JP2014103706A - 電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システム Download PDF

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Futoshi Deguchi
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Abstract

【課題】複雑な機械的な構造が必要でなく、また、電動車両を使用者が通常の要領で駐車位置に駐車させるだけで電力伝送が可能な状態にすることができ、また、電動車両の種類が異なることで電力伝送効率が低下することがないようにする。
【解決手段】駐車装置1から電動車両2にワイヤレスで電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムにおいて、電動車両は、車輪52と、この車輪に配置される2次側のコイル7を有し、駐車装置は、2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイル6a〜6eを有し、駐車装置において所定の駐車位置に駐車した電動車両の車輪の軸方向と1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、車輪は1次側のコイルの軸方向の外側に位置するものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動車両に搭載された電池を充電するために駐車装置から電動車両にワイヤレスで電力伝送を行う電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システムに関するものである。
電動モータが発生する動力で人の踏力を補助する電動アシスト自転車が広く普及している。この電動アシスト自転車は、電動モータを駆動するための電力を供給する2次電池を備えている。この2次電池は、電動アシスト自転車から取り外されて、別に用意された充電器で充電を行うようにしたものが一般的であるが、2次電池を電動アシスト自転車に対して脱着する操作や2次電池を充電器に接続する操作が必要となるため、2次電池の充電が面倒である。
そこで、従来、送電装置と電動アシスト自転車とにそれぞれ送電用と受電用のコイルを設けて、電磁誘導方式により送電装置から電動アシスト自転車にワイヤレスで電力伝送を行う技術が知られている(特許文献1,2)。これによると、2次電池の充電を行う際に、2次電池を取り外して充電を行なう必要がなくなり、利便性が向上する。また、電磁誘導方式では、電気的な接続のための端子が露出されないため、防水性の確保が容易であり、また、接触不良や劣化の問題に配慮する必要がなくなる利点も得られる。
特開2003−118671号公報 特開2001−199379号公報
さて、前記の特許文献1に開示された従来の技術では、送電装置と電動アシスト自転車とにそれぞれ設けられたコネクタを結合した上で電磁誘導方式により電力伝送を行うものであり、両方のコネクタが駐輪操作に伴って結合されるように複雑な機械的な構造を有しているため、部品点数が増大し、製造コストが嵩むという問題があった。
また、前記の特許文献2に開示された従来の技術では、自転車側の受電コイルが、車体フレームの下部で前輪と後輪との間に位置するように配置されており、駐輪面上の送電装置に跨るように自転車を駐輪して、自転車側の受電コイルと送電装置側の送電コイルとの位置合わせを行う必要があるため、駐輪に手間がかかるという問題があった。さらに、フレームの形態は自転車に応じて異なり、受電コイルの高さを一定にすることが難しいため、送電コイルと受電コイルとの間隔が大きくなることで電力伝送効率が低下するという問題があった。
また、駅前や集合マンション等に設置された駐輪場では複数台の自転車を並べて駐輪するようになっているが、このような駐輪場でも、各駐輪スペースに自転車を駐輪した状態で各々で充電を行えるようにするとよいが、前記の従来の技術では、自転車の一台ごとに送電装置を設ける必要があるため、コストが嵩むという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、複雑な機械的な構造が必要でなく、また、電動車両を使用者が通常の要領で駐車位置に駐車させるだけで電力伝送が可能な状態にすることができ、また、電動車両の種類が異なることで電力伝送効率が低下するなどの不具合が生じることがなく、さらに、並べて駐車された複数台の電動車両に同時に電力伝送を行うことが可能な構成を安価に実現することができるように構成された電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システムを提供することにある。
本発明の電動車両は、1次側のコイルを有する駐車装置からワイヤレスで電力伝送が行われる電動車両であって、車輪と、前記車輪に設けられる2次側のコイルを備え、前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置する構成とする。
また、本発明の駐車装置は、車輪に2次側のコイルが配置される電動車両にワイヤレスで電力伝送を行う駐車装置であって、前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルと、この1次側のコイルに電力を供給する電力供給手段と、を備え、所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記1次側のコイルは前記車輪の径方向の外側に位置する構成とする。
また、本発明のワイヤレス電力伝送システムは、駐車装置から電動車両にワイヤレスで電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムであって、前記電動車両は、車輪と、前記車輪に配置される2次側のコイルを有し、前記駐車装置は、前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルを有し、前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置する構成とする。
本発明によれば、使用者が通常の要領で駐車スペースに駐車させるだけで、駐車装置の1次側のコイルと電動車両の2次側のコイルとが近接して電力伝送が可能な状態となり、両方のコイルの位置合わせのための特別な操作が不要となるため、利便性が向上する。また、電動車両の形態や大きさに関係なく、両方のコイルを近接させることができるため、電動車両の種類が異なる場合でも電力伝送効率が低下することがない。また、駐車装置と電動車両とを機械的に結合する必要がないため、構成を簡素化して製造コストを削減することができる。
本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの全体構成図 駐輪装置1および電動アシスト自転車2の概略構成を示す側面図 駐輪装置1の概略構成を示す正面図 駐輪装置1および電動アシスト自転車2における車輪52の周辺部分を示す模式的な断面図 駐輪装置1の送電コイル6a〜6eの平面図 送電コイル6a〜6eに接続される回路を示すブロック図 電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7および駐輪装置1の送電コイル6a〜6eを示す断面図 電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7および駐輪装置1の送電コイル6a〜6eを示す平面図 電動アシスト自転車2の無給電コイル7の平面図 電動アシスト自転車2において受電コイル8が設けられた車輪のハブ64を示す断面図 駐輪装置1における電動アシスト自転車2の位置決め構造を示す平面図 駐輪装置1における電動アシスト自転車2の位置決め構造を示す側面図 送電モジュール101を複数並べた状態を示す平面図 送電モジュール101を複数並べた状態を示す断面図 送電コイル6a〜6e、無給電コイル7および受電コイル8を構成する集合電線81を一部切除して示す模式的な側面図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、1次側のコイルを有する駐車装置からワイヤレスで電力伝送が行われる電動車両であって、車輪と、前記車輪に設けられる2次側のコイルを備え、前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置する構成とする。
これによると、使用者が通常の要領で駐車スペースに駐車させるだけで、駐車装置の1次側のコイルと電動車両の2次側のコイルとが近接して電力伝送が可能な状態となり、両方のコイルの位置合わせのための特別な操作が不要となるため、利便性が向上する。また、電動車両の形態や大きさに関係なく、両方のコイルを近接させることができるため、電動車両の種類が異なる場合でも電力伝送効率が低下することがない。また、駐車装置と電動車両とを機械的に結合する必要がないため、構成を簡素化して製造コストを削減することができる。
また、第2の発明は、前記2次側のコイルは、前記車輪の外周側に設けられた無給電コイルと、この無給電コイルの両端に接続された共振用コンデンサと、前記無給電コイルの内側に設けられ、前記1次側のコイルおよび前記無給電コイルを介して電力を受電する受電コイルと、を備える構成とする。
これによると、1次側のコイルと受電コイルとの間に無給電コイルを介在させることで、回路インピーダンスの影響によりQ値が低下することを抑えることができ、さらに電力の反射も抑えることができる。
また、第3の発明は、前記無給電コイルは、前記車輪のリムに沿って設けられた構成とする。
これによると、無給電コイルが車輪の外周側に近い位置に配置されるため、車輪の径方向外側に位置する1次側のコイルに無給電コイルを近接させることができ、これにより1次側のコイルが発生する磁束を無給電コイルが効率よく捕捉することができるため、電力伝送効率を高めることができる。
また、第4の発明は、前記受電コイルは、前記車輪のハブにおいて当該電動車両の車体フレームに回転不能に固定された車軸に設けられた構成とする。
これによると、受電コイルが回転しないため、受電コイルから発生する交流電力を導く配線を回転コネクタを介さずに設けることができるため、製造コストを低く抑えることができる。
また、第5の発明は、前記受電コイルは、前記無給電コイルと略同軸状となるように配置される構成とする。
これによると、無給電コイルと受電コイルとが効率よく磁気結合して、高い電力伝送効率を確保することができる。
また、第6の発明は、前記受電コイルは、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線をらせん状に巻回されたヘリカルコイルであり、前記集合電線が千鳥配置で径方向に積層された多層構造をなす構成とする。
これによると、受電コイルの巻き数を多くすることができることから、受電コイルと無給電コイルとの磁気結合を高めることができるため、電力伝送効率を高めることができる。
また、第7の発明は、車輪に2次側のコイルが配置される電動車両にワイヤレスで電力伝送を行う駐車装置であって、前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルと、この1次側のコイルに電力を供給する電力供給手段と、を備え、所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記1次側のコイルは前記車輪の径方向の外側に位置する構成とする。
これによると、使用者が通常の要領で駐車スペースに駐車させるだけで、駐車装置の1次側のコイルと電動車両の2次側のコイルとが近接して電力伝送が可能な状態となり、両方のコイルの位置合わせのための特別な操作が不要となるため、利便性が向上する。また、電動車両の形態や大きさに関係なく、両方のコイルを近接させることができるため、電動車両の種類が異なる場合でも電力伝送効率が低下することがない。また、駐車装置と電動車両とを機械的に結合する必要がないため、構成を簡素化して製造コストを削減することができる。
また、第8の発明は、前記1次側のコイルは、所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の下方に位置するように配置された構成とする。
これによると、電動車両が駐車される駐車面下に1次側のコイルが埋設されるため、駐車スペースの周囲を簡素化することができる。
また、第9の発明は、前記1次側のコイルは、横列駐車された複数台の前記電動車両の並び方向に径方向が略平行となる態様で並べて配置された複数の送電コイルを備え、隣り合う前記送電コイルの互いに近接する部分に、前記電動車両の前記2次側のコイルがそれぞれ近接するように、前記電動車両が駐車される構成とする。
これによると、隣り合う2つの送電コイルを貫く磁束が形成され、この磁束を2次側のコイルに鎖交させることで、送電コイルから2次側のコイルに電力が伝送される。そして、隣り合う2つの送電コイルを貫くように形成される磁束は、送電コイルの互いに近接する部分で密度が高くなるため、この部分に2次側のコイルが近接するように電動車両を配置することで、電力伝送効率を高めることができる。また、複数台の電動車両に対して同時に電力伝送を行うことができ、特に送電コイルの数を変えることで、電動車両の台数の違いに容易に対応することができる。
また、第10の発明は、前記1次側のコイルは、前記電力供給手段から電力が供給される第1の送電コイルと、前記電力供給手段から電力が直接供給されない第2の送電コイルと、を備えた構成とする。
これによると、第1の送電コイルに交流電力が供給されると、この第1の送電コイルとこれに隣り合う第2の送電コイルとを貫く磁束が形成され、さらにその第2の送電コイルとこれに隣り合う第2の送電コイルとを貫く磁束が形成され、これらの磁束が2次側のコイルに鎖交することで、2次側のコイルに電力が送られる。そして、送電コイルの全てに電力供給手段から電力を供給する構成と比較して、回路構成や配線構成を簡素化することができるため、小型化を図るとともに製造コストを削減することができる。
また、第11の発明は、前記第1の送電コイルには、共振回路および整合回路を介して前記電力供給手段が接続され、前記第2の送電コイルには、共振回路および整合回路を介して整合負荷が接続された構成とする。
これによると、第1の送電コイルに接続された整合回路により、電力供給手段と第1の送電コイルとの間でのインピーダンス整合を図ることができ、第2の送電コイルに接続された整合回路および整合負荷により、第1の送電コイルと第2の送電コイルとの間でのインピーダンス整合を図ることができ、これにより電力損失を抑えて電力伝送効率を高めることができる。
また、第12の発明は、前記第1の送電コイルを中心にしてその両側に同数の前記第2の送電コイルが配置された構成とする。
これによると、第2の送電コイルから発生する磁束を均一化して、電動車両の2次側のコイルに伝送される電力が、同時に電力伝送される複数台の電動車両の中で大きく異ならないようにすることができる。
また、第13の発明は、前記1次側のコイルは、電線を略渦巻き状に巻回させて形成された構成とする。
これによると、1次側のコイルの軸方向の寸法が小さくなり、特に電動車両の車輪の下方に配置する場合には駐車装置の深さを小さくすることができるため、駐車装置の設置が容易になる。
また、第14の発明は、前記1次側のコイルは、電線を略矩形状に巻回させて形成され、隣り合う前記1次側のコイルの互いに近接する部分が、互いに略平行で且つ前記2次側のコイルの径方向に延在する構成とする。
これによると、1次側のコイルから発生する磁束を効率よく2次側のコイルに鎖交させることができるため、電力損失を抑えて電力伝送効率を高めることができる。
また、第15の発明は、前記1次側のコイルに対して前記2次側のコイルが所定の軸方向位置に位置決めされるように、前記電動車両の車輪の左右方向の位置を規定する位置決め手段をさらに備えた構成とする。
これによると、1次側のコイルに対して2次側のコイルが軸方向に大きくずれて電力伝送効率が低下することを抑制することができる。特に、位置決め手段を、車輪を物理的に規制するようにすると、使用者を煩わせることなく、1次側のコイルと2次側のコイルとの位置決めができるため、利便性を高めることができる。この場合、隣り合う1次側のコイルの互いに近接する部分に2次側のコイルが位置決めされるようにすればよい。
また、第16の発明は、前記1次側のコイルに対して前記2次側のコイルが所定の径方向位置に位置決めされるように、前記電動車両の車輪の前後方向の位置を規定する位置決め手段をさらに備えた構成とする。
これによると、1次側のコイルに対して2次側のコイルが径方向に大きくずれて電力伝送効率が低下することを抑制することができる。特に、位置決め手段を、車輪を物理的に規制するようにすると、使用者を煩わせることなく、1次側のコイルと2次側のコイルとの位置決めができるため、利便性を高めることができる。この場合、1次側のコイルおよび2次側のコイルの各々の中心線が近接するように位置決めされるようにすればよい。
また、第17の発明は、駐車装置から電動車両にワイヤレスで電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムであって、前記電動車両は、車輪と、前記車輪に配置される2次側のコイルを有し、前記駐車装置は、前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルを有し、前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置する構成とする。
これによると、使用者が通常の要領で駐車スペースに駐車させるだけで、駐車装置の1次側のコイルと電動車両の2次側のコイルとが近接して電力伝送が可能な状態となり、両方のコイルの位置合わせのための特別な操作が不要となるため、利便性が向上する。また、電動車両の形態や大きさに関係なく、両方のコイルを近接させることができるため、電動車両の種類が異なる場合でも電力伝送効率が低下することがない。また、駐車装置と電動車両とを機械的に結合する必要がないため、構成を簡素化して製造コストを削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの全体構成図である。このワイヤレス電力伝送システムは、送電装置の一例である駐輪装置(駐車装置)1から電動アシスト自転車(電動車両)2にワイヤレス(無接点)で電力伝送を行うものであり、受電装置の一例である電動アシスト自転車2は、人の踏力を補助する補助動力を発生する電動モータ3と、この電動モータ3を制御するモータ制御部4に電動モータ3を駆動するための電力を供給する2次電池5と、を備え、駐輪装置1から送られる電力で電動アシスト自転車2の2次電池5の充電が行われる。
このワイヤレス電力伝送システムでは、電磁誘導により電力伝送を行うために、駐輪装置1が1次側のコイルとして第1の送電コイル6aおよび第2の送電コイル6b〜6eを備え、電動アシスト自転車2が、2次側のコイルとして無給電コイル7と、受電コイル8と、を備えている。無給電コイル7の両端には共振コンデンサ9が接続されている。
駐輪装置1では、第1の送電コイル6aに交流電力が供給されるが、第2の送電コイル6b〜6eには直接電力が供給されず、電磁誘導作用により第1の送電コイル6aから発生する磁束が第2の送電コイル6b〜6eに順に受け渡される。
すなわち、第1の送電コイル6aに交流電力が供給されると、第1の送電コイル6aとこれに隣り合う第2の送電コイル6b,6cとを貫く磁束が形成され、さらに第2の送電コイル6b,6cとこれに隣り合う第2の送電コイル6d,6eとを貫く磁束が形成され、これらの磁束が、電動アシスト自転車2の無給電コイル7に鎖交することで、無給電コイル7に交流電圧が誘起され、送電コイル6a〜6eから無給電コイル7に電力が送られる。この点については後に詳述する。
電動アシスト自転車2では、駐輪装置1の送電コイル6a〜6eから発生する磁束で無給電コイル7に交流電圧が誘起されるが、このとき、無給電コイル7は、そのインダクタンスLおよび共振コンデンサ9の容量Cに応じた所定の共振周波数Fで発振する(F=1/2π√LC)。無給電コイル7に交流電圧が誘起されると、無給電コイル7は電動アシスト自転車2の受電コイル8と磁気結合し、受電コイル8に交流電圧が誘起される。このようにして交流電力が送電コイル6a〜6eから無給電コイル7を介して受電コイル8に伝送される。
このように送電コイル6a〜6eと受電コイル8との間に無給電コイル7を介在させることで、回路インピーダンスの影響によりQ値が低下することを抑えることができ、さらに電力の反射も抑えることができ、Q値が高く維持されるように、無給電コイル7のインピーダンスが適切な値に設定される。また、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7との結合係数および無給電コイル7と受電コイル8との一定の結合係数を確保することで、高い電力伝送効率を実現することができる。
駐輪装置1は、AC/DCコンバータ11と、送電制御部12と、送電回路部(電力供給手段)13と、を有している。AC/DCコンバータ11では、電源(商用電源)10から供給される交流電力を直流電力に変換する。送電制御部12は、送電回路部13の動作を制御する。送電回路部13は、AC/DCコンバータ11から送電制御部12を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換して第1の送電コイル6aに供給する。
送電制御部12は、制御回路14と、電圧監視部15と、温度監視部16と、を有している。制御回路14は、送電回路部13の動作を制御する。電圧監視部15は、送電回路部13から第1の送電コイル6aに供給される交流電力の電圧を監視する。温度監視部16は、第1の送電コイル6aの温度を監視する。この電圧監視部15および温度監視部16で電圧および温度の異常が検知されると、第1の送電コイル6aへの給電が停止される。
送電回路部13は、ドライバ17を有している。このドライバ17は、AC/DCコンバータ11から送電制御部12を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換する。この送電回路部13は第1の送電コイル6aに接続され、送電回路部13から交流電力が第1の送電コイル6aに供給される。
電動アシスト自転車2は、受電回路部21と、受電制御部22と、充電制御回路23と、を有している。受電回路部21は、駐輪装置1の送電コイル6a〜6eとの間での電磁誘導により受電コイル8に誘起された交流電流を所定の電圧の直流電力に変換する。受電制御部22は、受電回路部21の動作を制御する。充電制御回路23は、受電回路部21から受電制御部22を介して送られる電力を2次電池5に供給して2次電池5の充電を行う。
受電回路部21は、整流回路24と、レギュレータ(DC/DCコンバータ)25と、を有している。整流回路24は、受電コイル8に誘起された交流電力を直流電力に変換する。レギュレータ25は、整流回路24から送られる直流電力を、2次電池5の充電に適合する所定の電圧に変換する。
受電制御部22は、制御回路26と、電圧監視部27と、を有している。制御回路26は、受電回路部21の動作を制御する。制御回路26は、受電回路部21の動作を制御する。電圧監視部27は、受電コイル8に誘起される交流電力の電圧を監視する。この他、受電制御部22は、電動アシスト自転車2に搭載された機器の状態、例えば、受電コイル8の温度や、2次電池5の充電状態等を監視し、異常が検知されると、受電動作を停止する。
また、本実施形態では、駐輪装置1に、電動アシスト自転車2が駐輪装置1の近傍で適切な電力伝送が可能な所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知する駐輪検知部31が設けられている。この駐輪検知部31の検知結果に基づいて、駐輪装置1の送電動作が制御される。すなわち、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されると、第1の送電コイル6aへの交流電力の供給を開始し、電動アシスト自転車2が駐輪装置1から離れると、第1の送電コイル6aへの交流電力の供給を停止する。
この駐輪検知部31では、電動アシスト自転車2の車輪に設けられた無給電コイル7が駐輪装置1の送電コイル6a〜6eに近接することで負荷インピーダンスが変化することにより第1の送電コイル6aに生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知する。このとき、第1の送電コイル6aの電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されたか否かの判定を行えばよい。
また、本実施形態では、電動アシスト自転車2にも、電動アシスト自転車2が駐輪装置1の近傍の所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知する駐輪検知部41が設けられている。この駐輪検知部41の検知結果に基づいて、電動アシスト自転車2の受電動作が制御される。
この駐輪検知部41では、電動アシスト自転車2の車輪に設けられた無給電コイル7が駐輪装置1の送電コイル6a〜6eに近接することで負荷インピーダンスが変化することにより受電コイル8に生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知する。このとき、受電コイル8の電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されたか否かの判定を行えばよい。
また、本実施形態では、駐輪装置1および電動アシスト自転車2がそれぞれ情報送受信部32,42を備えており、駐輪装置1と電動アシスト自転車2との間で所要の情報を送受信する情報伝送ができるようになっている。なお、この情報伝送は、単純なビット通信でもあってもよいし、コード化通信であってもよい。
駐輪装置1および電動アシスト自転車2の各情報送受信部32,42は、通信される情報を含む信号の変復調を行う変復調回路33,43を有している。送信元の変復調回路33,43で生成した変調信号が、送電コイル6a〜6e、無給電コイル7および受電コイル8を介して送信先に送られ、送信先では、取り出された変調信号を変復調回路33,43で復調して送信情報を取得する。駐輪装置1から電動アシスト自転車2に情報を送信する場合、情報送受信部から出力される変調信号を送電回路部13で電力伝送用の交流信号に重畳することで、電力伝送と同時に情報送信を行うことができる。また、電力伝送が行われていないときに情報伝送を行うようにしてもよい。なお、受電回路部21は、情報伝送用のドライバおよび共振回路(図示せず)を備えており、これらを駆動して受電制御部22から送られる変調信号を送信する。
ここで駐輪装置1と電動アシスト自転車2との間でやりとりされる情報としては、駐輪装置1および電動アシスト自転車2の各々の状態に関する状態情報である。この状態情報としては、例えば2次電池5の充電中に、2次電池5の充電状態に関する情報を電動アシスト自転車2から駐輪装置1に送信し、2次電池5の充電が必要な場合は電力伝送を継続し、2次電池5の充電が完了すると電力伝送を停止する。また、状態情報として、温度や電圧などの情報を駐輪装置1と電動アシスト自転車2との間でやりとりし、状態情報が異常を示しているときにも電力伝送を停止する制御を行う。
また、本実施形態では、駐輪装置1および電動アシスト自転車2がそれぞれ認証部34,44を備えており、駐輪装置1と電動アシスト自転車2との間で相互認証が行われる。駐輪装置1および電動アシスト自転車2がそれぞれ備える情報送受信部32,42により、相互認証に用いられる駐輪装置1および電動アシスト自転車2の各識別情報などの認証情報がやりとりされ、認証情報に基づいて互いに相手方の認証を行う。この相互認証では、駐輪装置1および電動アシスト自転車2が互いに適切な電力伝送が可能なものか否かを検証する。
この相互認証は、駐輪装置1から電動アシスト自転車2への電力伝送を開始する際に行われる。すなわち、駐輪装置1および電動アシスト自転車2がそれぞれ、電動アシスト自転車2が所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知すると、駐輪装置1と電動アシスト自転車2と間で識別情報をやりとりして、互いに相手方の認証を行う。この相互認証が成功すると、電力伝送が行われる。相互認証が失敗したときは電力伝送が行われない。また、駐輪装置1と電動アシスト自転車2との間でやりとりされる状態情報が異常を示しているときにも電力伝送が行われない。
このように電動アシスト自転車2が駐輪装置1の近傍で適切な電力伝送が可能な所定の駐輪位置に駐輪されたことを検知し、さらに駐輪装置1および電動アシスト自転車2が互いに適切な電力伝送が可能なものか否かを検証する相互認証が成功すると、自動で電力伝送が開始される。このため、使用者は電動アシスト自転車2を所定の駐輪位置に駐輪させるだけで、他に何の操作も行うことなく、2次電池5の充電を行うことができ、利便性を高めることができる。
図2は、駐輪装置1および電動アシスト自転車2の概略構成を示す側面図である。図3は、駐輪装置1の概略構成を示す正面図である。図4は、駐輪装置1および電動アシスト自転車2における車輪52の周辺部分を示す模式的な断面図である。
図2に示すように、電動アシスト自転車2は、車体フレーム51と、この車体フレーム51に取り付けられた前後の車輪52,53とを備え、電動モータ3および2次電池5が車体フレーム51に保持されている。また、図1に示した受電回路部21、受電制御部22および充電制御回路23などを構成する電子部品を収容する図示しないコントロールユニットが2次電池5の近傍またはその他の適所に配置される。
車輪52,53は、タイヤ61と、タイヤ61を保持するホイール62とを備え、ホイール62は、リム63とハブ64とスポーク65とを備える。リム63はホイール62の外周部に位置する円状の部材である。リム63の内側はスポーク65を固定し、リム63の外側はタイヤ61が装着される。ハブ64はタイヤ61(ホイール62)の中央に位置する円筒状の部材である。スポーク65はリム63とハブ64とを接続する棒状の部材である。なお、ホイール62は、樹脂材料で形成され、あるいは金属材料で形成されて表面を絶縁処理が施されたものとするとよい。
駐輪装置1では、送電コイル6a〜6eが、所定の駐輪位置に駐輪した電動アシスト自転車2の車輪(前輪)52の径方向の外側、ここでは車輪52の下方に位置するように配置されており、送電コイル6a〜6eを収容するハウジング(筐体)71が、電動アシスト自転車2が駐輪される駐輪面72下に埋設されている。送電コイル6a〜6eは、後に詳述するが、電線を略矩形の渦巻き状に巻回させて形成された平面コイルであり、電動アシスト自転車2の車輪の軸方向と送電コイル6a〜6eの軸方向とが略垂直となるように配置されている。
なお、図1に示したAC/DCコンバータ11、送電制御部12および送電回路部13などを構成する電子部品を収容する図示しないコントロールユニットが、ハウジング71に収容され、あるいはその近傍の適所に配置される。また、ハウジング71の上壁は、透磁率の高い材料で形成されたものとするとよい。
電動アシスト自転車2では、無給電コイル7および受電コイル8が車輪(前輪)54に設けられている。無給電コイル7は、車輪52の外周側に、特にここではホイール62のリム63に沿って設けられている。この無給電コイル7は、後に詳述するが、電線を略円形に複数回巻きして形成された平面コイルであり、車輪52と略同軸状に配置されている。受電コイル8は、車輪52の中心側に、特にここではホイール62のハブ64に設けられている。この受電コイル8は、後に詳述するが、電線をらせん状に巻回して形成されたヘリカルコイルであり、車輪52と略同軸状に配置されている。
なお、本実施形態では、図4に示すように、無給電コイル7をホイール62(のリム63)の内部に設けたが、無給電コイル7は車輪52に設けられればよく、ホイール62の外部に設けられてもよい。無給電コイル7は少なくとも車輪52の外径の内側に設けられればよく、好ましくは、車輪52の径方向に略平行となるように設けられればよい。なお、無給電コイル7および受電コイル8は車輪(後輪)53に設けられてもよい。
このように電動アシスト自転車2の無給電コイル7および受電コイル8を車輪52に設けるとともに、所定の駐輪位置に駐輪した電動アシスト自転車2を駐輪したときの車輪に対して下方から近接する位置に駐輪装置1の送電コイル6a〜6eを配置することで、使用者が通常の要領で駐輪位置に駐輪させるだけで、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7とが近接して電力伝送が可能な状態となり、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7との位置合わせのための特別な操作が不要となり、利便性が向上する。
また、電動アシスト自転車2の無給電コイル7および受電コイル8を車輪52に設けて、その下方から駐輪装置1の送電コイル6a〜6eが近接するようにしたため、電動アシスト自転車2の形態や大きさに関係なく、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7とを近接させることができ、電動アシスト自転車2の種類が異なる場合でも電力伝送効率が低下することを抑制することができる。また、駐輪装置1と電動アシスト自転車2とを機械的に結合する必要がないため、構成を簡素化して製造コストを削減することができる。
また、無給電コイル7と受電コイル8とが略同軸状に配置されるため、無給電コイル7と受電コイル8とが効率よく磁気結合して、高い電力伝送効率を確保することができる。そして、ホイール62のリム63に無給電コイル7を設けることで、無給電コイル7が車輪52の外周側に近い位置に配置されるため、車輪52の径方向外側に位置する送電コイル6a〜6eに無給電コイル7を近接させることができる。すなわち、送電コイル6a〜6eからの磁束を結合するのは無給電コイル7であるから、無給電コイル7は受電コイル8よりも送電コイル6a〜6eに近接するように設けられる。これにより送電コイル6a〜6eが発生する磁束を無給電コイル7が効率よく捕捉することができるため、電力伝送効率を高めることができる。
次に、駐輪装置1の送電コイル6a〜6eに関する構成について詳しく説明する。図5は、送電コイル6a〜6eの平面図である。図6は、送電コイル6a〜6eに接続される回路を示すブロック図である。
図5に示すように、送電コイル6a〜6eは、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線81を、略矩形の渦巻き状に巻回させて形成された平面コイルである。この送電コイル6a〜6eは、基板83上に配置されており、接着剤などの適宜な固定手段で基板83に固定される。なお、基板83の裏面側、すなわち送電コイル6a〜6eにおける電動アシスト自転車2と相反する側には、漏れ磁束を低減する磁性シート84が配置されている。
図6に示すように、第1の送電コイル6aには、共振回路85および整合回路86を介して送電回路部13が接続されており、第2の送電コイル6b〜6eには、共振回路85および整合回路86を介して整合負荷87が接続されている。
共振回路85は、内部のコンデンサと送電コイル6a〜6eとにより共振回路を構成し、送電回路部13から印加される交流電圧に応じて所定の共振周波数で送電コイル6a〜6eを発振させる。第1の送電コイル6aに接続された整合回路86は、送電回路部13と共振回路85との間でのインピーダンス整合を図るものである。第2の送電コイル6b〜6eに接続された整合回路86および整合負荷87は、第1の送電コイル6aと第2の送電コイル6b〜6eとの間でのインピーダンス整合を図るものである。
このように第1の送電コイル6aおよび第2の送電コイル6b〜6eでは、整合回路86や整合負荷87によりインピーダンス整合を図ることで、インピーダンスの不整合による定在波の発生を抑えて、動作の安定化および電力損失の低減を図ることができる。
次に、駐輪装置1の送電コイル6a〜6eによるワイヤレス電力伝送について詳しく説明する。図7は、電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7および駐輪装置1の送電コイル6a〜6eを示す断面図である。図8は、電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7および駐輪装置1の送電コイル6a〜6eを示す平面図である。
図7に示すように、複数の送電コイル6a〜6eは、軸方向が互いに略平行となり、且つ同一平面上に位置するように並べて配置されており、送電コイル6a〜6eの径方向が、横列駐輪された複数台の電動アシスト自転車2の並び方向に略平行となる。電動アシスト自転車2は、隣り合う送電コイル6a〜6eの互いに近接する部分に、電動アシスト自転車2の各無給電コイル7がそれぞれ近接するように駐輪される。
ここで、第1の送電コイル6aに送電回路部13から交流電力が供給されると、第1の送電コイル6aに流れる高周波電流により、第1の送電コイル6aからこれに隣り合う第2の送電コイル6b,6cに鎖交する磁束G1,G2が発生し、第2の送電コイル6b,6cに高周波電流(誘導電流)が生じる。そして、第2の送電コイル6b,6cに流れる高周波電流により、第2の送電コイル6b,6cからこれに隣り合う第2の送電コイル6d,6eに鎖交する磁束G3,G4が発生する。
このように送電コイル6a〜6eでは、第1の送電コイル6aから発生する磁束を第2の送電コイル6b〜6eに順に受け渡す状態となり、第1の送電コイル6aとこれに隣り合う第2の送電コイル6b,6cとを貫く磁束G1,G2が形成され、また第2の送電コイル6b,6cとこれに隣り合う第2の送電コイル6d,6eとを貫く磁束G3,G4が形成され、これらの磁束G1〜G4が、電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7に鎖交することで、無給電コイル7に高周波電流が生じ、送電コイル6a〜6eから無給電コイル7に電力が送られる。
このようにして、複数台の電動アシスト自転車2に対して同時に電力伝送を行うことができ、特に送電コイル6a〜6eの数を変えることで、電動アシスト自転車2の台数の違いに容易に対応することが可能になる。また、隣り合う2つの送電コイル6a〜6eを貫くように形成される磁束は、送電コイル6a〜6eの互いに近接する部分で密度が高くなるため、この部分に電動アシスト自転車2の無給電コイル7が近接するように電動アシスト自転車2が配置されることで、電力伝送効率を高めることができる。
また、本実施形態では、第1の送電コイル6aにのみ送電回路部13から電力を供給するようにしたため、第2の送電コイル6b〜6eではインピーダンス整合の回路構成だけで済み、送電コイルの全てに電力を供給する構成と比較して、回路構成や配線構成を簡素化することができるため、小型化を図るとともに製造コストを削減することができる。
なお、隣り合う2つの第2の送電コイル6b〜6eを貫くように形成される磁束は、第1の送電コイル6aとこれに隣り合う第2の送電コイル6b,6cとを貫くように形成される磁束より弱くなるため、電動アシスト自転車2の無給電コイル7に送られる電力が小さくなるが、前記のように、インピーダンスの整合を図ることで効率をさほど低下させずに電力伝送を行うことができる。
また、本実施形態では、第1の送電コイル6aを中心にしてその両側に同数の第2の送電コイル6b〜6eが配置されている。特にここでは、第1の送電コイル6aの両側に第2の送電コイル6b〜6eが2つずつ配置されている。このようにすると、第2の送電コイル6b〜6eから発生する磁束を均一化して、電動アシスト自転車2の無給電コイル7に伝送される電力が、同時に電力伝送される複数台の電動アシスト自転車2の中で大きく異ならないようにすることができる。
また、本実施形態では、図8に示すように、送電コイル6a〜6eが、集合電線81を略渦巻き状に巻回させて形成された平面コイルで構成されている。このようにすると、送電コイル6a〜6eの軸方向の寸法が小さくなり、特に電動アシスト自転車2の車輪52の下方に配置した場合に駐輪装置1の深さを小さくすることができるため、駐輪装置1の設置が容易になる。
また、送電コイル6a〜6eは、集合電線81を略矩形状に巻回させて形成され、電動アシスト自転車2の車輪52を最適な位置および角度で配置した場合に、その車輪52の略前後方向に延在する前後方向部88と、車輪52の略左右方向に延在する左右方向部89とを備えており、隣り合う送電コイル6a〜6eの互いに近接する部分、すなわち前後方向部88が、互いに略平行で且つ電動アシスト自転車2の無給電コイル7の径方向に延在し、前後方向部88と無給電コイル7とが上面視で略平行となる。
このようにすると、送電コイル6a〜6eから発生する磁束を効率よく無給電コイル7に鎖交させることができるため、電力損失を抑えて電力伝送効率を高めることができる。
送電コイル6a〜6eの左右方向部89は、横列駐車された複数台の電動アシスト自転車2の駐輪間隔、すなわち電動アシスト自転車2の車輪52に設けられた無給電コイル7の配置間隔に対応するように長さが設定される。送電コイル6a〜6eの前後方向部88は、ここから発生する磁束が電動アシスト自転車2の無給電コイル7に適切に鎖交するように長さが設定され、前後方向部88が短すぎると無給電コイル7に鎖交する磁束が少なくなり、逆に前後方向部88が長すぎると漏れ磁束が多くなり、いずれにしても電力伝送効率が低下する。
次に、電動アシスト自転車2に設けられる無給電コイル7および受電コイル8について説明する。
図9は、電動アシスト自転車2の無給電コイル7の平面図である。無給電コイル7は、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線81を、略円形に複数回巻きして形成された平面コイルである。この無給電コイル7は、接着剤などの適宜な固定手段でリム63に固定される。無給電コイル7の両端には共振コンデンサ9が接続されている。なお、ここでは、無給電コイル7を、渦巻状に巻回した構成としたが、ヘリカル状に巻回した構成も可能である。なお、リム63は回転するが、無給電コイル7は共振用コンデンサに接続されるのみで、配線は不要である。
図10は、電動アシスト自転車2において受電コイル8が設けられた車輪のハブ64を示す断面図である。ホイール62のハブ64は、スポーク65に連結されたハブ本体91と、ハブ本体91を貫通する車軸92と、ハブ本体91および車軸92の間に介装された軸受け(ベアリング)93と、を備えている。車軸92の両端は車体フレーム51を構成するフロントフォーク54(図2参照)に固定される。
車軸92には受電コイル8が巻回されている。この受電コイル8の両端の端子94は受電回路部21(図1参照)に接続される。このように受電コイル8を車軸92に巻回すると、受電コイル8が回転しないため、受電コイル8から発生する交流電力を受電回路部21(図1参照)に導く配線を回転コネクタを介さずに設けることができるため、製造コストを低く抑えることができる。
受電コイル8は、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線81をらせん状に巻回して形成されたヘリカルコイルであり、集合電線81が千鳥配置で径方向に積層された多層の巻線構造となっている。受電コイル8は車軸92に巻回されるため小径となるが、受電コイル8をヘリカル状の巻線構造とし、さらに多層の巻線構造として、巻き数を増やすことで、高インダクタンスを保持でき、無給電コイル7との結合を高めることができる。
また、受電コイル8と車軸92との間には、フェライト等の磁性材料からなるコア部95が設けられている。このコア部95は、受電コイル8の内側に軸方向に延在する筒状部95aと、無給電コイル7(図3参照)と相反する側に設けられたフランジ部95bとを有している。これにより、無給電コイル7が発生する磁束をコア部95が集めるため、漏れ磁束を低減して、電力伝送効率を高めることができ、特に無給電コイル7と相反する側に設けられたフランジ部95bにより、受電コイル8と無給電コイル7との磁気結合を高めることができる。なお、車軸92自体を磁性材料で構成することも可能である。
次に、駐輪装置1において最適な電力伝送が行われる位置に電動アシスト自転車2を位置決めする構造について説明する。図11は、駐輪装置1における電動アシスト自転車2の位置決め構造を示す平面図である。図12は、駐輪装置1における電動アシスト自転車2の位置決め構造を示す側面図である。
図11に示すように、駐輪装置1には、送電コイル6a〜6eに対して電動アシスト自転車2の無給電コイル7が所定の軸方向位置に位置決めされるように、電動アシスト自転車2の車輪52の左右方向の位置を規定するガイド部(位置決め手段)77が設けられている。これにより、送電コイル6a〜6eに対して無給電コイル7が軸方向に大きくずれて電力伝送効率が低下することを抑制することができる。そして、使用者を煩わせることなく、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7との位置決めができるため、利便性を高めることができる。
ここで、無給電コイル7の軸方向に関しては、隣り合う送電コイル6a〜6eの前後方向部88の間の位置に無給電コイル7が近接するように配置されることで、送電コイル6a〜6eの磁束を無給電コイル7に効率よく鎖交させて、電力伝送効率を高めることができる。図11のAで示すように、車輪52の左右方向の位置がずれていると、隣り合う送電コイル6a〜6eの前後方向部88の間の位置から無給電コイル7が離れるため、電力伝送効率が低下する。
また、ガイド部77は、車輪52に沿う方向に長く延在し、送電コイル6a〜6eに対して電動アシスト自転車2の無給電コイル7が所定の角度に位置決めされるように、電動アシスト自転車2の車輪52の向き(径方向の角度)を規定する機能も備えている。
ここで、無給電コイル7の角度に関しては、送電コイル6a〜6eの前後方向部88に対して無給電コイル7が上面視で平行となるように配置されることで、送電コイル6a〜6eの磁束を無給電コイル7に効率よく鎖交させて、電力伝送効率を高めることができる。図11のBで示すように、車輪52の左右方向の位置がずれていなくても、車輪52の向きがずれていると、隣り合う送電コイル6a〜6eの前後方向部88の間の位置から無給電コイル7が離れるため、電力伝送効率が低下する。
また、図12に示すように、駐輪装置1には、送電コイル6a〜6eに対して電動アシスト自転車2の無給電コイル7が所定の径方向位置に位置決めされるように、電動アシスト自転車2の車輪52の前後方向の位置を規定するストッパ部(位置決め手段)78が設けられている。これにより、送電コイル6a〜6eに対して無給電コイル7が径方向に大きくずれて電力伝送効率が低下することを抑制することができる。そして、使用者を煩わせることなく、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7との位置決めができるため、利便性を高めることができる。
ここで、無給電コイル7の径方向位置に関しては、側面視で送電コイル6a〜6eに対して互いの垂直中心線が近接する位置に無給電コイル7が配置されることで、送電コイル6a〜6eの磁束を無給電コイル7に効率よく鎖交させて、電力伝送効率を高めることができる。図12のCで示すように、車輪52の位置が前方にずれていると、送電コイル6a〜6eの前後方向部88から無給電コイル7が全体的に離れるため、電力伝送効率が低下する。
なお、ガイド部77やストッパ部78に代えて、車輪52を物理的に規制しない単なる目印などの位置決め手段を設けることも可能であり、例えば駐輪面上に白線を描くことで、車輪52の位置を示すようにしてもよい。
ところで、図3に示した構成では、同時に4台の電動アシスト自転車2に電力を送ることができるが、送電コイル6a〜6eの数を増やすことで、より多くの電動アシスト自転車2に電力を送ることができる。しかしながら、第2の送電コイル6b〜6eの数を増やすと、端に位置する第2の送電コイル6b〜6eから発生する磁束が低くなり、電動アシスト自転車2に十分な電力を送ることができなくなるため、第2の送電コイル6b〜6eの数を増やすことには限界がある。
そこで、以下に説明するように、第1の送電コイル6aを中心にしてその両側に同数の第2の送電コイル6b〜6eを配置したものを1つの送電モジュール101として、この送電モジュール101を複数並べた構成とするとよい。図13は、送電モジュール101を複数並べた状態を示す平面図である。図14は、送電モジュール101を複数並べた状態を示す断面図である。このようにすると、同時に多数の電動アシスト自転車2に十分な電力を送ることができる。
図13に示すように、送電モジュール101は、第1の送電コイル6aを中心にしてその両側に2つずつ第2の送電コイル6b〜6eを配置したものであり、各送電モジュール101の第1の送電コイル6aには送電回路部13から交流電力が供給される。
1つの送電モジュール101内では、図14に示すように、第1の送電コイル6aとこれに隣り合う第2の送電コイル6b,6cとを貫く磁束、および第2の送電コイル6b,6cとこれに隣り合う第2の送電コイル6d,6eとを貫く磁束で4台の電動アシスト自転車2に電力を送ることができる。さらに、送電モジュール101の境界部では、1つの送電モジュール101内の最も端に位置する第2の送電コイル6d,6e同士が径方向に並び、この第2の送電コイル6d,6eを貫く磁束を形成することで、もう1台の電動アシスト自転車2に電力を送ることができる。
この場合、送電モジュール101の境界部で径方向に並ぶ第2の送電コイル6d,6e同士の配置間隔が、送電モジュール101内の送電コイル6a〜6eの配置間隔と略等しくなるようにするとともに、送電モジュール101の境界部で径方向に並ぶ第2の送電コイル6d,6e同士で電流の向きが逆になるように、各送電モジュール101の第1の送電コイル6aに印加する電流を制御すればよい。
図15は、送電コイル6a〜6e、無給電コイル7および受電コイル8を構成する集合電線81を一部切除して示す模式的な側面図である。
集合電線81は、中心部に配される芯線121と、この芯線121の周囲に、素線122,123を所定の巻き角(素線122,123の中心線が位置する円柱面上で集合電線81の中心線と平行となる線と素線122,123の中心線とのなす角度)a1,a2でらせん状に巻回させて形成された第1および第2の層124,125とを有しており、第1の層124と第2の層125とでは素線122,123の巻回方向が互いに逆となっている。
芯線121は、1本の絶縁電線で構成される。内側の第1の層124は、1本の絶縁電線からなる素線122を芯線121の周囲に巻回して形成される。外側の第2の層125は、1本の絶縁電線からなる素線123を第1の層124の周囲に巻回して形成される。なお、図示する例では、第1の層124を形成する素線122を右方向に巻回(Z巻き)し、第2の層125を形成する素線123を左方向に巻回(S巻き)しているが、この巻回方向を逆としてもよい。
このような構成の集合電線81を送電コイル6a〜6e、無給電コイル7および受電コイル8に用いると、素線122,123を複数本集合させたため、表皮効果の影響を抑制することができ、さらに、各素線122,123を流れる電流の向きが大きく異なるようになるため、近接効果の影響を抑制することができる。これにより、電力損失を抑えて電力伝送効率を高めることができ、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7との伝送距離を大きくした場合や、送電コイル6a〜6eと無給電コイル7とに軸ずれがある場合でも、電力伝送効率が大きく低下することを抑制することができる。
なお、芯線121と第1の層124の素線122と第2の層125の素線123とは、外側に位置するものほど断面積が大きくなるようにするとよい。また、集合電線81の中心線に対する素線122,123の巻き角a1,a2が30度から70度の範囲にあるようにするとよい。また、互いに逆向きに巻回された2本の素線122,123の交角、すなわち2本の素線122,123の各巻き角a1,a2を加算した角度が、60度から140度の範囲にあるようにするとよい。また、第1の層124および第2の層125を形成する素線122,123に、複数の絶縁電線を撚り合わせた撚り線(片撚り線)を用いるようにしてもよい。また、図示した例では、集合電線81を、芯線121と第1の層124と第2の層125とからなる3層構造としたが、4層以上の構造とすることも可能である。この場合、巻回方向が互いに逆となる第1の層124と第2の層125とを交互に形成するとよい。また、図示した例では、集合電線81の中心部に芯線121を設けたが、この芯線121を設けない構成も可能である。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
すなわち、本実施形態では、駐輪装置1から電動アシスト自転車2にワイヤレス(無接点)で電力伝送を行う例について説明したが、本発明はこのような電動アシスト自転車に限定されるものではなく、電動モータの動力で走行し、その電動モータに電力を供給する2次電池を備えた電動車両に広く適用することができる。
また、本実施形態では、無給電コイル7をホイール62のリム63に沿って設け、また、受電コイル8をホイール62のハブ64に設けたが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、無給電コイル7および受電コイル8を車輪の適所に配置すればよいが、無給電コイル7の内側に受電コイル8を配置した構成が望ましい。また、本実施形態では、無給電コイル7および受電コイル8を略円形をなすものとしたが、このような略円形に限定されるものではなく、略方形状などの適宜な形態が可能である。また、本実施形態では、受電コイル8をヘリカルコイルとしたが、受電コイルを電線を渦巻き状に配したスパイラルコイルとすることも可能である。また、本実施形態では、受電コイル8を単一のヘリカルコイルで構成したが、受電コイルを複数設けることも可能である。
また、本実施形態では、図2などに示したように、送電コイル6a〜6eを、所定の駐輪位置に駐輪した電動アシスト自転車2の車輪52の下方に位置するように配置したが、送電コイルは、車輪52に設けられた無給電コイル7に対して各々の軸方向が略垂直となるように配置すればよく、車輪52の前方や上方などに配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、送電コイルの一部、すなわち第1の送電コイルにのみ交流電力を供給する構成としたが、送電コイルの全部に交流電力を供給する構成も可能である。この場合、隣り合う2つの送電コイルで逆向きの電流が流れるように送電コイルの電流を制御することで、隣り合う2つの送電コイルを貫く磁束を形成することができる。また、送電コイルを直列に接続する場合には、送電コイルの両端の端子の接続方法や送電コイルの巻き方向を隣り合う送電コイル同士で逆にすると、隣り合う送電コイルで電流の向きを逆にすることができる。
本発明にかかる電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システムは、複雑な機械的な構造が必要でなく、また、電動車両を使用者が通常の要領で駐車位置に駐車させるだけで電力伝送が可能な状態にすることができ、また、電動車両の種類が異なることで電力伝送効率が低下するなどの不具合が生じることがなく、さらに、並べて駐車された複数台の電動車両に同時に電力伝送を行うことが可能な構成を安価に実現することができる効果を有し、電動車両に搭載された電池を充電するために駐車装置から電動車両にワイヤレスで電力伝送を行う電動車両、駐車装置およびワイヤレス電力伝送システムなどとして有用である。
1 駐輪装置(駐車装置)
2 電動アシスト自転車(電動車両)
3 電動モータ
5 2次電池
6a 第1の送電コイル
6b〜6e 第2の送電コイル
7 無給電コイル
8 受電コイル
9 共振コンデンサ
51 車体フレーム
52,53 車輪
61 タイヤ
62 ホイール
63 リム
64 ハブ
77 ガイド部(位置決め手段)
78 ストッパ部(位置決め手段)
81 集合電線
85 共振回路86 整合回路
87 整合負荷
88 前後方向部
89 左右方向部
92 車軸

Claims (17)

  1. 1次側のコイルを有する駐車装置からワイヤレスで電力伝送が行われる電動車両であって、
    車輪と、
    前記車輪に設けられる2次側のコイルを備え、
    前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置することを特徴とする電動車両。
  2. 前記2次側のコイルは、前記車輪の外周側に設けられた無給電コイルと、この無給電コイルの両端に接続された共振用コンデンサと、前記無給電コイルの内側に設けられ、前記1次側のコイルおよび前記無給電コイルを介して電力を受電する受電コイルと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記無給電コイルは、前記車輪のリムに沿って設けられたことを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
  4. 前記受電コイルは、前記車輪のハブにおいて当該電動車両の車体フレームに回転不能に固定された車軸に設けられたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電動車両。
  5. 前記受電コイルは、前記無給電コイルと略同軸状となるように配置されることを特徴とする請求項4に記載の電動車両。
  6. 前記受電コイルは、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線をらせん状に巻回されたヘリカルコイルであり、前記集合電線が千鳥配置で径方向に積層された多層構造をなすことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の電動車両。
  7. 車輪に2次側のコイルが配置される電動車両にワイヤレスで電力伝送を行う駐車装置であって、
    前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルと、
    この1次側のコイルに電力を供給する電力供給手段と、を備え、
    所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記1次側のコイルは前記車輪の径方向の外側に位置することを特徴とする駐車装置。
  8. 前記1次側のコイルは、所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の下方に位置するように配置されたことを特徴とする請求項7に記載の駐車装置。
  9. 前記1次側のコイルは、横列駐車された複数台の前記電動車両の並び方向に径方向が略平行となる態様で並べて配置された複数の送電コイルを備え、
    隣り合う前記送電コイルの互いに近接する部分に、前記電動車両の前記2次側のコイルがそれぞれ近接するように、前記電動車両が駐車されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の駐車装置。
  10. 前記1次側のコイルは、前記電力供給手段から電力が供給される第1の送電コイルと、前記電力供給手段から電力が直接供給されない第2の送電コイルと、を備えたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の駐車装置。
  11. 前記第1の送電コイルには、共振回路および整合回路を介して前記電力供給手段が接続され、前記第2の送電コイルには、共振回路および整合回路を介して整合負荷が接続されたことを特徴とする請求項10に記載の駐車装置。
  12. 前記第1の送電コイルを中心にしてその両側に同数の前記第2の送電コイルが配置されたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の駐車装置。
  13. 前記1次側のコイルは、電線を略渦巻き状に巻回させて形成されたことを特徴とする請求項7から請求項12のいずれかに記載の駐車装置。
  14. 前記1次側のコイルは、電線を略矩形状に巻回させて形成され、隣り合う前記1次側のコイルの互いに近接する部分が、互いに略平行で且つ前記2次側のコイルの径方向に延在することを特徴とする請求項7から請求項13のいずれかに記載の駐車装置。
  15. 前記1次側のコイルに対して前記2次側のコイルが所定の軸方向位置に位置決めされるように、前記電動車両の車輪の左右方向の位置を規定する位置決め手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7から請求項14のいずれかに記載の駐車装置。
  16. 前記1次側のコイルに対して前記2次側のコイルが所定の径方向位置に位置決めされるように、前記電動車両の車輪の前後方向の位置を規定する位置決め手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7から請求項15のいずれかに記載の駐車装置。
  17. 駐車装置から電動車両にワイヤレスで電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムであって、
    前記電動車両は、車輪と、前記車輪に配置される2次側のコイルを有し、
    前記駐車装置は、前記2次側のコイルに電力を伝送する1次側のコイルを有し、
    前記駐車装置において所定の駐車位置に駐車した前記電動車両の車輪の軸方向と前記1次側のコイルの軸方向とは略垂直となり、前記車輪は前記1次側のコイルの軸方向の外側に位置することを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
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