JP2014114907A - ラチェット機構及びそれを備えた変速切換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状部材に挿入された回転部材の該環状部材に対する許容側への相対回転が許容されるとともに、規制側への回転が規制されるラチェット機構及びそれを備えた変速切換装置であって、上記許容側への相対回転量を正確且つ安価に検出することを課題とする。
【解決手段】回転部材28の外周面と、環状部材31の内周面の一方側において周方向に所定間隔毎に複数形成されたラチェット溝57と、前記外周面と内周面の他方側に揺動可能支持されて該揺動によりラチェット溝57と係脱するラチェット爪56と、ラチェット爪56をラチェット溝57との係合側に付勢する付勢手段58と、上記許容側への回転部材28の回転によってラチェット爪56が付勢手段58の付勢力に抗して係合解除側に揺動されていることを検出するように該ラチェット爪56側に配置された検出スイッチとを備えている。
【選択図】図9

Description

この発明は、ラチェット機構及びそれを備えた変速切換装置に関する。
回転部材の外周面が挿入される環状部材の内周面と、該回転部材の外周との間に形成されて該回転部材の環状部材に対する一方側への相対回転を許容するとともに他方側のへ相対回転を規制するラチェット機構が従来公知である(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−7528号公報(図3)
上記文献のラチェット機構では、環状部材に対する回転部材の許容側への相対回転量を取得するためには、回転部材の回転を検出するエンコーダ等からなる回転センサを用いることが一般的である。
しかし、ラチェット機構を構成するラチェット爪が、係合するラチェット溝内で移動する範囲内で、回転部材が規制側にも回転する場合があり、エンコーダ等よりなる回転センサは単体では方向の識別ができないため、回転部材の許容側への相対回転量を正確に取得することが困難な場合がある。
また、回転センサを2つ用いれば、回転部材の回転方向を識別することはできるが、高価な回転センサを2つ用いると、コストの面でのデメリットが大きい。
本発明は、環状部材に挿入された回転部材の該環状部材に対する許容側への相対回転が許容されるとともに、規制側への回転が規制されるラチェット機構及びそれを備えた変速切換装置であって、上記許容側への相対回転量を正確且つ安価に検出することを課題とする。
本発明のラチェット機構は、回転部材の外周面が挿入される環状部材の内周面と、該回転部材の外周との間に形成されて該回転部材の環状部材に対する一方側への相対回転を許容するとともに他方側のへ相対回転を規制するラチェット機構であって、前記外周面と内周面の一方側において周方向に所定間隔毎に複数形成されたラチェット溝と、前記外周面と内周面の他方側に揺動可能支持されて該揺動によりラチェット溝と係脱するラチェット爪と、ラチェット爪をラチェット溝との係合側に付勢する付勢手段と、上記許容側への回転部材の回転によってラチェット爪が付勢手段の付勢力に抗して係合解除側に揺動されていることを検出するように該ラチェット爪側に配置された検出スイッチとを備えたことを特徴とする。
上記構成としたことで、検出スイッチが上記係合解除側への揺動を1回検知するたびに、ラチェット爪が係合していた前のラチェット溝から、該ラチェット溝と隣接する次のラチェット溝に移動したことを正確に検出できるとともに、このような検出スイッチは、回転センサと比べて安価である。このため、回転部材の該環状部材に対する許容側への相対回転量を正確且つダイレクトに低コストで検出可能になる。この他、検出スイッチを、ラチェット爪側に配置するのみでよいため。ラチェット爪やラチェット溝を新たに設計する必要はなく、既存のものをそのまま用いることが可能である。
検出スイッチは、スイッチ本体と、ラチェット爪と接当した状態で係合側と係合解除側の両方向に進退作動する検出体と、検出体を進出方向に付勢する弾性部材と、検出体の進退作動を検出するスイッチ部とを有し、該検出スイッチによって前記付勢手段を構成したものとしてもよい。
ラチェット爪を収容する収容スペースと、該収容スペースと連通して検出スイッチを収容する付勢スペースとを、回転部材又は環状部材に形成したものとしてもよい。
本発明の変速切換装置は、上記ラチェット機構を備えた変速切換装置であって、前記回転部材が筒状部材であり、筒状部材の内周側に同一軸心となるように挿入された駆動軸と、該駆動軸を回転駆動させるモータと、該駆動軸を一方向に回転させた場合には、駆動軸と筒状部材が上記許容側に一体的に回転するとともに、駆動軸を他方向に回転させた場合には、ラチェット爪とラチェット溝との係合によって筒状部材が環状部材に係止され且つ筒状部材に対して駆動軸が相対回転するように、該筒状部材の内周と、駆動軸の外周との間に設けられたワンウェイクラッチと、トランスミッションの変速切換を行う複数のシフト部材の何れかと係合し且つ係合するシフト部材が筒状部材の回転によって切換えられるように該筒状部材の外周側に一体的に設けられた係合片と、筒状部材に対する駆動軸の相対回転によって係合片に係合したシフト部材を変速切換作動させる作動手段とを備えたことを特徴としている。
検出スイッチが上記係合解除側への揺動を1回検知するたびに、ラチェット爪が係合していた前のラチェット溝から、該ラチェット溝と隣接する次のラチェット溝に移動したことを正確に検出できるとともに、このような検出スイッチは、回転センサと比べて安価である。このため、回転部材の該環状部材に対する許容側への相対回転量を正確且つダイレクトに低コストで検出可能になる。この他、検出スイッチを、ラチェット爪側に配置するのみでよいため。ラチェット爪やラチェット溝を新たに設計する必要はなく、既存のものをそのまま用いることが可能である。
本発明を適用した駆動装置の伝動系統図である。 シフト部材の要部斜視図である。 変速切換装置の要部斜視図である。 図3のA矢視図である。 図4のB−B断面図である。 図5のC−C断面図である。 図5のD−D断面図である。 ガイド溝の形状を示す展開図である。 (A)は規制状態のラチェット機構の要部断面図であり、(B)は許容状態のラチェット機構の要部断面図である。 検出スイッチの内部構造を示す断面図である。 (A)は動力接続状態のワンウェイクラッチの要部断面図であり、(B)は動力切断状態のワンウェイクラッチの要部断面図である。 制御部のブロック図である。 図9に示すラチェット機能の他の実施形態を示す断面図である。
図1は、本発明を適用した駆動装置の伝動系統図である。同図に示す駆動装置1は、エンジン(内燃機関)2と、エンジン2の動力を駆動輪3に変速して伝動するトランスミッション(伝動機構)4とを備えている。この駆動装置1は、二輪車と四輪車の両方に適用可能であり、図示する例では、FF型の四輪車に適用している。
このトランスミッション4は、エンジン2の動力が出力されるエンジン出力軸であるクランク軸6の動力が主クラッチ7を介して断続可能に伝動され且つクランク軸6と同一軸心となる入力軸である主軸8と、主軸8と平行に配置された出力軸であるカウンタ軸9と、該カウンタ軸9と前記主軸8との間に設けられ且つ主軸8の動力をカウンタ軸9に変速して伝動する走行変速機構11とを備えている。
カウンタ軸9には、該カウンタ軸9の同調回転(具体的には一体回転)する駆動ギア12が設けられ、駆動ギヤ12の回転動力が差動装置13のリングギヤ13aに伝動され、リングギヤ13aに伝動された動力は、差動装置13を介して、左右の駆動輪3,3(具体的には、前輪)に伝動される。
また、主クラッチ7は、アクチュエータ等からなる断続手段14によって、断続作動し、主クラッチ7の接続時には、クランク軸6から主軸8に動力が伝動される一方で、主クラッチ7の切断時には、クランク軸6から主軸8への動力伝動が遮断される。
上記走行変速機構11は、主軸8に同調回転(具体的には一体回転)するように設けられた第1入力ギヤ16A及び第2入力ギヤ16Bと、図示しないベアリング等を介して主軸8に相対回転可能(具体的には遊転自在)に支持された第3入力ギヤ16C及び第4入力ギヤ16Dと、図示しないベアリング等を介して主軸8に相対回転可能(具体的には遊転自在)に支持された第5入力ギヤ16E及び逆転入力ギヤ16Fと、図示しないベアリング等を介してカウンタ軸9に相対回転可能(具体的には遊転自在)に支持された第1出力ギヤ17A及び第2出力ギヤ17Bと、カウンタ軸9に同調回転(具体的には一体回転)するように設けられた第3出力ギヤ17C及び第4出力ギヤ17Dと、カウンタ軸9に同調回転(具体的には一体回転)するように設けられた第5出力ギヤ17E及び逆転出力ギヤ17Fとを備えている。
第1〜5の入力ギヤ16A,16B,16C,16D,16Eは、主軸8の軸方向(シフト方向)の一方側(図1における右方向で、以下「高速側」)に向かって、この順序で配置され、且つ高速側に位置する入力ギヤ16A,16B,16C,16D,16E程、その径が大きく歯数も多くなっている。逆転入力ギヤ16Fは、第5入力ギヤ16Eよりもさらに高速側に配置され、その径は、第1入力ギヤ16Aよりも小径に形成されている。ちなみに、主軸8の軸方向の一方側が上記した通り高速側になり、他方側が「低速側」になる。
第1〜5の出力ギヤ17A,17B,17C,17D,17Eは、シフト方向の高速側に向かって、この順序で配置され、且つ高速側に位置する出力ギヤ17A,17B,17C,17D,17E程、その径が小さく歯数も少なくなっている。逆転出力ギヤ17Fは、第5出力ギヤ17Eよりもさらに高速側に配置され、その径は、隣接する第5出力ギヤ17Eと同程度に設定されている。
第1入力ギヤ16Aと第1出力ギヤ17Aは互いがシフト方向位置で一致して常時噛合い、第2入力ギヤ16Bと第2出力ギヤ17Bは互いがシフト方向位置で一致して常時噛合い、第3入力ギヤ16Cと第3出力ギヤ17Cは互いがシフト方向位置で一致して常時噛合い、第4入力ギヤ16Dと第4出力ギヤ17Dは互いがシフト方向位置で一致して常時噛合い、第5入力ギヤ16Eと第5出力ギヤ17Eは互いがシフト方向位置で一致して常時噛合い、逆転入力ギヤ16Fと逆転出力ギヤ17Fは互いがシフト方向位置で一致し且つこの2つの逆転ギヤ16F,17Fの両方と常時噛合う反転ギヤ18によって、入力逆転ギヤ16Fの動力が出力逆転ギヤ17Fに伝動される。
さらに、走行変速機構11には、第1出力ギヤ17Aと第2出力ギヤ17Bとの間に位置するようにカウンタ軸9上に配置された同期噛合式のクラッチである低速側スリーブ19と、第3入力ギヤ16Cと第4入力ギヤ16Dとの間に位置するように主軸8上に配置された同期噛合式のクラッチである中速側スリーブ21と、第5入力ギヤ16Eと逆転入力ギヤ16Fとの間に位置するように主軸8上に配置された同期噛合式のクラッチである高速・逆転側スリーブ22とがそれぞれ設けられている。
低速側スリーブ19は、上記シフト方向であるカウンタ軸9の軸方向にスライド自在且つカウンタ軸9と相対回転するように構成されている。この低速側スリーブ19を、シフト方向の低速側にスライド作動させると、第1出力ギヤ17Aと低速側スリーブ19とが、互いの間に設けられた同期手段19aにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、第1出力ギヤ17Aとカウンタ軸9とが低速側スリーブ19と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(第1状態)になる一方で、低速側スリーブ19を、シフト方向の高速側にスライド作動させると、第2出力ギヤ17Bと低速側スリーブ19とが、互いの間に設けられた同期手段19bにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、第2出力ギヤ17Bとカウンタ軸9とが低速側スリーブ19と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(第2状態)になる。
中速側スリーブ21は、上記シフト方向である主軸8の軸方向にスライド自在且つ主軸8と相対回転するように構成されている。この中速側スリーブ21を、シフト方向の低速側にスライド作動させると、第3入力ギヤ16Cと中速側スリーブ21とが、互いの間に設けられた同期手段21aにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、第3入力ギヤ16Cと主軸8とが中速側スリーブ21と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(第3状態)になる一方で、中速側スリーブ21を、シフト方向の高速側にスライド作動させると、第4入力ギヤ17Dと中速側スリーブ21とが、互いの間に設けられた同期手段21bにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、第4入力ギヤ16Dと主軸8とが中速側スリーブ21と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(第4状態)になる。
高速・逆転側スリーブ22は、上記シフト方向である主軸8の軸方向にスライド自在且つ主軸8と相対回転するように構成されている。この高速・逆転側スリーブ22を、シフト方向の低速側にスライド作動させると、第5入力ギヤ16Eと高速・逆転側スリーブ22とが、互いの間に設けられた同期手段22aにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、第5入力ギヤ16Eと主軸8とが高速・逆転側スリーブ22と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(第5状態)になる一方で、高速・逆転側スリーブ22を、シフト方向の高速側にスライド作動させると、逆転入力ギヤ17Fと高速・逆転側スリーブ22とが、互いの間に設けられた同期手段22bにより同期しながら噛合い、完全に噛合った状態では、逆転入力ギヤ16Fと主軸8とが高速・逆転側スリーブ22と共に同調回転(具体的には一体回転)する状態(後進状態)になる。
ちなみに、第1〜第5の入力ギヤ16A,16B,16C,16D,16E及び第1〜第5の出力ギヤ17A,17B,17C,17D,17Eの歯数の多少及び径の大小の関係で、第1状態→第2状態→第3状態→第4状態→第5状態の順に主軸8からカウンタ軸9に伝動される動力の回転速度が高速に設定され、これによって、このトランスミッション4は前進走行側で計5段の走行変速切換が可能に構成され、この走行変速切換えされた前進走行用の動力が駆動輪3に動力が伝動される。一方、後進状態によって、低速回転された後進走行用の動力が、駆動輪3に伝動される。
言換えると、トランスミッション4において、3つのスリーブ19,21,22の全てが中立位置に位置してカウンタ軸9(駆動輪3)に動力が伝動されないニュートラル状態となるか、3つスリーブ19,21,22の何れか1つのみが高速側又は低速側に作動されて動力を伝動する状態になり且つ残りの2つが中立位置に位置した動力伝動状態になる。ちなみに、このトランスミッション4の変速切換を行う際には、変速切換前に主クラッチ7を切断させて動力が主軸8に伝動されない状態にするとともに、変速切換後に再び主クラッチ7を接続状態とする。
上記3つのスリーブ19,21,22には、該スリーブ19,21,22をシフト方向にスライドさせるシフト部材23,24,26が各別に設けられている。
図2は、シフト部材の斜視図である。各シフト部材23,24,26は、シフト方向に形成され且つ該シフト方向にスライド自在にトランスミッション4のミッションケース4a(図1参照)側に支持されたシャフト23a,24a,26aと、シャフト23a,24a,26aの一端側に一体的に形成され且つスライド操作対象となるスリーブ19,21,22の周面に凹凸係合するようにシャフト23a,24a,26aの軸方向視で円弧状に形成されたシフトフォーク23b,24b,26bと、シャフト23a,24a,26aの他端寄り部分に位置してシャフト23a,24a,26aの軸方向が長手方向となり且つシャフト23a,24a,26aの径方向外側に突出する操作プレート25,25,25とを備えている。各操作プレート25の突出端側には、基端側にコの字状に窪んだ凹部25aが形成されている。
この駆動装置1には、シフト部材23,24,26と選択的に係合し、該シフト部材23,24,26を介して、3つのスリーブ19,21,22をシフト方向にスライド作動させることにより、トランスミッション4の変速切換を行う変速切換装置27(図3参照)が設けられている。
次に、図3乃至図8に基づき変速切換装置27の構成を説明する。
図3は、変速切換装置の要部斜視図であり、図4は、図3のA矢視図であり、図5は、図4のB−B断面図であり、図6は、図5のC−C断面図であり、図7は、図5のD−D断面図である。
変速切換装置27は、上記シフト方向に延びる円筒状に形成された筒状部材(回転部材)28と、該筒状部材28と同一軸心となるように上記シフト方向に形成された駆動軸29と、筒状部材28及び駆動軸29の軸心を中心とする円形断面の内周面を有して上記シフト方向に連続する筒状又はリング状(図示する例ではリング状)のハウジング(環状部材)31と、該駆動軸29を回転駆動させる電動式のモータ32(図12参照)とを備えている。
上記ハウジング31は、ミッションケース4a側にボルト固定され、このハウジング31の外周面は、断面視で多角形状に形成されている他、該ハウジング31の内周面側には、筒状部材28の一方側端部が挿入されるとともに、駆動軸29が挿通されている。さらに、ハウジング31の内周面側の空間は、筒状部材28の上記端部が挿入される小径の挿入スペース33と、該挿入スペース33の反対側に形成された大径の係止スペース34とから構成されている。
上記筒状部材28は、ハウジング31の内周面の挿入スペース33に一方側の端部が挿入されてハウジング31に対するシフト方向への相対移動が規定(さらに具体的には禁止)された筒軸36と、筒軸36の他方側(作動側)の端部が挿入される円筒形状の作動筒37とを有している。
筒軸36は、ハウジング31の挿入スペース33に挿入される大径の挿入端部38と、ハウジング31からシフト方向の一方側に突出して作動筒37を支持する小径の支持部39と、挿入端部38と支持部39とを滑らか且つ一体的に接続するように挿入端部38から支持部39に向かって徐々に径が小さくなる接続部41とを有している。この支持部39の外周には、スプライン39aが凹凸形成されている。この他、筒軸36の挿入端部38側の内周径は、上記支持部39及び接続部41側の内周径に比べて大径に形成されている。
作動筒37は、支持部39よりも径が大きい筒状に形成され、この作動筒37のハウジング31寄りの端部には開口部42が形成され、他端側(先端側)は全体的に開放されている。この開口部42の内周の径は、上述した支持部39の外周面と略同一径となり、この内周には、スプライン42aが凹凸形成されている。
このため、作動筒37の開口部42に筒軸36の支持部39が挿入されると、支持部39の外周と、作動筒37の開口部42の内周側とがスプライン結合され、これによって、この作動筒37は、筒軸36と同調回転(具体的には、一体回転)する状態で、自身の軸方向(シフト方向)にスライド自在に筒軸36に支持される。言換えると、筒状部材28は、軸方向に伸縮自在に構成されている。
この作動筒37の外周(筒状部材の外周)には、上述したシフト部材23,24,26の操作プレート25の凹部25aに凹凸係合するように径方向外側に突出して軸方向に延びるプレート状の係合片43が、周方向に所定間隔毎に複数突出形成されている。
上記駆動軸29は、ハウジング31、筒軸36及び作動筒37の内周面側に挿通され、この駆動軸29の両端部は、ハウジング31の係止スペース34側の端部と、作動筒37の先端側とからそれぞれ突出している。この駆動軸29の外周とハウジング31の内周及び筒軸36の内周との間には、互いの隙間を充填する中間スリーブ44が介挿され、この駆動軸29の外周面と、作動筒37の内周面との間には、互いの隙間を充填する肉厚のガイド筒(作動手段)46が介挿されている。
中間スリーブ44は、ハウジング31の係止スペース34の内周面と駆動軸29の外周面との間に充填収容される大径のフランジ部44aと、筒軸36の挿入端部38側の内周面と駆動軸29の外周面との間に充填収容される中径の段部44bと、筒軸36の接続部41及び支持部39側の内周面と駆動軸29の外周面との間に充填収容される小径の筒部44cとを一体で有し、この中間スリーブ44の内周には、キー溝44dが軸方向に凹設されている。
ガイド筒46における駆動軸29の外周面と接する内周面には、軸方向に延びるキー溝46aが凹設される一方で、ガイド筒46における作動筒37の内周面と接する外周面には、周方向に環状をなして無限軌道となるように連続するガイド溝47が凹設されている。
駆動軸29の外周面に形成された軸方向のキー溝29aと、中間スリーブ44及びガイド筒46の内周側のキー溝44d,46aとを、駆動軸29の軸回り位置で一致させ、互いの空間を連接させ、この連接された空間にキー48を嵌合して挿入することにより、駆動軸29と中間スリーブ44とガイド筒46とが常時同調回転(具体的には一体回転)する状態になる。
この他、中間スリーブ44とガイド筒46とは互いに端部同士が接当し、この中間スリーブ44及びガイド筒46を、スライド方向の両側に挟むように配置される一対の係止リング49,51によって、該中間スリーブ44及びガイド筒46の駆動軸29に対するシフト方向へのスライドが規制(具体的には禁止)される。
また、前記ガイド溝47には、作動筒37の外周面から内周面側に向かって挿通されたガイドピン52が係合挿入されている。作動筒37に対してガイド筒46(駆動軸29)が相対的に回転すると、ガイドピン52のガイド溝47での位置が変位し、この変位によって、作動筒37がガイド筒46及び駆動軸29(ハウジング31)に対してシフト方向に摺動され、筒状部材28が伸縮作動する。言換えると、ガイド筒46の作動筒37に対する相対的な回転位置に応じて、作動筒37の駆動軸29(ハウジング31)に対するシフト方向での相対的なスライド位置(該筒状部材28の伸縮量)が予め定めることが可能になる。ガイド溝47の形状については、後述する。
そして、この変速切換装置27におけるハウジング31の内周面と筒状部材28の外周面との間(さらに具体的には、ハウジング31の挿入スペース33の内周面と、筒軸36の挿入端部38の外周面との間)には、筒状部材28のハウジング31に対する一方側への相対回転を許容するとともに、他方側への相対回転を規制(具体的には禁止)するラチェット機構53が設けられている。
すなわち、上記一方側が、筒状部材28のハウジング31に対する回転を許容する許容側となり、上記他方側が、筒状部材28のハウジング31に対する回転を規制する規制側となり、筒状部材28が許容側に回転している状態が許容状態になり、筒状部材28が規制側に回転している状態が規制状態になる。
また、筒状部材28の内周と駆動軸29の外周との間(さらに具体的には筒軸36の挿入端部38の内周面と、中間スリーブ44の段部44bの外周面との間)には、駆動軸29の一方向への回転時に筒状部材28を該駆動軸29と同調回転(具体的には一体回転)させる動力接続状態とするとともに、駆動軸29の他方向への回転時に駆動軸29を筒状部材28に対して相対回転(空転)させる動力切断状態とするワンウェイクラッチ54が設けられている。
すなわち、上記一方向は、ワンウェイクラッチ54が駆動軸29から筒状部材28の回転動力を伝動して両者を一体回転させる接続方向となり、上記他方向は、ワンウェイクラッチ54が駆動軸29から筒状部材28への動力を切断して駆動軸29を筒状部材28に対して空転させる切断方向となる。
そして、接続方向と許容側とは同一の回転方向である選択方向に設定されるとともに、切断方向と規制側とは同一の回転方向である変速方向に設定され、具体的には、選択方向が図6における時計回り(同図の矢印a方向)になり、変速方向が同図における反時計回り(同図の矢印b方向)になる。
以上により、変速切換装置27では、モータ32によって駆動軸29を選択方向に回転させると、ラチェット機構53が許容状態で且つワンウェイクラッチ54が動力接続状態となり、筒状部材28及び係合片43が駆動軸29とともに選択方向に一体回転され、対象となる一の係合片43を、何れかのシフト部材23,24,26の操作プレート25の凹部25aに凹凸係合させるかを選択するセレクト動作が行われる。
一方、モータ32によって駆動軸29を変速方向に回転させると、ラチェット機構53が規制状態で且つワンウェイクラッチ54が動力切断状態となり、筒状部材28の回転がハウジング31の内周側で規制され、筒状部材28(具体的には、作動筒37)に対して駆動軸29が相対的に上記選択方向に回転し、作動筒37が、シフト方向にスライド移動(筒状部材28が伸縮作動)し、その時点で作動筒37の係合片43と係合しているシフト部材23,24,26がシフト方向にスライドされてトランスミッション4の変速切換が行われるシフト動作が実行される。
言換えると、ガイド筒46は、筒状部材28に対する駆動軸29の相対回転によって係合片43に係合したシフト部材23,24,26を変速切換作動させる作動手段となる。
図8は、ガイド溝の形状を示す展開図である。ガイド溝47は、始端部47aと終端部47bとが同一位置に位置した無限軌道の環状に形成され、この始端部47a及び終端部47bにガイドピン52が位置している場合には、作動筒37が係合しているシフト部材23,24,26をニュートラル位置に作動させている状態となる。
さらに詳しく説明すると、ガイド溝47の始端部47aから終端部47bに至る範囲には、作動筒37を介して係合したシフト部材23,24,26をシフト方向の低速側に位置させた状態とする低速操作部47cと、作動筒37を介して係合したシフト部材23,24,26をシフト方向のニュートラル位置させた状態とする中立操作部47dと、作動筒37を介して係合したシフト部材23,24,26をシフト方向の高速側に位置させた状態とする高速操作部47eとが、この順序で、並列配置されている。
ちなみに、低速操作部47c及び高速操作部47は、作動筒37の回転中も、所定時間分、同一位置にシフト部材23,24,26を保持するようにガイド筒46の周方向に所定長さを有している。
始端部47aから低速操作部47cに至る範囲には、シフト部材23,24,26をニュートラル位置から低速側に向かって徐々に変位させる低速切換領域47fと、急激に低速側に変位させる急速低速切換境域47gとがこの順序で並べられている。また、低速操作部47cから中立操作部47dに至る範囲は、シフト部材23,24,26を低速側からニュートラル位置に向かって急激に変位させる低速側中立切換境域47hからなる。
中立操作部47dから高速操作部47eに至る範囲には、シフト部材23,24,26をニュートラル位置から高速側に向かって徐々に変位させる高速切換領域47iと、急激に低速側に変位させる急速高速切換境域47jとがこの順序で並べられている。また、高速操作部47eから終端47b部に至る範囲は、シフト部材23,24,26を高速側からニュートラル位置に向かって急激に変位させる高速側中立切換境域47kからなる。以上のようなガイド溝47の形状によって、シフト部材23,24,26の切換がスムーズ且つ良好なフィーリングで行われる。
次に、図5,図6,図9及び図10に基づきラチェット機構53の構成を詳述する。
図9(A)は規制状態のラチェット機構の要部断面図であり、(B)は許容状態のラチェット機構の断面図であり、図10は検出スイッチの内部構造を示す断面図である。ラチェット機構53は、筒状部材28における筒軸36の挿入端部38の外周面と、ハウジング31における挿入スペース33の内周面との一方側である溝側周面(具体的には、筒状部材28の外周面)に凹設されたラチェット溝57と、他方側である爪側周面(具体的には、ウジング31の内周面)に揺動可能に支持され且つ該揺動によってラチェット溝57と係脱するラチェット爪56と、ラチェット爪56を係合方向である溝側周面に向かって弾性的に付勢する付勢部材58とを備えている。
上記ラチェット溝57は、溝側周面の周方向に満遍なく所定間隔毎(等間隔毎)に複数形成されている。
ラチェット溝57は、爪側周面から離間する側に向かって窪んでいる。このラチェット溝57の底側には、上記筒状部材28のハウジング31に対する許容側(図9(B)における矢印a方向)への相対回転時にラチェット爪56が溝側周面を移動する方向である許容方向(上記矢印a方向と反対側の回転方向)に向かって溝深さを次第に浅くさせる傾斜部59が形成される。
また、このラチェット溝57において、筒状部材28のハウジング31の規制側(同図(A)における矢印b方向)への相対回転時、ラチェット爪56が溝側周面を移動する方向である規制方向(上記矢印b方向と反対側の回転方向)側の端部は、底側から爪側周面の径方向に切立つ係止部61になる。
さらに、傾斜部59は、規制方向側端部の急傾斜59aと、中途側及び許容方向側端部の緩傾斜59bとによって構成されている。この緩傾斜51bと急傾斜51aによって、該傾斜部59は、全体として、爪側周面に山形に盛上がったへの字状に形成されている。そして、ラチェット溝57を構成する係止部61及び傾斜部59と、隣接するラチェット溝59の間に形成されて溝側周面の一部を構成する円弧部62とが、この順序で、繰り返されて連続している。
上記ラチェット爪56は、上記係脱方向への揺動の支点Sを中心とする円弧状の外縁を有する支持部56aと、支持部56aの円弧状の外縁から接線方向に延びる一対の外縁を有し且つ該外縁が先端側に向かって互いに楔状に近づく作動部56bと、作動部56bの先端部からフック状に屈曲して溝側周面(係合側)に突出する突出部56cとを一体で有している。突出部56cの突出端側は丸みを帯びた円弧状に形成されている。
このラチェット爪56は、該ラチェット爪56が設置されている側の部材である筒状部材28又はハウジング31(図示する例では、ハウジング31)に穿設された収容溝(収容スペース)31aに収容支持されている。この収容溝31aは爪側周面に凹設され、この収容溝31aは、溝側周面から離間する方向に窪むとともに、溝側周面に接する側が開放されている。
収容溝31aの底側には、ラチェット爪56の支持部56aの外縁に沿う円弧状に成形され、この収容溝31aの円弧状の底側に、上記ラチェット爪56の支持部56aが嵌合して収容支持される。これによって、このラチェット爪56は、支点Sを中心として係脱方向に揺動自在に収容溝31aに収容支持され、該係脱方向への揺動により、ラチェット爪56の作動部56b及び突出部56cは、収容溝31aの開放端を介して、溝側周面に対して進退作動する。
上記付勢部材58は、収容溝31aの開放端側内面に凹設された溝状の付勢スペース31bに嵌合収容され、該付勢スペース31bは、このようにして収容溝31a側に開放される他、爪側周面側にも開放されている。そして、この付勢スペース31bと収容溝31aとは、全体として屈曲部分が溝側周面側に突出したくの字状の空間が形成されている。
この付勢部材58は検出スイッチから構成され、この検出スイッチ58の軸方向は、付勢スペース31bの長手方向(検出方向,付勢方向)に向けられ、先端側が収容溝31aの開放端側に向けられている。
検出スイッチ58の具体的構成を説明すると、この検出スイッチ58は、検出方向に延びる円筒状のスイッチ本体58aと、スイッチ本体58aの内周側に基端側が収容されてスイッチ本体58aと同一軸心となる円柱状の検出体58bと、スイッチ本体58a内における底面と検出体58bとの間に設置されて検出体58bをスイッチ本体58aから突出する方向に弾性的に付勢する圧縮スプリング(弾性部材)58cと、スイッチ本体58a内における底面と検出体58bとの間に設置されたスイッチ部58dとを備えている。
スイッチ本体58aは、付勢スペース31bの奥側の径大な部分に嵌合収容された状態で固定される。
検出体58bは、突出側端が半球状に形成され、収容溝31a側に突出して進出した進出姿勢(図9(A)参照)と、付勢スペース31b側に収容されて退避した退避姿勢(同図(B)参照)とに姿勢切換可能に構成されている。
検出体58bは、上述の圧縮スプリング58cによって、進出姿勢側に常時、弾性的に付勢されており、この弾性付勢によって、検出体58bの先端側と、ラチェット爪56の作動部56bとの接当が維持され、該ラチェット爪56がラチェット溝57との係合側である溝側周面に向かって弾性的に付勢される。
スイッチ部58dは、検出体58bの退避姿勢と進出姿勢の切換を入切作動によって検出するように構成されている。具体的には、検出体58bの退避姿勢と進出姿勢の一方(具体的には退避姿勢)に切換えられている場合にスイッチ部58dがON作動するとともに、他方(具体的には進出姿勢)に切換えられている場合にスイッチ部58dがOFF作動する。
以上のように構成されるラチェット機構53では、筒状部材28を規制側に回転させると、ラチェット爪56がラチェット溝57に凹凸係合し、該ラチェット爪56の突出部56cがラチェット溝57の傾斜部59の急傾斜59aと係止部61との間の楔状の空間に嵌まった状態で、該突出部56cが係止部61に接当して係止され、筒状部材28のハウジング31の規制側への相対回転が規制される。
また、ラチェット爪56がラチェット溝57の係止部61に係止された状態で、筒状部材28をハウジング31に対して許容側に回転させると、ラチェット爪56の突出部56cの突出端側がラチェット溝57の傾斜部59に接当した状態で該傾斜部59を上記許容方向に移動し、この傾斜部59の傾斜によって、ラチェット爪56が検出スイッチ58の付勢力に抗して係合解除側に揺動作動し、円弧部62に達する。
このようにしてラチェット爪56がラチェット溝57を越えて円弧部62に達すると、ラチェット爪56が退避作動し、検出体58bが退避姿勢に切換えられ、この検出体58bの進出姿勢から退避姿勢への切換が検出スイッチ58の検出部58dによって検出される。
そして、さらに、筒状部材28をハウジング31に対して許容側に回転させると、該ラチェット溝57に上記許容方向で隣接する次のラチェット溝57側にラチェット爪56が移動し、検出スイッチ58の付勢力によって、該ラチェット爪56が再び進出作動して該次のラチェット溝57に係止され、検出体58bが退避姿勢から進出姿勢に切換えられ、検出部58dによって、この姿勢切換が検出される。
すなわち、この検出スイッチ58のONからOFFへの切換回数、或いはOFFからONへの切換回数、又はその両方を、1回として、カウントすることにより、筒状部材28のハウジング31に対する相対回転量をダイレクト且つ正確に低コストで取得することが可能になる。ちなみに、図示する例では、溝側周面に等間隔毎に満遍なく12個のラチェット溝57が凹設されているので、上記カウント1回分で、1/12周分、回転していることが検出できる。
ところで、ラチェット爪56がラチェット溝57の傾斜部59を移動している最中(検出スイッチ56の検出体56bが進出姿勢から退避姿勢に切換えられている途中)に、筒状部材28に回転動力が伝動されないフリーな状態になった場合、ラチェット爪56の突出部56cの突出端側と、ラチェット溝57の傾斜部59とが接当し、検出スイッチ58の弾性付勢力が、筒状部材28をハウジング31に対して規制側に回転作動させるように作用し、該ラチェット爪56がラチェット溝57の係止部61に係止される位置まで、筒状部材28がハウジング31に対して規制側に回転される復元作動が行われる。
しかも、ラチェット溝57の傾斜部59は、急傾斜59a及び緩傾斜59bによって、規制方向側の傾斜が急となっているとともに、ラチェット爪56の突出部56cの形状によって、上記復元作動が促進される。
ちなみに、上述したようなセレクト動作を適切に行わせるため、ハウジング31に対する筒状部材28の回転位置は、組付け時に適切に設定する必要があり、この組付け時の位置決めも、上記復元作動によって正確且つ容易に行うことができる。
次に、図6及び図11に基づきワンウェイクラッチ54の構成を詳述する。
図11(A)は動力接続状態のワンウェイクラッチの要部断面図であり、(B)は動力切断状態のワンウェイクラッチの要部断面図である。ワンウェイクラッチ54は、ラチェット機構によって構成され、このラチェット機構54は、筒状部材28の筒軸36の挿入端部38の内周面(溝側周面)に周方向に所定間隔毎(図示する例では半周毎)に複数凹設されたラチェット溝63と、駆動軸29と一体回転する中間スリーブ44の段部44bの外周面(爪側周面)に揺動可能に支持されて該揺動によってラチェット溝63に対して係脱するラチェット爪64と、ラチェット爪64をラチェット溝63との係合側に付勢する圧縮スプリング等の弾性部材66とを備えている。
ラチェット溝63の底側には、中間スリーブ44が切断方向に回転した際に、ラチェット爪64が溝側周面を移動する方向である空転側の端部に向かって溝深さを浅くなる傾斜面63aが形成されている。また、ラチェット溝63における溝深さが最も深くなる端部には、溝側周面の径方向に沿って切立つ係止面63bが形成されている。
ラチェット爪64は、弾性部材66の付勢力によって、ラチェット溝63を含む溝側周面との接当状態が常時保持される。
駆動軸29が中間スリーブ44と共に接続方向に回転駆動されると、ラチェット爪64がラチェット溝63の係止面63bが係止され、駆動軸29及び中間スリーブ44と共に筒状部材29が一体回転する(図11(A)参照)。
一方、駆動軸29が中間スリーブ44と共に切断方向に回転駆動されると、ラチェット爪64は、ラチェット溝63の傾斜面63aに沿って空転側に移動して弾性部材66の弾性力に抗して係合解除側に揺動作動し、該ラチェット爪64が係合解除側に所定以上揺動されると、ラチェット爪64とラチェット溝63との係合が解除され、次のラチェット溝63に向かってラチェット爪64が空転側に移動する(同図(B)参照)。
さらに、駆動軸29及び中間スリーブ44を切断方向に回転されると、再びラチェット爪64が上記次のラチェット溝63側に達し、弾性部材66の付勢力によって係合側に揺動され、該ラチェット爪64が該次のラチェット溝63に係合される。以下、この作動を繰返し、駆動軸29及び中間スリーブ44が筒状部材28に対して空転する。
以上のように構成される変速切換装置27は、エンジン2を制御するECU等のマイコンからなる制御部67(図12参照)によって制御される。
次に、図12に基づき制御部の構成を説明する。
図12は、制御部のブロック図である。制御部67の入力側には、上述した検出スイッチ58と、駆動軸29の回転量を検出するエンコーダ等からなる回転センサ68とが接続されている。一方、制御部67の出力側には、上記断続手段14及びモータ32が接続されている。
制御部67は、モータ32の回転方向を出力信号で制御し、モータ32によって回転駆動される駆動軸29の回転量を回転センサ68によって取得し、ハウジング31に対する筒状部材28の相対回転量を検出スイッチ58のON・OFF切換の回数をカウントすることによって検出する。
この制御部67は、検出スイッチ58及び回転センサ68の検出結果に基づいて、モータ32を介して駆動軸29を所定方向に所定量だけ回転駆動させることにより、適切なタイミングでセレクト動作とシフト動作を実行し、トランスミッション4を上述のようにして自動的に変速切換作動させる。
具体的には、モータ32によって駆動軸29を選択方向に回転駆動させるセレクト動作時、検出スイッチ58による上記したON・OFF切換回数のカウントによって筒状部材28のハウジング31に対する相対回転量を取得することにより、係合片43を係合させるシフト部材23、24、26を選択し、このセレクト動作が完了したか否かも確認する。
一方、モータ32によって駆動軸29を変速方向に回転駆動させるシフト動作時、回転センサ68によって駆動軸29の回転量を検出してガイドピン52のガイド溝47における位置を取得することにより、係合片43に係合しているシフト部材23、24、26の中立位置からの変位量を検知することが可能になる。
ちなみに、制御部67は、変速作動させる場合における上述の主クラッチ7の上記断続制御を、断続手段14を介して行う。
なお、上記回転センサ68の代わり或いは回転センサ68と併用して、シフト部材23,24,26に作用している荷重を検出する歪みゲージを有するロードセル等の荷重センサ69を設けてもよい。この荷重センサ69によって検出される荷重によって、シフト部材23,24.26による断続操作状態が検出できるため、これを制御部67が取得することにより、モータ32の駆動を制御してもよい。
次に、図13に基づき、ラチェット機能の他の実施形態について説明する。
図13は、図9に示すラチェット機能の他の実施形態を示す断面図である。上述の形態では、付勢部材58として検出スイッチを用いたが、この検出スイッチの代わりに係脱方向に伸縮する圧縮スプリング等の弾性部材を用いてもよい。
4 トランスミッション
23,24,26 シフト部材
27 変速切換装置
28 筒状部材(回転部材)
29 駆動軸
31 ハウジング(環状部材)
31a 収容溝(収容スペース)
31b 付勢スペース
32 モータ
43 係合片
46 ガイド筒(作動手段)
53 ラチェット機構
54 ワンウェイクラッチ
56 ラチェット爪
57 ラチェット溝
58 検出スイッチ(付勢手段,付勢部材,弾性部材,圧縮スプリング)
58a スイッチ本体
58b 検出体
58c 圧縮スプリング(弾性部材)
58d スイッチ部

Claims (4)

  1. 回転部材の外周面が挿入される環状部材の内周面と、該回転部材の外周との間に形成されて該回転部材の環状部材に対する一方側への相対回転を許容するとともに他方側のへ相対回転を規制するラチェット機構であって、
    前記外周面と内周面の一方側において周方向に所定間隔毎に複数形成されたラチェット溝と、
    前記外周面と内周面の他方側に揺動可能支持されて該揺動によりラチェット溝と係脱するラチェット爪と、
    ラチェット爪をラチェット溝との係合側に付勢する付勢手段と、
    上記許容側への回転部材の回転によってラチェット爪が付勢手段の付勢力に抗して係合解除側に揺動されていることを検出するように該ラチェット爪側に配置された検出スイッチとを備えた
    ことを特徴とするラチェット機構。
  2. 検出スイッチは、スイッチ本体と、ラチェット爪と接当した状態で係合側と係合解除側の両方向に進退作動する検出体と、検出体を進出方向に付勢する弾性部材と、検出体の進退作動を検出するスイッチ部とを有し、
    該検出スイッチによって前記付勢手段を構成した
    請求項1に記載のラチェット機構。
  3. ラチェット爪を収容する収容スペースと、該収容スペースと連通して検出スイッチを収容する付勢スペースとを、回転部材又は環状部材に形成した
    請求項1または2に記載のラチェット機構。
  4. 請求項1から3のうちのいずれかに記載のラチェット機構を備えた変速切換装置であって、
    前記回転部材が筒状部材であり、
    筒状部材の内周側に同一軸心となるように挿入された駆動軸と、
    該駆動軸を回転駆動させるモータと、
    該駆動軸を一方向に回転させた場合には、駆動軸と筒状部材が上記許容側に一体的に回転するとともに、駆動軸を他方向に回転させた場合には、ラチェット爪とラチェット溝との係合によって筒状部材が環状部材に係止され且つ筒状部材に対して駆動軸が相対回転するように、該筒状部材の内周と、駆動軸の外周との間に設けられたワンウェイクラッチと、
    トランスミッションの変速切換を行う複数のシフト部材の何れかと係合し且つ係合するシフト部材が筒状部材の回転によって切換えられるように該筒状部材の外周側に一体的に設けられた係合片と、
    筒状部材に対する駆動軸の相対回転によって係合片に係合したシフト部材を変速切換作動させる作動手段とを備えた
    変速切換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109869422A (zh) * 2017-12-01 2019-06-11 丰田自动车株式会社 可选择单向离合器的控制装置

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