JP2014119365A - 空間座標測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気の揺らぎがある環境においても、安価で、高精度に空間座標の測定を行うことが可能な空間座標測定装置を提供する。
【解決手段】 この空間座標測定装置1は、レーザー光源2と、照射角度変更手段3と、受光部5と、制御手段7と、距離測定手段6と、演算手段8とを備える。制御手段7による追尾を停止させた状態で、ターゲットTgまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定するレーザー光変位量測定手段9と、レーザー光変位量測定手段9で測定されたレーザー光の変位量を用いて、演算手段8で演算される空間座標を補正する補正手段10とを設けた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、産業、計測分野において、生産物や建築物、自然物等の物体の空間的座標を測定する空間座標測定装置に関する。
ガイドとなるレーザ光の方向を、2軸のモータで制御し、移動するターゲットに追従させ、ターゲットの空間座標(3次元位置情報)を得るレーザトラッキング技術は古くから知られている。このトラッキング装置(以下「レーザトラッカー」と言う)では、モータにそれぞれ取り付けられた2軸のエンコーダを用いて、移動するターゲットの空間的な方向(角度)を知ることができる。
ターゲットはレトロリフレクタあるいは単にリフレクタと呼ばれるそれぞれ直交する3枚の鏡を使用した反射鏡を用いるのが一般的である。このリフレクタは、どのような場合でも入射した方向に光を返すことができる。また、レーザで距離を測る技術は確立されており、例えば、レーザー干渉計では、数メートルの距離を、ナノメートル単位の分解能で測定することができる。
これらの二つの技術を組み合わせた装置であるレーザトラッカーは、その装置からターゲットまでの距離と空間的な角度を測定し、その装置を基準とした、ターゲットの空間位置を特定することができる。測定は、以下の手順で行う。
(1) 測定対象物の近傍にレーザトラッカーを設置する。
(2) ターゲットを測定対象物に接触させる。
(3) レーザトラッカーからレーザ光をターゲットに向け出射し、ターゲットで反射した光を再び装置で受け取る。このときのエンコーダ値と、レーザ干渉計の値からターゲットの空間座標(3次元位置情報)を得る。
特開平8−82509号公報 特開平10−82610号公報
前記のように3次元空間内の位置情報を容易に測定できるレーザトラッカーであるが、測定場の作業環境から大きな悪影響をうける場合がある。特にエアーコンディショナー等の空気の流れ(以後、「空気の揺らぎ」と表現する)がある環境では、レーザ光の出射方向が曲げられ、測定精度を悪化させる。この問題は従来から知られており、様々な試みが実施されてきた。
従来例を以下に列記する。
(1) レーザ光軸方向に伸縮可能なカバーを設けたり、2枚の平行平板で光路を挟んだりして、外部から光路内への気体の流入を防ぎ、カバー内の空気の流れを停止する(特許文献1)。この例は空気の揺らぎの影響を受けにくい対策ではあるが、測定毎にカバーの位置を変更する必要があり、現実性に欠ける。
(2) 光路近傍に空気流(層流)を送る導風手段を配置し、所定の角度から光路に、温度や湿度を一定に保った空気を送風して、光路内の気体の安定化を図る(特許文献2)。この例では、空気の流れを作るための装置が別途必要であり、高価で、安定性にも不安がある。
(3) 同一のレーザトラッカーを3台用意して、それぞれの装置からターゲットまでの距離のみを測定し、その3点の距離データから三角測量法にて空間位置を特定する。この場合、角度データを使用しないため、空気の揺らぎの影響を受けにくいが、装置が3台必要であるため非常に高価になる。
このように従来技術では、安価で、高精度な測定が望める手法が確立されていない。
この発明の目的は、空気の揺らぎがある環境においても、安価で、高精度に空間座標の測定を行うことが可能な空間座標測定装置を提供することである。
この発明の空間座標測定装置1は、測定物W上に設けられたターゲットTgの空間座標を求める空間座標測定装置であって、
レーザー光Lbを発するレーザー光源2と、このレーザー光源2から発せられたレーザー光Lbの照射角度を変更可能な照射角度変更手段3と、移動する前記ターゲットTgに前記照射角度変更手段3でレーザー光Lbが照射されて前記ターゲットTgで反射されたレーザー光の反射光の位置情報を認識する受光部5と、この受光部5で認識された位置情報に基づき、前記照射角度変更手段3のレーザー光Lbの照射角度を変更させて前記ターゲットTgを追尾する制御手段7と、前記ターゲットTgで反射されたレーザー光の反射光を受光し、前記レーザー光源2の発するレーザー光と受光した反射光とから前記ターゲットTgまでの距離を測定する距離測定手段6と、この距離測定手段6で測定された距離とレーザー光Lbの照射角度とから、前記ターゲットTgの空間座標を演算する演算手段8とを備え、
前記制御手段7による前記追尾を停止させこの停止した状態で、前記ターゲットTgまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、前記受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定するレーザー光変位量測定手段9と、
このレーザー光変位量測定手段9で測定されたレーザー光の変位量を用いて、前記演算手段8で演算される空間座標を補正する補正手段10とを設けたことを特徴とする。
前記「変位量」とは、受光部表面上の受光位置の基準位置に対する移動量である。
この構成によると、レーザー光源2から発せられたレーザー光Lbは、照射角度変更手段3を経由してターゲットTgに到達する。このターゲットTgで反射された反射光は、略同じ経路を通り発光元の空間座標測定装置1に戻る。受光部5は、反射光の位置情報を認識する。制御手段7は、受光部5からの位置情報に基づき、照射角度変更手段3のレーザー光の照射角度を変更させてターゲットTgを追尾する。演算手段8は、距離測定手段6で測定された距離とレーザー光の照射角度とから、ターゲットTgの空間座標を演算する。
前記のように、ターゲットTgの空間座標を演算するが、空気の流れが激しく変動する使用環境では、照射角度の測定値に大きな誤差が発生する。空気の流れ(空気の揺らぎ)が変動すると、空気中に圧力分布が発生し、空気の屈折率が変化して、そこを通過するレーザー光の進行方向が曲げられるためである。
そこで、この発明では、レーザー光変位量測定手段9と補正手段10とを設けている。レーザー光変位量測定手段9は、制御手段7による前記追尾を停止させた状態で、ターゲットTgまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定する。補正手段10は、レーザー光変位量測定手段9で測定されたレーザー光の変位量を用いて、演算手段8で演算される空間座標を補正する。空気の揺らぎがある環境においても、前記のように空間座標を補正することで、カバー等を設けた従来技術のものより、空間座標の測定を安価に且つ高精度に行うことが可能となる。
前記レーザー光変位量測定手段9は、前記受光部5で複数回取得したレーザー光の変位量の平均値を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量としても良い。
空気の揺らぎの影響は不規則に現れるので、制御手段7による前記追尾を停止させた状態で例えばレーザー光の変動を長時間にわたって観察し、この長時間にわたって複数回取得したレーザー光の変位量の平均値を求めることで、空気の揺らぎの影響を「0」に近づけることができる。
前記レーザー光変位量測定手段9により前記受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定すると同時に、前記距離測定手段6により前記ターゲットTgまでの距離を測定する同時測定を複数回行い、前記レーザー光変位量測定手段9は、複数回測定した前記ターゲットTgまでの距離のうち距離が最も短いときのレーザー光の変位量を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量としても良い。
制御手段7による前記追尾を停止させた状態で例えばレーザー光の変動を長時間にわたって観察し、複数回測定した前記ターゲットTgまでの距離のうち距離が最も短いときのレーザー光の変位量、つまり受光部出力を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量とする。空気の揺らぎが発生しているときは、レーザー光が曲げられているときであり、距離測定手段6で測定される距離が僅かに長くなるからである。よって、空気の揺らぎの影響が小さい程、測定される距離が短くなると考えられる。
前記レーザー光源2は、定められた波長以上のレーザー光を発するものとしても良い。空間座標測定装置では、一般的に633nm程度の波長のレーザー光が使用されることが多いが、定められた波長以上(例えば1064nm)のレーザー光を使用すると、屈折による曲がり量が減り、空気の揺らぎの影響を減少できる。
前記受光部5に、空気の揺らぎの変動周波数よりも高い周波数閾値をもつローパスフィルタ回路を設けても良い。空気の揺らぎの発生する周期は、例えば10Hz以下と比較的遅いため、例えば、この周波数よりも僅かに高い周波数閾値をもったローパスフィルタ回路を受光部5に設ける。これにより、空気の揺らぎ以外の要因で発生している信号を完全に除去した測定が可能となり、空気の揺らぎ量がより明確となる。
この発明の空間座標測定装置は、測定物上に設けられたターゲットの空間座標を求める空間座標測定装置であって、レーザー光を発するレーザー光源と、このレーザー光源から発せられたレーザー光の照射角度を変更可能な照射角度変更手段と、移動する前記ターゲットに前記照射角度変更手段でレーザー光が照射されて前記ターゲットで反射されたレーザー光の反射光の位置情報を認識する受光部と、この受光部で認識された位置情報に基づき、前記照射角度変更手段のレーザー光の照射角度を変更させて前記ターゲットを追尾する制御手段と、前記ターゲットで反射されたレーザー光の反射光を受光し、前記レーザー光源の発するレーザー光と受光した反射光とから前記ターゲットまでの距離を測定する距離測定手段と、この距離測定手段で測定された距離とレーザー光の照射角度とから、前記ターゲットの空間座標を演算する演算手段とを備える。さらに前記制御手段による前記追尾を停止させこの停止した状態で、前記ターゲットまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、前記受光部に入射するレーザー光の変位量を測定するレーザー光変位量測定手段と、このレーザー光変位量測定手段で測定されたレーザー光の変位量を用いて、前記演算手段で演算される空間座標を補正する補正手段とを設けたため、空気の揺らぎがある環境においても、安価で、高精度に空間座標の測定を行うことが可能となる。
この発明の第1の実施形態に係る空間座標測定装置の構成を概略示す斜視図である。 同空間座標測定装置の受光部の概略構成を示す図である。 同空間座標測定装置の制御系のブロック図である。 同空間座標測定装置の空間座標の説明図である。 (A)は、同空間座標測定装置の空気の揺らぎ量の取得例を説明する図、(B)は、空気の揺らぎ量の他の取得例を説明する図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。
この実施形態に係る空間座標測定装置は、測定物上に設けられたターゲットの動きに追従し、空間座標を求めるものである。以下の説明は、空間座標測定方法についての説明をも含む。図1に示すように、この例では、ターゲットTgは、測定物W上の一箇所に静止した状態で取り付けられるものである。ターゲットTgとして、例えば、球状のレトロリフレクターが用いられる。
空間座標測定装置1は、主に、レーザー光源2、照射角度変更手段3、角度検出手段4、受光部5、距離測定手段6、制御手段7、演算手段8、レーザー光変位量測定手段9、および補正手段10を有する。レーザー光源2は、長波長のレーザー光Lbを発するものであり、距離測定手段6は、前記ターゲットTgで反射したレーザー光を用いて前記ターゲットTgまでの距離を測定するものである。距離測定手段6として、例えば、干渉計または絶対距離計等から成る測長器が使用される。レーザー光源2および前記測長器は、一体化した機器であるレーザー測長器を構成して例えば筒状のケーシング11の内部に収容される。
照射角度変更手段3は、レーザー光源2から発せられたレーザー光Lbの照射角度を変更可能なものであり、回転体12、θ軸モータ13、ψ軸モータ14、ハーフミラー15、およびミラー16を有する。θ軸モータ13,ψ軸モータ14におけるθ軸,ψ軸は直交する2軸であり、θ軸が筒状のケーシング11の軸心と同心に配置される。回転体12は、ケーシング11の上端部において旋回軸受等を介してこのケーシング11に対し相対的にθ軸回りに角変位可能に構成されている。回転体12は、θ軸モータ13によりケーシング11に対し相対的に回転駆動可能に構成される。例えば、θ軸モータ13のモータ本体が、ケーシング11の上端部に固定され、θ軸モータ13のモータ軸が、図示外の駆動力伝達手段等を介して回転体12に連結される。
回転体12の上端部に、凹形状のフレーム17を介してψ軸モータ14が支持されている。ψ軸モータ14は、その軸心が、θ軸に直交するψ軸に平行となるように配置される。ミラー16は、このψ軸モータ14のモータ軸に角変位可能に取り付けられている。ケーシング11の上端部、回転体12、およびフレーム17には、レーザー光Lbおよび反射光を通す孔が形成されている。
角度検出手段4は、照射角度変更手段3で変更した照射角度を検出して出力するものであり、θ軸エンコーダ18およびψ軸エンコーダ19を有する。θ軸エンコーダ18は、ターゲットTgにおける測定原点からのθ軸回りの検出角度を出力する。ψ軸エンコーダ19は、ターゲットTgにおける測定原点からのψ軸回りの検出角度を出力する。またこの例では、θ軸エンコーダ18はθ軸モータ13に一体に設けられ、ψ軸エンコーダ19はψ軸モータ14に一体に設けられている。
レーザー光源2から発せられたレーザー光Lbは、ハーフミラー15を透過し、ミラー16で反射した後ターゲットTgに到達する。このターゲットTgで反射した反射光は、同じ経路を通り発光元の空間座標測定装置1に戻り、ハーフミラー15で反射され、ケーシング11内の受光部5に到達する。この受光部5は、反射光の位置情報を認識するものであり、例えば、半導体位置検出素子(略称PSD)または4分割フォトダイオード等により構成される。前記反射光の「位置情報」とは、受光部5上での直交するX軸,Y軸の2軸方向におけるレーザースポットの原点Oに対するX,Y座標を言う。制御手段7は、前記受光部5を用いて、この受光部5に到達した反射光が同受光部5の中心に戻るように、照射角度変更手段3のθ軸モータ13,ψ軸モータ14を制御する。
受光部5が、例えば、二次元の半導体位置検出素子から成る場合、受光部表面に到達したレーザースポットにおける受光部表面上の中心位置等の、基準位置Oに対する直交2軸方向(X,Y軸方向)の変位量として、座標(x,y)にて表される電流が得られる。座標(x,y)のxは、受光部表面上のレーザースポットのうちX軸方向の変位量のみを示し、座標(x,y)のyは、受光部表面上のレーザースポットのうちY軸方向の変位量のみを示す。この電流は電圧に変換されて例えばθ軸制御部20(図3)、ψ軸制御部21(図3)に入力される。レーザー光LbがターゲットTgの中心から外れると、受光部表面に到達するレーザースポットは、半導体位置検出素子から外れエラー信号が発生される。多数の空間座標を求めるために測定物W上でターゲットTgを手動または自動的に移動させ、空間座標測定装置1でターゲットTgの動きを追尾させる場合に、前記受光部5からの位置情報により、各ターゲットTgの中心をレーザー光Lbで追尾し得る。後述する追尾制御オフの状態では、ターゲットTgを移動させないものとする。
図2に示すように、受光部5が、例えば、4分割フォトダイオードから成る場合、受光部表面に到達したレーザースポットの投影像の重心位置の変化を計測する。つまり4分割の各領域のフォトダイオードの差動出力から変位を電圧として計測する。フォトダイオードの4分割の各領域の出力(電流値)を受光部表面上の時計回りにA,B,C,Dとすると、受光部表面上の基準位置Oに対する直交2軸方向の変位量のうち、X軸方向の変位が(B+C)−(D+A)として表され、Y軸方向の変位が(A+B)−(C+D)として表される。これらX,Y軸方向の変位は、前記二次元の半導体位置検出素子の場合と同様に、電圧に変換されて例えばθ軸制御部20(図3)、ψ軸制御部21(図3)に入力される。
図1に示すように、空間座標測定装置1に戻った反射光の一部は、ハーフミラー15で反射されずに距離測定手段6に入り、この距離測定手段6は、受光した反射光と、レーザー光源2の投光するレーザー光LbとからターゲットTgまでの距離を測定してこの測定距離を演算手段8に出力する。
図3に示すように、制御手段7は、例えば、θ軸制御部20と、ψ軸制御部21と、θ軸ドライバ22と、ψ軸ドライバ23とを有する。θ軸制御部20、ψ軸制御部21は、例えばマイクロコンピュータやその他の電子機器で構成される。θ軸制御部20、ψ軸制御部21は、それぞれ受光部5からの前記位置情報の信号に基づいて、θ軸ドライバ22,ψ軸ドライバ23に、常に、反射光が受光部中心に戻るように指令する。θ軸モータ13,ψ軸モータ14は、それぞれ指令値に基づいてミラー16(図1)を直交するθ軸,ψ軸回りに角変位させる。
これによりミラーを常に適切な方向に向けてターゲットを追尾する。例えば、θ軸制御部20、ψ軸制御部21には、それぞれ、所定のゲインΚθ、Κψが設定されている。制御手段7は、受光部表面に到達したレーザースポットの位置情報に、Κθ、Κψを用いて、照射角度変更手段3(図1)による照射角度を制御する。
図1に示すように、演算手段8は、距離測定手段6により測定された距離の測定値と、θ軸エンコーダ18,ψ軸エンコーダ19の角度測定値より、ターゲットTgの空間座標(3次元位置情報)を求める。
前記のように、空間座標測定装置1では、水平、垂直方向の角度測定値と、距離測定値から、空間座標を演算により求めるが、空気の流れが激しく変動する使用環境では、角度測定値に大きな誤差が発生する。空気の流れ(空気の揺らぎ)が変動すると、空気中に圧力分布が発生し、空気の屈折率が変化して、そこを通過するレーザー光の進行方向が曲げられるためである。この実施形態ではこの問題を解決するため、空間座標測定装置1にレーザー光変位量測定手段9と補正手段10とを設ける。つまり空間座標測定装置1の測定動作に、空気の揺らぎの影響を検出して補正する工程を追加する。
レーザー光変位量測定手段9は、制御手段7によるターゲットTgの追尾を停止させこの停止した状態で、前記ターゲットTgまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定する。
なお制御手段7によりターゲットTgを追尾するいわゆる追尾制御がオンの状態では、受光部5に入射されるレーザー光が常に受光部中心「0」に戻るようにミラー16の角度を調整する。このため、受光部5で観測される値は常に「0」(a=0、b=0)であり、空気の揺らぎによるレーザー光の変動を確認することはできない。前記「a」,「b」とは、それぞれ受光部5上での直交するX,Y軸の2軸方向におけるレーザースポットの原点に対するX,Y座標である。よって、レーザー光の変動を測定する場合のみ、制御手段7による追尾制御をオフとする必要がある。
図5(A)は、同空間座標測定装置の空気の揺らぎ量の取得例を説明する図である。図1も参照しつつ説明する。レーザー光変位量測定手段9は、例えば、追尾制御をオフとして受光部5で複数回取得したレーザー光の変位量の平均値を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光を変位量とする。空気の揺らぎの影響は不規則に現れるので、追尾制御をオフとした状態でレーザー光の変動を長時間にわたって観察し、この長時間にわたって複数回取得したレーザー光の変位量の平均値を、基準水平方向出力a0および基準垂直方向出力b0と求めることで、空気の揺らぎの影響を「0」に近づけることができる。
図5(B)は、空気の揺らぎ量の他の取得例を説明する図である。追尾制御をオフとしてレーザー光変位量測定手段9により受光部5に入射するレーザー光の変位量を測定すると同時に、距離測定手段6によりターゲットTgまでの距離を測定する同時測定を複数回行い、レーザー光変位量測定手段9は、複数回測定したターゲットTgまでの距離のうち距離が最も短いときのレーザー光の変位量を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量としても良い。距離測定値が最も短いときの受光部出力を、基準水平方向出力a0または基準垂直方向出力b0とする。
制御手段7による追尾制御をオフとした状態で例えばレーザー光の変動を長時間にわたって観察し、複数回測定したターゲットTgまでの距離のうち距離が最も短いときのレーザー光の変位量、つまり受光部出力を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量とする。空気の揺らぎが発生しているときは、レーザー光が曲げられているときであり、距離測定手段6で測定される距離が僅かに長くなるからである。よって、空気の揺らぎの影響が小さい程、測定される距離が短くなると考えられる。
図4は、この空間座標測定装置の空間座標の説明図である。補正手段10は、レーザー光変位量測定手段9で測定されたレーザー光の変位量を用いて、演算手段8で演算される空間座標(水平方向の座標X1,垂直方向の座標Y1,距離方向の座標Z1)を補正する。求めた空間座標のうち水平方向の座標X1、垂直方向の座標Y1は、それぞれa0、b0だけ空気の揺らぎによる誤差を含んでいる。このため、空気の揺らぎによる誤差を補正して真の空間座標であるX,Y,Z座標を求めると、次のように表される。
X=X1+a0
Y=Y1+b0
Z=Z1
ところでレーザー光の進行方向、すなわち空間座標測定装置で距離を測定する方向であるZ軸方向では、空気の揺らぎの影響が、レーザー光の進行方向に垂直な方向(前記X軸またはY軸方向)と比較すると、非常に小さいため、余程の高精度な測定を望まない限りは補正の必要がない。
またレーザー光源2は、定められた波長以上のレーザー光を発するものとしている。空間座標測定装置では、一般的に633nm程度の波長のレーザー光が使用されることが多いが、定められた波長以上(例えば1064nm)のレーザー光を使用すると、屈折による曲がり量が減り、空気の揺らぎの影響を減少できる。
作用効果について説明する。
(1) 制御手段7による追尾制御をオンにしてレーザー光がターゲットTgに到達している状態で、ターゲットTgを測定物W上の測定したい位置に設置(移動)すると、以下のように、ターゲットTgの中心をレーザー光が追尾する。
(2) レーザー光源2から発せられたレーザー光は、照射角度変更手段3を経由してターゲットTgに到達する。このターゲットTgで反射された反射光は、略同じ経路を通り空間座標測定装置1に戻る。受光部5は、反射光の位置情報を認識する。制御手段7は、受光部5からの位置情報に基づき、照射角度変更手段3のレーザー光の照射角度を変更させてターゲットTgを追尾する。すなわち制御手段7は、受光部表面上のレーザースポットが基準位置Oに戻るように、ミラー16を各変位させることで、ターゲットTgの中心をレーザー光が自動的に追尾する。
(3) 演算手段8は、距離測定手段6で測定された距離と、レーザー光の照射角度とから、ターゲットTgの空間座標を取得する。
(4) その後、制御手段7による追尾制御をオフとし、レーザー光変位量測定手段9は、受光部5に入射するレーザー光の動き、つまり受光部出力を測定する。この受光部出力のうち水平方向出力をa、垂直方向出力をbとする。これが空気の揺らぎによるレーザー光の移動量となる。
(5) レーザー光変位量測定手段9は、前記(4)の受光部出力を長時間測定し、空気の揺らぎの影響が小さいときの受光部出力を取得する。このときの水平方向出力aを基準水平方向出力a0、垂直方向出力bを基準垂直方向出力b0とする。測定時のレーザー光の位置は、−a0、−b0だけずれていたことを意味する。
(6) 前記(3)で取得した空間座標(角度、距離値)を演算手段8で演算して空間座標(水平方向の座標X1,垂直方向の座標Y1,距離方向の座標Z1)を求める。
(7) 求めた空間座標のX1、Y1は、それぞれa0、b0だけ空気の揺らぎによる誤差を含んでいるため、補正手段10は、レーザー光変位量測定手段9で測定された受光部出力を用いて、演算手段8で演算される空間座標を補正する。補正後の空間座標であるX,Y,Z座標は、X=X1+a0,Y=Y1+b0,Z=Z1と表される。
以後前記(1)乃至(7)を繰り返す。この場合において、例えば、建築物等の広大な測定物の空間座標を求める場合には、ターゲットTgの異なる位置毎に、空間座標を補正手段10で都度補正する。測定物が大きくなる程、場所によって空気の揺らぎが大きく異なる可能性があり、より精度の高い測定が必要だからである。例えば、生産物等の比較的小さな測定物の空間座標を求める場合には、補正手段10は、レーザー光変位量測定手段9で一度測定して得た補正値と同じ補正値を用いて補正手段10で補正する。場所による空気の揺らぎが影響が小さくなるからである。但し、このような補正に限定されるものではない。
以上説明したように、空気の揺らぎがある環境においても、前記のように空間座標を補正することで、カバー等を設けた従来技術のものより、空間座標の測定を安価に且つ高精度に行うことが可能となる。
他の実施形態として、受光部5に、空気の揺らぎの変動周波数よりも高い周波数閾値をもつローパスフィルタ回路を設けても良い。受光部5の内部にローパスフィルタ回路を設けても良いし、受光部出力をローパスするローパスフィルタ回路としても良い。空気の揺らぎの発生する周期は、例えば10Hz以下と比較的遅いため、例えば、この周波数よりも僅かに高い周波数閾値をもったローパスフィルタ回路を受光部5に設ける。これにより、空気の揺らぎ以外の要因で発生している信号を完全に除去した測定が可能となり、空気の揺らぎ量がより明確となる。
1…空間座標測定装置
2…レーザー光源
3…照射角度変更手段
5…受光部
6…距離測定手段
7…制御手段
8…演算手段
9…レーザー光変位量測定手段
10…補正手段
Tg…ターゲット
W…測定物

Claims (5)

  1. 測定物上に設けられたターゲットの空間座標を求める空間座標測定装置であって、
    レーザー光を発するレーザー光源と、このレーザー光源から発せられたレーザー光の照射角度を変更可能な照射角度変更手段と、移動する前記ターゲットに前記照射角度変更手段でレーザー光が照射されて前記ターゲットで反射されたレーザー光の反射光の位置情報を認識する受光部と、この受光部で認識された位置情報に基づき、前記照射角度変更手段のレーザー光の照射角度を変更させて前記ターゲットを追尾する制御手段と、前記ターゲットで反射されたレーザー光の反射光を受光し、前記レーザー光源の発するレーザー光と受光した反射光とから前記ターゲットまでの距離を測定する距離測定手段と、この距離測定手段で測定された距離とレーザー光の照射角度とから、前記ターゲットの空間座標を演算する演算手段とを備え、
    前記制御手段による前記追尾を停止させこの停止した状態で、前記ターゲットまでの距離および照射角度を求めるときの空気の揺らぎによる、前記受光部に入射するレーザー光の変位量を測定するレーザー光変位量測定手段と、
    このレーザー光変位量測定手段で測定されたレーザー光の変位量を用いて、前記演算手段で演算される空間座標を補正する補正手段と、
    を設けたことを特徴とする空間座標測定装置。
  2. 請求項1記載の空間座標測定装置において、前記レーザー光変位量測定手段は、前記受光部で複数回取得したレーザー光の変位量の平均値を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量とする空間座標測定装置。
  3. 請求項1記載の空間座標測定装置において、前記レーザー光変位量測定手段により前記受光部に入射するレーザー光の変位量を測定すると同時に、前記距離測定手段により前記ターゲットまでの距離を測定する同時測定を複数回行い、前記レーザー光変位量測定手段は、複数回測定した前記ターゲットまでの距離のうち距離が最も短いときのレーザー光の変位量を、空気の揺らぎの影響がない場合のレーザー光の変位量とする空間座標測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空間座標測定装置において、前記レーザー光源は、定められた波長以上のレーザー光を発するものとした空間座標測定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空間座標測定装置において、前記受光部に、空気の揺らぎの変動周波数よりも高い周波数閾値をもつローパスフィルタ回路を設けた空間座標測定装置。
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