JP2014117443A - 赤外放射温度計のプローブ及び赤外放射温度計 - Google Patents

赤外放射温度計のプローブ及び赤外放射温度計 Download PDF

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Abstract

【課題】外耳道にプローブを挿入して使用する赤外放射温度計において、継続的にかつ高精度に体温を測定すること。
【解決手段】赤外放射温度計のプローブ5を温度差センサと、前記温度差センサの測定面17a側に設けられ、外耳道に挿入される導光部材18と、導光部材18を加熱する導光部材側発熱体20と、導光部材18の温度を測定する導光部材温度センサ22と、前記温度差センサの測定面17a以外の部分の温度を測定する温度差センサ温度センサ23と、を有するものとする。
【選択図】図4

Description

本発明は、赤外放射温度計のプローブ及び赤外放射温度計に関する。
特に人体の体温を迅速・簡便に測定する体温計として、赤外放射温度計が知られている。一般的な赤外放射温度計は、外耳道にプローブを挿入し、鼓膜からの放射光をサーモパイル或いは焦電センサ等の温度差センサまで導き、その温度変化を計測することにより鼓膜温を体温として求めるものである。
特許文献1には、焦電センサを用いた赤外放射温度計において、外耳道に挿入するプローブをヒータで加熱し、外耳の温度の低下を防止するものが記載されている。同文献には、かかるヒータの温度を温度検出手段により検出し、加熱量を制御することが記載されている。
特許文献2には、サーモパイルを用いた赤外放射温度計において、サーモパイルを内部に収容した金属缶パッケージを加熱し、鼓膜とサーモパイルの温度が等しくなった時点を検出することにより体温を測定するものが記載されている。
特開2000−225096号公報 特許第3175775号公報
赤外放射温度計は、測定対象の表面からの赤外放射のエネルギーをセンサとの温度差として取り出すことにより、測定対象の温度を求めるものである。このとき、測定対象の表面から放射されるエネルギーは、測定対象それ自体からの熱放射によるものと、周囲の物体表面から放射された放射光が測定対象の表面で反射されることによるものとの和となる。
例えば、図1に示すように、温度差センサ1により、測定対象2の温度Tを測定する場合を考える。そして、測定対象2の近傍に温度Tである物体3があるとする。このとき、温度差センサ1に入光する放射光のエネルギーEは、測定対象2の放射率をεとすると、
E=εkT +(1−ε)kT ・・・(1)
となる。ここで、kは定数、(1−ε)は測定対象2の反射率である。
上式は、測定対象2の近傍にある物体3の温度Tが、測定対象2の温度Tと異なっている場合には、測定対象2の放射率ε及び物体3の温度Tを加味した補正をしなければ正確な測定対象2の温度Tが得られないことを意味している。
ここで、外耳道にプローブを挿入する赤外放射温度計について考えると、鼓膜からの放射光を温度差センサに導くため、例えば金属製の筒など赤外光を反射する導光部材が温度差センサの前に設けられる。かかる導光部材の温度は通常、体温とは異なっており、また測定時には測定対象である鼓膜の近傍に配置されることから、図1に示した物体3としてふるまうこととなり、測定結果に影響を及ぼす。
このとき、一般的な赤外放射温度計のように、体温を一度だけ測定すれば足りる用途であれば、導光部材の温度は測定中においてもおおむね室温のままであると考えられるため、適当な補正をすることも可能である。しかしながら、例えば入院中或いは手術中の患者の体温をモニターするために赤外放射温度計を使用しようとすると、プローブは長時間患者の外耳道に挿入されたままとなることから、徐々にその温度は患者の体温に近づき変化していき、また、導光部材自体の温度分布も不均一となるため、適正な補正ができず、正確な体温を測定することが困難である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、外耳道にプローブを挿入して使用する赤外放射温度計において、継続的にかつ高精度に体温を測定することである。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
(1)温度差センサと、前記温度差センサの測定面側に設けられ、外耳道に挿入される導光部材と、前記導光部材を加熱する導光部材側発熱体と、前記導光部材の温度を測定する導光部材温度センサと、前記温度差センサの前記測定面以外の部分の温度を測定する温度差センサ温度センサと、を有する赤外放射温度計のプローブ。
(2)(1)において、前記導光部材側発熱体及び前記導光部材温度センサは前記導光部材の外周面に配置される赤外放射温度計のプローブ。
(3)(2)において、前記導光部材側発熱体及び前記導光部材温度センサは共通のフレキシブルプリント基板上に実装される赤外放射温度計のプローブ。
(4)(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記温度差センサを加熱する温度差センサ側発熱体を有する赤外放射温度計のプローブ。
(5)(3)において、前記導光部材側発熱体、前記導光部材温度センサ、前記温度差センサ側発熱体及び前記温度差センサ温度センサは前記共通のフレキシブルプリント基板上に実装される赤外放射温度計のプローブ。
(6)(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記導光部材側発熱体は、前記導光部材の長手方向について、独立に発熱量を制御可能な複数のグループからなり、前記導光部材温度センサは、少なくとも前記グループと同数設けられ、前記導光部材の長手方向について、前記グループのそれぞれと対応する位置の温度を測定する赤外放射温度計のプローブ。
(7)(1)乃至(6)のいずれかにおいて、前記導光部材側発熱体は、前記導光部材の長手方向について、先端側の発熱量よりも、根元側の発熱量が大きくなるように構成されている赤外放射温度計のプローブ。
(8)(1)乃至(7)のいずれかにおいて、前記導光部材に着脱可能に取り付けられ、少なくともその外周側は断熱性を有する筒状の着脱カバーを有する赤外放射温度計のプローブ。
(9)(8)において、前記着脱カバーの内周側は熱伝導性を有する赤外放射温度計のプローブ。
(10)(8)において、前記導光部材及び前記導光部材側発熱体を覆い、熱伝導性を有する固定カバーを有し、前記着脱カバーは前記固定カバーの外周面に取り付けられる赤外放射温度計のプローブ。
(11)(1)乃至(10)のいずれかの赤外放射温度計のプローブと、前記導光部材温度センサにより検出された前記導光部材の温度に基づいて前記導光部材側発熱体の発熱量を制御し、前記温度差センサの検出結果及び前記温度差センサ温度センサにより検出された前記温度差センサの温度に基づいて測定対象の温度を算出するコントローラを備えた制御ユニットと、前記赤外放射温度計のプローブと前記制御ユニットを接続する可撓性の配線と、を有する赤外放射温度計。
(12)(11)において、前記コントローラは、前記導光部材の温度があらかじめ定められた温度となるように前記導光部材側発熱体の発熱量を制御する赤外放射温度計。
(13)(11)において、前記コントローラは、前記導光部材の温度が算出された前記測定対象の温度となるように前記導光部材側発熱体の発熱量を制御する赤外放射温度計。
(14)(11)乃至(13)のいずれかにおいて、前記コントローラは、前記導光部材の温度が所望の温度に加熱されるまでの間、前記測定対象の温度の出力を禁止する赤外放射温度計。
上記(1)又は(2)の側面によれば、継続的にかつ高精度に体温を測定することができる赤外放射温度計のプローブが得られる。
上記(3)の側面によれば、赤外放射温度計のプローブの製造が容易である。
上記(4)の側面によれば、より高精度に体温を測定することができる。
上記(5)の側面によれば、赤外放射温度計のプローブの製造が容易である。
上記(6)の側面によれば、導光部材の温度分布を均一にできる。
上記(7)の側面によれば、より高速に導光部材を所望の温度まで加熱できる。
上記(8)の側面によれば、装着性、衛生性に優れ、また外耳道の壁面温度に対する影響の少ない赤外放射温度計のプローブが得られる。
上記(9)又は(10)の側面によれば、導光部材の温度分布が速やかに均一とできる。
上記(11)の側面によれば、外耳道にプローブを挿入して使用する赤外放射温度計において、継続的にかつ高精度に体温を測定することができる。
上記(12)の側面によれば、簡便な制御により高精度に体温を測定することができる。
上記(13)の側面によれば、より高精度に体温を測定することができる。
上記(14)の側面によれば、精度の低い測定結果が誤って利用されることを防止できる。
温度差センサに入光する放射光のエネルギーを説明する図である。 本発明の実施形態に係る赤外放射温度計の外観図である。 プローブが人の耳に取り付けられている様子を示す部分断面図である。 プローブの挿入部とその周囲の構造を示す断面図である。 プローブのサーモパイル、導光部材及びフレキシブルプリント基板が組み立てられた状態を示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る赤外放射温度計全体の構成を示すブロック図である。 プローブの挿入部とその周囲の別の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る赤外放射温度計4の外観図である。赤外放射温度計4は、外耳道に挿入して鼓膜からの放射光のエネルギーを計量するプローブ5と、プローブ5と必要な信号のやり取りをして、測定対象である鼓膜の温度を算出し出力する制御ユニット6と、プローブ5と制御ユニット6とを電気的に接続する可撓性の配線7からなる。ここで、鼓膜の温度は、ヒトを含む哺乳動物の体温を示すものとして測定対象として選択されたものである。したがって、本明細書では、鼓膜の温度と体温とは同義のものとして取り扱う。
プローブ5は、例えば入院中或いは手術中の患者の体温をモニターするため、患者の左右いずれかの耳に継続的に取り付けるものであり、小型である。プローブ5は概ね、外耳道に挿入される挿入部8と、耳介に収まり固定される本体部9からなっている。また、制御ユニット6は、プローブ5に電源その他の各種電気信号を供給するとともに、プローブ5において得られた信号を演算することにより鼓膜の温度を測定するとともに、その結果を出力する装置である。制御ユニット6の外観や構成は特に限定されないが、図示のものでは、前面に測定結果を表示する表示部であるディスプレイ10と、配線7が接続されるプローブ接続端子11、図示しない外部機器へと測定結果を出力する出力端子12が設けられている。配線7は、患者の身動きや手術中の医師の動作の妨げとならないよう、十分な長さと柔軟性を有するものが選択される。
図3は、プローブ5が人の耳に取り付けられている様子を示す部分断面図である。図示のように、プローブ5の挿入部8が外耳道13に挿入され、その先端は鼓膜14の近傍において鼓膜14と向き合う。また、本体部9は耳介15に収まり、保持されるような大きさ及び形状となっており、プローブ5を耳に取り付けるだけで、簡単には脱落しないように保持される。なお、プローブ5を耳に固定するフック等適宜の固定構造をさらに設けてもよい。なお、ここではプローブ5を取り付ける対象として人を例示したが、人以外の哺乳動物、例えば、犬や猫等の愛玩動物や馬や牛等の家畜を対象としてもよい。プローブ5は、対象とする哺乳動物に合わせてその大きさ及び形状が設計される。
図4は、プローブ5の挿入部8とその周囲の構造を示す断面図である。プローブ5の本体部9の外殻となるケース16内には温度差センサであるサーモパイル17が収容されている。なお、ここで温度差センサとは、測定面17aと、測定面17a以外の部分とに局所的な温度差が生じた際に、かかる温度差に応じた出力をするセンサである。サーモパイル17の測定面17a側には、測定面17aを囲むように筒状の導光部材18が取り付けられ、ケース16に設けられた穴から外部に突き出している。導光部材18は、その先端から入射した光線、主に近赤外光を測定面17aへと導くための部品であり、本実施形態では真鍮製の円筒であり、その内面は赤外光を反射しやすいようにメッキ処理されている。導光部材18の先端から入射した光線は、円筒の内面で反射しながら測定面17aへと導かれる。なお、導光部材18の材質は真鍮以外の物質、例えば任意の金属やガラスであってもよい。また、導光部材18は必ずしも中空円筒である必要はなく、ガラス又はプラスチック製の光ファイバー、あるいはそれらの光ファイバーを束ねたものであってもよい。
導光部材18及びサーモパイル17の外周面には、フレキシブルプリント基板19が巻き付けられている。フレキシブルプリント基板19の表面には、導光部材18の外周上にセラミックヒータなどの抵抗発熱体である導光部材側発熱体20が、また、サーモパイル17の外周上には同じく抵抗発熱体である温度差センサ側発熱体21が実装されている。さらに、フレキシブルプリント基板19の表面には、導光部材18の外周上にサーミスタ等の温度センサである導光部材温度センサ22が、またサーモパイル17の背面に同じくサーミスタ等の温度センサである温度差センサ温度センサ23が実装されている。なお、導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21は、図示した独立した電子部品である必要はなく、フレキシブルプリント基板19上に印刷やエッチング等の手法により形成した抵抗のパターンであってもよい。
フレキシブルプリント基板19は、図4に示すように、導光部材18に巻き付けられている部分、サーモパイル17に巻き付けられている部分、及び温度差センサ温度センサ23が実装されている部分が繋がっており、単一の部材となっている。このようにすることで、プローブ5の製造を容易にし、そのコストも低減することができるが、フレキシブルプリント基板19を適宜の部分に分割するようにしてもよい。フレキシブルプリント基板19は導光部材18に対し熱移動が容易な態様で密着していることが好ましく、適宜の接着剤や熱伝導性グリス等により貼り付けられる。
導光部材側発熱体20は、通電することにより発熱し、導光部材18を加熱する。導光部材側発熱体20の数及び配置は任意であるが、後述するように、導光部材18の長手方向に渡って複数設けられていることが望ましい。また、導光部材温度センサ22は導光部材18の温度を測定するためのものであり、その数は1以上であればよいが、これも後述するように、導光部材18の長手方向に渡って複数設けられていることが望ましい。温度差センサ側発熱体21はサーモパイル17の周囲の適宜の位置に適宜の個数設けられ、通電することによりサーモパイル17を加熱する。温度差センサ温度センサ23は、サーモパイル17の測定面17a以外の部分の温度を測定するものであり、かかる測定ができる限りにおいて、その配置場所は図示した通りのサーモパイル17の背面でなくともよい。
着脱カバー24は、導光部材18並びに、導光部材18の外周に巻き付けられたフレキシブルプリント基板19と導光部材側発熱体20及び導光部材温度センサ22の外周を覆うように着脱可能に取り付けられる筒状のカバーである。着脱カバー24は、好ましくは外耳道にフィットする形状に成形され、あるいは柔軟な材質により形成されており、その材質は例えばシリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、ゴム又はレジンの発泡体等を好適に利用できる。着脱カバー24は直接外耳道に接触する部材であるので、ラテックス等のアレルゲンを含まない又はその含有量の低いものとすることが望ましい。また、衛生上の観点から、着脱カバー24は使用毎に廃棄されるか、又はアルコール、紫外線やオートクレーブ等により消毒可能である。着脱カバー24はその全体が単一の材質よりなっていてもよいが、本実施形態では外周側24aと内周側24bとで材質が異なる2層構造となっている。そして、少なくとも外周側24aは断熱性を有しており、それに対して内周側24bは熱伝導性を有している。なお、ここでは便宜的に、断熱性を有しているとは、物性値としての熱伝導率が0.1W/m・Kより小さいことをいうものとし、熱伝導性を有しているとは、物性値としての熱伝導率が0.1W/m・K以上であることをいうものとする。また、外周側24aは内周側24bよりも熱伝導率が低いということもできる。
図5は、プローブ5のサーモパイル17、導光部材18及びフレキシブルプリント基板19が組み立てられた状態を示す外観斜視図である。なお、説明の都合上、図4に示した断面図と図5に示した斜視図とは、各部材の周方向の位置が異なっている場合がある。また、図5ではサーモパイル17から延びるリード線は図示を省略している。
導光部材側発熱体20は複数設けられており、導光部材18の長手方向について、複数のグループに分けられている。図示の例では、導光部材側発熱体20はグループA及びグループBの2グループに分けられており、グループAは導光部材18の先端側に、グループBは導光部材18の根元側に配置されている。そして、グループBに属する導光部材側発熱体20の数がより多いため、各導光部材側発熱体20に同電圧が印加されるとしたならば(これはすなわち、グループ毎の導光部材側発熱体20が並列に接続されていることを意味している)、導光部材18の根元側に位置するグループBの方がグループAよりも発熱量が多くなる。導光部材側発熱体20は、グループ毎に独立に発熱量が制御可能であるように配線される。さらに、導光部材温度センサ22は、グループ毎に設けられており、導光部材側発熱体20のグループに対応する位置における導光部材18の温度を測定するようになっている。本実施形態では導光部材温度センサ22はグループ毎に1つ設けられており、その数はグループの数と同数であるが、グループ毎に2以上の導光部材温度センサ22を設けるようにしてもよい。
なお、ここで示したグループの数は2であるが、3以上のグループを設けても、グループの数を1とする、すなわち、グループ分けをしないようにしてもよい。
また、図4及び図5では、フレキシブルプリント基板19の外側に導光部材側発熱体20、導光部材温度センサ22、温度差センサ側発熱体21及び温度差センサ温度センサ23を配置しているが、これらの全て又はいずれかをフレキシブルプリント基板19の内側に配置し、導光部材18又はサーモパイル17と直接接するようにしてもよい。
図6は、本実施形態に係る赤外放射温度計4全体の構成を示すブロック図である。プローブ5のサーモパイル17、導光部材温度センサ22、温度差センサ温度センサ23、導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21は、配線7により制御ユニット6に接続される。なお、サーモパイル17の出力は微弱であるため、ここで図示したように、プローブ5側に設けたオペアンプ等の増幅回路25により信号を増幅して制御ユニット6へと出力することが、耐ノイズ性の観点からは望ましい。
サーモパイル17からの増幅された信号は、A/Dコンバータ26によりデジタル変換され、コントローラ27へと出力される。また、導光部材温度センサ22及び温度差センサ温度センサ23は本実施形態ではサーミスタであるため、ドライバ28によってその抵抗値の変化が測定され、得られた温度を示すデジタルデータがコントローラ27に出力される。
コントローラ27は、赤外放射温度計4全体の動作を電子的に制御する制御回路である。コントローラ27の物理的な構成は特に限定されないが、いわゆるマイクロコントローラやFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、CPUとメモリを備えた一般的なコンピュータ等の各種の情報処理装置が利用可能である。図6では、理解を容易にするため、コントローラ27の内部に出力制限部27a、体温演算部27b及び温度調整部27cがブロックとして図示されているが、これらブロックはコントローラ27の動作を機能に着目して区分し、仮想的に示したものであり、必ずしも物理的に存在しているとは限らない。本実施形態では、これら出力制限部27a、体温演算部27b及び温度調整部27cはコントローラ27が実行するソフトウェアにより仮想的に実現される。
体温演算部27bは、サーモパイル17により測定されたサーモパイル17の温度と測定対象との温度差を温度差センサ温度センサ23により測定されたサーモパイル17の温度に加算し、測定対象の温度(ここでは体温)を算出する。
また、温度調整部27cは、導光部材温度センサ22により測定された導光部材18の温度及び、温度差センサ温度センサ23により測定されたサーモパイル17の温度に基づいて、導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21による加熱量を決定しデータとして出力する。温度調整部27cより出力された加熱量はD/Aコンバータ29によりアナログ信号に変換された後、増幅回路30により増幅され、それぞれ導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21に出力される。ここで用いる増幅回路は電力を増幅するものであるから、一般的なパワーアンプを用いてよい。
ここで、温度調整部27cにより加熱量を制御して導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21による加熱を行う目的は、導光部材18及びサーモパイル17の温度を測定対象の温度と同一か又は近似した温度とすること、及び、導光部材18及びサーモパイル17全体の温度分布を均一にすることである。かかる目的を達成するための制御方法には大きく分けて次の2つの方法がある。
方法1:導光部材18及びサーモパイル17の温度を体温演算部27bにより算出された測定対象の温度と一致するように制御する。この場合には、温度調整部27cは、グループ毎の導光部材温度センサ22により得られた導光部材18の温度及び、温度差センサ温度センサ23により得られたサーモパイル17の温度と測定対象の温度との差分を計算し、得られた差分に応じた値をD/Aコンバータ29に加熱量として出力する。加熱量は、単純に差分に比例定数を乗じることにより得ても、PID制御等の制御を行うことにより得てもよい。
方法2:導光部材18及びサーモパイル17の温度をあらかじめ定められた温度と一致するように制御する。この方法は、測定対象が人体であるなど、その温度が概ね一定であると考えられる場合に採用できる。これは、上掲の(1)式において、温度Tと温度Tの値が近ければ、概ね正しいEの値が得られることに基づく。すなわち、この場合には、サーモパイル17により測定される温度差には若干の誤差が生じるものの、実用上の問題は生じない、とする立場である。
もちろん、測定結果に高い精度が要求される場合や、測定対象の温度のばらつきの幅が大きい場合には方法1を選択すべきである。方法2は、方法1より簡便であるため、簡素なコントローラ27で実現可能である点が有利である。
なお、ここまでの説明では、温度調整部27cからは加熱量のデータが出力され、D/Aコンバータ29によりアナログ信号に変換されるものとして示したが、これに換え、温度調整部27cからの出力を単純なオンオフによるものとしてD/Aコンバータ29を省略してもよい。この場合には、温度調整部27cは、出力をオンとする時間により導光部材側発熱体20及び温度差センサ側発熱体21による加熱量を制御する。
ここで図5を再度参照すると、導光部材側発熱体20は導光部材18の長手方向について、グループA及びグループBの2グループに分けられ、導光部材温度センサ22がグループ毎に設けられている。そのため、温度調整部27cは導光部材18のグループAに対応する位置とグループBに対応する位置の温度を独立して制御することができる。そのため、導光部材18の長手方向について温度分布が不均一となることを防止できる。また、図示の例では導光部材18の根元側に配置されたグループBの方が先端側に配置されたグループAより発熱量が大きくなる構成となっているが、これは、図3に示すように、導光部材18の先端側の方がより外耳道13の深い位置に差し込まれ、生体からの熱伝導による加熱量が大きいと考えられるため、根元側よりも高温になりやすいためである。本実施形態のように導光部材18の根元側の導光部材側発熱体20の発熱量を大きくしておくと、より速やかに導光部材18全体の温度を均一に昇温することができる。もちろん、かかる構成を採用せずに温度調整部27cによる制御のみで対応するようにしてもよい。
さらに、図4に示すように、着脱カバー24の内周側24bが熱伝導性を有するものとされていると、導光部材18の長手方向における熱伝導が促進されるため、より速やかに導光部材18全体の温度分部が均一となる。
なお、図4に示した構造は、図7に示すような構造としてもよい。図7は、プローブ5の挿入部8とその周囲の別の構造を示す断面図である。同図に示した挿入部8では、導光部材18とフレキシブルプリント基板19、並びにフレキシブルプリント基板19上に実装された導光部材側発熱体20及び導光部材温度センサ22を覆う筒状の固定カバー31が設けられている。固定カバー31は熱伝導性を有しており、例えば任意の金属や、金属フィラーを分散したレジン等により形成されており、容易に脱落することがないように固定されている。そして、着脱カバー24は全体が断熱性を有する材料で形成され、固定カバー31の外周面に着脱可能に取り付けられる。
このようにしても、固定カバー31が導光部材18の長手方向における熱伝導を促進するため、より速やかに導光部材18全体の温度分部が均一となる。また、着脱カバー24の製造コストも低いものとなり、使い捨てるのにより適している。
図6に戻り、コントローラ27は体温演算部27bにより算出された測定対象の温度を直ちにディスプレイ10及び出力端子12に出力することはせず、一旦出力制限部27aへと出力する。出力制限部27aは、導光部材18又は導光部材18及びサーモパイル17の温度が所望の温度に加熱されるまでの間、測定対象の温度のディスプレイ及び出力端子12への出力を制限する。これは、導光部材18及びサーモパイル17(特に、導光部材18)の温度が測定対象の温度に十分近い温度であり、なおかつ、温度分布が概ね均一となっていない場合には、体温演算部27bにより算出された測定対象の温度が不正確である虞があるためである。そのため、出力制限部27aは体温演算部27bからの測定対象の温度に加え、導光部材18及びサーモパイル17の温度をドライバより受け取る。そして、これらの値の差分を計算し、その差分の値がある閾値を下回るまでは出力を制限する。なお、ここで言う制限とは、単純に出力を禁止することのほか、測定対象の温度を出力するにあたって、測定温度が不正確であることを示す警告信号を併せて出力することも含むものとする。
ディスプレイ10は、入力された測定対象の温度をデジタル表示あるいはアナログ指針により表示する。また、出力端子12は外部機器、例えばプリンタや他の医療機器へと測定対象の温度を示すデータを出力する。
なお、コントローラ27は、出力制限部27aにより測定対象の温度の出力を制限する代わりに、導光部材18又は導光部材18及びサーモパイル17の温度と体温演算部27bにより算出された測定対象の温度との差分に基づいて測定対象の温度を補正するようにしてもよい。ただし、導光部材18及びサーモパイル17の温度分布が不均一な場合には正確な補正を行うのは困難である。そのため、例えば各温度センサの測定結果の平均値と体温演算部27bにより算出された測定対象の温度との差分に基づいて測定対象の温度を補正する等するとよい。
以上説明した実施形態に示した具体的な構成は例示として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成そのものに限定するものではない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、各部材あるいはその部分の形状や数、配置等を適宜変更してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
1 温度差センサ、2 測定対象、3 物体、4 赤外放射温度計、5 プローブ、6 制御ユニット、7 配線、8 挿入部、9 本体部、10 ディスプレイ、11 プローブ接続端子、12 出力端子、13 外耳道、14 鼓膜、15 耳介、16 ケース、17 サーモパイル、17a 測定面、18 導光部材、19 フレキシブルプリント基板、20 導光部材側発熱体、21 温度差センサ側発熱体、22 導光部材温度センサ、23 温度差センサ温度センサ、24 着脱カバー、24a 外周側、24b 内周側、25 増幅回路、26 A/Dコンバータ、27 コントローラ、27a 出力制限部、27b 体温演算部、27c 温度調整部、28 ドライバ、29 D/Aコンバータ、30 増幅回路、31 固定カバー。

Claims (14)

  1. 温度差センサと、
    前記温度差センサの測定面側に設けられ、外耳道に挿入される導光部材と、
    前記導光部材を加熱する導光部材側発熱体と、
    前記導光部材の温度を測定する導光部材温度センサと、
    前記温度差センサの前記測定面以外の部分の温度を測定する温度差センサ温度センサと、
    を有する赤外放射温度計のプローブ。
  2. 前記導光部材側発熱体及び前記導光部材温度センサは前記導光部材の外周面に配置される
    請求項1記載の赤外放射温度計のプローブ。
  3. 前記導光部材側発熱体及び前記導光部材温度センサは共通のフレキシブルプリント基板上に実装される
    請求項2記載の赤外放射温度計のプローブ。
  4. 前記温度差センサを加熱する温度差センサ側発熱体を有する
    請求項1乃至3のいずれかに記載の赤外放射温度計のプローブ。
  5. 前記導光部材側発熱体、前記導光部材温度センサ、前記温度差センサ側発熱体及び前記温度差センサ温度センサは前記共通のフレキシブルプリント基板上に実装される請求項3記載の赤外放射温度計のプローブ。
  6. 前記導光部材側発熱体は、前記導光部材の長手方向について、独立に発熱量を制御可能な複数のグループからなり、
    前記導光部材温度センサは、少なくとも前記グループと同数設けられ、前記導光部材の長手方向について、前記グループのそれぞれと対応する位置の温度を測定する請求項1乃至5のいずれかに記載の赤外放射温度計のプローブ。
  7. 前記導光部材側発熱体は、前記導光部材の長手方向について、先端側の発熱量よりも、根元側の発熱量が大きくなるように構成されている
    請求項1乃至6のいずれかに記載の赤外放射温度計のプローブ。
  8. 前記導光部材に着脱可能に取り付けられ、少なくともその外周側は断熱性を有する筒状の着脱カバーを有する請求項1乃至7のいずれかに記載の赤外放射温度計のプローブ。
  9. 前記着脱カバーの内周側は熱伝導性を有する請求項8記載の赤外放射温度計のプローブ。
  10. 前記導光部材及び前記導光部材側発熱体を覆い、熱伝導性を有する固定カバーを有し、
    前記着脱カバーは前記固定カバーの外周面に取り付けられる請求項8記載の赤外放射温度計のプローブ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の赤外放射温度計のプローブと、
    前記導光部材温度センサにより検出された前記導光部材の温度に基づいて前記導光部材側発熱体の発熱量を制御し、前記温度差センサの検出結果及び前記温度差センサ温度センサにより検出された前記温度差センサの温度に基づいて測定対象の温度を算出する制御ユニットと、
    前記赤外放射温度計のプローブと前記制御ユニットを接続する可撓性の配線と、
    を有する赤外放射温度計。
  12. 前記コントローラは、前記導光部材の温度があらかじめ定められた温度となるように前記導光部材側発熱体の発熱量を制御する請求項11記載の赤外放射温度計。
  13. 前記コントローラは、前記導光部材の温度が算出された前記測定対象の温度となるように前記導光部材側発熱体の発熱量を制御する請求項11記載の赤外放射温度計。
  14. 前記コントローラは、前記導光部材の温度が所望の温度に加熱されるまでの間、前記測定対象の温度の出力を制限する請求項11乃至13のいずれかに記載の赤外放射温度計。
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