JP2014107329A - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コンデンサ素子の巻回の際や、その巻回後の折曲げなどの成形時、電極体の電極引出し部分に対するストレスに対し、電極体に亀裂などの損傷が生じない形状安定化を実現する。
【解決手段】セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体(2−1、2−2)を巻回して形成されたコンデンサ素子(16)を含むコンデンサ(電気二重層コンデンサ42)であって、前記コンデンサ素子の素子端面(34)に傾斜縁部(12−3、12−4)を持つ電極引出部(12)が前記電極体の一部で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体(2−1、2−2)を巻回して形成されたコンデンサ素子(16)を含むコンデンサ(電気二重層コンデンサ42)であって、前記コンデンサ素子の素子端面(34)に傾斜縁部(12−3、12−4)を持つ電極引出部(12)が前記電極体の一部で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気二重層コンデンサなどのコンデンサおよびその製造方法に関する。
電気二重層コンデンサなどのコンデンサでは、セパレータとともに陽極側および陰極側の電極体を巻回してコンデンサ素子が形成されている。セパレータは陽極側および陰極側の電極体の間に挟み込まれている。
コンデンサ素子の陽極側および陰極側の電極体にはタブが接続され、または電極体でタブが形成される。各タブは、陽極側または陰極側の外部端子に接続されている。電極体でタブを形成した接続構造では、コンデンサ素子と外部端子との間に別部品であるタブが不要である。
このようなコンデンサ素子と外部端子の接続構造に関し、選択的に張り出させた陽極側または陰極側の電極体の縁部を集電板に接続することが知られている(たとえば、特許文献1)。
たとえば、電気二重層コンデンサでは、陽極側の電極体、第1のセパレータ、陰極側の電極体および第2のセパレータを積層して巻回したコンデンサ素子が用いられる。このようなコンデンサ素子では、素子端面にたとえば、二分し、一方の部位に陽極側の電極体の縁部、他方の部位に陰極側の電極体の縁部を張り出させた電極引出部が形成される。この電極引出部は、各部位の相当する範囲で電極体の縁部で加工される。
図11は、電気二重層コンデンサのコンデンサ素子に用いられる陽極側または陰極側の電極体の一例を示している。この電極体100には、縁部と直角(θ=90〔°〕)に張り出させた電極引出部102が形成されている。このような電極引出部102では、コンデンサ素子の巻回の際や、その巻回後の折曲げなどの成形時、電極体100と電極引出部102との間の部分104にストレスが加わる。このストレスに対し、電極体100には矢印で示す方向に応力Fが作用し、電極体100や電極塗工部106伸びや亀裂などの損傷を生じるという課題がある。
電極体100に損傷を受けたコンデンサ素子を用いるとコンデンサ特性を低下させるという課題がある。
そこで、本発明では、上記課題に鑑み、コンデンサ素子の巻回の際や、その巻回後の折曲げなどの成形時、電極体の電極引出し部分に対するストレスに対し、電極体に亀裂などの損傷が生じない形状安定化を実現することを目的とする。
また、本発明では、上記課題に鑑み、電極引出部の形状安定化を図ったコンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサは、セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体を巻回して形成されたコンデンサ素子を含むコンデンサであって、前記コンデンサ素子の素子端面に傾斜縁部を持つ電極引出部が前記電極体の一部で形成されている。
上記コンデンサにおいて、好ましくは、前記傾斜縁部は、前記電極体の長手方向の中心線と非直角の傾斜角度であってもよい。
上記コンデンサにおいて、好ましくは、前記電極引出部は、前記傾斜縁部を含む四角形状であってもよい。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法は、セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体を巻回して形成されたコンデンサ素子を含むコンデンサの製造方法であって、前記コンデンサ素子の素子端面に傾斜縁部を持つ電極引出部を前記電極体の一部で形成する工程を含んでいる。
上記コンデンサの製造方法において、好ましくは、前記電極引出部は、前記コンデンサ素子に巻回前または巻回途上の前記電極体の縁部に形成してもよい。
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 電極引出部が傾斜縁部を備えており、電極体の長手方向の中心線に対して非直角の傾斜を持って引き出されるので、コンデンサ素子の巻回の際や、その巻回後の折曲げなどの成形時、電極体に対する電極引出部の引出し部に対するストレスに対し、電極体に亀裂などの損傷が生じにくく、電極引出部の形状安定化を図ることができる。
(2) 既述の電極引出部を備えたコンデンサ素子を用いたコンデンサでは、コンデンサ特性の安定化を図ることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
〔第1の実施の形態〕
図1のAおよびBは、本発明の第1の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの陽極側の電極体の一例を示している。図1のAおよびBに示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
陽極側の電極体2−1はたとえば、アルミニウム箔4の表面にエッチング処理を経て電極塗工部6が形成されている。この電極塗工部6は、電気二重層コンデンサとしての電極機能部であり、分極性電極層の形成部分である。この電極塗工部6は電極体2−1に一定幅で連続して形成されている。この電極体2−1には電極塗工部6の処理範囲に対し、電極塗工部6の未処理部である未塗工部8が設けられている。この未塗工部8は、分極性電極層の未形成部分であり、未処理部の一例である。この未塗工部8は、一定の幅で電極体2−1の長手方向の縁部10側に連続して形成され、複数の電極引出部12および切除部14の形成に用いられる。つまり、未塗工部8は電極引出部12および切除部14の形成領域である。
電極引出部12および切除部14は未塗工部8に形成されている。この実施の形態のように電極引出部12および切除部14が未塗工部8にあることが好ましいが、電極塗工部6の一部に及んでいてもよい。電極引出部12は切除部14の離脱によって形成された部分である。切除部14は、未塗工部8から切除された部分である。つまり電極引出部12は、電極体2−1と一体であり、未塗工部8の残留部分である。
この実施の形態の電極引出部12および切除部14は一例として台形状である。電極引出部12の上底縁部12−1が未塗工部8の内縁側、下底縁部12−2が未塗工部8の外縁側に設定されている。ここで、上底縁部12−1の幅をa、下底縁部12−2の幅をbとすると、a<bに設定されている。これに対し、切除部14は電極引出部12と対称形である。
これにより、電極引出部12には上底縁部12−1と下底縁部12−2の間に傾斜縁部12−3、12−4が形成されている。各傾斜縁部12−3、12−4は、既述の電極引出部12と切除部14とを仕切る仕切り縁である。
電極体2−1の長手方向の中心線Xと、各傾斜縁部12−3、12−4との間に傾斜角度θ1、θ2が設定されている。各傾斜角度θ1、θ2は、θ1≠90〔°〕、θ2≠90〔°〕、つまり、非直角に設定されている。各傾斜角度θ1、θ2の範囲はたとえば、70〔°〕<θ1<110〔°〕、70〔°〕<θ2<110〔°〕であり、より好ましくは、80〔°〕<θ1<100〔°〕、80〔°〕<θ2<100〔°〕に設定される。傾斜角度θ1、θ2は同一角度(θ1=θ2)、異なる角度(θ1≠θ2)のいずれでもよい。この場合、傾斜縁部12−3、12−4のいずれか一方が傾斜していればよく、いずれか一方がθ=90〔°〕(直角)でもよい。
この電極引出部12および切除部14は、電極体2−1のコンデンサ素子16(図5)への巻回前または巻回途上で形成される。これらは、カッター20−1、20−2、20−3(図2のBおよびC)を用いて電極体2−1の切削により形成することができる。
この実施の形態では、陽極側の電極体2−1を例示したが、陰極側の電極体2−2(図5)には既述の電極引出部12を同様に形成すればよい。
このように、傾斜縁部12−3、12−4を持つ電極引出部12を形成すれば、図1のBに示すように、傾斜縁部12−3、12−4に作用する応力Fが既述の応力F(図11)に対して傾斜角度θ1(またはθ2)を持つことになる。傾斜角度θ1、θ2は電極体2−1の長手方向の中心線Xに対して非直角である。つまり、電極引出部12は、電極体2−1(2−2)より傾斜を持って引き出されるので、コンデンサ素子16(図5)の巻回の際や、その巻回後の折曲げなどの成形時、電極体2−1(2−2)に対する電極引出部12の引出し部に対するストレスに対し、傾斜角度θ(=90°−θ1または90°−θ2)だけ変位し、これにより応力Fの分散が図られてストレスを軽減できるなど、電極体に亀裂などの損傷が生じにくく、電極引出部12の形状安定化を図ることができる。
<電極引出部12の形成工程>
(1) 電極体2−1の切断箇所およびカッター形状
図2のAは、電極体2−1の切断箇所を示している。電極体2−1は、一定幅の帯状態であり、コンデンサ素子16を形成する際、巻軸に搬送されて巻回される。つまり、電極体2−1は長手方向にたとえば、矢印Lの方向に搬送される。この電極体2−1の未塗工部8には、二点鎖線で示すように、切断部18が設定されている。この切断部18には、平行切断部18−1、18−2、傾斜切断部18−3、18−4が含まれる。平行切断部18−1は、電極体2−1の中心線Xと平行に設定された平行切断線である。傾斜切断部18−3、18−4は、既述の傾斜角度θ1、θ2が設定された傾斜切断線である。各傾斜切断部18−3、18−4の傾斜角度θ1、θ2は、この実施の形態では角度方向が異なっている。
図2のBは、平行切断部18−1におけるカッター形状および切断状態を示している。平行切断部18−1の切断にはカッター20−1が用いられる。カッター20−1は、電極体2−1(または2−2)を部分的に切断する切断手段の一例である。このカッター20−1は、本体部22の先端に鋭角状の刃先部24を備える。
電極体2−1は、図2のAに示すように、矢印Lで示す方向に搬送される。この電極体2−1の平行切断部18−1の始端部18−1Sにカッター20−1の刃先部24を矢印Dで示す方向に差し込み、この刃先部24を電極体2−1の平行切断部18−1に貫通させる。電極体2−1は矢印L方向に搬送されているので、その搬送力に従って平行切断部18−1の部分が刃先部24に当たり、直線状に切断される。この平行切断部18−1の終端部18−1Eにカッター20−1の刃先部24が到達した際に、カッター20−1を矢印Uで示す方向に後退させ、電極体2−1から離脱させる。これにより、平行切断部18−1が切断される(図3のA)。
図2のCは、傾斜切断部18−4におけるカッター形状および切断状態を示している。傾斜切断部18−4の切断にはカッター20−2が用いられる。カッター20−2は、電極体2−1(または2−2)を部分的に切断する切断手段の一例である。このカッター20−2は、カッター20−1と同様に、本体部22の先端に鋭角状の刃先部24を備える。カッター20−2の刃先部24は、傾斜切断部18−4の長さに応じて幅の狭いものを用いてもよい。
電極体2−1は、矢印Lで示す方向に搬送されている(図2のA)。この電極体2−1の傾斜切断部18−4の始端部18−4Sにカッター20−2の刃先部24を矢印Dで示す方向に差し込み、この刃先部24を電極体2−1の傾斜切断部18−4に貫通させる。この場合、電極体2−1の搬送方向(矢印L)と交差方向であるので、カッター20−2を傾斜切断部18−4の方向に移動させれば、傾斜切断部18−4がカッター20−2により直線状に切断される。この場合、カッター20−2に既述の傾斜角度θ1、θ2を設定すればよい。この傾斜切断部18−4の終端部18−4Eにカッター20−2の刃先部24が到達した際に、カッター20−2を矢印Uで示す方向に後退させ、電極体2−1から離脱させる。これにより、傾斜切断部18−4が切断される(図3のB)。
傾斜切断部18−3は傾斜切断部18−4と同様にカッター20−3より切断することができる(図3のC)。
(2) 電極引出部12および切除部14の生成
図3のAは、電極引出部12の平行切断部18−1の切断形態を示している。始端部18−1Sからカッター20−1により終端部18−1Eまで直線状に切断される。図3のBは、傾斜切断部18−4の切断形態を示している。始端部18−4Sからカッター20−2により終端部18−4Eまで直線状に切断される。図3のCは、傾斜切断部18−3の切断形態を示している。始端部18−3Sからカッター20−3により終端部18−3Eまで直線状に切断される。矢印は切断方向を示している。そして、始端部18−1Sに終端部18−4E、終端部18−1Eに終端部18−3Eを合致させれば、台形状の切除部14が形成される。
図4は、電極体2−1の電極引出部12および切除部14の生成を示している。切除部14により生成された切除片15を未塗工部8から離脱させると、未塗工部8には切除部14とともに電極引出部12が得られる。
<コンデンサ素子16の形成工程>
図5は、コンデンサ素子16を分解して示している。陽極側の電極体2−1、第1のセパレータ30−1、陰極側の電極体2−2および第2のセパレータ30−2は、重ねられて図示しない巻き芯側に搬送され、該巻き芯の回転により円筒状の巻回素子であるコンデンサ素子16に巻回される。
陽極側の電極体2−1および陰極側の電極体2−2には巻回前または巻回途上で既述の電極引出部12が形成される。つまり、電極引出部12の形成工程は、巻回前または巻回途上のいずれであってもよい。各電極引出部12に付された破線32は、折曲げ加工のための罫書き線(以下、「罫書き線32」と称する)である。
陽極側の電極体2−1および陰極側の電極体2−2には交互の位置に電極引出部12が形成されている。コンデンサ素子16には電極体2−1、2−2およびセパレータ30−1、30−2の縁部で素子端面34が形成される。この素子端面34の中心には巻き芯部36が形成される。この巻き芯部36を挟んで、陽極側の電極引出部12(2−1)と、陰極側の電極引出部12(2−2)が形成されている。これら電極引出部12(2−1)と、電極引出部12(2−2)との間には、巻き芯部36を挟んで絶縁間隔38が形成されている。
<電極引出部12の加工工程>
図6のAは、コンデンサ素子16および電極引出部12を示している。コンデンサ素子16の素子端面34に形成された陽極側および陰極側の電極引出部12は、所定角度範囲で3分して折り曲げられる。この分割処理をカッターによって行ってもよい。
図6のBは、コンデンサ素子16および加工後の電極引出部12を示している。電極引出部12は、3つの折曲げ領域としてたとえば、各中央引出部12N、右引出部12Rおよび左引出部12Lが、巻き芯部36に向かって折り曲げられ、素子端面34上に偏平状に成形される。
<コンデンサの組立て工程>
図7は、電気二重層コンデンサを分解して示している。図8は、電気二重層コンデンサの縦断面を示している。
この電気二重層コンデンサ42は、本発明のコンデンサの一例である。この電気二重層コンデンサ42には既述のコンデンサ素子16、外装ケース44、封口板46、陽極側および陰極側の集電板48−1、48−2が含まれる。
このコンデンサ素子16には、外周囲に保持テープ50が巻回されている。この保持テープ50により電極体2−1、2−2およびセパレータ30−1、30−2の巻き戻しが防止され、コンデンサ素子16の形状が保持されている。
外装ケース44にはコンデンサ素子16が収納される。この外装ケース44には封口板46を係止する段部52が加締めにより形成されている。外装ケース44の開口縁部54は、封口板46を保持するためのカーリング処理に用いられる。
封口板46は外装ケース44の開口部を封口する部材である。この封口板46にはベース部56を中心に封止部58が形成されている。ベース部56はたとえば、硬質合成樹脂板であり、封止部58はたとえば、密閉性の高いゴムなどで形成された環体である。
ベース部56は硬質合成樹脂の成形体である。このベース部56には、陽極側の外部端子60−1と陰極側の外部端子60−2がインサート成形により固定されている。また、このベース部56には透孔62が形成され、この透孔62には圧力弁64が設置されている。圧力弁64は外装ケース44内のガスを放出するとともに、ケース内圧の急激な上昇時に開弁して圧力を調整する。
集電板48−1は、外部端子60−1と電極引出部12(2−1)の中央引出部12Nとの間に設置されて接続される。集電板48−2は、外部端子60−2と電極引出部12(2−2)の中央引出部12Nとの間に設置されて接続される。
各集電板48−1、48−2には扇型状の中央接続部48Nが形成され、この中央接続部48Nを挟んで扇型状の左側接続部48Lおよび右側接続部48Rが形成されている。中央接続部48Nは、電極引出部12(2−1)または電極引出部12(2−2)の中央引出部12Nを包含し、該中央引出部12Nの上面に接続される扇状の膨出部である。左側接続部48Lは、電極引出部12(2−1)または電極引出部12(2−2)の左引出部12Lに接続される扇状部である。右側接続部48Rは、電極引出部12(2−1)または電極引出部12(2−2)の右引出部12Rに接続される扇状部である。
このような電気二重層コンデンサ42にあっては、外装ケース44の加工後、コンデンサ素子16が外装ケース44に収納される。コンデンサ素子16には、予め電極引出部12(2−1)に集電板48−1がレーザ溶接により接続され、電極引出部12(2−2)に集電板48−2がレーザ溶接により接続されている。
そして、集電板48−1の側面には陽極側の外部端子60−1の側面部がレーザ溶接により接続され、集電板48−2の側面には陰極側の外部端子60−2の側面部がレーザ溶接により接続される。これにより、コンデンサ素子16には外部端子60−1、60−2が電気的に接続される。
コンデンサ素子16とともに外装ケース44に挿入された封口板46は、外装ケース44の段部52に当たって位置決めされて保持される。外装ケース44の開口縁部54は図8に示すように、カーリング処理されて封止部58に食い込ませ、外装ケース44の封止処理が行われる。これにより、図8に示すように、電気二重層コンデンサ42が形成される。
この電気二重層コンデンサ42では、コンデンサ素子16の素子端面34の上側には絶縁環66が設置されている。この絶縁環66は、電極引出部12(2−1)、12(2−2)、陽極側の外部端子60−1および陰極側の外部端子60−2と外装ケース44との間を絶縁する絶縁手段の一例である。
<第1の実施の形態の効果>
(1) 第1の実施の形態によれば、電極体2−1、2−2の縁部10に形成された電極引出部12の形状安定化を図ることができる。
(2) 電極体2−1、2−2の巻回や、巻回後の電極引出部12の折り曲げにより、電極体2−1、2−2に加わる過度なストレスや、電極体2−1、2−2や電極塗工部6に生じる亀裂を抑制できる。
(3) 電極体2−1、2−2には電極引出部12に非直角の傾斜角度θ1、θ2をもつ傾斜縁部12−3、12−4が形成されているので、電極体2−1、2−2にストレスが加わっても電極体2−1、2−2の亀裂などの損傷を防止できる。
(4) 電極引出部12の引き出しに関し、引出範囲が大きく取れる点で有利である。加えて、電極引出部12の根元が細いので、折り曲げやすいなどの利点がある。
(5) 傾斜角度θ1、θ2が90〔°〕より小さい場合(鋭角の場合)、たとえば、傾斜角度θ1、θ2≒80〔°〕で電極引出部12の傾斜縁部12−3、12−4を形成した場合には、電極引出部12を折り曲げた際に、陽極側と陰極側の絶縁を図りやすい。
(6) 傾斜角度θ1、θ2が90〔°〕より大きい場合(鈍角の場合)には、電極引出部12における集電板48−1、48−2との接続領域を増加させることができる。
(7) これらの効果により、信頼性の高い電気二重層コンデンサ42、電解コンデンサなどのコンデンサを実現することができる。
〔第2の実施の形態〕
図9は、第2の実施の形態に係る平行切断部および傾斜切断部を示している。
第1の実施の形態では、図3のA、BおよびCに示すように、電極引出部12の平行切断部18−1の始端部18−1Sに傾斜切断部18−4の終端部18−4Eを合致させ、また、平行切断部18−1の終端部18−1Eに傾斜切断部18−3の終端部18−3Eを合致させている。
第2の実施の形態では、図9のAに示すように、電極引出部12の平行切断部18−1と傾斜切断部18−4をクロスさせ、また、図9のBに示すように、平行切断部18−1と傾斜切断部18−3をクロスさせている。このように設定してカットすれば、未切断部分の残留を防止でき、電極引出部12の成形精度を高め、電極引出部12の形状安定化が図られる。
<電極引出部12および切除部14の変形例>
図10は、電極引出部12の変形例を示している。上記実施の形態では、電極引出部12を台形状とし、下底縁部12−2より幅の狭い上底縁部12−1を内縁側に設定している(図1のA)。これに対し、図10のAでは、上底縁部12−1より幅の狭い下底縁部12−2を外縁側に設定してもよい。つまり、a>bに設定してもよい。
また、電極引出部12の形状は、四角形状の一例である台形状に限定されるものではなく、図10のBおよび図10のCに示すように、四角形状の一例である平行四辺形に形成してもよい。各傾斜角度θ1、θ2の拡開方向は、電極体2−1、2−2の搬送方向Lと同一方向または反対方向のいずれであってもよい。
このような変形例によっても電極引出部12の形状安定化を図ることができ、信頼性の高い電気二重層コンデンサ42などのコンデンサを実現することができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、各電極引出部12の側縁の双方を傾斜縁部12−3、12−4で形成している。好ましくは双方の側縁が実施の形態のように傾斜縁部12−3、12−4で形成すればよい。この傾斜縁部12−3または12−4に関し、電極引出部12の少なくとも一方の側縁を傾斜縁部12−3または傾斜縁部12−4で構成してもよい。
(2) コンデンサ素子16は電極体2−1、2−2を複数回の周回により形成しており、複数の電極引出部12を備えている。各電極引出部12が傾斜縁部12−3、12−4を備える必要はなく、一部であってもよい。つまり、応力が集中し、損傷が予想される個所に傾斜縁部12−3または12−4のいずれかを備えればよい。
(3) なお、上記実施の形態(図3)では、電極体2−1の縁部10側に傾斜切断部18−4の始端部18−4Sを設定しているが、この傾斜切断部18−4の始端部18−4Sは、平行切断部18−1側に設定してもよい(つまり、図3のBの矢印と反対方向に切断してもよい)。また、電極体2−1の縁部10側に傾斜切断部18−3の始端部18−3Sを設定しているが、この傾斜切断部18−3の始端部18−3Sは、平行切断部18−1側に設定してもよい(つまり、図3のCの矢印と反対方向に切断してもよい)。
(4) 上記実施の形態では、電極引出部12および切除部14の電極体2−1、2−2からの切断手法には、カッター以外の手段を用いてもよく、たとえば、打ち抜き加工などを用いてもよい。
(5) 上記実施の形態では、コンデンサの一例として電気二重層コンデンサ52を例示したが、電解コンデンサであってもよい。この電解コンデンサの場合には、電極体の未処理部はエッチング層や酸化被膜層が形成されていない部分であればよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明のコンデンサおよびその製造方法では、コンデンサ素子の電極体に形成される電極引出部に傾斜縁部を形成することにより、巻回時や折り曲げ時の応力分散を図ることができ、電極体の亀裂や伸びなどの抑制と、電極引出部の形状安定化を図ることができ、信頼性の高いコンデンサの実現に寄与する。
2−1 陽極側の電極体
2−2 陰極側の電極体
4 アルミニウム箔
6 電極塗工部
8 未塗工部
10 縁部
12 電極引出部
12−1 上底縁部
12−2 下底縁部
12−3、12−4 傾斜縁部
12N 中央引出部
12R 右引出部
12L 左引出部
14 切除部
15 切除片
16 コンデンサ素子
18 切断部
18−1、18−2 平行切断部
18−3、18−4 傾斜切断部
18−1S、18−3S、18−4S 始端部
18−1E、18−3E、18−4E 終端部
20−1、20−1 カッター
22 本体部
24 刃先部
30−1 第1のセパレータ
30−2 第2のセパレータ
32 罫書き線
34 素子端面
36 巻き芯部
38 絶縁間隔
42 電気二重層コンデンサ
44 外装ケース
46 封口板
48−1 陽極側の集電板
48−2 陰極側の集電板
50 保持テープ
52 段部
54 開口縁部
56 ベース部
58 封止部
60−1 陽極側の外部端子
60−2 陰極側の外部端子
62 透孔
64 圧力弁
66 絶縁環
2−2 陰極側の電極体
4 アルミニウム箔
6 電極塗工部
8 未塗工部
10 縁部
12 電極引出部
12−1 上底縁部
12−2 下底縁部
12−3、12−4 傾斜縁部
12N 中央引出部
12R 右引出部
12L 左引出部
14 切除部
15 切除片
16 コンデンサ素子
18 切断部
18−1、18−2 平行切断部
18−3、18−4 傾斜切断部
18−1S、18−3S、18−4S 始端部
18−1E、18−3E、18−4E 終端部
20−1、20−1 カッター
22 本体部
24 刃先部
30−1 第1のセパレータ
30−2 第2のセパレータ
32 罫書き線
34 素子端面
36 巻き芯部
38 絶縁間隔
42 電気二重層コンデンサ
44 外装ケース
46 封口板
48−1 陽極側の集電板
48−2 陰極側の集電板
50 保持テープ
52 段部
54 開口縁部
56 ベース部
58 封止部
60−1 陽極側の外部端子
60−2 陰極側の外部端子
62 透孔
64 圧力弁
66 絶縁環
Claims (5)
- セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体を巻回して形成されたコンデンサ素子を含むコンデンサであって、
前記コンデンサ素子の素子端面に傾斜縁部を持つ電極引出部が前記電極体の一部で形成されていることを特徴とするコンデンサ。 - 前記傾斜縁部は、前記電極体の長手方向の中心線と非直角の傾斜角度であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
- 前記電極引出部は、前記傾斜縁部を含む四角形状であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
- セパレータとともに陽極側または陰極側の電極体を巻回して形成されたコンデンサ素子を含むコンデンサの製造方法であって、
前記コンデンサ素子の素子端面に傾斜縁部を持つ電極引出部を前記電極体の一部で形成する工程を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。 - 前記電極引出部は、前記コンデンサ素子に巻回前または巻回途上の前記電極体の縁部に形成することを特徴とする請求項4に記載のコンデンサの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2012257360A JP2014107329A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | コンデンサおよびその製造方法 |
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JP2012257360A JP2014107329A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | コンデンサおよびその製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2014107329A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022059788A1 (ja) * | 2020-09-21 | 2022-03-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 蓄電装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10275610A (ja) * | 1997-01-31 | 1998-10-13 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 密閉形蓄電池 |
JPH11219694A (ja) * | 1998-02-03 | 1999-08-10 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 捲回式円筒形電池 |
JP2009289672A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Hitachi Vehicle Energy Ltd | 捲回型蓄電デバイス |
JP2010080392A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Toshiba Corp | 電池用電極及びその製造方法 |
-
2012
- 2012-11-26 JP JP2012257360A patent/JP2014107329A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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