JP2014118497A - 生分解性プラスチックの処理方法、堆肥の製造方法、生分解性プラスチック分解促進組成物、及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な設備及びより少ないエネルギーを用いて、生分解性プラスチックを効率的に分解する。
【解決手段】生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含む。
【選択図】図1
【解決手段】生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、生分解性プラスチックの処理方法、堆肥の製造方法、生分解性プラスチック分解促進組成物、及び処理装置に関する。
プラスチックは現代の社会生活においては不可欠なものであるが、近年、廃棄プラスチックが引き起こす環境問題が問題となっている。廃棄プラスチックは従来、大部分が埋め立て又は焼却により処分されてきた。しかしながら、その量の増大とともに処理が困難となっており、各自治体は悩んでいる。処理量を増やす為に焼却炉の増設も検討されているが、設備費の増大のために、中小の自治体には建設が困難である。
プラスチックとしては、主にオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂などが用いられてきた。しかしこれらの樹脂は、自然環境下において分解しないか、又は分解速度が極めて遅い。そのためにこれらの樹脂は、使用後に放置されたり、又は地中に埋められた場合、半永久的に地上又は地中に残存する。
プラスチック廃棄物は、一般に焼却処理されている。しかしながら、燃焼時のプラスチックの熱量は大きいため、炉内が高温となり、焼却炉の劣化が促進される。また、塩化ビニル系樹脂を焼却処理すると、塩化水素系ガスなどの有害ガス及びダイオキシンなどの発生により、大気が汚染される。このように、消費の拡大とともに廃棄物処理が深刻な問題となっている。
このような廃棄プラスチックの処理問題を解決するために、生分解性プラスチックが注目されている。生分解性プラスチックとは、自然界に存在する微生物によって、例えば水及び二酸化炭素へと分解されるプラスチックである。生分解性プラスチックの代表的な例としては、ポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は、例えば、トウモロコシデンプンの発酵により得た乳酸をポリマー化することによって得られる。ポリ乳酸は成形性に優れ、強度もあるため、容器、包装用フィルム、繊維、及び衣類などの、広範囲な用途で用いられる。ポリ乳酸は、プラスチックとして優れた性質を有し、今後更なるコストダウンにより用途の拡大が期待される。
しかしながら、ポリ乳酸のような生分解性プラスチックは微生物によって分解されるものの、生分解性プラスチックを効率的に分解する技術は十分に確立されていなかった。このため、生分解性プラスチックの利用の拡大にともない、生分解性プラスチック廃棄物の有効な処理手段を構築することが求められている。
生分解性プラスチックを分解処理する方法として、微生物によりコンポスト化する方法がある。生分解性プラスチックをコンポスト化する方法として、特許文献1は、生分解性プラスチック袋で収集された生ゴミと生分解性プラスチック袋とを分別し、分別後の生分解性プラスチック袋を主体とする原料を好気性発酵処理する方法を提案している。具体的には、生分解性プラスチック袋は生ゴミなどと比較すると分解が遅いために、特許文献1に記載の方法では、生ゴミと生分解性プラスチック袋とが別々に発酵処理される。生分解性プラスチックの処理方法としては、従来のパドル式発酵槽、及び野積み式発酵を用いた発酵が挙げられている。
特許文献2は、生分解性プラスチックと有機性廃棄物とを混合して好気性発酵処理する方法を提案している。また特許文献2は、コンポスト化装置により生分解性プラスチックを微生物分解する前に、生分解性ポリマーを分解促進剤に浸漬することにより加水分解処理することが記載されている。分解促進剤としては、90〜100℃に加熱された水、塩化ナトリウムのような不揮発性溶質を含有する水、及び塩酸のような酸性物質を添加した水が挙げられている。
特許文献1に記載の方法には、生分解性プラスチックの分解速度が遅いという課題があった。この点について、特許文献2は分解促進剤を用いることにより分解速度を向上させることを提案している。しかしながら特許文献2の記載によれば、いずれの分解促進剤を用いる場合であっても、加水分解を行う際に分解促進剤は100℃前後に加熱され、処理中にもこの温度が維持される。したがって、特許文献2の記載の技術には、分解促進剤を加熱してその温度を維持するために多大なエネルギーを要するという課題、及びこのために二酸化炭素排出量が増加して環境に影響を与えうるという課題があった。
また、特許文献2に記載されているように、塩化ナトリウムのような不揮発性溶質を添加すると、微生物によって分解されない不揮発性溶質がコンポスト中に蓄積する。このため、得られたコンポストを用いた場合にいわゆる塩害により土壌に影響を及ぼしうる可能性があった。さらに、特許文献2に記載されているように、塩酸のような酸性物質を添加すると、コンポストが酸性化するためにコンポスト中の好気性微生物の活性が低下し、生分解性プラスチックの微生物分解が円滑に進行しない可能性があった。さらに、特許文献2に記載の方法では加水分解と微生物分解とを別々の装置が行う必要があり、効率性の低下につながっていた。
本発明は、簡素な設備及びより少ないエネルギーを用いて、生分解性プラスチックを効率的に分解することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の生分解性プラスチックの処理方法は以下の構成を備える。すなわち、
生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含むことを特徴とする。
生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含むことを特徴とする。
また、例えば、本発明の生分解性プラスチックの処理装置は、以下の構成を備える。すなわち、
前記生分解性プラスチックを混合した有機物からなる混合処理物と共に塩基性物質を混合した容器を密封する密封手段と、前記密封手段によって密封された前記容器の内部を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする。
前記生分解性プラスチックを混合した有機物からなる混合処理物と共に塩基性物質を混合した容器を密封する密封手段と、前記密封手段によって密封された前記容器の内部を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする。
簡素な設備及びより少ないエネルギーを用いて、生分解性プラスチックを効率的に分解する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の一実施形態によれば、生分解性プラスチックが微生物分解処理される。より具体的には、生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含む方法によって、生分解性プラスチックは微生物分解処理される。有機物には通常好気性微生物が含まれているため、これらを混合することにより生分解性プラスチックの微生物分解が起こりうる。しかしながら、微生物をさらに添加することも可能である。また、本実施形態に係る方法により、生分解性プラスチックと有機物とが混合された混合処理物を発酵分解することにより、堆肥(コンポスト)を製造することができる。
生分解性プラスチックとは、上述のように微生物により分解されうるプラスチックのことを指す。本実施形態に係る処理方法は、加水分解されうる生分解性プラスチックに対して好適に用いられ、特にエステル系の生分解性プラスチックに対して好適に用いられる。本実施形態に係る処理方法が用いられうる生分解性プラスチックの例としては、ポリ乳酸、ポリコハク酸ブチル、又はポリブチレンアジペート・テレフタレートなどが挙げられる。好適な分解速度向上が得られる点で、生分解性プラスチックがポリ乳酸であることは特に好ましい。
混合される生分解性プラスチックは、破砕されていることが好ましい。具体的には、生分解性プラスチックの平均的な大きさは、1mm以上であってもよく、10mm以上であることが好ましく、また50mm以下であることが好ましい。ここで大きさとは、各破砕片の最大径のことを指す。生分解性プラスチックを破砕することにより、混合された際に生分解性プラスチックが水分及び有機物と接触しやすくなる。このため、アルカリ加水分解及び好気性微生物による発酵分解が円滑に進行し、生分解性プラスチックがより迅速に分解されうる。一方で、本実施形態に係る処理方法によれば、発酵分解とアルカリ加水分解とが同時に行われるため、1mm以上の比較的大きな生分解性プラスチックであっても、分解処理してコンポスト化することが可能である。
有機物としては、微生物による発酵分解が可能であれば特に制限されない。有機物は易分解性であることが好ましく、例えば食堂若しくは一般家庭などから排出される生ごみ、コーヒーかすなどの食物加工残渣、菜種油かすなどの有機肥料、又は、牛ふん若しくは鶏ふんなどの堆肥などが挙げられる。
塩基性物質は、生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、が混合された混合処理物のpHを弱アルカリ性に維持することができる塩基性維持物質であれば特に制限されない。混合が容易となる点で、塩基性物質としては水溶性のものが用いることが好ましい。
塩基性物質の具体的な例としては、例えば水酸化物又は炭酸塩のような、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩などが挙げられる。適度なpHが得られる観点から、塩基性物質としてはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。また、水酸化物を含むアルカリ土類金属の塩は、分解処理により得られたコンポストが、土壌及び生育物に悪影響を与えにくい点でも好ましい。使用する際の安全性及び取り扱いが容易である点を考慮すると、例えば水酸化カルシウムを好適に用いることができる。
混合処理物に添加される塩基性物質の量は、分解が促進される限り特に限定されない。一例として、混合処理物中の有機物の状態や、経済性及び取り扱いやすさなどを考慮して、混合処理物全体に対して5重量%以上20重量%の塩基性物質を有するように、混合処理物を用意することができる。
混合処理物中の生分解性プラスチック及び有機物が分解して有機酸が発生すると、pHが低下して混合処理物の酸性化が進行する。この場合、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解が円滑に進行しないだけではなく、好気性微生物による発酵分解もまた円滑に進行しなくなる。したがって、微生物分解処理中に、混合処理物中のpHを適切に維持することにより、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解及び好気性微生物による発酵分解を促進することができる。好気性微生物による混合処理物の発酵分解は中性から弱アルカリ性の範囲で活発に起こる。また、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解の進行は、混合処理物がアルカリ性である場合に円滑に進行する。これらの観点から、混合時、及び微生物分解処理中において混合処理物は弱アルカリ性であることが好ましい。具体的には、混合処理物のpHは7.5以上であることが好ましく、8.0以上であることがより好ましい。一方で、混合処理物のpHは10.5以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましい。
このように、上述のような塩基性物質を含有する組成物は、生分解性プラスチックを微生物分解する際に添加される生分解性プラスチック分解促進組成物として用いられうる。
生分解性プラスチックのアルカリ加水分解を効率的に促進するためには、混合処理物中のpHを維持するとともに、混合処理物の温度を高温及び高湿度の状態に維持することが好ましい。温度としては50℃以上60℃以下が好ましく、湿度(相対湿度)としては80%以上が好ましい。より好ましくは、発酵により生じる熱によりこのような温度が維持される。
混合処理物中における生分解性プラスチックの量は、混合処理物全体に対して10重量%以上20重量%以下であることが好ましい。生分解性プラスチックの量を10重量%以上とすることは、より多くの生分解性プラスチックを分解することが可能となるために経済的に有利である。一方で、生分解性プラスチックの量を20重量%以下とすることにより、混合処理物中の有機物量が多くなり、好気性微生物の量及び活性が増加するために、生分解性プラスチックの分解速度が向上する。微生物分解中に混合処理物中で好気性微生物が増殖しやすいように、必要に応じて少量の種菌などの補剤を混合処理物に添加してもよい。
また、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解、及び好気性微生物の増殖を効果的に促進するために、混合処理物の含水率を適切に調整することが好ましい。混合処理物の含水率は、混合処理物の状態に応じて、処理容器内部を好気的な環境に維持できるように適宜設定することができる。具体的な一例としては、含水率を30%以上60%以下に調整することができる。
混合処理物は、生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して攪拌することにより得られる。また、微生物分解処理中にも、混合処理物は攪拌される。混合処理物の攪拌は、混合処理物の内部に適量の酸素を供給して混合処理物の好気性環境を保つために、所定のインターバル毎に間歇的に行うことができる。攪拌の頻度は、混合処理物中の生分解性プラスチックと有機物との混合状態、有機物の発酵により変化する処理容器内の温度、酸素濃度、二酸化炭素濃度などのデータを基に総合的に判断して決定することができる。具体的な一例としては、所定時間(例えば2時間)毎に攪拌することができる。
上記の構成によれば、混合処理物中の好気性微生物の活動で発生する発酵熱により、混合処理物中には、高温、高湿度、及び弱アルカリ性の環境が形成される。より具体的には、有機物中に存在する好気性微生物が自然に増殖する。また、好気性微生物による有機物の発酵分解が活発になると発酵熱が発生し、混合処理物の温度が上昇する。また、その際には、混合処理物中に含まれる水分が水蒸気となって蒸発する。さらに混合処理物内には塩基性物質が添加されているため、塩基性物質が混合処理物中の水分と作用することにより、混合処理物のpHが弱アルカリ性に維持される。
このために、混合処理物中における生分解性プラスチックのアルカリ加水分解は速やかに進行し、数平均分子量が10000以下となる程度にまで、生分解性プラスチックは分解される。生分解性プラスチックがオリゴマー又はモノマーにまで分解されると、微生物による発酵分解が始まり、好ましくは最終的に完全に分解される。
高温及び高湿度の環境を維持しうる観点から、密封容器中で微生物分解を行うことは好ましい。密封容器中で微生物分解を行うと、熱が放散しにくいため、温度の維持が容易となる。また、混合処理物中から発生した水蒸気が外部に放散しにくいために、密封容器内部の湿度も上昇する。
このように処理容器内における混合処理物を弱アルカリ性に維持し、かつ好気的な環境を維持することにより、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解が進行する環境を維持しながら、好気性微生物の活動による発酵分解が進行する環境も維持することができる。このような本実施形態に係る処理方法によれば、より低い処理温度で生分解性プラスチックの分解を行うことができ、好ましくはこの処理温度は微生物の活動により得られるため、より少ないエネルギーでの分解処理が可能となる。また、アルカリ加水分解と発酵分解とが同時に進行しうるために、それぞれの分解過程毎に別々の装置を用いて別々の処理を行う必要がない。このように、生分解性プラスチックの化学的分解と生物分解とを単一の処理装置内で実現できるため、設備が簡素となるとともに、生分解性プラスチックの分解処理効率が向上しうる。本実施形態に係る処理方法によれば、例えば、数週間程度の短期間で生分解性プラスチックを分解処理することができる。また、分解処理により、土壌及び生育物に対して悪影響を及ぼしにくい無害なコンポストを得ることができる。
図1,2は、本実施形態に係る処理方法において好ましく用いられる、生分解性プラスチック分解処理装置(以下、本実施形態に係る処理装置と呼ぶ)を表す。図1は、処理装置の内部構造を表す概略図であり、図2は、処理装置の蓋部を開口した場合の内部構造を表す概略図である。
図1,2に示すように、本実施形態に係る処理装置は、処理容器1と攪拌ユニット6〜8とを備える。処理容器1は、生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質とを含む混合処理物を収容(収納)する。そして、処理容器1内において、生分解性プラスチックが分解される。攪拌ユニット6〜8は、処理容器1内に投入された混合処理物を攪拌する。
図2に示すように、処理容器1は、本体容器2と、本体容器2の上方開口部を開閉する蓋部3とを備え、混合処理物が分解される空間を有する。また、処理容器1の内部を保温するために、本体容器2の外周面は断熱材4によって覆い包まれている。蓋部3は、本体容器2の上方開口部に重なり合うように形成されている。本体容器2と蓋部3との間にはヒンジ(不図示)が取り付けられており、蓋部3は本体容器2の上方開口部を開閉することができる。蓋部3の外周部もまた、本体容器2と同様に、断熱材4によって覆い包まれている。
断熱材4の材料は、微生物の活動により発生した発酵熱の放散を最小限に抑え、混合処理物の温度を適切に維持することが可能であれば特に制限はなく、既知の断熱材を使用することができる。断熱材4の材料としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックシート、発泡スチロール、又はポリエチレンフォームなどを使用することが可能である。
処理容器1と外部との間の空気の流通を阻止し、処理容器内の熱及び水分を外部に漏らさないようにするために、蓋部3は、本体容器2の開口部と重なり合う外周部分に、本体容器2と蓋部3との間を密閉する構造を有する。すなわち、蓋部3は、本体容器2の密封手段として機能する。この密閉可能な構造は、例えばゴムなどのシール材5でありうる。本体容器2の開口縁部と接触する蓋部3の外周部分にシール材5を設けることにより、処理容器1の密閉性が確保されうる。このように処理容器1は密閉性を有するため、本実施形態に係る処理容器を用いて生分解性プラスチックを分解処理する場合、混合処理物中の水分は蒸発しても処理容器外に排出されない。このために、本実施形態に係る処理容器は、水分を内部に供給する散水手段を有さなくてもよく、簡素な構造となりうる。
また処理容器1は、混合処理物に対して空気を供給する換気部を有する。換気部を設けることにより、好気性微生物に酸素を供給し、活性を向上させることができる。換気部は、入気路9及び排気路10により構成される。入気路9は処理容器1内に空気を供給し、排気路10は処理容器1から気体を排出する。本実施形態においては、入気路9及び排気路10は蓋部3の側壁部分に配置されている。また、入気路9の入口側には、外部から容器内部へ空気を供給するための送風機11が設けられている。
処理容器1からの水分及び熱の放散を最小限に抑えるために、換気部による処理容器内の換気は所定のインターバル毎に間欠的に行われることが好ましい。また、1回ごとの換気量は、処理容器1の混合処理物を除く残余空間の大きさを大きく超えないことが好ましく、残余空間の大きさよりも少ないことがより好ましい。
上述のように、本実施形態に係る処理装置はさらに、処理容器1内の混合処理物を攪拌する攪拌ユニット6〜8を備える。攪拌ユニットは、駆動回転軸6と、モータ7と、攪拌羽根8とを備える。駆動回転軸は、処理容器の底壁を貫通しており、処理容器1の底壁に配設された軸受け(不図示)により回転自在に固定されている。モータ7は、駆動回転軸6の一方端部に固定されており、モータ7を駆動することにより駆動回転軸6が回転するする。駆動回転軸6にはさらに、駆動回転軸6の径方向に延びる攪拌羽根8が複数取り付けられている。攪拌羽根8は、駆動回転軸6の回転に従い、処理容器1の内部で回転する。攪拌羽根8の回転によって、処理容器1内の混合処理物は所定の頻度で攪拌される。
本実施形態に係る処理装置を用いて分解処理を行う場合の処理を以下に説明する。まず、図2のように処理容器1の蓋部3を開けて、生分解性プラスチック12と、有機物と、塩基性物質13と、を投入する。例えば、分解性プラスチックを混合した有機物を処理容器1内に投入し、次に塩基性物質を投入してもよい。次に、攪拌ユニットを駆動することにより、処理容器1内の生分解性プラスチック12と、有機物と、塩基性物質13と、を混合する。混合は、蓋部3を開けたまま行ってもよいし、蓋部3を閉めてから行ってもよい。そして、蓋部3を閉めたまま、適宜攪拌を行いながら放置することにより、生分解性プラスチック12を分解することができる。
分解処理中には、処理容器1内の状態を監視することが好ましい。例えば、処理混合物の温度、処理混合物のpH、処理容器1内の湿度などを監視してもよい。処理混合物のpHが好ましい範囲を外れた場合、例えば酸性度が高くなった場合には、適宜塩基性物質を追加することができる。また、処理混合物の温度が好ましい範囲を外れた場合には、攪拌間隔を変更してもよい。
また、処理混合物の温度が所定温度より低くなった場合に処理混合物を加熱する加熱部を、処理容器1は備えていてもよい。しかしながら、好ましい実施形態においては、このような加熱部を用いずに、分解処理は行われる。すなわち、好ましい実施形態においては、混合処理物中に生息する好気性微生物による自己発熱作用を利用することにより、混合処理物は60℃前後にまで昇温される。本実施形態に係る処理容器1は分解処理時において換気時以外は密封され、また処理容器1の外周部は断熱構造を有するため、混合処理物を含む処理容器を高温かつ高湿度の状態に維持するために適している。このため、生分解性プラスチックのアルカリ加水分解は、加熱部による加熱なしに円滑に進行しうる。また、このような環境は、アルカリ加水分解により低分子化された生分解性プラスチックの微生物発酵分解を、効率的に促進しうる。
1 処理容器
2 本体容器
3 蓋部
4 断熱材
5 シール材
6 駆動回転軸
7 モータ
8 攪拌羽根
9 入気路
10 排気路
11 送風機
12 生分解性プラスチック
13 塩基性物質
2 本体容器
3 蓋部
4 断熱材
5 シール材
6 駆動回転軸
7 モータ
8 攪拌羽根
9 入気路
10 排気路
11 送風機
12 生分解性プラスチック
13 塩基性物質
Claims (10)
- 生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含むことを特徴とする、生分解性プラスチックの処理方法。
- 前記分解工程において、前記混合により得られた混合物のpHを7.5以上、10.5以下に維持することを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
- 前記微生物分解を密封容器中で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理方法。
- 前記分解工程において、前記密封容器中の前記混合により得られた混合物の温度が50℃以上60℃以下であり、前記密封容器中の相対湿度が80%以上であることを特徴とする、請求項3に記載の処理方法。
- 前記塩基性物質は水酸化カルシウムであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の処理方法。
- 前記分解工程において前記混合により得られた混合物を攪拌することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の処理方法。
- 生分解性プラスチックと、有機物と、塩基性物質と、を混合して前記生分解性プラスチックを微生物分解する分解工程を含むことを特徴とする、堆肥の製造方法。
- 塩基性物質を含有し、生分解性プラスチックを微生物分解する際に添加されることを特徴とする、生分解性プラスチック分解促進組成物。
- 生分解性プラスチックを容器内で分解処理するに当たり、分解処理時には前記容器を密封した状態とし、且つ前記容器内に前記生分解性プラスチックを混合した有機物からなる混合処理物と共に塩基性物質を混合して収納することを特徴とする生分解性プラスチックの処理方法。
- 生分解性プラスチックを分解処理する処理装置であって、
前記生分解性プラスチックを混合した有機物からなる混合処理物と共に塩基性物質を混合した容器を密封する密封手段と、前記密封手段によって密封された前記容器の内部を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする処理装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022167733A (ja) * | 2021-04-22 | 2022-11-04 | 許 淙慶 | 生分解性組成物及び生分解性組成物を含む製品 |
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2012
- 2012-12-17 JP JP2012275076A patent/JP2014118497A/ja active Pending
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