JP2014103344A - 研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨の進行状況の監視と研磨終点検出の精度向上を実現することができる研磨方法を提供する。
【解決手段】本研磨方法は、配線パターンのない少なくとも1つの測定領域61を基板Wの表面内に設け、基板Wと研磨パッド10とを摺接させて該基板Wを研磨し、基板Wの研磨中に測定領域61内の膜厚を膜厚センサ40で測定する。基板Wの研磨は、測定領域61内で取得された膜厚信号に基づいて監視される。
【選択図】図6

Description

本発明は、膜が形成されたウェハなどの基板を研磨する方法に関し、特に膜厚センサで膜厚を監視しながら基板を研磨する方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、シリコン基板上に種々の材料が膜状に繰り返し形成され、積層構造を形成する。この積層構造を形成するためには、最上層の表面を平坦にする技術が重要となっている。このような平坦化の一手段として、化学機械研磨(CMP)が広く使用されている。
化学機械研磨(CMP)は研磨装置によって実行される。この種の研磨装置は、一般に、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、ウェハを保持するトップリングと、研磨液を研磨パッド上に供給する研磨液供給機構とを備える。ウェハを研磨するときは、研磨液供給機構から研磨液を研磨パッド上に供給しながら、トップリングによりウェハの表面を研磨パッドに押し付ける。さらにトップリングと研磨テーブルをそれぞれ回転させてウェハと研磨パッドとを相対移動させることにより、ウェハの表面を形成する膜を研磨する。
研磨装置は、通常、研磨終点検知装置を備えている。研磨終点検知装置の一つの例として、ウェハの表面に光を照射し、ウェハから反射してくる光のスペクトルに基づいて研磨終点を決定する光学式研磨終点検知装置がある。例えば、特許文献1に開示されている方法では、反射光の強度にノイズ成分を除去するための所定の処理が施されて特性値が生成され、この特性値の時間的変化の特徴点(極大点または極小点)から研磨終点が決定される。
スペクトル(spectrum)は、波長の順に並ぶ光の強度の配列であり、各波長での光の強度を示す。スペクトルから生成される特性値は、図1に示すように、研磨時間とともに周期的に変化し、極大点と極小点が交互に現れる。これは、光の波の干渉による現象である。つまり、ウェハに照射された光は、媒質と膜との界面と、膜とこの膜の下にある層との界面で反射し、これらの界面で反射した光の波が互いに干渉する。この光の波の干渉の仕方は、膜の厚さ(すなわち光路長)に応じて変化する。このため、ウェハから戻ってくる反射光の強度は、膜の厚さとともに周期的に変化する。光の強度は、反射率または相対反射率などの相対値として表わすこともできる。
上述した光学式研磨終点検知装置は、図1に示すように、研磨中に特性値の時間変化の特徴点(極大点または極小点)の数をカウントし、その特徴点の数から研磨の進捗を監視する。そして、特徴点の数が所定の値に達した時点から所定時間経過した時点で研磨が終了される。
しかしながら、デバイスが形成されたウェハでは、異なる配線パターンが形成された配線層と絶縁層とが幾重にも形成され、配線密度も領域によって異なる。このため、膜厚が同じであってもスペクトルがウェハの領域によって異なってしまう。さらに、研磨中のウェハと研磨パッドとの間に作用する摩擦力によりウェハはトップリングに対して僅かに遊星運動をする。このため、ウェハ内の膜厚測定点によって、得られるスペクトルが異なり、研磨終点の誤検出や検出精度の低下につながっていた。近年では、デバイスの微細化の進展に伴い、研磨の仕上がりに対する要求が益々高まっており、研磨の進捗監視の精度向上に対する要求も高まっている。
特開2004−154928号公報 特開2010−93147号公報
本発明は、このような問題を解決し、研磨の進行状況を正確に監視でき、さらに研磨終点検出の精度向上を実現することができる研磨方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、配線パターンのない少なくとも1つの測定領域を基板の表面内に設け、前記基板と研磨パッドとを摺接させて該基板を研磨し、前記基板の研磨中に前記測定領域内の膜厚を膜厚センサで測定することを特徴とする研磨方法である。
本発明の好ましい態様は、前記測定領域は、前記基板の周縁部に設けられることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基板の研磨は、前記研磨パッドを支持する研磨テーブルと、前記基板を前記研磨パッドに押し付けるトップリングをそれぞれ回転させることにより、前記基板と前記研磨パッドとを摺接させて該基板を研磨する工程であり、所定の膜厚監視時間内に前記膜厚センサが前記基板の表面上に描く軌跡が前記基板の全周に亘って略均等になるように、前記研磨テーブルと前記トップリングとの回転速度比を調整することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記所定の膜厚監視時間は、10秒以内であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記測定領域は、前記基板の中心部に設けられることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、1回あたりの膜厚測定時間は、8ミリ秒以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、1回あたりの膜厚測定時間は、4ミリ秒以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記膜厚センサは、光学式膜厚測定器であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記光学式膜厚測定器は、パルス点灯光源を備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基板の研磨中に前記測定領域を含む複数の領域で前記膜厚センサによって膜厚を測定し、前記測定領域で取得された膜厚信号を、膜厚信号の大きさに基づいて、配線パターン領域で取得された膜厚信号から選別することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記膜厚センサによって取得された膜厚信号の大きさが所定のしきい値を下回る場合は、その膜厚信号を前記測定領域で取得された膜厚信号に振り分けることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記測定領域で取得された膜厚信号に基づいて前記基板の研磨終点を決定することを特徴とする。
本発明によれば、配線パターンのない測定領域で膜厚が測定されるので、得られた膜厚から基板研磨の進行状況を正確に監視でき、さらに研磨終点検出の精度向上を実現することができる。
スペクトルから生成された特定値が研磨時間とともに変化する様子を示す図である。 ウェハ(基板)を研磨するための研磨装置を示す模式図である。 膜厚センサを示す模式図である。 ウェハと研磨テーブルとの位置関係を示す平面図である。 コントローラによって生成されたスペクトルを示す模式図である。 ウェハの被研磨面に設けられた測定領域の一例を示す図である。 研磨テーブルが70min−1、トップリングが71min−1で回転しているときに膜厚センサがウェハの表面に描く軌跡を示す図である。 研磨テーブルが70min−1、トップリングが77min−1で回転しているときに膜厚センサがウェハの表面に描く軌跡を示す図である。 ウェハの被研磨面に設けられた測定領域の他の例を示す図である。 図10(a)は、金属配線と絶縁膜とが混在しているパターン領域を示す模式図であり、図10(b)は、絶縁膜のみが存在する測定領域を示す模式図である。 図11(a)は、図10(a)に示す配線パターン領域からの反射光のスペクトルを示す図であり、図11(b)は、図10(b)に示す測定領域からの反射光のスペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図2は、ウェハ(基板)を研磨するための研磨装置を示す模式図である。研磨装置は、研磨パッド10を支持する研磨テーブル30と、ウェハWを保持しかつウェハWを研磨テーブル30上の研磨パッド10に押圧するためのトップリング31と、研磨パッド10に研磨液(例えばスラリ)を供給するための研磨液供給機構32とを備えている。
研磨テーブル30の上面には研磨パッド10が貼付されており、研磨パッド10の上面がウェハWを研磨する研磨面10aを構成している。研磨テーブル30は、テーブル軸30aを介してその下方に配置されるテーブルモータ19に連結されており、このテーブルモータ19により研磨テーブル30および研磨パッド10が矢印で示す方向に回転されるようになっている。トップリング31はトップリングシャフト16の下端に連結されている。トップリング31は、真空吸着によりその下面にウェハWを保持できるように構成されている。トップリングシャフト16は、図示しない上下動機構により上下動するようになっている。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。トップリング31および研磨テーブル30をそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給機構32から研磨パッド10上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、下面にウェハWを保持したトップリング31は、トップリングシャフト16により下降されてウェハWを研磨パッド10の研磨面10aに押し付ける。ウェハWの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と研磨液の化学的作用により研磨される。
研磨テーブル30の内部には、ウェハWの膜厚に従って変化する膜厚信号を取得する膜厚センサ40が配置されている。膜厚センサ40は、記号Aで示すように研磨テーブル30と一体に回転し、トップリング31に保持されたウェハWの膜厚信号を取得する。膜厚センサ40はコントローラ50に接続されており、膜厚センサ40によって取得された膜厚信号はコントローラ50に送られるようになっている。コントローラ50は、膜厚を直接または間接に表す膜厚指標値を膜厚信号から生成する。
膜厚センサ40としては、光学式膜厚センサが使用されている。この光学式膜厚センサは、ウェハに光を照射し、ウェハからの反射光から、膜厚に従って変化する膜厚信号を出力する光学式膜厚測定器である。図3は膜厚センサ40を示す模式図である。膜厚センサ40は、ウェハWの被研磨面に光を照射する投光部42と、ウェハWからの反射光を受光する受光部43と、ウェハWからの反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定する分光器44とを備えている。
投光部42および受光部43は、ウェハWの表面に対向して配置されている。ウェハWの研磨中、投光部42から光がウェハWに照射され、受光部43によってウェハWからの反射光が受光される。分光器44は、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた光強度データをコントローラ50に送る。この光強度データは、ウェハWの膜厚を反映した膜厚信号であり、膜厚に従って変化する。コントローラ50は、光強度データから波長ごとの光の強度を表わすスペクトルを生成し、さらにスペクトルからウェハWの膜厚を示す膜厚指標値を生成する。
図4はウェハWと研磨テーブル30との位置関係を示す平面図である。研磨テーブル30が1回転するたびに、投光部42および受光部43はトップリング41に保持されたウェハWの中心を通過する。投光部42は、研磨テーブル30が1回転するたびにウェハWの1つまたは複数の領域に光を照射し、受光部43はウェハWからの反射光を受光する。
ウェハWに照射された光は、媒質(図3の例では水)と上層膜との界面と、上層膜と下層膜との界面で反射し、これらの界面で反射した光の波が互いに干渉する。この光の波の干渉の仕方は、上層膜の厚さ(すなわち光路長)に応じて変化する。このため、ウェハWからの反射光から生成されるスペクトルは、上層膜の厚さに従って変化する。分光器44は、反射光を波長に従って分解し、反射光の強度を波長ごとに測定する。コントローラ50は、分光器44から得られた反射光の強度データ(膜厚信号)からスペクトルを生成する。このスペクトルは、光の波長と強度との関係を示す線グラフ(すなわち分光波形)として表される。光の強度は、反射率または相対反射率などの相対値として表わすこともできる。
図5は、コントローラ50によって生成されたスペクトルを示す模式図である。図5において、横軸は反射光の波長を表わし、縦軸は反射光の強度から導かれる相対反射率を表わす。この相対反射率とは、反射光の強度を表わす1つの指標であり、具体的には、反射光の強度と所定の基準強度との比である。各波長において反射光の強度(実測強度)を所定の基準強度で割ることにより、装置の光学系や光源固有の強度のばらつきなどの不要な要素が実測強度から除去され、これによりウェハ上の膜の厚さ情報をよく反映したスペクトルを得ることができる。
所定の基準強度は、例えば、膜が形成されていないシリコンウェハ(ベアウェハ)を水の存在下で研磨しているときに得られた反射光の強度とすることができる。実際の研磨では、実測強度からダークレベル(光を遮断した条件下で得られた背景強度)を引き算して補正実測強度を求め、さらに基準強度から上記ダークレベルを引き算して補正基準強度を求め、そして、補正実測強度を補正基準強度で割り算することにより、相対反射率が求められる。具体的には、相対反射率R(λ)は、次の式(1)を用いて求めることができる。
Figure 2014103344
ここで、λは波長であり、E(λ)はウェハからの反射光の強度であり、B(λ)は基準強度であり、D(λ)はダークレベル(光を遮断した条件下で測定された光の強度)である。相対反射率を算出せずに、反射光の強度の測定値そのものを用いてスペクトルを生成してもよい。
コントローラ50は、研磨中に生成された各時点でのスペクトルと複数の基準スペクトルとを比較して、生成されたスペクトルに最も近い(最も類似する)基準スペクトルを決定し、この決定された基準スペクトルに関連付けられた膜厚から現在の膜厚を決定する。複数の基準スペクトルは、研磨対象のウェハと同種のウェハをそれぞれ異なる膜厚にまで研磨することによって予め取得されたものである。すなわち、複数の基準スペクトルは、それぞれ異なる膜厚のときに取得されたスペクトルであり、複数の基準スペクトルは複数の異なる膜厚に対応する。基準スペクトルを取得するために、研磨対象のウェハと同種のウェハを実際に研磨してもよく、または膜厚の異なる複数の仮想ウェハを用いた光干渉シミュレーションを行なってもよい。
各基準スペクトルは、その基準スペクトルが取得されたときの膜厚に関連付けられてコントローラ50に予め記憶されている。コントローラ50は、現在のスペクトルに最も近い基準スペクトルを特定することにより、現在の膜厚を決定することができる。この決定された膜厚値は上述した膜厚指標値である。コントローラ50は、このようにして決定された膜厚からウェハの研磨終点を決定する。例えば、現在のスペクトルから決定された膜厚が所定の目標膜厚に達した時点を研磨終点とすることができる。
投光部42からの光が配線パターンに当たると、配線パターンの構造や密度に依存して反射光の光量が変化し、結果として反射光から得られるスペクトルも変化する。このようにウェハの領域ごとにスペクトルが変化すると、同一膜厚であるにもかかわらず、得られる膜厚指標値もウェハの領域ごとに変化する。
そこで、本発明では、配線パターンの形成されていない測定領域を予めウェハの表面内に設け、この測定領域内の膜厚を測定する。図6は、ウェハの被研磨面に設けられた測定領域の一例を示す図である。図6に示すように、研磨されるウェハWの表面上には多数のデバイス60が形成されている。ウェハWの表面の周縁部には、デバイス60が形成されていない測定領域61が設けられている。図6では、この測定領域61は斜線で表されている。測定領域61には配線パターンが存在しない。より具体的には、トランジスタなどの下地構造や、金属配線は測定領域61には存在しなく、その構造は、デバイス60内の絶縁領域と同じであり、ULK(Ultra Low-K)膜、SiO膜、SiN膜などの透明膜が形成されている。
測定領域61は、ウェハWの膜厚を測定するために予め設けられている。測定領域61は、ウェハWの周縁部の全体の領域(図6の斜線領域全体)であってもよいし、または周縁部の一部(図6の斜線領域の一部)であってもよい。このようにウェハWの周縁部に測定領域61を設けても、1枚のウェハWから取り出せる半導体チップの個数に変化はない。したがって、生産効率を低下させずに精度のよい研磨監視および研磨終点検出が可能となる。
ウェハWのデバイス60間のスクライブライン上にも配線パターンのない領域が存在するが、違いは測定領域61の方がはるかに大きい面積を有していることである。この測定領域61には配線パターンがないので、反射光は光の回折等の影響を受けない。したがって、ブランケットウェハの場合と同様にして、多層膜の光干渉シミュレーションにより精度よく基準スペクトルを取得することができる。すなわち、光干渉シミュレーションにより、異なる膜厚の条件下で反射光から複数の基準スペクトルを算出することができる。
ウェハWの研磨中、研磨テーブル30が一回転するたびに膜厚センサ40の投光部42は測定領域61に光を当て、受光部43はその反射光を受光し、分光器44は各波長での反射光の強度を測定する。コントローラ50は反射光の波長と強度との関係を示すスペクトル(以下、現在のスペクトルという)を生成し、この現在のスペクトルと予め用意された複数の基準スペクトルとを比較し、現在のスペクトルに最も近い(最も類似する)基準スペクトルを選択し、選択された基準スペクトルに関連付けられた最上層膜(被研磨膜)の膜厚から現在の膜厚を決定する。このように、配線パターンのない測定領域61での膜厚が測定されるので、高精度で膜厚の変化を捉えることができる。
基準スペクトルは、最上層膜(被研磨膜)の厚さ、及び下層膜(多層膜の場合もある)の厚さを想定される範囲で段階的に変化させ、それぞれの膜厚の組み合わせに関して光干渉シミュレーションを行うことによって予め求められる。ここで、想定される範囲とは、最上層膜に関しては研磨前後の推定膜厚を考慮して、また、下層膜に関しては膜厚のばらつきを考慮して決定される。あるいは、基準スペクトルを予め用意しておくのではなくて、研磨中に、仮想ウェハの最上層膜および下層膜の厚さを逐次変化させながら光干渉シミュレーションを行って、現在のスペクトルに最も近い基準スペクトルが得られるまで膜厚の探索を続けることにしてもよい。さらに、各膜の材料の光学定数のばらつきが想定される場合には、光学定数を変数に加えて膜厚の探索を行なってもよい。
図7は、研磨テーブル30が70min−1、トップリング31が71min−1で回転しているときに膜厚センサ40がウェハWの表面に描く軌跡を示す図である。図7から分かるように、研磨テーブル30とトップリング31が異なる速度で回転しているとき、膜厚センサ40の軌跡(経路)の方向は研磨テーブル30が回転するたびに徐々に変わる。したがって、ウェハWの周方向に亘って膜厚のばらつきが存在すると、膜厚センサ40の軌跡によって、測定膜厚がウェハW全体での平均膜厚からずれてしまい、研磨の進行を的確に捉えることが困難となる。成膜装置の構造上、特にウェハWの周縁部においてこのような膜厚のばらつきが起こりやすい。
そこで、このような場合には、図8に示すように、所定の膜厚監視時間内にセンサ軌跡がウェハWの表面の全周に亘って実質的に均等に分布するように、研磨テーブル30とトップリング31との回転速度比を調整することが好ましい。膜厚センサ40のウェハ面上の軌跡の分布は、研磨テーブル30とトップリング31との回転速度比によって変化する。図8に示す例では、研磨テーブル30の回転速度は70min−1であり、トップリング31の回転速度は77min−1である。このような回転速度比とすることにより、図8に示すように、センサ軌跡は、ウェハWの表面全周に亘って均等に分布する。コントローラ50は、所定の膜厚監視時間内に測定された膜厚の平均を算出し、得られた膜厚の平均に基づいて研磨の進行を監視し、さらにウェハWの研磨終点を決定する。所定の膜厚監視時間は研磨時間と共に逐次移動される。そして、膜厚監視時間が移動されるたびに膜厚の平均(すなわち移動平均)が算出され、研磨の進行監視および研磨終点検出は逐次算出される膜厚の平均に基づいて行われる。
所定の膜厚監視時間内に測定された膜厚の平均は、ウェハWの周方向に沿った膜厚のばらつきの平均である。1枚のウェハWの研磨時間は、多くの場合30〜120秒であるから、研磨開始から研磨終了まで研磨の進行を監視するために十分に短い膜厚監視時間を設定することが好ましい。例えば、好ましい膜厚監視時間は10秒以下である。図8に示す例では、研磨テーブル30の回転速度は70min−1であり、研磨テーブル30が10回転すると、膜厚センサ40はウェハWの全面を走査する。したがって、この場合の膜厚監視時間は次のように求められる。
60秒×10回転/70回転≒8.6秒
図4から分かるように、研磨テーブル30が1回転するたびに、膜厚センサ40はウェハWの中心を必ず走査する。したがって、図7および図8に示す膜厚センサ40の軌跡(走査線)は、必ずウェハWの中心を通っている。そこで、この事実に着目して、図9に示すように、配線パターンのない測定領域61をウェハWの中心部に設けてもよい。図9に示す例では、斜線で示す測定領域61は、図6に示すウェハWの中心部に位置するダイに相当する領域である。このようなウェハWを作成すれば、研磨テーブル30やトップリング31の回転速度によらず、ウェハWの周方向に沿った膜厚のばらつきに依存しないスペクトルを得ることができる。測定領域61をウェハWの周縁部および中心部の両方に設けてもよい。
膜厚センサ40は、ウェハWの表面を走査している間、ウェハWの中心および/または周縁部に位置する測定領域61内で膜厚信号を取得する。1回あたりの膜厚測定時間が長いと、ウェハW上の測定領域61の外側の領域も含む比較的広い領域で膜厚が測定されることがある。したがって、測定領域61内でのみ膜厚測定が行われるように、1回あたりの膜厚測定時間を短く設定することが好ましい。
図2に示す研磨装置において、膜厚センサ40の回転半径をR[mm]、研磨テーブル30の回転速度をN[min−1]、1回あたりの膜厚測定時間T[ms(ミリ秒)]とすると、膜厚測定時間Tの間に膜厚センサ40がウェハWの表面上を走査する距離D[mm]は、概ね次の式から与えられる。
D=2πRNT/60000
直径300mmのウェハを研磨する研磨装置の典型的な例として、R=200mm、N=60min−1とすると、1回あたりの膜厚測定時間Tは約0.8D[ms]となる。研磨テーブル30はより速い速度で回転する場合もある。そこで、研磨テーブル30が120min−1で回転する場合は、1回あたりの膜厚測定時間Tは約0.4D[ms]となる。
膜厚センサ40が光学式膜厚測定器である場合は、膜厚測定時間Tはウェハの露光時間に相当する。投光部42の光源としてハロゲンランプなどの連続点灯光源を使用する場合には、膜厚測定時間Tは測定領域61の長さ(膜厚センサ40の移動方向に沿った長さ)に基づいて決定される。例えば、測定領域61の長さが10mmである場合、膜厚測定時間Tは8(=0.8×10)ms以下であることが好ましい。さらに、研磨テーブル30はより高速で回転する場合があるので、膜厚測定時間Tは4(=0.4×10)ms以下であることが好ましい。
投光部42の光源として、キセノンフラッシュランプなどのパルス点灯光源を使用してもよい。キセノンフラッシュランプの点灯時間は数マイクロ秒オーダーであるから、この点灯時間の間に膜厚センサ40がウェハW上を走査する距離はほとんど無視することができる。したがって、測定領域61の大きさにかかわらず、測定領域61からの反射光のスペクトルを取得することができる。
図10(a)は、金属配線70と絶縁膜71とが混在している配線パターン領域を示す模式図であり、図10(b)は、絶縁膜71のみが存在する測定領域61を示す模式図である。図11(a)は、図10(a)に示す配線パターン領域からの反射光のスペクトルを示す図であり、図11(b)は、図10(b)に示す測定領域61からの反射光のスペクトルを示す図である。
図10(a)に示す配線パターン領域では、シリコン基板69の上に絶縁膜71(例えば、SiO膜)が形成されており、この絶縁膜71内には金属配線70(例えば、Al配線)からなる配線パターンが存在している。図10(b)に示す測定領域61では、シリコン基板69の上に絶縁膜71のみが形成されている。図11(a)および図11(b)から分かるように、金属配線70が存在すると、一般に、膜厚センサ40によって取得される膜厚信号(反射光の強度)が大きくなる。
この事実に基づき、膜厚信号の大きさ(反射光の強度)に従って、ウェハWの研磨中に取得された膜厚信号を、配線パターン領域で取得された膜厚信号か、または測定領域61で取得された膜厚信号のいずれかに振り分けることができる。すなわち、コントローラ50は、研磨中に膜厚センサ40によって取得された膜厚信号に示されている反射光の強度に基づいて、測定領域61で取得された膜厚信号を、配線パターン領域で取得された膜厚信号から選別する。例えば、コントローラ50は、膜厚信号に示される反射光の強度と所定のしきい値とを比較し、反射光の強度がしきい値を下回る場合は、その取得された膜厚信号を、測定領域61で取得された膜厚信号に振り分ける。
図11(a)および図11(b)を参照して膜厚信号を選別する例を説明する。図11(a)および図11(b)に示す例では、しきい値は110%に設定されている。図11(a)のスペクトルに示されている所定の波長領域での反射光の強度(相対反射率として表されている)は110%を上回っており、図11(b)のスペクトルに示されている所定の波長領域での反射光の強度(相対反射率)は110%を下回っている。したがって、図11(a)に示すスペクトルは、配線パターン領域からの反射光のスペクトルであり、図11(b)に示すスペクトルは、測定領域61からの反射光のスペクトルである。図11(a)および図11(b)に示す例では、所定の波長領域は400nm〜800nmであるが、本発明はこの例には限られない。
このように、膜厚信号の大きさ(反射光の強度)に基づいて膜厚信号が選別されるので、トップリング31が研磨中に研磨パッド上を揺動する条件下でも、ウェハWの膜厚の変化を正確に監視することができる。したがって、研磨終点検出の精度を向上させることができる。投光部42の光源としてキセノンフラッシュランプなどのパルス点灯光源を用いれば、研磨中に取得されるスペクトルは、配線パターン領域からの反射光のスペクトルかまたは測定領域61からの反射光のスペクトルかのいずれかに選別される。したがって、測定領域61からの反射光のスペクトルから生成された膜厚指標値に基づいて、正確な膜厚監視および正確な研磨終点検出が可能となる。
実際のウェハの構造はより複雑であり,スペクトルの違いも図11(a)および図11(b)に示す例ほど顕著でない場合もあるが、予め静止測定などにより測定領域61に対応するスペクトルと配線パターン領域に対応するスペクトルを取得することにより、選別のための条件(例えば上記しきい値および/または上記所定の波長領域など)を適宜定めることができる。
今まで述べた実施形態では、膜厚センサとして光学式膜厚測定器が用いられているが、金属膜の膜厚を測定する場合には渦電流センサを膜厚センサとして用いてもよい。本発明によれば、渦電流センサの出力信号は配線パターンの影響を受けないので、同様に正確な膜厚監視および正確な研磨終点検出が可能となる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
10 研磨パッド
10a 研磨面
16 トップリングシャフト
19 テーブルモータ
30 研磨テーブル
31 トップリング
32 研磨液供給機構
40 膜厚センサ
42 投光部
43 受光部
44 分光器
50 コントローラ
60 デバイス
61 測定領域
69 シリコン基板
70 金属配線
71 絶縁膜

Claims (12)

  1. 配線パターンのない少なくとも1つの測定領域を基板の表面内に設け、
    前記基板と研磨パッドとを摺接させて該基板を研磨し、
    前記基板の研磨中に前記測定領域内の膜厚を膜厚センサで測定することを特徴とする研磨方法。
  2. 前記測定領域は、前記基板の周縁部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記基板の研磨は、前記研磨パッドを支持する研磨テーブルと、前記基板を前記研磨パッドに押し付けるトップリングをそれぞれ回転させることにより、前記基板と前記研磨パッドとを摺接させて該基板を研磨する工程であり、
    所定の膜厚監視時間内に前記膜厚センサが前記基板の表面上に描く軌跡が前記基板の全周に亘って略均等になるように、前記研磨テーブルと前記トップリングとの回転速度比を調整することを特徴とする請求項2に記載の研磨方法。
  4. 前記所定の膜厚監視時間は、10秒以内であることを特徴とする請求項3に記載の研磨方法。
  5. 前記測定領域は、前記基板の中心部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  6. 1回あたりの膜厚測定時間は、8ミリ秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  7. 1回あたりの膜厚測定時間は、4ミリ秒以下であることを特徴とする請求項6に記載の研磨方法。
  8. 前記膜厚センサは、光学式膜厚測定器であることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  9. 前記光学式膜厚測定器は、パルス点灯光源を備えていることを特徴とする請求項8に記載の研磨方法。
  10. 前記基板の研磨中に前記測定領域を含む複数の領域で前記膜厚センサによって膜厚を測定し、
    前記測定領域で取得された膜厚信号を、膜厚信号の大きさに基づいて、配線パターン領域で取得された膜厚信号から選別することを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  11. 前記膜厚センサによって取得された膜厚信号の大きさが所定のしきい値を下回る場合は、その膜厚信号を前記測定領域で取得された膜厚信号に振り分けることを特徴とする請求項10に記載の研磨方法。
  12. 前記測定領域で取得された膜厚信号に基づいて前記基板の研磨終点を決定することを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
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CN112692717A (zh) * 2019-10-03 2021-04-23 株式会社荏原制作所 基板研磨装置、膜厚映射制作方法及基板的研磨方法
JP7503418B2 (ja) 2020-05-14 2024-06-20 株式会社荏原製作所 膜厚測定装置、研磨装置及び膜厚測定方法

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