JP2014112068A - 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム - Google Patents

質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2014112068A
JP2014112068A JP2013092951A JP2013092951A JP2014112068A JP 2014112068 A JP2014112068 A JP 2014112068A JP 2013092951 A JP2013092951 A JP 2013092951A JP 2013092951 A JP2013092951 A JP 2013092951A JP 2014112068 A JP2014112068 A JP 2014112068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak
peaks
intensity
ion
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013092951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6115288B2 (ja
Inventor
Yao Jingwen
ヤオ ジンウェン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2013092951A priority Critical patent/JP6115288B2/ja
Publication of JP2014112068A publication Critical patent/JP2014112068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115288B2 publication Critical patent/JP6115288B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0036Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C20/00Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
    • G16C20/20Identification of molecular entities, parts thereof or of chemical compositions
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C20/00Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
    • G16C20/70Machine learning, data mining or chemometrics

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

【課題】マススペクトルデータからイオンピークがより確実に検出されるようにする。
【解決手段】以下の工程を含んだマススペクトルからのイオンピークの検出を行う。質量分析計を使用して取得され、質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する工程、前記取得したマススペクトルデータ内のピークを、前記ピークの強度に応じた複数のクラスに分類する工程、前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、ピークをイオンピークかノイズピークかを同定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、生の質量スペクトルデータからイオンピークを同定および選択してピークリストを生成するコンピュータプログラムアルゴリズムに関する。本発明は、質量分析においてさらなる蛋白質分析を続行できるようにピーク検出を自動的に実行するのに適した装置またはシステムを対象とする。
一般に、ピーク検出方法は、質量分析を使用する蛋白質同定において重要な役割を担ってきた。ピークリストは、質量分析計によってタンデム型質量スペクトルを生成するためのフラグメンテーションとして選択されたプリカーサーイオンの情報を提供する。このリストはまた、選択されたプリカーサーイオンから解離されたフラグメントイオンに関する情報も提供する。この情報は、データベース検索またはデノボシーケンシング(de novo sequencing)などの蛋白質分析プログラム内へ入力される。ピークリスト内のイオンピークは、データベース内のアミノ酸シーケンスと照合するために、または、デノボシーケンシング法によって提供されたペプチドを最もよく表すイオン系列を構成するために、また、その後、決定されたペプチドシーケンスから蛋白質を同定するために使用される。
様々な質量スペクトルからピークリストを生成するためのピーク検出ソフトウェアが存在する。通常、ピークを検出するアルゴリズムは、ノイズから信号ピーク(イオンピーク)を見出すものであり、イオンピークは、スペクトル内で十分に他の同位体ピークから分分離されたモノアイソトピックピーク(mono−isotopic peak)によって表される。ノイズからイオンピークを分別検出する目的で、信号処理技法では、ノイズを低減させ、ノイズに埋もれている可能性が最も高いイオンピークおよび重複するピークを分解する必要がある。様々なコンピュータベースの数学的方法が適用されてきた。これらのコンピュータプログラム方法は、重複するピークの分解能を改善し、スペクトル内に見出される予測される特徴に基づく仮定を確認するためにモデルをフィッティングし、また計器の制限のためにスペクトル内で直接観察されない情報を回復するのに役立った。
質量分析においてピーク検出コンピュータプログラムを使用する際、ピークリストが実験から取得したイオン情報を最大まで表すことができるように、プログラムを通じて質量スペクトル内に存在するすべての信号ピークを見出して確認しなければならない。既存のピーク検出ソフトウェアにおいては、導出されるピークリストが非常に短く、わずかな数の特徴的な強度値を有するピークしか含まない場合がある。一方、ピークリストは長く、多くのフォールスポジティブのピークを含む多数のピークを含むこともある。一例として、図1は、強度が著しく高い900Daのピーク(ピークA)を示す。大部分のピーク検出ソフトウェアは、このピークを容易に見出して、イオンピークとして選択することができる。1001Daには強度の低い別のイオンピーク(ピークB)が存在する。このピークに対する強度はスペクトル内のノイズピークに近接しているため、このピークは前のピークほど容易には判定できない。2つの既存のピーク検出ソフトウェアの一方はピークAだけを検出しピークBが検出できない。他方はピークBを検出できるが、ピークCのようなノイズピークも含んでしまう。
理想化されたモデルを使用してスペクトルプロファイルをフィッティングするピーク検出方法もあり、ピーク形状が信号ピークを見出す際のキーポイントになる場合も確かにある。これらの方法では1組の基準値が、モデルとスペクトルデータとの間の相関関係を分析するために使用される。これは、クラスタ内の同位体ピークなどのピーク形状がスペクトル内で十分に分解されているときはうまく機能する。しかし、スペクトル内のピークの分解能が不十分であるとき、結果としてその分析からは信頼性の低い相関関係しか得られないことがある。正しいイオン質量ピークを選別するのが困難になり、または、特に強度の低いピークの場合、本当のイオンピークが検出されないという結果となる。さらに、このタイプの方法を使用すると、スペクトル全体を処理するのにより長い時間を必要とすることが多い。
以上のピーク検出プロセスおよびプログラムについては、以下の非特許文献1から3に記載されている。
Du,P.、Kibbe,W.A.、およびLin,S.M.、(2006)Bioinfomratics、22、2059〜2065ページ Gras,R.、Muller,M.、Gasteiger,E.、Gay,S.、Binz,P−A.、Bienvenut,W.、Hoogland,C.、Sanchez,J−C.、Bairoch,A.、Hochstrasser,D.F.、およびAppel,R.D.、(1999)Electrophoresis、20、3535〜3550ページ Yang,C.、He,ZY、およびYu,WC.、BMC Bioinformatics、(2009)10(1),4.
(1)ピークリストに、全てのシグナルピークを包含させるとともにノイズピークを排除する。
計測の様々な要因が実験結果に影響を与えることにより、ピーク形状が理想的な形状から歪んでいる場合、またはノイズピーク内に埋もれている場合、スペクトル内に記録されているピークを同定するのは困難になる。コンピュータプログラムの点からは、これら変動を反映するように正確なモデルを構築するのは非常に難しい。スペクトルからイオンピークを同定するために使用される方法は制限されているため、ピークリストが、分解された形状から著しい強度を有するピークだけを含む場合、一部のイオン情報は失われることがある。対照的に、強度の低いイオンピークを検出するには、より多くのノイズピークが含まれてしまう。どちらの場合も、ピークリストは質量分析実験で得られたスペクトルから本来得られるはずの最良の解析結果とは異なる。
良好なデータベース検索エンジンは、ピークリストから予想イオンを選択し、配列データベース内に提供されている提案されたイオンに一致させる。「背景技術」で述べた様なピークリストを使用する際、問題は明らかである。一部のイオン情報が失われてしまった短いリストの場合、リスト内に与えられるイオンの数は、正しいシーケンスに一致させるのに十分でなく、より多くのノイズピークが含まれてしまった長いリストの場合、イオン一致に含まれる誤ったピークにより、間違ったイオンが同定されてしまうことがある。また、リスト内のすべてのピークに対処するには、より長い時間を必要とする。これらのピークリストがデノボシーケンシングソフトウェアで使用されると、デノボシーケンシング法は通常、ピークリストに高い品質要件を適用するため、ペプチドのアミノ酸配列決定において曖昧さが増大することがある。
(2)低い強度のシグナルピークも検出する。
十分な品質のピークリストは、強度の高いピークだけでなく、強度の低いピークも含み、誤ったピークの数を最小に抑えたリストである。これには、スペクトル内に存在する正確なノイズレベルを判定するピーク検出方法を必要とする。しかし、ノイズの分布を見出すにはいくつかの不確かな要因が存在するため、これはピーク検出方法において決して些細な仕事ではなかった。ノイズは、どの計器が使用されるか、またはどの質量もしくは強度範囲が選択されるかに応じて変動する。ノイズレベルの同定が適切でなければ、ピークリスト内に、誤りを招くような信号を生成する。既存のソフトウェアでは、イオンピークの選択を最適化するために、様々なパラメータおよび公差値が適用される。したがって、これらの方法には通常、より多くのパラメータが求められる。一般に使用されるパラメータとしては、信号対雑音比、強度閾値、極大値およびピーク幅などをである。ピーク検出においてピークの形状および分布も考慮される場合、追加の基準を使用して、提案されたモデルが選択されたピークに適合しているかどうかを判断する。これらのパラメータは、プログラム内で設定され、または経験豊富なユーザによって判定されてインターフェースを通じて入力される。最適化されたパラメータの組合せは、特定のスペクトルにとって妥当な結果を与えることもあるが、他のスペクトルに適用するには適当でないこともある。非特許文献3の試験報告によれば、これらのピーク検出プログラムを使用することによって感度を増大できなければ、誤り発見率が高くなることが分かった。これは、より多くのノイズピークがピークリスト内に現れることを意味する。
実験によって、また、異なる条件のために設定されたパラメータによってスペクトル品質が変動すると、特に高スループットの大量の質量分析データに対して確固不動のピークリストの組合せを生成するために、分析内に含まれるすべてのスペクトルに適したパラメータを選択するのはさらに困難になる。
本発明は、以下の発明を含む。
(1)
マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する方法であって、
質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する工程と、
前記取得したマススペクトルデータ内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類工程と、
前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出工程とを含む、イオンピーク検出方法。
(2)
前記ピーク強度に応じた複数のクラスが、高強度のクラス、中強度のクラス、及び低強度のクラスを含む、(1)に記載のイオンピーク検出方法。
(3)
前記低強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定し、該ノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、(2)に記載のイオンピーク検出方法。
(4)
前記低強度のクラスに分類されたピークとともに、前記中強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定する、(3)に記載のイオンピーク検出方法。
(5)
前記高強度のクラスには、前記低強度のクラスからの孤立値であるピークを分類する、(2)に記載のイオンピーク検出方法。
(6)
前記孤立値は、Zスコア法を使用して求める、(5)に記載のイオンピーク検出方法。
(7)
前記低強度のクラスに分類されたピークからのノイズレベルの判定が、
前記低強度のクラスのクラスに分類されたピークの中央位置と、前記低強度のクラスに分類されたピークの平均信号雑音比とを比較することにより、前記低強度のクラスに分類されたピークの強度分類を修正する工程と、
前記修正された、低強度に分類されたピークから、ノイズレベルを判定する工程とを含む、(3)に記載のイオンピーク検出方法。
(8)
マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する方法であって、
質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する工程と、
前記取得したマススペクトルデータを所与の質量範囲へ分割する、質量範囲分割工程と、
前記分割された質量範囲内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類工程と、
前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出工程とを含む、イオンピーク検出方法。
(9)
前記質量範囲の分割が、100Da〜300Daから選択される範囲に設定される、(8)に記載のイオンピーク検出方法。
(10)
マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出するシステムであって、
質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得し、マススペクトルデータ内のピークを、前記ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類手段と、
前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいてノイズレベルの判定を行うノイズレベル判定手段と、
前記判定したノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出手段と、
を備えることを特徴とするイオンピーク検出システム。
(11)
前記ピーク強度分類手段における前記ピークの強度に応じた複数のクラスが、高強度のクラス、中強度のクラス、及び低強度のクラスを含む、(10)に記載のイオンピーク検出システム。
(12)
前記ノイズレベル判定手段において、該低強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定し、該ノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、(11)に記載のイオンピーク検出システム。
(13)
前記ノイズレベル判定手段において、前記低強度のクラスに分類されたピークとともに、前記中強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定する、(12)に記載のイオンピーク検出システム。
(14)
前記ピーク強度分類手段において、前記高強度のクラスには、前記低強度のクラスからの孤立値であるピークを分類する、(11)に記載のイオンピーク検出システム。
(15)
前記ピーク強度分類手段において、前記孤立値は、Zスコア法を使用して求める、(14)に記載のイオンピーク検出システム。
(16)
前記マススペクトルデータを所与の質量範囲へ分割する、質量範囲分割手段とを更に含む、(10)に記載のイオンピーク検出システム。
(17)
前記質量範囲分割手段が、マススペクトルを100Da〜300Daから選択される範囲に分割する、(16)に記載のイオンピーク検出システム。
(18)
コンピュータに、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する手順を実行させるためのプログラムであって、
質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する手順と、
前記取得したマススペクトルデータ内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類手順と、
前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出手順とを含む、イオンピーク検出プログラム。
(19)
前記ピーク強度に応じた複数のクラスが、高強度のクラス、中強度のクラス、及び低強度のクラスを含む、(18)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(20)
当該低強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定し、当該ノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、(19)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(21)
前記低強度のクラスに分類されたピークとともに、前記中強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定する、(20)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(22)
前記高強度のクラスには、前記低強度のクラスからの孤立値であるピークを分類する、(19)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(23)
前記孤立値は、Zスコア法を使用して求める、(22)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(24)
前記低強度のクラスに分類されたピークからのノイズレベルの判定が、
前記低強度のクラスに分類されたピークの中央位置と、前記低強度のクラスに分類されたピークの平均信号雑音比とを比較することにより、前記低強度のクラスに分類されたピークの強度分類を修正する手順と、
前記修正された、低強度のクラスに分類されたピークから、ノイズレベルを判定する手順とを含む、(20)に記載のイオンピーク検出プログラム。
(25)
コンピュータにマススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する手順を実行させるためのプログラムであって、
質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する手順と、
前記取得したマススペクトルデータを所与の質量範囲へ分割する、質量範囲分割手順と、
前記分割された質量範囲内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類手順と、
前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出プログラム。
(26)
前記質量範囲の分割が、100Da〜300Daから選択される範囲に設定される、(22)に記載のイオンピーク検出プログラム。
本発明のイオンピーク検出方法、そのシステム及びプログラムにより、マススペクトルから、強度の高いイオンピークのみならず、強度の低いイオンピークをノイズピークから識別し、検出することが可能となる。本発明のイオンピーク検出方法、そのシステム及びプログラムにより、マススペクトルから検出されたイオンピークに基づいて得られたピークリストは、タンパク・ペプチドのデータベース検索や、デノボシーケンシングによるアミノ酸配列解析に有効である。
マススペクトル内のピークを示す一例の図である。 本発明のイオンピーク検出システムの機能の一実施形態を示すブロック図である。 図2に示したシステムにより実行されるイオンピーク検出の処理工程の一実施形態を示すフローチャートである。 実測で得られたマススペクトルの一例を示す図である。 図4に示すスペクトルデータ内に存在するピークを強度順に並べ変えたグラフを示す。 ノイズレベル判定の概略図である。
以下に、本発明に係る、スペクトルデータ内のイオンピーク検出を実行する、イオンピーク検出システムの一実施例について、図2、3を参照して説明する。
図2に、本実施例のイオンピーク検出システムにおける処理を実行する機能をブロック図として示す。マススペクトルデータを所与の質量範囲に従って小単位に分割する、質量範囲分割手段201、分割された質量範囲を、もしくは、分割する前のマススペクトル内の任意の範囲を処理対象として設定する、質量範囲設定手段202、設定された質量範囲内に存在するピークの強度を分類する、ピーク強度分類手段203、強度の低いピーク及び同位体ピークの除去手段204、設定された質量範囲についてノイズレベルを判定する、ノイズレベル判定手段205、ピークリスト作成のための、イオンピーク検出手段206、とからなる。これらの手段は、コンピュータ207により実現される機能である。コンピュータ207は、質量分析装置に備えられた専用のコンピュータ又は汎用のコンピュータである。
本実施例のイオンピーク検出システムにおけるイオンピーク検出方法及び手段について、図3のフローチャートに沿って説明する。まず、試料を質量分析装置により測定することによって取得される、生のマススペクトルデータを得る(ステップ301)。ここで、測定対象の試料としては、ペプチド・蛋白質、核酸等の生体高分子を例に挙げることができる。対象とするスペクトルデータとしては、MSnスペクトル(nは1以上の整数)を対象とすることができる。好ましくは、ペプチド・タンパク試料のMSnスペクトル(nは2以上の整数)を対象とすることができる。
次に、取得したマススペクトルデータに対して、任意の工程として、前処理(ステップ302)及び同位体ピークの除去(ステップ303)がなされる。これらの工程は、強度の低いピーク及び同位体ピークの除去手段204により各々実行される。マススペクトルデータに対する前処理としては、例えば、マススペクトルデータの質量範囲全体に渡る、低いノイズレベル(以降、第1のノイズレベルともいう)を設定し、この第1のノイズレベルを使用して非常に低いピークを除去する処理が挙げられる。この第1のノイズレベルは、質量とともにノイズレベルが変動する場合、異なる質量範囲ごとに各々設定することができる。例えば、マススペクトルを取得するために使用した質量分析装置が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)-タンデム型飛行時間型質量分析計(Time-of-Flight MS)、いわゆるMALDI-TOF-TOFを用いた場合、高い質量領域ではベースラインが上昇する傾向がある。この様な場合、第1のノイズレベルの設定にあたり、処理対象のマススペクトルの全質量範囲を2個から5個、好ましくは、2個の小単位に分割し、各々の単位に対して第1のノイズレベルを設定する。これにより、特定の質量範囲からあまりに多くの「低い」ピークが除去されないようにする。この第1のノイズレベルを使用して非常に低いピークをフィルタリングする。
同位体ピーク除去(ステップ303)では、同位体クラスタを形成するピーク群からモノアイソトピックピークのみを残す処理を行う。同位体クラスタからモノアイソトピックピークを選択する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、ある分子イオン(例えば、ペプチドイオンや各フラグメントイオン)についての同位体クラスタを形成するピークグループ内の第1のピークから、モノアイソトピックピークを単に選択することもできる。
次に、イオンピークの検出のための工程へと進む。イオンピークの検出のための工程は、質量範囲の設定工程(ステップ304)、設定した質量範囲についてノイズレベルを判定する、ノイズレベル判定工程(ステップ305)、及び、イオンピークの検出工程(ステップ306)を含む。以下、各工程の説明を行う。
質量範囲設定工程(ステップ304)は、図3の質量範囲分割手段201、及び、質量範囲設定手段202により実行される。本工程では、マススペクトルデータの、少なくともピーク検出処理の実行対象とする質量範囲を含む範囲を、所与の質量範囲に従って、複数の小単位に分割を行い、後に続くノイズレベル判定処理を行うための質量範囲の設定を行う。例えば、nが2以上のMSnスペクトルデータの場合は、開始質量からプリカーサ質量までの範囲を、複数の小単位に分割する。分割する単位の範囲、すなわち分割される間隔は、100Da〜300Da、更に好ましくは、100Da〜200Daの範囲から選択することができる。あるいは、選択する質量範囲に十分な数のピークが含まれている限り、任意の他の値より小さい値から選択される範囲にすることができる。以下に述べる実施例では、ペプチドのMS2スペクトルを処理対象とし、120Daの間隔を使用して、開始質量から高い質量の終端(プリカーサーイオン質量に近接する)までの質量範囲を分割した。120Daという値は、すべてのアミノ酸残基の平均質量に近接している値であることから選択される。このように、ペプチド・タンパク質のMSnスペクトルを処理対象とした場合に、100Da〜300Daといった、アミノ酸残基の平均質量に近い範囲に分割するが好ましい。この範囲に選択することにより、該小単位に少なくとも一のフラグメントイオンが存在する可能性が高くなる。
本発明では、このように処理対象とするマススペクトルデータを小単位に分け、以下説明を行うように、設定された各々の質量範囲内のノイズレベルを、その範囲内に存在するノイズピークから判定する。そして、判定されたノイズレベルに基づいてイオンピーク、ノイズピークの検出を行うことにより、強度の高いイオンピークのみならず、強度の低いイオンピークをノイズピークから識別し、検出することが可能となる。
ここで、処理対象とするマススペクトルの質量範囲が比較的狭い場合、例えば、300Da以下といった場合、あるいは、広い質量範囲にわたってノイズレベルの大きな変動が検出されていない場合は、小単位へ分割する必要がなく、本質量範囲分割工程は省略される。この場合は、取得したマススペクトルの質量範囲内の任意の範囲が、後段のノイズレベル判定のための質量範囲として設定される。
次に、設定された質量範囲毎に、ノイズレベルを判定し(ステップ305)、当該質量範囲に存在するイオンピークを検出する(ステップ306)工程に進む。この工程は、ノイズレベル判定手段205及びイオンピークの検出手段206により処理される。ステップ305は、さらに、(i)ピークの強度分類、(ii)ノイズレベルの判定に分けて説明を行う。
(i)ピークの強度分類
ここで、生のマスペクトルデータには、質量電荷比及び強度情報を有するピークが多数存在する。そのピークには、ノイズピーク及びイオンピークが含まれる。ここで、イオンピークは、イオン由来の信号ピーク、ノイズピークはノイズ(雑音)由来のピークである。本工程では、マススペクトルデータに多数存在するピークの強度による分類を行う。まず、設定された質量範囲内に含まれるすべてのピークが、強度の昇順に並べられる。これは昇順に限定されるものではなく、降順のような代替の順序を適用することもできる。ピークは、これらのピークの強度値に応じて3つのクラスに分類される。クラス(A)には、他のクラスに比べてかなり高強度のピークが分類され、クラス(B)には中程度の強度値を有するピークが分類され、クラス(C)には低強度のピークが分類される。クラス(C)に分類されるピーク強度は、クラス(B)に分類されるピークと近い強度を持つが、クラス(A)のものよりはるかに低い。
設定された質量範囲内に、強度の高いイオンピークが存在する場合、イオンピークは主にクラス(A)として分類される。クラス(A)は通常、少数のピークから構成され、クラス(C)は、設定された質量範囲内のピークの大部分を含むはずであり、理想的には、それらのピークはノイズから生じたものだけである。クラス(B)内のピークは、強度がより低いいくつかのイオンピークを含み、いくつかのノイズピークと混合していることがある。これらを言い換えると、クラス(A)は高強度のイオンピークが、クラス(B)には中から低強度のイオンピークが、クラス(C)にはノイズピークが分類されることになる。
ここで、ピークの強度分類に、孤立値検出法を利用することができる。それは、設定された質量範囲に含まれるピークについて、クラス(C)が主なクラスとして類別される場合、クラス(A)に分類されるピークは、統計学的に、主なクラスからの「孤立値(Outlier)」(他のデータ点から飛び離れたデータ点)と見なすことができるためである。したがって、一般的な孤立値検出方法、例えば、Zスコア法を利用し、クラス(A)に分類される何らかのピークが存在するかどうかを判定することができる。クラス(A)に分類されるピークは、後段のノイズレベル判定の計算時に一時的に除去され、クラス(C)のピーク点、および場合によってはクラス(B)からのいくつかのピーク点からノイズレベルが判定される。
ここで、マススペクトル内のピークの強度分類の一例として、図4に、所与の質量範囲の実測で得られた生のマススペクトルを示し、説明を行う。この範囲内に存在するピークを、これらの強度値から分類する。図5に、図4に示したスペクトルデータ内に存在するピークを強度順に並べ変えたグラフを示す。横軸は、各ピークを強度順に並べた際の番号を、縦軸は各ピークの強度を示す。図5に示すように、各ピークは、異なる強度領域毎に、3つのクラス(A)、(B)、および(C)に分類される。ここで、ピークの強度分類に、前述した、孤立値検出方法を使用する場合の説明を行う。具体的には、ここではZスコア法を使用する。各ピーク点に対して計算により得たZ値は、各点を孤立値としてクラス(A)に分類することの判断基準とすることができる。
ここで、データ点iについてのZ値:Zi値は、以下の式(1)に基づいて計算される(Z値の計算方法は、例えば、Barnett, V. ; Lewis, T. Outliers in Statistical Data, 3rd ed.; New York : John Wiley & Sons 1994、に説明される)。
(数1) Zi=(|Ii−I|)/Isd ・・・(1)
式(1)で、Iは全てのデータ点の強度値の平均値であり、Isdはすべてのデータ点の強度値から計算された標準偏差である。Isdの代わりに式(2)に示す中央絶対偏差Imadを使用して数1に示す式から修正した式(修正Z式)を使用することができる。(修正Z式の計算方法は、例えば、Iglewicz, B.; Hoaglin, D.: How to Detect and Handle Outliers, The ASQC Basic References in Quality Control: Statistical Techniques, Volume 16, Edward F. Mykytka, Ph.D., Editor 1993.に説明される)。
(数2)Imad=median(|I−Imedian|) ・・・(2)
ここで、Imedianはデータ点iが属している範囲内に存在するピークの中央値である。
値は、測定された値Iが平均値/中央値の値からどれだけ遠いかを反映する。これは、Z値が大きければ大きいほど、測定された値は他の値から遠くなることを意味する。Z値に対する孤立値の決定の判断基準は、イオンピークの1群の所定のデータから学習することによって決定される。より具体的には、イオンピークの既知データの1群から学習することによって決定される。十分に良く決定されたイオンピーク群についてのZ値の計算結果から、イオンピークのZ値は全て3.0を超えることが分かった。それゆえに、Z値に対する初期基準として、たとえば、3.0という値が設定される。この基準値は、設定した質量範囲内のイオンピークの強度に応じて調整することができる。例えば、非常に強い強度のイオンピークが存在する場合、当該判断基準値を上げる。設定した質量範囲内の各ピークのZ値を得、基準Z値を超えた点は、孤立値としてクラス(A)に分類する。結果的に、設定した質量範囲内の、基準Z値以下のピーク点は、クラス(C)に分類され、クラス(B)に分類されるべきピーク点は一時的にクラス(A)及び/又は(C)に分類される。
Zスコアの計算もサンプル内のデータの総数に依拠する。サンプル内の総数が所与の数より少ない場合、この方法は信頼性の高い結果を提供することができない場合がある。よって、データ数が20以上、好ましくは30以上となるように、質量範囲の設定(ステップ304)において質量範囲を設定する。
以上の通り、設定した質量範囲内の各ピークに関してZ値を計算し、設定された質量範囲内のピークが分類された後、以下に説明を行うノイズレベル判定に進む。
(ii)ノイズレベルの判定
ノイズレベルは、すべてのノイズピークの平均値を計算することによって見出すことができる。そのため、クラス(A)に分類されたピークはノイズレベル判定のための計算から除去され、前工程で分類されたクラス(C)内のピークを、ノイズレベルの判定のための計算に使用する。ここで、上述の通り、前工程で分類されたクラス(C)内のピーク点には、ノイズピークではなく、クラス(B)に分類されるべき、強度の低いイオンピークのピークが含んでいる可能性がある。それは、中程度の強度を持つピークを、クラス(B)に分類するか、クラス(C)に分類するかの判定が困難であるためである。本工程により、このような中程度の強度を持つピークの、クラス(B)あるいはクラス(C)への分類分けの判断も行うことができる。結果、強度の低いイオンピークも、ノイズピークから識別され、イオンピークとして検出することができる。本プログラム内では、イオンピーク検出工程を開始するための基準として、信号対雑音比(S/N)が初期化される。次いでこの基準は、後述する強度配列の中央位置とRmeanの比較によって検出される状態に応じてプログラム内で調整される。即ち、後述のイオンピーク検出工程(ステップ306)は、当該質量範囲内に検出されたノイズレベルに応じて実行されるが、ここでは、イオンピーク選択のための信号対雑音(SN)比の閾値と同等のパラメータが用いられる。該閾値より大きな強度を有するピークは信号ピーク(イオンピーク)とみなす。
実用上は、このイオンピーク選択のための信号対雑音比閾値に関するパラメータは、ノイズレベル判定工程(ステップ305)の前に初期化される。ノイズレベルの判定の後、判定された結果に従って、当該パラメータが調整される。詳細を以下に述べる。
全てのノイズピークが設定された質量範囲内で対称に分散している場合、平均値Imean前後で変動していると考えることができる。理想的なケースでは、計算に含まれるすべてのピークがノイズピークから生じる場合、すべてのデータに対する平均比Rmeanの値(3)は1.0になるはずである。
Figure 2014112068
ここで、
(数4) R= I/Imean ・・・(4)
である。
各ピークに対して計算された値Rを強度の昇順で整列した強度配列上で、1.0の値に最も近い比Rの位置は、当該強度配列の中央位置と同じになるはずである。1.0の値に最も近い比Rの位置が当該強度配列の中央位置から下へ動いた場合、計算内にクラス(B)内に分類されるべきイオンピークが含まれている可能性があると考えられる。これを図6に図示する。
図6(a)は、ノイズレベル判定の計算に用いたピーク、すなわち、前工程でクラス(C)に分類されたピークを、強度を昇順に並べ変えてバー状にプロットした図で、図中に中央位置(Median Position)を示す。図6(b)には、図6(a)の各ピークに対応した位置に、各ピークのRiをバー状にプロットした図である。図中にRmeanを示す。上述の通り、理想的な場合、図6(a)の中央位置(Median Position)と、図6(b)の1.0の値に最も近い比Rの位置が一致する。この状態で決定されたノイズレベルが、理想的な位置と言えるが、多くの場合、実際のノイズレベルは1.0の値に最も近い比Rと中央位置との2つの変数の位置の比較により決定される。1.0の値に最も近い比Rの位置が、中央位置に比べて下に、もしくは、上に動いた場合、各々に応じて、ノイズレベルを理想的な位置から調整する。例えば、上述の2つの変数の比較の結果、1.0の値に最も近い比Rの位置を数点、下に移動する必要がある場合、ノイズレベルを理想的な位置から上げる。これは、より少ない数のピークを当該設定した質量範囲内からイオンピークとして選択すること、即ち、クラス(B)に分類された可能性のあるピークをクラス(C)に移動されることを意味する。一方、上述の比較の結果、1.0の値に最も近い比Rの位置を数点、上に移動する必要がある場合、理想的な位置からノイズレベルを下げる。これは、設定された質量範囲において、より多くのピークがイオンピークとして選択されること、即ち、Z値によりクラス(C)に分類されたピークは、クラス(B)に移動されることを意味する。
その他のノイズレベルの調整方法としては、ノイズレベル算出に用いられたデータのうち、強度の高い方からデータを順に除き、クラス(A)又は(B)に移動し、中央位置と1.0の値に最も近い比Rの位置が一致するまで計算を繰り返し、クラス(C)に分類されるピークの修正を行う。この処理により、ノイズピークはすべてクラス(C)に分類されることになり、同時に、クラス(C)はノイズピークのみから構成されることになる。クラス(B)に分類されるピークは、ノイズピークではなく、イオンピークに検出することができる。このようにして修正されたノイズのみからなるクラス(C)の平均値をノイズレベルの決定に使用することができる。
また、初期に設定されたイオン選択のための信号対雑音比(SN比)の閾値を最適化するために、ピーク強度分類工程において生成された他の変数やパラメータも使用される。設定した質量範囲内における検出されたピーク特性により、当該閾値をより正確な値に調整することができる。これらのパラメータには、ノイズレベル判定の計算に用いたデータ内の最大Z値Zmaxおよび最小Z値Zminが含まれる。上述の修正Zスコア式を使用すると、Zminは通常、負の値である。平均値に対して対称に分散しているデータセットの場合、ZminおよびZmaxは、類似しているが異なる方向の振幅を有するはずである。Zmin値が負の方向に大きい振幅を有する場合、この計算内には強度が非常に低いより多くのピークが含まれていることを示唆する。この場合、当該SN比閾値の調整は、イオン選択のための信号対雑音比の閾値より下げることによって行われる。これは、クラス(C)からクラス(B)にいくつかのシグナルピークを移動することに相当する。対照的に、Zmax値が正の方向に大きい振幅を有する場合、この計算内には、クラス(B)に分類されるべきピークが含まれていて、導出されたノイズレベルは実際の値より高い可能性がある。この場合、当該SN比の閾値の調整は、前述のピーク強度分類工程から、クラス(A)に含ませることができた数点を削除するために、初期に設定したイオン選択のための信号対雑音比の閾値を上げることによって行われる。このようにして、クラス(C)はノイズピークのみから構成されることになり、これは、適したSN比閾値が正しく割り当てられたことを保証する。
以上の、設定された質量範囲に対するピークの強度分類及びノイズレベルの判定を含む、ノイズレベル判定(ステップ305)を、ステップ301で取得したマススペクトルデータの質量範囲に渡り実施する。
ノイズレベルの判定後、イオンピークの検出(ステップ306)に進む。イオンピーク選択のためのSN比閾値(ステップ305のノイズレベル判定工程でさらに最適化された場合も含む)に基づいて、その閾値以上の強度を持つピークをイオンピークとして同定し、その閾値以下の強度を持つピークをノイズピークとして同定を行う。イオンピークとして同定されたピークは、マススペクトル内に検出されたイオンピークとしてイオンピークリストに登録される(ステップ307)。
以上のように、本発明のイオンピーク検出法及びそのシステムにおいては、設定された各質量範囲毎に処理することで、実際のデータ点から、当該質量範囲内に存在しうる本当のノイズレベルを検出することが可能となる。この計算では、信号対雑音比に関係するいくつかの変数が定義される。ピーク選択に使用されるパラメータは、それらの変数の計算に応じて初期化および最適化される。これにより、スペクトル内の本当の信号およびノイズ分布を反映することが可能となる。
[他の実施態様]
上述の実施例では、設定された質量範囲毎に、ノイズレベルの判定(ステップ305)の後、当該質量範囲に存在するイオンピークを検出する工程(ステップ306)に進む。ここで、ノイズレベル判定(ステップ305)は、ピークの強度分類後、ノイズレベルの判定を含む。しかし上述の通り、ノイズレベル判定に係る計算により、(i)ピークの強度分類工程でなされたピーク分類の修正を行うことができる。この計算により、ノイズピークはすべてクラス(C)に分類され、同時に、クラス(C)はノイズピークのみから構成されることになる。これを利用し、イオンピーク検出工程(ステップ306)の別の態様として、分類修正後のクラス(A)及び(B)に属するピークをイオンピークとして検出することができる。この態様の場合、ノイズレベルを判定することなくイオンピークを検出することができる。以下に、具体的に、ピークの強度分類工程でクラス(C)に分類されたピークの分類修正方法を述べる。
上述並びに図6に示される、中央位置と1.0の値に最も近い比Rの位置の比較の結果、1.0の値に最も近い比Rの位置が中央位置に対して上に存在する場合は、Z値によってクラス(A)に分類されたピークのうち、強度の低い方から少なくとも一つのピークをクラス(C)に移動する。好ましくは、Z値によってクラス(A)に分類されたピークのうち、強度の低い方からデータを順にクラス(C)に加え、中央位置と1.0の値に最も近い比Rの位置が一致するまで、比較のための計算を繰り返す。一方、1.0の値に最も近い比Rの位置が中央位置に対して下に存在する場合は、Z値によりクラス(C)に分類されたピークのうち、強度の高い方から、少なくとも一つのピークをクラス(A)又は(B)に修正分類する。好ましくは、Z値によってクラス(C)に分類されたピークのうち強度の高い方から順にクラス(C)からクラス(A)又は(B)に移動し、中央位置と1.0の値に最も近い比Rの位置が一致するまで,比較のための計算を繰り返す。
また、最大Z値Zmaxおよび最小Z値Zminを使用する場合は、次の通りである。Zmax値が正の方向に大きい振幅を有する場合、Z値によってクラス(A)に分類されたピークのうち、強度の低い方から少なくとも一つのピークをクラス(C)に移動する。一方、Zmin値が負の方向に大きい振幅を有する場合、Z値によってクラス(C)に分類されたピークのうち、強度の高い方から少なくとも一つのピークをクラス(A)又は(B)に移動する。
本発明の実施形態のプログラムを、MALDI_TOF_TOFを使用して取得したMS/MSスペクトルデータ上で試験した。図3及び図4に示す本発明の実施形態に記載のプログラムから作成されたピークリストを、Mascotデータベース検索エンジンへ入力し、MS/MSペプチドイオンの一致を見出した。これらの結果はまた、既存のピーク選別ソフトウェアから取得したピークリストと比較されている。
ここでは、フラグメンテーションの程度が異なる3つのスペクトルを処理対象とした。サンプル(I)[YNGVFQECCQAEDK]で、十分なフラグメンテーションが生じた例、サンプル(II)[RPCFSALTPDETYVPK]で、中程度の十分なフラグメンテーションが生じた例、及び、サンプル(III)[DDPHACYSTVFDK]で、フラグメンテーションが不十分な例である。
Mascot検索の結果を表1から6に示す。(G)はこのプログラムからのピークリストから取得した結果を示し、(F)は他のソフトウェアに対する結果を示す。Iはサンプル(I)を、IIはサンプル(II)を、IIIはサンプル(III)を処理対象とした。これらのピークリストはすべて、この検索エンジンによって予想ペプチドに至った。太字の数字(下線も付与)のイオンは、一致したイオンである。これらは、主な部分内のみのイオン一致(すなわち、b、yタイプのイオンおよびその相対物)を示し、一部の内部イオンフラグメンテーションを含まない。サンプル(I)の場合、ピークリストはどちらもより多数の主なイオン(b/yイオン)を見出したことが分かる。1つのyイオン(1584Da)がプログラム(G)から欠落しているが、bイオンの場合はより多くの欠落が見出される。サンプル(II)の場合、プログラムFは、同じペプチドから細分された2つのMS/MSスペクトルを結合することによってピークリストを得ており、II(G)に示す結果は、2つのうちより良好な方のスペクトルのピークリストのみから導出した。これらの結果から、単一のスペクトルからでも、より多数のイオンピークが本プログラムから見出されることがはっきりと分かる。サンプル(III)の場合、スペクトル内にあまり多くのイオンピークが存在しない。しかし、このプログラムIII(G)からの結果は、より多くの一致したイオンが見出されることも示す。
Figure 2014112068
Figure 2014112068
Figure 2014112068
Figure 2014112068
Figure 2014112068
Figure 2014112068
異なるピーク検出ソフトウェアによって取得した2組のピークリストからの検索結果の比較によって、本発明に記載するピーク検出プログラムから推測されるピークリスト内にはより多くのイオンピークが含まれることが分かる。データベース検索結果はまた、ピークリストの使用によるペプチド/蛋白質の一致において適度な誤り発見率を示したが、ピークリスト内のピークの総数は通常、他のソフトウェアFからものと比べて大きい。
本発明は、質量スペクトルからイオンピークを検出する。アルゴリズム内で使用される一般原則は、他のタイプの計器にも拡張することができる。さらに、本発明の概念は、ノイズレベルを判定する他の信号処理にも適していることがある。
本実施形態は、ペプチド解離から取得したMS/MSスペクトル内のイオンピーク検出(MS測定)を実行する作業の流れを示す。同じプロセスを適用して、MS測定によって取得したMSスペクトル内でイオンピークを検出することが可能であり、以下同様である。同様に、本発明のプロセスは、MSスペクトルにおけるペプチド/タンパク質のイオンピーク検出にも適用することができる。
201・・・質量範囲分割手段
202・・・質量範囲設定手段
203・・・ピーク強度分類手段
204・・・強度の低いピーク及び同位体ピーク除去手段
205・・・ノイズレベル判定手段
206・・・イオンピークの検出手段
207・・・コンピュータ

Claims (11)

  1. マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する方法であって、
    質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する工程と、
    前記取得したマススペクトルデータ内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類工程と、
    前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出工程とを含む、イオンピーク検出方法。
  2. 前記ピーク強度に応じた複数のクラスが、高強度のクラス、中強度のクラス、及び低強度のクラスを含む、請求項1に記載のイオンピーク検出方法。
  3. 前記低強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定し、当該ノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、請求項2に記載のイオンピーク検出方法。
  4. 前記低強度のクラスに分類されたピークとともに、前記中強度のクラスに分類されたピークからノイズレベルを判定する、請求項3に記載のイオンピーク検出方法。
  5. 前記高強度のクラスには、前記低強度のクラスからの孤立値であるピークを分類する、請求項2に記載のイオンピーク検出方法。
  6. 前記孤立値は、Zスコア法を使用して求める、請求項5に記載のイオンピーク検出方法。
  7. 前記低強度のクラスに分類されたピークからのノイズレベルの判定が、
    前記低強度のクラスに分類されたピークの中央位置と、前記低強度のクラスに分類されたピークの平均信号雑音比とを比較することにより、前記低強度のクラスに分類されたピークの強度分類を修正する工程と、
    前記修正された、低強度のクラスに分類されたピークから、ノイズレベルを判定する工程とを含む、請求項3に記載のイオンピーク検出方法。
  8. マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する方法であって、
    質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する工程と、
    前記取得したマススペクトルデータを任意の質量範囲へ分割する、質量範囲分割工程と、
    前記分割された質量範囲内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類工程と、
    前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出工程とを含む、イオンピーク検出方法。
  9. 前記任意の質量範囲が、100Da〜300Daから選択される範囲に設定される、請求項8に記載のイオンピーク検出方法。
  10. マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出するシステムであって、
    質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得し、マススペクトルデータ内のピークを、前記ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類手段と、
    前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいてノイズレベルの判定をイズレベル判定手段と、
    前記判定したノイズレベルに基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出手段と、
    を備えることを特徴とするイオンピーク検出システム。
  11. コンピュータに、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する手順を実行させるためのプログラムであって、
    質量電荷比及び強度情報を有するピークから構成されるマススペクトルデータを取得する手順と、
    前記取得したマススペクトルデータ内のピークを、ピーク強度に応じた複数のクラスに分類する、ピーク強度分類手順と、
    前記複数のクラスに分類されたピークの強度情報に基づいて、マススペクトルデータ内に存在するピークからイオンピークを検出する、イオンピーク検出手順とを含む、イオンピーク検出プログラム。
JP2013092951A 2012-04-27 2013-04-25 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム Expired - Fee Related JP6115288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013092951A JP6115288B2 (ja) 2012-04-27 2013-04-25 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261639748P 2012-04-27 2012-04-27
US61/639748 2012-04-27
JP2012243103 2012-11-02
JP2012243103 2012-11-02
JP2013092951A JP6115288B2 (ja) 2012-04-27 2013-04-25 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014112068A true JP2014112068A (ja) 2014-06-19
JP6115288B2 JP6115288B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=49581998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013092951A Expired - Fee Related JP6115288B2 (ja) 2012-04-27 2013-04-25 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9613786B2 (ja)
JP (1) JP6115288B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016057219A (ja) * 2014-09-11 2016-04-21 花王株式会社 質量分析データの処理方法
JP2021032808A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 日本電子株式会社 マススペクトル処理装置及びモデル生成方法
JP2022520727A (ja) * 2019-01-31 2022-04-01 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド 低減させられた背景およびピーク重複を伴うトップダウン分析のための入手方略
JP7468430B2 (ja) 2021-03-29 2024-04-16 株式会社島津製作所 質量分析装置及び質量分析方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9933308B2 (en) * 2014-03-28 2018-04-03 GE Lighting Solutions, LLC Method for determining spectrally tuned mixed-color LED light engines
US10935528B2 (en) * 2016-06-28 2021-03-02 Shimadzu Corporation Analysis device
US11244818B2 (en) 2018-02-19 2022-02-08 Agilent Technologies, Inc. Method for finding species peaks in mass spectrometry
CN112129869B (zh) * 2020-09-23 2022-11-18 清华大学深圳国际研究生院 基于数据驱动的现场质谱仪稳定输出控制系统及方法
CN112378986B (zh) * 2021-01-18 2021-08-03 宁波华仪宁创智能科技有限公司 质谱分析方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040033530A1 (en) * 2002-04-08 2004-02-19 Awrey Donald E. High throughput purification, characterization and identification of recombinant proteins
JP2004506216A (ja) * 2000-08-03 2004-02-26 ネーデルランドセ・オルガニザテイエ・フール・テゲパスト−ナトウールベテンシヤツペリーク・オンデルツエク・テイエヌオー 混合物の化学成分を同定および定量するための方法およびシステム
JP2004526958A (ja) * 2001-03-09 2004-09-02 アプレラ コーポレーション タンパク質の大量マッチング方法
JP2005214799A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Seikei Gakuen データ解析装置、データ解析方法およびデータ解析プログラム
JP2005257483A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd プロテオームのディファレンシャル解析方法
JP2006162556A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Medical Proteoscope Co Ltd 質量分析法を用いたアミノ酸配列同定方法
JP2007526243A (ja) * 2004-01-07 2007-09-13 ディギラープ ビオヴィズィオン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 相関の測度の使用によるペプチド及びその機能的類縁関係の同定及び特性決定のための方法及びシステム
JP2010265308A (ja) * 2001-08-03 2010-11-25 Ciba Holding Inc 結晶形
WO2012014828A1 (ja) * 2010-07-27 2012-02-02 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオントラップ質量分析装置および質量分析方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7884318B2 (en) * 2008-01-16 2011-02-08 Metabolon, Inc. Systems, methods, and computer-readable medium for determining composition of chemical constituents in a complex mixture
GB0909289D0 (en) * 2009-05-29 2009-07-15 Micromass Ltd Method of processing mass spectral data

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506216A (ja) * 2000-08-03 2004-02-26 ネーデルランドセ・オルガニザテイエ・フール・テゲパスト−ナトウールベテンシヤツペリーク・オンデルツエク・テイエヌオー 混合物の化学成分を同定および定量するための方法およびシステム
JP2004526958A (ja) * 2001-03-09 2004-09-02 アプレラ コーポレーション タンパク質の大量マッチング方法
JP2010265308A (ja) * 2001-08-03 2010-11-25 Ciba Holding Inc 結晶形
US20040033530A1 (en) * 2002-04-08 2004-02-19 Awrey Donald E. High throughput purification, characterization and identification of recombinant proteins
JP2007526243A (ja) * 2004-01-07 2007-09-13 ディギラープ ビオヴィズィオン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 相関の測度の使用によるペプチド及びその機能的類縁関係の同定及び特性決定のための方法及びシステム
JP2005214799A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Seikei Gakuen データ解析装置、データ解析方法およびデータ解析プログラム
JP2005257483A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd プロテオームのディファレンシャル解析方法
JP2006162556A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Medical Proteoscope Co Ltd 質量分析法を用いたアミノ酸配列同定方法
WO2012014828A1 (ja) * 2010-07-27 2012-02-02 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオントラップ質量分析装置および質量分析方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016057219A (ja) * 2014-09-11 2016-04-21 花王株式会社 質量分析データの処理方法
JP2022520727A (ja) * 2019-01-31 2022-04-01 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド 低減させられた背景およびピーク重複を伴うトップダウン分析のための入手方略
JP7416550B2 (ja) 2019-01-31 2024-01-17 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド 低減させられた背景およびピーク重複を伴うトップダウン分析のための入手方略
JP2021032808A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 日本電子株式会社 マススペクトル処理装置及びモデル生成方法
EP3787003A1 (en) 2019-08-28 2021-03-03 Jeol Ltd. Mass spectrum processing apparatus and model generation method
US11211150B2 (en) 2019-08-28 2021-12-28 Jeol Ltd. Mass spectrum processing apparatus and model generation method
JP7468430B2 (ja) 2021-03-29 2024-04-16 株式会社島津製作所 質量分析装置及び質量分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6115288B2 (ja) 2017-04-19
US9613786B2 (en) 2017-04-04
US20130311109A1 (en) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115288B2 (ja) 質量分析におけるピーク検出方法及びそのシステム
JP4818270B2 (ja) 選択されたイオンクロマトグラムを使用して先駆物質および断片イオンをグループ化するシステムおよび方法
US8987662B2 (en) System and method for performing tandem mass spectrometry analysis
JP6020315B2 (ja) 質量分析データ処理方法及び質量分析データ処理装置
JP4596010B2 (ja) 質量分析装置
US8067729B2 (en) Mass analysis data analyzing apparatus and program thereof
CA2653400A1 (en) Analyzing mass spectral data
JP5727503B2 (ja) 多重タンデム質量分析法
JP4821400B2 (ja) 構造解析システム
JP2021081365A (ja) 糖ペプチド解析装置
CN107209156B (zh) 经由曲线减法检测基于质谱的相似性
JPWO2004113905A1 (ja) 質量分析方法および質量分析装置
CN112534267A (zh) 复杂样本中相关化合物的识别和评分
WO2019175568A1 (en) Methods and systems for analysis
US20180144918A1 (en) Techniques for mass analyzing a complex sample
JP4929224B2 (ja) 質量分析システム
US7680609B2 (en) Biopolymer automatic identifying method
JP2015230262A (ja) 質量分析データ解析方法及び装置
US20190250168A1 (en) Monoisotopic Mass Determination of Macromolecules Via Mass Spectrometry
JP5983371B2 (ja) ペプチド構造解析方法及び装置
JP2008039608A (ja) 質量分析システム
Victor et al. MAZIE: A mass and charge inference engine to enhance database searching of tandem mass spectra
Yao et al. Peptide Peak Detection for Low Resolution MALDI-TOF Mass Spectrometry
US20230282469A1 (en) Systems and methods for charge state assignment in mass spectrometry
Shadforth et al. Determination of partial amino acid composition from tandem mass spectra for use in peptide identification strategies

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6115288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees