JP2014112078A - 被検体情報取得装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体の異常部位などの特定部位の検出等の情報取得をテラヘルツ波を用いて良好な感度で行うことができる被検体情報取得装置及び方法を提供する。
【解決手段】被検体情報取得装置は、発生部29、検出部17、処理部30を有する。発生部は、被検体10の特定部位または特定部位以外を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体に照射するためのテラヘルツ波を発生する。検出部は、被検体10から伝播してきたテラヘルツ波を検出して信号を出力する。処理部は、検出部で検出された信号と標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータとを用いて、被検体10の情報を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ(THz)波帯の電磁波(周波数が概ね30GHz〜30THz)を用いた被検体の画像形成装置などの被検体情報取得装置、被検体情報取得方法等に関する。具体的には、例えば、生体表面または内部の特定部位を検出する装置、方法等に関する。
近年、テラヘルツ波帯の電磁波(以下、テラヘルツ波とも称する)を用いた非破壊なセンシング技術が開発されている。この周波数帯の電磁波の応用分野として、X線に代わる安全な透視検査装置でイメージングを行う技術、物質内部の吸収スペクトルや複素誘電率を求めて分子の結合状態などの物性を調べる分光技術が開発されている。また、キャリア濃度や移動度、導電率などの物性を調べる計測技術、生体分子の解析技術なども開発されている。こうした技術の中で、テラヘルツ波を用いて物体の透視イメージングを行う技術として、超短パルスレーザ光を半導体などに照射して発生するテラヘルツ波パルスを用いた時間領域分光装置(THz-TDS)が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の提案では、テラヘルツ波パルスの信号が空間的に物体の別個の場所を通過するようにして、受信した信号を用いて物体をイメージ化する。反射テラヘルツ波を用いれば物体内部の断層イメージなどが取得可能である。
しかし、上記技術を用いて生体表面や内部の特定部位を観察して画像形成する場合には、被検体による電磁波の吸収、表面凹凸形状による散乱などに起因する電磁波の減衰でテラヘルツ波の検出感度が悪くなることがある。この点は、一般に光を用いたイメージングでも同様であるが、水分による吸収などが大きいテラヘルツ波で特に問題となる。光を用いたイメージングでは、特定部位に集約し特定の光波長に対して感度をもつ分子プローブを用いることにより特定部位の検出感度を向上させる技術が開発されている(非特許文献1参照)。
特許第3387721号
Nature Rev. Cancer 2, p750
背景技術で述べたように、テラヘルツ波を用いた画像形成装置では、吸収や散乱の大きい被検体の場合に画像取得のための信号の強度が劣化することになり易い。また、比較的信号が大きい場合においても、より高速に画像形成を行うためには感度向上が望ましい。その理由は、テラヘルツ波検出信号のSN比を向上させるために同一点に対し複数回の測定を行って積算によりランダムノイズを低減させる場合に、積算時間を低減できるからである。テラヘルツ波を用いる検出における上記感度向上の要求は、被検体中の識別すべき領域間で誘電率差が小さい場合に特に顕著になる。しかし、テラヘルツ波を用いる検出においては、この領域特有のスペクトルを用いて被検体の画像形成などを行うにあたって分子プローブのような方法で識別性を向上させる技術は確立されていない。
上記課題に鑑み、本発明の被検体情報を取得する装置は、以下の構成要素を有する。被検体の特定部位または特定部位以外の箇所を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体に照射するためのテラヘルツ波を発生する発生部。前記被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出して信号を出力する検出部。ここでいう標的物とは、上記特定部位を標的として選択的に結合する等して残留する物と、選択的に特定部位以外の箇所に残留する物の両方を指すこととする。前記検出部で検出された信号と前記標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータとを用いて、前記被検体の情報を取得する処理部。前記データは、前記標的物の波長(または周波数)スペクトルなどを予め取得して記憶部に記憶しておいてもよい。
また、上記課題に鑑み、本発明の被検体情報取得方法は、以下のステップを含む。被検体の特定部位または特定部位以外を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体にテラヘルツ波を照射して、前記被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出ステップ。前記標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータを供給する供給ステップ。前記検出ステップで検出されたテラヘルツ波の信号と前記供給ステップで供給されたデータとを用いて、前記被検体の情報を取得する処理ステップ。前記供給ステップでは、前記標的物の波長スペクトルなどを予め取得して記憶しておいてもよい。特定部位を有する被検体にテラヘルツ波を照射して前記被検体の情報を取得するためのコンピュータに、前記被検体情報取得方法のステップを実行させる被検体情報取得用プログラムも本発明の対象である。
本発明によれば、被検体の異常部位などの特定部位の検出等の情報取得を無被曝で良好な感度で行うことができる。これにより、情報取得に関して、例えば、被検体の断層像を含めた画像の取得における感度向上、画像形成の時間の短縮(作業の効率化)が可能となる。特に被検体が生体組織の場合に、テラヘルツ波の減衰が大きいためこうした効果が顕著となる。
本発明による実施形態1の画像形成装置の全体構成図。 本発明による実施形態1の観察断面とテラヘルツ波形の例を示す図。 本発明による実施形態1のテラヘルツ波パルスの態様を説明する図。 本発明による実施形態1の断層像観察例を示す図。 本発明における標的分子のスペクトルの例を示す図。 本発明による実施形態1の標的分子を用いたファントムの測定例を示す図。 本発明による実施形態1の測定フローを説明する図。 本発明による実施形態2の画像形成装置の全体構成図。 本発明による実施形態3のプローブ部を説明する図。 本発明による実施形態4のプローブ部を説明する図。 本発明に用いた被検体のテラヘルツ反射率データベースの例を示す図。
本発明は、生体組織などの被検体の観察ないし情報取得において、被検体の持つテラヘルツ領域のスペクトル情報、観察部位または観察部位以外に集まる標的物のスペクトル情報等を併用して、イメージング感度などの情報取得性能を向上させることを目的とする。被検体の部位の識別性を向上させるために、被検体の特定部位または特定部位以外を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体にテラヘルツ波を照射して、被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出する。標的物の波長スペクトルの特徴部分の情報を含むデータと検出信号を用いて処理を行い、情報を得るのであるが、用いるデータやテラヘルツ波の種類、処理態様は、被検体の如何なる情報(画像情報、特定部位の同定や存否等)を取得するかに依り種々である。例えば、被検体に照射されるテラヘルツ波の強度やパルス幅を、画像化したい部位に応じて変化させることができる。また、組織イメージングで被検体の定常状態を観察して異常部位の領域を特定したり、異常部位に集まる、または異常部位において排除される薬剤(分子プローブ、治療薬、分子標的薬等)の注入にて動的に変化する領域をスクリーニングしたりすることができる。その際、用いた標的物のスペクトルフィルタ処理を行って感度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
本発明による実施形態1を図1〜図7を用いて説明する。本実施形態では、テラヘルツ波パルスを用いた時間領域分光装置(THz-TDS)を使用する。プローブ21を使ってテラヘルツ波を被検体10に照射し、被検体10からのテラヘルツ波も同じくプローブ21を用いて検出できるようになっている。
図1に示した構成は一般的なTHz-TDSの装置構成である。100fsec程度以下のパルス幅を持つフェムト秒レーザ20のレーザ光をハーフミラー23で分岐し、1つはレンズ27により集光して光伝導素子29に照射する。テラヘルツ波の発生部を構成する光伝導素子29のバイアス電圧は電源18により変調されており、変調されたテラヘルツ波が放物面鏡11、13によってテラヘルツ波導波路(プローブ)21に入射される。導波路を用いずに被検体10にテラヘルツ波を照射する形態でもよい。一方、分岐されたもう1つのレーザ光は、固定のミラー対25と可動な遅延ステージ15に搭載されたミラー対16によって遅延制御されたのち、ミラー24、レンズ28を介して、テラヘルツ波の検出部を構成する検出側の光伝導素子17に照射される。遅延ステージ15の制御信号は、検出信号を処理する制御・処理部30から出力されている。以上の如く、時間領域分光装置である本実施形態の被検体情報取得装置は、被検体の特定部位または特定部位以外を標的とした後述の標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体に照射するためのテラヘルツ波を発生する発生部29を備える。また、被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出して信号を出力する検出部17と、検出信号と後述の標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータを用いて被検体の画像などの情報を取得する処理部である制御・処理部30を備える。
テラヘルツ波導波路21としては、中空で内部に金属コーティングがなされたHollowファイバや、周期的な孔構造を設けたフォトニック結晶ファイバなどが用いられる。また、金属の単一ワイヤ、導波管、同軸線路や平行線路のような2導体ワイヤ、それらに樹脂をコーティングしたものでもよい。ファイバなどのプローブ21の先端部22には、被検体10と離隔できるように石英板やシリコン板、樹脂板などの窓(不図示)等を設けてもよい。プローブ21に沿って伝搬したテラヘルツ波は被検体10に照射され、その反射波が、再びプローブ21を伝搬して放物面鏡14、12を介して光伝導素子17で検出される。図1の例では、テラヘルツ波の入出射を2つの放物面鏡13、14で空間的に行っているが、レンズを用いる方法や、テラヘルツ波導波路21を直接発生部29及び検出部17に接続する形態にしてもよい。
このテラヘルツ波による信号は、アンプ19、ロックインアンプ26を通して検出され、その信号から制御・処理部30において画像情報などの情報に変換される。プローブ21を走査しながら画像情報を取得することで被検体10の画像を形成することができる。
図2(a)は、図1の被検体近傍の破線に沿った、プローブ21も含めた断面図を示す。被検体としては生体組織を想定している。図2(a)のイメージでは、被検体となる生体組織10の表面から深部にかけて、或る領域に、特定部位となる腫瘍などの異常組織部31が正常組織部32とともに存在している。このような場合、異常組織部31と正常組織部32のテラヘルツ領域における分光特性が異なることが分かっている。よって、予め測定した誘電率スペクトルの値をデータベースとして記憶部に記憶しておけば、データベースを参照して光伝導素子17の検出信号を処理することで図2(a)のように組織の状態の違いを判別した断層像が得られる。こうした記憶部は図1の制御・処理部30に設けておくことができる。
その際の参照テラヘルツ波パルスの波形の例を図2(b)に示す。被検体のかわりにミラーを置いたときの参照波形(破線)と、被検体を置いたときの波形(実線)を示している。テラヘルツ参照波形は典型的には半値幅が350fsくらいの電磁界パルスであって(図2(b)破線部を参照)、フーリエ周波数成分として0.2THz〜4THz程度までを含む。このような電磁界パルスによる透過または反射の応答から、被検体の複素屈折率の周波数依存性が計算できることが周知のTHz-TDSによる分光手法である。
テラヘルツ波は被検体の内部まで或る程度侵入し(生体では100μm〜数mm程度)、屈折率の不連続な面があれば、表面及び不連続界面の散乱により反射パルスが観測される(図2(b)実線部を参照)。定性的には、侵入したテラヘルツ波の伝搬領域の屈折率と反射界面までの距離で、反射パルスの波形が決定されるので、逆にパルス波形を解析することで、内部の構造の同定や構成組織の識別までもが可能である。定量的には、前述したように予め被検体の各部位のテラヘルツ波に対する複素屈折率を測定しておき、トランスファーマトリックス法などを用いて多層構成を再構築する手法によって解析を遂行できる。トランスファーマトリックス法は、膜構造(膜の厚さ、屈折率、重なりの順序、層の数など)を与えると、誘電体多層膜の反射(透過)スペクトルを厳密に計算する方法であり、この方法を逆に用いて、測定したスペクトルから多層構成を再構築できる。ここまでは、標的物を用いないで、被検体の複素屈折率の情報のみを利用した手法を説明した。
ここで、異常組織と正常組織の識別の感度を向上させるため、図2(a)に示すように標的物となる標的分子33を導入する。ここでは、標的物とは、テラヘルツ領域で特徴的な周波数スペクトルを持ち、かつ識別したい被検体の特定部位とそれ以外の部位で濃度を異ならせることができるものであると定義する。この標的物には、抗原‐抗体反応により、特定部位に含まれるリガンドに選択的に結合するような分子や分子標的薬と呼ばれる医薬品も含まれる。
標的物としての標的分子の例として、図5に示したような(a)レチノイン酸、(b)αリポ酸、(c)スニチニブを説明する。それぞれのテラヘルツ領域での吸収スペクトルが、図5(a)〜(c)で見られるように、異なった特徴を持っていることが分かる。これらはそれぞれ以下のような効能を医薬品として有している。
(a)レチノイン酸:白血病治療薬、しわ・にきびの経皮治療薬
(b)αリポ酸:アンチエイジングの経皮治療薬
(c)スニチニブ:腎臓がんの抗がん剤(分子標的薬)
これらは、ヒト組織の異常部位と正常部位において、投与後の排泄スピードの差によって濃度の差がでることで、上記標的分子として機能し得ることになる。
レチノイン酸とαリポ酸を標的分子として用いた図6(a)のようなファントムによる実験例を説明する。重量パーセント濃度40%のゼラチンを水に溶かしたもの64に、この2つの標的分子を含むペレット65、66を埋め込み、石英板62、基板67、スペーサ63で封止したものがファントムである。上方よりテラヘルツ波60を入射し、反射波61を検出する。このゼラチンは、ヒト組織に近いテラヘルツ波帯の特性(複素屈折率)を持つものである。このようなファントムにテラヘルツ波60を照射して、反射したパルス61を観測すると、図6(b)、(c)のようなスペクトルが得られる。図6(b)は全測定時間に亘る波形を示したもので、複数界面での反射パルスがあることが分かる。それぞれの反射パルスは、図6(a)のA,B,C,Dに相当する界面からのものである。4つの反射パルスが見られるが、BとCの界面距離が100μm以下であるため、信号が重なっているように観測される。そこで、B,Cにあたるゼラチンと標的分子の反射パルス部分を拡大したものが図6(c)である。これを見ると、レチノイン酸とαリポ酸の波形に差があることが分かる。これは図5(a)、(b)の違いを反映したものである。このような標的分子の分光スペクトルやその他の部位の分光特性を予め取得して記憶部に保存しておいた場合、本ファントムのような多層構造でも、トランスファーマトリクス法などを用いて反射波形のフィッティングを行うことができる。本実験例において、それぞれの標的分子の同定をフィッティングにより行うことができ、標的分子の屈折率差だけでは識別が難しい場合でも、標的分子のスペクトルの違いを用いて感度を向上できることを確認した。つまり、そのままでは検出し難い被検体中の符号65、66で示す如き部位について、それらの部位での残留の濃度が選択的に大きい1つ以上の標的物を用いることで、感度の良い検出や測定を実現できることが分かる。
このように標的分子を被検体に導入すると、被検体の各部位において標的分子の濃度の差が出ることで、テラヘルツ波による識別性の感度を向上させることができる。しかし、本来その被検体物質が持っている複素屈折率とは異なるものを検出することになる。従って、標的分子の導入前後あるいは導入したのちに全て排泄された後において、テラヘルツ波による検出データを取得し、比較することにも意義がある。その場合、既に説明したように標的分子の有無により識別感度が異なる。そこで、標的分子を導入した場合と、導入しない場合で、テラヘルツ波の振幅ないし強さを変える、すなわち前者では小さく、後者では大きくするとよい。
一般に、THz-TDS方式の場合、テラヘルツ波パルスを用いるが、テラヘルツ波の振幅の大きさとパルス幅にはトレードオフの関係がある。これを、図1及び図3を用いて説明する。THz-TDSでは、テラヘルツ波パルスの振幅値を大きくするには、次の方法がある。図1のテラヘルツ発生側の光伝導素子29にバイアス電源18で供給する電圧値(ロックインアンプ26で同期検波するために変調信号を供給している場合にはその振幅値)を大きくする。もしくは、フェムト秒レーザ20からの光励起パワーを増大させる、などの方法がある。電圧については、低温成長GaAsを用いた光伝導素子であれば、典型的には20V程度を印加するが、100V程度まで増大することが可能である。電圧の増大に対しては、基本的には比例的にテラヘルツ波の振幅が増大する。一方、低温成長InGaAsなどの異なる結晶系を用いる場合があるが、その場合には、抵抗が低い場合があるので、最大でも20V程度になることもある。励起光出力に関しては、典型的には10mW〜30mW程度が好適であり、その範囲では比例的にテラヘルツ波の振幅値が増大する。しかし、30mW以上では励起光出力の増大に対してテラヘルツ波の振幅値は飽和傾向にあり、こうするのは、あまり好ましくない。ただし、光伝導素子をアレイ状にすることで、励起光パワーに対する飽和出力を増大させて、より大きなテラヘルツ波パルスの振幅を得ることが可能である。
テラヘルツ検出側の光伝導素子17についても、励起光パワーでテラヘルツ波振幅を増減できるが、発生側程には顕著な変化はない。一般的には1mW〜10mW程度で励起光パワーを変化させる。これまでの典型的な光出力や電圧の値は、GaAsであれば800nm程度の波長のフェムト秒レーザ光、InGaAsであれば1500nm帯の波長のフェムト秒レーザ光を使用することを前提としている。GaAsでは、非線形現象を用いて1500nm帯のレーザ光を使用してテラヘルツ波を発生あるいは検出させることも可能であり、その場合には上記の値よりも典型値が若干大きくなる。
このように、THz-TDS特有の駆動手段によりテラヘルツ波の振幅値を調整することができる。しかし、前述したようにテラヘルツ波振幅と分解能にはトレードオフの関係がある。これは、振幅増大によりパルス幅が増大し波長の長い成分が増加する傾向があるからである。図3を用いてこの現象を説明する。上記のように光伝導素子の電圧、励起光強度の一方もしくは両方を増大させてテラヘルツ波パルスの振幅値を増大させると、そのパルス幅が増大する傾向にある。例えば、振幅値を増大させた図3(a)の場合では、パルス幅は380fsとなり、そのフーリエ周波数スペクトルは0.6THzにピークを持ち、低周波領域にも成分を多く持つ。その様子が図3(c)の実線部である。一方、図3(b)のようにテラヘルツ波パルスの振幅値を小さく、例えば1/5程度にすると、調整によってはパルス幅300fsでフーリエ周波数スペクトルが1THzにピークを持つようにすることができる。この場合、フーリエ周波数スペクトルのピーク値が高いほど高周波成分、すなわち波長の短い成分を多く含むことになる。よって、被検体の情報を取得する空間領域が小さくなって、すなわちテラヘルツ波の照射スポット径が小さくなることでイメージング(画像取得)の空間分解能が高くなる。上記例では、パルス振幅の高い方で1mm、低い方で0.5mm程度の分解能とすることができる。ただし、これらの値は本実施形態で用いるTHz-TDS装置の典型値である。光学系の設計、すなわちレンズの径やNA(開口数)、焦点距離、THz光学系の放物面鏡の径やNA、焦点距離などや、使用している光伝導素子、励起レーザの仕様によっても異なるものである。従って、一例をもって傾向を示したものであり、上記の駆動パラメータに限定されるものではない。
以上のようにテラヘルツ波の強度を変えて分解能も変わる場合に、標的物が導入される被検体に対して如何なる測定フローになるかのチャートを図7に示す。なお、前提として被検体及び標的物に対する各種データベースがあるものとしている。図7のケースでは、生体組織の異常部位、正常部位のテラヘルツ波帯の屈折率データ(記憶データ1)を準備してある。また、導入する標的分子のテラヘルツ波帯の特徴スペクトル、そこから作成した特徴スペクトル部分だけの成分を取り出すスペクトルフィルタ処理のためのデータ(記憶データ2)を準備してある。これらは、予め同様THz-TDS装置における透過測定により各物質の複素屈折率を同定しておき、装置の記憶部に格納しておけばよい。また、この記憶データは、装置において記憶部を取り替えて様々に置き換えられるデータや、ネットワークを通じてサーバーから必要なデータを適宜読み出したりするなどしてシステム(クラウドシステム等)を介して得られるデータとしてもよい。
そのときの生体組織を被検体としたときのデータベースの例を図11に示す。図11(a)、(b)に示す2つのグラフは、肝臓固定切片のテラヘルツ領域(概ね0.5THz〜2.5THz)における反射率のデータ解析結果を示している。図11(a)は観察すべきサンプルの表面の反射率のグラフである。このとき、予め観察面を露出させるために薄く(厚さ3〜5μm程度)スライスしたサンプルをヘマトキシトン(H)・エオジン(E)で染色した。そのときに、Hで染まる部分に相当する領域と対向する面の反射率をRH、Eで染まる部分に相当する領域と対向する面の反射率をREとしている(観察表面自体は染色していない)。そして、それ以外の染まらない領域と対向する面をパラフィンの反射率としている。反射率は、可視像による画像解析によりそれぞれの比率を割り出しながら算出している。このグラフからRHが最も高いことが分かるが、これはHに染まる組織すなわち細胞核を主とする組織の反射率がその他の細胞質等の組織よりも反射率が高いことを示している。
一般にがんの領域では細胞核の占める割合が多くなっており、その結果としてがんの領域は正常領域に比べて反射率が高くなると考えられる。実際に解析した結果を図11(b)に示しており、わずかであるが、異常すなわちがんの部位においては、正常部位よりもテラヘルツの反射率が高いことが分かる。図11(b)から分かるようにその差はわずかであり、測定誤差等により判別できなくなることを防ぐためには、空間分解能を下げつつテラヘルツ振幅値を向上させて、標的分子を投入する前の組織状態を把握する。ここでは、通常の病理検査で用いるホルマリン固定のパラフン包埋したサンプルを用いているが、生切片でも同様に取得することができる。また、in-vivoでの適用も可能である。
図7において、まずTHz-TDS装置で被検体の観察部位にテラヘルツ波を照射し、そこからの反射・散乱波を検出する。次に記憶データ1を参照して、検出した信号の記憶データ1との紐付けを行う。すなわち、この場合では、組織が正常部位か異常部位かの判別を行いながら被検体の画像取得を行い、組織状態の分布も含め画像取得を行う。その際、部位の判別が十分でない場合には、空間分解能は低下するものの、前述した方法でテラヘルツ波振幅を増大させて検出信号強度を増やすことで識別できるようにする。また、画像取得のために照射位置の走査を行い、深さ方向の情報も取得する。参照記憶データについても適宜変更する。
被検体全体において判定結果の画像データが取得できたら、組織状態の認定工程が終了したとして、次の標的分子の投与のステップに進む。被検体に対して、組織状態の認定工程と同じ領域にテラヘルツ波の照射を行いながら、照射位置の走査を行う。このときは、投与した標的分子が分かるため、そのスペクトルフィルタ処理のためのデータを記憶データ2から参照して、信号処理を行う。本実施形態では、ソフトウエアを用いて信号処理を行っている。こうしたソフトウエアは、例えば、制御・処理部30に備えるメモリにインストールすることができる。このとき、前述したように、異常・正常の識別感度が向上するため、照射するテラヘルツ波の振幅値を小さくして空間分解能を向上させることができる。必要に応じて、標的分子の投与時から、排泄していく過程の時間内で、繰り返し画像データを取得してもよい。それが次のステップで示されおり、所定の検査時間の経過後に、次の観察を継続するか否かの判断を行う。例えば、手術により摘出する組織がある場合に、切除した際の表面を逐次本発明による装置で観察して、全てが適切に摘出できたかの確認を行うためのサポートを提供することができる。必要であれば、異なる部位を測定するために、参照データを変更して、最初の標的分子なしのテラヘルツ画像検出工程に戻ることができる。また、終了であれば一連の測定は終了する。
以上のようにして取得できるトモグラフィー画像の観察例を図4に示す。この例は、皮膚に表面(組織表面)から経皮吸収薬を投入して、角質層、表皮、真皮の各界面と病変部のスペクトルイメージングを行ったときの断層像である。特定部位としての病変部を深さ方向に識別できることが分かる。実際には、テラヘルツイメージングとしては、処理により3次元イメージにすることもできる。
ここで用いる標的分子は、既に述べたスニチニブのような分子標的薬と呼ばれる抗がん剤でもよい。スニチニブの場合には、腎臓がんの標的薬のため、選択的にがんの部位に導入され、腎臓の上記手法による観察などが可能になる。このような内臓の場合には、プローブ21を内視鏡構造としたり、カテーテル内部にプローブを内蔵させたり、などすることができる。また、開腹時にプローブを患部にあてて観察してもよい。なお、このプローブは、テラヘルツ波の伝搬機能だけでなく、光や超音波など異なる物理手段を同時に備えた構造とし、テラヘルツ波とは異なるモダリティによる測定機能を備えるようにしてもよい。
また、標的分子としてはこれまでに実際に他のモダリティで用いられているものを、テラヘルツ用に活用することができる。例えば、蛍光色素分子として一般に良く用いられているものに、インドシアニングリーンやフルオロセインなどがある。前者は血中たんぱくのグロブリンに結合し、がんの発生している新生血管が集中しているところの視認性を上げる分子プローブである。一方、後者は血中アルブミンに結合して同様の効果を示す。これらの分子はCCD等を用いて蛍光を観察するものであるが、テラヘルツ領域にあるスペクトルにより組織そのもののもつ屈折率によるコントラストよりもより感度を向上させたイメージングが可能となる。
また、MRIの造影剤として用いられる分子プローブも本発明で用いることができる標的分子の1つとなる。例えば、SPIOを主体とするフェルカルボトラン(商品名:リゾビスト(登録商標))は肝臓の細胞内皮系細胞であるクッパー細胞に取り込まれ正常細胞に選択的に取り込まれる。すなわち、異常部位であるがん細胞からは除外されて、がん細胞の造影効果を示すものである。また、ガドベンテト酸ジメグルミンを主体とするもの(商品名:マグネビスト)は反対に肝臓のがん細胞に選択的に取り込まれるものである。さらに、超音波イメージングのためのソナゾイド(登録商標)、レボビスト等についても同様に適用することが可能である。すなわち、テラヘルツ領域にあるスペクトルにより組織そのもののもつ屈折率によるコントラストよりもより感度を向上させたイメージングが可能となるため、分解能を重視したテラヘルツ振幅の比較的小さい信号により判別イメージングが可能となる。
(実施形態2)
本発明による実施形態2を図8を用いて説明する。本実施例では、プローブ52としてテラヘルツ波導波路ではなく、光ファイバを用いる。THz-TDS系については基本的に実施形態1と同じであるが、フェムト秒レーザ53の光を光分岐器56でポンプ光54、プローブ光55に分け、それぞれを2つの光ファイバ34でプローブ先端部51まで伝搬する。プローブの先端部51には、発生部と検出部が設けられていて、テラヘルツ波の入出射機能を有する。57は実施形態1と同様の遅延ステージである。
プローブ先端部51の拡大図が同図の左下部に記載されている。光ファイバ34の先端は実施形態1と同様の光伝導素子61に光が結合されるように実装されている。光伝導素子61は、2つの素子が同一基板上に作製されたものであり、ポンプ光54を伝搬する光ファイバと結合した素子からはテラヘルツ波が発生し、他方、プローブ光55を伝搬した光ファイバと結合した素子でテラヘルツ波を検出する。なお、このようなテラヘルツ発生部、検出部においては、光伝導素子に限るものでなく、非線形結晶(DAST、GaP、LiNbO等)によるもの、非線形素子からの発生については電気光学的チェレンコフ発生型のものを好適に用いることができる。プローブ先端部51には被検体と接するところに窓60を形成してもよい。窓60の材料としては、テラヘルツ波が透過しやすい、シリコン、Zカット石英、サファイア、テトラフルオロエチレン・オレフィン樹脂などが適している。また、窓60と素子61の間には必要であれば、レンズ構造(不図示)を挿入しもよい。50は、人間の前腕部で、皮膚の検査を行っている様子を示している。テラヘルツイメージングの画像処理は、プローブ52内に挿入した電気配線(不図示)にて信号取得処理部(制御・処理部)59に信号を送ることで行う。
実施形態1と比べると光ファイバでの伝搬ロスが小さいため、プローブが長いことが要求される場合に本実施形態が適する。ただし、光ファイバ34における光伝搬時の分散による影響を考慮して、ファイバを選択する必要がある。
(実施形態3)
本発明による実施形態3は、実施形態1のプローブ先端部に図9に示したようにフィルタ構造を追加した構造を有する。21は、実施形態1と同じテラヘルツ波を伝搬できるファイバ等を含むものであるが、その先端には、導電体を用いた空間フィルタ、例えばメタルホールアレイフィルタ80を設置することができる。これはメッシュ状のものでもよい。すなわち、本実施形態は、検出部が検出するテラヘルツ波から標的物の波長スペクトルの特徴部分の波長成分の信号を抽出する手段として、導電体を用いた空間フィルタを備える。さらに、被検体の接触部とのフィルタの間には、フィルタ特性が被検体によって変化しないように、テラヘルツ波に対する透明フィルム(ポリ塩化ビニリデンなどのフィルム等)や石英板、シリコン板、樹脂板などの窓材81を設けてもよい。図9では部品が分かりやすくなるようにそれぞれ離して描いてあるが、実際には矢印で示したように組み立てて一体化させる。
実施形態1で説明したスペクトルフィルタ処理を行うときに、上記フィルタ81で標的分子の特徴スペクトル部分を強調するように信号を透過させるようにすれば、信号処理によるフィルタ処理を行わなくてもよい。このフィルタは、脱着、交換が可能にしておけば、実施形態1の図7で説明したシーケンス処理や、標的分子が変更される場合などに適応させることができる。
(実施形態4)
本発明による実施形態4を図10を用いて説明する。これまでの実施形態ではTHz-TDSによるテラヘルツ波パルスを用いた測定であったが、テラヘルツ波の連続波を用いて計測するものが本実施形態である。テラヘルツ波の連続波の発生手段としては、共鳴トンネルダイオード発振器や量子カスケードレーザなどがある。標的分子の吸収スペクトルに対応する発振周波数で発振する光源を用意する。その他、吸収に関わらない参照光として用いることができる発振周波数の発振器も用意するとよい。これは検出部も同様である。検出部としては、CMOS型やショットキー型、HEMT型などを用いることができる。これらも感度を向上させるために、特定周波数を光源の周波数に設定して共振型とすることができる。
これら発振器と検出部を1つの面に千鳥状に配置した例を図10に示す。1つの基板103にテラヘルツ発振器101と検出部102を集積化したものである。これらはモノリシックに集積化させてもよいし、各素子をダイシングしてハイブリッド実装によりこのような配置にしてもよい。本素子を用いる場合には、例えば、これを図1のプローブ先端部22に埋め込めばよい。この場合、プローブ内部はこの素子の駆動に関しては電気的接続を行うための電気配線のみが存在することとなり、プローブ21を非常に細く(3mm以下)かつ軽量にすることが可能である。すなわち内視鏡にする場合には非常に有利となる。ここでも、発振器101からの複数種のテラヘルツ波が被検体に照射され、被検体からのテラヘルツ波が検出部102により検出されて、その信号と各種の記憶データを用いて処理を行う処理部で画像情報などの情報が取得される。
なお、上述した実施形態の被検体情報取得方法の制御・処理については、各機能を具現化したソフトウエアの被検体情報取得用プログラムのコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に提供してもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、前述した実施形態の機能を実現することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどを用いることができる。或いは、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることもできる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれている。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含むものである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。その要旨の範囲内で種々の変形や変更が可能である。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独で或いは各種の組合せによって有用性を有し、本発明の範囲は下記の請求項に記載の組合せに限定されない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成できるものであり、そのうちの1つの目的を達成するのみでも有用性を有する。
10‥被検体、17‥検出部、29‥発生部、30‥制御・処理部(処理部)、31‥異常組織部(特定部位)、33‥標的分子(標的物)

Claims (16)

  1. 被検体の特定部位または特定部位以外を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体に照射するためのテラヘルツ波を発生する発生部と、
    前記被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出して信号を出力する検出部と、
    前記検出部で検出された信号と前記標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータとを用いて、前記被検体の情報を取得する処理部と、
    を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記発生部は、パルス波または連続波であるテラヘルツ波の強さを被検体の状態に応じて変化させられることを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記発生部は、テラヘルツ波のパルス波を発生し、被検体に照射する前記テラヘルツ波のパルス幅を被検体の状態に応じて変化させられることを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記テラヘルツ波の強さを被検体の状態に応じて変化するときに、強さを小さくすることによってパルス幅を狭くし、被検体の情報を取得する空間領域を小さくして空間分解能を向上させることを伴うことを特徴とする請求項2または3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記処理部は、前記検出部が出力する信号から前記標的物の波長スペクトルの特徴部分の波長成分の信号を抽出する手段を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記検出部が検出するテラヘルツ波から前記標的物の波長スペクトルの特徴部分の波長成分の信号を抽出する手段として、導電体を用いた空間フィルタを備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記処理部は、前記標的物を含む前の状態の被検体と前記標的物を含んだ後に排泄された状態の被検体のうちの少なくとも一方の状態における被検体の情報を取得することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記標的物は前記被検体に導入することで特定部位に選択的に残留する物質、もしくは特定部位以外に選択的に残留する物質であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記発生部と前記検出部は、テラヘルツ波の入出射機能を有するプローブの先端部に設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. プローブの先端部に設けられた発生部はテラヘルツ発振器であり、プローブには前記発振器と電気的接続を行うための電気配線があることを特徴とする請求項9の被検体情報取得装置。
  11. 前記被検体の情報は、前記特定部位を含む画像の情報であることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータを記憶するための記憶部を有することを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 被検体の特定部位または特定部位以外を標的とした標的物が被検体に導入された状態を含む複数種の状態の被検体にテラヘルツ波を照射して、前記被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出ステップと、
    前記標的物の波長スペクトルの特徴部分に係る情報を含むデータを供給する供給ステップと、
    前記検出ステップで検出されたテラヘルツ波の信号と前記供給ステップで供給されたデータとを用いて、前記被検体の情報を取得する処理ステップと、
    を含むことを特徴とする被検体情報取得方法。
  14. 前記検出ステップにおいて、前記標的物を含む前の状態の被検体、前記標的物を含む状態の被検体、前記標的物を含んだ後に排泄された状態の被検体に対して、被検体に照射するテラヘルツ波の強さをそれぞれ変化させて前記被検体から伝播してきたテラヘルツ波を検出することを特徴とする請求項13に記載の被検体情報取得方法。
  15. 前記供給ステップでは、前記標的物の波長スペクトルを予め取得して記憶し、
    前記処理ステップでは、前記データを読み出して被検体の画像の情報を取得することを特徴とする請求項13または14に記載の被検体情報取得方法。
  16. 特定部位を有する被検体にテラヘルツ波を照射して前記被検体の情報を取得するために、コンピュータに、請求項13から15の何れか1項に記載の被検体情報取得方法のステップを実行させることを特徴とする被検体情報取得用プログラム。
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