JP2014114732A - 積層型発電係留体 - Google Patents

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義和 田中
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Abstract

【課題】潮流・潮汐や波浪などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる圧電フィルムを備えた積層型発電係留体を提供すること。
【解決手段】積層型発電係留体10は、係留力による歪に応じて分極して電荷を発生する発電機能を有する圧電フィルム11と、圧電フィルム11上に設けられた電極膜と、電極膜に積層される柔軟性弾性素材からなる基体12a,12bとにより一体的に積層構成され、圧電フィルム11の伸縮変形と曲げ変形により発電する。圧電フィルム11を挟持するように基体12a,12bが積層された3層又は5層構造になっており、圧電フィルム11は、高分子圧電フィルムであるポリフッ化ビニリデンである。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電フィルムを備えた積層型発電係留体に関し、より詳細には、潮汐・潮流や波浪などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる圧電フィルムを備えた積層型発電係留体に関する。
近年、エネルギー需要の増大と地球温暖化が問題となっており、また、原子力発電に対する不安などに伴って太陽光発電や風力発電などの再生可能な自然エネルギー源を利用した発電についての研究が注目されている。また、海洋の流れや波浪も時間・空間的に無尽蔵に存在する安定的な自然エネルギー源として期待できるものであり、このような海洋エネルギーの有効活用が望まれている。
海洋エネルギーの有効活用としては、これまで種々のタイプの潮力発電が提案されている。潮力発電や潮汐発電は、潮汐により海水が移動するエネルギーを電力に変える発電方式である。水力発電・風力発電・太陽電池などとともに、自然エネルギーを資源として利用する技術であり、発電の際に二酸化炭素の排出がないなどという点で、環境への負荷が小さい。海流発電(潮流発電)とともに、海水を利用する発電で、「海流」を「海水の流れ」とすれば、潮汐流を利用する場合は海流発電の一種である。
また、波力発電は、主に海水などの波のエネルギーを利用して発電する発電方法で、海流を利用したもの、波の上下運動を利用したものなど様々なタイプのものがある。このような自然エネルギーを電気エネルギーへ変換可能な素子や装置などについて、種々の研究開発がなされている。
また、ドルフィンや岸壁などに係留された船舶は、波、風、潮流などの様々な外力を受けて動揺する。防舷材、チェーン、ロープなどの係留系の設計、係船岸壁の設計あるいは荷役作業の安全性などを検討するためには、海象条件に対応した船舶の動揺を考慮して、防舷材や係留ラインなどに働く係留力を把握することが不可欠である。ドルフィンは、港湾内の水域に杭などを打ち込んで作る係留施設である。一般的にドルフィンとして、係留のためのロープ(係留索)も含まれている。
このように、浮体構造物や船舶を係留索で係留しているが、この種の係留索を浮体構造物や船舶を動揺低減以外に有効活用することは今まで考えられていなかった。そこで、例えば、特許文献1には、船舶や海洋構造物などの浮体構造物を係留する係留索に取り付けて、この取り付けた部分の伸縮の動きを利用して発電するようにする浮体構造物の係留索利用発電装置が提案されている。この特許文献1のものは、係留索を介して係留される浮体構造物の動きにより係留索を介して伸縮されるよう片側にピストンロッドを有するピストンを摺動自在に収納する流体圧シリンダを有し、この流体圧シリンダのピストンを移動させることにより、タービン室を圧油が通過して水車発電機のタービンを回転させて発電するようにしたものである。
また、例えば、特許文献2に記載のものは、圧電フィルムを利用した波力発電船に関するもので、その従来例として、海面に浮かんでいるフロートと海底上のアンカーとの間に圧電フィルムが介設され、この圧電フィルムは2枚の圧電フィルムを捲回して筒状体に形成され、この圧電フィルムがフロートの係留索として機能するように構成され、波浪によってフロートの浮力が変動すると係留索としての圧電フィルムに対する張力が変化し、この張力の変化によって圧電フィルムの極板に電圧が発生することが記載されている。
また、例えば、特許文献3に記載のものは、潮流や潮汐等の種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる海洋エネルギー発電デバイス及びこれを用いた蓄電装置に関するもので、海洋エネルギー発電デバイスは、柔軟性弾性素材からなる内側弾性板と、この内側弾性板を狭持する一対の圧電フィルムと、柔軟性弾性素材からなり一対の圧電フィルムを狭持する一対の外側弾性板とを備え、一対の圧電フィルムそれぞれは海洋エネルギー発電デバイスの中立軸から離間しており、海洋エネルギー発電デバイスが撓んだ際に一対の圧電フィルムそれぞれが海洋エネルギー発電デバイスの中立軸から離間して撓み発電するというものである。
また、例えば、特許文献4に記載のものは、海洋観測ブイ、海上作業台、浮体式人工島などに利用し得る波力発電装置に関するもので、可撓性発電装置浮体が、浮力材を用いてマット状に構成されて所定海域の波浪海面に浮揚係止され、浮力材の内部に高分子圧電材料などを用いてモールド化してなる圧電膜を設け、海面の波浪により可撓性発電装置浮体が変形すると、それに伴って圧電膜が変形してピエゾ電気を発生するというものである。
特開2011−149294号公報 特開平9−191663号公報 特開2011−106434号公報 特開平6−336716号公報
しかしながら、これらの海洋エネルギーを用いる発電は、太陽光発電や風力発電に比べ、発電効率、経済性、安全性、景観、コストなどの面で課題が多く、本格的な実用化は困難な状況にある。
また、上述した特許文献1のものは、係留索を利用しているものの、この係留索の動きによって発電機で発電するもので、本発明のように、係留索自体に発電機能を持たせたものではなく、その発電機構も大きく異なるものである。
また、上述した特許文献2のものは、係留索自体に発電機能を持たせた点では本発明と共通しているものの、本発明のような積層型発電係留体としての特異な構成を有する点でその発電機能を大きく異にするものである。つまり、特許文献2のものは、係留索の一部に発電機能を持たせているだけであり、本発明は、積層型発電係留体全てが発電体となる特異な構成を有する点で、その発電機能を大きく異にするものである。
また、特に、上述した特許文献3及び4に記載の波力発電装置は、圧電フィルムを用いて潮流や潮汐などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得るという点では、本発明と共通しているものの、係留索として利用する積層型発電係留体ではないという点でその構造を大きく異にするものである。つまり、特許文献3及び4のものは、発電そのものに着目したもので、その他の機能については何ら開示されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、潮流・潮汐や波浪などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる圧電フィルムを備えた積層型発電係留体を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、海洋に設けられて海洋エネルギーを電気エネルギーに変換するように係留力を利用した積層型発電係留体(10,20,40)であって、前記係留力による歪に応じて分極して電荷を発生する発電機能を有する圧電フィルム(11,21a,21b,52)と、該圧電フィルム(11,21a,21b,52)上に設けられた電極膜と、該電極膜に積層される柔軟性弾性素材からなる基体(12a,12b,22a乃至22c,51)とを一体的に備え、前記圧電フィルム(11,21a,21b,52)の伸縮及び曲げの歪変形により発電することを特徴とする。(図2,図3,図9;実施例1乃至3)
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記圧電フィルム(11,21a,21b,52)と前記基体(12a,12b,22a乃至22c,51)とを交互に積層した複数層から構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記複数層が、3層又は5層であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記複数層の形状が、帯状紐又は渦巻状紐であることを特徴とする。(図4)
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記圧電フィルム(11,21a,21b,52)が、高分子圧電フィルムであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記高分子圧電フィルムが、ポリフッ化ビニリデン又はシアン化ビニリデンであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記柔軟性弾性素材が、シリコンゴム、天然ゴム又は合成ゴムであることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記基体(51)の先端部に発光素子(54)が設けられていることを特徴とする。(図9;実施例3)
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記基体(51)上に、前記圧電フィルム(52)と前記発光素子(54)に接続された整流器(56)が設けられていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記整流器(56)が、ブリッジダイオードで構成されていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8,9又は10に記載の発明において、前記発光素子(54)が、前記基体(51)上で露出又は透明樹脂で覆われていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項8乃至11のいずれかに記載の発明において、前記発光素子(54)が、複数個配置されていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項8乃至12のいずれかに記載の発明において、前記発光素子(54)が、発光ダイオードであることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明において、前記海洋上に浮遊する浮動体(1)の係留索として用いることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明において、前記海洋上に浮遊する浮動体(1)の係留網(2)として用いることを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明において、海上安全灯の係留索又は漁礁(41)の係留網(40)に適用したことを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項14,15又は16に記載の発明において、前記係留索が接続されたアンカーが、海底に固定されていないことを特徴とする。
本発明によれば、潮流・潮汐や波浪などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる圧電フィルムを備えた積層型発電係留体を実現することができる。また、魚類の繁殖と生活のために人為的に海中など水中に設置される人工物である人工漁礁の係留網や海上安全灯の係留索として用いることができる。
本発明に係る積層型発電係留体を説明するための概念図である。 (a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の実施例1を説明するための構成図である。 (a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の実施例2を説明するための構成図である。 (a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の形状を説明するための構成図である。 本発明に係る積層型発電係留体による発電量を検証するための構成図である。 (a)乃至(c)は、図5に示した浮体の没水状態を示す図である。 本発明に係る積層型発電係留体の層構造と浮体の没水状態とによる発電量の関係をグラフ示す図である。 本発明に係る他の積層型発電係留体を説明するための概念図である。 本発明に係る積層型発電係留体の実施例3を説明するための構成図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
図1は、本発明に係る積層型発電係留体を説明するための概念図である。図中符号1はブイ(浮体物)、2は係留網、3は係留索を示している。海面上又は海面下にブイ(浮体物;浮動体)1が配置され、係留索3を介して海底に固定されている。この係留索を海洋上に浮遊する浮動体1の係留網2として用いることができる。この係留網は、高分子圧電フィルムとしてのポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)であることが望ましい。
図2(a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の実施例1を説明するための構成図で、図2(a)は3層構造の積層型発電係留体の斜視図、図2(b)はその断面図である。図中符号10は積層型発電係留体、11は圧電フィルム、12a,12bは基体(柔軟性弾性素材)、13a,13bは、圧電フィルム11上に形成された電極膜(図示せず)に接続された配線を示している。
本実施例1の積層型発電係留体10は、海洋に設けられて海洋エネルギーを電気エネルギーに変換するように係留力を利用した積層型発電係留体である。係留力による歪に応じて分極して電荷を発生する発電機能を有する圧電フィルム11と、この圧電フィルム11上に設けられた電極膜(図示ぜず)と、この電極膜に積層される柔軟性弾性素材からなる基体12a,12bとにより一体的に積層構成されている。このような構成により、圧電フィルム11の伸縮の歪変形により発電することができる。
また、積層型発電係留体10は、圧電フィルム11と基体12a,12bとを交互に積層した複数層から構成されている。本実施例1においては、圧電フィルム11を挟持するように基体12a,12bが積層された3層構造になっている。この3層構造の積層型発電係留体10は、長軸方向の伸縮による発電が卓越する一方で、曲げ歪変形による発電は極僅かである。
また、圧電フィルム11は、高分子圧電フィルムであることが好ましい。この高分子圧電フィルムは、ポリフッ化ビニリデン又はシアン化ビニリデンである。また、基体12a,12bの柔軟性弾性素材は、シリコンゴム、天然ゴム又は合成ゴムであることが好ましい。
図3(a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の実施例2を説明するための構成図で、図3(a)は5層構造の積層型発電係留体の斜視図、図3(b)はその断面図である。図中符号20は積層型発電係留体、21a,21bは圧電フィルム、22a,22b,22cは基体(柔軟性弾性素材)、23a,23b,24a,24bは、圧電フィルム21a,21b上に形成された電極膜(図示せず)に接続された配線を示している。
本実施例2の積層型発電係留体20は、海洋に設けられて海洋エネルギーを電気エネルギーに変換するように係留力を利用した積層型発電係留体である。係留力による歪に応じて分極して電荷を発生する発電機能を有する圧電フィルム21a,21bと、この圧電フィルム21a,21b上に設けられた電極膜(図示ぜず)と、この電極膜に積層される柔軟性弾性素材からなる基体22a,22b,22cとにより一体的に積層構成されている。このような構成により、圧電フィルム21a,21bの長軸方向の伸縮及び曲げの歪変形により発電することができる。
また、積層型発電係留体20は、圧電フィルム21a,21bと基体22a,22b,22cとを交互に積層した複数層から構成されている。本実施例2においては、圧電フィルム21a,21bを挟持するように基体22a,22b,22cが積層された5層構造になっている。この5層構造の積層型発電係留体20は、長軸方向の伸縮及び曲げで発電する。
また、圧電フィルム21a,21bは、高分子圧電フィルムであることが好ましい。この高分子圧電フィルムは、ポリフッ化ビニリデン又はシアン化ビニリデンである。また、基体22a,22b,22cの柔軟性弾性素材は、シリコンゴム、天然ゴム又は合成ゴムであることが好ましい。
図4(a)及び(b)は、本発明に係る積層型発電係留体の形状を説明するための構成図で、図4(a)は複数層の形状が帯状紐で、図4(b)は複数層の形状が渦巻状紐である。つまり、図4(a)に示した帯状紐はPVDFを積層した帯状紐で、図4(b)に示した渦巻状紐はPVDFを渦巻状に丸めた紐で、長軸方向の伸縮のみで発電する。
伸縮による発電では、弾性素材を極力少なくし、PVDFを積層することにより伸縮による力の大部分がPVDFに加わり発電量が増加する。また、伸縮による力の方向に直交する紐の断面にかかる力は、紐の長さを長くしても変わらないので紐の長さは長いほど発電量は増加する。
図5は、本発明に係る積層型発電係留体による発電量を検証するための構成図である。図中符号30は積層型発電係留体、31はフロート(浮体)、32は波発生装置、33は波高メータ、34は波吸収体、35は水槽を示している。
水槽35の一端に波発生装置32が配置されていて、この波発生装置32により発生された波の高さを波高メータ33で検出する。水面にはフロート(浮体)31が浮いており、このフロート(浮体)31の垂下には積層型発電係留体30が取り付けられている。
フロート(浮体)31の形状は円柱形で、底面直径が75mm、高さが50mm、容積が236ml(ミリリットル)、浮力約2.3Nである。積層型発電係留体30の長さが410mm、幅が10mm、PVDFの長さが400mm、幅が5mmである。このような条件下で、積層型発電係留体30は、3層構造(PVDFが1枚;図2)と5層構造(PVDFが2枚;図3)について発電量を検証している。
図6(a)乃至(c)は、図5に示した浮体の没水状態を示す図で、図6(a)はフロートの没水なし、水深440mmの場合、図6(b)はフロートが半没水、水深470mmの場合、図6(c)はフロートが完全没水、水深500mmの場合をそれぞれ示している。以下、実験条件を表1に示す。
Figure 2014114732
図7は、本発明に係る積層型発電係留体の層構造と浮体の没水状態とによる発電量の関係をグラフに示す図で、周期(T=0.8s)の単位デバイス(積層型発電係留体)長さあたりの発電量を比較してある。図中破線△が没水なし3層構造、破線□が半没水3層構造、破線○が完全没水3層構造、実線△が没水なし5層構造、実線□が半没水5層構造、実線○が完全没水5層構造、hは波高、λは波長を示している。
図7に示すグラフから明らかのように、波高さが大きいほど、また周期が短い(波長が短い)ほど発電量が大きい。また、5層構造の積層型発電係留体の方が3層構造の積層型発電係留体よりも発電量が大きい。完全没水では約4倍、半没水では約5倍、没水なしでは約40倍になっている。また、3層構造では、没水なし→完全没水→半没水の順で発電量が大きくなっており、5層構造では、完全没水→半没水→没水なしの順で発電量が大きくなっている。
つまり、3層構造及び5層構造は共通して、波高さが大きいほど発電量が増加し、周期が短い(波長が短い)ほど発電量が増加している。また、5層構造が3層構造に比べて発電量が多い。これは、3層構造が曲げ変形よりも浮体の上下運動に伴う伸縮変形が卓越するのに対して、5層構造が伸縮変形による発電に加えて、曲げ変形による発電が重畳されるためである。また、3層構造は、完全没水又は半没水で発電量が多いのに対して、5層構造は、没水なしで発電量が多い。これは、3層構造が引張変形をメインにした発電であるのに対して、5層構造が曲げ変形をメインにした発電であるためと考えられる。
いずれにしても、本発明の積層型発電係留体によれば、圧電フィルムの伸縮及び曲げの歪変形により発電することが理解できる。
図8は、本発明に係る他の積層型発電係留体を説明するための概念図で、浮き漁礁用の積層型発電係留体の概念図である。図中符号40は発光素子を備えた積層型発電係留体、41は浮き漁礁、42は係留アンカー、43は無線機、44は係留索を示している。
波力により浮き漁礁41が動揺すると、係留索44を介して積層型発電係留体40に引張力や曲げ変形が生じて発電し、積層型発電係留体40に備えられている発光素子(LED)が点灯する。海面下の浅い位置Aにおける波力運動は、深い位置Bにおける波力運動よりも大きいため、係留索の長い方が発電量も大きくなる。
積層型発電係留体40の集合体としてPVDFの網状の係留網を使用する。発電した電力は、浮き漁礁に配した発光素子を点灯させるので集魚効果も期待できる。また、漁礁のみでなく、海上安全灯にも利用できる。また、無線機43を用いれば、発電した電力を地上に送ることが出来る。
なお、係留索が接続されたアンカーが、海底に固定されていない場合でも良い。アンカーは、海底に固定される必要はなく積層型発電係留体は浮動体とアンカーの相対的な動きにより発電できる。固定されないアンカーとしては、シーアンカー、パラシュートアンカー、ラックアンカーなどがある。
図9は、本発明に係る積層型発電係留体の実施例3を説明するための構成図で、図8に示した積層型発電係留体40の具体的な構成を示している。図中符号51は基体、52(52a,52b)は圧電フィルム、53は電極膜、54は発光素子、55a,55bは緩衝材、56は整流器(ダイオードブリッジ)を示している。
本実施例3の積層型発電係留体40は、基体51の先端部に発光素子54が複数個配置されており、この複数の発光素子14は、発光ダイオード(LED)であることが好ましい。また、発光素子54は、基体51上で露出又は透明樹脂で覆われていて、発光機能を有効にしている。
また、基体51と一対の圧電フィルム52,52との間にそれぞれ緩衝材55a,55bが設けられている。また、圧電フィルム52a,52bは、それぞれ複数の積層体からなっている。
また、基体51上に、圧電フィルム52と発光素子54に接続された整流器56が設けられている。この整流器56は、圧電フィルム52によって発電された電流(交流)を整流して効率的に発光素子54を駆動するためのものである。この整流器56は、ブリッジダイオードで構成されている。
以下に圧電フィルムによる発電発光機能について説明する。
圧電フィルム52を撓ませて発電させる場合、圧電フィルムの両面がともに伸張或いは圧縮されることが重要である。本実施例3では、一対の圧電フィルム52,52のそれぞれが撓むため、それぞれの圧電フィルム52,52は、撓みつつも全面的に伸張歪み、或いは、収縮歪みを生じる。このためそれぞれの圧電フィルム52,52から効率的に発電発光させることができる。
また、一対の圧電フィルム52,52は、できるだけ離間していることが好ましい。圧電フィルム52,52間の距離が大きいほど、積層型発電体40が撓んだ際に、それぞれの圧電フィルム52,52が離間して伸張或いは収縮するが、圧電フィルム52,52が離間することで、その変形量は大きくなる。そして、圧電フィルム52,52は、変形量に応じた電荷を生じるので、離間して大きく変形することにより、より大きな電圧を発生させることができる。
上述した発光素子を備えた積層型発電係留体40は、海洋観測ブイ、海上作業台、浮体式人工島のほかに人工漁礁の集魚灯(発光素子は下向き)、また、船舶の安全な航行を実現する海上用航行標識灯や誘導浮標、飛行機を航空路に誘導する海上誘導灯(航行安全灯)、さらに、広告灯としての海上サイネージや海上キャンバス(発光素子は上向き)などに適用できる波力発電装置に資する積層型発電係留体である。
この種の積層型発電係留体40は、海面の波浪による波力により変形(上下動や左右動の振動)し、その変形に伴って積層型発電係留体40内の圧電フィルム52が変形してピエゾ電気を発生し、この圧電フィルム52による発生電力により発光素子54を点灯させるように構成されている。
基体51は、柔軟性弾性素材であるシリコンゴムや天然ゴム又は合成ゴムからなっている。また、一対の圧電フィルム52,52は、基体51を挟持するもので、柔軟な高分子材料からなる高分子圧電フィルムで、その厚さは40μm乃至110μmの超薄型が好ましい。また、この高分子圧電フィルムとしては、ポリフッ化ビニリデン又はシアン化ビニリデンであることが好ましい。
特に、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)は、高耐性、高純度な熱可塑性フッ素重合体のひとつで、一般的に高純度、高強度や耐薬品性、熱耐性が要求される用途に用いられ、このPVDFは、強誘電体のポリマーであり、圧電性や焦電性を示すことから、センサなどへの応用もなされている。
また、一対の電極膜53,53は、一対の圧電フィルム52,52上にそれぞれ設けられ、蒸着やスパッタリング又は導電性ペーストなどによって形成されている。図示していないが、圧電フィルム52にはそれぞれ配線が接続されていて、この配線から圧電フィルム52の歪や撓みに応じて発生する電力が取り出されて、発光素子54を点灯される。
また、圧電フィルム52と基体51とは密着されていることが好ましい。圧電フィルム52と基体51とが密着状態にあることで、基体51の撓みによって圧電フィルム52の伸長、或いは圧縮が促進される。これにより、圧電フィルム52の発電効率が高められる。圧電フィルム52と基体51の密着は、シリコン系樹脂などの接着によるものでもよい。
また、基体51の表面が波面に対して水平又は垂直になるように、積層型発電係留体40を横位置又は縦位置に配置されて使用される。
このように、本実施例3の積層型発電係留体を、複数個配置された浮動体(浮き漁礁)41及びその垂下に複数段配置するようにすれば、魚網ブイからの発光により魚類の餌となるプランクトンなどの動きを簡単に観察することができて、集魚効果を高めることができる。
上述したように、本発明の各実施例によれば、潮流・潮汐や波浪などの種々の海洋エネルギーから電気エネルギーを得ることができる積層型発電係留体及び発光素子を備えた積層型発電係留体を実現することができる。また、魚類の繁殖と生活のために人為的に海中など水中に設置される人工物である人工漁礁の集魚灯にも適用できる。また、船舶の安全な航行を実現する海上用航路標識灯や誘導浮標などの海上ブイや魚網ブイ、飛行機を航空路に誘導する海上誘導灯(航行安全灯)にも適用できる。さらに、広告灯としての海上サイネージや海上キャンバスなどとしての利用価値が高い。
1 ブイ(浮体物)
2 係留網
3 係留索
10,20,40 積層型発電係留体
11,21a,21b,52(52a,52b) 圧電フィルム
12a,12b 基体(柔軟性弾性素材)
13a,13b,23a,23b,24a,24b 配線
22a,22b,22c,51 基体(柔軟性弾性素材)
41 浮き漁礁
42 係留アンカー
43 無線機
44 係留索
53 電極膜
54 発光素子
55a,55b 緩衝材
56 整流器(ダイオードブリッジ)

Claims (17)

  1. 海洋に設けられて海洋エネルギーを電気エネルギーに変換するように係留力を利用した積層型発電係留体であって、
    前記係留力による歪に応じて分極して電荷を発生する発電機能を有する圧電フィルムと、
    該圧電フィルム上に設けられた電極膜と、
    該電極膜に積層される柔軟性弾性素材からなる基体とを一体的に備え、
    前記圧電フィルムの伸縮及び曲げの歪変形により発電することを特徴とする積層型発電係留体。
  2. 前記圧電フィルムと前記基体とを交互に積層した複数層から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型発電係留体。
  3. 前記複数層が、3層又は5層であることを特徴とする請求項2に記載の積層型発電係留体。
  4. 前記複数層の形状が、帯状紐又は渦巻状紐であることを特徴とする請求項2又は3に記載の積層型発電係留体。
  5. 前記圧電フィルムが、高分子圧電フィルムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  6. 前記高分子圧電フィルムが、ポリフッ化ビニリデン又はシアン化ビニリデンであることを特徴とする請求項5に記載の積層型発電係留体。
  7. 前記柔軟性弾性素材が、シリコンゴム、天然ゴム又は合成ゴムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  8. 前記基体の先端部に発光素子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  9. 前記基体上に、前記圧電フィルムと前記発光素子に接続された整流器が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の積層型発電係留体。
  10. 前記整流器が、ブリッジダイオードで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の積層型発電係留体。
  11. 前記発光素子が、前記基体上で露出又は透明樹脂で覆われていることを特徴とする請求項8,9又は10に記載の発光素子を備えた積層型発電係留体。
  12. 前記発光素子が、複数個配置されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  13. 前記発光素子が、発光ダイオードであることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  14. 前記海洋上に浮遊する浮動体の係留索として用いることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  15. 前記海洋上に浮遊する浮動体の係留網として用いることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  16. 海上安全灯の係留索又は漁礁の係留網に適用したことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層型発電係留体。
  17. 前記係留索が接続されたアンカーが、海底に固定されていないことを特徴とする請求項14,15又は16に記載の積層型発電係留体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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