JP2014104434A - 水浄化装置、水浄化方法及び水浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光発電機能と水浄化機能とを備えており、構成部品が少なく、設置が容易であり、水の浄化効率に優れた水浄化装置、それを用いた水浄化方法及び水浄化システムを提供する。
【解決手段】本発明の水浄化装置1は、光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、半導体層の受光面側に配され、受光面に透明な保護層を備える第1電極と、反受光面側に配された裏面側の第2電極と、を有する太陽光発電パネル4を備えており、第1電極には水路が形成されており、第1電極は光触媒部材により形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の水浄化装置1は、光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、半導体層の受光面側に配され、受光面に透明な保護層を備える第1電極と、反受光面側に配された裏面側の第2電極と、を有する太陽光発電パネル4を備えており、第1電極には水路が形成されており、第1電極は光触媒部材により形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、水浄化装置、それを用いた水浄化方法及び水浄化システムに関する。更に詳しくは、本発明は、太陽光発電機能と水浄化機能とを備えており、水の浄化効率に優れた水浄化装置、それを用いた水浄化方法及び水浄化システムに関する。
従来より、光触媒による浄化作用を利用した様々な水浄化装置が検討されている。具体的には、例えば、太陽光発電パネルの表面に光触媒を配置し、パネルに流す水を浄化する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、太陽光発電パネルの傾斜を利用して光触媒による水浄化領域を設け、その領域の流水を浄化する技術が提案されている(特許文献2参照)。更には、太陽光発電で得られた電力をもとに、別に用意した水浄化ユニットを駆動させ、殺菌処理した水を供給する技術が提案されている(特許文献3、4参照)。
しかしながら、特許文献1等の従来技術では、パネル表面に光触媒を配置する手間が必要となるほか、表面にガラス層が存在し、水によるパネルの冷却効率が十分であるとはいえない。また、特許文献2等の従来技術では、発電領域と浄化領域とが必要となり、スペース効率が十分であるとはいえない。更に、特許文献3、4等の従来技術では、水浄化ユニットに付帯する電気設備、タンク等が大規模になる傾向にあり、装置を設置するための場所、設置工数等の初期投入コストが大きくなる傾向にある。また、これらの従来技術では、飲料水に困る可能性がある地域や場所(発展途上国、災害地域、山間部、離島等)には導入が困難である。たとえ、導入したとしても浄化ユニットの駆動に必要な電解液の補充や消耗品の交換によるランニングコストの増大、定期的なメンテナンスが必要となり、継続的な使用が困難となる場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、構成部品が少なく、設置が容易であり、浄化効率に優れた水浄化装置、それを用いた水浄化方法及び水浄化システムを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、
半導体層の受光面側に配され、受光面に透明な保護層を備える第1電極と、反受光面側に配された裏面側の第2電極と、を有する太陽光発電パネルを備えており、
前記第1電極には水路が形成されており、
前記第1電極は光触媒部材により形成されていることを要旨とする。
半導体層の受光面側に配され、受光面に透明な保護層を備える第1電極と、反受光面側に配された裏面側の第2電極と、を有する太陽光発電パネルを備えており、
前記第1電極には水路が形成されており、
前記第1電極は光触媒部材により形成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1電極の前記半導体層側には緻密層が配されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記緻密層が透明な樹脂により形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれか一項において、前記第1電極は多孔質な部位を有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載された水浄化装置を用いた水浄化方法であって、
前記水路に水を供給し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用により、前記水を浄化することを要旨とする。
前記水路に水を供給し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用により、前記水を浄化することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載された水浄化装置と、
前記水浄化装置の前記水路に水を供給するための水供給装置と、
前記水浄化装置により浄化された水を受水するための受水装置と、を備えており、
前記水供給装置を用いて水を供給することにより、前記水浄化装置の前記水路に水を流し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用によって前記水を浄化し、浄化された水を得る水浄化システムであって、
前記水供給装置の動力源が、前記水浄化装置における前記太陽光発電パネルにより発電された電力であることを要旨とする。
前記水浄化装置の前記水路に水を供給するための水供給装置と、
前記水浄化装置により浄化された水を受水するための受水装置と、を備えており、
前記水供給装置を用いて水を供給することにより、前記水浄化装置の前記水路に水を流し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用によって前記水を浄化し、浄化された水を得る水浄化システムであって、
前記水供給装置の動力源が、前記水浄化装置における前記太陽光発電パネルにより発電された電力であることを要旨とする。
本発明の水浄化装置によれば、受光面側の電極となる第1電極には水路が形成されており、この第1電極は光触媒部材により構成されているため、水を第1電極に直に流すことにより、効率よく水を浄化することができる。更には、浄化の際における流水が赤外光を吸収するため、太陽光発電パネルの温度上昇によるエネルギー変換効率の低下を十分に抑制することができる。また、構成部品が少なく、スペースを十分に活かすことができ、設置も容易である。
また、第1電極の半導体層側に緻密層が配されている場合には、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
更に、緻密層が透明な樹脂により形成されている場合には、太陽光発電パネルにおけるエネルギー変換効率を低下させることなく、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
また、第1電極が多孔質な部位を有する場合には、光触媒部材と水との接触面積が増大し、より効率よく水を浄化することができる。
また、第1電極の半導体層側に緻密層が配されている場合には、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
更に、緻密層が透明な樹脂により形成されている場合には、太陽光発電パネルにおけるエネルギー変換効率を低下させることなく、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
また、第1電極が多孔質な部位を有する場合には、光触媒部材と水との接触面積が増大し、より効率よく水を浄化することができる。
本発明の水浄化方法によれば、特定の水浄化装置を用いているため、効率よく水を浄化することができる。
本発明の水浄化システムによれば、特定の水浄化装置を用いているため、効率よく水を浄化することができる。更には、システム全体が簡易な構成であり、頻繁なメンテナンスを必要としない。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
水浄化システムの模式的な説明図である。
太陽光発電パネルの断面の模式的な説明図である。
太陽光発電パネルの断面の模式的な説明図である。
太陽光発電パネルの断面の模式的な説明図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]水浄化装置及びそれを用いた水浄化方法
本発明の水浄化装置は、光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、太陽光発電パネルを備えている。そして、この太陽光発電パネルは、光触媒部材により形成され且つ水路を備える第1電極(受光面側の電極)を有していることを特徴とする。
また、本発明の水浄化方法は、上述の水浄化装置を用いた水浄化方法であって、水路に水を供給し、第1電極を構成する光触媒部材の光触媒作用により、水を浄化することを特徴とする。
[1]水浄化装置及びそれを用いた水浄化方法
本発明の水浄化装置は、光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、太陽光発電パネルを備えている。そして、この太陽光発電パネルは、光触媒部材により形成され且つ水路を備える第1電極(受光面側の電極)を有していることを特徴とする。
また、本発明の水浄化方法は、上述の水浄化装置を用いた水浄化方法であって、水路に水を供給し、第1電極を構成する光触媒部材の光触媒作用により、水を浄化することを特徴とする。
上記太陽光発電パネルは、半導体層と、半導体層の受光面側に配された第1電極と、半導体層の反受光面側に配された第2電極と、を有する。
上記半導体層の構成は特に限定されず、従来の太陽光発電パネルに使用されているものを用いることができる。具体的には、例えば、pn接合半導体からなる層、pin接合半導体からなる層を用いることができる。
半導体層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(特に0.3μm〜1mm)とすることができる。
上記半導体層の構成は特に限定されず、従来の太陽光発電パネルに使用されているものを用いることができる。具体的には、例えば、pn接合半導体からなる層、pin接合半導体からなる層を用いることができる。
半導体層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(特に0.3μm〜1mm)とすることができる。
上記第1電極は、太陽光発電パネルにおける受光面側の電極である。この第1電極は透明であり、光触媒部材により構成されている。この光触媒部材としては、例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。
また、第1電極は多孔質な部位を備えていることが好ましい。多孔質な部位を備えている場合、この部位が後述する網目状の水路となり、光触媒部材と水との接触面積が増大し、より効率よく水を浄化することができる。
尚、多孔質な部位を形成する方法は特に限定されない。具体的には、例えば、第1電極を形成する際の原料である二酸化チタン等の原料粉末に、有機粒子(例えば、スチレン系樹脂粒子やアクリル系樹脂粒子等)を混合しておき、焼成の際に有機粒子を炭化させて除去することにより多孔質な部位を形成することができる。
第1電極における水路は、受光面側となる表面において樋状に形成されていてもよいし(図4における水路21参照)、電極内部において網目状等のトンネル状に形成されていてもよい(図2、3における水路14参照)。
この第1電極の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1μm〜100mm(特に1〜5mm)とすることができる。
また、第1電極は多孔質な部位を備えていることが好ましい。多孔質な部位を備えている場合、この部位が後述する網目状の水路となり、光触媒部材と水との接触面積が増大し、より効率よく水を浄化することができる。
尚、多孔質な部位を形成する方法は特に限定されない。具体的には、例えば、第1電極を形成する際の原料である二酸化チタン等の原料粉末に、有機粒子(例えば、スチレン系樹脂粒子やアクリル系樹脂粒子等)を混合しておき、焼成の際に有機粒子を炭化させて除去することにより多孔質な部位を形成することができる。
第1電極における水路は、受光面側となる表面において樋状に形成されていてもよいし(図4における水路21参照)、電極内部において網目状等のトンネル状に形成されていてもよい(図2、3における水路14参照)。
この第1電極の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1μm〜100mm(特に1〜5mm)とすることができる。
また、上記太陽光発電パネルにおける第1電極の半導体層側が緻密でない場合には、第1電極の水路に流される水による第1電極と第2電極の短絡を防止するために、第1電極の少なくとも半導体層側となる面に緻密層を配設することが好ましい。
緻密層を形成する場合には、透明な樹脂(例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等)により形成することが好ましい。この場合、太陽光発電パネルにおけるエネルギー変換効率を低下させることなく、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
緻密層を形成する場合には、透明な樹脂(例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等)により形成することが好ましい。この場合、太陽光発電パネルにおけるエネルギー変換効率を低下させることなく、第1電極と第2電極の短絡を十分に防止することができる。
上記第2電極は、太陽光発電パネルにおける反受光面側の電極である。第2電極の材質は特に限定されず、従来の太陽光発電パネルにおける裏面側の電極に使用されているものを用いることができる。具体的には、例えば、アルミニウム、銀、白金、銅、モリブデン等の金属等が用いられる。
この第2電極の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(特に0.1μm〜1mm)とすることができる。
この第2電極の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(特に0.1μm〜1mm)とすることができる。
上記太陽光発電パネルにおいては、耐久性向上の観点から、第1電極の表面(受光面)に、ガラス製等の透明な保護層が配設されている。
この保護層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1〜100mm(特に1〜10mm)とすることができる。
この保護層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1〜100mm(特に1〜10mm)とすることができる。
また、本発明の水浄化装置では、太陽光発電パネルに傾斜が設けられており、第1電極の水路に供給された水は、その自重により水路を流れることが好ましい。
[2]水浄化システム
本発明の水浄化システムは、上述の水浄化装置と、水浄化装置の水路に水を供給するための水供給装置と、水浄化装置により浄化された水を受水するための受水装置と、を備えている。この水供給装置の動力源は、水浄化装置における太陽光発電パネルにより発電された電力である。そして、水供給装置を用いて水を供給することにより、水浄化装置の水路に水を流し、第1電極を構成する光触媒部材の光触媒作用によって水を浄化し、浄化された水を得ることができる。
本発明の水浄化システムは、上述の水浄化装置と、水浄化装置の水路に水を供給するための水供給装置と、水浄化装置により浄化された水を受水するための受水装置と、を備えている。この水供給装置の動力源は、水浄化装置における太陽光発電パネルにより発電された電力である。そして、水供給装置を用いて水を供給することにより、水浄化装置の水路に水を流し、第1電極を構成する光触媒部材の光触媒作用によって水を浄化し、浄化された水を得ることができる。
上記水供給装置の構成は特に限定されない。具体的には、例えば、地下水、池の水、雨水タンクの水等を汲み上げ、水浄化装置における第1電極に配水可能なポンプ等が挙げられる。尚、この水供給装置には、気象に応じてポンプの稼働を制御可能な光量センサ等が配設されていてもよい。
また、上記受水装置の構成は特に限定されない。具体的には、例えば、光触媒作用により浄化された水が、その自重により第1電極に連設された配管を流れて貯水タンクに溜まる形態の装置等が挙げられる。
また、上記受水装置の構成は特に限定されない。具体的には、例えば、光触媒作用により浄化された水が、その自重により第1電極に連設された配管を流れて貯水タンクに溜まる形態の装置等が挙げられる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
[1]水浄化システムの構成
実施例1における水浄化システムは、図1に示すように、光触媒によって水を浄化する水浄化装置1と、水浄化装置1に水を供給するための水供給装置2と、水浄化装置1により浄化された水を受水するための受水装置3と、を備えている。尚、図中における直線状の矢印は、水の流れを示している。
<実施例1>
[1]水浄化システムの構成
実施例1における水浄化システムは、図1に示すように、光触媒によって水を浄化する水浄化装置1と、水浄化装置1に水を供給するための水供給装置2と、水浄化装置1により浄化された水を受水するための受水装置3と、を備えている。尚、図中における直線状の矢印は、水の流れを示している。
水浄化装置1は太陽光発電パネル4を有しており、この太陽光発電パネル4は、図2に示すように、n型半導体5とp型半導体6からなるpn接合半導体(半導体層7)と、半導体層7の受光面側(n型半導体5側)に配された第1電極8と、第1電極8の表面に配されたガラス製の透明な保護層9と、半導体層7の反受光面側(p型半導体6側)に配された第2電極10と、を有する。また、図1に示すように、太陽光発電パネル4は、供給される水が図中の矢印方向に自重で流れるように架台11により傾斜が調整されている。
第1電極8は透明な電極であり、光触媒部材(材質;TiO2)によって構成されている。また、この第1電極8は、表面側(表面層)は緻密に形成されており(図2における緻密部12を参照)、内部は多孔質であり網目状のトンネルが形成されている(図2における多孔質部13を参照)。そして、この多孔質部13における空孔が、浄化される水の水路14となっている。
第2電極10はアルミニウムを含む金属によって構成されている。
第1電極8は透明な電極であり、光触媒部材(材質;TiO2)によって構成されている。また、この第1電極8は、表面側(表面層)は緻密に形成されており(図2における緻密部12を参照)、内部は多孔質であり網目状のトンネルが形成されている(図2における多孔質部13を参照)。そして、この多孔質部13における空孔が、浄化される水の水路14となっている。
第2電極10はアルミニウムを含む金属によって構成されている。
水供給装置2は、地下水等を汲み上げ可能なポンプ15と、水浄化装置1における第1電極8の水路14(図2参照)に配水可能な配管16と、を備えている。
また、ポンプ15は、水浄化装置1における太陽光発電パネル4により発電された電力を動力源としている。
受水装置3は、貯水タンク17と、第1電極8を通過することにより浄化された水を貯水タンク17に配水可能な配管18と、を備えている。
また、ポンプ15は、水浄化装置1における太陽光発電パネル4により発電された電力を動力源としている。
受水装置3は、貯水タンク17と、第1電極8を通過することにより浄化された水を貯水タンク17に配水可能な配管18と、を備えている。
[2]実施例1の作用効果
実施例1における水浄化システムにおいては、地下水等の水が、太陽光発電パネル4により発電された電力を動力源とする水供給装置2のポンプ15によって汲み上げられる。そして、汲み上げられた水は、配管16を介して、水浄化装置1の太陽光発電パネル4における第1電極8の水路14に配水される。配水された水は、太陽光発電パネル4の傾斜によって、自重により時間をかけて水路14を流れる。この際、水路14が光触媒部材により形成されているため、通過する水が光触媒作用により浄化されるとともに、太陽光の紫外線によって殺菌される。浄化された水は、受水装置3における配管18を介して貯水タンク17に送られる。このようにして、殺菌、浄化された飲料水等の水を得ることができる。
実施例1における水浄化システムにおいては、地下水等の水が、太陽光発電パネル4により発電された電力を動力源とする水供給装置2のポンプ15によって汲み上げられる。そして、汲み上げられた水は、配管16を介して、水浄化装置1の太陽光発電パネル4における第1電極8の水路14に配水される。配水された水は、太陽光発電パネル4の傾斜によって、自重により時間をかけて水路14を流れる。この際、水路14が光触媒部材により形成されているため、通過する水が光触媒作用により浄化されるとともに、太陽光の紫外線によって殺菌される。浄化された水は、受水装置3における配管18を介して貯水タンク17に送られる。このようにして、殺菌、浄化された飲料水等の水を得ることができる。
水浄化装置1では、水を、光触媒部材により構成された第1電極8に直に流しているため、効率よく水を浄化することができる。また、第1電極8における水路14は電極の内部に網目状に形成されているため、光触媒部材と水との接触面積が大きく、浄化効率を向上させている。更に、浄化の際における水が赤外光を吸収するため、太陽光発電パネル4自体の温度上昇を抑制することにより、エネルギー変換効率の低下を十分に抑制することができる。
また、このシステムによれば、必要な電源は水を汲み上げるためのポンプ15の電源のみとすることができ、この電力を太陽光発電パネルによる発電により賄うことが可能であるため、簡易な構成で、頻繁なメンテナンスを必要とせずに、効率よく水を浄化することができる。
また、このシステムによれば、必要な電源は水を汲み上げるためのポンプ15の電源のみとすることができ、この電力を太陽光発電パネルによる発電により賄うことが可能であるため、簡易な構成で、頻繁なメンテナンスを必要とせずに、効率よく水を浄化することができる。
更に、太陽の光量が少なく、殺菌能力が不足している場合には、発電能力も低下することにより、メンテナンスが必要な複雑な電気回路なしで、自動的にポンプ15の地下水等の汲み上げを停止することができる。そのため、貯水タンク17への未殺菌、未浄化の水の混入を防ぐこともできる。
また、浄化中に太陽光によって暖められた温水は、夜間等の太陽光発電ができない場合の熱エネルギーとして利用することもできる。
また、浄化中に太陽光によって暖められた温水は、夜間等の太陽光発電ができない場合の熱エネルギーとして利用することもできる。
尚、本発明においては、上記実施例1に限られず、目的、用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
即ち、上記実施例1においては、太陽光発電パネル4にて、第1電極8を、表層が緻密であり、内部が多孔質である光触媒部材により構成しているが(図2参照)、図3に示すように、半導体層7側の面が緻密層19によりシールされた多孔質な光触媒部材20により、第1電極8を構成してもよい。この際には、多孔質な光触媒部材20における空孔が、浄化される水の水路14となっている。更には、図4に示すように、受光面側の表面に樋状の水路21が形成された緻密な光触媒部材により第1電極8を構成してもよい。
即ち、上記実施例1においては、太陽光発電パネル4にて、第1電極8を、表層が緻密であり、内部が多孔質である光触媒部材により構成しているが(図2参照)、図3に示すように、半導体層7側の面が緻密層19によりシールされた多孔質な光触媒部材20により、第1電極8を構成してもよい。この際には、多孔質な光触媒部材20における空孔が、浄化される水の水路14となっている。更には、図4に示すように、受光面側の表面に樋状の水路21が形成された緻密な光触媒部材により第1電極8を構成してもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の水浄化装置、水浄化方法及び水浄化システムは、太陽光発電機能と水浄化機能とを備えており、光触媒による水浄化分野において広く利用することができる。特に、装置の構成部品点数が少なく、設置が容易であり、水浄化に必要な電解液や消耗部品がなく、必要な電力も太陽光発電により賄うことが可能な水を汲み上げるためのポンプ電源のみとすることができる。そのため、発展途上国、災害地域、山間部、離島等において、浄化・殺菌された飲料水等の水を確保する際に有用である。
1;水浄化装置、2;水供給装置、3;受水装置、4;太陽光発電パネル、5;n型半導体、6;p型半導体、7;半導体層、8;第1電極、9;保護層、10;第2電極、11;架台、12;緻密部、13;多孔質部、14;水路、15;ポンプ、16;配管、17;貯水タンク、18;配管、19;緻密層、20;光触媒部材、21;水路。
Claims (6)
- 光触媒によって水を浄化する水浄化装置であって、
半導体層の受光面側に配され、受光面に透明な保護層を備える第1電極と、反受光面側に配された裏面側の第2電極と、を有する太陽光発電パネルを備えており、
前記第1電極には水路が形成されており、
前記第1電極は光触媒部材により形成されていることを特徴とする水浄化装置。 - 前記第1電極の前記半導体層側には緻密層が配されている請求項1に記載の水浄化装置。
- 前記緻密層が透明な樹脂により形成されている請求項2に記載の水浄化装置。
- 前記第1電極は多孔質な部位を有する請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の水浄化装置。
- 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載された水浄化装置を用いた水浄化方法であって、
前記水路に水を供給し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用により、前記水を浄化することを特徴とする水浄化方法。 - 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載された水浄化装置と、
前記水浄化装置の前記水路に水を供給するための水供給装置と、
前記水浄化装置により浄化された水を受水するための受水装置と、を備えており、
前記水供給装置を用いて水を供給することにより、前記水浄化装置の前記水路に水を流し、前記第1電極を構成する前記光触媒部材の光触媒作用によって前記水を浄化し、浄化された水を得る水浄化システムであって、
前記水供給装置の動力源が、前記水浄化装置における前記太陽光発電パネルにより発電された電力であることを特徴とする水浄化システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012260296A JP2014104434A (ja) | 2012-11-28 | 2012-11-28 | 水浄化装置、水浄化方法及び水浄化システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012260296A JP2014104434A (ja) | 2012-11-28 | 2012-11-28 | 水浄化装置、水浄化方法及び水浄化システム |
Publications (1)
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ID=51026372
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JP2012260296A Pending JP2014104434A (ja) | 2012-11-28 | 2012-11-28 | 水浄化装置、水浄化方法及び水浄化システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2014104434A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110104756A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-08-09 | 西安交通大学 | 一种光催化污水降解反应装置 |
-
2012
- 2012-11-28 JP JP2012260296A patent/JP2014104434A/ja active Pending
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