JP2014117645A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より省エネルギーで被処理水を処理し得る水処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の水処理装置は、被処理水が貯留された貯留槽と、前記被処理水を処理する膜モジュールと、前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールに前記被処理水及び気体を供給する供給管と、前記貯留槽及び前記供給管に接続され、前記貯留槽の前記被処理水を前記供給管に送液する液体供給管と、前記供給管に接続され、前記供給管に前記気体を供給する気体供給管と、前記気体供給管に接続され、前記気体供給管を通じて、前記供給管に前記気体を供給する気体供給装置と、を備え、前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽における前記被処理水の水面よりも低い位置にあることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置及び水処理方法に関し、より詳細には、省エネルギーで被処理水を処理することができる水処理装置及び水処理方法に関する。
従来から、高分子水処理膜を備えた水処理装置によって被処理水を精製している。被処理水の精製の一例としては、例えば、河川水及び地下水を除濁すること、工業用水を清澄すること、排水及び汚水を処理すること、海水を淡水化するために前処理すること等が挙げられる。上記高分子水処理膜は、高分子材料からなる中空糸状の多孔質膜(以下「中空糸膜」とも記す)を用いることが多い。なぜなら、中空糸膜は、被処理水に含有される種々の成分を分離しやすいからである。
中空糸膜を用いた水処理装置として、例えば特許文献1(特開2012−176343号公報)に開示される水処理装置が挙げられる。特許文献1の水処理装置は、原水タンク201に第1主配管250の一端が接続される。一方、第1主配管250の他端が膜モジュール300の原水導入側320aに接続される。この第1主配管250は、循環ポンプ202、流量計203、圧力計204、及びエアーオペレーションバルブAV212を備える(特許文献1の図1参照)。
特開2012−176343号公報
しかしながら、上記水処理装置は、それを構成する部品点数が多く、内部構造が複雑であった。また、水処理装置内の多数のポンプを用いて被処理水を循環させるため、被処理水を処理するエネルギー効率が低く、さらなるエネルギー効率の向上が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、より省エネルギーで被処理水を処理し得る水処理装置及び水処理方法を提供することにある。
本発明者らは、当該課題を解決するために、多数の送液ポンプの一部を省くことを検討した。その結果、被処理水の水位差を利用すれば、被処理水を循環させるための送液ポンプを省略することができるとともに、膜モジュールへ圧力を負荷することが可能になりエネルギーを削減し得るという着想を得た。かかる着想に基づき、貯留槽に溜めた被処理水の水面と膜モジュールとの位置関係を検討することにより、以下に示す本発明を完成した。
[1]本発明の水処理装置は、被処理水が貯留された貯留槽と、
前記被処理水を処理する膜モジュールと、
前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールに前記被処理水及び気体を供給する供給管と、
前記貯留槽及び前記供給管に接続され、前記貯留槽の前記被処理水を前記供給管に送液する液体供給管と、
前記供給管に接続され、前記供給管に前記気体を供給する気体供給管と、
前記気体供給管に接続され、前記気体供給管を通じて、前記供給管に前記気体を供給する気体供給装置と、を備え、
前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽における前記被処理水の水面よりも低い位置にあることを特徴とする。
[2]前記被処理水を前記膜モジュールに供給するための被処理水供給ポンプを含まないことが好ましい。
[3]前記膜モジュールを透過した水を貯留する透過水槽をさらに含むことが好ましい。
[4]前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽の下部よりも低い位置にあることが好ましい。
[5]本発明の水処理方法は、貯留槽に貯留された被処理水を、液体供給管を通じて供給管に被処理水を供給する工程と、
気体供給装置から気体供給管を通じて供給管に気体を供給する工程と、
前記被処理水及び前記気体を、前記供給管を通じて膜モジュールに供給する工程と、
前記膜モジュールに内外膜間差圧を負荷することにより、前記被処理水を処理する工程と、を含み、
各前記工程は、前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽における前記被処理水の水面よりも低い状態で実行することを特徴とする。
本発明の水処理装置及び水処理方法は、より省エネルギーで被処理水を処理し得るという優れた効果を示す。
本発明の水処理装置の一例を示す概念図である。 本発明の水処理装置に用いる膜モジュールの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の水処理装置の他の一例を示す概念図である。
<実施形態1>
(水処理装置)
本発明の水処理装置は、図1に示すように、被処理水Xを貯留する貯留槽3と、被処理水を処理する膜モジュール1と、膜モジュール1に接続され、膜モジュール1に被処理水及び気体を供給する供給管9と、貯留槽3及び供給管9に接続され、貯留槽3の被処理水を供給管9に送液する液体供給管7と、供給管9に接続され、供給管9に気体を供給する気体供給管8と、気体供給管8に接続され、気体供給管8を通じて、供給管9に気体を供給する気体供給装置4と、を備え、液体供給管7及び供給管9の接続部分が、貯留槽3における被処理水の水面よりも低い位置にあることを特徴とする。
このように被処理水の水面よりも低い位置に、液体供給管7と供給管9との接続部分を配置することにより、貯留槽3中の被処理水の水位差を利用して、膜モジュール1に被処理水を供給することができる。このため、従来技術で必須部材であった被処理水を供給するためのポンプ(図示せず、以下、「被処理水供給ポンプ」とも記す)を省略し得る。また、供給ポンプを省略することで膜内部へ圧力をかける機構を省略することができる。その結果、外部から吸引できるように吸引ポンプを付加することで必要差圧が大きい場合に圧力を補え、かつ吸引ポンプの制御によって処理流量を制御することが可能になる。
液体供給管7及び供給管9の接続部分は、貯留槽3の下部よりも低い位置にあることが好ましい。このような位置関係にあることにより、貯留槽3中の被処理水の水位差を利用しやすい。ここで、「貯留槽の下部」とは、水処理装置を平面に設置し、当該平面に垂直な面で切断したときの切断面における貯留槽の最下部を意味する。なお、上記の被処理水供給ポンプを省略することは必ずしも必須ではなく、被処理水供給ポンプを設けてもよい。
本発明の水処理装置は、図1に示すように、透過水槽6、逆洗ポンプ5、これらを連結する管等を備えてもよい。また、本発明の水処理装置は、図1には示していないが、生物処理槽、凝集剤処理槽、凝集剤注入手段、薬液槽、薬液注入手段、濃縮水槽、開閉弁、超音波発生装置等を設けてもよい。
本発明の水処理装置を海水淡水化装置として使用する場合、砂ろ過等の除濁処理を行なうことが好ましい。除濁処理を実行することにより、粗い不純物を除去することができる。
図1を参照して本発明の水処理装置を用いた水処理方法を説明する。まず、液体供給管7を通じて、貯留槽3中の被処理水Xを供給管9に供給する。一方、気体供給管8を通じて、気体供給装置4から供給される気体を供給管9に供給する。この供給管9に供給された気体は、被処理水を押し上げて被処理水とともに膜モジュール1に供給される。膜モジュール1に内外膜間差圧を負荷することにより、被処理水中の水が中空糸膜を透過し、被処理水中の浮遊物等が中空糸膜に捕集される。中空糸膜を透過した透過水Aは、透過水槽6に送液される。上記の作業は、液体供給管及び供給管の接続部分が、貯留槽における被処理水の水面よりも低い状態で実行する。内外膜間差圧は、0〜300kPaの透過圧力が好ましく、より好ましくは200kPa以下である。かかる膜間差圧であることにより、実用上要求される透水性能を維持するとともに、長期間安定した透水速度となる。
被処理水は、内圧式で処理してもよいし、外圧式で処理してもよい。内圧式は、中空糸膜の内側に被処理水を供給し、中空糸膜の外側から透過水を取り出す方式である。外圧式は、中空糸膜の外側に被処理水を供給し、中空糸膜の内側から透過水を取り出す方式である。膜面流速をより高く設定し得るという観点から、内圧式で処理することが好ましい。
本発明の水処理装置は、クロスフロー方式で被処理水を処理することが好ましい。クロスフロー方式は、中空糸膜の膜面と被処理水の流れ方向とが実質的に平行であり、中空糸膜の膜面に付着した浮遊物等を剥離して循環させることができる。これにより、中空糸膜の目詰まりを抑制し、被処理水の処理速度が安定する。
中空糸膜に対する被処理水の膜面流速は、定圧ろ過では30分ろ過で透過流束の低下が20%未満となるように膜面流速を設定することが好ましく、定量ろ過では30分ろ過で膜間差圧の上昇が20%未満になるように膜面流速を設定することが好ましい。具体的な膜面流速は、1m/秒以下であることが好ましく、0.9m/秒以下、0.8m/秒以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5m/秒以下である。このような膜面流速で被処理水を処理することにより、中空糸膜面に浮遊物等が付着しても、その浮遊物等を容易に剥離し得る。また、上記の膜面流速でクロスフローを行なうことにより、水処理装置の運転効率を高めることができ、中空糸膜の長寿命化することもできる。
水処理を開始してから一定期間が経過すると、膜モジュール1に浮遊物等が堆積し、膜モジュール1の分離性能が低下する。このときに逆洗を実行する。逆洗は、逆洗ポンプ5を用いて、透過水槽6中の透過水の一部、水道水や工業用用水などの清浄な水等を逆洗水Bとして膜モジュール1に戻すことにより行なう。これにより膜モジュール1に付着した浮遊物等を剥離し、膜モジュールの処理性能を再生することができる。逆洗した後の透過水は、浮遊物等を含むため、フラッシング水Cとして貯留槽3に戻す。このようにして被処理水から浮遊物等を分離して透過水を得る。
逆洗は、定圧ろ過においては、透水性能の低下が20%以上の時に実行することが好ましく、定量ろ過においては、膜間差圧の上昇が20%以上の時に実行することが好ましい。逆洗は、10%以内の膜間差圧の変動で行うことが好ましい。これにより、高圧での逆洗の回数を減らすことができ、中空糸膜を長寿命化し得る。
水処理と逆洗とを切り替えるときに、フラッシング又はドレインを行なってもよいし、水処理を一時停止してもよい。
フラッシングは、貯留槽、各配管、及び膜モジュールに付着した浮遊物等を除去する工程である。中空糸膜の内径よりも大きな浮遊物等が被処理水の循環経路を閉塞することがあるが、この閉塞は、被処理水の供給向きと逆向きにフラッシングすることにより防止することができる。フラッシングは、被処理水を加圧することなく、0.1m/s以上の膜面流速で行なうことが好ましい。フラッシングにより膜モジュール1を通過した水は、フラッシング水Cとして貯留槽3に戻される。
ドレンは、膜モジュールの中空糸膜に残留する浮遊物等を系外に排出する工程である。ドレンは、水処理装置の運転を停止した状態で、膜モジュールを開放し、濃縮液を落下させることにより回収するか、又は膜モジュールを開放した状態で逆洗し、逆洗排水を回収することにより行なう。回収した濃縮水又は逆洗排水は、別途設けたドレン水タンクに貯めてもよい。以下に本発明の水処理装置を構成する各部を説明する。
(貯留槽)
貯留槽3は、被処理水が貯留された槽である。貯留槽3は、膜モジュール1に被処理水を供給するための液体供給管7が接続される。また、貯留槽3は、フラッシング水Cを戻すための管を接続することもある。ここで、貯留槽としては、浄化槽のような2×10m程度のユニット単体又は連結した貯留槽、下水処理場の生物処理槽のような5×50m程度の水槽単体又は連結した貯留槽が挙げられる。
(被処理水)
被処理水は、汚水処理場等の活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場排水、農業排水、生物処理水、海水、井戸水、河川水、湖沼の水等の他、果汁、ミルク等の液状食品であってもよい。被処理水の浮遊物質(SS:Suspended Solids)は、20000未満であることが好ましい。
(膜モジュール)
膜モジュール1は、例えば、図2に示すように、複数本の中空糸膜2と、当該中空糸膜2を収納する筒状のケース10とを備える。この中空糸膜2の外径、長さ、数等は、得ようとする膜モジュールの特性に応じて、適宜調整することができる。中空糸膜2は、所定本数束ねて中空糸膜束としてもよい。中空糸膜束は、ストレート状であることが好ましい。中空糸膜束は、筒状のケース10に合わせて所定の長さに切断してケース内に挿入することが好ましい。
通常、中空糸の内径が細いと「エアが通るときの抵抗」が大きく、「水の循環量」が減る傾向がある。循環量を増やすためには、中空糸膜は大口径であることが好ましく、循環量を増やすことで膜内部での濃縮を避けることができるため、外径が3.6mm〜10mmの大口径の中空糸膜を用いることが好ましい。
筒状のケース10は、金属、プラスチック等の種々の材料を用いることができるが、成型が容易で、機械的強度を確保しやすいという観点から、プラスチックが好ましい。プラスチックとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂等を含むものを挙げられる。
複数本の中空糸膜2の両端面10a、10bは、筒状のケース10内でシール材11を介してシールされる。このシール材11は、例えば、遠心成形によるポッティング等によって形成される。シール材11の材料は、初期の粘性低く、経時的に粘度が増加して硬化し、最終的に所定硬度に硬化する材料であることが好ましく、このような材料としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
膜モジュール1は、貯留槽3及び気体供給装置4の下流側(透過水槽側)に配置される。膜モジュール1は、単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。2以上の膜モジュールを用いる場合、各膜モジュールを直列に接続してもよいし、並列に接続してもよいし、直列と並列を組み合わせてもよい。エネルギー効率を高めるという観点から、膜モジュールは直列に接続することが好ましい。本発明の水処理装置を被処理水の濃縮に用いる場合、膜モジュール1を直列及び並列を組み合わせて接続することが好ましい。
シール材11の間の、筒状のケース側面10a、10bに、一次側(透過水取出側)管口12を配置する。この一次側管口12に、ケース内部と中空糸膜2の外側空間と連通するための透過側管路(図示せず)を接続する。一次側管口12は、2以上配置されていてもよい。また、シール材11よりも端面(片端面又は両端面)の、ケース側面10a、10bに、二次側(原水供給側)管口13を配置する。この二次側管口13に、上述した複数本の中空糸膜2の内側(中空内)空間と連通するための被処理水供給管路(図示せず)を接続する。なお、膜モジュールは、例えば、特開昭62−140607号公報、特開平6−319961号公報、特開2009−183822号公報等に記載されたものを用いてもよい。
(気体供給装置)
気体供給装置4は、気体供給管8及び供給管9を通じて膜モジュール1に気体を供給するためのものである。気体供給装置4は、膜モジュール1の上流側(貯留槽側)又は下流側(透過水槽側)のいずれに接続してもよい。被処理水を膜モジュールに押し上げやすいという観点から、気体供給装置4は、下流側に接続することが好ましく、より好ましくは、気体供給管8に接続することである。
気体供給装置4に接続される気体供給管8は、液体供給管7と供給管9との接続部分に接続される。液体供給管7は、被処理水を送液するための管であり、気体供給管8は、気体供給装置4からの気体を送風するための管である。一方、供給管9は、液体供給管7と気体供給管8とが接続された部分と膜モジュール1との間の管である。液体供給管7から供給管9に被処理水を供給するときの供給圧は、例えば、20kPa以上100kPa以下であることが好ましい。
気体供給装置4によって供給される気体は、例えば空気、圧縮空気、オゾン、窒素、不活性ガス等が挙げられ、中でも、圧縮空気が好ましい。また、気体は、気泡の形態で供給されることが好ましく、より好ましくは、数十μm〜数百μm程度のマイクロバブルの形態で供給されることである。このような形態で供給することにより、膜モジュール1の中空糸膜を効率的に洗浄し得る。気泡の供給方法は、例えば、ステンレス、セラミック、プラスチック、ゴム等に1mm〜数十mm程度の空気吐出孔を開けた散気管を利用する方法がある。気体供給装置4としては、例えばブロア、コンプレッサ、マイクロバブル発生ブロア等が挙げられる。
膜モジュール1に気体を供給するタイミングは、特に限定されず、水処理、逆洗、又はフラッシングのいずれの工程中に行なってもよい。気体を供給する時間は、気泡の大きさによって異なるが、1秒以上、1分以上、好ましくは数秒〜数分であり、常時供給することがより好ましい。ただし、1日24時間のうち12時間以下、8時間以下に低減させることが好ましい。膜モジュール1に導入する気泡は、膜モジュールに導入する原水体積(原水比)に対し、5以下、4以下、2以下、1/2以下の体積で供給することが好ましい。通常、空気量と循環できる水の量との比は、主に、水位差とモジュール前後の配管抵抗、モジュール内流れ抵抗、モジュール内の空気の流れの均一性等に依存する。本発明で使用される膜モジュールでは、空気及び水の分散性を向上させる散気装置のようなものを用いることにより、より少ない空気量でより多くの水を循環させることができる。
(透過水槽)
透過水槽6は、膜モジュール1で処理した透過水Aを貯留するために、膜モジュール1の下流に設けられていることが好ましい。透過水槽6は、膜モジュール1から透過水槽6に透過水を通す管と、透過水槽6から逆洗ポンプ5を介して膜モジュール1に透過水を通す管(以下「逆洗管」とも記す)とが接続されていることが好ましい。逆洗管は、逆洗するときに透過水の一部を膜モジュール1に戻すときに利用する。また、透過水の一部のみならず、系外から逆洗水(例えば、水道水、工業用水等の清浄な水)を引用してもよく、その場合、逆洗水のための水槽は省略することができる。
(被処理水供給ポンプ)
被処理水供給ポンプ(図示せず)は、本発明の水処理装置に必須の部材ではない。本発明の水処理装置は、貯留槽中の被処理水の水位を利用して膜モジュール1に被処理水を供給するからである。被処理水供給ポンプを省略することにより、水処理装置の構造が簡便になり、水処理のエネルギー効率を高め得る。なお、被処理水供給ポンプを用いてもよい。被処理水供給ポンプを設けることにより、膜モジュールに対して、内外膜間差圧及び膜面流速を調整することができる。また、透過水を送液するために被処理水供給ポンプを用いてもよい。被処理水供給ポンプを設ける場合、被処理水供給ポンプは、膜モジュールの上流(貯留槽側)又は下流(透過水槽側)のいずれに設けてもよいが、液体供給管7に設けることが好ましい。
被処理水供給ポンプは、被処理水を膜モジュールに送液し得るものであれば特に限定されず、例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプ等を用いることができる。
(逆洗ポンプ)
逆洗ポンプ5は、逆洗時に透過水を膜モジュール1に供給し、膜モジュール1の外内膜間差圧を負荷するためのポンプである。逆洗ポンプ5は、膜モジュール1に空気を供給してもよい。逆洗時の外内膜間差圧は、特に限定されず、水処理運転時の膜モジュールへの加圧と同等以上の圧力であることが好ましい。また、逆洗の処理時間は短いほど好ましい。例えば、逆洗時の外内膜間差圧は、10〜300kPaであることが好ましく、短時間で分離性能を回復させるという観点からは、100kPa程度以上、150kPa程度以上がより好ましい。逆洗の継続時間及び間隔は、特に限定されるものではなく、被処理水の種類、濁度等によって適宜調整することができる。逆洗ポンプ5は、上述の被処理水供給ポンプで例示したものと同様のものを用いる。逆洗は、逆洗ポンプ5を用いずに、透過水槽に貯留した透過水の水位を利用して行ってもよい。
(薬液)
逆洗時に膜モジュールに薬液を供給してもよい。薬液は、当該分野で通常のものを使用することができ、例えば、有機酸、無機酸、アルカリ水溶液、洗剤、界面活性剤、アルコール等の有機溶媒等が挙げられる。逆洗時に薬液を供給することにより、逆洗における加圧によって中空糸膜の孔内までも薬液で洗浄し得る。さらに、逆洗用ポンプをそのまま薬液洗浄に利用することができるため、新たな設備又は配管を設けなくてもよいというメリットもある。
(超音波発生装置)
超音波発生装置(図示せず)は、膜モジュール1の中空糸膜に付着した浮遊物等を剥離するために設ける。超音波発生装置は、膜モジュール1のみに超音波が照射されるように配置することが好ましい。超音波は、十数kHz〜数GHz程度の周波数のものであればよい。超音波の照射は、水処理、逆洗、フラッシング等の処理中又はその間に行なってもよい。超音波は、連続して照射してもよいし、間欠的に照射してもよい。
<実施形態2>
図3は、実施形態2の水処理装置の一例を示す概念図である。本実施形態の水処理装置は、図3に示すように、実施形態1のそれに対し、濃縮槽14を設けることが異なる他は、実施形態1のそれと同一である。実施形態1の水処理装置は、逆洗時に濃縮された被処理水(濃縮水D)を貯留槽3に戻していたが、本実施形態の水処理装置は、濃縮水Dを貯留槽3に戻すことなく、濃縮槽14で回収し得る。本実施形態の水処理装置は、果汁、ミルク等の液状食品を濃縮することに好適に用いられる。
本発明は、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製等のために使用される水処理装置として、広範に利用することができ、経済的かつ効率的な水処理を行なうことができる。
1 膜モジュール
2 中空糸膜
3 貯留槽
4 気体供給装置
5 逆洗ポンプ
6 透過水槽
7 液体供給管
8 気体供給管
9 供給管
10 ケース
10a ケース側面
11 シール材
12 一次側管口
13 二次側管口
14 濃縮槽
A 透過水
B 逆洗水
C フラッシング水
D 濃縮水
X 被処理水

Claims (5)

  1. 被処理水が貯留された貯留槽と、
    前記被処理水を処理する膜モジュールと、
    前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールに前記被処理水及び気体を供給する供給管と、
    前記貯留槽及び前記供給管に接続され、前記貯留槽の前記被処理水を前記供給管に送液する液体供給管と、
    前記供給管に接続され、前記供給管に前記気体を供給する気体供給管と、
    前記気体供給管に接続され、前記気体供給管を通じて、前記供給管に前記気体を供給する気体供給装置と、を備え、
    前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽における前記被処理水の水面よりも低い位置にあることを特徴とする水処理装置。
  2. 前記被処理水を前記膜モジュールに供給するための被処理水供給ポンプを含まない請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記膜モジュールを透過した水を貯留する透過水槽をさらに含む請求項1又は2に記載の水処理装置。
  4. 前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽の下部よりも低い位置にある請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 貯留槽に貯留された被処理水を、液体供給管を通じて供給管に被処理水を供給する工程と、
    気体供給装置から気体供給管を通じて供給管に気体を供給する工程と、
    前記被処理水及び前記気体を、前記供給管を通じて膜モジュールに供給する工程と、
    前記膜モジュールに内外膜間差圧を負荷することにより、前記被処理水を処理する工程と、を含み、
    各前記工程は、前記液体供給管及び前記供給管の接続部分が、前記貯留槽における前記被処理水の水面よりも低い状態で実行することを特徴とする水処理方法。
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