JP2014107300A - 撮像装置、及び、撮像システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、小型で容易に立体画像を撮影できる撮像装置、及び、撮像システムを提供することを課題とする。
【解決手段】
撮像装置は、透明基板と、前記透明基板の一方の面に配設され、透過性を有する受光素子とを有する撮像素子を複数含み、前記透明基板と前記受光素子とが交互に重なるように前記複数の撮像素子を重ねた撮像装置であって、前記複数の撮像素子はそれぞれ異なる焦点距離を有し、前記複数の撮像素子に含まれる各受光素子の受光量が等しくなるように、各受光素子の厚さが設定される。
【選択図】図1
本発明は、小型で容易に立体画像を撮影できる撮像装置、及び、撮像システムを提供することを課題とする。
【解決手段】
撮像装置は、透明基板と、前記透明基板の一方の面に配設され、透過性を有する受光素子とを有する撮像素子を複数含み、前記透明基板と前記受光素子とが交互に重なるように前記複数の撮像素子を重ねた撮像装置であって、前記複数の撮像素子はそれぞれ異なる焦点距離を有し、前記複数の撮像素子に含まれる各受光素子の受光量が等しくなるように、各受光素子の厚さが設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置、及び、撮像システムに関する。
近年、より高い臨場感を得るための立体映像システムが注目されている。これまでに様々な方式のシステムが提案されており、映像を見る際の目の疲労感が少ない空間像再生型の立体映像システムの例として、インテグラル立体テレビがある。
インテグラル立体テレビは、微小なレンズを2次元アレイ状に敷き詰めたレンズ板を用いて撮影と表示を行う。撮影時は、通常の2次元像用のカメラを用い、レンズ板を通して被写体を撮影する。一方、表示時は、撮影した映像を通常の2次元用のディスプレイに表示し、撮影時と同様のレンズ板を通して映像を見る。すなわちこの方式においては、特殊なレンズ板を使う以外には、通常の2次元用の撮影機材とディスプレイを用いることができるため、これまでの放送システムとの親和性が高いという利点がある。
しかし、インテグラル立体テレビにおいては、十分な立体感を得るためには比較的大きなレンズ板を用いる必要がある。このため、インテグラル立体テレビの撮影機材はこれまでの放送用機材に比べて大型化し、機動性が損なわれるために取材時の弊害となるという問題があった。
一方、レンズ板を使わず、複数の角度から撮影した映像を用いてインテグラル立体テレビの映像を生成するシステムも検討されている。このシステムでは、被写体を取り囲むように複数のカメラを設置し、各カメラで撮影した被写体の画像の各点における距離情報と角度を用いた計算によって、インテグラル立体テレビの表示に適した映像を生成する。これまでにスポーツ番組などへの適用が検討されている。
しかし、レンズ板を使う必要が無い一方で、複数台のカメラを用いる必要があるため、カメラマンが1名で取材する場合などに用いることは難しいという問題があった。
このため、撮影機材の小型化が可能な立体映像用イメージセンサーが求められている。
1台の通常のカメラを用いた距離情報取得の手法として、焦点位置をずらした複数の画像中の焦点の合っている位置(合焦位置)またはぼけ量から対象の奥行き情報を得るDepth From Focus(DFF)やDepth From Defocus (DFD)等の手法がある。DFFやDFDでは、被写体の撮影時に焦点を変えた複数の画像を撮影し、その周波数成分を調べることで、画像中の合焦位置を判定し、各画素の距離情報を得る。焦点位置を変えるには、(1)レンズを調節する、又は、(2)イメージセンサーと被写体間の距離を調節する、という2種類の手法がある。
(1)のレンズを調節する場合は、レンズを構成するレンズ群を物理的に移動させることにより、焦点位置を変えて都度撮影を行う(例えば、特許文献1参照)。
例えば焦点距離の異なる100枚の静止画を撮影し、それらの画像から各画素における距離情報を取得する。これをもとにすれば、インテグラル立体テレビに適した静止画を生成できる。しかし、例えば毎秒60フレームのシステムにおいて立体動画像を生成するためには、1/60秒の間にレンズ群を物理的に移動させて100枚の静止画を撮影しなければならない。このため、応答速度の遅い通常のレンズを使用することはできず、例えば屈折率の異なる2種類の液体と圧電素子を用いた高速応答のレンズなどを使う必要があった(例えば、非特許文献1参照)。
一方、(2)のイメージセンサーと被写体間の距離を調節する手法としては、ア)カメラと被写体の距離を調節する、イ)特殊な光学系と複数のカメラを用いる、ウ)特殊なイメージセンサーを用いる、の3つの手法が挙げられる。
このうち、ア)は、一部の顕微鏡の機能として実現されている(例えば、特許文献2参照)。この顕微鏡では、顕微鏡レンズを搭載したカメラヘッドを上下することにより距離を調節する。最初に、被写体の最も奥の位置に焦点を合わせてカメラの位置を記憶し、次に最も手前の位置に焦点を合わせて位置を記憶する。自動制御によって記憶した2点間を適当な段数に分割し、各々の位置で撮影を繰り返す。この画像から被写体の各画素における距離情報を取得後、3次元的にモデルを生成する。そしてモデルに被写体の画像をマッピングすることによって、被写体を様々な方向から自由に観察することが可能になる。
しかし、この方式は、レンズを調節するシステムと同様に、カメラヘッドを物理的に移動させる必要があるため、応答速度が小さく、動画像のシステムとして実現することは難しい。
イ)は、例えばハーフミラーやプリズムによってレンズからカメラへの光路を分割し、それぞれにカメラを取り付ける方法で実現できる(例えば、特許文献3参照)。この場合、各カメラへの光路長はそれぞれ段階的に異なるようにし、合焦の異なる状態が撮影できる条件とする。各カメラから出力される画像を処理することで、距離情報を得ることができる。この場合、それぞれのカメラは通常の撮影速度で画像を撮影することができるという利点がある。
しかし、例えば焦点距離の異なる100枚の画像を撮影するためには100台のカメラとそれぞれに接続するハーフミラーやプリズムが必要で、システムが大型化するという問題がある。
ウ)としては、積層構造を有するイメージセンサーが挙げられる(例えば、特許文献4参照)。このイメージセンサーは、受光素子を所定の間隔で透明な基板の上に配置したイメージセンサーを複数用意し、受光素子の2次元的な座標が重ならないように、基板を積層した構造を有している。
この場合、それぞれの受光素子の情報を通常の速度で撮影し、並列的に読み出して画像処理することで、各画素の距離情報を得ることができる。しかし、例えば焦点距離の異なる100枚の画像を読み出すためには、1つの画素を10×10の合計100の受光素子で構成する必要がある。このため1画素のサイズが大きくなり、解像度を大きくすることが難しいという問題がある。
奥、石川、石川 光学系と画像処理系の速度を整合した高速フォーカスビジョン 日本ロボット学会誌 Vol. 27, No. 7, pp.739~748, 2009
以上のように、従来のカメラやイメージセンサーは、立体的な動画を得るためには、大型化を伴う、又は、簡便に撮影ができない、等の課題があった。
そこで、本発明は、小型で容易に立体画像を撮影できる撮像装置、及び、撮像システムを提供することを目的とする。
本発明の一局面の撮像装置は、透明基板と、前記透明基板の一方の面に配設され、透過性を有する受光素子とを有する撮像素子を複数含み、前記透明基板と前記受光素子とが交互に重なるように前記複数の撮像素子を重ねた撮像装置であって、前記複数の撮像素子はそれぞれ異なる焦点距離を有し、前記複数の撮像素子に含まれる各受光素子の受光量が等しくなるように、各受光素子の厚さが設定される。
本発明によれば、小型で容易に立体画像を撮影できる撮像装置、及び、撮像システムを提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の撮像装置、及び、撮像システムを適用した実施の形態について説明する。
[実施の形態]
図1は、実施の形態の撮像装置を示す断面図である。図1では図示するように直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
図1は、実施の形態の撮像装置を示す断面図である。図1では図示するように直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
実施の形態の撮像装置100は、透明基板110−1〜110−n、受光素子120−1〜120−n、駆動回路130−1〜130−n、及び接合層140−1〜140−(n−1)を含む。ここで、nは、2以上の自然数である。
受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nは、それぞれ、添え数字(1〜n)が等しい透明基板110−1〜110−nの表面(図1中の上面)に形成されている。
受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nがそれぞれ上面に形成された透明基板110−1〜110−nは、図1に示すように接合層140−1〜140−(n−1)によって接合されている。
なお、図1では、分かり易さの観点から、接合層140−1〜140−(n−1)を受光素子120−1〜120−nの上に示すが、接合層140−1〜140−(n−1)で透明基板110−1〜110−nを接合した状態では、接合層140−1〜140−(n−1)の厚さは無視できる厚さであり、透明基板110−1〜110−nの間隔は、受光素子120−1〜120−nの厚さに対応する。
透明基板110−1〜110−nは、例えば、ガラス基板である。各透明基板110−1〜110−nの表面には、受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nがマトリクス状に配列される。また、受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nは、矢印Aで示す光入射方向から見た位置が一致するように配列されている。このため、図1に破線で示す部分が1つの画素に対応する。
受光素子120−1〜120−nは、例えば、透過性を有する有機光電変換膜を用いた受光素子で作製した受光素子である。駆動回路130−1〜130−nは、それぞれ、受光素子120−1〜120−nに接続されており、受光素子120−1〜120−nから撮像信号を読み出す。なお、受光素子120−1〜120−nは、シリコン薄膜で作製されていてもよい。
ここで、透明基板110−1〜110−nの各々に、添え数字(1〜n)の等しい受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nを積層したものを撮像素子101として取り扱う。図1には、見易さの観点から、添え数字が1(n=1)の撮像素子101のみに符号を付すが、図1に示す撮像装置100は、n個(n層)の撮像素子101を含む。
撮像装置100は、これら受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nがマトリクス状に並べられた撮像素子101を、接合層140−1〜140−(n−1)を介して複数積層することによって構成されている。
2次元座標(XY座標)の等しい受光素子120−1〜120−nと駆動回路130−1〜130−nを深さ方向(Z軸方向)にまとめたものを画素とする。各画素において、受光素子120−1〜120−nから被写体までの焦点距離は異なるため、レンズ群やカメラ位置を移動することなく、異なる焦点距離を持つ動画像の撮影が可能となる。また、ハーフミラーや複数のカメラを用いることなく、小型の撮影機材で異なる焦点距離を持つ動画像の撮影が可能となる。また、画素を分割する必要がなく解像度の高い動画像の撮影が可能となる。なお、受光素子120−1〜120−nから被写体までの焦点距離は異なることについては、図2を用いて後述する。
撮像装置100における各層の受光素子120−1〜120−nの透過率は、撮像装置100に、ある一定の強度の平行光をZ軸正方向側からZ軸負方向側に矢印Aで示すように照射した際に、全ての層の受光素子120−1〜120−nにおける受光量が同一となる値に設定してある。すなわち、撮像装置100の各受光素子120−1〜120−nは段階的に変化する厚さを有する。
図1に示すように、n層の撮像素子101を重ねた構成を有する撮像装置100において、各撮像素子101の受光素子120−1〜120−n内の有機光電変換膜の厚さをd1、d2、d3、d4…dm、dm+1...dnとする。
なお、受光素子120−1〜120−nをシリコン薄膜で作製する場合は、受光素子120−1〜120−nの厚さをd1、d2、d3、d4…dm、dm+1...dnとすればよい。
平行光の照射強度をXとしたとき、全ての撮像素子101の受光素子120−1〜120−nにおける受光量を同一とすれば、各受光素子120−1〜120−nにおける受光量はX/nとなる。
このとき、上から1番目の撮像素子101の受光素子120−1に入射する光強度はXであり、受光素子120−1の入射面(図1における上面)における反射率を0とすれば、2番目の撮像素子101の受光素子120−2に入射する光強度はX−X/nであり、3番目の撮像素子101の受光素子120−3に入射する光強度はX−2X/nである。
すなわち、上からm番目の撮像素子101の受光素子120−mに入射する光強度は、X−(m−1)X/nであり、m+1番目の撮像素子101の受光素子120−(m+1)に入射する光強度はX−mX/nである。すなわち、m番目の撮像素子101の受光素子120−mの透過率Tmは、式(1)で表すことができる。
図2は、実施の形態の撮像装置100の透明基板110−1〜110−nの厚さを示す図である。図2には、撮像装置100の表面側(Z軸正方向側)にレンズ150を設け、三角錐160を撮影する場合を示す。図2において、三角錐160は、頂点をレンズ150に向けた状態で存在しているものとする。
撮像装置100は、図2に示すように、各撮像素子101の透明基板110−1〜110−nの厚さD1、D2、D3...Dnを、レンズ150の焦点距離が所望のL1、L2、L3...Lnになるように調整することができる。これにより、焦点距離の異なる画像の数(n)を自由に決めることが可能である。なお、I1、I2、I3...Inは、レンズ150の中心から被写体である三角錐160までの距離であり、それぞれ、焦点距離L1、L2、L3...Lnと同一である。
例えば、図2に示すように三角錐160を撮影する際には、各受光素子120−1〜120−nで得られるn個の撮像信号から得られるn個の画像から、それぞれ、焦点距離L1、L2、L3...Lnに近い部分のn個の画像(部分画像)のみを抽出し、n個の部分画像を合成すれば、三角錐160の表面全体に焦点が合った立体的な画像を得ることができる。このような画像は、三角錐160の表面の全体に、焦点距離から得られる距離情報を有する画像である。
画像に含まれる距離情報が表す距離は、焦点距離L1、L2、L3...Lnから計算で求めることができる。図2に示す三角錐160の画像には、焦点距離L1、L2、L3...Lnについての情報が含まれるため、三角錐160の表面全体について受光素子120−1〜120−nとの間の距離を計算することができる。
図3は、実施の形態の撮像装置100を含む撮像システム100Aの構成を示す図である。
撮像システム100Aは、図3に示すように、撮像装置100、増幅回路170−1〜170−n、画像処理装置180、及び表示装置190を含む。
増幅回路170−1〜170−nは、それぞれ、各撮像素子101の受光素子120−1〜120−nから出力された撮像信号を増幅し、それらを画像処理装置180に入力する。
画像処理装置180は、各増幅回路170−1〜170−nから入力される撮像信号の合焦位置を判定し、n個の部分画像を合成する。画像処理装置180の合成処理よって生成される合成画像は、焦点距離から得られる距離情報を有するため、撮像システム100Aでは、各画素に距離情報を付加することができる。
このような撮像システム100Aを用いることにより、例えば、インテグラル立体テレビに適した仕様の映像を出力することができる。
以下、実施の形態の撮像装置100の実施例1乃至5について説明する。
<実施例1>
図4は、実施例1の撮像装置210の構造を示す図である。実施例1の撮像装置210は、焦点距離の異なる4つの動画像を同時に取得するモノクロカメラである。
図4は、実施例1の撮像装置210の構造を示す図である。実施例1の撮像装置210は、焦点距離の異なる4つの動画像を同時に取得するモノクロカメラである。
図4(A)に示すように、撮像装置100は、4枚の撮像素子101を積層した構造を有している。撮像素子101は、透明基板110−1〜110−4としてガラス基板を用い、その表面に受光素子120−1〜120−4、駆動回路130−1〜130−4、及び読み出し電極等を形成して作製する。
図4(B)には、受光素子120−1を拡大して示す。受光素子120−1は、2枚のITO透明電極121、122の間に、有機光電変換膜123を挟むようにして形成する。例えば有機光電変換膜123の材料としては、アクリジン、クマリン、キナクリドン、シアニン、スクエアリリウム、オキサジン、キサンテントリフェニルアミン、ベンジジン、ピラゾリン、スチリルアミン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、カルバゾール、ポリシラン、チオフェン、ポリアミン、オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、キノキサリン、フェナンスロリン、フラーレン、アルミニウムキノリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリチオール、ポリピロール、ポリチオフェンおよびこれらの誘導体などを単独で、もしくは、これらに代表される有機材料を2種類以上混合ないし積層して用いることができる。
なお、透明電極121、122は、例えば、スパッター法等でITO膜を成膜することによって形成すればよい。
また、必要であれば、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、バッファー層などを挿入することができる。電子ブロッキング層は、透明電極121、122のうち陰極となる電極と有機光電変換膜123との間に挿入すればよい。また、正孔ブロッキング層は、透明電極121、122のうち陽極となる電極と有機光電変換膜123との間に挿入すればよい。
また、バッファー層は、透明電極121、122と有機光電変換膜123との間に挿入すればよい。また、電子ブロッキング層や正孔ブロッキング層を用いる場合は、電子ブロッキング層や正孔ブロッキング層と、透明電極121、122との間にそれぞれ挿入すればよい。バッファー層は、透明電極121、122と、各層とのバンドギャップの調整や、透明電極121、122の形成時に有機光電変換膜123が受けるダメージを軽減するための層である。
電子ブロッキング層を形成する材料としてはトリフェニルアミン系化合物など、正孔ブロッキング層を形成する材料としてはフェナンスロリン系化合物、アルミニウムキノリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物など、バッファー層を形成する材料としてはナフタレン系化合物など、一般に有機デバイスで扱われている材料を挙げることができる。
有機光電変換膜123は、全ての受光素子120−1〜120−4に含まれる有機光電変換膜123において等しい受光量が得られるように、蒸着量を調整して厚さを変化させた。
具体的には、可視光の中心波長を550nmとし、その波長におけるキナクリドンの吸収係数を1.3×105cm-1とした。この場合、光入射側から第1層となる受光素子120−1の有機光電変換膜123の厚さを22.1nm、第2層となる受光素子120−2の有機光電変換膜123の厚さを31.2nm、第3層となる受光素子120−3の有機光電変換膜123の厚さを53.3nm、第4層となる受光素子120−4の有機光電変換膜123の厚さを100nmとした。
また駆動回路130−1〜130−4として、ZnO(酸化亜鉛)薄膜を用いて、信号読み出しのトランジスタを形成した。4層の各層において平面視でマトリクス状に配設される受光素子120−1〜120−4の周囲には、読み出し用の回路やノイズ低減回路、アナログデジタル変換回路を設けてもよい。
また透明基板110−1〜110−4の厚さを、それぞれ、977.9μm、968.8μm、946.7μm、900μmとした。これは、透明基板110−1〜110−4と受光素子120−1〜120−4の厚さが第1層から第4層まで同一になるようにするためである。
このようにして得る4層の撮像素子101を、接合層140−1〜140−3としてベンゾシクロブテンを介して積層させて撮像装置100を構成した。なお、ベンゾシクロブテンの厚さは無視することができる。
各撮像素子101の出力側に、増幅率が4倍の増幅回路170−1〜170−4(図3参照)を接続し、出力信号を画像処理装置180に入力した。なお、増幅回路170−1〜170−4は、それぞれの撮像素子101の上に設けても構わない。
焦点深度の浅いレンズ150(図2参照)を用いて撮影した4枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。
これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
また、実施例1の撮像装置210は、撮影機材の複雑化を防いで小型化を図ることができる。
なお、立体映像(立体画像)の生成は、例えば、アドバン オートメーション株式会社製のFlexScopeや株式会社リンクスのHALCON等のプログラムを用いることができる。また、立体画像の生成については、"多視点映像処理技術の放送応用"、岩館、映像情報メディア学会技術報告、vol.33, no.42, 3DIT2009-71, IDY2009-97, 2009, p.21-28、又は、"A method for converting three-dimensional models into auto-stereoscopic images based on integral photography", M. Katayama, et al., SPIE, Bellingham, 6805-35, 2008, p.68050Z.1-68050Z.8等に記載されている。
また、透明基板110−1〜110−4の厚さは透明基板110−1〜110−4の厚さの数%程度であるため、透明基板110−1〜110−4の厚さを一定にしてもよい。例えば、透明基板110−1〜110−4の厚さをすべて100μmにしてもよい。
<実施例2>
図5は、実施例2の撮像装置220を示す図である。図5(A)には撮像装置220の断面を示し、図5(B)には撮像装置220の受光素子120−1を拡大して示す。
<実施例2>
図5は、実施例2の撮像装置220を示す図である。図5(A)には撮像装置220の断面を示し、図5(B)には撮像装置220の受光素子120−1を拡大して示す。
実施例2では、焦点距離の異なる5つの動画像を同時に取得する単板式カラーカメラとしての撮像装置220について説明する。
図5(A)に示すように、撮像装置220は、5枚の撮像素子101を積層した構造を有している。撮像装置220の撮像素子101は、透明基板110−1〜110−5としてガラス基板を用い、その表面に青緑赤の各色に対応する受光素子120−1〜120−5、駆動回路130−1〜130−5、及び読み出し電極等を形成することにより、単板式のカラーカメラを構成する。
各受光素子120−1〜120−5は、上から青緑赤に対応する3つの吸収層を、窒化シリコンや二酸化シリコンなどの絶縁膜141を介して積層した構成を有する。
1つの吸収層は2枚のITO透明電極121(121B、121G、121R)、122(122B、122G、122R)の間に、有機光電変換膜123(123B、123G、123R)を挟むようにして形成する。
青色では、有機光電変換膜123Bにクマリン誘導体やポルフィリン誘導体を用いることができる。また、緑色では、有機光電変換膜123Gにキナクリドン誘導体やペリレン誘導体を用いることができる。また、赤色では、有機光電変換膜123Rにフタロシアニン誘導体やオキサジン誘導体を用いることができる。それ以外にも、アクリジン、シアニン、スクエアリリウム、キサンテントリフェニルアミン、ベンジジン、ピラゾリン、スチリルアミン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、カルバゾール、ポリシラン、チオフェン、ポリアミン、オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、キノキサリン、フェナンスロリン、フラーレン、アルミニウムキノリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリチオール、ポリピロール、ポリチオフェンおよびこれらの誘導体などを単独で、もしくは、これらに代表される有機材料を2種類以上混合ないし積層することで青、緑、もしくは赤色に対応する光電変換膜を形成することが可能である。
また必要であれば、電子輸送材料、正孔輸送材料、電子ブロッキング材料、正孔ブロッキング材料、バッファー層などを挿入することができる。電子ブロッキング層を形成する材料としてはトリフェニルアミン系化合物など、正孔ブロッキング層を形成する材料としてはフェナンスロリン系化合物、アルミニウムキノリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物など、バッファー層を形成する材料としてはナフタレン系化合物など、一般に有機デバイスで扱われている材料を挙げることができる。
受光素子120−1〜120−5は、5つの層の全ての層において受光量が同じになるように、蒸着量を調整して厚さを変化させた。具体的には、青の波長を450nmとし、その波長におけるクマリン30の吸収係数を1.1×105cm-1として膜厚を決定した。
また、緑の波長を550nmとし、その波長におけるキナクリドンの吸収係数を1.3×105cm-1として膜厚を決定した。また、赤の波長を650nmとし、その波長における亜鉛フタロシアニンの吸収係数を1.1×105cm-1として膜厚を決定した。
この場合、第1層の受光素子120−1の青色用の部分の厚さ(透明電極121B、122B、有機光電変換膜123Bの合計の厚さ)が20.29nm、緑色用の部分の厚さ(透明電極121G、122G、有機光電変換膜123Gの合計の厚さ)が17.16nm、赤色用の部分の厚さ(透明電極121R、122R、有機光電変換膜123Rの合計の厚さ)が20.29nmとした。
また、第2層の受光素子120−2の青色用の部分の厚さが26.15nm、緑色用の部分の厚さが22.13nm、赤色用の部分の厚さが26.15nmとした。
また、第3層の受光素子120−3の青色用の部分の厚さが36.86nm、緑色用の部分の厚さが31.19nm、赤色用の部分の厚さが36.86nmとした。
第4層の受光素子120−4の青色用の部分の厚さが63.01nm、緑色用の部分の厚さが53.32nm、赤色用の部分の厚さが63.01nmとした。
第5層の受光素子120−5の青色用の部分の厚さが100nm、緑色用の部分の厚さが100nm、赤色用の部分の厚さが100nmとした。
また、駆動回路130−1〜130−5として、ZnO(酸化亜鉛)薄膜を用いて、信号読み出しのトランジスタを形成した。平面視でマトリクス状に配設される受光素子120−1〜120−5の周囲には、読み出し用の回路やノイズ低減回路、アナログデジタル変換回路を設けてもよい。
また、受光素子120−1〜120−5の厚さと、透明基板110−1〜110−5との厚さの合計が5層の各々において1mmとなるように、透明基板110−1〜110−5の厚さを決定し、これらの5層の撮像素子101を積層して撮像装置220を作製した。
各撮像素子101の出力に増幅率が5倍の増幅回路170(170−1〜170−5(図3参照))を接続し、出力信号を画像処理装置180に入力した。なお、増幅回路170は、それぞれの撮像素子101の上に設けても構わない。
焦点深度の浅いレンズ150(図2参照)を用いて5層の撮像素子101で撮影した5枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。
これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
また、実施例2の撮像装置220は、撮影機材の複雑化を防いで小型化を図ることができる。
なお、透明基板110−1〜110−5の厚さはすべて同一であってもよい。
<実施例3>
図6は、実施例3の撮像装置230の断面構造を示す図である。実施例3の撮像装置230は、シリコン薄膜で作製した光電変換膜を含む点が有機光電変換膜を含む実施例1、2の撮像装置210、220と異なる。
図6は、実施例3の撮像装置230の断面構造を示す図である。実施例3の撮像装置230は、シリコン薄膜で作製した光電変換膜を含む点が有機光電変換膜を含む実施例1、2の撮像装置210、220と異なる。
撮像装置230は、透明基板110−1〜110−4、シリコンデバイス層220−1〜220−4、及び接合層230−1〜230−3を含む。図6に示す撮像装置230は、1つの被写体について、焦点距離の異なる4つの動画像を同時に取得するモノクロカメラである。
なお、図6には、一例として4層構造の撮像装置230を示すが、図1に示す撮像装置100と同様に、n層構造にすることができる。撮像装置230は、4つの撮像素子101を含む。
シリコンデバイス層220−1〜220−4は、それぞれ、透明基板110−1〜110−4の表面に形成されている。シリコンデバイス層220−1〜220−4が表面に形成された4層の透明基板110−1〜110−4は、接合層230−1〜230−3によって接合されている。
透明基板110−1〜110−4及びシリコンデバイス層220−1〜220−4としては、4枚のSOQ(Silicon on Quartz)基板を用いた。透明基板110−1〜110−4及びシリコンデバイス層220−1〜220−4のうち添え数字の等しいもの同士を1枚のSOQ基板で作製した。透明基板110−1〜110−4は、SOQ基板に含まれるガラス基板であり、シリコンデバイス層220−1〜220−4は、SOQ基板に含まれるシリコン層で作製した。なお、SOQ基板は厚さ1mmで厚さ1μmのp型シリコン層を含むものを用いた。
受光素子120−1〜120−4と駆動回路130−1〜130−4は、シリコンデバイス層220−1〜220−4の内部に形成されている。受光素子120−1〜120−4は、例えば、シリコンデバイス層220−1〜220−4に形成されるフォトダイオードである。また、駆動回路130−1〜130−4は、CMOS(Complementary Metal Oxide Silicon)トランジスタで作製した。なお、シリコンデバイス層220−1〜220−4の厚さと受光素子120−1〜120−4の厚さは等しい。
シリコンデバイス層220−1〜220−4は、SOQ基板の表面の厚さ1μmのp型シリコン層に作製した。シリコンデバイス層220−1〜220−4に含まれる受光素子120−1〜120−4は、全ての層において受光量が同じなるように、エッチング処理を行うことによってシリコンデバイス層220−1〜220−4の厚さを変化させた。
具体的には、可視光の中心波長を530nmとし、その波長におけるシリコンの吸収係数を1×104cm−1として受光素子120−1〜120−4の膜厚を決定した。
この場合、第1層のシリコンデバイス層220−1の厚さが0.288μm、第2層のシリコンデバイス層2200−2の厚さが0.406μm、第3層のシリコンデバイス層220−3の厚さが0.693μm、第4層のシリコンデバイス層220−1はエッチングをせずに厚さを1μmとした。
受光素子120−1〜120−4にイオン注入によりフォトダイオードを形成した。また駆動回路130−1〜130−4として、リセット回路、アンプ、信号読み出しのトランジスタを形成した。受光素子120−1〜120−4の周囲には、読み出し用の回路やノイズ低減回路、アナログデジタル変換回路を設けてもよい。
また、透明基板110−1〜110−4及びシリコンデバイス層220−1〜220−4を含む4枚のSOQ基板を接合層230−1〜230−3としてのベンゾシクロブテンを介して積層することによって撮像装置230を作製した。透明基板110−1〜110−4及びシリコンデバイス層220−1〜220−4は、4対の撮像素子である。
各受光素子120−1〜120−4の出力に増幅率が4倍の増幅回路170−1〜170−4(図3参照)を接続し、出力信号を画像処理装置180に入力した。また増幅回路170−1〜170−4は、それぞれの撮像素子の上に設けても構わない。
焦点深度の浅いレンズ150(図2参照)を用いて撮影することによってシリコンデバイス層220−1〜220−4から得た4枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。
これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
また、実施例3の撮像装置230は、撮影機材の複雑化を防いで小型化を図ることができる。
<実施例4>
図7は、実施例4の撮像装置240と撮像システム240Aを示す図である。
図7は、実施例4の撮像装置240と撮像システム240Aを示す図である。
図7(A)に示すように、撮像システム240Aは、撮像装置240B、240G、240R、レンズ150、及びプリズム190を含む。撮像システム240Aは、焦点距離の異なる5つの動画像を同時に取得する3板式カラーカメラである。
撮像装置240B、240G、240Rは、それぞれ、青色光、緑色光、赤色光に感度を有する撮像装置であり、CMOSトランジスタを用いた駆動回路を含む。
撮像システム240Aは、青色光、緑色光、赤色光に感度を有する撮像装置240B、240G、240Rをプリズム190に貼り付けることにより、3板式のカラーカメラを実現している。プリズム190は、レンズ150から入射される光を青色光を含む波長帯域の光、緑色光を含む波長帯域の光、赤色光を含む波長帯域の光の3つの波長帯域の光に分光する。プリズム190が分光する3つの波長帯域は、撮像装置240B、240G、240Rの特性等との関係で適宜設定すればよい。
被写体からの反射光は、レンズ150を介してプリズム190に入射し、図7(A)に示すような光路を辿って撮像装置240B、240G、240Rの各々に入射する。撮像装置240B、240G、240Rには、プリズム190によって分光される青色光、緑色光、赤色光がそれぞれ入射される。
なお、撮像装置240B、240G、240Rは、シリコンデバイス層220−1〜220−5の厚さが異なるだけで基本的な構成は同様であるため、以下において撮像装置240B、240G、240Rを特に区別しない場合には、単に撮像装置240と称す。
図7(B)に示すように、撮像装置240は、透明基板110−1〜110−5、シリコンデバイス層220−1〜220−5、及び接合層230−1〜230−4を含む。図6に示す撮像装置240は、1つの被写体について、焦点距離の異なる5つの動画像を同時に取得するカメラである。
透明基板110−1〜110−5及びシリコンデバイス層220−1〜220−5は、厚さ5μmのp型シリコン層を含むSOQ基板を5枚用いて作製した。
なお、図7には、一例として5層構造の撮像装置240を示すが、図1に示す撮像装置100と同様に、n層構造にすることができる。
シリコンデバイス層220−1〜220−5は、それぞれ、透明基板110−1〜110−5の表面に形成されている。シリコンデバイス層220−1〜220−5が表面に形成された4層の透明基板110−1〜110−5は、接合層230−1〜230−4によって接合されている。
受光素子120−1〜120−5と駆動回路130−1〜130−5は、シリコンデバイス層220−1〜220−5の内部に形成されている。受光素子120−1〜120−5は、例えば、フォトダイオードである。また、駆動回路130−1〜130−5は、CMOS(Complementary Metal Oxide Silicon)トランジスタで作製した。なお、シリコンデバイス層220−1〜220−5の厚さと受光素子120−1〜120−5の厚さは等しい。
シリコンデバイス層220−1〜220−5は、それぞれ、5枚のSOQ基板のシリコン層に作製した。受光素子120−1〜120−5は、全ての層において受光量が同じなるように、エッチング処理によって厚さを変化させた。
具体的には、赤の波長を700nmとし、その波長におけるシリコンの吸収係数を2×103cm−1として撮像装置240Rのシリコンデバイス層220−1〜220−5の膜厚を決定した。この場合、第1層のシリコンデバイス層220−1の厚さが1.116μm、第2層のシリコンデバイス層220−2の厚さが1.438μm、第3層のシリコンデバイス層220−3の厚さが2.027μm、第4層のシリコンデバイス層220−4の厚さが3.466μm、第5層のシリコンデバイス層220−5はエッチングをせずに膜厚を5μmとした。
また緑の波長を530nmとし、その波長におけるシリコンの吸収係数を1×104cm−1として撮像装置240Gのシリコンデバイス層220−1〜220−5の膜厚を決定した。
この場合、第1層のシリコンデバイス層220−1の厚さが0.223μm、第2層のシリコンデバイス層220−2の厚さが0.288μm、第3層のシリコンデバイス層220−3の厚さが0.406μm、第4層のシリコンデバイス層220−4の厚さが0.693μm、第5層のシリコンデバイス層220−5はエッチングをせずに膜厚を5μmとした。
また青の波長を460nmとし、その波長におけるシリコンの吸収係数を2×104cm−1として撮像装置240Bのシリコンデバイス層220−1〜220−5の膜厚を決定した。この場合、第1層のシリコンデバイス層220−1の厚さが0.112μm、第2層のシリコンデバイス層220−2の厚さが0.144μm、第3層のシリコンデバイス層220−3の厚さが0.203μm、第4層のシリコンデバイス層220−4の厚さが0.347μm、第5層のシリコンデバイス層220−5はエッチングをせずに膜厚を5μmとした。
受光素子120−1〜120−4を作製するためにシリコンデバイス層220−1〜220−5にイオン注入を行うことによりフォトグイオードを形成した。また駆動回路130−1〜130−5として、リセット回路、アンプ、信号読み出しのトランジスタを形成した。
受光素子120−1〜120−4の周囲には、読み出し用の回路やノイズ低減回路、アナログデジタル変換回路を設けてもよい。
またSOQ基板の厚さを1mmとし、これらの撮像素子を積層してイメージセンサーを構成した。
撮像装置240B、240G、240Rの各々の出力側に増幅率が5倍の増幅回路170を接続し、焦点深度の浅いレンズ150(図2参照)を用いて撮影することによってシリコンデバイス層220−1〜220−5から得た5枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。
これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
また、実施例4の撮像装置240は、撮影機材の複雑化を防いで小型化を図ることができる。
<実施例5>
実施例5では、実施例1乃至4において受光素子120−1〜120−nの厚さを変えることによって各受光素子の受光量を一定とした変わりに、受光素子120−1〜120−nの厚さを一定として、増幅回路170の増幅率を調整する。なお、ここでは、図1乃至図3を援用する。
実施例5では、実施例1乃至4において受光素子120−1〜120−nの厚さを変えることによって各受光素子の受光量を一定とした変わりに、受光素子120−1〜120−nの厚さを一定として、増幅回路170の増幅率を調整する。なお、ここでは、図1乃至図3を援用する。
n層の撮像素子101で構成された撮像装置250において、各撮像素子101の受光素子120−1〜120−nの厚さをdとする。また、全ての受光素子120−1〜120−nにおける透過率をTとする。平行光の照射強度をXとしたとき、上から1番目の撮像素子101の受光素子120−1に入射する光強度はXであり、受光素子101の入射面における反射率が0とすれば、2番目の撮像素子101の受光素子120−2に入射する光強度はTXであり、3番目の撮像素子101の受光素子120−3に入射する光強度はT2Xで、4番目の撮像素子101の受光素子120−4に入射する光強度はT3Xである。すなわち、m番目の撮像素子101の受光素子120−mに入射する光強度はTm−1Xであり、m+1番目の撮像素子101の受光素子120−(m+1)に入射する光強度はTmXである。すなわち、m番目の撮像素子101の受光素子120−mにおける吸収光量は、式(5)で表すことができる。
実施例5の撮像装置250は焦点距離の異なる4つの動画像を同時に取得するモノクロカメラとする。撮像装置250は、4層の撮像素子101を積層した構成を有し、各撮像素子101はCMOSトランジスタを用いた駆動回路を含む。
また、実施例5の撮像装置250を用いた撮像システム100Aは、図3に示す撮像装置100の変わりに、図8に示す撮像装置250を用いたものである。
撮像装置250は、透明基板110−1〜110−4、シリコンデバイス層220−1〜220−4、及び接合層230−1〜230−3を含む。
シリコンデバイス層220−1〜220−4は、それぞれ、透明基板110−1〜110−4の表面に形成されている。シリコンデバイス層220−1〜220−4が表面に形成された4層の透明基板110−1〜110−4は、接合層230−1〜230−3によって接合されている。
受光素子120−1〜120−4と駆動回路130−1〜130−4は、シリコンデバイス層220−1〜220−4の内部に形成されている。
撮像素子101は、厚さ0.3μmのp型デバイス層と厚さ999.7μmの透明基板を持つSOQ基板を用いて作製する。各層の受光素子120−1〜120−4の厚さは全て同じである。受光素子部にイオン注入によりフォトダイオードを形成した。また駆動回路130−1〜130−4として、リセット回路、アンプ、信号読み出しのトランジスタを形成した。
受光素子120−1〜120−4の周囲には、読み出し用の回路やノイズ低減回路、アナログデジタル変換回路を設けてもよい。
4層の撮像素子101を接合層230−1〜230−3としてのベンゾシクロブテンを介して(厚さは無視できる程度に薄い)積層して撮像装置250を作製した。
可視光の中心波長を530nmとし、その波長におけるシリコンの吸収係数を1×104cm-1とした場合、各層の撮像素子101における透過率は74.1%である。すなわち、平行光の照射強度をXとしたとき、1層目の撮像素子101における吸収光量はX−0.741X=0.259X、2層目の撮像素子101における吸収光量は0.741X−(0.741)2X=0.192X、3層目の撮像素子101における吸収光量は(0.741)2X−(0.741)3X=0.142X、4層目の撮像素子101における吸収光量は(0.741)3X−(0.741)4X=0.105Xとなる。
このため、各撮像素子101の出力に、吸収光量の係数の逆数である増幅率がそれぞれ3.86、5.21、7.04、9.52倍の増幅回路170−1〜170−4を接続し、出力信号を画像処理装置180に入力した。また増幅回路170−1〜170−4は、それぞれの撮像素子101の上に設けても構わない。
焦点深度の浅いレンズを用いて撮影した4枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
焦点深度の浅いレンズ150(図2参照)を用いて撮影することによってシリコンデバイス層220−1〜220−4から得た4枚の画像に対し、各画素における局所的な空間周波数分析を行い、画素内で最も高い周波数を有する層を合焦位置とした。これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。
これを用いて各画素に焦点距離の情報を持たせることができた。この情報を元に、インテグラル立体テレビに適した画像を合成し、レンズアレイを通すことにより、立体映像を見ることができる。
また、実施例5の撮像装置250、及び、撮像装置250を用いた撮像システム100Aは、撮影機材の複雑化を防いで小型化を図ることができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の撮像装置、及び、撮像システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100、210、220、230、240、250 撮像装置
101 撮像素子
110−1〜110−n 透明基板
120−1〜120−n 受光素子
130−1〜130−n 駆動回路
140−1〜140−(n−1) 接合層
100A、240A 撮像システム
170−1〜170−n 増幅回路
180 画像処理装置
190 表示装置
101 撮像素子
110−1〜110−n 透明基板
120−1〜120−n 受光素子
130−1〜130−n 駆動回路
140−1〜140−(n−1) 接合層
100A、240A 撮像システム
170−1〜170−n 増幅回路
180 画像処理装置
190 表示装置
Claims (6)
- 透明基板と、前記透明基板の一方の面に配設され、透過性を有する受光素子とを有する撮像素子を複数含み、前記透明基板と前記受光素子とが交互に重なるように前記複数の撮像素子を重ねた撮像装置であって、
前記複数の撮像素子はそれぞれ異なる焦点距離を有し、前記複数の撮像素子に含まれる各受光素子の受光量が等しくなるように、各受光素子の厚さが設定される、撮像装置。 - 前記受光素子は、有機光電変換膜を有する、請求項1又は2記載の撮像装置。
- 前記受光素子は、第1波長の光に感度を有する第1有機光電変換膜を含む第1受光素子、第2波長の光に感度を有する第2有機光電変換膜を含む第2受光素子、及び、第3波長の光に感度を有する第3有機光電変換膜を含む第3受光素子が積層された積層型の受光素子である、請求項1乃至3のいずれか一項記載の撮像装置。
- 前記受光素子は、シリコン薄膜製の光電変換膜を有する、請求項1又は2記載の撮像装置。
- 透明基板と、前記透明基板の一方の面に配設され、透過性を有する受光素子とを有する撮像素子を複数含み、前記透明基板と前記受光素子とが交互に重なるように前記複数の撮像素子を重ねた撮像装置と、
前記複数の撮像素子の出力側にそれぞれ接続される複数の増幅部と
を含み、
前記複数の撮像素子はそれぞれ異なる焦点距離を有し、前記複数の受光素子は互いに等しい厚さを有し、前記複数の増幅部の増幅率は、前記複数の受光素子が出力する撮像信号を増幅した後の信号レベルが等しくなるように設定される、撮像システム。
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