JP2014108899A - セメント組成物およびコンクリート - Google Patents

セメント組成物およびコンクリート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、膨張性組成物の使用量が少ないにも拘わらず、優れた膨張性能を発現し、強度発現性にも優れ且つコンクリートのコンシステンシーの低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートを提供することにある。
【解決手段】(A)3CaO・Al23(C3A)を10〜14質量%含有するセメントクリンカー粉砕物および石膏を含有してなるセメントと、(B)遊離生石灰およびC3Sを含有する膨張クリンカー粉砕物を含有してなる膨張性組成物とを含有するセメント組成物であって、前記セメント組成物を骨材及び水と混和してコンクリートとした際、当該コンクリート中の膨張性組成物の含有単位量が12〜19kg/m3であるセメント組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、膨張性組成物を含有するセメント組成物及びこれを含有するコンクリートに関し、詳しくは、膨張性組成物の含有量が従来のコンクリート用膨張性組成物のものよりも少量であっても、「膨張コンクリート設計施工指針」に規定されている土木学会基準の収縮補償用コンクリートの拘束膨張率が得られるセメント組成物及びコンクリートに関する。
コンクリート構造物の耐久性を高めるために、コンクリートのひび割れを抑止する手段としてコンクリート用膨張材(膨張性組成物)を使用することが有効である。近年、土木分野および建築分野において、乾燥収縮ひび割れの抑制を目的として膨張性組成物を使用することが増加している。
収縮補償用コンクリートとするためのコンクリート用膨張性組成物の使用量は、当初は30kg/m3であったが、近年は使用量が20kg/m3である低添加型コンクリート用膨張性組成物を使用することが増加してきた。
ところで、一般に生コン工場と呼ばれているレディーミクストコンクリート製造工場は、多種多様な配合のコンクリートを1分前後の練混ぜ時間で次々に製造し、未硬化の状態で出荷している。このとき、1回の練混ぜで製造するコンクリートは、1〜4m3程度であることが多い。低添加型コンクリート用膨張性組成物を使用しても所定の練混ぜのときに膨張性組成物を添加することは作業面から大変である。
したがって、より少ないコンクリート用膨張性組成物の使用量であっても、土木学会基準の収縮補償用コンクリートの拘束膨張率を満足できるコンクリートの製造技術が望まれていた。
ところで、低熱ポルトランドセメントや中庸熱ポルトランドセメント等の低発熱形のセメントを用いることにより、膨張性組成物の使用量が少ないにもかかわらず、コンクリートの拘束膨張率が高いコンクリートが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、低発熱形のセメントを用いた収縮補償コンクリートは、強度発現性が悪いという問題がある。また、膨張性組成物が無添加のコンクリートに比べて、強度低下が起こり易いという問題がある。
また、遊離石灰50部、アウイン10部、3Ca0・SiO2(以下、C3Sという)5部、4Ca0・Al23・Fe23(以下、C4AFという)5部及び無水石膏30部(部は何れも質量部)のクリンカー粉砕物からなる膨張性組成物と普通ポルトランドセメントを用い、膨張性組成物量を変化させて長さ変化率、ポップアウト(膨張性組成物の凝集物によるコンクリート表面の局所的な微細な剥離)の有無及びひび割れ抑制効果を検討した技術が開示されている(例えば、特許文献3の段落[0037]〜[0039]参照)。
そして、特許文献3には、セメントと膨張性組成物の合計を100質量部として、膨張性組成物量を2〜10質量部まで変化させたときの材齢7日の長さ変化率が64〜941μであることが記載されている。しかし、特許文献3に記載のコンクリートは、コンクリート中の膨張性組成物を少なくしたときには、十分なコンクリート拘束膨張率が得られない。
また、現行のポルトランドセメントの製造の原料となるセメントクリンカーの3CaO・Al23(以下、C3Aという)の含有率は、一般に10質量%未満であり、セメントクリンカーのC3A含有率が多くなると、コンクリートにしたときのコンシステンシーの低下が早いため、使用し難いという問題があった。
特開2004−217514号公報 特開2006−232625号公報 特開2007−131484号公報
本発明の課題は、膨張性組成物の使用量が少ないにも拘わらず、優れた膨張性能を発現し、強度発現性にも優れ且つコンクリートのコンシステンシーの低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートを提供すること、より詳しくは、膨張性組成物の使用量が20kg/m3未満と少ないにも拘わらず、土木学会基準の収縮補償用コンクリートの拘束膨張率を満足するという優れた膨張性能(材齢7日のコンクリート拘束膨張率が150〜250μ)を発現し、材齢7日の圧縮強度が30N/mm2以上と強度発現性にも優れ、且つコンクリートのコンシステンシーの低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートを提供すること、また、更に膨張性組成物無添加のコンクリートに比べて強度低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートを提供することにある。
そこで、本発明者は、C3Aを特定量含有するセメントクリンカー粉砕物と石膏を含有するセメントと、特定の膨張性クリンカー粉砕物を含有する膨張性組成物とを組み合わせて用いることにより、コンクリート中の膨張性組成物の添加量が少ない場合であっても、土木学会基準の収縮補償用コンクリートの拘束膨張率を満足し、かつ強度発現性も良好なセメント組成物及びコンクリートが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を提供するものである。
[1](A)C3Aを10〜14質量%含有するセメントクリンカー粉砕物および石膏を含有してなるセメントと、(B)遊離生石灰およびC3Sを含有する膨張クリンカー粉砕物を含有してなる膨張性組成物とを含有するセメント組成物であって、前記セメント組成物が骨材及び水と混和せしめられてコンクリートとなる際、当該コンクリート中の膨張性組成物の含有単位量が12〜19kg/m3であるセメント組成物。
[2]前記[1]のセメント組成物、骨材及び水を含有するコンクリート。
本発明によれば、膨張性組成物の使用量が20kg/m3未満と少ないにも拘わらず、土木学会基準の収縮補償用コンクリートの拘束膨張率を満足するという優れた膨張性能(材齢7日のコンクリート拘束膨張率が150〜250μ)を発現し、且つ材齢7日の圧縮強度が30N/mm2以上と強度発現性にも優れるセメント組成物及びコンクリートが得られる。
また、更に膨張性組成物無添加のコンクリートに比べて強度低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートが得られる。
さらに、本発明によれば、コンシステンシーの低下が起こり難いセメント組成物及びコンクリートが得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。なお、%は特に示す場合および単位固有の場合を除き質量%である。
本発明のセメント組成物は、(A)C3Aを10〜14%含有するセメントクリンカー粉砕物および石膏を含有してなるセメントと、(B)遊離生石灰およびC3Sを含有する膨張クリンカー粉砕物を含有してなる膨張性組成物とを含有するセメント組成物であって、前記セメント組成物を骨材及び水と混和してコンクリートとした際、当該コンクリート中の膨張性組成物の含有単位量が12〜19kg/m3であることを特徴とする。
本発明に使用する(A)セメントは、セメントクリンカー粉砕物と石膏を含有してなる。セメントクリンカー粉砕物は、C3Aを10〜14%含有するものであり、11〜14%含有するのが好ましい。セメントクリンカー粉砕物中のC3A含有率が10%未満では膨張性組成物量を減量できず、本発明の効果が得られない。また、C3A含有率が14%を超えると、コンクリートの流動性、特に時間の経過に伴う流動性が低下するため、施工が困難になる。
セメントクリンカー粉砕物は、セメントクリンカーを粉砕することで製造できる。セメントクリンカー粉砕物の原料に用いるセメントクリンカーは、所定のセメント原料を焼成することによって生成する主要な鉱物相が、C3A、C3S、2Ca0・SiO2(以下、C2Sという)、C4AFである。尚、C3A、C3S、C2S、C4AFには、微量の元素が含まれていても良い。
セメントクリンカー中のC3S含有率は、45〜60%が好ましく、より好ましくは48〜60%である。C2S含有率は、5〜30%が好ましく、より好ましくは8〜26%であり、さらに好ましくは8〜20%である。これにより、初期強度および長期強度も確保できる。また、高い初期強度及び流動性が得易く且つ製造し易いことから、C4AF含有率は、14%以下が好ましく、0.5〜14%がより好ましい。C4AF含有率については1%以下においても本発明の効果が得られるが、その場合は焼成温度を高くする必要がある。
3A、C3S、C2S、C4AFの各鉱物相を得るためのセメント原料は特に制約されず、石灰石、粘土、珪砂、アルミ灰、ボーキサイト、鉄など、通常のセメント原料も使用することができ、また、都市ゴミ焼却灰、一般廃棄物や産業廃棄物などの原料も使用できる。
セメントクリンカーの鉱物相の生成割合は、CaO、SiO2、Al23、Fe23及びSO3等の化学組成(各含有率)から、下記のボーグ式の計算式(式(1)〜式(4))において算出できる。
3S%=(4.07×CaO%)−(7.60×SiO2%)−(6.72×Al23%)−(1.43×Fe23%)−(2.85×SO3%) ・・・(1)
2S%=(2.87×SiO2%)−(0.754×C3S%) ・・・(2)
3A%=(2.65×Al23%)−(1.69×Fe23%) ・・・(3)
4AF%=3.04×Fe23% ・・・(4)
セメントクリンカーは、ポルトランドセメント用のセメントクリンカー、エコセメント用のセメントクリンカー、白色セメント用のセメントクリンカー等と同様な方法で製造することができる。原料となる各材料を粉砕した後調合し、この調合した原料を焼成して製造することができる。
セメントクリンカーを製造する際の焼成は、通常のセメントの製造法で採用されている設備や条件で行われてもよく、特に限定されず、工業的にはロータリーキルンで1200〜1500℃で焼成することが好ましい。
本発明に使用する(A)セメント中に含まれる石膏は、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれをも使用できる。石膏の配合量は、C3Aの反応の抑制による異常凝結の抑制及び膨張量の過大防止による耐久性維持の点から、セメントクリンカー100質量部に対して、SO3換算で、1.5〜6.0質量部であるのが好ましく、より好ましくは2.5〜5.0質量部であり、さらに好ましくは2.5〜4.5質量部である。また、セメント中の石膏の含有率は、同じ理由で、1.5〜5.4%が好ましく、より好ましくは2.4〜4.6%であり、さらに好ましくは2.4〜4.2%である。
本発明に使用する(A)セメントの製造方法は、上記セメントクリンカーを粉砕したセメントクリンカー粉砕物と石膏を含有させることができる方法であれば特に限定されず、例えば、上記セメントクリンカーと石膏を同時粉砕して製造しても良いし、上記セメントクリンカーを粉砕した後、石膏粉末を混合して製造しても良い。また、セメントクリンカー等の粉砕方法は、通常のセメント製造で行われている方法を好適に用いることができる。
本発明に使用する(A)セメントの粉末度は、十分な初期強度を得る点及び初期の流動性低下を防止する点から、ブレーン比表面積で、3000〜5000cm2/gが好ましく、3200〜4500cm2/gがより好ましい。
本発明のセメント組成物を用いたコンクリートにおいて、セメントの単位セメント量は、充分な圧縮強度を得る点、水和熱や自己収縮によるひび割れを防止する点から、270〜500kg/m3が好ましく、300〜450kg/m3がより好ましい。
本発明に使用する(B)膨張性組成物は、膨張クリンカー粉砕物を含有してなる。膨張クリンカー粉砕物は、C3Sと遊離生石灰を含有する。膨張クリンカー粉砕物は、C3Sを含有することが必須である。膨張クリンカー粉砕物は、C3Sを含有することにより、緻密な硬化体組織を形成して強度発現性の効果を発揮させ、遊離石灰の膨張性能を制御することができる。C3Sは、遊離生石灰を内包するもの、あるいは内包しないものの何れでも良い。膨張性組成物中のC3Sの含有率は、10〜35%が好ましく、10〜25%がより好ましい。膨張性組成物中にC3Sが含有されていないと膨張性能が不足する。
膨張クリンカー粉砕物は、遊離生石灰を含有する。膨張性組成物中の遊離石灰含有率は、十分な膨張性能を得る点及び過大膨張や強度低下を防止する点から、35〜60%が好ましく、40〜55%がより好ましい。
膨張クリンカー粉砕物は、生石灰、消石灰又は炭酸カルシウムを主成分とする石灰原料及び珪石粉や珪藻土等の珪素原料をロータリーキルンや電気炉等の炉で焼成することで製造した膨張クリンカーを粉砕することで製造できる。膨張クリンカーの焼成原料にバンド頁岩やアルミナ等のアルミニウム原料、或いはヘマタイトや針鉄鉱等の鉄原料を添加すると、焼成し易くなることから好ましい。また、膨張性組成物の品質性能を阻害しない範囲で、膨張クリンカーの焼成原料に不純物(MgO、Na2O、K2SO4など)が含まれていても良い。膨張クリンカーの粉砕方法は、特に限定されない。ロッドミル、ボールミル、竪型ローラーミル、ジェットミル等の各種粉砕機を用いることができる。膨張クリンカー粉砕物の粉末度は、硬化コンクリート表面の肌荒れやポップアウトを防止する点、過大膨張や強度低下を防止する点から、ブレーン法による比表面積で1500〜5000cm2/gが好ましく、より好ましくは1500〜4500cm2/gである。
本発明に使用する(B)膨張性組成物は、上記膨張クリンカー粉砕物と共に石膏を含有することが好ましい。石膏は過膨張抑制作用を果たす。膨張性組成物中の石膏含有率は、10〜40%が好ましく、15〜25%がより好ましい。膨張性組成物中に石膏を含有させることにより、セメント中の石膏量では不足する量を補うと伴に、セメント中の石膏量に左右されずに好ましい膨張発現が得られ易い。石膏は何れの種類でも良いが、無水石膏が好ましく、II型無水石膏がより好ましい。また、使用する無水石膏の粉末度は、ブレーン比表面積で3000cm2/g以上のものが、所望の反応活性が得られるので好ましい。より好ましくは粉末度が6000cm2/g以上の石膏が良い。粉末度の上限は特に制限されないが、粉末度を高めるコストが嵩む割にはその効果が鈍化することから概ね15000cm2/g程度が適当である。石膏は、粉末にしたものを膨張クリンカー粉砕物とミキサで混合しても良いし、上記膨張クリンカー粉砕物と共に混合粉砕しても良い。
本発明のセメント組成物を用いたコンクリートにおける膨張性組成物の単位量は、単位量12〜19kg/m3の範囲で使用する。この範囲内であれば、収縮補償用コンクリートとしての膨張性能(150〜250μ)を有することができる。特に、膨張性組成物の単位量を14〜17kg/m3とすると、より安定的に膨張性能を発現できるので好ましい。なお、膨張性組成物の単位量が12kg/m3未満であると膨張性能が不足する虞があり、単位量が19kg/m3を超えると過膨張を生じる虞がある。
本発明において、上記セメントと膨張性組成物は、コンクリートの練り混ぜ時に混合してもよいし、予め混合しておいてもよく、特にその混合する方法は限定されない。
さらに、本発明のセメント組成物及びこれを用いたコンクリートは、本発明の効果を実質失わない範囲で、例えばモルタルやコンクリートに使用できる他の成分(混和材料や骨材)を含有するものであっても良い。このような成分として、具体的には、細骨材、粗骨材、繊維、減水剤(分散剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等を含む。)、収縮低減剤、シリカフューム、フライアッシュ、スラグ、凝結促進剤、凝結遅延剤、増粘剤、保水剤、防錆剤、空気連行剤、消泡剤、発泡剤、起泡剤、防水材、撥水剤、白華防止剤、顔料、セメント用ポリマー、水中不分離性混和剤などが例示される。
本発明のコンクリートに使用する骨材としては、使用する骨材は特に限定されず、骨材としては、モルタルやコンクリートに使用可能な骨材であればよく、例えば、川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、スラグ細骨材、珪砂、石粉、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、再生粗骨材、スラグ粗骨材等が挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能である。一般的には規格JIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」又はJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の附属書1に規定される物理的性能を概ね備えたものであれば好ましく。これらの何れかの規格に適合する骨材がより好ましい。骨材の単位量は、1500〜1900kg/m3が好ましく、さらに1600〜1800kg/m3とするのが、ワーカービリティーの確保、乾燥収縮抑制の点で好ましい。
本発明のコンクリートは、上記セメント組成物、骨材及び水、並びに、必要により添加される混和材料との混練により製造する。混練に使用する水として混和材料に含まれる水を用いてもよい。水量は、135〜185kg/m3とすることが、材料分離抵抗性を高め、乾燥収縮を抑制することから好ましい。
材料を混練する方法は特に限定されず、例えば上記セメント組成物、骨材及び水を全量加え混練する方法、上記セメント組成物を2以上に分けて水及び骨材と混練し、分けて混練したものを合わせて更に混練する方法等が挙げられる。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、多量に混練するためミキサを用いることが好ましい。使用可能なミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。
〔実施例1・比較例1〕
表1に示す使用材料を用い、表2の膨張性組成物を調製した。膨張性組成物のEX1およびEX2は、焼成温度1300〜1400℃で、焼結させた膨張クリンカーを粉末度2300cm2/gに粉砕し、粉砕した膨張クリンカー粉砕物に石膏をヘンシェルミキサーにて混合し、膨張性組成物を調製した。
表3に示すセメントを用い、膨張性組成物と混合し、セメント組成物を製造した。表4に示す使用材料を用い、環境温度20℃にて、練り混ぜを行い、コンクリートを製造した。コンクリートのスランプは15±2.5cmとした。表5に製造したコンクリートの配合を示した。製造したコンクリートを用いて、規格(JIS A 6202「コンクリート用膨張性組成物」附属書2)に示される「拘束膨張及び収縮試験方法」(A法)に準拠し、拘束膨張試験を実施した。また、規格(JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」)に準拠し、圧縮強度試験を実施した。更に、規格(JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」)に準拠し、30分間隔で練混ぜ後90分までスランプを測定した。この結果を表6に示した。拘束膨張試験および圧縮強度試験の養生はいずれも標準養生とした。
表6に示すように、本発明のコンクリートに当たる配合No.1〜9のコンクリートは、何れも材齢7日拘束膨張率が153〜248μ(1μは1×10-6の意味)の良好な膨張性能を発現し、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足することが確認された。また、圧縮強度においても初期材齢から長期材齢に渡って良好な強度性能(材齢7日において30N/mm2以上、材齢28日において45N/mm2以上)が確認されるとともに、経過時間に伴うスランプ低下も大きくないこと(90分経過後において練り混ぜ直後からのスランプ低下が8cm未満)が確認された。
比較例に当たる配合No.10〜12、14〜15、17、19は、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足できていなかった。
比較例に当たる配合No.13は、材齢7日のコンクリート拘束膨張率が215μとなり、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足しているが、経過時間に伴うスランプの低下が大きかった(90分経過後において練り混ぜ直後からのスランプ低下が11cm)。
比較例に当たる配合No.16、18、20は、材齢7日のコンクリート拘束膨張率が267μ、255μおよび289μとなり、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を超え、材齢28日の圧縮強度が低下した。配合No.21〜23は膨張性組成物を混和していないが、53μ、45μおよび59μ膨張していた。
Figure 2014108899
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〔実施例II・比較例II〕
表2に示す膨張性組成物と表3に示すセメントを用いてセメント組成物を得た後、表4に示す使用材料を用いてコンクリートを製造した。表7に製造したコンクリートの配合を示した。スランプは15±2.5cmとした。なお、比較例として市販の遊離生石灰、アーウインおよび石膏を含むエトリンガイド系の膨張性組成物(EX3)も使用した。コンクリート製造後、蒸気養生を行い、実施例1・比較例1と同様に、拘束膨張試験、圧縮強度試験および30分間隔で練混ぜ後90分までスランプを測定した。蒸気養生は20℃3時間の前置きを行い、昇温速度15℃/hで60℃まで上昇させ、60℃で3時間保持した後、その後、降温速度5℃/hで20℃まで降温させて、蒸気養生を実施した。蒸気養生後の養生は標準養生を実施した。この結果を表8に示した。
表8に示すように、本発明のコンクリート(配合No.24〜26)は、材齢7日拘束膨張率が215〜241μの良好な膨張性能を発現し、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足することが確認された。また、圧縮強度においても初期材齢から長期材齢に渡って良好な強度性能が確認されるとともに、経過時間に伴うスランプ低下も大きくないことが確認された。
比較例に当たる配合No.27は、材齢7日のコンクリート拘束膨張率が238μとなり、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足しているが、経過時間に伴うスランプの低下が大きかった。
比較例に当たる配合No.28〜34は、収縮補償用コンクリートとして必要な、「膨張コンクリートの施工指針」に規定されている土木学会基準(材齢7日のコンクリート拘束膨張率:150〜250μ)を満足できていない。
Figure 2014108899
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Claims (2)

  1. (A)3CaO・Al23(C3A)を10〜14質量%含有するセメントクリンカー粉砕物および石膏を含有してなるセメントと、
    (B)遊離生石灰およびC3Sを含有する膨張クリンカー粉砕物を含有してなる膨張性組成物とを含有するセメント組成物であって、前記セメント組成物を骨材及び水と混和してコンクリートとした際、当該コンクリート中の膨張性組成物の含有単位量が12〜19kg/m3であるセメント組成物。
  2. 請求項1記載のセメント組成物、骨材及び水を含有するコンクリート。
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