特徴とする請求項6記載の車両用無線送信回路。
- 前記複数のアンテナには予め優先順位が付されており、
前記制御手段は、前記目標電流が最大のアンテナが複数ある場合、該複数のアンテナのうち、優先順位の最も高いアンテナを前記キャリア振幅設定アンテナとし、他のアンテナを前記電流制限設定アンテナとしまたは他のアンテナについて電流制御を行わないことを特徴とする請求項6記載の車両用無線送信回路。 - 前記制御手段は、同時に駆動する複数のアンテナを前記キャリア振幅設定アンテナとして制御し、その全てのアンテナについて前記電流検出値を前記電流目標範囲内に入るように前記キャリア振幅設定値を制御できない場合には、インピーダンスが最小のアンテナから順に前記電流制限設定アンテナに切り替えることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記制御手段は、前記電流検出値と前記電流目標範囲との間の電流偏差が大きいほど、前記キャリア振幅設定値または前記電流制限設定値に加算または減算する補正値を大きくすることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記アンテナ電流検出回路(42)は、前記電流検出値と前記制御手段から出力される基準値とを比較して比較信号を出力するコンパレータ(44)を備え、
前記制御手段(43)は、前記電流目標範囲の上限値に相当する基準値を出力したときの前記比較信号と、前記電流目標範囲の下限値に相当する基準値を出力したときの前記比較信号とに基づいて、前記キャリア振幅設定値または前記電流制限設定値を制御することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の車両用無線送信回路。 - 前記アンテナ電流検出回路(47)は、前記電流検出値と前記制御手段から出力される第1、第2基準値とを比較して第1、第2比較信号を出力する第1、第2コンパレータ(44、49)を備え、
前記制御手段(48)は、前記電流目標範囲の上限値または下限値に相当する第1基準値を出力したときの前記第1比較信号と、前記電流目標範囲の上限値または下限値に対し所定幅だけ範囲外となる値に相当する第2基準値を出力したときの前記第2比較信号とに基づいて、前記キャリア振幅設定値または前記電流制限設定値に加算または減算する補正値の大きさを変更することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の車両用無線送信回路。 - 前記アンテナ電流検出回路は、前記選択されたシャント抵抗の端子間電圧のピーク値または平均値をホールドして電流検出値を出力することを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記キャリア信号生成回路の出力端子と前記接地電源線との間に、前記アンテナと直列にアンテナ選択スイッチ(8A、8B、75A、75B)を備えていることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の車両用無線送信回路。
- 前記アンテナ選択スイッチと前記電流制限回路は1つのFET(8A、8B、75A、75B)から構成されており、
前記制御手段は、前記FETのゲート電圧をしきい値電圧よりも低くすることにより前記アンテナ選択スイッチをオフし、前記FETのゲート電圧を制御することにより前記アンテナに流れる電流を制限することを特徴とする請求項14記載の車両用無線送信回路。
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2012
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