JP2014116778A - 時分割多重アレーアンテナ装置 - Google Patents

時分割多重アレーアンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014116778A
JP2014116778A JP2012269347A JP2012269347A JP2014116778A JP 2014116778 A JP2014116778 A JP 2014116778A JP 2012269347 A JP2012269347 A JP 2012269347A JP 2012269347 A JP2012269347 A JP 2012269347A JP 2014116778 A JP2014116778 A JP 2014116778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
reception
division multiplex
array antenna
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012269347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6017946B2 (ja
Inventor
Kenichi Koga
健一 古賀
Akitoshi Iwashita
明暁 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2012269347A priority Critical patent/JP6017946B2/ja
Publication of JP2014116778A publication Critical patent/JP2014116778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6017946B2 publication Critical patent/JP6017946B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】SNRを改善することができる時分割多重アレーアンテナ装置を提供する。
【解決手段】時分割多重アレーアンテナ装置1は、A/Dコンバータ16の後段に、スイッチ23,24を介してデジタルフィルタ25が接続される。受信経路切換部27は、電波の待ち受け状態であるモニタリング時、スイッチ23,24を並び替え部17側に接続することにより、アンテナ2を時分割多重アレーアンテナとして動作させる。受信経路切換部27は、モニタリング時において電波の受信を検知した際、各アンテナ2の間の受信電力比が大きいことを確認すると、最大受信電力となるアンテナ2のスイッチ8を常時接続するとともに、スイッチ23,24をデジタルフィルタ25側に接続することにより、アンテナ2を単一アンテナとして動作させる。単一アンテナでの動作時、受信されたデジタル信号は、信号の並び替えではなく、デジタルフィルタ25によって帯域制限が行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アレー状に配列された複数のアンテナを用いて時分割多重により通信する時分割多重アレーアンテナ装置に関する。
近年、無線LAN(Local Area Network)、携帯電話、地上デジタル放送のモバイル受信機等、アダプティブアレーアンテナを応用した無線機器の使用が日常化してきている傾向にあり、結果、これら無線機器の低コスト化の必要性が益々高まってきている。しかし、アダプティブアレーアンテナは、原理的に、フィルタ、アンプ、ダウンコンバータ、A/Dコンバータ等のアナログ回路がアンテナ数分必要となるので、例えば単一アンテナの無線機器と比較すると、高コストになるという問題があった。
そこで、これを解決する方法として、例えばスイッチによる時分割多重を用いて、アナログ回路を削減する方式(C-TDM-AAA:Conventional Time-Division Multiplexing Adaptive Array Antenna)のアダプティブアレーアンテナが過去に提案されている(非特許文献1参照)。非特許文献1では、無線機器が使用する帯域幅とスイッチ切換速度、フィルタ帯域幅、サンプリング速度が満たすべき条件に関して詳細に検討がなされ、適切なタイミングでスイッチ切り換え、サンプリングを行った場合、各アンテナの受信信号が完全に再生可能であることが示されている。
A CMA Adaptive Array Antenna System with a Single Receiver Using Time-Division Multiplexing,(IEICE Trans. Commun., vol. E84-B, no. 6, pp. 1637-1646, June 2001.)
ところで、この種の時分割多重アレーアンテナ装置においては、SNR(信号雑音比:signal-noise ratio)がアンテナ本数分の1に低下する現状がある。よって、時分割多重アレーアンテナ装置のSNRを改善する技術開発のニーズがあった。
本発明の目的は、SNRを改善することができる時分割多重アレーアンテナ装置を提供することにある。
前記問題点を解決する時分割多重アレーアンテナ装置は、複数のアンテナの特定の1つを、複数のスイッチを有するスイッチ回路によって選択的に内部の信号処理回路に接続可能であり、複数の前記アンテナを前記スイッチによって前記信号処理回路に順に選択的に接続していくことにより、前記アンテナを時分割多重アレーアンテナとして通信可能な構成において、前記アンテナを単一アンテナとして動作するとき、受信した電波のデジタル信号を帯域制限することが可能なデジタルフィルタと、前記時分割多重アレーアンテナでの通信時、当該アンテナにおける電波の受信状態を判定する受信状態判定部と、前記単一アンテナで電波を受信した方が好ましい状況下のとき、複数の前記スイッチの特定の1つのみを常時接続しつつ、受信する信号の経路を、前記デジタルフィルタを通る経路に切り換えることにより、前記アンテナを前記単一アンテナとして動作させる受信経路切換部とを備えた。
本構成によれば、電波の受信状態を監視し、単一アンテナで電波受信した方が好ましい状況下のときには、特定の1つのアンテナのみ常時接続しつつ、受信経路をデジタルフィルタ側に切り換える。これにより、A/D変換においては、信号の並び替えを行うのではなく、デジタルフィルタによる帯域制限によって受信信号をデジタル処理する。このため、単一アンテナで電波受信した方が好ましい状況下では、時分割多重アレーアンテナ装置を単一アンテナとして動作させることが可能となるので、その分、SNRを改善することが可能となる。
前記時分割多重アレーアンテナ装置において、前記受信状態判定部は、前記電波の受信状態の監視を、電波を受信しているか否かを監視するモニタリング時に実行することが好ましい。この構成によれば、モニタリング時に電波の受信状態を監視し、モニタリング中の電波検知の際、時分割多重アレーアンテナで動作するのが好ましいと判断したなら、時分割多重アレーで電波受信し、単一アンテナで動作するのが好ましいと判断したなら、単一アンテナで電波受信する。よって、電波受信状態の判定→アンテナ切り換えを、電波受信の過程においてスムーズに行うことが可能となる。
前記時分割多重アレーアンテナ装置において、前記受信状態は、電波を前記アンテナで受信した際の受信電力の強さであることが好ましい。この構成によれば、電波の受信状態を受信電力の強さを基に判定するので、いまアンテナが電波をどのような状態で受信しているのかを精度よく識別することが可能となる。
前記時分割多重アレーアンテナ装置において、前記受信状態判定部は、前記時分割多重アレーアンテナでの通信時、前記アンテナの間の受信電力の比を判定し、前記受信経路切換部は、この受信電力比が閾値以上となるとき、前記受信の経路の切り換えにより、前記アンテナを前記時分割多重アレーアンテナから前記単一アンテナに変更することが好ましい。この構成によれば、時分割多重アレーアンテナで電波受信したときの各アンテナ間の受信電力比を基に、時分割多重アレーアンテナ及び単一アンテナのどちらで動作した方がよいのかを判定するので、どちらのアンテナで動作すべきなのかを精度よく判定することが可能となる。
本発明によれば、時分割多重アレーアンテナ装置において、SNRを改善することができる。
一実施形態の時分割多重アレーアンテナ装置の構成図。 スイッチ制御信号の時間波形図。 スイッチ制御信号のr番目の時間波形図。 第2バンドパスフィルタ通過後の出力信号の振幅スペクトル図。 サンプリング信号の時間波形図。 時分割多重で通信するときの周波数スペクトル図。 単一アンテナで通信するときの周波数スペクトル図。 受信経路をデジタルフィルタ側に切り換えたときの回路図。 デジタルフィルタの機能を示す説明図。
以下、時分割多重アレーアンテナ装置の一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、アレーアンテナ装置1は、複数のアンテナ(アンテナ素子)2を備え、各アンテナ2の重み付けを伝播環境に応じてアダプティブ制御することにより、指向性を電気的に切り替え可能となっている。このように、アレーアンテナ装置1は、希望波の到来方向にビームを向けたり、不要な電波の到来方向にヌルを向けて除去したりすることが可能である。また、本例のアレーアンテナ装置1は、信号を時間単位で区切り、1つの処理回路で電波を受信する時分割多重式でもある。
時分割多重アレーアンテナ装置1において、アンテナ2の個数をK(Kは任意の奇数)とすると、k番目のアンテナ2の受信信号は、次式(1)のように表される。
ここで、f(t)は、k番目のアンテナ2におけるベースバンド信号である。また、cos(ωt)は、搬送波を表し、ωは、搬送波の角周波数を表す。
アレーアンテナ装置1の受信回路3には、アンテナ2の受信電波をアナログ処理するアナログ回路4と、アナログ回路4から出力された信号をデジタル処理するデジタル回路5とが設けられている。アナログ回路4には、通過帯域幅がWの第1バンドパスフィルタ6がアンテナ2ごとに設けられている。これら第1バンドパスフィルタ6は、アンテナ2で受信した受信信号f(t) cos(ωt)を通過帯域幅Wでフィルタし、Wに準じた周波数のみ通過させる。本例の時分割多重アレーアンテナ装置1において、アンテナ2ごとに個別に必要となるのは第1バンドパスフィルタ6のみであり、その後段の回路ブロックは複数のアンテナ2の間で共用されている。なお、受信回路3が信号処理回路の一例である。
受信ベースバンド信号f(t)の周波数帯域幅W”は、第1バンドパスフィルタ6の通過帯域幅Wよりも小さい。よって、受信信号f(t) cos(ωt)は、第1バンドパスフィルタ6をそのまま通過する。
複数のこれら第1バンドパスフィルタ6には、第1バンドパスフィルタ6の接続を選択的に切り換えるスイッチ回路7が接続されている。スイッチ回路7は、受信回路3の1構成要素であって、第1バンドパスフィルタ6ごとにスイッチ8を複数有する。これらスイッチ8は、クロック回路9から入力するスイッチ制御信号g(t)によってスイッチ制御される。
ここで、図2及び図3に示すように、スイッチ8のk番目を、矩形波状のON時間τ、周期Tで切り換えを行うとすると、スイッチ制御信号g(t)は、次式(2)により表される。なお、次式のrは、任意の整数である。
ここで、スイッチ切換周波数をW’(W’=1/T)とすると、スイッチ切換周波数W’は、W’>Wを満たすように適切に設定する必要がある。式(2)は、フーリエ級数展開の形式により、次式(3)〜(5)のように表すことが可能である。なお、次式のnは、スイッチ切換周波数W’のn倍高調波成分を表す整数であり、Ψは、スイッチ8のON時間比率である。
各アンテナ2の受信信号f(t) cos(ωt)は、スイッチ8の通過時にスイッチ制御信号g(t)を乗算された後、K個のアンテナ2からの信号が合成される。この合成信号h(t)は、次式(6)のように表される。
アナログ回路4には、周波数帯域幅がKW’の第2バンドパスフィルタ10が設けられている。第2バンドパスフィルタ10は、1つのみ設けられ、複数のアンテナ2(スイッチ8)において共用されている。本例の場合、第2バンドパスフィルタ10は、図4に示すように、理想的な周波数特性B(ω)を有するフィルタとする。
合成信号h(t)は、第2バンドパスフィルタ10を通過すると、出力信号h’(t)として出力される。出力信号h’(t)は、次式(7),(8)のように表される。
アナログ回路4には、出力信号h’(t)を増幅するアンプ11と、増幅後の出力信号h’(t)をIF(Intermediate Frequency)周波数にダウンコンバートするコンバータ12と、IF周波数の信号を通過させるIFバンドパスフィルタ13と、IF周波数を直交ダウンコンバートする直交コンバータ部14とが設けられている。直交コンバータ部14には、直交コンバータ部14から出力される位相が互いに90度ずつずれた信号において、低い周波数のみ通過させる一対のローパスフィルタ15が接続されている。
デジタル回路5には、ローパスフィルタ15から出力された信号をA/D変換する一対のA/Dコンバータ16が設けられている。A/Dコンバータ16が入力するベースバンド信号h”(t)は、アンプの増幅やフィルタの損失を無視すれば、次式(9)のように表される。
ベースバンド信号h”(t)は、A/Dコンバータ16において、周期Tでサンプリングされる。このサンプリング信号zi(t)は、次式(10)のように表される。
図5に示すように、サンプリング信号zi(t)は、それぞれT/Kずつタイミングのずれた信号である。実際のところ、A/Dコンバータ16は、次式(11)で表されるz(t)でサンプリングを行う。
さて、ベースバンド信号h”(t)が並び替え部17においてサンプリング信号zi(t)でサンプルされることで生成されるサンプル信号xi(t)は、次式(12),(13)のように表される。
サンプル信号xi(t)は、式(13)からも分かる通り、各アンテナ2の受信ベースバンド信号fk(t)が混在した形で得られる。ここで、一見、スイッチ8のON時間τを、τ<(T/K)とすれば、スイッチ8が2つ同時に接続されることはなく、受信ベースバンド信号fk(t)の混合は生じないように思われるが、実際にはフィルタを通過する際の波形なまりにより、受信ベースバンド信号fk(t)の混合が生じてしまう。通常のアダプティブアレーアンテナでは、受信ベースバンド信号fk(t)は、それぞれ別々に得られる信号のはずである。
そこで、本例のデジタル回路5には、サンプル信号xi(t)から受信ベースバンド信号fk(t)を演算によって分離抽出する演算処理部18が、各アンテナ2に対応して複数設けられている。本例の演算処理部18は、次式(14)〜(16)を用いて演算を行うこと、つまりxi(t)を要素とするベクトルX(t)に対して行列Φを乗算することにより、アンテナ2ごとにI送信号及びQ相信号を出力する。
なお、式(14)〜(16)は、次式(17)〜(26)により定義される。なお、Xi(ω)は、xi(t)のフーリエ変換であり、fk(Δt)は、各アンテナ2の受信ベースバンド信号fk(t)を周期Tでサンプリングした信号である。また、式(18)は、式(17)を行列形式で表現した式である。
時分割多重アレーアンテナ装置1には、演算処理部18から入力するI相信号及びQ相信号をアダプティブ処理するアダプティブプロセッサ19が設けられている。アダプティブプロセッサ19は、アダプティブ処理により、例えば受信電波の電波到来方向を推定したり、アンテナ2のビームを希望波の方向に向けたり、ヌルを目的の方向に向けたりする。
ここで、スイッチ制御信号gk(t)のパルス幅であるτにより、A/Dコンバータ16でサンプリングされたサンプル信号xi(t)に含まれるベースバンド信号fk(Δt)がどのように変化するか考える。いま、スイッチ8のON時間τが非常に短い、つまりτ≒0の場合を考える。このとき、Ψ=τ/T≒0となるので、sinc{nπΨ}≒1により、行列S≒1が導かれる。よって、式(23)は、次式(27)のように表される。
よって、τが非常に小さい場合には、サンプル信号であるベクトルX(t)、つまりサンプル信号xi(t)を要素とするベクトルは、各アンテナ2の受信ベースバンド信号fk(t)のベクトルF(Δt)のスカラー倍となる。即ち、サンプル信号xi(t)は、それぞれ1種類の受信ベースバンド信号fk(Δt)のみを含み、混合された状態ではないことが分かる。背景技術で述べた非特許文献1では、スイッチ制御信号gk(t)はデルタ関数であり、本検討におけるτ≒0の場合に相当する。即ち、背景技術の非特許文献1では、サンプル信号のベクトルX(t)において、ベクトルF(Δt)が混合された状態にならないように、あえてτ≒0としていると考えられる。
しかし、式(27)を見てみると、ベクトルX(t)に含まれるベクトルF(Δt)の大きさはτに比例することが分かる。このことから、スイッチ8における電力損失を抑制するには、τをなるべく大きくすること、つまりスイッチ8が常にいずれかのアンテナ2に接続されていることが望ましいと予測される。このため、本例のアダプティブプロセッサ19は、スイッチ制御信号gk(t)のON時間τを、次信号のτと重複しない範囲で、なるべく長く設定している。このように、ON時間τ(或いはON時間比率Ψ)を任意に設定可能な点で、本例は有効と考えられる。
図6に、時分割多重によって受信する電波の周波数スペクトルを示す。同図に示されるように、第2バンドパスフィルタ10の周波数帯域幅がKW’と設定されるのは、時分割多重方式の場合、例えばアンテナ数K=3とすると、受信したい希望波20は、3つのスペクトル21a〜21cを有する信号として受信するからである。この場合、中央の基本周波数のスペクトル21aに対し、両側に対称に現われるスペクトル21b,21cはスペクトル21aのコピーである。周波数帯域幅KW’において、希望波以外の帯域を通過する信号は熱雑音である。
ところで、図7に示すように、受信する電波によっては、時分割多重アレーアンテナで受信するよりも、1つのアンテナ2のみで電波を受信する単一アンテナで電波受信した方が、SNR(S/N比)がよい場合がある。同図に示されるように、SNRがよければ、電波を高い振幅のスペクトル22で取得することが可能である。そこで、本例の場合は、各アンテナ2における受信電力を監視し、受信電力の比が大きい場合には、時分割多重アレーアンテナ装置1を時分割多重アレーアンテナではなく単一アンテナとして動作させることとする。
図1に示すように、一対のA/Dコンバータ16には、一対のスイッチ23,24を介してデジタルフィルタ25が接続されている。デジタルフィルタ25は、受信した電波においてA/Dコンバータ16を通過した後のデジタル信号を帯域制限することが可能であって、ある特定の周波数帯域のデジタル信号のみを通過させる。
デジタル回路5には、各アンテナ2における受信電力の比を判定する電力比判定部26と、電力比判定部26の判定結果を基に受信回路3の受信経路を切り換える受信経路切換部27とが設けられている。電力比判定部26は、各アンテナ2における受信電波の受信電力を測定し、例えばこれらの最大値と最小値との比を算出する。そして、電力比判定部26は、この受信電力比と閾値とを比較し、受信電力比の大きさを監視する。受信経路切換部27は、受信電力比の判定結果を基に、受信回路3内の受信経路を選択する。なお、電力比判定部26が受信状態判定部の一例である。
次に、図1,図8及び図9を用いて、時分割多重アレーアンテナ装置1の動作を説明する。
図1に示すように、時分割多重アレーアンテナ装置1は、電波受信待ち時、電波を受信したか否かを監視するモニタリング動作(受信待機動作)をとる。このとき、受信回路3内の電波受信経路は、スイッチ23,24が並び替え部17側に接続されることにより、並び替え部17を通過する経路28が選択されている。モニタリング時、スイッチ8が順に選択的に接続される時分割多重によって、電波受信の有無が監視される。
図8に示すように、電力比判定部26は、モニタリング時において電波を受け付けて電波受信を開始したとき、ある特定のアンテナ2で受信電力が大きく受信電力比が閾値以上となることを確認すると、経路切換要求Saを受信経路切換部27に出力する。経路切換要求Saには、受信経路を切り換える旨の要求や、どのアンテナ2が最大受信電力となっているのかを通知する情報などが含まれる。
受信経路切換部27は、電力比判定部26から経路切換要求Saを入力すると、経路切換要求Saを基にスイッチ回路7及びスイッチ23,24の切り換えを行う。このとき、受信経路切換部27は、スイッチ回路7の複数のスイッチ8のうち受信電力が最大となっているスイッチ8をオンするとともに、スイッチ23,24をデジタルフィルタ25側に接続する。これにより、アレーアンテナ装置1は、受信経路がデジタルフィルタ25を通過する経路29に切り換えられることにより、時分割多重アレーアンテナではなく単一アンテナとして動作する。よって、時分割多重アレーアンテナ装置1は、受信電力が最大の1つのアンテナ2のみで電波を受信する。
図9に、本例の提案法を採用した場合の受信電波の周波数スペクトルを示す。同図に示されるように、アンテナ2を時分割多重アレーアンテナから単一アンテナに切り換えても、このときの受信電波に含まれると想定される熱雑音はデジタルフィルタ25で除去される。よって、単一アンテナに切り換えても、熱雑音を少なく抑えながら電波を受信することが可能となる。
図1に示すように、アダプティブプロセッサ19は、通信が終了すること(電波を受信しなくなること)を確認すると、受信終了通知Sbを受信経路切換部27に出力する。受信経路切換部27は、アダプティブプロセッサ19から受信終了通知Sbを入力すると、最大受信電力となっているアンテナ2のスイッチ8のみ常時接続する状態を解除するとともに、スイッチ23,24を並び替え部17側に接続する。これにより、アレーアンテナ装置1は、受信経路が並び替え部17側を通過する経路28に切り換えられることにより、時分割多重アレーに戻される。
そして、特定のアンテナ2で受信電力が大きくなる度にこの切り換え動作が繰り返されて、電波が受信される。即ち、モニタリング時の電波受信時、各アンテナ2の受信電力比が閾値未満であれば、以降の受信動作が時分割多重アレーアンテナで実施され、各アンテナ2の受信電力比が閾値以上であれば、以降の受信動作が単一アンテナで実施される動作が、電波受信の度に繰り返し実行される。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)受信経路切換部27は、受信のモニタリング時、スイッチ23,24を並び替え部17側に接続することにより、アンテナ2を時分割多重アレーアンテナとして動作させる。受信経路切換部27は、モニタリングにおいて電波受信を検知した際、各アンテナ2の間の受信電力比が閾値以上となれば、最大受信電力となるアンテナ2のスイッチ8のみ常時接続しつつ、スイッチ23,24をデジタルフィルタ25側に接続することにより、受信回路3の経路を、デジタルフィルタ25を通る経路29に切り換える。このため、単一アンテナで受信動作した方が好ましい状況下では、時分割多重アレーアンテナ装置1を単一アンテナとして動作させることが可能となるので、その分、SNRを改善することができる。
(2)追加する部品がデジタルフィルタ25であるので、SNRを改善する対策をとっても、時分割多重アレーアンテナ装置1の回路構成が簡素で済む。
(3)モニタリング時に各アンテナ2の受信電力比を監視し、モニタリング時の電波検知の際、受信電力比が閾値未満であれば、以降の電波受信をそのまま時分割多重アレーアンテナで行い、受信電力比が閾値以上であれば、以降の電波受信を単一アンテナに切り換えて行う。よって、電波受信状態の判定→アンテナ切り換えを、電波の受信過程においてスムーズに行うことができる。
(4)受信状態の判定を受信電力の強さ(受信電力比)を基に行うので、いまアンテナ2がどのような状態で電波を受信しているのかを精度よく識別することができる。
(5)電波の受信状態を受信電力の比を基に判定するので、いま受信がどのような状態にあるのか、つまり、電波受信時において時分割多重アレーアンテナ又は単一アンテナの何れを使用すべきなのかを精度よく判定することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・受信電波のモニタリング時、デジタル回路5の電源をオフしておき、電波受信を検知した際に、デジタル回路5の電源をオンに切り換えるようにしてもよい。この場合、時分割多重アレーアンテナ装置1における消費電力の抑制に効果が高くなる。
・受信電力比が閾値未満となったことを確認できた時点で、受信経路を元の並び替え部17側の経路28に戻すようにしてもよい。
・受信回路3は、ベースバンド信号をA/Dコンバータ16でサンプルする構成に限らず、例えばIF信号をサンプルする構成や、第2バンドパスフィルタ10から出力されるRF(Radio Frequency)信号をサンプルする構成でもよい。このように、受信回路3は、種々の回路構成が採用可能である。
・受信回路3は、直交コンバータ部14ではなく、通常のコンバータによって信号をダウンコンバートする回路でもよい。
・アンテナ2の数は、任意の奇数に限らず、任意の偶数でもよい。
・スイッチ8のON時間τ(ON時間比率Ψ)は、実施形態で述べた値以外の他の時間幅に適宜変更してもよい。
・サンプル信号xi(t)から受信信号fk(t)cos(ωct)を再生(分離)する演算は、サンプル信号xi(t)に行列Φを乗算する方法に限定されない。要は、サンプル信号xi(t)から受信信号fk(t)cos(ωct)を再生(分離)できれば、種々の演算方法に変更可能である。
・第2バンドパスフィルタ10の周波数帯域幅は、例えば第1バンドパスフィルタ6の周波通帯域に係数のKを乗算した値でもよい。
・時分割多重アレーアンテナ装置1は、受信機に限らず、送信機又は送受信機としてもよい。
・受信経路切替えの判定は、受信電波の電力比に限らず、例えば受信電波の振幅比や振幅差等、他の指標で行ってもよい。
・電波受信有無の判定は、受信信号強度(受信電力比)を基に行うことに限らず、電波を受信できているかどうか判定できれば、種々の方式が採用可能である。
・受信経路の変更は、モニタリング時/電波受信時で区分けすることに限定されない。例えば、受信電波を読み込んでいる途中において、受信経路を適宜切り換えるようにしてもよい。
・単一アンテナ動作時に接続する1つのアンテナ2は、最大受信電力となるアンテナに限らず、他の通信に好適なアンテナとしてもよい。
・時分割多重アレーアンテナ装置1は、車両や電子キーの受信機として使用されることに限らず、他の機器や装置に適宜応用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記時分割多重アレーアンテナにおいて、前記スイッチのON時間を長くとることにより、前記スイッチの切り換えによる電力損失を抑制し、この処理によって各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまっても、この重畳信号に演算を施すことによって、当該重畳信号を各アンテナの受信信号に分離すること。この構成によれば、重畳信号から各アンテナの受信信号を分離することができるので、信号を精度よく取得することができる。
1…時分割多重アレーアンテナ装置、2…アンテナ、3…信号処理回路としての受信回路、7…スイッチ回路、8…スイッチ、25…デジタルフィルタ、26…受信状態判定部としての電力比判定部、27…受信経路切換部、28,29…受信の経路。

Claims (4)

  1. 複数のアンテナの特定の1つを、複数のスイッチを有するスイッチ回路によって選択的に内部の信号処理回路に接続可能であり、複数の前記アンテナを前記スイッチによって前記信号処理回路に順に選択的に接続していくことにより、前記アンテナを時分割多重アレーアンテナとして通信可能な時分割多重アレーアンテナ装置において、
    前記アンテナを単一アンテナとして動作するとき、受信した電波のデジタル信号を帯域制限することが可能なデジタルフィルタと、
    前記時分割多重アレーアンテナでの通信時、当該アンテナにおける電波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
    前記単一アンテナで電波を受信した方が好ましい状況下のとき、複数の前記スイッチの特定の1つのみを常時接続しつつ、受信する信号の経路を、前記デジタルフィルタを通る経路に切り換えることにより、前記アンテナを前記単一アンテナとして動作させる受信経路切換部と
    を備えたことを特徴とする時分割多重アレーアンテナ装置。
  2. 前記受信状態判定部は、前記電波の受信状態の監視を、電波を受信しているか否かを監視するモニタリング時に実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の時分割多重アレーアンテナ装置。
  3. 前記受信状態は、電波を前記アンテナで受信した際の受信電力の強さである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の時分割多重アレーアンテナ装置。
  4. 前記受信状態判定部は、前記時分割多重アレーアンテナでの通信時、前記アンテナの間の受信電力の比を判定し、前記受信経路切換部は、この受信電力比が閾値以上となるとき、前記受信の経路の切り換えにより、前記アンテナを前記時分割多重アレーアンテナから前記単一アンテナに変更する
    ことを特徴とする請求項3に記載の時分割多重アレーアンテナ装置。
JP2012269347A 2012-12-10 2012-12-10 時分割多重アレーアンテナ装置 Expired - Fee Related JP6017946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269347A JP6017946B2 (ja) 2012-12-10 2012-12-10 時分割多重アレーアンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269347A JP6017946B2 (ja) 2012-12-10 2012-12-10 時分割多重アレーアンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014116778A true JP2014116778A (ja) 2014-06-26
JP6017946B2 JP6017946B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=51172366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012269347A Expired - Fee Related JP6017946B2 (ja) 2012-12-10 2012-12-10 時分割多重アレーアンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6017946B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020534766A (ja) * 2018-01-18 2020-11-26 三菱電機株式会社 送信機、受信機、及びアナログ信号を送信する方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003087039A (ja) * 2001-09-11 2003-03-20 Clarion Co Ltd アダプティブアレイアンテナ装置
JP2004297281A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Sanyo Electric Co Ltd 無線受信装置、アダプティブアレイ処理制御方法、およびアダプティブアレイ処理制御プログラム
JP2004349805A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Alpine Electronics Inc Iboc放送受信機
WO2007141878A1 (ja) * 2006-06-09 2007-12-13 Panasonic Corporation ダイバーシチ受信装置及びダイバーシチ受信方法
JP2010034798A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 無線監視システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003087039A (ja) * 2001-09-11 2003-03-20 Clarion Co Ltd アダプティブアレイアンテナ装置
JP2004297281A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Sanyo Electric Co Ltd 無線受信装置、アダプティブアレイ処理制御方法、およびアダプティブアレイ処理制御プログラム
JP2004349805A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Alpine Electronics Inc Iboc放送受信機
WO2007141878A1 (ja) * 2006-06-09 2007-12-13 Panasonic Corporation ダイバーシチ受信装置及びダイバーシチ受信方法
JP2010034798A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 無線監視システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020534766A (ja) * 2018-01-18 2020-11-26 三菱電機株式会社 送信機、受信機、及びアナログ信号を送信する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6017946B2 (ja) 2016-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102947722B (zh) 用于估计到达方向的方法和装置
WO2015171958A1 (en) Signaling and frame structure for massive mimo cellular telecommunication systems
US20110065409A1 (en) Frequency shifting based interference cancellation device and method
EP2405600B1 (en) Wireless communication system, transmission device, and receiving device
CN105393461A (zh) 一种无线通信方法及系统、全双工无线收发机
WO2009076223A1 (en) Transforming signals using passive circuits
WO2013080451A1 (ja) 無線通信システムにおける無線受信装置および無線受信方法
JP6017946B2 (ja) 時分割多重アレーアンテナ装置
US8326247B2 (en) Receiver
JP6017945B2 (ja) 時分割多重アレーアンテナ装置
JP5729561B2 (ja) 時分割多重アダプティブアレーアンテナの信号処理装置
JP5814134B2 (ja) アレーアンテナ
KR101498615B1 (ko) 무선 신호의 방향을 추정하는 장치 및 그 방법
JP5830397B2 (ja) アレーアンテナ
JP6017942B2 (ja) 時分割多重アレーアンテナ装置
Şahin et al. A millimeter-wave software-defined radio for wireless experimentation
EP3465952B1 (en) Method and apparatus for antenna array calibration using on-board receiver
JP2007251342A (ja) Ofdm受信装置
JP5827167B2 (ja) アレーアンテナ
KR102441528B1 (ko) 동일대역 전이중 송수신기에서 fir 필터의 입력 정보를 추정하는 방법 및 장치
US20170134074A1 (en) Cancellation signal generation for multiple input and multiple output (mimo) analog interference cancellation
JP2013143632A (ja) アレーアンテナ
JP2000188585A (ja) Ofdm受信装置
KR102444470B1 (ko) 동일대역 전이중 송수신기에서 fir 필터를 튜닝하는 방법 및 장치
JP2004247964A (ja) 周波数ホッピング波受信装置及び周波数ホッピング波受信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6017946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees