JP2014115150A - 自動分析装置、血液型判定用検査試薬、及び凝集体溶血用試薬 - Google Patents

自動分析装置、血液型判定用検査試薬、及び凝集体溶血用試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】低コスト、高スループット、且つ高精度な血液型判定を行うこと。
【解決手段】測光部25は、被検体の血液に由来する赤血球と抗血液型抗原抗体との混合液の透過光量を繰り返し測定する。血液型判定部4は、透過光量の時間変化のパターンに従って被検体の血液型を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、自動分析装置、血液型判定用検査試薬、及び凝集体溶血用試薬に関する。
血液型には、ABO式血液型、Rh式血液型、HLA血液型等多くの種類が存在する。
Rh式血液型は、Rh式血液型の不適合が輸血副作用や新生児溶血症疾患等の原因となることから、臨床上重要な血液型として知られており、Rh式血液型の判定は一般に広く行われている。Rh式血液型は、アカゲザルの血液をウサギに注射して得られた抗血清により赤血球が凝集するヒトをRh陽性、また赤血球が凝集しないヒトをRh陰性に分類する。その後、ヒト由来の抗体の検出によりRh式血液型が確立し、現在では40種類以上のRh抗体が発見されている。
ABO式血液型は、輸血時の供血者と受血者との適合性(輸血副作用)等の問題から特に重要であり、ABO式血液型の判定は、一般に広く行われている。ABO式血液型の判定は、赤血球表面の血液型物質(血液型抗原)の有無を検査するオモテ試験の結果と、血清中の抗血液型抗原抗体の有無を検査するウラ試験の結果とを検査者が照合することにより人的に行われている。
ABO式血液型のオモテ試験には、2〜5%の生食液浮遊血球(被検試料)と抗血液型抗原抗体溶液(血液型判定用抗体溶液)とを試験管内で混合した後、遠心分離処理(3400rpm、15秒)し、血球沈渣をほぐしながら凝集の有無を観察する試験管法や、30%生食液浮遊血球と抗血液型抗原抗体溶液とをスライドグラス上で混合して凝集の有無を観察する載せガラス法等が知られている。これらの方法は、検査者が凝集の有無を目視で判断することによって血液型を判定しているため、熟練が必要であり、判定精度が良いとは言えない。また、ABO式血液型の場合、検査者が抗A抗体及び抗B抗体の2種類の抗血液型抗原抗体溶液を用いて、Rh式血液型の場合、検査者が抗C抗体、抗c抗体、抗D抗体、抗E抗体、及び抗e抗体の5種類の抗血液型抗原抗体溶液を用いて、凝集の有無をそれぞれ観察する必要があり、検査者の作業負担が大きい。
特許文献1には、血球の凝集像の撮影画像に基づいて血液型を判定する分析装置が開示されている。特許文献1に係る分析装置は、短時間で安定して処理することが可能ではあるが、血球の凝集像の撮影画像に基づく血液型判定を行う専用装置である。
特開2011−133364号公報
実施形態の目的は、低コスト、高スループット、且つ高精度な血液型判定を行うことが可能な自動分析装置、血液型判定用検査試薬、及び凝集体溶血用試薬を提供することにある。
本実施形態に係る自動分析装置は、被検体の血液に由来する赤血球と抗血液型抗原抗体との混合液の透過光量を繰り返し測定する測光部と、前記透過光量の時間変化のパターンに従って前記被検体の血液型を判定する判定部と、を具備する。
本実施形態に係る自動分析装置の構成を示す図。 図1の分析機構制御部の制御のもとに行われる前処理の典型的な流れを模式的に示す図。 図1の分析機構制御部の制御のもとに行われる透過光量測定動作の典型的な流れを模式的に示す図。 本実施形態に係る各血液型の透過光量の測定結果を示す図。 図4の透過光量測定に関する測定条件を示す図。 図1の血液型判定部により利用される血液型判定テーブルを示す図。 本実施形態における反応液内の凝集塊の様子と吸光度との典型的な時間変化を示す図。 従来例における反応液内の反応生成物の様子と吸光度との典型的な時間変化を示す図。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる自動分析装置、血液型判定用検査試薬、及び凝集体溶血用試薬を説明する。
本実施形態に係る自動分析装置は、被検体の血液型を判定する。血液型としては、ABO式血液型、Rh式血液型、及びHLA血液型が広く知られている。本実施形態に係る自動分析装置は、これら血液型の何れにも適用可能である。しかし、以下の説明を具体的に行うため、本実施形態に係る自動分析装置は、ABO式血液型を判定するものとする。
ヒトの赤血球の表面には血液型抗原が存在する。血液型抗原としては、A抗原とB抗原とがある。赤血球の表面にA抗原が存在しB抗原が存在しない場合、A型であり、赤血球の表面にA抗原が存在せずB抗原が存在する場合、B型であり、赤血球の表面にA抗原とB抗原との両方が存在する場合、AB型であり、赤血球の表面にA抗原とB抗原との両方とも存在しない場合、O型である。血液型抗原にはその種類に応じて特異的に結合する抗血液型抗原抗体が存在する。A抗原に特異的に結合する抗原は抗A抗原であり、B抗原に特異的に結合する抗原は抗B抗原である。血液型抗原と抗血液型抗原抗体との特異的結合による抗原抗体反応(免疫反応)によって赤血球が凝集する。本実施形態に係る自動分析装置は、抗原抗体反応による赤血球の凝集を光学的に測定することにより被検体のABO式血液型を判定する。
現在、血球サンプリング機能と自動前処理機能とを装備する自動分析装置が市場に普及している。血球サンプリングが可能な自動分析装置は、主に糖化ヘモグロビンを検査することを目的としており、HbA1c測定キットとして販売されている。本実施形態に係る自動分析装置は、汎用の血球サンプリング機能と自動前処理機能とを用いて血液型判定の大量処理を実現する。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る自動分析装置は、システム制御部1を中枢として、分析機構2、分析機構制御部3、血液型判定部4、操作部5、表示部6、及び記憶部7を備える。
図2は、分析機構2の概略的な構造を示す図である。図2に示すように、分析機構2は、自動分析装置の筐体に設けられている。分析機構2は、例えば、図1に示すように、反応ディスク11、サンプルディスク13、第1試薬庫15、第2試薬庫17、サンプルアーム19―1、第1試薬アーム19―2、第2試薬アーム19―3、サンプルプローブ21―1、第1試薬プローブ21―2、第2試薬プローブ21―3、攪拌部23、測光部25、及び洗浄部27を搭載する。
反応ディスク11は、円周上に配列された複数の反応管31を保持する。反応ディスク11は、既定の時間間隔で回動と停止とを交互に繰り返す。所定回数(例えば、3回または4回)の回動が行われると反応管が一周+一セル分だけ進む。この所定回数の回動と停止とを一単位とする動作単位をサイクルと呼ぶ。サンプルディスク13は、反応ディスク11の近傍に配置されている。サンプルディスク13は、検体が収容された検体容器33を保持する。本実施形態に係る検体は、被検体の血液に由来する赤血球を含む血液検体である。サンプルディスク13は、希釈前(前処理前)の血液検体が収容された検体容器33や希釈後(前処理済み)の血液検体が収容された検体容器33を保持している。サンプルディスク13は、分注対象の検体が収容された検体容器33が検体吸引位置に配置されるように回動する。第1試薬庫15は、検体の検査項目に選択的に反応する第1試薬が収容された複数の第1試薬容器35を保持する。第1試薬庫15は、分注対象の第1試薬が収容された第1試薬容器35が第1試薬吸引位置に配置されるように回動する。本実施形態に係る検査項目は、被検体の血液型である。本実施形態に係る第1試薬は、抗血液型抗原抗体を含む溶液である血液型判定用試薬である。血液型判定用試薬としては、抗A抗体を含むA型判定用試薬と抗B抗体を含むB型判定用試薬とが用いられる。また、第1試薬として、血液型判定用試薬の他に希釈液が用いられる。希釈液は、測光部25による透過光量測定の前段において、反応管31内の血液検体を希釈させるための溶液、すなわち、前処理液である。A型判定用試薬、B型判定用試薬、及び希釈液は別々の第1試薬容器35に収容されている。第2試薬庫17は、反応ディスク11の近傍に配置される。第2試薬庫17は、第1試薬に対応する第2試薬が収容された複数の第2試薬容器37を保持する。第2試薬庫17は、分注対象の第2試薬が収容された第2試薬容器37が第2試薬吸引位置に配置されるように回動する。本実施形態に係る第2試薬は、抗原抗体反応により生じた赤血球と抗血液型抗原抗体とから成る凝集塊を溶解するための溶血剤である。
反応ディスク11とサンプルディスク13との間にはサンプルアーム19―1が配置される。サンプルアーム19―1の先端には、サンプルプローブ21―1が取り付けられている。サンプルアーム19―1は、サンプルプローブ21―1を上下動可能に支持している。また、サンプルアーム19―1は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能にサンプルプローブ21―1を支持している。サンプルプローブ21―1の回動軌跡は、サンプルディスク13上の検体吸引位置や反応ディスク11上の検体吐出位置を通過する。サンプルプローブ21―1は、サンプルディスク13上の検体吸引位置に配置されている検体容器33から検体を吸引し、反応ディスク11上の検体吐出位置に配置されている反応管31に検体を吐出する。また、前処理動作時における検体の移し替えのため、サンプルプローブ21―1は、反応ディスク11上の検体吸引位置に配置されている反応管31から検体を吸引することもできる。反応ディスク11上の検体吸引位置と検体吐出位置とは異なる位置に設定されている。
反応ディスク11の外周近傍には第1試薬アーム19―2が配置される。第1試薬アーム19―2の先端には第1試薬プローブ21―2が取り付けられている。第1試薬アーム19―2は、第1試薬プローブ21―2を上下動可能に支持する。また、第1試薬アーム19―2は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第1試薬プローブ21―2を支持している。第1試薬プローブ21―2の回動軌跡は、第1試薬庫15上の第1試薬吸引位置と反応ディスク11上の第1試薬吐出位置とを通る。第1試薬プローブ21―2は、第1試薬庫15上の第1試薬吸引位置に配置されている第1試薬容器35から第1試薬(A型判定用試薬、B型判定用試薬、又は希釈液)を吸引し、反応ディスク11上の第1試薬吐出位置に配置されている反応管31に第1試薬を吐出する。
反応ディスク11と第2試薬庫17との間には第2試薬アーム19―3が配置される。第2試薬アーム19―3の先端には第2試薬プローブ21―3が取り付けられている。第2試薬アーム19―3は、第2試薬プローブ21―3を上下動可能に支持する。また、第2試薬アーム19―3は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第2試薬プローブ21―3を支持している。第2試薬プローブ21―3の回動軌跡は、第2試薬庫17上の第2試薬吸引位置と反応ディスク11上の第2試薬吐出位置とを通る。第2試薬プローブ21―3は、第2試薬庫17上の第2試薬吸引位置に配置されている第2試薬容器37から溶血剤を吸引し、反応ディスク11上の第2試薬吐出位置に配置されている反応管31に溶血剤を吐出する。なお、溶血剤の吐出は、測光部25による透過光量測定の終了後に行われる。
反応ディスク11の外周近傍には攪拌部23が配置される。攪拌部23には攪拌子が取り付けられている。攪拌部23は、反応ディスク11上の攪拌位置に配置された反応管31内の血液検体と希釈液との混合液、希釈済みの血液検体と血液型判定用試薬との混合液を攪拌子で攪拌する。以下、希釈済みの血液検体と血液型判定用試薬との混合液を反応液と呼ぶことにする。また、攪拌部23は、透過光量測定の終了後、反応液と溶血剤との混合液を攪拌子で攪拌することもできる。
反応ディスク11には、測光部25が設けられている。測光部25は、分析機構制御部3による制御に従って作動する。分析機構制御部3による制御に従って測光部25は、反応ディスク11内の測光位置に位置する反応管31に光を照射する。反応管31は、測光位置に照射されている光を横切るように反応ディスク11により回動される。測光部25は、反応管31が測光位置を横切る毎に、反応管31内の反応液の透過光量を測定する。透過光量のデータは、判定部4に供給される。
反応ディスク11の外周には、洗浄部27が設けられている。洗浄部27は、分析機構制御部3による制御に従って作動する。洗浄部27は、廃液ノズルと洗浄ノズルと乾燥ノズルとが取り付けられている。分析機構制御部3による制御に従って洗浄部27は、反応ディスク11の洗浄位置にある反応管31を廃液ノズルと洗浄ノズルと乾燥ノズルとを用いて洗浄する。
分析機構制御部3は、システム制御部1による制御に従って分析機構2の各機構や各部を作動する。分析機構制御部3による制御に従って分析機構2は作動する。血液型判定部4は、測光部25からの透過光量の時間変化のパターンに従って被検体の血液型を判定する。操作部5は、オペレータからの入力機器を介した各種指令や情報入力を受け付ける。入力機器としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチボタン等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスが適宜利用可能である。表示部6は、血液型判定部4による判定結果や測定条件の設定画面等を表示する。表示部6は、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスを有する。記憶部7は、自動分析装置1の動作プログラム等を記憶している。システム制御部1は、本実施形態に係る自動分析装置の中枢として機能する。システム制御部1は、記憶部7から動作プログラムを読み出し、読み出した動作プログラムに従って各部を制御する。
以下、本実施形態に係る自動分析装置の動作について詳細に説明する。本実施形態に係る自動分析装置の動作としては、希釈済みの血液検体を生成するための前処理、希釈済みの血液検体と抗血液型抗原抗体とを含む反応液の透過光量測定、及び透過光量に基づく血液型判定に分類される。まずは、分析機構制御部3の制御のもとに行われる前処理について図2を参照しながら説明する。
図2は、分析機構制御部3の制御のもとに行われる前処理の典型的な流れを模式的に示す図である。前処理の前段において、まず、オペレータ等により血液検体が用意される。具体的には、まず、オペレータ等が患者の血液(全血)をEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid:エチレンジアミン四酢酸)採血管に採取する。次にEDTA採血管33を遠心分離機に設置し、所定の条件(例えば、3000rpm、5分間)で遠心分離する。遠心分離により全血が赤血球と白血球と血漿とに分離される。赤血球は、EDTA採血管33の底に沈殿する。遠心分離後のEDTA採血管33がオペレータ等によりサンプルディスク13に設置される。すなわち、この後の処理においてEDTA採血管33は検体容器33として利用される。なお、遠心分離が施されていないEDTA採血管33がサンプルディスク13に装着されても良い。このようにして、遠心分離が施されていない血液または遠心分離が施された血液が血液検体として用意される。
サンプルディスク13にEDTA採血管33が設置され準備が整うとオペレータは、操作部5を介して分析動作の開始指示を入力する。開始指示が入力されることを契機として分析機構制御部3は、予め設定されている測定条件に従って分析機構2を制御する。まず、分析機構制御部3は、分析機構2を制御して前処理を開始する。
前処理においてサンプルディスク13は、測定対象の血液検体が収容されたEDTA採血管33を検体吸引位置まで移動させる。次にサンプルアーム19−1は、サンプルプローブ21−1を検体吸引位置まで移動させ、サンプルプローブ21−1の先端をEDTA採血管33内に挿入する。EDTA採血管33内に挿入されたサンプルプローブ21−1は、所定量の血液検体を吸引する(ステップS1)。ステップS1において、遠心分離前のEDTA採血管33の場合、サンプルプローブ21−1の先端は血液検体(全血)の任意の深さまで挿入され、サンプルプローブ21−1により全血が吸引される。全血には赤血球が一様に分布しているので、吸引された全血内にも赤血球が存在することとなる。遠心分離が施されたEDTA採血管33の場合、サンプルプローブ21−1の先端はEDATA採血管33内の赤血球が沈殿している底部付近まで挿入され、サンプルプローブ21−1により赤血球が吸引される。
血液検体の吸引後、サンプルアーム19−1は、サンプルプローブ21−1を上昇させ、反応ディスク11上の検体吐出位置まで移動させる。この動作に並行して反応ディスク11は、検体吐出位置に空の反応管31を移動させる。そしてサンプルアーム19−1は、サンプルプローブ21−1を検体吐出位置に配置された反応管31内に挿入し、サンプルプローブ21−1は、血液検体を反応管31内に吐出する(ステップS2(ステップS2A,ステップS2B))。例えば、10μLの血液検体がEDTA採血管33から吸引され反応管31に吐出される。
ステップS1とステップS2とは、二つの反応管31に対して個別に行われる。すなわち、血液検体が収容された反応管31は二つ用意される。ここで一方の反応管31を反応管A1と呼び、もう一方の反応管31を反応管B1と呼ぶことにする。
血液検体の吐出後、第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を介して希釈液を反応管A1に吐出し(ステップS3A)、第1試薬プローブ21−2を介して希釈液を反応管B1に吐出する(ステップS3B)。具体的には、血液検体の吐出後、反応ディスク11は、所定の回転角度の回転と一定期間の停止とを繰り返しながら、前記血液検体が収容された反応管A1を第1試薬吐出位置に移動させる。血液検体が収容された反応管A1が第1試薬吐出位置に配置されるまでの間、第1試薬庫15は、希釈液が収容された第1試薬容器35を第1試薬吸引位置に移動する。本実施形態に係る希釈液としては、例えば、生理食塩水が用いられる。以下、希釈液は生理食塩水であるとする。その後、第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を第1試薬庫15の第1試薬吸引位置まで移動させ、第1試薬プローブ21−2を第1試薬容器35内に挿入する。第1試薬容器35内に挿入された第1試薬プローブ21−2は、第1試薬容器35内から所定量の生理食塩水を吸引する。生理食塩水が吸引されると第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を上昇させ、反応ディスク11上の第1試薬吐出位置に移動させる。そして第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を介して生理食塩水を血液検体が収容された反応管A1に吐出する。同様に、異なるサイクルにおいて、反応管B1にも生理食塩水等の所定量の希釈液が第1試薬プローブ21−2を介して吐出される。例えば、80μLの生理食塩水が第1試薬容器35から吸引され反応管A1及び反応管B1に吐出される。
生理食塩水の吐出後、反応ディスク11は、所定の回転角度の回転と一定期間の停止とを繰り返しながら、生理食塩水と血液検体とが収容された反応管A1と反応管B1とを順番に攪拌位置に移動させる。攪拌部23は、攪拌位置に配置された反応管A1内の生理食塩水と血液検体とを攪拌子で攪拌し(ステップS4A)し、異なるサイクルにおいて、攪拌位置に配置された反応管B1内の生理食塩水と血液検体とを攪拌子で攪拌する(ステップS4A)。これにより希釈検体である生食液浮遊血球が生成される。生食液浮遊血球は透過光量測定の直接的な検体として利用される。なお、生食液浮遊血球内の赤血球が占める割合(濃度)は、2〜5%が好適である。
以上で生食液浮遊血球が生成されることにより前処理が終了する。
前処理が終了すると引き続き分析機構制御部3の制御のもとに行われる透過光量測定動作が行われる。
図3は、透過光量測定動作の典型的な流れを模式的に示す図である。生食液浮遊血球は、サンプルプローブ21−1により空の反応管31に移し替えられる(ステップS5A,S5B)。反応管A1内の生食液浮遊血球が吐出される反応管をA2と呼び、反応管B1内の生食液浮遊血球が吐出される反応管をB2と呼ぶことにする。以下、この移し替え機能における分注機構2の動作の一例を説明する。
生食液浮遊血球が生成されると反応ディスク11は、所定の回転角度の回転と一定期間の停止とを繰り返しながら、生食液浮遊血球が収容された反応管A1を反応ディスク11上の検体吸引位置に移動させる。検体吸引位置に反応管A1が配置される場合、反応ディスク11上の検体吐出位置には空の反応管A2が配置されているものとする。サンプルアーム19−1は、サンプルプローブ21−1を反応ディスク11上の検体吸引位置に移動させ、サンプルプローブ21−1を介して、検体吸引位置に配置された反応管A1から所定量の生食液浮遊血球を吸引し、反応ディスク11上の検体吐出位置に配置された空の反応管A2に吐出する(ステップS5A)。その後、例えば、次のサイクルにおいて反応ディスク11は、反応管B1を検体吸引位置に移動させる。検体吸引位置に反応管B1が配置される場合、反応ディスク11上の検体吐出位置には空の反応管B2が配置されているものとする。サンプルアーム19−1は、サンプルプローブ21−1を介して、反応ディスク11上の検体吸引位置に配置された反応管B1から所定量の生食液浮遊血球を吸引し、反応ディスク11上の検体吐出位置に配置された空の反応管B2に吐出する(ステップS5B)。例えば、生食液浮遊血球は、10μLずつ反応管A2と反応管B2とに吐出される。これにより生食液浮遊血球の移し替えが終了する。
生食液浮遊血球が反応管A2と反応管B2とに吐出されると、第1試薬プローブ19−2は、反応管A2にA型判定用試薬を吐出し(ステップS6A)、反応管B2にB型判定用試薬を吐出する(ステップS6B)。ステップS6A及びS6Bの具体的な動作を説明する。まず、第1試薬庫15は、A型判定用試薬が収容された第1試薬容器35を第1試薬吸引位置に配置する。次に第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を介して第1試薬容器35内からA型判定用試薬を吸引する。これに並行して反応ディスク11は、生食液浮遊血球が収容された反応管A2を第1試薬吐出位置に移動させる。そして第1試薬アーム19−2は、第1試薬プローブ21−2を第1試薬吐出位置に配置し、第1試薬プローブ21−2を介してA型判定用試薬を反応管A2に吐出する。次に、第1試薬庫15は、B型判定用試薬が収容された第1試薬容器35を第1試薬吸引位置に配置する。第1試薬アーム19−2は、A型判定用試薬の時と同様の動作により、第1試薬プローブ21−2を介して第1試薬容器35内からB型判定用試薬を吸引し、第1試薬プローブ21−2を介してB型判定用試薬を反応管B2に吐出する。A型判定用試薬とB型判定用試薬とは同量だけ反応管31に吐出される。例えば、A型判定用試薬は100μLだけ第1試薬容器35から吸引され反応管A2に吐出され、同様に、B型判定用試薬は100μLだけ第1試薬容器35から吸引され反応管B2に吐出されると良い。
A型判定用試薬として抗A血清が用いられ、B型判定用試薬として抗B血清が用いられる。抗A血清としては、例えば、オーソ_バイオクローン抗AをPBS(phosphate buffered saline;リン酸緩衝生理食塩水)で10倍に希釈したものが用いられると良い。抗B血清としては、例えば、オーソ_バイオクローン抗BをPBSで10倍に希釈したものが用いられると良い。PBSのpHは、7.4程度の中性が望ましい。
A型判定用試薬とB型判定用試薬とが吐出されると攪拌部23は、反応管A2内の生食液浮遊血球とA型判定用試薬とを攪拌子で攪拌し(ステップS7A)、反応管B2内の生食液浮遊血球とB型判定用試薬とを攪拌子で攪拌する(ステップS7B)。具体的には、反応ディスク11は、所定の回転角度の回転と一定期間の停止とを繰り返しながら、反応管A2を攪拌位置に移動させる。反応管A2が攪拌位置に配置されると攪拌部23は、反応管A2内の生食液浮遊血球とA型判定用試薬とを攪拌子で攪拌する。攪拌後の生食液浮遊血球とA型判定用試薬との混合液を反応液Aと呼ぶことにする。同様に、反応ディスク11は、反応管B2を攪拌位置に移動させる。反応管B2が攪拌位置に配置されると攪拌部23は、反応管B2内の生食液浮遊血球とB型判定用試薬とを攪拌子で攪拌する。攪拌後の生食液浮遊血球とB型判定用試薬と混合液を反応液Bと呼ぶことにする。
攪拌により反応液Aと反応液Bとが生成されると測光部25は、反応液Aの透過光量を繰り返し測定し(ステップS8A)、反応液Bの透過光量を繰り返し測定する(ステップS8B)。ステップS8A及びS8Bについて詳細に説明する。反応ディスク11内の反応管31の回転経路の所定位置は測光位置に設定されている。測光部25は、測光位置を挟むように光源と光検出器とを装備している。光源は光検出器に向けて連続的に光を照射している。分析動作中、反応ディスク11は、所定の回転角度の回転と一定期間の停止とを繰り返している。従って、反応管A2と反応管B2とは、所定サイクル毎に測光位置を通過する。測光部25は、反応管A2が測光位置を通過する毎に、光源から発生され反応管A2及び反応液Aを透過した光を検出することにより、検出された透過光の光量を測定する。同様に、測光部25は、反応管B2が測光位置を通過する毎に、光源から発生され反応管B2及び反応液Bを透過した透過光を検出器で検出することにより、検出された透過光の光量を測定する。なお本実施形態において透過光とは、反応液Aに関する透過光量のデータと反応管Bに関する透過光量のデータとは血液型判定部4に繰り返し供給される。透過光量の測定は、所定の測光ポイント数(サイクル数)だけ行われる。
透過光量の測定終了後、反応ディスク11は、反応管A2と反応管B2とを順番に洗浄位置に移動させる。洗浄部27は、廃液ノズルにより反応管A2,B2内の反応液を吸引し、洗浄ノズルにより反応管A2,B2内を洗浄し、乾燥ノズルにより反応管A2,B2内を乾燥する。これにより反応管A2,B2の洗浄が完了する。
以上で測定動作が終了する。
測光部25による透過光量の測定が終了すると血液型判定部4による血液型判定処理が行われる。血液型判定処理は、自動的に開始されても良いし、オペレータからの操作部5を介して判定開始指示を受けたことを契機として開始されても良い。
血液型判定処理において血液型判定部4は、所定の時間区間(測光ポイント区間)における反応液Aに関する透過光量の時間変化のパターンと反応液Bに関する透過光量の時間変化のパターンとの組み合わせに従って被検体のABO式血液型を判定する。より詳細には、まず、血液型判定部4は、測光ポイント区間において測定された反応液Aに関する透過光量に基づいて吸光度を繰り返し算出し、同一の測光ポイント区間において測定された反応液Bに関する透過光量に基づいて吸光度を繰り返し算出する。吸光度は、例えば、測光部25の光源からの入射光の強度と検出器により検出された透過光の強度との比の対数として規定されている。次に、血液型判定部4は、反応液Aに関する吸光度の時間変化と反応液Bに関する吸光度の時間変化とに基づいてABO式血液型を判定する。この血液型判定処理について具体的に説明する。
図4は、各血液型についての透過光量の測定結果を示す図である。図5は、図4の透過光量測定に関する測定条件を示す図である。図5に示すように、図4の透過光量測定に係る測定波長は「660nm及び804nm」であり、検体量(希釈前の血液検体の容量)は「3μL」であり、希釈検体量(生食液浮遊血球の容量)は「10μL」であり、希釈液量(希釈液の容量)は「80μL」であり、第1試薬量は「100μL」であり、第2試薬量は「100μL」である。
図4は、各血液型についての吸光度の時間変化曲線を血液型判定用試薬毎に示す図である。図4の各グラフは、縦軸は吸光度[Abs]に規定され、横軸はサイクル(測光ポイント)に規定されている。なお吸光度は無次元数である。サイクル1は、攪拌部25による攪拌が終了した直後の透過光量測定開始時のサイクルに規定される。図4に示すように、血液型に応じて吸光度の時間変化のパターンが異なっていることが確認できる。血液検体がA型の場合、A型判定用試薬を含む反応液Aに関する吸光度は、反応液内の光の散乱状態が変化することにより時間経過に従って低下し、B型判定用試薬を含む反応液Bに関する吸光度は、反応液内の散乱状態が変化せず時間経過に依らず一定である。血液検体がB型の場合、A型判定用試薬を含む反応液Aに関する吸光度は、時間経過に依らず一定であり、B型判定用試薬を含む反応液Bに関する吸光度は、時間経過に従って低下する。血液検体がAB型の場合、A型判定用試薬を含む反応液Aに関する吸光度とB型判定用試薬を含む反応液Bに関する吸光度とはともに、時間経過に従って低下する。血液検体がO型の場合、A型判定用試薬を含む反応液Aに関する吸光度とB型判定用試薬を含む反応液Bに関する吸光度とはともに、時間経過に依らず一定である。
換言すれば、反応液Aの吸光度が時間経過に従って低下し、且つ、反応液Bの吸光度が時間経過に従って低下しない場合、血液型はA型であり、反応液Aの吸光度が時間経過に従って低下せず、且つ、反応液Bの吸光度が時間経過に従って低下する場合、血液型はB型であり、反応液Aの吸光度も反応液Bの吸光度もともに時間経過に従って低下する場合、血液型はAB型であり、反応液Aの吸光度も反応液Bの吸光度もともに時間経過に従って変化しない場合、血液型はO型であると推測できる。
本実施形態に係る血液型判定部4は、このような各血液型についての吸光度の時間変化のパターンを利用して被検体のABO式血液型を判定する。吸光度の時間変化のパターンは、所定の測光ポイント区間において測定された透過光量に基づいて判別される。測光ポイント区間については後述する。血液型判定部4は、反応液Aに関する吸光度の時間変化のパターンと反応液Bに関する吸光度の時間変化のパターンとの両方を判別し、判別されたパターンの組み合わせを血液型判定用テーブルに当てはめることによってABO式血液型を判定する。
図6は、血液型判定用テーブルを示す図である。図6に示すように、反応液Aに関する吸光度が時間経過に従って低下し(陽性)、且つ、反応液Bの吸光度が時間経過に従って低下しない場合(陰性)、血液型はA型であると規定される。反応液Aの吸光度が時間経過に従って低下せず(陰性)、且つ、反応液Bの吸光度が時間経過に従って低下する場合(陽性)、血液型はB型であると規定される。反応液Aの吸光度も反応液Bの吸光度もともに時間経過に従って低下する場合(陽性)、血液型はAB型であると規定される。反応液Aの吸光度も反応液Bの吸光度もともに時間経過に従って低下しない場合(陰性)、血液型はO型であると規定される。
具体的には、血液型判定部4は、反応液Aに関する吸光度と反応液Bに関する吸光度とが時間経過に従って低下するか否かを判別する。この判別処理において血液型判定部4は、例えば、測光ポイント区間における反応液Aに関する吸光度の差分と反応液Bに関する吸光度の差分、あるいは測光ポイント区間における反応液Aに関する単位時間当たりの吸光度の変化量と反応液Bに関する単位時間当たりの吸光度の変化量、の何れかを算出する。例えば、反応液の混合時点から2分経過時点と前記5分経過時点との間の吸光度差、もしくは、前記2分から5分間における単位時間当たりの吸光度変化量を算出する。そして血液型判定部4は、反応液Aに関する吸光度変化量と閾値Aとの大小関係を判別し、反応液Bに関する吸光度変化量と閾値Bとの大小関係を判別する。反応液Aについて陽性と陰性とを区別するための閾値Aと、B型判定用試薬について陽性と陰性とを区別するための閾値Bとが個別に設定される。閾値A及び閾値Bは、操作部5等を介して任意に設定可能である。血液型判定部4は、各反応液に関する吸光度の時間変化量が閾値よりも大きい場合、陽性であると判定し、閾値よりも小さい場合、陰性であると判定する。
そして血液型判定部4は、図6の血液型判定テーブルに従って、反応液Aが陽性であり且つ反応液Bが陰性である場合、被検体はA型であると判定し、反応液Aが陰性であり且つ反応液Bが陽性である場合、被検体はB型であると判定し、反応液Aと反応液Bとの両方が陽性である場合、被検体はAB型であると判定し、反応液Aと反応液Bとの両方が陰性である場合、被検体はO型であると判定する。血液型判定部4による判定結果は、表示部6により表示される。
次に測光ポイント区間について説明する。なお、以下の説明において1サイクルは18秒であるとする。測光ポイント区間は、吸光度の算出精度や血液型の判定精度の悪化を低減するため、抗原抗体反応が生じている場合に赤血球の凝集が進むにつれて吸光度が低下する時間区間に設定される。この観点から言えば測光ポイント区間は、透過光量測定開始時点(サイクル1,測光ポイント1)と5分経過時点との間の時間区間に設定されると良い。例えば、1サイクルに要する時間が18秒の場合、5分経過時点のサイクル数は16又は17、すなわち、測光ポイントは16又は17である。また、図4に示すように、攪拌直後は、生食液浮遊血管と血液型判定用試薬との反応が不安定などの理由により、吸光度が安定しない。図4の測定結果によれば、吸光度が安定するのは攪拌開始時点から2分程度である。例えば、1サイクルに要する時間が18秒の場合、2分経過時点のサイクル数は6又は7、すなわち、測光ポイントは6又は7である。従って、さらにこの点を考慮すれば、測光ポイント区間は、攪拌開始時点から2分経過時点と5分経過時点との間の時間区間に設定されると良い。このように測光ポイント区間を限定することにより、吸光度の算出精度、ひいては、血液型の判定精度が向上する。測光ポイント区間は、操作部5を介してオペレータ等により任意に設定可能である。
前述のように本実施形態に係る血液型判定部4は、抗原抗体反応が発生した場合、吸光度が時間経過に従って低下することを利用して血液型を判定している。抗原抗体反応が発生した場合に吸光度が時間経過に従って低下することの再現性は、図4に示す測定結果により裏付けられている。以下、本実施形態に係る吸光度の時間変化のメカニズムについて考察する。
図7は、本実施形態に関する反応液内の凝集塊の様子と吸光度との典型的な時間変化を示す図であり、図8は、従来例の検査に関する反応液内の反応生成物の様子と吸光度との典型的な時間変化を示す図である。なお従来例の検査とは、血液型以外の比濁検査を意味する。また、図7及び図8において時刻1は攪拌終了直後であるものとする。図8に示すように、従来例に係る反応液内においては時間が経過するにつれて検体粒子と試薬粒子との反応に起因する反応生成物が発生する。測光ポイント区間において反応生成物は、反応液の懸濁状態を保持する範囲内で、時間経過に従って粒径が増加し粒子数が減少する。従って測光ポイント区間においては、反応生成物と相互作用しない直接線の光量よりも、反応生成物により減衰される光量の方が徐々に支配的になるため、吸光度が減少する傾向にあるといえる。図7に示すように、本実施形態においては、血液型抗原と抗血液型抗原抗体との抗原抗体反応に起因して複数の凝集塊が反応液に発生する。従来例の検査対象と比較し、本実施形態に関する反応液は十分に大きな血球粒子が分散している状態であるため、抗血液型抗原抗体の存在下において、凝集塊が生成することにより、反応液中の血球が占有する領域が減少する。また、測光ポイント区間において凝集塊の粒径は増大し粒子数は減少し続ける。すなわち、測光ポイント区間においては、凝集塊により減衰される光量よりも、凝集塊と相互作用しない直接線の光量の方が徐々に支配的になるため、吸光度が上昇する傾向にあるといえる。
図5の測定条件下において反応液中の赤血球数は、全血内の赤血球数が400万個/μLでありヘマトクリット値が40%の場合、375万個であり、反応液中の抗血液型抗原抗体の重量は0.2μgとなる。しかしながら、人体における単位全血内当たりの赤血球数は患者の性差や病態に応じて異なる。赤血球数の基準値は、男性の場合、427〜570万個/μLであり、女性の場合、376〜500万個/μLである。ヘマトクリット値の基準値は、男性の場合、39.8〜51.8%であり、女性の場合、33.4〜44.9%である。また、貧血患者の場合、赤血球数は、300万個/μL以下であり、多血症(赤血球増多症)の場合、600〜800万個/μLであると言われている。
血液型判定の信頼性を確保するためには、抗原抗体反応が生じる場合、吸光度が時間経過に従って低下し、抗原抗体反応が生じない場合、吸光度が維持されなければならない。この抗原抗体反応の有無に応じた吸光度の振る舞いの再現性を許容範囲内に収めるためには、適切な量の抗血液型抗原抗体が反応液内に包含されている必要がある。より具体的には、本実施形態に係る血液型判定用試薬は、反応液の吸光度が0.01Absから3.0までの範囲に収まるように血液型判定用試薬全体に占める血液型抗原抗体の量と血液量とが調整されると良い。ここで、量とは、血液型判定用試薬全体に占める抗血液型抗原抗体の重量、容積、濃度等のパラメータを意味する。抗血液型抗原抗体の重量の観点から言えば、本実施形態に係る血液型判定用試薬は、赤血球数100万個当たりの抗血液型抗原抗体の重量は0.001−0.5μgの範囲であり、望ましくは0.01−0.2μgの範囲に収まるように調整されているものが良い。
前述のように、透過光量測定により、赤血球と抗血液型抗原抗体とからなる大きな凝集塊が形成する。通常の自動分析装置においては、このような大きな物体が形成されることを想定していない。従って、洗浄部27により反応液を廃液ノズルにより吸引することにより、廃液ノズルに接続する流路が凝集塊により詰まる可能性がある。本実施形態に係る自動分析装置は、凝集塊の詰まりを防止するため、透過光量測定の終了後から反応液の吸引までの間に、凝集塊を破壊するための溶血剤を添加する。以下、分析機構制御部3の制御のもとに行われる溶血剤の添加に係る動作例について説明する。
前述のように、溶血剤は第2試薬として第2試薬庫17に収容されている。透過光量の測定後から反応液の吸引までの所定サイクルにおいて第2試薬庫17は、溶解剤が収容された第2試薬容器37を第2試薬吸引位置に配置する。次に第2試薬アーム19−3は、第2試薬プローブ21−3を介して第2試薬容器37内から溶血剤を吸引する。これに並行して反応ディスク11は、反応管Aを第2試薬吐出位置に移動させる。第2試薬吐出位置に反応管Aが配置されると第2試薬アーム19−3は、第2試薬プローブ21−3を第2試薬吐出位置に配置し、第2試薬プローブ21−3を介して溶血剤を反応管Aに吐出する。次に、反応ディスク11は、反応管Bを第2試薬吐出位置に移動させる。第2試薬吐出位置に反応管Bが配置されると第2試薬アーム19−3は、同様に、第2試薬プローブ21−3を介して溶血剤を反応管Bに吐出する。
なお、溶血剤は第2試薬プローブ21−3により反応液に添加されなくても良い。例えば、オペレータにより手動で溶血剤が反応液に添加されても良い。また、洗浄部27に溶血剤を吐出可能な溶血剤用ノズルを搭載しても良い。この場合、洗浄部27は、洗浄位置に配置された反応管31内に溶血剤用ノズルを介して溶血剤を吐出する。
溶血剤が添加されると反応液内の凝集塊は、溶血剤の化学的作用により溶解される。溶血剤の吐出後、洗浄部27は、溶血剤が吐出された反応液を吸引する。反応液内には、溶血剤による凝集塊の溶解により、流路を詰まらせるように大きい凝集塊が存在しない。従って、流路が詰まることなく透過光量測定後の反応液を吸引することができる。なお、溶血剤としては、赤血球の溶血作用を有するものであれば何でも良い。溶血剤としては、HbA1c測定に利用される溶血試薬が適当である。例えば、塩化アンモニウムが添加された水溶液、アジ化ナトリウムが添加された水溶液、精製水が溶血剤として用いられると良い。
前述の説明の通り、本実施形態に係る自動分析装置は、測光部25と血液型判定部4とを有している。測光部25は、被検体の血液に由来する赤血球と抗血液型抗原抗体との混合液の透過光量を繰り返し測定する。血液型判定部4は、透過光量の時間変化のパターンに従って被検体の血液型を判定する。
この構成により、本実施形態に係る自動分析装置は、専用の装置を組み込むことなく血液型を判定することができ、凝集像の画像解析による血液型判定を行う従来例のように装用の装置を必要としない。従って本実施形態に係る自動分析装置は、従来例に比して抵コストで血液型を判定することができる。また、本実施形態に係る自動分析装置は、人的ではなく機械的に血液型を判定することができるので、人的な血液型判定方法に比して、スループットや精度が向上する。
かくして本実施形態によれば、低コスト、高スループット、且つ高精度な血液型判定を行うことが可能となる。
(変形例)
前述の実施形態においては、二つの反応管31(反応管A1及び反応管B1)内に個別に生食液浮遊血球が生成され、各反応管31から他の一つの反応管31にそれぞれ生食液浮遊血球が移し替えられるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、一つの反応管31で生食液浮遊血球が生成され、当該反応管31から他の二つの反応管31に生食液浮遊血球が移し替えられても良い。この場合、反応ディスク11の一回の停止期間においてサンプルプローブ21−1が3ケ所の反応管31にアクセス可能である必要がある。このため、例えば、前述の1回転軸分の可動範囲でなく、サンプルプローブ21−1が2軸以上の軸数分の可動範囲を有する必要がある。例えば、二つの回転軸、二つの直線移動軸、一つの回転軸及び一つの直線移動軸を有するサンプルプローブ21−1の移動機構が設けられれば良い。なお、反応ディスク11の一回の停止期間においてサンプルプローブ21−1が3ケ所の反応管31にアクセス可能であれば、サンプルプローブ21−1の移動機構は、一つの回転軸を有するタイプであっても良い。
このように変形例によれば、一つの反応管31のみで生食液浮遊血球を生成するば良いので、前述の実施形態に比して、血液検体量が少なくて済む。また、前述の実施形態に比して、検査に必要な反応管31の数が少なくて済むので検査スループットが向上する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…システム制御部、2…分析機構、3…分析機構制御部、4…血液型判定部、5…操作部、6…表示部、7…記憶部、11…反応ディスク、13…サンプルディスク、15…第1試薬庫、17…第2試薬庫、19−1…サンプルアーム、19−2…第1試薬アーム、19−3…第2試薬アーム、21−1…サンプルプローブ、21−2…第1試薬プローブ、21−3…第2試薬プローブ、23…攪拌部、25…測光部、27…洗浄部

Claims (11)

  1. 被検体の血液に由来する赤血球と抗血液型抗原抗体との混合液の透過光量を繰り返し測定する測光部と、
    前記透過光量の時間変化のパターンに従って前記被検体の血液型を判定する判定部と、
    を具備する自動分析装置。
  2. 前記抗血液型抗原抗体は、抗A抗体及び抗B抗体であり、
    前記測光部は、前記赤血球と前記抗A抗体との第1の混合液の透過光量を繰り返し測定し、前記赤血球と前記抗B抗体との第2の混合液の透過光量を繰り返し測定し、
    前記判定部は、前記第1の混合液の透過光量の時間変化のパターンと前記第2の混合液の透過光量の時間変化のパターンとの組合せに従って前記被検体のABO式血液型を判定する、
    請求項1記載の自動分析装置。
  3. 前記判定部は、予め設定された第1の閾値に対する前記第1の混合液の透過光量の時間変化量の第1の大小関係と予め設定された第2の閾値に対する前記第2の混合液の透過光量の時間変化量の第2の大小関係とを判別し、前記第1の大小関係と前記第2の大小関係との組合せに従って前記ABO式血液型を判定する、請求項2記載の自動分析装置。
  4. 前記判定部は、前記第1の混合液の透過光量に基づいて第1の吸光度を算出し、前記第2の混合液の透過光量に基づいて第2の吸光度を算出し、前記第1の吸光度の時間変化と前記第2の吸光度の時間変化とに基づいて前記ABO式血液型を判定する、請求項2記載の自動分析装置。
  5. 複数の反応管を保持する保持部と、
    前記被検体の血液に由来する赤血球を分注するための検体分注部と、
    前記抗A抗体、前記抗B抗体を分注するための試薬分注部と、
    前記検体分注部、前記試薬分注部、及び前記測光部を制御する制御部と、をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記複数の反応管のうちの第1の反応管と第2の反応管とに前記被検体の血液に由来する赤血球をそれぞれ吐出するように前記検体分注部を制御し、
    前記第1の反応管に前記抗A抗体を前記第2の反応管に前記抗B抗体を吐出するように前記試薬分注部を制御し、
    前記第1の反応管が所定の測光位置を横切る毎に前記第1の混合液の透過光量を繰り返し測定し、前記第2の反応管が前記測光位置を横切る毎に前記第2の混合液の透過光量を繰り返し測定するように前記測光部を制御する、
    請求項2記載の自動分析装置。
  6. 前記赤血球と前記抗A抗体または前記抗B抗体との凝集体を溶解させるための溶血剤を吐出するための溶血剤吐出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の反応管と前記第2の反応管とに前記溶血剤をそれぞれ吐出するように前記溶血剤分注部を制御する、
    請求項5記載の自動分析装置。
  7. 前記判定部は、前記赤血球と前記抗A抗体または前記抗B抗体との混合時点と前記混合時点から5分経過時点との間の時間区間における、前記第1の混合液の透過光量の時間的変化と前記第2の混合液の透過光量の時間的変化とに基づいて前記ABO式血液型を判定する、請求項2記載の自動分析装置。
  8. 前記時間区間は、前記混合時点から2分経過時点と前記5分経過時点との間の時間区間である、請求項7記載の自動分析装置。
  9. 反応管内に吐出される抗血液型抗原抗体を含む血液型判定用検査試薬であって、前記反応管内に収容される赤血球と前記抗血液型抗原抗体とを含む反応液において赤血球数100万個当たりの前記抗血液型抗原抗体の量が0.01μgから0.2μgまでの範囲に収まるように前記抗血液型抗原抗体の量が調整された血液型判定用検査試薬。
  10. 反応管内に吐出される抗血液型抗原抗体を含む血液型判定用検査試薬であって、前記反応管内に収容される赤血球と前記抗血液型抗原抗体とを含む反応液の吸光度が0.01Absから3.0Absまでの範囲に収まるように前記抗血液型抗原抗体の量が調整された血液型判定用検査試薬。
  11. 赤血球と抗血液型抗原抗体との抗原抗体反応に伴う吸光度の時間変化のパターンを利用した血液型判定を行う自動分析装置に利用される凝集体溶血用試薬であって、前記赤血球と前記抗血液型抗原抗体との抗原抗体反応により生成される凝集体を溶血する作用を有する凝集体溶血用試薬。
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