JP2014118834A - 内燃機関の失火判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の失火判定装置に関し、筒内圧センサにより検出される筒内圧力に基づいて算出される発熱量を利用した失火判定の精度を良好に向上させることを目的とする。
【解決手段】筒内圧力Pを検出する筒内圧センサ30を備える。筒内圧センサ30の検出値を用いて所定のクランク角期間における筒内の発熱量Qの傾き(変化量)を1サイクル中に複数算出し、1サイクル中に算出した複数の発熱量Qの傾きの最大値と最小値に関して、当該最大値と当該最小値との差分s1が閾値s以下となり、かつ、当該最小値に対する当該最大値の比h1の絶対値が閾値h以下となる場合に、今回のサイクルにて失火が発生したと判定する。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の失火判定装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関の燃焼制御装置が開示されている。この従来の燃焼制御装置は、筒内圧力を検出するための筒内圧センサを備えている。上記燃焼制御装置は、筒内圧センサにより検出される筒内圧力に基づいて点火後の熱発生率qを算出しつつこれを積分することによって発生熱量Qを算出する。そのうえで、上記燃焼制御装置は、所定クランク角期間における発生熱量Qの変化量(つまり変化率)ΔQを算出し、算出した発生熱量の変化率ΔQが所定の判定レベルΔQ0以下である場合に、不完全な燃焼が発生したと判断する。
特開2002−310049号公報 特開2012−82712号公報 特開2010−48171号公報 特開平4−301158号公報 特開2010−144584号公報 特開2009−197672号公報
筒内圧センサの検出値(出力値)には、ノイズが重畳する場合がある。筒内圧波形にノイズが重畳すると、相対圧である筒内圧力の検出値の絶対圧補正を行う際に補正誤差が生じ得る。その結果、筒内圧波形にオフセット成分が含まれることになる。このオフセット成分の影響は、筒内圧力に基づいて算出される筒内の発熱量の変化量にも及んでしまう。したがって、単に発熱量の変化量を用いるだけでは、燃焼と失火との切り分けが困難となる。このことは、特に、通常燃焼と比べて筒内圧力があまり高くならない緩慢な燃焼時(例えば、遅角燃焼時)において顕著となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、筒内圧センサにより検出される筒内圧力に基づいて算出される発熱量を利用した失火判定の精度を良好に向上させることのできる内燃機関の失火判定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の失火判定装置であって、
筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
前記筒内圧センサの検出値を用いて所定のクランク角期間における筒内の発熱量の変化量を1サイクル中に複数算出し、1サイクル中に算出した複数の前記発熱量の変化量の最大値と最小値に関して、当該最大値と当該最小値との第1差分が第1所定値以下となり、かつ、当該最小値に対する当該最大値の第1比の絶対値が第2所定値以下となる場合に、前記発熱量の変化量を算出したサイクルにて失火が発生したと判定する失火判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記失火判定手段は、前記発熱量の変化量の前記最大値および前記最小値のうちの少なくとも一方に所定値以上のノイズが重畳している場合に、前記発熱量の変化量が前記最大値の次に大きな値と、前記発熱量の変化量が前記最小値の次に小さな値との第2差分が前記第1所定値以下となり、かつ、前記最小値の次に小さな前記値に対する、前記最大値の次に大きな前記値の第2比が前記第2所定値となる場合に、前記発熱量の変化量を算出したサイクルにて失火が発生したと判定することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記失火判定手段は、前記第1差分と前記第2差分との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記発熱量の変化量の前記最大値および前記最小値のうちの少なくとも一方に前記所定値以上のノイズが重畳していると判断することを特徴とする。
第1の発明によれば、筒内圧センサの検出値を用いて算出した発熱量の変化量の最大値と最小値との第1差分と第1比とを用いた判定を行うことにより、筒内圧波形にノイズが重畳している場合であっても、燃焼と失火とを正確に切り分けて判定できるようになる。
第2の発明によれば、発熱量の変化量の最大値および最小値のうちの少なくとも一方に所定値以上のノイズが重畳している場合に、第1差分および第2比と比べて上記ノイズの影響を受けにくい第2差分および第2比を利用した判定を行うことにより、失火判定の精度を確保できるようになる。
第3の発明によれば、発熱量の変化量の最大値および最小値のうちの少なくとも一方に所定値以上のノイズが重畳している状況を正確に判定できるようになる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 発熱量Qの波形に含まれるオフセット成分の態様、並びに、当該オフセット成分の発生の有無およびオフセット成分の態様の違いに伴う失火時、遅角燃焼時および通常燃焼時のそれぞれの発熱量Qの波形(熱発生のパターン)を表した図である。 本発明の実施の形態1における発熱量Qの傾きの算出手法を説明するための図である。 発熱量Qの傾きの差分s1と比h1との関係で失火判定領域と燃焼判定領域とを表した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 マイナスオフセット成分が含まれており、かつ、発熱量Qが小刻みに変動するノイズが重畳している失火時の発熱量Qの波形を表した図である。 マイナスオフセット成分が含まれており、かつ、単発的かつ大きなノイズを含むノイズが重畳している失火時の発熱量Qの波形を表した図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 その他の失火判定手法を実現するルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。
図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、火花点火式の内燃機関(一例として、ガソリンエンジン)として構成されている。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。筒内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の吸気ポートには、当該吸気ポートを開閉する吸気弁20が設けられており、排気通路18の排気ポートには、当該排気ポートを開閉する排気弁22が設けられている。また、吸気通路16には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。
内燃機関10の各気筒には、燃焼室14内(筒内)に直接燃料を噴射するための燃料噴射弁26、および、混合気に点火するための点火プラグ28がそれぞれ設けられている。更に、各気筒には、筒内圧力Pを検出するための筒内圧センサ30が組み込まれている。
更に、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力部には、上述した筒内圧センサ30に加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ42等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。また、ECU40の出力部には、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁26および点火プラグ28等の各種アクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力と所定のプログラムとに基づいて上記各種のアクチュエータを駆動することにより、燃料噴射制御および点火制御等の所定のエンジン制御を行うものである。また、ECU40には、筒内圧センサ30の出力信号を、クランク角度θと同期させてAD変換して取得する処理が搭載されている。これにより、AD変換の分解能が許す範囲で、任意のタイミングにおける筒内圧力Pを検出することができる。更に、ECU40は、クランク角度θの位置によって決まる筒内容積Vの値を、クランク角度θに応じて算出する処理が搭載されている。
[実施の形態1における筒内圧センサを利用した失火判定手法]
筒内の発熱量Qは、次のような手法を用いることで、筒内圧センサ30の検出値を用いて算出することができる。すなわち、筒内の熱発生率dQ/dθは、次の(1)式にしたがって算出することができる。そして、この(1)式によって算出される熱発生率dQ/dθをクランク角度θで積分することによって、発熱量Qを算出することができる。
dQ/dθ=1/(κ−1)×(VdP/dθ+PκdV/dθ) ・・・(1)
ただし、上記(1)式において、κは比熱比であり、Vは筒内容積であり、Pは筒内圧センサ30の検出値である。
一般的に、筒内圧センサの検出値(出力値)は相対圧であるため、これを絶対圧化する補正(絶対圧補正)が行われる。筒内圧センサ30の検出値を利用して絶対圧補正を行う手法として、例えば、次の(2)式を利用した手法が知られている。この手法は、断熱過程とみなした圧縮行程において成立するポアソンの関係式(PVκ=一定)を利用して、断熱圧縮行程中の2点の筒内圧力と筒内容積とを用いて絶対圧補正量(誤差)を算出するというものである。
絶対圧補正量=(P κ−P κ)/(V κ−V κ) ・・・(2)
ただし、上記式(2)において、P、Pは吸気弁20が閉弁してから筒内の燃焼開始前の断熱圧縮行程における任意の筒内圧センサ30の検出値であり、V、Vは、P、P検出時の筒内容積である。
筒内圧センサ30の検出値(出力値)には、ノイズが重畳する場合がある。筒内圧波形にノイズが重畳すると、上記のような絶対圧補正に用いるクランク角度における圧力値(P、P)が変化するため、絶対圧補正量に誤差が生ずることとなる。より具体的には、真の筒内圧値Pに対する絶対圧補正での補正誤差をαとした場合、この補正誤差αの影響を反映させた熱発生率dQ/dθは、次の(3)式のように表すことができる。
dQ/dθ=1/(κ−1)×(VdP/dθ+(P+α)κdV/dθ)・・(3)
図2は、発熱量Qの波形に含まれるオフセット成分の態様、並びに、当該オフセット成分の発生の有無およびオフセット成分の態様の違いに伴う失火時、遅角燃焼時および通常燃焼時のそれぞれの発熱量Qの波形(熱発生のパターン)を表した図である。尚、図2は、熱発生の各パターンの傾向の違いを分かり易く表現するために、発熱量Qの変化を簡略化して直線的に表したものである。
図2中の波形A〜Cは、発熱量Qの波形に含まれるオフセット成分の態様をそれぞれ示している。波形Aは、ノイズ重畳による絶対圧補正誤差αが生じていない場合(すなわち、オフセット成分なしの場合)を示したものである。これに対し、筒内圧センサ30の検出値にマイナス側のノイズが重畳し、絶対圧補正量が不足した場合には、波形Bに示すようなプラスオフセット成分が発生し、逆に、プラス側のノイズが重畳した場合には、波形Cに示すようなマイナスオフセット成分が発生する。このことは、上記(3)式を利用した発熱量Qの計算の過程から説明することができる。
すなわち、上記(3)式に示すように、絶対圧補正誤差の影響を受けるのは、(κ/(κ−1)×(P+α)dV/dθ)の項である。ここで、筒内容積Vの波形は、圧縮上死点を頂点として左右対称となる。したがって、筒内圧力Pに絶対圧補正誤差αが含まれている場合には、上記(3)式をクランク角度θで積分することで得られる発熱量Qの波形には、次のようなオフセット成分が含まれることになる。すなわち、発熱量Qの波形のオフセット成分は、圧縮上死点を頂点とした左右対称な波形であって、かつ、頂点が補正誤差αの影響によるオフセット分だけ上下方向にずれた波形であって、かつ、補正誤差αの符号によって波形の向きが異なる波形となる。その結果、絶対圧補正誤差αが発生した場合には、図2中の波形B、Cに示すような態様のオフセット成分が発熱量Qの波形に含まれることになる。
次に図2中の失火時、遅角燃焼時および通常燃焼時のそれぞれにおける発熱量Qの波形D〜Lを、オフセット成分の有無およびその態様の違いを考慮して説明する。尚、遅角燃焼とは、通常燃焼と比べて筒内圧力Pがあまり高くならない緩慢な燃焼の一例となるものである。
図2中に示す波形Dは、オフセット成分が含まれていない状態での失火時の発熱量Qの波形を示したものである。失火時には、オフセット成分が含まれていないと、圧縮上死点の前後においてクランク角度θが進むにつれてほぼ一律に減少していく。これに対し、失火時の波形Eおよび波形Fは、波形Dに対してプラスオフセット成分(波形B)およびマイナスオフセット成分(波形C)がそれぞれ組み合わされたものであるため、図2に示すような傾向の波形となる。
また、図2中に示す波形Gは、オフセット成分が含まれていない状態での遅角燃焼時の発熱量Qの波形を示したものである。波形Gにおける圧縮上死点後のタイミングθ1は、遅角燃焼が開始したタイミングである。このように、遅角燃焼時の燃焼開始タイミングθ1は、後述の通常燃焼時のタイミングθ2よりも遅れたものとなる。このタイミングθ1以前の波形Gは、失火時の波形Dと同様であるが、タイミングθ1において燃焼が開始することで、発熱量Qが上昇し始める(傾きが変化する)。これに対し、失火時の波形Hおよび波形Iは、波形Gに対してプラスオフセット成分(波形B)およびマイナスオフセット成分(波形C)がそれぞれ組み合わされたものであるため、図2に示すような傾向の波形となる。すなわち、これらの波形H、Iに対しても、遅角燃焼の開始の影響による発熱量Qの傾きの変化が表れるようになる。
更に、図2中に示す波形Jは、オフセット成分が含まれていない状態での通常燃焼時の発熱量Qの波形を示したものである。波形Jにおける圧縮上死点直前のタイミングθ2は、通常燃焼が開始したタイミングであり、圧縮上死点後のタイミングθ3は、通常燃焼が終了したタイミングである。このタイミングθ2以前の波形Jは、失火時の波形Dと同様であるが、タイミングθ2において燃焼が開始することで、発熱量Qが大きく上昇し始めることによる発熱量Qの傾きの変化が生じる。また、その後に燃焼が終了するタイミングθ3において、発熱量Qの変化が収まることで、発熱量Qの傾きが再び変化する。これに対し、失火時の波形Kおよび波形Kは、波形Jに対してプラスオフセット成分(波形B)およびマイナスオフセット成分(波形C)がそれぞれ組み合わされたものであるため、図2に示すような傾向の波形となる。すなわち、これらの波形K、Lに対しても、通常燃焼の開始および終了の影響による発熱量Qの傾きの変化が表れるようになる。
ノイズの重畳により筒内圧力Pの絶対圧補正量誤差が発生すると、筒内圧力Pが正しく補正されないため、図2を参照して上述したように、絶対圧補正後の筒内圧力Pを用いて算出される発熱量Qの波形にも誤差(オフセット成分)が生ずることとになる。したがって、所定クランク角期間における発熱量Qの変化量を単に用いるだけでは、燃焼と失火との切り分けが困難となる。このことは、特に、遅角燃焼のように燃焼時の筒内圧力Pがあまり上昇しない燃焼において顕著となる。そこで、本実施形態では、筒内圧センサ30により検出される筒内圧力Pに基づいて算出される発熱量Qを利用して、燃焼と失火とを精度良く切り分けて判定できるようにするために、次のような判定処理を行うようにした。
図3は、本発明の実施の形態1における発熱量Qの傾きの算出手法を説明するための図である。
本実施形態では、先ず、所定のクランク角間隔(ここでは、一例として30°CA)における筒内の発熱量Qの変化量(以下、「発熱量Qの傾き」と称する)を1サイクル中に複数算出するようにした。より具体的には、図3に示すように、所定のクランク角期間(ここでは、一例として、圧縮上死点前60°CAから圧縮上死点後120°CAまでの期間とするが、燃焼の有無および燃焼状態の変化に応じた発熱量Qの変化が表れる燃焼期間およびその前後の所定期間)においてクランク角度で5°CA毎に発熱量Qの傾きが算出される。その結果、図3に示す例では、合計として31点の発熱量Qの傾きが算出されることになる。
そのうえで、本実施形態では、1サイクル中に算出した上記複数の発熱量Qの傾き(変化量)の最大値と最小値とを算出し、算出された最大値と最小値との差分s1が閾値s以下となり、かつ、当該最小値に対する当該最大値の比h1の絶対値が閾値h以下となる場合に、発熱量Qの傾き(変化量)を算出した今回のサイクルにて失火が発生したと判定するようにした。
発熱量Qの傾きの差分s1は、上記のように、発熱量Qの算出を行った所定のクランク角期間内の発熱量Qの傾きの最大値から最小値を引いて得た値である。このため、この差分s1は、最大値および最小値のそれぞれの符号の正負に関係なく必ず正の値となる。一方、発熱量Qの傾きの比h1については、最大値の符号が正となり、最小値の符号が負となるケースが想定されるため、負となることがある。
失火時においても、マイナスオフセット成分もしくはプラスオフセット成分が発熱量Qの波形に含まれている場合であれば、図2中に波形E、Fとして示すように、発熱量Qの傾きに変化が表れる。しかしながら、通常燃焼時には、図2中に波形J〜Lとして示すように、圧縮上死点近傍において、失火時と比べて十分に大きな発熱量Qの傾きの変化が表れる。したがって、発熱量Qの傾きの最大値と最小値との差分s1を算出して閾値sと比較することで、あるサイクルにおける発熱量Qが燃焼時のレベルにあるか否かを判断できるようになる。
その一方で、遅角燃焼時には、通常燃焼時より遅れたタイミング(θ1)において圧縮上死点後に発熱量Qの傾きに変化が表れるが、その変化は、通常燃焼時と比べては緩やかなものとなる。このため、発熱量Qの傾きの最大値と最小値との差分s1だけを用いたのでは、遅角燃焼と失火とを正確に判別することが難しい場合が生じ得る。このため、本実施形態では、この差分s1に加え、発熱量Qの傾きの最大値と最小値との比h1が失火判定に用いられる。
失火時には、オフセット成分が発熱量Qの波形に含まれていない場合には、図2中に波形Dとして示すように、発熱量Qの傾きは概略的には変化しないといえるため、傾きの比h1はほぼ1となる。また、失火時にマイナスオフセット成分もしくはプラスオフセット成分が発熱量Qの波形に含まれている場合であっても、図2中に波形E、Fとして示すように、この場合の発熱量Qの波形は、圧縮上死点を頂点とした左右対称に近いものとなる。すなわち、失火時には、オフセット影響以外で発熱量Qが上昇することはないため、発熱量Qの傾きは、圧縮上死点以降で変化しない。その結果、失火時であれば、発熱量Qの傾きの最大値と最小値とは絶対値においてほぼ一致し、その比h1の絶対値は、ほぼ1となる。より具体的には、傾きの最大値と最小値の符号が同一であれば、その比h1は、ほぼ1となり、最大値が正で最小値が負であれば、その比h1は、ほぼ−1となる。
これに対し、遅角燃焼時には熱発生が生じるため、圧縮上死点後において発熱量Qの傾きがもう一度変化(上昇)する。その結果、傾きの比h1の絶対値は、1よりも大きくなる。より具体的には、傾きの最大値と最小値の符号が同一であれば、その比h1は、1よりも大きくなり、最大値が正で最小値が負であれば、その比h1は、−1よりも小さくなる。したがって、発熱量Qの傾きの最小値に対する最大値の比h1の絶対値を算出して閾値hと比較することで、遅角燃焼と失火とを切り分けることができるようになる。
図4は、発熱量Qの傾きの差分s1と比h1との関係で失火判定領域と燃焼判定領域とを表した図である。
発熱量Qの傾きの差分s1と比h1との関係を用いて、以上説明した本実施形態の手法による判定領域を図示すると、図4に示すような燃焼(遅角燃焼を含む)判定領域と失火判定領域として表すことができる。
図5は、本発明の実施の形態1における失火判定を実現するために、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、内燃機関10のサイクル毎に気筒単位で繰り返し実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、ECU40は、先ず、前提としての所定の失火検出条件が成立したか否かを判定する(ステップ100)。ここでいう失火検出条件は、例えば、フューエルカットの実行中ではないこと、および、所定エンジン回転数以上であること等である。
ECU40は、上記ステップ100において失火検出条件が成立したと判定した場合には、次いで、今回のサイクルにおける上記所定のクランク角期間(例えば、圧縮上死点前60°CAから圧縮上死点後120°CAまでの期間)における筒内圧波形(縦軸が筒内圧力Pで横軸がクランク角度θの波形)を取得する(ステップ102)。より具体的には、本ステップ102では、上記所定のクランク角期間における筒内圧力Pが、クランク角度θで5°CA(一例)毎にクランク角度θと関連づけられたものとして取得される。
次に、ECU40は、既述した手法を用いて、上記のように取得した筒内圧力Pについての絶対圧補正を実施する(ステップ104)。次いで、ECU40は、絶対圧補正後の筒内圧力Pを用いて、既述した手法によって筒内の発熱量Qを算出する(ステップ106)。
次に、ECU40は、上記所定のクランク角期間(例えば、圧縮上死点前60°CAから圧縮上死点後120°CAまでの期間)における発熱量Qの算出値に対して、上記所定のクランク角間隔(例えば、30°CA)における発熱量Qの変化量に相当する発熱量Qの傾きが、算出に用いる筒内圧値をクランク角度で5°CAずつずらしつつ複数算出する(ステップ108)。尚、発熱量Qの傾きを算出する際の上記所定のクランク角間隔は、取得する筒内圧データの間隔(上記では、5°CA)や筒内圧力Pの検出値に重畳するノイズの大きさに応じて、ノイズ影響を受けにくい間隔となるように予め設定されている。
次に、ECU40は、上記のように算出した複数の発熱量Qの傾きの中から最大値と最小値とを選定し、最大値から最小値を減じることによって発熱量Qの傾きの差分s1を算出する(ステップ110)。次いで、ECU40は、算出した発熱量Qの傾きの差分s1が所定の閾値s以下であるか否かを判定する(ステップ112)。
ECU40は、上記ステップ112において発熱量Qの傾きの差分s1が閾値sよりも大きいと判定した場合には、今回のサイクルにおける発熱量Qが燃焼時のレベルにあるとし、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ114)。一方、ECU40は、上記ステップ112において発熱量Qの傾きの差分s1が閾値s以下であると判定した場合には、発熱量Qの傾きの最小値に対する最大値の比h1を算出する(ステップ116)。
次に、ECU40は、算出した発熱量Qの傾きの比h1の絶対値が所定の閾値h以下であるか否かを判定する(ステップ118)。その結果、ECU40は、発熱量Qの傾きの比h1の絶対値が閾値hよりも大きいと判定した場合には、燃焼による熱発生が生じているものと判断し、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ114)。一方、ECU40は、発熱量Qの傾きの比h1の絶対値が閾値h以下であると判定した場合には、既述した理由により、今回のサイクルにおいて失火が発生したと判定する(ステップ120)。
以上説明した図5に示すルーチンによれば、発熱量Qの傾き(変化量)の最大値と最小値との差分s1と比h1とを用いたことにより、筒内圧波形にノイズが重畳している場合であっても、燃焼と失火とを正確に切り分けて判定できるようになる。
また、本実施形態では、発熱量Qの傾き(変化量)は、単にクランク角度θが近い2つの筒内圧値の差分としてではなく、適当なクランク角間隔(30°CAなどの上記所定のクランク角間隔)での筒内圧値の差分として算出される。これにより、ノイズに起因する急峻な発熱量Qの変化の影響を除外できるようになる。
図6は、マイナスオフセット成分が含まれており、かつ、発熱量Qが小刻みに変動するノイズが重畳している失火時の発熱量Qの波形を表した図である。
ノイズが重畳している発熱量Qの波形では、図6中に丸で囲んで示すように、圧縮上死点以降において発熱量Qの変化が数箇所で生じる場合がある。このようなノイズが発熱量Qの波形に重畳している場合において、図9を参照して後述するような熱発生のパターンに基づいて失火検出を行う手法では、実際には失火であっても燃焼であると誤判定されてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態の手法では、発熱量Qの傾き(変化量)の最大値と最小値との差分s1および比h1の大きさを判定しているため、図6に示すようなノイズが重畳している場合であっても、失火を燃焼と誤判定してしまうのを回避できるようになる。
尚、上述した実施の形態1においては、差分s1が前記第1の発明における「第1差分」に、閾値sが前記第1の発明における「第1所定値」に、比h1が前記第1の発明における「第1比」に、閾値hが前記第1の発明における「第2所定値」に、それぞれ相当している。また、ECU40が上記図5に示すルーチンの一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「失火判定手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図7および図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図5に示すルーチンに代えて後述の図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
図7は、マイナスオフセット成分が含まれており、かつ、単発的かつ大きなノイズを含むノイズが重畳している失火時の発熱量Qの波形を表した図である。
図7に示すように、単発的かつ大きなノイズが発熱量Qの波形に重畳する可能性がある。このような単発的かつ大きなノイズが発熱量Qの波形に重畳すると、図7中に丸で囲んで示す部位のように、その影響によって発熱量Qが大きくもしくは小さく算出されることがある。その結果、上記のようなノイズの重畳時には、発熱量Qを用いて算出される傾きの最大値や最小値にもノイズの影響が含まれてしまい、傾きの差分s1とh1とを用いた上述した実施の形態1の手法による失火判定の精度が低下してしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態では、単発的なノイズのような大きなノイズの影響を回避するために、発熱量Qの傾き(変化量)の最大値および最小値のうちの少なくとも一方に所定値以上のノイズが重畳していると判断した場合には、傾きの最大値および最小値ではなく、傾きが2番目に大きい値と2番目に小さい値とを用いて、傾きの差分s2および比h2を算出するようにした。そして、この場合には、この差分s2が上記閾値s以下となり、かつ、この比h2の絶対値が上記閾値h以下となる場合に、今回のサイクルにて失火が発生したと判定するようにした。
図8は、本発明の実施の形態2における失火判定を実現するために、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、図8において、実施の形態1における図5に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ110において発熱量Qの傾きの差分s1を算出した後に、次いで、発熱量Qの傾きの2番目に大きい値と2番目に小さい値との差分s2を算出する(ステップ200)。
次に、ECU40は、差分s1と差分s2との差(s1−s2)が所定の閾値a以下であるか否かを判定する(ステップ202)。本ステップ202で用いる閾値aは、発熱量Qの傾きの差分s1(より具体的には、差分s1を構成する傾きの最大値および最小値のうちの少なくとも一方)が所定値以上のノイズの影響を受けているか否かを判断するための値として予め設定された値である。
上記ステップ202の判定が成立する場合、すなわち、上記の差(s1−s2)が閾値a以下であることで、発熱量Qの傾きの最大値および最小値のうちの何れにも大きなノイズは重畳していないと判断できる場合には、ステップ112〜120の一連の処理が実行される。
一方、上記ステップ202の判定が不成立となる場合、すなわち、上記の差(s1−s2)が閾値aよりも大きいことで、発熱量Qの傾きの最大値および最小値のうちの少なくとも一方に大きなノイズが重畳していると判断できる場合には、ECU40は、次いで、算出した発熱量Qの傾きの差分s2が上記閾値s以下であるか否かを判定する(ステップ204)。
ECU40は、上記ステップ204において発熱量Qの傾きの差分s2が閾値sよりも大きいと判定した場合には、今回のサイクルにおける発熱量Qが燃焼時のレベルにあるとし、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ206)。一方、ECU40は、上記ステップ204において発熱量Qの傾きの差分s2が閾値s以下であると判定した場合には、発熱量Qの傾きの2番目に大きい値と2番目に小さい値との比h2を算出する(ステップ208)。
次に、ECU40は、算出した発熱量Qの傾きの比h2の絶対値が上記閾値h以下であるか否かを判定する(ステップ210)。その結果、ECU40は、発熱量Qの傾きの比h2の絶対値が閾値hよりも大きいと判定した場合には、燃焼による熱発生が生じているものと判断し、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ206)。一方、ECU40は、発熱量Qの傾きの比h2の絶対値が閾値h以下であると判定した場合には、ステップ118での判定と同様の理由により、今回のサイクルにおいて失火が発生したと判定する(ステップ212)。
以上説明した図8に示すルーチンによれば、差分s1と差分s2との差(s1−s2)が閾値aよりも大きいことで傾きの最大値や最小値に大きなノイズが重畳していると判断できる場合には、発熱量Qの傾きの2番目に大きな値と2番目に小さな値とに基づく差分s2および比h2を用いた失火判定が実行される。大きなノイズが単発的に発生したものであった場合には、そのノイズの影響は、発熱量Qの傾きの大きさおよび小ささが2番目の値の方が最大値および最小値よりも受けにくい。このため、このような場合に差分s2および比h2を用いた失火判定を行うようにすることで、失火判定の精度を確保できるようになる。
ところで、上述した実施の形態2においては、差分s1と差分s2との差(s1−s2)が閾値aよりも大きいことで傾きの最大値や最小値に大きなノイズが重畳していると判断できる場合に、発熱量Qの傾きの2番目に大きな値と2番目に小さな値とに基づく差分s2および比h2を用いた失火判定を行うようにしている。しかしながら、大きなノイズが複数箇所で重畳することも考えられる。このような場合には、上述した実施の形態2の手法を応用して次のような失火判定を行うようにしてもよい。すなわち、発熱量Qの傾きの大きさおよび小ささが2番目の差分s2と3番目の差分s3との差(s2−s3)を所定の閾値aと比較する。その結果、この差が閾値aよりも大きい場合には、発熱量Qの傾きの大きさや小ささが2番目の値に大きなノイズが重畳しているものと判断し、3番目の値に基づく差分s3および比h3を用いた失火判定を行うようにする。
尚、上述した実施の形態2においては、差分s2が前記第2の発明における「第2差分」に、比h2が前記第1の発明における「第2比」に、それぞれ相当している。
また、上述した実施の形態2においては、閾値aが前記第3の発明における「第3所定値」に相当している。
その他の失火判定手法.
筒内圧センサにより検出される筒内圧力Pに基づいて算出される発熱量Qを利用した失火を精度よく判定するための手法として、上述した実施の形態1および2において説明した手法以外にも、以下に示すような手法が考えられる。尚、ここでは、図1に示す内燃機関10の構成を利用する判定手法として説明を行うものとする。
失火時、遅角燃焼時および通常燃焼時の発熱量Qの波形のパターン(熱発生のパターン)は、ノイズの重畳に伴うオフセット成分の発生の有無およびオフセット成分の態様の違いによって、図2を参照して既述したように表すことができる。そこで、このような熱発生のパターンの違いを捉えることによって、失火と燃焼とを切り分けて判定するようにしてもよい。
図9は、その他の失火判定手法を実現するために、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、図9において、実施の形態1における図5に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図9に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ106において発熱量Qを算出した後に、次いで、算出した発熱量Qの最大値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップ300)。燃焼時の発熱量Qの最大値は、オフセット成分の影響による発熱量Qのずれ量よりも十分に大きくなる。このため、算出した発熱量Qの最大値が所定値以上である時には、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判断することができる。したがって、ECU40は、ステップ300の判定が成立する場合には、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ302)。
一方、上記ステップ300の判定が不成立となる場合には、ECU40は、ステップ108において発熱量Qの傾き(変化量)を複数算出した後に、発熱量Qの傾きの変化量(差分)Hを複数算出する(ステップ304)。より具体的には、本ステップ304では、上記所定のクランク角期間(例えば、圧縮上死点前60°CAから圧縮上死点後120°CAまでの期間)において複数(図3の例では、合計31点)算出される発熱量Qの傾きに関して、クランク角度θが近い2つの傾きの変化量Hが、クランク角度θを5°CAずつずらしながら算出される。例示すると、圧縮上死点前60°CAでの発熱量Qと圧縮上死点前30°CAでの発熱量Qとを用いて算出される傾きと、圧縮上死点前55°CAでの発熱量Qと圧縮上死点前25°CAでの発熱量Qとを用いて算出される傾きとの変化量Hが算出される。次いで、圧縮上死点前55°CAでの発熱量Qと圧縮上死点前25°CAでの発熱量Qとを用いて算出される傾きと、圧縮上死点前50°CAでの発熱量Qと圧縮上死点前20°CAでの発熱量Qとを用いて算出される傾きとの変化量Hが算出され、以下同様である。
次に、ECU40は、上記ステップ304において複数算出した発熱量Qの傾きの変化量Hのうちで、所定の閾値以上となる変化量Hが2個未満であるか否かを判定する(ステップ306)。その結果、本ステップ306の判定が不成立となる場合には、ECU40は、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定する(ステップ302)。一方、本ステップ306の判定が成立する場合には、ECU40は、次いで、上記閾値以上となる変化量Hが算出されたタイミングが圧縮上死点近傍の所定範囲内であるか否かを判定する(ステップ304)。その結果、ECU40は、本ステップ308の判定が不成立となる場合には、今回のサイクルにおいて燃焼が行われたと判定し(ステップ302)、逆に、本ステップ308の判定が成立する場合には、今回のサイクルにおいて失火が発生したと判定する(ステップ310)。
図2中の熱発生の各パターンに表されるように、燃焼(遅角燃焼を含む)が発生した場合、発熱量Qの波形には、圧縮上死点の近傍において2回以上の発熱量Qの変化が表れる。これに対し、失火時には、オフセット成分以外の影響で発熱量Qが変化することはないため、発熱量Qの変化は、多くて圧縮上死点近傍での1回であり、圧縮上死点以降に傾きが変化することはない。例えば、図2中に波形Fとして示すように、失火時の発熱量Qの波形にマイナスオフセット成分が含まれている場合には、発熱量Qの傾きは、圧縮上死点近傍において負の値から正の値になった後は一定となり、傾きの変化量Hは微小なものとなる。一方、遅角燃焼時には、熱発生が生じるため、圧縮上死点から離れた後に発熱量Qの傾きがもう一度変化する。例えば、遅角燃焼時の発熱量Qの波形にマイナスオフセット成分が含まれている場合には、発熱量Qの傾きは、圧縮上死点近傍において負の値から正の値になった後に、更に大きな正の値に変化する。したがって、上記ステップ306および308の判定がともに成立する場合に、燃焼と切り分けて失火の発生を判定できるようになる。
以上説明した失火判定手法によれば、筒内圧力Pがあまり高くならない緩慢な燃焼時において筒内圧センサ30の検出値にノイズが重畳した場合であっても、熱発生のパターンに基づいて精度の良い失火判定を行えるようになる。
尚、図9に示すルーチンの手法で失火判定を行う場合、ECU40の処理負荷の軽減のために、図2に示すような熱発生のパターンを参考として、発熱量Qの傾き、および発熱量Qの傾きの変化量Hの算出点数を減らすことも可能である。すなわち、圧縮上死点前後の数点での発熱量Qの傾きの変化の推移、および、遅角量に応じた熱発生タイミングを事前に把握しておき、その把握結果に基づいて厳選した区間での発熱量Qの傾きの変化量Hを実機上で算出するようにする。これにより、ノイズの影響によるオフセット成分の発生の有無、および失火と燃焼との切り分けを行えるようになる。
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
18 排気通路
20 吸気弁
22 排気弁
24 スロットルバルブ
26 燃料噴射弁
28 点火プラグ
30 筒内圧センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク角センサ

Claims (3)

  1. 筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサの検出値を用いて所定のクランク角期間における筒内の発熱量の変化量を1サイクル中に複数算出し、1サイクル中に算出した複数の前記発熱量の変化量の最大値と最小値に関して、当該最大値と当該最小値との第1差分が第1所定値以下となり、かつ、当該最小値に対する当該最大値の第1比の絶対値が第2所定値以下となる場合に、前記発熱量の変化量を算出したサイクルにて失火が発生したと判定する失火判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記失火判定手段は、前記発熱量の変化量の前記最大値および前記最小値のうちの少なくとも一方に所定値以上のノイズが重畳している場合に、前記発熱量の変化量が前記最大値の次に大きな値と、前記発熱量の変化量が前記最小値の次に小さな値との第2差分が前記第1所定値以下となり、かつ、前記最小値の次に小さな前記値に対する、前記最大値の次に大きな前記値の第2比が前記第2所定値となる場合に、前記発熱量の変化量を算出したサイクルにて失火が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 前記失火判定手段は、前記第1差分と前記第2差分との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記発熱量の変化量の前記最大値および前記最小値のうちの少なくとも一方に前記所定値以上のノイズが重畳していると判断することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の失火判定装置。
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