JP2014116247A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】端子間における微摺動摩耗を抑制する。
【解決手段】本発明のコネクタは、フード部52が設けられた機器側ハウジング51と、フード部51内に嵌合される電線側ハウジング30と、後側から電線側ハウジング30のキャビティ31に収容され、電線側ハウジング30がフード部52内に嵌合された際に、機器側ハウジング51に設けられた雄端子53に接続される雌端子20と、電線側ハウジング30の底壁30Bに設けられ、電線側ハウジング30がフード部52内に嵌合されると、フード部52の下側内壁に押圧されることで、上方に向かって弾性変形し、雌端子20を電線側ハウジング30の前壁30Aに押しつけるランス33とを備えるところに特徴を有する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のコネクタは、フード部52が設けられた機器側ハウジング51と、フード部51内に嵌合される電線側ハウジング30と、後側から電線側ハウジング30のキャビティ31に収容され、電線側ハウジング30がフード部52内に嵌合された際に、機器側ハウジング51に設けられた雄端子53に接続される雌端子20と、電線側ハウジング30の底壁30Bに設けられ、電線側ハウジング30がフード部52内に嵌合されると、フード部52の下側内壁に押圧されることで、上方に向かって弾性変形し、雌端子20を電線側ハウジング30の前壁30Aに押しつけるランス33とを備えるところに特徴を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、コネクタに関する。
従来、雄端子に設けられた雄側接続部が挿入される接続筒部を備えた雌端子として、特許文献1に記載のものが知られている。
接続筒部内には、雄側接続部に弾性的に接触することで、雄側接続部と電気的に接続される弾性接触片が形成されている。弾性接触片の幅方向中央には突部が形成されており、この突部は、雄側接続部の挿入方向に延びる形態で雄側接続部の下面に形成された凹溝に嵌合可能とされている。そして、雄側接続部と弾性接触片とが電気的に接続されると、突部が凹溝内に嵌合され、雄側接続部と弾性接触片とが互いに幅方向に移動することが阻止されることにより、雄側接続部と弾性接触片との間の微摺動が抑制されている。
接続筒部内には、雄側接続部に弾性的に接触することで、雄側接続部と電気的に接続される弾性接触片が形成されている。弾性接触片の幅方向中央には突部が形成されており、この突部は、雄側接続部の挿入方向に延びる形態で雄側接続部の下面に形成された凹溝に嵌合可能とされている。そして、雄側接続部と弾性接触片とが電気的に接続されると、突部が凹溝内に嵌合され、雄側接続部と弾性接触片とが互いに幅方向に移動することが阻止されることにより、雄側接続部と弾性接触片との間の微摺動が抑制されている。
ところで、この種の雌端子は、一般に後方から雌ハウジング内に収容され、雌ハウジング内に設けられた弾性変形可能なランスによって後方から係止されることにより、雌ハウジング内に抜け止めされる。
ところが、雌端子の挿入動作の円滑化を図るため、ランスと雌端子との間には僅かなクリアランスが形成されている。このため、例えば、雄端子が雄ハウジングに対してがたつきなく設けられていたとしても、雄ハウジングと雌ハウジングとが嵌合された状態で振動を受けると、雌ハウジング内において雌端子が前後方向にがたつき、雌端子の弾性接触片と雄端子の雄側接続部との間でいわゆる微摺動摩耗が生じて、端子間の接触抵抗が増大してしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子間における微摺動摩耗を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、フード部が設けられた第一ハウジングと、前記フード部内に嵌合される第二ハウジングと、前記第二ハウジング内に後側から収容され、前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合された際に、前記第一ハウジングに一体に固定された第一側端子に接続される第二側端子と、前記第二ハウジングの外壁に設けられ、前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合されると、前記フード部に押圧されることで、前記第二ハウジング内に向かって変位し、前記第二側端子を前記第二ハウジングの前壁に押しつけるがた詰め部とを備えるところに特徴を有する。
このような構成のコネクタによると、第二ハウジングとフード部とが嵌合した際に、第二側端子と第二ハウジングの前壁との間のクリアランスを詰めることができるので、第二ハウジング内における第二側端子の前後方向のがたを抑制することができる。これにより、第一側端子と第二側端子との接続部分において微摺動摩耗が生じることを抑制し、端子間の接触抵抗の増加を抑制することができる。
このような構成のコネクタによると、第二ハウジングとフード部とが嵌合した際に、第二側端子と第二ハウジングの前壁との間のクリアランスを詰めることができるので、第二ハウジング内における第二側端子の前後方向のがたを抑制することができる。これにより、第一側端子と第二側端子との接続部分において微摺動摩耗が生じることを抑制し、端子間の接触抵抗の増加を抑制することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記がた詰め部は、前記第二側端子を前記第二ハウジング内に挿入する過程において、前記第二側端子と干渉することで外側に向かって弾性変形し、前記第二側端子が前記第二ハウジング内の正規の位置に至ると、前記第二側端子との干渉状態が解除されて弾性復帰することで、前記第二側端子を後側から係止するランスである構成としてもよい。
このような構成によると、第二側端子を後側から係止するランスを、第二側端子のがたを抑制するがた詰め部として兼用することができる。これにより、がた詰め部を第二ハウジングに別途設ける場合に比べて、第二ハウジングの構造を簡素化することができ、第二ハウジングが大型化することを抑制することができる。
前記がた詰め部は、前記第二側端子を前記第二ハウジング内に挿入する過程において、前記第二側端子と干渉することで外側に向かって弾性変形し、前記第二側端子が前記第二ハウジング内の正規の位置に至ると、前記第二側端子との干渉状態が解除されて弾性復帰することで、前記第二側端子を後側から係止するランスである構成としてもよい。
このような構成によると、第二側端子を後側から係止するランスを、第二側端子のがたを抑制するがた詰め部として兼用することができる。これにより、がた詰め部を第二ハウジングに別途設ける場合に比べて、第二ハウジングの構造を簡素化することができ、第二ハウジングが大型化することを抑制することができる。
前記がた詰め部において前記第二側端子と当接する位置には、前記第二ハウジングの内側から外側に向かうほど前方に向かって傾斜するテーパ状の押圧部が形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、がた詰め部が第二ハウジング内に向かって弾性変形する際に、押圧部によって第二側端子を滑らかに前壁に向かって押し出すことができる。これにより、フード部に対して第二ハウジングを円滑に挿入することができ、作業性・操作感に優れる。
このような構成によると、がた詰め部が第二ハウジング内に向かって弾性変形する際に、押圧部によって第二側端子を滑らかに前壁に向かって押し出すことができる。これにより、フード部に対して第二ハウジングを円滑に挿入することができ、作業性・操作感に優れる。
前記がた詰め部には、前記第二ハウジングの外面より外方に突出する突出部が設けられており、前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合されると前記突出部が前記フード部の内壁によって押圧されることで前記がた詰め部が前記第二ハウジング内に向かって変位する構成としてもよい。
例えば、がた詰め部を第二ハウジング内に向かって変位させる手段として、フード部内に突起を設け、フード部と第二ハウジングとが正規の嵌合状態に至った際に、突起によってがた詰め部を第二ハウジング内に押圧するといった方法も考えられる。しかしながら、このような構成によると、フード部内に突起を設けるための型抜き孔を設ける必要ある。ところが、上記の構成によると、第一ハウジングの構成を変更することなく、がた詰め部に突出部を設けるだけで、がた詰め部を第二ハウジング内に向かって変位させることができる。
例えば、がた詰め部を第二ハウジング内に向かって変位させる手段として、フード部内に突起を設け、フード部と第二ハウジングとが正規の嵌合状態に至った際に、突起によってがた詰め部を第二ハウジング内に押圧するといった方法も考えられる。しかしながら、このような構成によると、フード部内に突起を設けるための型抜き孔を設ける必要ある。ところが、上記の構成によると、第一ハウジングの構成を変更することなく、がた詰め部に突出部を設けるだけで、がた詰め部を第二ハウジング内に向かって変位させることができる。
前記がた詰め部は、前記第二側端子が前記第二ハウジングに対して半挿入状態のときに、前記フード部の開口縁に当接することで前記フード部内への前記第二ハウジングの挿入を規制する半挿入検知面を有している構成としてもよい。
このような構成によると、第二側端子のがたを詰めると共に、第二側端子を後側から係止するランスを、第二側端子の半挿入検知機構として兼用することができる。これにより、3つの機能を個別に設ける場合に比べて、コネクタの構造を格段に簡素化することができる。
このような構成によると、第二側端子のがたを詰めると共に、第二側端子を後側から係止するランスを、第二側端子の半挿入検知機構として兼用することができる。これにより、3つの機能を個別に設ける場合に比べて、コネクタの構造を格段に簡素化することができる。
本発明によれば、端子間における微摺動摩耗を抑制することができる。
<実施形態>
本発明の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態のコネクタは、機器のケースに設けられた機器側コネクタ50と、機器側コネクタ50に嵌合される電線側コネクタ10とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向を基準とし、前後方向とは図1における左右方向を基準とし、電線側コネクタ10と機器側コネクタ50とが互いに嵌合する側を前側として説明する。
本発明の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態のコネクタは、機器のケースに設けられた機器側コネクタ50と、機器側コネクタ50に嵌合される電線側コネクタ10とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向を基準とし、前後方向とは図1における左右方向を基準とし、電線側コネクタ10と機器側コネクタ50とが互いに嵌合する側を前側として説明する。
機器側コネクタ50は、図1に示すように、前方に略矩形状に開口するフード部52を有する合成樹脂製の機器側ハウジング(「第一ハウジング」の一例)51と、機器側ハウジング51に一体に固定された雄端子(「第一側端子」の一例)53とを備えて構成されている。
雄端子53は、フード部52の奥壁52Aから前方に突出した形態で機器側ハウジング51にがたつきなく固定されており、フード部52の奥壁52Aよりも前方に突出した部分が平板状の雄側接続部54とされている。
雄端子53は、フード部52の奥壁52Aから前方に突出した形態で機器側ハウジング51にがたつきなく固定されており、フード部52の奥壁52Aよりも前方に突出した部分が平板状の雄側接続部54とされている。
電線側コネクタ10は、図1に示すように、電線Wの端末に接続される雌端子(「第二側端子」の一例)20と、雌端子20が収容される電線側ハウジング(「第二ハウジング」の一例)30とを備えて構成されている。
雌端子20は、導電性を有する金属板材をプレス加工することにより形成されており、図3および図4に示すように、機器側コネクタ50の雄端子53における雄側接続部54が挿入される接続筒部21と、接続筒部21の後方に連なって設けられた電線接続部22とを備えて構成されている。
雌端子20は、導電性を有する金属板材をプレス加工することにより形成されており、図3および図4に示すように、機器側コネクタ50の雄端子53における雄側接続部54が挿入される接続筒部21と、接続筒部21の後方に連なって設けられた電線接続部22とを備えて構成されている。
接続筒部21は、略角筒状をなし、接続筒部21の内部には、前側上縁から後方に向かって折り返された弾性変形可能な弾性接触片23が設けられている。
弾性接触片23には、下方に向かって膨出する接点部23Aが設けられており、接続筒部21内に雄側接続部54が挿入されると、接点部23Aが雄側接続部54に弾性的に接触することで、図2に示すように、雄側接続部54と弾性接触片23とが電気的に接続されるようになっている。
弾性接触片23には、下方に向かって膨出する接点部23Aが設けられており、接続筒部21内に雄側接続部54が挿入されると、接点部23Aが雄側接続部54に弾性的に接触することで、図2に示すように、雄側接続部54と弾性接触片23とが電気的に接続されるようになっている。
電線接続部22は、電線Wの端末に露出された芯線に圧着されるワイヤバレル部24と、電線Wの絶縁被覆に圧着されるインシュレーションバレル部25とを備えて構成されており、ワイヤバレル部24とインシュレーションバレル部25とが電線Wに圧着されることで、雌端子20が電線Wに対して電気的に接続されている。
電線側ハウジング30は、図1乃至図3に示すように、前後方向に長いブロック状をなしており、機器側ハウジング51のフード部52内に適合して嵌合されるようになっている。電線側ハウジング30の内部には、前後方向に開口するキャビティ31が形成されており、キャビティ31の後端開口から雌端子20が収容されるようになっている。また、キャビティ31の前端開口は、電線側ハウジング30の前壁30Aに設けられた端子挿通孔32とされ、フード部52内に電線側ハウジング30が嵌合されると、雄端子53の雄側接続部54が端子挿通孔32を通して雌端子20の接続筒部21に挿入されるようになっている。
また、電線側ハウジング30には、キャビティ31内に収容された雌端子20を後方から係止するランス(「がた詰め部」の一例)33が形成されている。このランス33は、電線側ハウジング30の底壁(「外壁」の一例)30Bにスリット34を設けることで前後方向に延びる片持ち状に形成されており、ランス33の前端部は自由端とされている。また、ランス33は、上下方向に弾性変形可能とされており、電線側ハウジング30の前後方向略中央部に位置している。
ランス33の前側上端部には、上方に突出した形態の端子係止部35が設けられている。この端子係止部35は、キャビティ31内に雌端子20が後方から挿入されると、雌端子20の接続筒部21が後方から当接して接続筒部21が端子係止部35に乗り上げ、ランス33を下方に向かって弾性変形させる。そして、雌端子20が正規の位置に至ると、接続筒部21と端子係止部35との干渉状態が解除され、ランス33が弾性復帰することで、端子係止部35が接続筒部21を後方から係止する。これにより、雌端子20が電線側ハウジング30に抜け止めされる。なお、キャビティ31内への雌端子20の挿入動作の円滑化を図るため、ランス33と雌端子20との間には前後方向に僅かなクリアランスCが形成されている。
また、ランス33の前端面は、電線側ハウジング30の底壁30Bにおける外底面と略直交に交差する切り立った半挿入検知面36とされている。
この半挿入検知面36は、雌端子20がキャビティ31内において正規の位置よりも後方に配置された半挿入状態のときに、ランス33が下方に弾性変形した状態のままとなることで、電線側ハウジング30の底壁30Bにおける外底面と略直交をなして下方に突出するように設定されている。つまり、雌端子20が半挿入状態で電線側ハウジング30をフード部52内に挿入しようとすると、半挿入検知面36がフード部52の開口縁に当接し、フード部52内への電線側ハウジング30の挿入を規制するようになっている。これにより、雌端子20が半挿入状態の電線側コネクタ10が機器側コネクタ50に嵌合されることが規制されるようになっている。
この半挿入検知面36は、雌端子20がキャビティ31内において正規の位置よりも後方に配置された半挿入状態のときに、ランス33が下方に弾性変形した状態のままとなることで、電線側ハウジング30の底壁30Bにおける外底面と略直交をなして下方に突出するように設定されている。つまり、雌端子20が半挿入状態で電線側ハウジング30をフード部52内に挿入しようとすると、半挿入検知面36がフード部52の開口縁に当接し、フード部52内への電線側ハウジング30の挿入を規制するようになっている。これにより、雌端子20が半挿入状態の電線側コネクタ10が機器側コネクタ50に嵌合されることが規制されるようになっている。
さて、ランス33の前側下端部(端子係止部35が設けられた位置の下側)には、ランス33が弾性変形しない自然状態において、電線側ハウジング30の底壁30Bにおける外底面よりも下方に突出する突出部37が設けられている。この突出部37は、前後方向略中央部を突出端として前後方向に傾斜する山形状に形成されており、電線側ハウジング30がフード部52内に嵌合される際にフード部52の下側内壁によって上方に押圧され、ランス33を電線側ハウジング30の内側である上方に向かって弾性変形させるようになっている。
一方、ランス33の端子係止部35の前部は、前側に向かうほど外側(電線側ハウジング30の内側から外側)に向かって傾斜するテーパ状の押圧部38とされ、ランス33が上方に弾性変形すると、押圧部38が雌端子20の接続筒部21の後側下端部に形成された被押圧部26を斜め前に向かって押圧し、接続筒部21を電線側ハウジング30の前壁30Aに押しつけるようになっている。
一方、ランス33の端子係止部35の前部は、前側に向かうほど外側(電線側ハウジング30の内側から外側)に向かって傾斜するテーパ状の押圧部38とされ、ランス33が上方に弾性変形すると、押圧部38が雌端子20の接続筒部21の後側下端部に形成された被押圧部26を斜め前に向かって押圧し、接続筒部21を電線側ハウジング30の前壁30Aに押しつけるようになっている。
また、接続筒部21の被押圧部26は、接続筒部21の後側下端部の角部を面取り加工することで、ランス33の押圧部38に沿うように前側に向かうほど外側に向かって傾斜した形態に形成されており、押圧部38面接触可能とされている。
本実施形態のコネクタは、以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。
まず、図3に示すように、電線Wに接続された雌端子20と、電線側ハウジング30とを準備し、電線側ハウジング30のキャビティ31に雌端子20を後方から挿入する。
まず、図3に示すように、電線Wに接続された雌端子20と、電線側ハウジング30とを準備し、電線側ハウジング30のキャビティ31に雌端子20を後方から挿入する。
キャビティ31に対して雌端子20が半分程度挿入されると、接続筒部21の前側下端部がランス33の端子係止部35に後方から当接して接続筒部21に乗り上げ、ランス33を下方に向かって弾性変形させる。そして、雌端子20が正規の位置に至ると、接続筒部21と端子係止部35との当接状態が解除され、ランス33が弾性復帰することで、接続筒部21が端子係止部35によって後方から係止される。これにより、雌端子20がキャビティ31内に抜け止めされ、電線側コネクタ10が完成する。
次に、図1に示すように、機器側コネクタ50と電線側コネクタ10とを向かい合わせに配置し、機器側ハウジング51のフード部52内に電線側コネクタ10を挿入して嵌合させる。
ここで、フード部52に対して電線側ハウジング30が半分程度挿入されると、フード部52の開口縁に電線側ハウジング30のランス33における突出部37が後方から当接して乗り上げ、フード部52の下側内壁によって突出部37が上方に押圧されることで、ランス33が電線側ハウジング30の内側である上方に向かって弾性変形する。
そして、ランス33が上方に向かって弾性変形すると、図2に示すように、ランス33の端子係止部35における押圧部38が雌端子20の接続筒部21における被押圧部26に斜め下後方から面接触して、被押圧部26を斜め前方に向かって滑らかに押圧し、電線側ハウジング30の前壁30Aに接続筒部21を後方から押しつける。
そして、ランス33が上方に向かって弾性変形すると、図2に示すように、ランス33の端子係止部35における押圧部38が雌端子20の接続筒部21における被押圧部26に斜め下後方から面接触して、被押圧部26を斜め前方に向かって滑らかに押圧し、電線側ハウジング30の前壁30Aに接続筒部21を後方から押しつける。
すなわち、電線側ハウジング30とフード部52とを嵌合させることで、雌端子20と電線側ハウジング30の前壁30Aとの間のクリアランスCを詰めることができ、電線側ハウジング30内における雌端子20の前後方向のがたを抑制することができる。また、ランス33が上方に撓んで、下方に弾性復帰することがフード部52の下側内壁によって規制されているから、ランス33による雌端子20の係止力を向上させることができる。
また、電線側ハウジング30は、突出部37がフード部52の下側内壁によって上方に押圧されることで、フード部52の上側内壁および下側内壁との間で上下方向にがた詰めされ、フード部52内において上下方向にがたつくことが抑制される。
また、電線側ハウジング30は、突出部37がフード部52の下側内壁によって上方に押圧されることで、フード部52の上側内壁および下側内壁との間で上下方向にがた詰めされ、フード部52内において上下方向にがたつくことが抑制される。
また、フード部52への電線側ハウジング30の挿入過程では、押圧部38がテーパ状に形成されているから、押圧部38によって接続筒部21を電線側ハウジング30の前壁30Aに向かって滑らかに押し出すことができる。つまり、フード部52に対して電線側ハウジング30を円滑に挿入することができ、作業性・操作感に優れる。
また、押圧部38に沿うように設けられた被押圧部26と押圧部38とを面接触させて押圧することができるから、例えば、被押圧部と押圧部のどちらか一方が角部として形成される場合に比べて、押圧部38によって被押圧部26をしっかりと押圧することができると共に、例えば、被押圧部26に角部が残ったままの場合に比べて、押圧部38が被押圧部26に削られて押圧部38が損傷することを抑制することができる。
ところで、仮に雌端子20がキャビティ31に対して半挿入状態の場合には、端子係止部35と接続筒部21との当接状態が解除されず、ランス33が下方に弾性変形した状態のままとなって、半挿入検知面36が電線側ハウジング30の底壁30Bにおける外底面と略直交をなすように下方に突出した状態となる。したがって、フード部52に電線側ハウジング30を挿入する際に、半挿入検知面36がフード部52の開口縁に当接し、雌端子20が半挿入状態の電線側コネクタ10の挿入を規制することができる。すなわち、ランス33を半挿入検知機構として兼用することで、雌端子20が半挿入状態のままの電線側コネクタ10を機器側コネクタ50に嵌合させることを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態では、電線側ハウジング30とフード部52とを嵌合させるだけで、雌端子20を電線側ハウジング30の前壁30Aに滑らかに押しつけて、雌端子20と電線側ハウジング30の前壁30Aとの間のクリアランスCを詰めることができる。これにより、電線側ハウジング30のキャビティ31内における雌端子20の前後方向のがたを抑制することができる。この結果、雄端子53と雌端子20との接続部分において微摺動摩耗が生じることを抑制し、両端子20,53間の接触抵抗の増加を抑制することができる。
また、雌端子20の半挿入状態を検知をすると共に、雌端子20を後側から係止するランス33を、雌端子20のがたを詰めるがた詰め部として兼用することができるから、機能毎に部材を個別に設ける場合に比べて、電線側コネクタ10の構造を格段に簡素化することができる。ひいては、電線側コネクタ10と共に、機器側コネクタ50が大型化することを抑制することができる。
ところで、例えば、ランスを上方(電線ハウジング内)に向かって変位させる手段として、フード部内に突起を設け、フード部と電線側ハウジングとが正規の嵌合状態に至った際に、突起によってランスを上方に弾性変形させるといった方法も考えられる。しかしながら、このような構成によると、フード部に突起を設けるための型抜き孔を設ける必要ある。ところが、本実施形態によると、フード部52の下側内壁によって押圧される突出部37を、ランス33の前側下端部に設けるだけで、ランス33を上方に向かって変位させることができる。
すなわち、機器側コネクタ50の構成を変更することなく、雄端子53と雌端子20との間で微摺動摩耗が生じることを抑制し、両端子20,53間の接触抵抗の増加を抑制することができる。
すなわち、機器側コネクタ50の構成を変更することなく、雄端子53と雌端子20との間で微摺動摩耗が生じることを抑制し、両端子20,53間の接触抵抗の増加を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、雌端子20を有する電線側コネクタ10のランス33に適用させた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、雄端子を有する電線側コネクタのランスに適用させてもよい。
(2)上記実施形態では、雌端子20を後方から係止する係止機能と、雌端子20の前後のがたを詰めるがた詰め機能と、雌端子20の半挿入を検知する半挿入検知機能とをランス33に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ランスとは別に半挿入検知機能を別途設けた構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、押圧部38と被押圧部26とが面接触するように構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、押圧部と被押圧部のどちらか一方が角部を有し、角部と傾斜面とが接触する構成にしてもよい。
(4)上記実施形態では、電線側ハウジング30の底壁30Bにランス33を設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線側ハウジングの側壁や天井壁にランスを設けた構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、電線側ハウジング30内に1つのキャビティ31が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線側ハウジング内に上下方向に2つのキャビティが構成されていてもよく、幅方向に2つ以上のキャビティが構成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、雌端子20を後方から係止する係止機能と、雌端子20の前後のがたを詰めるがた詰め機能と、雌端子20の半挿入を検知する半挿入検知機能とをランス33に設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ランスとは別に半挿入検知機能を別途設けた構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、押圧部38と被押圧部26とが面接触するように構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、押圧部と被押圧部のどちらか一方が角部を有し、角部と傾斜面とが接触する構成にしてもよい。
(4)上記実施形態では、電線側ハウジング30の底壁30Bにランス33を設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線側ハウジングの側壁や天井壁にランスを設けた構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、電線側ハウジング30内に1つのキャビティ31が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線側ハウジング内に上下方向に2つのキャビティが構成されていてもよく、幅方向に2つ以上のキャビティが構成されていてもよい。
20:雌端子(第二側端子)
30:電線側ハウジング(第二ハウジング)
30A:前壁
30B:底壁(外壁)
33:ランス(がた詰め部)
36:半挿入検知面
37:突出部
38:押圧部
51:機器側ハウジング(第一ハウジング)
52:フード部
53:雄端子(第一側端子)
30:電線側ハウジング(第二ハウジング)
30A:前壁
30B:底壁(外壁)
33:ランス(がた詰め部)
36:半挿入検知面
37:突出部
38:押圧部
51:機器側ハウジング(第一ハウジング)
52:フード部
53:雄端子(第一側端子)
Claims (5)
- フード部が設けられた第一ハウジングと、
前記フード部内に嵌合される第二ハウジングと、
前記第二ハウジング内に後側から収容され、前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合された際に、前記第一ハウジングに一体に固定された第一側端子に接続される第二側端子と、
前記第二ハウジングの外壁に設けられ、前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合されると、前記フード部に押圧されることで、前記第二ハウジング内に向かって変位し、前記第二側端子を前記第二ハウジングの前壁に押しつけるがた詰め部とを備えるコネクタ。 - 前記がた詰め部は、前記第二側端子を前記第二ハウジング内に挿入する過程において、前記第二側端子と干渉することで外側に向かって弾性変形し、前記第二側端子が前記第二ハウジング内の正規の位置に至ると、前記第二側端子との干渉状態が解除されて弾性復帰することで、前記第二側端子を後側から係止するランスである請求項1記載のコネクタ。
- 前記がた詰め部において前記第二側端子と当接する位置には、前記第二ハウジングの内側から外側に向かうほど前方に向かって傾斜するテーパ状の押圧部が形成されている請求項2記載のコネクタ。
- 前記がた詰め部には、前記第二ハウジングの外面より外方に突出する突出部が設けられており、
前記第二ハウジングが前記フード部内に嵌合されると前記突出部が前記フード部の内壁によって押圧されることで前記がた詰め部が前記第二ハウジング内に向かって変位する請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のコネクタ。 - 前記がた詰め部は、前記第二側端子が前記第二ハウジングに対して半挿入状態のときに、前記フード部の開口縁に当接することで前記フード部内への前記第二ハウジングの挿入を規制する半挿入検知面を有している請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012271081A JP2014116247A (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | コネクタ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019220386A (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 日本圧着端子製造株式会社 | コネクタ及びコネクタ接続構造 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH062573U (ja) * | 1992-06-12 | 1994-01-14 | 日本端子株式会社 | 雄形コネクタ |
JP2004319155A (ja) * | 2003-04-14 | 2004-11-11 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | コネクタ |
-
2012
- 2012-12-12 JP JP2012271081A patent/JP2014116247A/ja not_active Abandoned
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