JP2010077923A - 電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置 - Google Patents

電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固有周期などの制約が少なく、波力エネルギーの変化に柔軟に対応可能な発電効率の高い波力発電装置を提供する。
【解決手段】海面の波により揺動するベース浮体110とベース浮体110内に設置されベース浮体110に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体120と内部動体120に重力方向の張力を印加する張力印加手段、例えば、重り150とを備えた波力発電装置100であって、内部動体120と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜130が張設され電場応答性高分子膜130が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることにより上記の課題を解決する。
【選択図】図4

Description

本発明は、波力エネルギーを利用して発電を行う波力発電装置に関し、特に、電場応答性高分子( Electroactive Polymer )を用いて、波力エネルギーを電気エネルギーとして取り出す波力発電装置に関するものである。
近年、石油などの化石燃料の枯渇と地球温暖化に象徴されるような環境対策が、深刻な問題として認識されるようになり、風力や太陽エネルギーなどの環境に優しい自然エネルギーを利用した発電が注目を集めている。自然エネルギーを利用した発電の一つとして、潮汐、波、海流や海中の温度差などの海洋エネルギー活用に関する研究開発が国内外で盛んに実施されており、波力発電装置についても実証実験がスタートしている。
波力エネルギーを電気エネルギーとして取り出す波力発電装置には、いくつかの方式が知られているが、現在の主流は、図1に簡略的に示すような振動水柱方式である。この振動水柱方式の波力発電装置1では、海面付近に係留された筒型形状の浮体2上に空気タービン3によって駆動される発電機4が設置される。浮体2は、海中で図示はされていないバラストにより鉛直方向に浮遊状態に保持され、浮体2の浮力と発電機4やバラストなどが受ける重力との関係で、浮体2の頂部側に空気室5が形成される。そして、浮体2内の振動水柱6の往復動により発生する水面の昇降により、空気室5の内部と外部との間で空気流が発生する。この空気流により空気タービン3が駆動される。そして、この空気タービン3の駆動により発電機4が回転駆動され、振動水柱6の昇降運動に伴う波力エネルギーが、発電機4によって電気エネルギーに変換されて外部に取り出される(例えば、特許文献1参照。)。
一方、本発明者らは、発電機などの既存の発電手法では実現が難しい低周波数帯(例えば、0.3Hz)や非定周波振動(周期が定まっていない振動)、高負荷、高ストロークなどの条件下においても利用可能な発電装置として電場応答性高分子膜を用いた発電装置の開発に成功した(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−95569号公報 特開2008−141840号公報
前述したような、従来の振動水柱方式の波力発電装置は、波と振動水柱が同調することにより、波力エネルギーを最大限に吸収することができる。そのため、浮体を設計する場合に、浮体内の振動水柱の固有周期を設置海域の最多出現波周期に合わせることが必要になり、設計開発コスト上昇の原因になっていた。また、振動水柱が固有周期を有するため天候などによって随時変化する波力エネルギーに柔軟に対応することができず、発電効率の向上を妨げる原因になっていた。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、固有周期などの制約が少なく、波力エネルギーの変化に柔軟に対応可能な発電効率の高い波力発電装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エネルギー変換手段に電場応答性高分子膜を用い、これを慣性力により伸張収縮させることが、前記課題の解決にきわめて効果的であることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに到った。
まず、本請求項1に係る発明は、海面の波により揺動するベース浮体と該ベース浮体内に配設されベース浮体に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体と該内部動体に張力を印加する張力印加手段とを備えた波力発電装置であって、前記内部動体と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜が張設され該電場応答性高分子膜が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることによって、前記課題を解決するものである。
また、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る波力発電装置において、前記張力印加手段が重りであることによって、前記課題をさらに解決するものである。
そして、本請求項3に係る発明は、請求項1に係る波力発電装置において、前記張力印加手段が海底又は水中の構造物に一端を固定した係留ロープであることによって、前記課題をさらに解決するものである。
ここで、本発明における電場応答性高分子膜とは、米国のカリフォルニア州に本拠を構えるSRIインターナショナルで開発された新素材であって、アクリル系樹脂やシリコーン系樹脂などからなるゴム状の薄い高分子膜(誘電体)を伸び縮み可能な柔軟な電極で挟んだ構造をしており、EPAM(イーパム:Electroactive Polymer Artificial Muscle)という商品名で市販されているものである。
本請求項1に係る波力発電装置によれば、海面の波により揺動するベース浮体とベース浮体内に配設されベース浮体に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体と内部動体に張力を印加する張力印加手段とを備えるとともに、内部動体と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜が張設され電場応答性高分子膜が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることにより、ベース浮体の動きに対応して内部動体と張力印加手段との間に生じた慣性力によって電場応答性高分子膜が伸張収縮するとともに、内部動体の自由な姿勢変更により電場応答性高分子膜の伸張収縮方向と加重方向とが常に一定になるので、従来の振動水柱方式の波力発電装置に比べて、固有周期などの制約が少なく、波力エネルギーの変化に柔軟に対応可能で、高い発電効率を実現することができる。
また、本請求項2の波力発電装置によれば、請求項1に係る波力発電装置において、張力印加手段が重りであることにより、波力発電装置の設置場所に関する制約がなくなるので、例えば、ベース浮体を海面の波の動きに同期している船舶上に設置するなど、実施上の自由度が格段に向上する。
そして、本請求項3の波力発電装置によれば、請求項1に係る波力発電装置において、張力印加手段が海底又は水中の構造物に一端を固定した係留ロープであることによって、ベース浮体が受ける海面の比較的短周期の上下方向の動きだけでなく、比較的長周期の水平方向の動きも電場応答性高分子膜を伸張収縮する慣性力に変換されるため、より一層、高い発電効率を実現することができる。
さらに、本発明の波力発電装置によれば、従来の振動水柱方式の波力発電装置のように発電機や空気タービンのような回転機構が存在しないため静粛性に優れており、省スペース、軽量化、メンテナンス負担の軽減という点においても優れている。
本発明の波力発電装置は、海面の波により揺動するベース浮体とベース浮体内に配設されベース浮体に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体と内部動体に張力を印加する張力印加手段とを備えるとともに、内部動体と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜が張設され電場応答性高分子膜が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることにより、固有周期などの制約が少なく、波力エネルギーの変化に柔軟に対応可能な高い発電効率を実現するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
例えば、本発明の波力発電装置は、ベース浮体を海面上に浮かべて使用する設置形態であっても船舶上に固設して使用する設置形態であっても発電動作に何ら支障はない。
ここで、本発明の波力発電装置の発電要素となる電場応答性高分子膜が、発電する原理の概要について、図2に基づき説明する。
電場応答性高分子膜10は、2つの柔軟な電極10b、10cに挟まれたアクリル系樹脂やシリコーン系樹脂等の高分子膜10aで構成されている。従来、多用されていたアクチュエーション(駆動)モードでは、図2(a)に示すように電極間に電位差を与えると、静電力により高分子膜10aが厚さ方向に収縮し、その結果として、電場応答性高分子膜10が面方向に伸張し、アクチュエータとして機能する。
一方、発電モードでは、図2(b)に示すようにアクチュエーション(駆動)モードと逆の動き、すなわち、電場応答性高分子膜10に波力に由来する慣性力を与えて、電場応答性高分子膜10を伸張させることにより発電する。
これらモードでは、電場応答性高分子膜10は、可変容量コンデンサーのように機能していると考えられる。電場応答性高分子膜10が伸張された際に発電の元となる微量の電荷を電場応答性高分子膜10に与える。この電荷は、電場応答性高分子膜10の高分子膜10aの表面上に現れる。そして、この膜が弛緩する際、電場応答性高分子膜10の弾性力が電場圧力に対抗して働き、その結果、電気エネルギーが増加する。ミクロ的には、高分子膜10aの弾性力により電荷を各電極10b、10cに向けて押し出し(収縮状態で高分子膜10aの厚さが増加)、また電極10b、10c上において各電荷間の距離が短くなる(収縮状態で高分子膜10aの平面領域が減少)。
このような電荷の変化が電圧差を増加させ、その結果、静電エネルギー量が増加し、電気エネルギーとして外部の負荷に供給可能になり、電場応答性高分子膜10が発電要素として機能する。
電場応答性高分子膜10から電気エネルギーを取り出す具体的回路構成については、前述した特許文献2において開示しているので、説明を割愛する。
以下、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置の一実施形態である実施例1について、図3乃至図5に基づき説明する。
ここで、図3は、実施例1の波力発電装置の上面図であり、図4は、図3に示した波力発電装置のIV−IV線における断面図であり、図5は、実施例1の波力発電装置の動作を説明する概念図である。
まず、実施例1の波力発電装置100の構造について、図3及び図4を参照して説明する。実施例1の波力発電装置100は、電場応答性高分子膜130を平面状に張設し、電場応答性高分子膜130に慣性力を印加する張力印加手段として重り150を使用するものである。
波力発電装置100は、図3及び図4に示すように、中央に円形の開口部を有する上面が正方形で所定の厚みを有するベース浮体110を有している。このベース浮体110は、図4に示すように、ベース浮体上部部材112とベース浮体下部部材116とから構成されている。ベース浮体上部部材112とベース部材下部部材116は同形状をしており、中央に円形の開口部を有している。この開口部の側壁は、4分の1の円弧を形成しており、ベース浮体上部部材112とベース浮体下部部材116とが接合されることにより、側壁が半円弧形状の厚み方向の中央が拡径した開口部がベース浮体110に形成される。また、ベース浮体上部部材112及びベース浮体下部部材116は、浮力を発生させるための密閉された空洞114、118を有している。これらの空洞114、118内に発泡スチロールなどを充填したり、ハニカム状の隔壁を設けたりすることによってベース浮体110の強度を向上させることができる。
ベース浮体110の開口部の中には、開口部の内周面に摺設する大きさで外周面がベース浮体110の開口部の円弧半径よりもやや短い半径の円弧面に形成された内部動体120がベース浮体110に対して自由に姿勢を変えることができるように配設されている。この内部動体120は、内部動体上部部材122と内部動体下部部材124とから構成されている。内部動体上部部材122と内部動体下部部材124は同形状をしており、中央に円形の開口部を有している。そして、内部動体上部部材122と内部動体下部部材124とに挟持されて、電場応答性高分子膜130が開口部を塞ぐように張設されている。
そして、電場応答性高分子膜130の中央には、円形の重り取付板142、144が電場応答性高分子膜130を挟持するように固着され、この重り取付板142、144に固設された重り吊り下げロープ146にバックル148を介して重り150が取り付けられている。
次に、波力発電装置100の動作について、図5を参照して説明する。波力発電装置100は、図5(a)に示すように、海面に浮かべて使用される。波力発電装置100のベース浮体110は、波のうねりを受けて揺動する。この時、図5(b)に示すように、重り150は、ベース浮体110の動きに瞬時に追随することができないため、電場応答性高分子膜130に慣性力が掛かり、電場応答性高分子膜130は伸張する。その後、電場応答性高分子膜130は、図5(c)に示すように、弾性力によって収縮し、もとの状態に戻る。このように電場応答性高分子膜130は、ベース浮体110と重り150との動きによって生じる慣性力によって伸張収縮を繰り返し、その結果、電気エネルギーを発生する。さらに、内部動体120がベース浮体110に対して自由に姿勢を変えることができるので、重り150の動きと電場応答性高分子膜130の伸張収縮方向とを常に一定とすることができ、重り150の上下運動から電場応答性高分子膜130の伸張収縮運動への変換効率が向上し、波力発電装置100の発電効率を向上させることができる。
次に、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置の別の実施形態である実施例2について、図6に基づき説明する。
実施例2の波力発電装置200は、前述した実施例1の波力発電装置100と基本的な装置構成は同一であるので、対応する部材に付した符号の100番台を200番台に書き換えることにより、その説明を省略する。
波力発電装置200は、図6に示すように、電場応答性高分子膜230を内部動体220の中央から帯状に張設し、電場応答性高分子膜230に慣性力を印加する張力印加手段として重り250を使用するものである。なお、電場応答性高分子膜230は、伸張収縮運動をガイドするとともに海水と直接接触して腐食することを抑制するための円筒状ガイド部材240の中に納められている。
波力発電装置200は、図6(a)に示すように、海面に浮かべて使用される。波力発電装置200のベース浮体210は、波のうねりを受けて揺動する。この時、図6(b)に示すように、重り250は、ベース浮体210の動きに瞬時に追随することができないため、電場応答性高分子膜230に慣性力が掛かり、電場応答性高分子膜230は伸張する。その後、電場応答性高分子膜230は、図6(c)に示すように、弾性力によって収縮し、もとの状態に戻る。このように電場応答性高分子膜230は、ベース浮体210と重り250との動きによって生じる慣性力によって伸張収縮を繰り返し、その結果、電気エネルギーを発生する。さらに、内部動体220がベース浮体210に対して自由に姿勢を変えることができるので、重り250の動きと電場応答性高分子膜230の伸張収縮方向とを常に一定とすることができ、重り250の上下運動から電場応答性高分子膜230の伸張収縮運動への変換効率が向上し、波力発電装置200の発電効率を向上させることができる。
なお、電場応答性高分子膜230の外表面(電極面)を主材料のエラストマーでコーティングして電場応答性高分子膜230の防水性を高めることによって、円筒状ガイド部材240を用いることなく電場応答性高分子膜230を直接海中に垂らして使用することも可能である。
次に、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置のさらに別の実施形態である実施例3について、図7に基づき説明する。
実施例3の波力発電装置300は、前述した実施例1の波力発電装置100と基本的な装置構成は同一であるので、対応する部材に付した符号の100番台を300番台に書き換えることにより、その説明を省略する。
波力発電装置300は、図7に示すように、電場応答性高分子膜330を内部動体320の中央から帯状に張設し、電場応答性高分子膜330に慣性力を印加する張力印加手段として海底や水中の構造物に一端を固定した係留ロープ360を使用するものである。なお、電場応答性高分子膜330は、伸張収縮運動をガイドするとともに海水と直接接触して腐食することを抑制するための円筒状ガイド部材340の中に納められている。
波力発電装置300は、図7(a)に示すように、ベース浮体310を海面に浮かべるとともに、内部動体320の中央に一端が固定された電場応答性高分子膜330の他端を係留ロープ360によって海底や水中の構造物に固定して使用される。波力発電装置300のベース浮体310は、波のうねりを受けて揺動する。この時、図7(b)に示すように、電場応答性高分子膜330は、ベース浮体310の動きに瞬時に追随することができないため、電場応答性高分子膜330に慣性力が掛かり、電場応答性高分子膜330は伸張する。その後、電場応答性高分子膜330は、図7(c)に示すように、弾性力によって収縮し、もとの状態に戻る。このように電場応答性高分子膜330は、ベース浮体310と係留ロープ360との間に生じる慣性力によって伸張収縮を繰り返し、その結果、電気エネルギーを発生する。さらに、内部動体320がベース浮体310に対して自由に姿勢を変えることができるので、係留ロープ360が張られた方向と電場応答性高分子膜330の伸張収縮方向とを常に一定とすることができ、ベース浮体310の上下運動から電場応答性高分子膜330の伸張収縮運動への変換効率が向上し、波力発電装置300の発電効率を向上させることができる。
なお、実施例2と同様、電場応答性高分子膜330の外表面(電極面)を主材料のエラストマーでコーティングして電場応答性高分子膜330の防水性を高めることによって、円筒状ガイド部材340を用いることなく電場応答性高分子膜330を直接海中に垂らして使用することも可能である。
また、前述した実施例3の波力発電装置300は、伸張収縮運動をガイドするための円筒状ガイド部材340の中に納められた電場応答性高分子膜330の一端を内部動体320の中央に固設して、他端を係留ロープ360に連結しているが、電場応答性高分子膜330は、図8(a)に示すように、係留ロープ360の中間に設けても良く、あるいは、図8(b)に示すように、電場応答性高分子膜330の収縮時に円筒状ガイド部材340の下端が海底に接触するような位置に設けても良い。
さらに、悪天候などでベース浮体310が大きく移動して電場応答性高分子膜330が過大に伸張された際に電場応答性高分子膜330が破断することを防止するため、図9に示すように、電場応答性高分子膜330に伸張制限ロープ370を並設しても良い。また、内部動体320と電場応答性高分子膜330とを直接連結せずに、図10に示すように、内部動体320の中央に取付棒325を垂設し、取付棒325の先端と電場応答性高分子膜330の一端とを連結リング380を介して連結しても良い。このようにすることによって、内部動体320の動きに電場応答性高分子膜330をより柔軟に追従させることができる。
次に、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置のさらに別の実施形態である実施例4について、図11に基づき説明する。
実施例4の波力発電装置400は、前述した実施例1の波力発電装置100と基本的な装置構成は同一であるので、対応する部材に付した符号の100番台を400番台に書き換えることにより、その説明を省略する。
波力発電装置400は、図11に示すように、電場応答性高分子膜430の一端を内部動体420の中央に固設し、他端を海底や水中の構造物に固定している。そして、電場応答性高分子膜430が過大に伸張して破断することを防止するため、伸張制限ロープ470を並設している。この場合、電場応答性高分子膜430に慣性力を印加する張力印加手段が海底や水中の構造物そのものであると考えることができる。
次に、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置のさらに別の実施形態である実施例5について、図12に基づき説明する。
実施例5の波力発電装置500は、前述した実施例2の波力発電装置200と基本的な装置構成は同一であるので、対応する部材に付した符号の200番台を500番台に書き換えることにより、その説明を省略する。
波力発電装置500は、複数のベース浮体510を連結して、船の甲板上に支柱590によって固設している。そして、内部動体520の中央に一端が固設され他端に重り550が固設された電場応答性高分子膜530が宙づり状態に設置されている。この電場応答性高分子膜530は、伸張収縮運動をガイドするための円筒状ガイド部材540の中に納められている。さらに円筒状ガイド部材540の末端と甲板との間に、電場応答性高分子膜530の揺動範囲を制限するための揺動範囲制限ロープ570が設置されている。
船の甲板は、海面のうねりに呼応して揺動する。そして、その動きを受けてベース浮体510が揺動する。その結果、実施例2と同じ原理により電場応答性高分子膜540が慣性力によって伸張収縮運動し、電気エネルギーを発生する。波力発電装置500は、電気エネルギーの消費量が多い大型客船の電力供給源として使用することもできるし、天候などに応じて波の高い海域に移動して効率的に発電を行う新規な移動型波力発電所として使用することもできる。移動型波力発電所として使用する場合、発電した電気エネルギーにより船上で海水を電気分解して水素を発生させ、発電した電気エネルギーを水素という形態(液体又は気体)で貯蔵・運搬することによって、送電ロスを発生させることなく消費地に供給することができる。
以上のように、本発明の電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置によれば、海面の波により揺動するベース浮体とベース浮体内に配設されベース浮体に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体と内部動体に張力を印加する張力印加手段とを備えるとともに、内部動体と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜が張設され電場応答性高分子膜が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることにより、ベース浮体の動きに対応して内部動体と張力印加手段との間に生じた慣性力によって電場応答性高分子膜が伸張収縮するとともに、内部動体の自由な姿勢変更により電場応答性高分子膜の伸張収縮方向と加重方向とが常に一定になるので、従来の振動水柱方式の波力発電装置に比べて、固有周期などの制約が少なく、低い周波数帯の波から高い周波数帯の波まで、あるいは、周期が定まっていない非定周波の波など波力エネルギーの変化に柔軟に対応可能で、高い発電効率を実現することができる。
本発明の波力発電装置は、簡単な構成で、メンテナンスもほとんど必要なく、さまざまな海域及びさまざまな気象条件で利用可能である発電装置を提供するものであるのみならず、既存の太陽光発電装置の発電効率の落ちる悪天候のときには、波の高いことが多いため太陽光発電装置と併用したときの補完性にも優れており、地球温暖化の原因である二酸化炭素などの温室効果ガスの発生が皆無であるため、その産業上の利用可能性は、きわめて高い。
従来の振動水柱方式の波力発電装置の概念図。 電場応答性高分子膜の動作原理を説明する概念図。 実施例1の波力発電装置の上面図。 図3に示した波力発電装置のIV−IV線における断面図。 実施例1の波力発電装置の動作を説明する概念図。 実施例2の波力発電装置の動作を説明する概念図。 実施例3の波力発電装置の動作を説明する概念図。 実施例3の波力発電装置の応用例を説明する概念図。 実施例3の波力発電装置の応用例を説明する概念図。 実施例3の波力発電装置の応用例を説明する概念図。 実施例4の波力発電装置を説明する概念図。 実施例5の波力発電装置を説明する概念図。
符号の説明
1 ・・・ 波力発電装置
2 ・・・ 浮体
3 ・・・ 空気タービン
4 ・・・ 発電機
5 ・・・ 空気室
6 ・・・ 振動水柱
10 ・・・ 電場応答性高分子膜
10a ・・・ (電場応答性高分子膜の)高分子膜
10b、10c ・・・ (電場応答性高分子膜の)電極
100、200、300、400、500 ・・・ 波力発電装置
110、210、310、410、510 ・・・ ベース浮体
112 ・・・ ベース浮体上部部材
114、118 ・・・ 空洞
116 ・・・ ベース浮体下部部材
120、220、320、420、520 ・・・ 内部動体
122 ・・・ 内部動体上部部材
124 ・・・ 内部動体下部部材
130、230、330、430、530 ・・・ 電場応答性高分子膜
142、144 ・・・ 重り取付板
146 ・・・ 重り吊り下げロープ
148 ・・・ バックル
150、250、550 ・・・ 重り
240、340、540 ・・・ 円筒状ガイド部材
325 ・・・ 取付棒
360 ・・・ 係留ロープ
370、470 ・・・ 伸張制限ロープ
380 ・・・ 連結リング
570 ・・・ 揺動範囲制限ロープ
590 ・・・ 支柱

Claims (3)

  1. 海面の波により揺動するベース浮体と該ベース浮体内に配設されベース浮体に対して自由に姿勢を変えることができる内部動体と該内部動体に張力を印加する張力印加手段とを備えた波力発電装置であって、
    前記内部動体と張力印加手段との間に電場応答性高分子膜が張設され該電場応答性高分子膜が慣性力により伸張収縮し電気エネルギーを出力するように構成されていることを特徴とする波力発電装置。
  2. 前記張力印加手段が重りであることを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。
  3. 前記張力印加手段が海底又は水中の構造物に一端を固定した係留ロープであることを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011247193A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Linear Circuit:Kk 発電装置
US8749081B2 (en) 2011-05-09 2014-06-10 Phillip Reed Martineau Moving fluid energy conversion device
CN103867375A (zh) * 2014-03-24 2014-06-18 长沙理工大学 一种采用重力滑块的浮力摆摆板设计
CN104131951A (zh) * 2013-05-02 2014-11-05 罗才德 海洋能发电船

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